JP6772592B2 - 透光性ジルコニア焼結体及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents
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ジルコニア :75mol%以上86mol%以下
イットリア :2mol%以上4mol%以下
カルシア :12mol%以上21mol%以下
ジルコニア :76mol%以上83mol%以下
イットリア :2mol%以上4mol%以下
マグネシア :15mol%以上20mol%以下
ジルコニア :75mol%以上86mol%以下
イットリア :2mol%以上4mol%以下
カルシア :12mol%以上21mol%以下
ジルコニア :76mol%以上83mol%以下
イットリア :2mol%以上4mol%以下
マグネシア :15mol%以上20mol%以下
焼結体試料の実測密度はアルキメデス法による水中重量を測定することにより求めた。
焼結体試料を平面研削した後、9μm、6μm及び1μmのダイアモンド砥粒を順に用いて鏡面研磨した。研磨面を1400℃で1時間保持し、熱エッチングした後、SEM観察し、得られたSEM観察図からプラニメトリック法により平均結晶粒径を求めた。
焼結体試料のXRD測定によって得られたXRDパターンを同定分析することで、各焼結体試料の結晶構造の同定、及び、不純物層の有無を確認した。XRD測定は、一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用い、鏡面研磨をした焼結体試料について行った。XRD測定の条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=0.15418nm)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件: 毎秒0.04°
発散スリット: 0.5deg
散乱スリット: 0.5deg
受光スリット: 0.3mm
計測時間 : 1.0秒
測定範囲 : 2θ=20°〜80°
XRDパターンの同定分析には、XRD解析ソフトウェア(商品名:JADE7、MID社製)を用いた。
結晶相の同定と同様な測定方法で得られたXRDパターンの2θ=29°〜31°の範囲について、シェラー式を使用して焼結体試料の平均結晶子径を求めた。
D=K×λ/((β−B)×cosθ)
上記式において、Dは平均結晶子径(nm)、Kはシェラー定数(1.0)、λはCuKαの波長(0.15418nm)、βは半値幅(°)、Bは装置定数(0.1177°)、及びθはメインピークの回折角(°)である。
なお、メインピークは、ジルコニアの立方晶(111)面に相当するピークであった。
また、半値幅は、Rigaku社製Integral Analysis for Windows(Version 6.0)を用いて求めた。
JIS K321−1の方法に準じた方法によって、試料の全光線透過率、拡散透過率、及び直線透過率を測定した。標準光D65を測定試料に照射し、当該測定試料を透過した光束を積分球によって検出することによって、光透過率を測定した。測定には一般的なヘーズメーター(装置名:ヘーズメーターNDH2000、NIPPON DENSOKU製)を用いた。
測定試料には直径16mm、厚さ1.0mmの円板状成形体を用いた。測定に先立ち、測定試料の両面を研磨し、表面粗さRaを0.02μm以下に鏡面研磨した。
ISO/DIS6872に準じた二軸曲げ強度測定によって、試料の二軸曲げ強度を測定した。測定試料は両面鏡面研磨し、試料厚みは1mmとした。
焼結体試料の透過率の波長依存性をUV−VISにより測定した。測定条件は以下のとおりである。
光源 :重水素ランプ、及び、ハロゲンランプ
測定波長 :200〜800nm
測定ステップ :1nm
UV−VIS測定には、一般的なダブルビーム方式の分光光度計(装置名:V−650型、日本分光社製)を使用した。
測定試料には直径16mm、厚さ1.0mmの円板状成形体を用いた。測定に先立ち、測定試料の両面を研磨し、表面粗さRaを0.02μm以下に鏡面研磨した。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末(BET比表面積7m2/g、商品名:3YS、東ソー製)及びカルシア粉末(純度99.9%、和光純薬工業製)を混合して混合粉末を得た。
HIP温度から1000℃までの降温速度は83℃/minであった。
ジルコニア粉末の重量に対するカルシア粉末の重量が7重量%となるようにジルコニア粉末にカルシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例のジルコニア焼結体を得た。本実施例のジルコニア焼結体の評価結果を表1に示す。
ジルコニア粉末の重量に対するカルシア粉末の重量が4重量%となるようにジルコニア粉末にカルシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例のジルコニア焼結体を得た。本実施例のジルコニア焼結体の評価結果を表1に示す。
ジルコニア粉末の重量に対するカルシア粉末の重量が2重量%となるようにジルコニア粉末にカルシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例のジルコニア焼結体を得た。本実施例のジルコニア焼結体の評価結果を表1に示す。
