JP6711383B2 - 渦輪発生装置 - Google Patents
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Description
実施形態1に係る渦輪発生装置(10)は、渦輪状の空気(渦輪(R))を放出する。渦輪発生装置(10)は、所定の放出成分を渦輪(R)に含ませ、放出成分を含んだ渦輪(R)を対象者などに向かって供給する。放出成分は、香り成分、水蒸気、所定の効能を有する物質などを含む。放出成分は、気体であることが好ましいが、液体であってもよく、その場合には微粒子状の液体であるのが好ましい。
ケーシング(20)は、前側が開放されるケース本体(21)と、該ケース本体(21)の前側の開放面を塞ぐ略板状の前板(22)とを備えている。前板(22)の中央部には、円形の放出口(25)が前後に貫通して形成される。前板(22)の後面には、略筒状の周壁(23)が連続して形成される。周壁(23)は、放出口(25)の内周縁部(26)から後方に向かって延出している。周壁(23)は、前側に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成される。周壁(23)の外周端部は、ケース本体(21)の内壁に固定される。周壁(23)の前側の先端部は放出口(25)の内周縁部(26)に連続している。周壁(23)の軸心は、放出口(25)の軸心と概ね一致している。
通路形成部材(40)は、周壁(23)の後側に配置される。通路形成部材(40)は、周壁(23)の内周面に沿うような略筒状に形成される。通路形成部材(40)は、前側(即ち、空気通路(C)の下流側)に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成される。通路形成部材(40)の軸心は、放出口(25)の軸心と概ね一致している。通路形成部材(40)の軸心は、周壁(23)の軸心と概ね一致している。
押出機構(30)は、ケーシング(20)内の後方寄りに配置される。押出機構(30)は、可動部材である振動板(31)と、該振動板(31)を前後に変位させるリニアアクチュエータ(35)とを有する。振動板(31)は、振動板本体(32)と、該振動板本体(32)の外周縁部に形成される枠状の弾性支持部(33)とを含んでいる。振動板(31)は、弾性支持部(33)を介してケーシング(20)の内壁に固定される。リニアアクチュエータ(35)は、振動板(31)を前後に振動させる駆動部を構成している。リニアアクチュエータ(35)の基端(後端)は、ケース本体(21)の後壁に支持される。リニアアクチュエータ(35)の先端(前端)は、振動板(31)の中央部に連結している。
ケーシング(20)では、振動板(31)から放出口(25)に亘って空気通路(C)が形成される。空気通路(C)は、第1通路(C1)と、該第1通路(C1)の下流端に連続する第2通路(C2)とを含んでいる。第1通路(C1)は、ケース本体(21)の内壁に囲まれている。第1通路(C1)の通路面積は一定である。第2通路(C2)は、通路形成部材(40)の内部に形成される。つまり、第2通路(C2)は、周壁(23)に囲まれている。第2通路(C2)は、下流側に向かって通路面積を小さくする絞り通路を構成している。これにより、第2通路(C2)では、空気の流速が下流側に向かうにつれて徐々に増大していく。
成分供給装置(50)は、渦輪(R)に付与する放出成分をケーシング(20)の内部に供給する。具体的には、成分供給装置(50)は、所定の放出成分を、供給路(51)を介してケーシング(20)内に区画された成分室(27)へ供給する。成分供給装置(50)は、放出成分を発生させる成分発生部と、該発生部で発生させた放出成分を搬送する搬送装置とを含む(図示省略)。成分発生部は、例えば成分原料から放出成分を気化させる気化式である。搬送装置は、例えば空気ポンプで構成される。成分供給装置(50)は、所定濃度に調節した放出成分を成分室(27)に適宜供給する。
渦輪発生装置(10)は、放出成分を空気通路(C)に供給するための成分供給口(60)を有する。本実施形態では、ケーシング(20)の内部に1つの成分供給口(60)が形成される。成分供給口(60)は、放出口(25)の近傍に配置される。
渦輪発生装置(10)の基本的な運転動作について図1を参照しながら説明する。
図3及び図4に示すように、渦輪発生装置(10)の運転時には、振動板(31)が、基準位置と押出位置との間で振動する。押出機構(30)の停止時には、振動板(31)が基準位置(図3のP1で示す位置)となる。基準位置は、振動板(31)の変形量がゼロとなり、該振動板(31)が平板状の状態(本例では垂直な状態)となる。一方、振動板(31)が押出位置(図3のP2で示す位置)になると、振動板(31)が前側(空気通路(C)の下流側)に変形する。つまり、振動板(31)は前側に膨出した状態となる。このように、振動板(31)は、基準位置と押出位置との間で振動し、基準位置よりも後側には変形しない。
実施形態1によれば、成分供給口(60)の周方向の全長L1が、放出口(25)の周方向の全長L2の1/2以上である。ここで、渦輪(R)の周長は、放出口(25)の周方向長さが支配的となる。よって、L1≧L2×(1/2)とすると、渦輪(R)の周長に対する成分供給口(60)の周方向長さを十分に確保でき、渦輪(R)中に含まれる放出成分の偏在を抑制できる。また、成分供給口(60)を空気通路(C)に開口させることで、空気通路(C)を流れる空気の動圧を利用して、成分室(27)の放出成分を空気通路(C)に吸い込むことができる。
