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JP6778571B2 - シート化粧料 - Google Patents

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Description

本発明はシート化粧料に関する。
シート化粧料は、シート基材に化粧料組成物を含浸させて形成される。シート化粧料としては、汗、皮脂汚れや古い角質等の汚れを拭き取って肌を清潔に保つことを主目的とするボディ用シート化粧料、メイク落としや洗顔を主目的とするフェイス用シート化粧料等が知られている。
特にボディ用シート化粧料には、近年、汚れを拭き取り、べたつき感を抑えて使用後にさっぱりとした使用感を与えるだけでなく、更に肌にサラサラ感やスベスベ感を付与することが求められている。
従来、シート基材に含浸する化粧料組成物に粉体を配合し、使用後の肌にサラサラ感やしっとり感を付与する技術が知られている。しかし、粉体を含有させると、粉体の種類や配合量によっては、使用感が損なわれたり、肌への白浮きが生じやすくなったりするという問題がある。
例えば、引用文献1及び2等には、粉体の配合による白残りを改善し、肌にサラサラ感を付与するシート化粧料が記載されている。
特開2002−201109号公報 特開2000−1424号公報
本発明者らは、シート化粧料に使用後の肌にサラサラ感を付与するには、粉体としてシリカ(特に、球状シリカ)を用いることが有効であることを見出した。しかしながら、シリカ(特に、球状シリカ)を比較的多量に含有したシート化粧料では、保存中にシリカの沈降(複数枚のシート化粧料が重ねられて包装容器に収納されている状態で、上方のシート化粧料中のシリカが包装容器の下方に沈む現象)が生じ、上方のシート化粧料と下方のシート化粧料とでシリカの含有量に差異ができ、包装容器中のシート化粧料ごとに使用感が異なる、包装容器中の下方のシート化粧料を用いると白浮きが起こる等の問題が生じることがわかった。
従って、本発明の目的は、肌を拭き取ることで使用後の肌にサラサラ感を付与できるシート化粧料であって、白浮きが少なく、且つ複数枚積層し保存した後に使用する際にも上下間で使用感の差異が小さいシート化粧料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定量のシリカ、特定量のカチオン化ポリマー、及び水を含み、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の含有量がそれぞれ特定量未満である化粧料組成物を不織布に含浸させたシート化粧料とすることで、肌を拭き取ることで使用後の肌にサラサラ感を付与できるシート化粧料であって、白浮きが少なく、且つ複数枚積層した際に上下間で使用感の差異が小さいシート化粧料が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、不織布と、前記不織布に含浸された化粧料組成物とを含むシート化粧料であって、前記化粧料組成物が、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を含み、前記化粧料組成物中の、成分(A)の含有量が0.5〜15質量%、成分(B)の含有量が0.0005質量%以上0.1質量%未満であり、前記化粧料組成物中の、カチオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%未満、ノニオン性界面活性剤の含有量が0.2質量%未満であることを特徴とするシート化粧料を提供する。
成分(A):シリカ
成分(B):カチオン化ポリマー
成分(C):水
上記化粧料組成物中のノニオン性界面活性剤の含有量は0.05質量%未満であることが好ましい。
上記成分(B)は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構成単位を含む重合体であることが好ましい。
上記化粧料組成物中の炭素数1〜4のアルコールの含有量は20〜65質量%であることが好ましい。
上記化粧料組成物はタルクを含むことが好ましい。
上記化粧料組成物は、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、及びオレイン酸エチルからなる群より選ばれた1以上のエステル油を含むことが好ましい。
本発明のシート化粧料は、肌を拭き取ることで使用後の肌にサラサラ感を付与できるシート化粧料であって、白浮きが少なく、且つ複数枚積層し保存した後に使用する際に上下間で使用感の差異が小さい。なお、特に限定されないが、サラサラ感は、肌を擦る際に感じられる、肌の摩擦が低い感触をいう。また、白浮きとは、シート化粧料を使用した後に粉体等の残留により肌が白くなったり、白い痕跡が残ったりする現象をいう。
本発明のシート化粧料は、不織布と、上記不織布に含浸された化粧料組成物とを含む。なお、本明細書においては、本発明のシート化粧料を構成する上記化粧料組成物を「本発明の化粧料組成物」と称する場合がある。本発明のシート化粧料は、不織布及び本発明の化粧料組成物以外の構成成分を含んでいてもよい。
<化粧料組成物>
本発明の化粧料組成物は、シリカ、カチオン化ポリマー、及び水を必須成分として含む。また、本発明の化粧料組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。本発明の化粧料組成物は、不織布に含浸されて用いられる、いわゆる含浸液である。なお、本明細書において、上記シリカを「成分(A)」、上記カチオン化ポリマーを「成分(B)」、上記水を「成分(C)」と称する場合がある。
本発明の化粧料組成物に含まれ得る各成分、即ち、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及びその他の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、本明細書において、本発明の化粧料組成物に含まれる各成分(例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、その他の成分等)の含有量は、それぞれ、化粧料組成物中の合計の含有量が100質量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