ジルコニア粉末の重量に対するカルシア粉末の重量が1重量%となるようにジルコニア粉末にカルシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。本比較例のジルコニア焼結体の評価結果を表1に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及びマグネシア粉末(関東化学製)を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対するマグネシア粉末の重量が6重量%となるようにジルコニア粉末にマグネシア粉末を添加したこと以外は比較例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体の評価結果を表2に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及びマグネシア粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対するマグネシア粉末の重量が3重量%となるようにジルコニア粉末にマグネシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体の評価結果を表2に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及びマグネシア粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対するマグネシア粉末の重量が1.5重量%となるようにジルコニア粉末にマグネシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体の評価結果を表2に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及びマグネシア粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対するマグネシア粉末の重量が0.8重量%となるようにジルコニア粉末にマグネシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体の評価結果を表2に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及びマグネシア粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対するマグネシア粉末の重量が10重量%となるようにジルコニア粉末にカルシア粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体の評価結果を表2に示す。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及び酸化ストロンチウム粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対する酸化ストロンチウム粉末の重量が7重量%となるようにジルコニア粉末に酸化ストロンチウム粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で本比較例のジルコニア焼結体を得た。得られたジルコニア焼結体は、以下の組成を有しており、焼結体密度が6.000g/cm3及び平均結晶子径が122.0nmであった。
3mol%イットリア含有ジルコニア粉末及び酸化バリウム粉末を混合して混合粉末を得たこと、及び、ジルコニア粉末の重量に対する酸化バリウム粉末の重量が10重量%となるようにジルコニア粉末に酸化バリウム粉末を添加したこと以外は実施例1と同様な方法で混合、成形及び一次焼結し、一次焼結体を得た。
実施例1と同様な方法でジルコニア焼結体を繰り返し製造した。その結果、得られた焼結体の直線透過率は73.44〜73.51%であり、歩留まりは100%であった。
実施例2と同様な方法でジルコニア焼結体を繰り返し製造した。その結果、得られた焼結体の直線透過率は72.92〜73.26%であり、歩留まりは100%であった。
実施例3と同様な方法でジルコニア焼結体を繰り返し製造した。その結果、得られた焼結体の直線透過率は59.47〜60.26%であり、歩留まりは100%であった。
実施例5と同様な方法でジルコニア焼結体を繰り返し製造した。その結果、得られた焼結体の直線透過率は65.73〜67.47%であり、歩留まりは100%であった。
以下の方法で、チタニアを含有するジルコニア焼結体を繰り返し製造した。
Claims (7)
- 2.5mol%以上25mol%以下のカルシア又はマグネシアの少なくともいずれかとイットリアが固溶したジルコニアからなり、CuKα線を線源とするXRD測定において、2θ=30±2°のピークの半値幅から算出される平均結晶子径が400nm以下であることを特徴とするジルコニア焼結体。
- カルシア含有量が8mol%以上25mol%以下である請求項1に記載のジルコニア焼結体。
- マグネシア含有量が8mol%以上20mol%以下であること請求項1又は2に記載のジルコニア焼結体。
- イットリア含有量が2mol%以上4mol%以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- 試料厚さ1mmとし、D65光線を線源とする直線透過率が20%以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
- カルシア原料又はマグネシア原料の少なくともいずれか、ジルコニア原料及びイットリア原料を混合して混合粉末を得る混合工程、得られた混合粉末を成形して成形体を得る成形工程、得られた成形体を1650℃以上の焼結温度で焼結して焼結体を得る焼結工程、及び、焼結温度から1000℃までを10℃/min以上の降温速度で降温する降温工程、を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体の製造方法。
- 前期焼結工程が、1000℃以上1500℃未満で焼結して一次焼結体を得る一次焼結工程、及び、該一次焼結体を1500℃以上で焼結する二次焼結を含む請求項6に記載の製造方法。
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