JP6781972B2 - 無アーク電流接続装置 - Google Patents
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Description
しかし、まだまだ、半導体スイッチの通電損は金属接点より大きく、連続通電では半導体スイッチの冷却装置が必要となり、大型になってしまうのが欠点である。そこで、両方の利点を組み合わせて、通電は金属接点で、遮断時のみ半導体スイッチで通電、遮断する無アーク開閉器、遮断器が望まれている。
半導体に流れる時間が上記特許文献1に記載の双投スイッチでは電極aからbまでの反転時間であって、それは数msで、かなり短く半導体の通電容量では十分効果のあることであるが、短時間の半導体の電流容量は十分にあるので数10msと短時間でなくてもよく、通電接点とゲート制御のスイッチS2はスイッチS1とS3の間のタイミングで作動し、連動していればよいのである。
接続するには、
(1)最初にS1がオンすると半導体回路を接続するが、半導体スイッチはゲートがS2のb接点(以下「S2b接点」という。)に接続されており、ゲート制御の電圧がゼロで半導体スイッチはオフ状態のままである。
(2)S2の接点が作動開始すると、b接点から外れて半導体スイッチの抵抗R1によりゲート電圧は上昇し、半導体スイッチMOSFETはセルフバイアス電圧Vth(スレッショルド電圧)で導通する。半導体デバイスが導通状態となり負荷へと電流が流れる。
(3)最後にS3をオンする。オン抵抗の小さな金属接点であるS3で電源と負荷間を短絡させることで電流は主としてS3を流れるようになって、半導体にはわずかに流れても発熱もわずかでスイッチの接続動作は完了する。
(4)最初にS3の接続装置を開放するが、S2b接点がオンするまで、半導体はセルフゲートトリガーで導通状態であるので、全電流が半導体に流れてS3の接点の極間はアークが発生するに必要な約10V以上にならず、S3は無アークで開極される。
(5)次に、S2b接点がオンするとゲート制御電圧がゼロになって半導体スイッチはオフになって負荷への電流が遮断される。このときインダクティブな負荷を切るとサージ電圧が発生するので過電圧保護が必要である。
(6)微小なリーク電流の除去のため、また感電事故防止ため、金属接点によるS1が、電流が微小なため無アークで閧放され、完全な開放動作が完了する。S1,S2,S3の3つの接点の一連の動作によって開閉器の開閉、プラグ・コネクタなどの接続・開放すれば、アークの無い接続開放遮断が可能である。
すなわち、S1接点の操作、その後S2接点の操作によって通電が行われ、その後、接点S3がこの電流を短絡して半導体デバイス電流はS3の導通接点に転流させる、3ステップで大電流直流を無アークで接続する。開放はこの逆である。
S2接点は、a接点であっても半導体ゲート電圧を制御できれば可能であるが、このa接点は主回路の電圧に耐える必要がある、またS1接点の接触不良で半導体ゲートに高電圧がかかる可能性があるので何らかの保護回路が必要である。S2b接点を使って半導体を制御すれば、ここに高電圧は発生しないので弱電流用のスイッチが使える利点がある。
ひとつは機械接点の信頼性を必要とする場合、S1を安全スイッチとして考えてもよいし、半導体スイッチが故障した場合のバックアップとして考えることもできる。金属接点による直流電流遮断はアークによる電極消耗が問題で、接点の耐久性が交流に較べ大幅に低いが、半導体スイッチとの直列接続でその問題を解決できる。すなわち、開閉回数が多い負荷電流の開閉には半導体スイッチを用い、電流が大きいが頻度の少ない事故電流の場合には、S2は動作させずに、機械接点S1で遮断するなどである。(請求項4)
(1)はDCプラグとDCジャックが接続前の状態を示す。
(2)DCプラグの挿入を開始してDCプラグS1が導通した状態。しかし、S2b接点のオンによりゲート電圧がゼロになるので半導体スイッチ3がオフになり、電流が流れない。DCプラグの挿入がさらに進むと、S2b接点がオフになって、MOSFETが導通状態になる。
(3)さらにDCプラグが挿入されて、S3がオンして導通が完了。
(4)遮断の開始。S3で導通している。
(5)S3がオフされる。しかし、S3がオフされても、その電流はMOSFETで導通されているので無アークで転流する。
(6)S2b接点がオンされるとゲート電圧がゼロになってMOSFETにより電流が遮断。
(7)S1も離れて完全な遮断動作が終了。
(8)プラグの開放が完了。
実施例2では、S1は直流母線と接触する可動接触子の中心導体である。S3は直流母線と広い面積で接触する可動接触子の外側導通導体である。中心導体は常に下からバネによって押されて外側導通導体より突出しており、最初にS1が母線に接触するようになっている。中心導体が母線に接触して押されると、その動作でS2b接点がオフされるように配置されている。中心導体はMOSFETのドレインに、外部導通導体は負荷に直接つながっている。
