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JP6766418B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP6766418B2
JP6766418B2 JP2016079228A JP2016079228A JP6766418B2 JP 6766418 B2 JP6766418 B2 JP 6766418B2 JP 2016079228 A JP2016079228 A JP 2016079228A JP 2016079228 A JP2016079228 A JP 2016079228A JP 6766418 B2 JP6766418 B2 JP 6766418B2
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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明はサイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
高速道路網の発達、そして、車輌の高性能化が進んでいる。車輌は、高速で長時間走行する傾向にある。車輌に装着されるタイヤでは、操縦安定性、乗り心地及び高速耐久性の向上に重点を置いた開発が進められている。
近年、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強タイプと称されている。
このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層が車重を支える。ランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された車輌には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤは、車輌の室内空間の確保に寄与する。このようなタイヤの例が、特開2008−155855公報及び特開2013−071468公報に開示されている。
タイヤは、リムに組み込まれる。この組み込みでは、タイヤのビードの部分が、リムに嵌め合わされる。リムにおいて、ビードの部分が嵌め合わされる部分はビードシートと称される。このビードシートにおける外径に基づいて、リムのリム径が表される。
タイヤの形状は通常、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。つまり、一方のサイドウォールからビードに至るまでの部分(以下、第一サイド部)の長さは、他方のサイドウォールからビードに至るまでの部分(以下、第二サイド部)の長さと同等である。このタイヤが装着されるリムにおいては、左右のリム径は同じである。
四輪自動車では、車輌の右側部分とその左側部分とにタイヤは配置される。このため、四輪自動車に用いられるタイヤにおいては、車輌の幅方向において、内側に位置する部分と、外側に位置する部分とで、その構成を変えることがある。非対称のトレッドパターンは、その典型である。
サイド部の長さは、タイヤの撓みに影響する。長いサイド部は撓みに寄与し、短いサイド部は剛性に寄与する。そこで、例えば、第一サイド部が第二サイド部よりも長くなるように構成することで、タイヤの左右の撓みをコントロールし、タイヤの性能向上について検討することがある。この検討例が、例えば、特開平06−092104号公報及び特開平05−139109号公報に開示されている。
第一サイド部が第二サイド部よりも長くなるように構成されたタイヤでは、左右のビードの位置が異なる。このタイヤには、左右のリム径が異なるように構成されたリムが用いられる。このタイヤは、異径ビードタイプとも称されている。
特開2008−155855公報 特開2013−071468公報 特開平06−092104号公報 特開平05−139109号公報
ランフラットタイヤでは、支持層は硬質である。この支持層は、操縦安定性に寄与する。しかしこのタイヤは、この支持層のないノーマルタイヤに比べて乗り心地に劣る。
ランフラットタイヤには、パンク状態でもある程度の距離を走行できることが求められる。このため、支持層は相当の厚さを有している。このタイヤは、ノーマルタイヤに比べてかなり重い。大きな質量は、タイヤの転がり抵抗に影響する。
車輌に装着されたタイヤでは、この車輌の幅方向において内側に位置する部分には、その外側に位置する部分よりも熱がこもりやすい。熱は、タイヤの耐久性に影響する。ランフラットタイヤには、支持層が設けられているため、熱が蓄積しやすい。このタイヤでは、パンク状態での走行(以下、ランフラット走行)のために設けた支持層が、耐久性に影響する恐れがある。
前述したように、短いサイド部は剛性に寄与する。短いサイド部は、小さなボリュームを招来する。小さなボリュームを有するサイド部は軽量化に寄与する上に、このサイド部に熱は蓄積しにくい。そこで、ランフラットタイヤを異径ビードタイプとすれば、タイヤの剛性を適切に維持ししつつ、操縦安定性及び乗り心地の両立を図りながら、耐久性の向上を達成できる可能性がある。しかし異径ビードタイプのタイヤには、このタイヤに空気を充填したとき、小さなリム径の呼びを有する部分と、大きなリム径の呼びを有する部分とにおいて、インフレート状態に違いが生じ、タイヤの接地形状が歪になりやすいという問題がある。このタイヤでは、小さなリム径の呼びを有する部分の外径と、大きなリム径の呼びを有する部分の外径とに違いが生じ、大きなコニシティが発生する恐れがある。コニシティの増加を抑えるために、長いサイド部の剛性を高めると、乗り心地が低下してしまう。