(成分(A):シリカ)
上記成分(A)であるシリカとしては、特に限定されず、化粧料組成物に一般的に用いられているシリカを使用することができる。シリカを用いることにより、シリカ粒子が肌上で転がる感触を与えることができるためと考えられるが、肌を擦る際に肌の摩擦が低い感触(サラサラ感)を付与することができる。肌に優れたサラサラ感を付与するという点からは、肌への摩擦抵抗の低減に優れる球状シリカを用いることが好ましく、真球状シリカを用いることがさらに好ましい。
上記成分(A)の吸油量は、特に限定されないが、20〜300ml/100gが好ましく、より好ましくは20〜120ml/100gである。また、上記成分(A)の平均粒径D50は、特に限定されないが、1〜15μmが好ましい。D50が1μm以上であると、サラサラ感により優れる。本明細書中の成分(A)の吸油量はJIS K5101に記載の測定方法に準拠して測定される値である。また、本明細書中のシリカの平均粒径D50はレーザー回折法により測定される値である。
本発明の化粧料組成物中の成分(A)の含有量は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.5〜15.0質量%であり、好ましくは1.0〜12.0質量%、より好ましくは2.0〜10.0質量%である。上記含有量が0.5質量%以上であることにより、肌への摩擦抵抗を低減して、肌にサラサラ感を付与することができる。上記含有量が15.0質量%以下であることにより、白浮きを抑制することができる。また、シリカの沈降をより抑制することができる。さらに、使用時のきしみ感やかさつき感も抑制することができる。上記成分(A)の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(A)の含有量の合計である。
(成分(B):カチオン化ポリマー)
上記成分(B)であるカチオン化ポリマーとしては、例えば、カチオン性を示す窒素原子含有基を有する高分子化合物が挙げられる。化粧料組成物中に上記成分(B)を配合することにより、本発明のシート化粧料は、シリカの沈降を抑制することができ、白浮きがより抑制され、また、複数枚積層し保存した後に使用する際に上下間での使用感の差異がより小さくなる。上記成分(B)としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、ポリグリコールポリアミン縮合物、及びこれらの誘導体や、その他のカチオン性を示す窒素原子含有基を有する単量体に由来する構成単位を含むポリマー等が挙げられる。
上記カチオン性を示す窒素原子含有基を有する単量体としては、例えば、塩化ジアルキルジアリルアンモニウム等のジアルキルジアリルアンモニウム塩、四級化ビニルピロリドン、ビニルイミダゾリウムトリクロライド、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム等が挙げられる。中でも、ジアルキルジアリルアンモニウム塩(特に、塩化ジアルキルジアリルアンモニウム)が好ましく、より好ましくはジメチルジアリルアンモニウム塩(特に、塩化ジメチルジアリルアンモニウム)である。
カチオン性を示す窒素原子含有基を有する単量体に由来する構成単位を含むポリマーとしては、例えば、ジアルキルジアリルアンモニウム塩・アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド・ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート・ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド・アクリレート・アルキルアミノアルキルアクリルアミド・ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体等が挙げられる。
上記成分(B)としては、中でも、シリカの沈降をより一層抑制しうる観点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)を必須のモノマー成分として形成された重合体(ポリマー)が好ましい。即ち、上記成分(B)は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構成単位を含む重合体であることが好ましい。
上記塩化ジメチルジアリルアンモニウムを必須のモノマー成分として形成された重合体(以下、「成分(B1)」と称する場合がある)は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムの単独重合体であってもよいし、塩化ジメチルジアリルアンモニウムと塩化ジメチルジアリルアンモニウム以外のモノマー成分との共重合体であってもよい。
上記塩化ジメチルジアリルアンモニウム以外のモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、アクリルアミド等が挙げられる。即ち、成分(B1)は、さらに、アクリル酸に由来する構成単位、及び/又は、アクリルアミドに由来する構成単位を含む共重合体であってもよい。
上記成分(B1)が塩化ジメチルジアリルアンモニウムと塩化ジメチルジアリルアンモニウム以外のモノマー成分との共重合体である場合、成分(B1)を形成する全モノマー成分中の、塩化ジメチルジアリルアンモニウムと塩化ジメチルジアリルアンモニウム以外のモノマー成分とのモル比[(塩化ジメチルジアリルアンモニウム)/(塩化ジメチルジアリルアンモニウム以外のモノマー成分)]は、特に限定されないが、例えば、1.0/0.3〜1.0/4.0が好ましく、より好ましくは1.0/0.4〜1.0/3.5、さらに好ましくは1.0/0.5〜1.0/3.0である。