S2b接点はMOSFETのゲートとソースにそれぞれ接続されてノルマルクローズの接点になっている。この構造によって、S1からオンし、次にS2b接点がオフし、最後にS3が接触してオンとなって母線との接続が完了し、開放はその逆がなされる。
また、S2が双投スイッチやマイクロスイッチである場合、S2のa接点があるので、それをS1に直列に用いると半導体デバイスの通電時間が双投スイッチの反転時間のみになるので、半導体の通電容量が上がる効果がある。
S2b接点がオフで半導体デバイスがオン状態になって電流が流れ、その後にS3がオンして、電流が半導体回路をバイパスする。遮断はこの逆に、S3オフ、S2b接点オンで電流が半導体デバイスで遮断、最後にS1が離れて開極が完了する。
この回路は、最も簡単な構成の直流電流の1方向専用に用いることもできるが、半導体スイッチ回路を図5の様にして再起電圧の制御を行うも可能、さらに図6、または図7を用いれば交流又は双方向直流にも適用可能である。
(1)上記の実施形態では半導体デバイスとしてMOSFETを使用するようとしたが、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)など絶縁ゲートをもつ電圧制御デバイスでもよい。
(2)上記の実施形態では、無アーク電流接続装置に適用した場合について説明したが、順に、S1オン,S2b接点オフ,S3オン、又は順に、S3オフ,S2b接点オン,S1オフすれば良いので、3スイッチ連動の手動の回転スイッチ、スライドスイッチ、直流電流ばかりでなく交流用遮断器、電磁接触器に適用することができる。そこでは開極スピードが遅くても、無アークであれば寿命には問題がないので、接触抵抗の低い金属接点を選択することができ、駆動機構も大きく変わる。
(3)交流配電用の交流高速アーク遮断/開閉器に本発明の無アーク接続機構を採用すれば、従来、アーク時間を最小にするため、又はアーク電圧を急速に大きくするために開極のスピードを高速にする機構が必要であったが、これが不要になるため、静粛、長寿命、小型化が可能になる。
(4)交流送電系統における負荷時タップ切り換え装置において、接点の無アークでのオン/オフが可能になれば、タップ切り換えが高速化、多頻度化、長寿命化が期待できる。
なお、言うまでもないが、本発明において「機械(式)接点」と「金属接点」とは同じ意味で用いており、「半導体スイッチ」の「電子式」のオン/オフ動作に対するものとして「機械式」、オン抵抗の低さに着目した場合は「金属接点」と言っているが、明確に使い分けているわけではない。
2:負荷
3:絶縁ゲート半導体スイッチ
4:高抵抗R1
5:スイッチ(S1:起動接点、S2:ゲート制御SW、S3:通電接点)
6:無アーク電流接続装置
Claims (7)
- 直流電源と負荷との間に接続し、前記負荷に対する電流の接続/遮断をアーク発生無しに行う無アーク電流接続装置において、該無アーク電流接続装置は、
第1の機械接点(S1)とMOSFET(3)を直列に接続した回路と、該回路に並列に接続した第3の機械接点(S3)と、前記MOSFETのドレインとゲートとの間に挿入した抵抗器(R1)と、前記MOSFETのソースと前記ゲートとの間に挿入したb接点である第2の機械接点(S2)とを備え、該第2の機械接点のオン/オフにより前記MOSFETの導通/遮断を制御するとともに、
前記電流の接続時は、順に、前記第1の機械接点がオン、前記第2の機械接点がオフ、前記第3の機械接点がオンになるように構成され、前記電流の遮断時は、順に、前記第3の機械接点がオフ、前記第2の機械接点がオン、前記第1の機械接点がオフになるように構成されているものであり、さらに、
前記第1の機械接点が、DCプラグの内側接点と3端子DCジャックのセンターピン(1ピン)で構成され、かつ、前記DCプラグの内側接点と外側接点が短絡され、
前記第3の機械接点が、前記DCプラグの外側接点と前記3端子DCジャックの可動端子(3ピン)で構成され、
前記第2の機械接点が、前記3端子DCジャックの固定端子(2ピン)と前記可動端子(3ピン)で構成され、
前記DCプラグを前記3端子DCジャックに抜き差しすることによって、前記電流の接続/遮断を無アークで実現することを特徴とする無アーク電流接続装置。 - 直流電源と負荷との間に接続し、前記負荷に対する電流の接続/遮断をアーク発生無しに行う無アーク電流接続装置において、該無アーク電流接続装置は、
第1の機械接点とMOSFETを直列に接続した回路と、該回路に並列に接続した第3の機械接点と、前記MOSFETのドレインとゲートとの間に挿入した抵抗器と、前記MOSFETのソースと前記ゲートとの間に挿入したb接点である第2の機械接点とを備え、該第2の機械接点のオン/オフにより前記MOSFETの導通/遮断を制御するとともに、