本発明の目的は、コニシティの増加を抑えつつ、操縦安定性及び乗り心地の向上が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、リムに装着して使用される。このタイヤは、トレッド、第一サイドウォール、第二サイドウォール、第一ビード、第二ビード、カーカス、ベルト、支持層及びバンドを備えている。上記第一サイドウォールは、上記トレッドの第一端から半径方向略内向きに延びている。上記第二サイドウォールは、このトレッドの第二端から半径方向略内向きに延びている。上記第一ビードは、上記第一サイドウォールよりも半径方向内側に位置している。上記第二ビードは、上記第二サイドウォールよりも半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記第一サイドウォール、上記トレッド及び上記第二サイドウォールの内側に沿って、上記第一ビードと上記第二ビードとの間を架け渡している。上記ベルトは、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されている。上記支持層は、上記第二サイドウォールの側において、上記カーカスの軸方向内側に位置している。上記バンドは、上記ベルトと上記トレッドとの間に位置しており、かつ上記ベルトを覆っている。上記バンドは、上記ベルトの半径方向外側に螺旋巻きされた帯状プライを備えている。上記帯状プライは、バンドコードを含んでいる。上記バンドの断面は、軸方向に並列された上記帯状プライの断面を多数含んでいる。上記バンドの断面において、上記帯状プライの断面の幅に対する、一の帯状プライの断面と、この一の帯状プライの断面の隣に位置する他の帯状プライの断面との間隔の比は、0以上1以下である。上記ベルトの第二端側における上記間隔は、このベルトの第一端側における上記間隔よりも大きい。上記リムは、上記第一ビードの部分が嵌め合わされる第一シートと、上記第二ビードの部分が嵌め合わされる第二シートとを備えている。上記第一シートにおけるこのリムのリム径を第一リム径とし、上記第二シートにおけるこのリムのリム径を第二リム径としたとき、このタイヤにおける上記第二リム径の呼びは上記第一リム径の呼びよりも大きい。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記ベルトにおいて、このベルトの軸方向幅を3等分する地点を、このベルトの第一端の側から、地点PB1及び地点PB2としたとき、上記ベルトの第一端から上記地点PB1までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比は0以上0.2以下である。上記地点PB1から上記地点PB2までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比は0.2以上0.8以下である。上記地点PB2から上記ベルトの第二端までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比は0.8以上1以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第二リム径の呼びと上記第一リム径の呼びとの差は1インチ以上3インチ以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一リム径の呼びは16インチ以上20インチ以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記バンドコードはアラミド繊維からなる。
本発明に係る空気入りタイヤでは、第二リム径の呼びは第一リム径の呼びよりも大きい。言い換えれば、このタイヤでは、第二サイドウォールから第二ビードに至るまでの部分(第二サイド部)は第一サイドウォールから第一ビードに至るまでの部分(第一サイド部)よりも短い。この第二サイド部は、支持層を有しているにもかかわらず、軽量化に寄与する。この第二サイド部には、支持層が設けられているにもかかわらず、熱が蓄積しにくい。この第二サイド部は、耐久性に寄与する。この第二サイド部が内側に位置するようにこのタイヤを車輌に装着することにより、耐久性のさらなる向上を図ることができる。
このタイヤは、大径側の第二サイド部が小径側の第一サイド部に引っ張られるように膨張する。タイヤの赤道面は小径側にシフトし、大径側の第二サイド部は立ち上がる。これにより、この第二サイド部におけるカーカスは概ね半径方向に沿うように延在する。このカーカスのプロファイルは、タイヤの支持に効果的に寄与する。横剛性が増加するので、このタイヤでは、良好な操縦安定性が得られる。このタイヤでは、パンクによって内圧が低下しても、この第二サイド部が車重を十分に支えうる。このタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。