上記成分(B1)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1.0×104〜1.0×107が好ましく、より好ましくは5.0×104〜8.0×106、さらに好ましくは8.0×104〜6.0×106である。なお、上記重量平均分子量は、例えば、GPCにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
上記成分(B1)としては、特に限定されないが、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第2巻,2016年,p.2900〜2908)で、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−6」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−7」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−22」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−39」と表記される化合物が好ましい。
中でも、上記成分(B1)としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム−7)、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム−22)からなる群より選ばれた共重合体が好ましい。
上記成分(B1)以外の成分(B)としては、例えば、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第2巻,2016年,p.2902〜2903)で、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−11」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)−10」と表記される化合物等が挙げられる。
上記成分(B)は市販品を用いることもできる。上記成分(B1)の市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「マーコート550PR」(NALCO社製、ポリクオタニウム−7、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとの共重合体)、商品名「マーコートS」(NALCO社製、ポリクオタニウム−7、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとの共重合体)、商品名「マーコート2200」(NALCO社製、ポリクオタニウム−7、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとの共重合体)、商品名「マーコート740」(NALCO社製、ポリクオタニウム−7、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとの共重合体)、商品名「マーコートPLUS3330」(NALCO社製、ポリクオタニウム−39、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリル酸アミドとの共重合体)、商品名「マーコート280」(NALCO社製、ポリクオタニウム−22、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体)、商品名「マーコート281」(NALCO社製、ポリクオタニウム−22、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体)、商品名「マーコート295」(NALCO社製、ポリクオタニウム−22、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体)、商品名「マーコート100」(NALCO社製、ポリクオタニウム−6、塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体)、商品名「マーコート106」(NALCO社製、ポリクオタニウム−6、塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体)等が挙げられる。その他の成分(B)の市販品としては、例えば、商品名「マーコート10」(NALCO社製、ポリクオタニウム−10、カチオン化セルロース)、商品名「ポイズC−150L」(花王(株)製、塩化О−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース)等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物中の成分(B)の含有量は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.0005質量%以上0.1質量%未満であり、好ましくは0.0008〜0.08質量%、より好ましくは0.002〜0.06質量%、さらに好ましくは0.002〜0.01質量%である。上記含有量が0.0005質量%以上であることにより、シリカの沈降を抑制することができ、白浮きが抑制され、また、複数枚積層し保存した後に使用する際に上下間での使用感の差異を小さくすることができる。上記含有量が0.1質量%未満であることにより、使用後の肌のべたつき感を生じにくくすることができる。上記成分(B)の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(B)の含有量の合計である。
(成分(C):水)
上記成分(C)である水としては、特に限定されないが、精製水を用いることが好ましい。本発明の化粧料組成物中の成分(C)の含有量は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、特に限定されないが、20.0〜85.0質量%が好ましく、より好ましくは30.0〜70.0質量%である。