参考例1では、実施形態1と同様の構成において、ケーシング(20)の内部に複数の成分供給口(60)が形成されている。複数(本例では4つ)の成分供給口(60)は、実施形態1と同様、放出口(25)の近傍に形成される。具体的には、例えば複数の成分供給口(60)は、通路形成部材(40)の下流側端部(41)に形成した複数の切り欠き孔によって形成される。複数の成分供給口(60)は、周方向において等間隔置きに配列される。これにより、空気中に放出成分を均一に供給できる。
図7及び図8に示す参考例2の渦輪発生装置(10)は、上述した各形態と成分供給口(60)に関する構造が異なる。実施形態2は、空気通路(C)において、放出口(25)の流入端を囲むように複数(本例では4つ)のノズル(62)が配置される。各ノズル(62)は、放出口(25)の軸心を中心として、周方向に等間隔置きに配列される。各ノズル(62)は、チューブ状の供給路(51)を介して成分供給装置(50)と接続されている。
図9及び図10に示す参考例3の渦輪発生装置(10)は、上述した各形態と成分供給口(60)に関する構造が異なる。実施形態3は、ケーシング(20)の外部に放出成分を供給するダクト(65)が形成される。ダクト(65)は、ケーシング(20)の前板(22)に沿うように配置される。ダクト(65)の中空の枠状に形成され、その内部には筒状の空間が形成される。この空間が成分室(27)を構成している。成分室(27)には、成分供給装置(50)から放出成分が適宜供給される。
図11及び図12に示す参考例4の渦輪発生装置(10)は、上述した各形態と成分供給口(60)に関する構造が異なる。参考例4には、ケーシング(20)の前側に、放出口(25)を囲む筒状ノズル(66)が形成される。筒状ノズル(66)は、ケーシング(20)の前板(22)から後方に凹むように形成され、その内部に筒状の成分室(27)が形成される。筒状ノズル(66)の前側(先端)には、円環状の開口が形成され、この開口が成分供給口(60)を構成している。成分供給口(60)の軸方向長さL1は、その径方向の幅W1よりも大きくなっている。
20 ケーシング
25 放出口
26 内周縁部
27 成分室
30 押出機構
31 振動板
35 駆動部
40 通路形成部材
41 下流側端部
60 成分供給口
Claims (8)
- 放出口(25)が形成されるケーシング(20)と、
前記ケーシング(20)の内部の空気通路(C)の空気を前記放出口(25)から渦輪状に放出するよう該空気を押し出す押出機構(30)とを備えた渦輪発生装置であって、
前記空気通路(C)の周囲に形成され、放出成分を空気中に供給する成分供給口(60)を備え、
前記成分供給口(60)の周方向の全長L1が、前記放出口(25)の周方向の全長L2の1/2以上であり、
前記押出機構(30)は、振動板(31)と、該振動板(31)を振動させる駆動部(35)とを有し、
前記空気通路(C)は、
前記押出機構(30)が配置される第1通路(C1)と、
前記第1通路(C1)の下流端に連続し、下流側に向かって通路面積を小さくする絞り通路(C2)とを含んでおり、
前記ケーシング(20)の内部には、前記成分供給口(60)に供給する放出成分が貯留されるとともに前記第1通路(C1)と仕切られる成分室(27)が形成され、
前記成分供給口(60)は、前記絞り通路(C2)の下流側に形成される
ことを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1において、
前記成分供給口(60)は、環状に形成されることを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1又は2において、
前記成分供給口(60)は、前記放出口(25)の近傍に形成されることを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
複数の前記成分供給口(60)が周方向に等間隔置きに配置されることを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
前記成分供給口(60)は、前記空気通路(C)の内周面に形成され、
前記成分供給口(60)の総開口面積が、該空気通路(C)の内周面のうち成分供給口(60)と周方向に隣り合う閉塞面(B)の総面積よりも大きいことを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(20)の内部には、前記空気通路(C)の少なくとも一部を形成する筒状の通路形成部材(40)が設けられ、
前記成分供給口(60)は、前記通路形成部材(40)の下流側端部(41)と、前記放出口(25)の内周縁部(26)との間に形成されることを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項6において、
前記ケーシング(20)と前記通路形成部材(40)との間には、前記成分供給口(60)に供給する放出成分が貯留される前記成分室(27)が区画されることを特徴とする渦輪発生装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1つにおいて、
前記押出機構(30)は、
前記振動板(31)の変形量がゼロとなる基準位置と、該振動板(31)を該基準位置よりも前記空気通路(C)の下流側に変形させる押出位置との間で、該振動板(31)を振動させるように構成されることを特徴とする渦輪発生装置。
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