このタイヤでは、第一サイド部は第二サイド部よりも長い。この第一サイド部は、撓みに寄与する。縦剛性が適切に維持されるので、このタイヤでは、良好な乗り心地が得られる。この第一サイド部が外側に位置するようにこのタイヤを車輌に装着することにより、乗り心地のさらなる向上を図ることができる。
このタイヤでは、ベルトを覆うバンドは螺旋巻きされた帯状プライからなる。このバンドの断面は、軸方向に並列された帯状プライの断面を多数含んでいる。このタイヤでは、このバンドが、その断面において、一の帯状プライの断面と、この一の帯状プライの断面の隣に位置する他の帯状プライの断面との間隔が、この帯状プライの断面の幅に対して0以上1以下で設定されるとともに、ベルトの第二端側における間隔がこのベルトの第一端側における間隔よりも大きくなるよう構成されている。このバンドを有するタイヤでは、その膨張状態において、小さなリム径の呼びを有する部分の外径と、大きなリム径の呼びを有する部分の外径とに、違いは生じにくい。このタイヤでは、コニシティの増加が抑えられる。
本発明によれば、コニシティの増加を抑えつつ、操縦安定性及び乗り心地の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの概略が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの左側部分が示された断面図である。 図3は、図1のタイヤの右側部分が示された断面図である。 図4は、バンドの形成のために用いられる帯状プライの一部が示された断面斜視図である。 図5は、図1のタイヤのバンドの一部が示された断面図である。 図6は、図1のタイヤの使用状態での輪郭が示された模式図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。詳細には、この図1には、このタイヤ2の回転の中心軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。このタイヤ2は、リム4に組み込まれている。このタイヤ2の内部には、空気が充填されている。これにより、タイヤ2の内圧が調整されている。
図2には、図1に示されたタイヤ2の断面の左側部分が示されている。図3には、図1に示されたタイヤ2の断面の右側部分が示されている。図2及び3のそれぞれにおいて、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
後述するが、このタイヤ2は、ローカバー(未架橋タイヤ2)をモールド(図示されず)内で加圧及び加熱することにより得られる。このとき、ローカバーはモールドのキャビティ面に押し当てられる。これにより、タイヤ2の外面が得られる。図2及び3に示されたタイヤ2の外面の輪郭は、このキャビティ面の輪郭と一致している。
図2及び3において、符号PEはこのタイヤ2の半径方向外側端を表している。この外側端PEは、赤道とも称される。実線ELは、赤道PEを通る。実線ELは、半径方向に延びる。実線ELは、このタイヤ2の赤道面である。本発明において、赤道面ELはモールドのキャビティ面に基づいて特定される。図2及び3から明らかなように、このタイヤ2の形状は赤道面に対して非対称である。
このタイヤ2は、トレッド6、貫通部8、一対のサイドウォール10、一対のクリンチ12、一対のビード14、カーカス16、ベルト18、一対のエッジバンド20、一対のクッション層22、インナーライナー24、一対のインスレーション26、一対のチェーファー28、一対の支持層30及びバンド32を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車用である。
トレッド6は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド6は、路面と触れるトレッド面34を形成する。トレッド6には、溝36が刻まれている。この溝36により、トレッドパターンが形成されている。トレッド6は、キャップ層38とベース層40とを有している。キャップ層38は、ベース層40の半径方向外側に位置している。キャップ層38は、ベース層40に積層されている。キャップ層38は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層40は、バンド32を覆っている。ベース層40は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層40の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。図2において、符号PT1はタイヤ2の外面における特定の地点を表している。この地点PT1は、トレッド6の一方の軸方向外端(第一端)である。図3において、符号PT2はタイヤ2の外面における特定の地点を表している。この地点PT2は、このトレッド6の他方の軸方向外端(第二端)である。
貫通部8は、導電性の架橋ゴムからなる。貫通部8は、トレッド6を貫通している。貫通部8の一端は、トレッド面34に露出している。貫通部8の他端は、バンド32と接触している。このタイヤ2では、貫通部8は周方向に延在している。