本発明の化粧料組成物中のカチオン性界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.01質量%未満(例えば、0質量%以上0.01質量%未満)であり、好ましくは0.005質量%未満、より好ましくは0.001質量%未満である。上記含有量が0.01質量%未満であることにより、シリカがカチオン化ポリマーとフロック(会合体)を形成するのを阻害するものと推測されるカチオン性界面活性剤の含有量が十分に少ないため、シリカの沈降が起こりにくくなる。上記カチオン性界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのカチオン性界面活性剤の含有量の合計である。
上記カチオン性界面活性剤としては、公知乃至慣用のカチオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有第3級アミン塩等のアミン塩;モノアルキル型第4級アンモニウム塩、ジアルキル型第4級アンモニウム塩、トリアルキル型第4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型第4級アンモニウム塩等のアルキル第4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩等の環式第4級アンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
上記アミン塩としては、例えば、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
上記アルキル第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレンオレイルメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジヤシ油アルキルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。上記環式第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物中のノニオン性界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.2質量%未満(例えば、0質量%以上0.2質量%未満)であり、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.05質量%未満である。上記含有量が0.2質量%未満であることにより、シリカがカチオン化ポリマーとフロック(会合体)を形成するのを阻害するものと推測されるノニオン性界面活性剤の含有量が十分に少ないため、シリカの沈降が起こりにくくなる。上記ノニオン性界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのノニオン性界面活性剤の含有量の合計である。
上記ノニオン性界面活性剤としては、公知乃至慣用のノニオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物は、上記成分(A)〜(C)以外の成分(その他の成分)を含有していてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、シリカ以外の粉体、低級アルコール、エステル油、多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、アミノ酸、pH調整剤、美白剤、抗炎症剤、殺菌剤、制汗剤、消臭剤等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物は、上記シリカ以外の粉体として、タルクを含むことが好ましい。タルクを含む場合、本発明のシート化粧料は、サラサラ感に加え、肌に優れたスベスベ感を付与することができる。なお、スベスベ感は、肌を擦る際に感じられる、滑らかな触感(凹凸が少ない感触)をいう。上記タルクとしては、特に限定されず、化粧料組成物に一般的に用いられているタルクを使用することができる。肌に優れたスベスベ感を付与するという点からは、肌に貼り付いて肌の凹凸をカバーし、滑らかな感触を付与する平板形状のタルクを用いることが好ましい。
上記タルクの吸油量は、特に限定されないが、18〜50ml/100gが好ましい。また、上記タルクの平均粒径D50は、特に限定されないが、0.5〜25μmが好ましい。本明細書中のタルクの吸油量はJIS K5101に記載の測定方法に準拠して測定される値である。また、本明細書中のタルクの平均粒径D50はレーザー回折法により測定される値である。
本発明の化粧料組成物がタルクを含有する場合、本発明の化粧料組成物中のタルクの含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.5〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜12.0質量%である。上記含有量が0.5質量%以上であると、肌に滑らかなスベスベ感をより一層付与することができる。上記含有量が15.0質量%以下であると、白浮きをより抑制することができる。上記タルクの含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのタルクの含有量の合計である。
本発明の化粧料組成物は、速乾性やさっぱりとした使用感を付与できる観点から、上記低級アルコールとして、炭素数1〜4のアルコールを含むことが好ましい。上記炭素数1〜4のアルコールとしては、炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールが挙げられ、特に限定されないが、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。中でも、エタノールが好ましい。