前記電流の接続時は、順に、前記第1の機械接点がオン、前記第2の機械接点がオフ、前記第3の機械接点がオンになるように構成され、前記電流の遮断時は、順に、前記第3の機械接点がオフ、前記第2の機械接点がオン、前記第1の機械接点がオフになるように構成されているものであり、さらに、
前記第1の機械接点が、母線電極へ圧着して接続する接触子の可動接触子である中心導体と前記母線電極で構成され、かつ、前記中心導体は前記ドレインに接続されるとともに、下からバネによって押されて外側導通導体より突出しており、
前記第3の機械接点が、前記母線電極と広い面積で接触する可動接触子である前記外側導通導体と前記母線電極で構成され、かつ、前記外側導通導体は前記ソースに接続されるとともに、
前記第2の機械接点が、前記ゲートに接続された固定端子と前記ソースに接続された可動端子で構成され、かつ、初期状態では前記固定端子と前記可動端子は接触しており、
前記電流の接続時は、前記中心導体が前記母線電極に接触して前記第1の機械接点がオンとなり、さらに押されるとその反動で前記第2の機械接点の可動端子が前記固定端子から離れて前記MOSFETがオンになり、次に、前記外側導通導体が前記母線電極に接触して前記第3の機械接点がオンになり、
前記電流の遮断時は、その逆の順序で前記各機械接点が動作することによって前記電流の接続/遮断を無アークで実現することを特徴とする無アーク電流接続装置。 - 直流電源と負荷との間に接続し、前記負荷に対する電流の接続/遮断をアーク発生無しに行う無アーク電流接続装置において、該無アーク電流接続装置は、
第1の機械接点とMOSFETを直列に接続した回路と、該回路に並列に接続した第3の機械接点と、前記MOSFETのドレインとゲートとの間に挿入した抵抗器と、前記MOSFETのソースと前記ゲートとの間に挿入したb接点である第2の機械接点とを備え、該第2の機械接点のオン/オフにより前記MOSFETの導通/遮断を制御するとともに、
前記電流の接続時は、順に、前記第1の機械接点がオン、前記第2の機械接点がオフ、前記第3の機械接点がオンになるように構成され、前記電流の遮断時は、順に、前記第3の機械接点がオフ、前記第2の機械接点がオン、前記第1の機械接点がオフになるように構成されているものであり、さらに、
プラス(+)電極及びマイナス(−)電極のほかに棒状の絶縁ロッドを備えたプラグと、該プラグが差し込まれるコンセントとを備え、
該コンセントは、前記プラグが差し込まれることにより前記プラス電極と最初に接触する第1の接触子と、前記マイナス電極と接触する第2の接触子と、前記プラグが差し込まれることにより前記プラス電極と2番目に接触する第3の接触子と、前記絶縁ロッドが抜き差しされることによってオン/オフ動作を行うスイッチを備えるとともに、
前記第1の機械接点が、前記プラス電極及び前記第1の接触子並びに前記マイナス電極及び前記第2の接触子によって構成され、
前記第3の機械接点が、前記プラス電極と前記第3の接触子によって構成され、
前記第2の機械接点が、前記スイッチによって構成され、かつ、前記第1の機械接点のオンと前記第3の機械接点のオンの間に前記スイッチが動作するように前記絶縁ロッドの長さが設定されているものであり、
前記プラグを前記コンセントに抜き差しすることによって、前記電流の接続/遮断を無アークで実現することを特徴とする無アーク電流接続装置。 - 前記第1の機械接点と前記第2の機械接点のb接点との間に、コンデンサと第2の抵抗器(R2)の直列回路を接続して、該直列回路の中点を前記MOSFETの前記ゲートに接続して再起電圧の上昇をミラー積分回路にて制御する回路を付加し、さらに前記MOSFETの前記ドレインにダイオードを接続して逆方向電流阻止とし、また、前記MOSFETの過電圧保護のためにバリスタを付加したことを特徴とする請求項1に記載の無アーク電流接続装置。
- 前記第1の機械接点と前記第3の機械接点の間にダイオードブリッジ接続して電力方向に関わらず電流が流せるようにしたことで、電流方向に関わらず前記第3の機械接点の電流を転流し、遮断できるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の無アーク電流接続装置。
- 前記MOSFETを2つのMOSFETを逆直列に接続した回路で置き換え、前記各MOSFETの各ゲートを抵抗器(R1)で前記各MOSFETの各ドレインに接続し、かつ、前記各ゲート電圧を制御する前記第2の機械接点のb接点に接続するようにして、電流方向に関わらず前記第3の機械接点の電流を転流し、遮断できるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の無アーク電流接続装置。
- 前記MOSFETをIGBTで置き換え、前記ドレインをコレクタ、前記ソースをエミッタにそれぞれ読み替えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の無アーク電流接続装置。
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