一対のサイドウォール10のうち一方のサイドウォール10a(第一サイドウォール)は、トレッド6の第一端PT1から半径方向略内向きに延びている。他方のサイドウォール10b(第二サイドウォール)は、トレッド6の第二端PT2から半径方向略内向きに延びている。
それぞれのサイドウォール10の半径方向外側部分は、トレッド6と接合されている。このサイドウォール10の半径方向内側部分は、クリンチ12と接合されている。このサイドウォール10は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール10は、カーカス16の損傷を防止する。
一対のクリンチ12のうち一方のクリンチ12a(第一クリンチ)は、第一サイドウォール10aの半径方向略内側に位置している。他方のクリンチ12b(第二クリンチ)は、第二サイドウォール10bの半径方向略内側に位置している。
それぞれのクリンチ12は、軸方向において、ビード14及びカーカス16よりも外側に位置している。このクリンチ12は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ12は、リム4のフランジ42と当接する。
一対のビード14のうち一方のビード14a(第一ビード)は、第一クリンチ12aの軸方向内側に位置している。第一ビード14aは、半径方向において、第一サイドウォール10aよりも内側に位置している。他方のビード14b(第二ビード)は、第二クリンチ12bの軸方向内側に位置している。第二ビード14bは、半径方向において、第二サイドウォール10bよりも内側に位置している。
それぞれのビード14は、内側パート44と外側パート46とを備えている。外側パート46は、軸方向において、内側パート44よりも外側に位置している。
内側パート44は、内側コア48と内側エイペックス50とを備えている。詳細には、内側パート44は内側コア48及び内側エイペックス50から構成されている。内側コア48は、リング状である。図示されていないが、内側コア48は巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。内側エイペックス50は、高硬度な架橋ゴムからなる。内側エイペックス50は、内側コア48を覆い、かつ、この内側コア48から半径方向略外向きに延在している。内側エイペックス50の半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。
外側パート46は、外側コア52と外側エイペックス54とを備えている。詳細には、外側パート46は外側コア52及び外側エイペックス54から構成されている。外側コア52は、リング状である。図示されていないが、外側コア52は巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。外側エイペックス54は、高硬度な架橋ゴムからなる。外側エイペックス54は、外側コア52を覆い、かつ、この外側コア52から半径方向略外向きに延在している。外側エイペックス54の半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。
このタイヤ2では、それぞれのビード14の半径方向内側部分では、内側エイペックス50は外側エイペックス54と接合している。この部分において、内側エイペックス50と外側エイペックス54とは一体的に形成されている。
カーカス16は、カーカスプライ56を備えている。このタイヤ2のカーカス16は、一枚のカーカスプライ56からなる。このカーカス16が2枚以上のカーカスプライ56から形成されてもよい。
カーカスプライ56は、第一ビード14aと第二ビード14bとの間に架け渡されている。カーカスプライ56は、第一サイドウォール10a、トレッド6及び第二サイドウォール10bの内側に沿って延在している。図示されていないが、カーカスプライ56は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面ELに対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス16はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。高い剛性を有するカーカス16が得られるとの観点から、このコードのための有機繊維としては、アラミド繊維がより好ましい。
このタイヤ2では、ビード14の内側パート44は軸方向においてカーカスプライ56の内側に位置している。外側パート46は、軸方向において、このカーカスプライ56の外側に位置している。詳細には、カーカスプライ56の端部は内側パート44と外側パート46との間に挟まれている。前述したように、ビード14の半径方向内側部分において、内側エイペックス50と外側エイペックス54とは一体的に形成されている。このタイヤ2では、カーカスプライ56は従来のタイヤのようにビード14の周りにて折り返されていない。本発明においては、端部が内側パート44と外側パート46との間に挟まれたカーカスプライ56から構成されたカーカス16の構造は、「インサート構造」と称される。図示されていないが、ビードの周りにて折り返されたカーカスプライからカーカスが構成されている場合、このカーカスの構造は「折り返し構造」と称される。