本発明の化粧料組成物が低級アルコールを含有する場合、本発明の化粧料組成物中の低級アルコール(特に、炭素数1〜4のアルコール)の含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、20.0〜65.0質量%が好ましく、より好ましくは30.0〜60.0質量%である。上記含有量が20.0質量%以上であると、速乾性に優れるため、よりさっぱりとした使用感を付与し、サラサラ感をより向上させることができる。上記含有量が65.0質量%以下であると、肌の油分や水分を必要以上に拭き取ることを防ぎ、ツッパリ感を抑制することができる。上記低級アルコールの含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての低級アルコールの含有量の合計である。特に、エタノールの含有量が上記範囲内であることが好ましい。
本発明の化粧料組成物は、上記エステル油として、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、及びオレイン酸エチルからなる群より選ばれた1以上のエステル油を含むことが好ましい。上記エステル油は、分子量が小さく、揮発しやすいため、使用後にべたつき感が残りにくい。また、上記タルク及び上記低級アルコールを用いる場合、さらに上記エステル油を含有することで、スベスベ感をより向上させ、上記低級アルコールによるツッパリ感を緩和することができる。上記エステル油は、アジピン酸ジイソプロピルであることが好ましい。
本発明の化粧料組成物が上記エステル油(アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、及びオレイン酸エチルからなる群より選ばれた1以上のエステル油)を含有する場合、本発明の化粧料組成物中の上記エステル油の含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.1〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.25〜1.5質量%である。上記含有量が0.1質量%以上であると、タルクとともに用いた場合に肌の滑りがよくなりスベスベ感をより向上させることができ、更に上記低級アルコールと併用する場合は上記低級アルコールによるツッパリ感を緩和することができる。また、粉体による肌への白浮きをより抑制することができる。上記含有量が2.0質量%以下であると、べたつき感をより抑制することができる。上記エステル油の含有量は、本発明の化粧料組成物中のアジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、及びオレイン酸エチルの含有量の合計である。特に、アジピン酸ジイソプロピルの含有量が上記範囲内であることが好ましい。
本発明の化粧料組成物中のアニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.2質量%未満(例えば、0質量%以上0.2質量%未満)が好ましく、より好ましくは0.1質量%未満、さらに好ましくは0.05質量%未満である。上記含有量が0.2質量%未満であると、シリカがカチオン化ポリマーとフロックを形成するのを阻害する可能性があるアニオン性界面活性剤の含有量が十分に少ないため、シリカの沈降がより起こりにくくなると考えられる。上記アニオン性界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのアニオン性界面活性剤の含有量の合計である。
上記アニオン性界面活性剤としては、公知乃至慣用のアニオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N−アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物中の粉体の含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、1.0〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは2.0〜17.0質量%である。上記含有量が1.0質量%以上であると、肌への摩擦抵抗を低減して、より肌にサラサラ感を付与することができる。上記含有量が20.0質量%以下であると、きしみ感、かさつき感や白浮きをより抑制することができる。なお、上記粉体の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての粉体(シリカ、粉体等)の含有量の合計である。
本発明の化粧料組成物中の界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.2質量%未満(例えば、0質量%以上0.2質量%未満)が好ましく、より好ましくは0.1質量%未満である。上記含有量が0.2質量%未満であると、シリカがカチオン化ポリマーとフロックを形成するのを阻害する可能性がある界面活性剤の含有量が十分に少ないため、シリカの沈降がより起こりにくくなると考えられる。上記界面活性剤の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての界面活性剤(カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等)の含有量の合計である。
本発明の化粧料組成物は、常法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、公知の方法、具体的には、パドルミキサー等で攪拌する方法等で、各成分を均一化する方法が挙げられる。
<不織布>
本発明のシート化粧料における不織布は、本発明の化粧料組成物が含浸可能なシート状の支持体であり、本発明のシート化粧料において、いわゆるシート基材の役割を担う。
上記不織布としては、特に限定されないが、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布等が挙げられる。中でも、スパンボンド不織布が好ましい。
上記不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維等が挙げられる。上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、カボック等が挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)等が挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、アセテート等が挙げられる。上記繊維は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、2種以上の上記繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。
上記不織布を構成する繊維としては、中でも、セルロースが好ましい。即ち、上記不織布は、セルロース繊維を必須成分として含むことが好ましい。上記セルロース繊維とは、セルロースを主成分とした繊維を示し、例えば、綿、パルプ、麻、リンター、カポック等の植物繊維を原料とする天然セルロース繊維;レーヨン、アセテート等の植物のセルロースを用いて調製した半天然セルロース繊維等が挙げられる。中でも、天然セルロース繊維が好ましく、特に好ましくはパルプである。上記セルロース繊維は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、2種以上の上記セルロース繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。なお、上記セルロース繊維を含む不織布は、セルロース繊維以外の成分を含んでいてもよい。但し、合成繊維は硬いため、合成繊維を含む不織布は肌あたりが悪く使用感に劣るという理由から、上記セルロース繊維を含む不織布には含有しないことが好ましい。
上記不織布中のセルロース繊維の含有量は、特に限定されないが、上記不織布100質量%に対して、95質量%以上(例えば、95〜100質量%)が好ましく、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。上記含有量が95質量%以上であると、肌あたりが柔らかく、使用感に優れる。
上記不織布には、エンボス加工処理を施してもよい。上記エンボス加工処理としては、特に限定されず、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式等が挙げられる。
上記不織布の目付は、特に限定されないが、30〜100g/m2であることが好ましい。目付が上記範囲内であると、肌を拭く際に、不織布が丸まらず使用感に優れる。また、シート化粧料の単位面積あたりの化粧料組成物の含浸量が多くなる。これにより、シリカ等の粉体の肌への付着量が多くなるため、使用後の肌のサラサラ感及びスベスベ感がより向上する。さらに、肌の広範囲に使用する場合にも十分な効果が得られ、特にボディ用のシート化粧料等として用いる場合の使用性がより一層向上するため好ましい。
目付が30〜100g/m2でありセルロース繊維を含む不織布は、公知慣用の製造方法により製造することができる。また、このような不織布は市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「TCF404WJ」、商品名「TCF407SWJ」、商品名「TCF406」、商品名「TCF408」、商品名「TCF208」、商品名「TCF516」(以上、フタムラ化学(株)製)、商品名「クラフレックスJP0451B070」、商品名「クラフレックスJP2760B084」(以上、(株)クラレ製)、商品名「MI−30−2PE」(伊野紙(株)製)等が挙げられる。
<シート化粧料>
本発明のシート化粧料における、上記不織布に対する含浸された本発明の化粧料組成物の質量割合は、特に限定されないが、上記不織布100質量部に対して、本発明の化粧料組成物が200〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは300〜450質量部である。
本発明のシート化粧料の形状はシート状である。これにより、肌を拭く使用形態での使用性に優れ、携帯性にも優れる。シートの平面形状は、特に限定されないが、例えば、四角形(例えば、正方形、長方形等)、三角形等の多角形;円形、楕円形、半円形;三日月形;樽形;鼓形;キャラクターの形状等が挙げられる。中でも、生産性、使用性や梱包性の観点からは四角形が好ましい。本発明のシート化粧料には、切れ込み部、くり抜き部、凹凸部等の成型が施されていてもよい。本発明のシート化粧料のシートの片面の表面積は、特に限定されないが、使用性、携帯性、包装性等の観点から100〜500cm2が好ましい。
本発明のシート化粧料は、乾燥防止、外出時の携帯性、使用時の取り扱い性等の観点から、包装容器に収納されることが好ましい。本発明のシート化粧料は1枚ごとに個別包装されていてもよいし、生産コスト、生産効率等の観点から、複数枚の本発明のシート化粧料が同一包装容器内に収納されていてもよい。1つの包装容器に収納される本発明のシート化粧料の枚数は、特に限定されないが、2〜50枚(/1包装容器)が好ましい。特に、本発明のシート化粧料は複数枚積層し保存した後に使用する際に上下間で使用感の差異が小さいため、10枚(/1包装容器)以上(特に、25枚(/1包装容器)以上)であってもよい。本発明のシート化粧料は、二つ折り、三つ折り、四つ折り等に折り畳んで包装容器に収納されていることが好ましい。
上記包装容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器等が挙げられる。上記包装容器は、本発明の化粧料組成物の揮発を抑制できるものが好ましい。上記包装容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂;アルミニウム等の金属等が挙げられる。上記包装容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有する観点から、表面に金属層が積層又は蒸着された樹脂製の包装容器(特に、包装袋)が好ましく、より好ましくは表面にアルミニウム蒸着された樹脂製の包装袋である。