ベルト18は、トレッド6の半径方向内側に位置している。ベルト18は、カーカス16と積層されている。ベルト18は、カーカス16を補強する。ベルト18は、内側層58及び外側層60の2層からなる。このベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
このタイヤ2では、軸方向において、内側層58の幅は外側層60の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層58及び外側層60のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層58のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。好ましい有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
このタイヤ2では、ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。なお、この最大幅は、モールドのキャビティ面の輪郭に基づいて特定される。軸方向におけるこのベルト18の中心において、赤道面ELはこのベルト18と交差している。
図1において、符号PB1及びPB2は、ベルト18の外面上の特定の地点を表している。地点PB1はベルト18の第一端62aの側にあり、地点PB2はこのベルト18の第二端62bの側にある。このタイヤ2では、ベルト18の第一端62aから地点PB1までの軸方向長さは、この地点PB1から地点PB2までの軸方向長さと等しい。この地点PB1から地点PB2までの軸方向長さは、地点PB2からベルト18の第二端62bまでの軸方向長さと等しい。つまり、地点PB1及び地点PB2は、ベルト18において、このベルト18の軸方向幅を3等分する地点である。本発明においては、ベルト18の第一端62aから地点PB1までのゾーンは、外側ゾーンZSと称される。地点PB1から地点PB2までのゾーンは、中央ゾーンZCと称される。地点PB2からベルト18の第二端62bまでのゾーンは、内側ゾーンZUと称される。
それぞれのエッジバンド20は、ベルト18の半径方向外側であって、かつベルト18の端62の近傍に位置している。図示されていないが、このエッジバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このエッジバンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト18の端62が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ぞれぞれのクッション層22は、ベルト18の端62の近傍において、カーカス16と積層されている。クッション層22は、軟質な架橋ゴムからなる。クッション層22は、ベルト18の端62の応力を吸収する。このクッション層22は、ベルト18のリフティングの抑制に寄与する。
インナーライナー24は、カーカス16の内側に位置している。赤道面の近傍において、インナーライナー24は、カーカス16の内面に接合されている。インナーライナー24は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー24の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー24は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのインスレーション26は、軸方向において、サイドウォール10の内側に位置している。インスレーション26は、支持層30とインナーライナー24とに挟まれている。インスレーション26は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。インスレーション26は、支持層30と堅固に接合し、インナーライナー24とも堅固に接合する。インスレーション26により、サイドウォール10の軸方向内側における、インナーライナー24の剥離が抑制される。
それぞれのチェーファー28は、ビード14の近傍に位置している。タイヤ2がリム4に組み込まれると、チェーファー28はリム4と当接する。この当接により、ビード14の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー28は、クリンチ12と一体である。したがって、チェーファー28の材質はクリンチ12の材質と同じである。チェーファー28が、布とこの布に含浸したゴムとからなってもよい。
一対の支持層30のうち一方の支持層30a(第一支持層)は、第一サイドウォール10aよりも軸方向内側に位置している。この第一支持層30aは、第一サイドウォール10aの側において、カーカス16の軸方向内側に位置している。他方の支持層30b(第二支持層)は、第二サイドウォール10bよりも軸方向内側に位置している。この第二支持層30bは、第二サイドウォール10bの側において、カーカス16の軸方向内側に位置している。それぞれの支持層30は、カーカス16と、インナーライナー24とに挟まれている。この支持層30は、ビード14における内側エイペックス50の半径方向外側に位置している。このタイヤ2では、支持層30はこの内側エイペックス50と積層されている。
このタイヤ2では、支持層30は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層30は、三日月に類似の形状を有する。支持層30は、架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層30が車重を支える。この支持層30により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ2は、ランフラットタイヤとも称されている。このタイヤ2は、サイド補強タイプである。
このタイヤ2では、支持層30の硬度は60以上85以下が好ましい。この硬度が60以上に設定されることにより、パンクによってこのタイヤ2の内圧が低下した場合、この支持層30が車重の支持に効果的に寄与しうる。この観点から、この硬度は65以上がより好ましい。この硬度が85以下に設定されることにより、支持層30によるサイドウォール10の部分の撓みへの影響が抑えられる。このタイヤ2では、乗り心地が適切に維持される。この観点から、この硬度は80以下がより好ましい。
本願において、硬度はJIS−A硬度である。この硬度は、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。より詳細には、硬度は、図2及び3に示された断面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
バンド32は、ベルト18の半径方向外側に位置している。バンド32は、半径方向において、ベルト18とトレッド6との間に位置している。軸方向において、バンド32の幅はベルト18の幅よりも大きい。バンド32は、ベルト18を覆っている。
バンド32は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは、螺旋状に巻かれている。このバンド32は、いわゆるジョイントレス構造を有する。バンドコードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するバンドコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このバンドコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。バンドコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。適度な剛性を有するバンド32が得られるとの観点から、このバンドコードとしては、アラミド繊維からなるコードがより好ましい。このバンド32は、軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与する。
図示されていないが、バンドコードは複数本の原糸を撚り合わせて構成される。バンドコードの剛性及び加工性の観点から、バンドコードを構成する原糸の本数は2本以上が好ましく、3本以下が好ましい。原糸を撚り合わせる回数としては、40回/10cm以上が好ましく、80回/10cm以下が好ましい。さらにバンドコードにアラミド繊維からなるコードを用いる場合には、バンドコードの剛性及び質量の観点から、この原糸の繊度は600dtex以上が好ましく、1700dtex以下が好ましい。
このタイヤ2では、図4に示された帯状プライ64を用いてバンド32は形成される。このバンド32は、帯状プライ64を備えている。この帯状プライ64は、テープ状である。この帯状プライ64はバンドコード66を含んでおり、このバンドコード66はトッピングゴム68で覆われている。言い換えれば、この帯状プライ64は、バンドコード66とトッピングゴム68とからなる。
図4に示された帯状プライ64は、複数本のバンドコード66を含んでいる。詳細には、この帯状プライ64は5本のバンドコード66を含んでいる。これらのバンドコード66は、この帯状プライ64の幅方向に並列されている。
このタイヤ2では、帯状プライ64に含まれるバンドコード66の本数に、特に制限はない。ベルト18の拘束の観点から、この帯状プライ64に含まれるバンドコード66の本数は2本以上が好ましい。生産性の観点から、この帯状プライ64に含まれるバンドコード66の本数は20本以下が好ましい。
図4において、両矢印WPは帯状プライ64の幅である。このタイヤ2では、帯状プライ64の幅WPに特に制限はないが、通常この幅WPは5mm以上30mm以下の範囲で適宜設定される。なおこの帯状プライ64の幅WPは、後述する、帯状プライ64の断面の幅と同義である。
このタイヤ2では、バンド32は、帯状プライ64をベルト18の半径方向外側に、例えば、このベルト18の第一端62aの側からその第二端62bの側に向かって、又は、このベルト18の第二端62bの側からその第一端62aの側に向かって螺旋状に巻回すことにより形成される。したがって、このタイヤ2の回転の中心軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面に含まれるバンド32の断面には、帯状プライ64の断面が多数含まれており、これらの断面が軸方向に並列されている。