本発明のシート化粧料は、不織布に本発明の化粧料組成物を含浸させることにより製造することができる。不織布に本発明の化粧料組成物を含浸させる方法は、特に限定されず、例えば、折りたたまれた状態の不織布に本発明の化粧料組成物を注入し含浸させる方法、不織布に本発明の化粧料組成物をスプレーする方法、印刷法を用いて不織布に本発明の化粧料組成物を含浸させる方法、本発明の化粧料組成物中に不織布を浸す方法等が挙げられる。
本発明のシート化粧料は、主に、皮膚(肌)を拭き取るために用いられる。本発明のシート化粧料により拭き取る部位としては、特に限定されず、例えば、顔面(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)や、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中等が挙げられる。本発明のシート化粧料としては、例えば、シート洗顔料(洗顔シート)、ボディ用拭き取りシート、ウェットティッシュ、使い捨ておしぼり、お尻拭きシート、メイク落としシート等が挙げられる。中でも、本発明のシート化粧料は、白浮きが少なく、使用後の肌にサラサラ感を付与できるため、ボディ拭き取り用に特に好ましく用いられる。なお、本発明のシート化粧料は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれであってもよい。
本発明のシート化粧料の使用方法は、特に限定されないが、肌上の汚れ、古い角質や皮脂等を拭き取る方法が挙げられる。本発明のシート化粧料は、肌上を拭いて使用するだけで、汚れ等が拭きとられるだけでなく、白浮きが少なく、肌に十分なサラサラ感を与えることができるため、肌上を拭いて使用する拭き取り用シート化粧料とすることが好ましい。
本発明のシート化粧料は、白浮きが少なく、使用後の肌にサラサラ感を付与できるという理由から、メイク落としを主目的とするクレンジング用シート化粧料としてよりも、顔面やボディ等の肌上の、汗、皮脂汚れや古い角質等を拭き取り、べたつきを抑え、さっぱりとした使用感を与えることを主目的とする皮膚洗浄用シート化粧料としてより好ましく用いられる。従来、主にボディ用のシート化粧料としては、夏場の使用感等を考慮して、サラサラ感(肌を擦る際に感じられる肌の摩擦が低い感触)の強いものが一般的であった。しかし、このようなシート化粧料に対しては、主に女性使用者等からは、肌が強く乾燥したカサカサした感触を感じるといった不満が生じていた。本発明は、このような問題点を解消することが可能であり、サラサラ感に加えて、さっぱり感や、肌を擦る際に滑らかな触感(凹凸が少ない感触)、即ち、スベスベ感を付与することが可能となる。このため、サラサラ感に加え、肌にさっぱりとした使用感及びスベスベ感を求める傾向の強い、女性向けのシート化粧料として特に好ましく用いられる。
本発明のシート化粧料は、特定量のシリカ[成分(A)]を含む化粧料組成物を不織布に含浸させたものであることにより、肌を拭き取ることで、白浮きが少なく、使用後の肌にサラサラ感を付与している。そして、シリカ(特に、球状シリカ)を比較的多量に含有したシート化粧料では、保存中にシリカの沈降が生じることがあったが、本発明のシート化粧料では、化粧料組成物に特定量のカチオン化ポリマー[成分(C)]を配合することにより、シリカとカチオン化ポリマーとでフロック(会合体)を形成して不織布を通り抜けることが困難となるものと推測され、シリカの沈降を抑制している。このカチオン化ポリマーは、一般的には、「ぬるつき」や「べたつき」を生じさせるものとして知られているところ、本発明のシート化粧料のようにカチオン化ポリマーを特定量用いることでシリカの沈降を防止するという機能を利用した例は知られていない。また、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤は、このようなフロックの形成を阻害することがあるため、これらの含有量を特定量未満に制御することによりフロックの形成を促進している。これにより、本発明のシート化粧料は、複数枚積層した場合であってもシリカが沈降しにくいため、複数枚を包装容器に収納した場合であっても、開封して最初に使用するシート化粧料にもシリカが十分含まれており、上記のサラサラ感やスベスベ感を十分に感じることができる。また、包装容器の最後残ったシート化粧料は、シリカの含有量が開封して最初に使用したシート化粧料と同等であるため、開封して最初に使用したシート化粧料と同等のサラサラ感やスベスベ感を感じることができ、また、白浮きも生じにくい。
さらに、低級アルコールを用いる場合はさっぱり感を、タルクを用いる場合はスベスベ感を、白浮きが生じにくく且つ複数枚積層した場合であってもシリカが沈降しにくいという効果を維持しながら付与することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量)であり、特記しない限り「質量%」を表し、全て純分(即ち、各成分の含有量)に換算した量である。また、表中の配合量における「−」は、その成分を配合していないことを示す。なお、実施例6及び12は、参考例として記載するものである。
実施例1〜12、比較例1〜6
(シート化粧料の作製)
表1及び2に記した組成に従い、実施例及び比較例の各化粧料組成物を常法により調製した。さらに、上記化粧料組成物を、パルプ(セルロース繊維)100質量%の不織布(スパンボンド不織布、エンボス加工処理あり、目付:80g/m2)に、不織布100質量部に対して化粧料組成物を400質量部の質量割合で含浸させ、実施例及び比較例の各シート化粧料(シートサイズ:10cm×15cm、長方形)を作製した。
表1及び2に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
<成分(A)>
無水ケイ酸:商品名「SILICA PEARL 20CG」、日揮触媒化成(株)製、球状シリカ
<成分(B)>
ポリクオタニウム−7:商品名「マーコート550PR」、NALCO社製、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液(8.5質量%)
ポリクオタニウム−11:商品名「H.C.ポリマー1N(M)」、大阪有機化学工業(株)製、N−ビニルピロリドン・N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体液(20質量%)
ポリクオタニウム−10:商品名「カチナール HC−200」、東邦化学工業(株)製、カチオン化セルロース
<カチオン性界面活性剤>
ベンザルコニウムクロリド:商品名「サニゾール B−50」、花王(株)社製、塩化ベンザルコニウム(50質量%)
<ノニオン性界面活性剤>
PPG−6デシルテトラデセス−20:商品名「PEN−4620」、日本サーファクタント工業(株)製
<その他の成分>
タルク:商品名「タルクMS」、日本タルク(株)製、平板状
(評価)
実施例及び比較例で得られた各シート化粧料1枚で、片方の前腕の内側を5往復拭き取り、拭き取り部分の化粧料組成物が乾燥した後に、白浮きの無さ、サラサラ感、べたつき感について評価した。上記評価は、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施した。下記評価基準で判定し、結果を表1及び2に記載した。
<白浮きの無さの評価基準>
◎(優れる):使用後の肌に白浮きがない。
○(良好):使用後の肌にわずかな白浮きを生じるが、使用可能。
×(不良):使用後の肌に白浮きが顕著に生じる。
<サラサラ感の評価基準>
◎(優れる):使用後の肌に十分にサラサラ感を感じる。
○(良好):◎と比較すると劣るが、使用後の肌にサラサラ感を感じる。
×(不良):使用後の肌にサラサラ感を感じない。又は、かさつきを感じる。
<べたつき感の評価基準>
◎(優れる):べたつき感を感じない。
○(良好):わずかにべたつき感を感じるが、使用可能。
×(不良):べたつき感を顕著に感じる。
実施例及び比較例で得られた各シート化粧料1枚について、長手方向の両端を、それぞれ、該両端から長手方向の四分の一の長さの部分で折り、上記両端が長手方向の中央で接するように内側に3つ折り(「両端折り」または「開き観音折り」とも称される)にしたものを30枚積層し、内側の表面にアルミニウム蒸着された樹脂製の包装袋に梱包した。これをトラックに積載して東京、大阪間を1往復移送し、その後、不織布での粉体の沈降性、及びシート化粧料の積層物の保存後の上下間での使用感の差異について評価した。上記評価は、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施した。結果を表1及び2に記載した。
<不織布での粉体の沈降性の評価基準>
移送後の包装袋を開け、シート化粧料の積層物を取り除き、包装袋内部への粉体の付着状態を目視で確認し、下記基準で評価した。付着状態の確認を行った上記包装袋内部は、シート化粧料の積層物の下側であって、積層方向の下側である。
◎(優れる):粉体の白残りがほとんど又は全く見られなかった。
○(良好):わずかに粉体の白残りが見られたが、使用可能。
×(不良):粉体の白残りが顕著に見られた。
<上下間での使用感差異>
移送後の包装袋から取り出したシート化粧料の積層物のうち、最も上のシート化粧料と最も下のシート化粧料とをそれぞれ用いて、上述のサラサラ感と同様の評価を行った。そして、乾燥後のサラサラ感を比較し、下記基準で評価した。
◎(優れる):上下間で差異を感じない。
○(良好):わずかに上下間で差異を感じるが、使用可能。
×(不良):上下間で差異を顕著に感じる。
Figure 0006778571
Figure 0006778571
表1及び2の結果より、各実施例は、肌を拭き取ることで使用後の肌にサラサラ感を付与できるシート化粧料であって、白浮きが少なかった。さらに、拭き取り後はさっぱりとした使用感及びスベスベ感も付与できるシート化粧料であった。また、シート化粧料を30枚積層し移送した後において、シリカの沈降は見られず、また、保存後の上下間での使用感の差異は感じられなかった。一方、本発明の構成を充足しない各比較例は、本発明の効果を十分に発揮できないものであることが分かる。

Claims (6)

  1. 不織布と、前記不織布に含浸された化粧料組成物とを含むシート化粧料であって、
    前記化粧料組成物が、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を含み、 前記化粧料組成物中の、成分(A)の含有量が0.5〜15質量%、成分(B)の含有量が0.0005質量%以上0.01質量%以下であり、
    前記化粧料組成物中の、カチオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%未満、ノニオン性界面活性剤の含有量が0.05質量%未満であることを特徴とするシート化粧料。
    成分(A):シリカ
    成分(B):カチオン化ポリマー
    成分(C):水
  2. パルプ繊維を含む湿式不織布の一面又は両面に、セルロース系繊維及び疎水性繊維を含む繊維層が積層されたシート状基材を用いたシート化粧料は除かれる、請求項1に記載のシート化粧料。
  3. 前記成分(B)が、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構成単位を含む重合体である、請求項1又は2に記載のシート化粧料。
  4. 前記化粧料組成物中の炭素数1〜4のアルコールの含有量が20〜65質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート化粧料。
  5. 前記化粧料組成物が、さらにタルクを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート化粧料。
  6. 前記化粧料組成物が、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、及びオレイン酸エチルからなる群より選ばれた1以上のエステル油を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート化粧料。
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