図5には、バンド32の断面がベルト18の断面とともに示されている。具体的には、図5(a)には、外側ゾーンZSにおけるバンド32の断面が示されている。図5(b)には、中央ゾーンZCにおけるバンド32の断面が示されている。図5(c)には、内側ゾーンZCにおけるバンド32の断面が示されている。この図5において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。なお、この図5において、両矢印DPは、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間隔である。
図5に示されているように、外側ゾーンZSにおいては、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面とは隙間なく並べられている。中央ゾーンZCにおいては、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間には、隙間が設けられている。つまり、中央ゾーンZCにおける間隔DP(以下、間隔DPCとも称される。)は外側ゾーンZSにおける間隔DP(以下、間隔DPSとも称される。)よりも大きい。内側ゾーンZUにおいては、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間には、前述の中央ゾーンZCにおける隙間よりも大きな隙間が設けられている。つまり、内側ゾーンZUにおける間隔DP(以下、間隔DPUとも称される。)は中央ゾーンZCにおける間隔DPCよりも大きい。このように、このタイヤ2では、バンド32の形成に際し、各ゾーンにおける帯状プライ64の巻回しのピッチが調整されている。
以上説明されたタイヤ2は、リム4に装着し内部に空気を充填して使用される。このリム4としては、例えば、二つ割りリムが用いられる。このリム4は、一対のハーフリム70を備えている。それぞれのハーフリム70は、ビードシート72を備えている。このビードシート72には、タイヤ2のビード14の部分が嵌め合わされる。本発明においては、第一ビード14aの部分(第一ビード部74a)が嵌め合わされるビードシート72aは、第一シートと称される。第二ビード14bの部分(第二ビード部74b)が嵌め合わされるビードシート72bは、第二シートと称される。つまり一方のハーフリム70a(第一ハーフリム)は、第一シート72aを備えている。他方のハーフリム70b(第二ハーフリム)は、第二シート72bを備えている。このリム4は、第一シート72aと第二シート72bとを備えている。
このタイヤ2では、第一サイドウォール10aから第一ビード14aに至るまでの部分(第一サイド部76a)は、第二サイドウォール10bから第二ビード14bに至るまでの部分(第二サイド部76b)の長さよりも大きな長さを有している。このため、第一シート72aにおけるリム4のリム径を第一リム径とし、第二シート72bにおけるこのリム4のリム径を第二リム径としたとき、第一リム径は第二リム径よりも小さい。このタイヤ2では、第一サイド部76aが位置する側が小径側であり、第二サイド部76bが位置する側が大径側である。したがってこのタイヤ2では、大径側のリム径の呼び(すなわち、第二リム径の呼びD2)は小径側のリム径の呼び(すなわち、第一リム径の呼びD1)よりも大きい。このタイヤ2は、異径ビードタイプである。なお、本発明において「リム径の呼び」は、JATMA規格における「タイヤの呼び」に含まれる「リム径の呼び」と同義である。
本発明において、タイヤ2が装着されるリム4の形状は、左右のリム径が同じ通常のリム(以下、正規リム)の形状と比べて特異である。このリム4は特殊である。本発明のタイヤ2のために、例えば、リム径の異なる、二つ割りタイプの正規リムを2つ準備し、一方の正規リムのハーフリム70aと、他方の正規リムのハーフリム70bとを組み合わせることで、このリム4を構成することができる。このようにして構成されたリム4は、2つの正規リムを組み合わせて構成しているので、本発明においては、正規リムに準じるリムとして、準正規リムとも称される。さらに本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
以上説明されたタイヤ2は、次のようにして製造される。この製造方法では、中子が準備される。図示されていないが、この中子はトロイダル状の外面を備えている。
このタイヤ2の製造方法では、中子の外面においてインナーライナー24をはじめとする多数の要素が組み合わされて、ローカバー(未加硫タイヤ2)が得られる。この製造方法では、ローカバーは中子の外面において組み立てられる。
この製造方法では、バンド32の形成のために、帯状プライ64が準備される。そして、前述したように、外側ゾーンZS、中央ゾーンZC及び内側ゾーンZUのそれぞれにおいて、帯状プライ64の巻回しのピッチを調整しつつ、ベルト18の半径方向外側に、この帯状プライ64を螺旋状に巻回して、バンド32は形成される。
この製造方法では、ローカバーは中子とともにモールド(図示されず)に投入される。投入後、モールドは閉じられる。ローカバーの内面は、中子に当接している。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーは、モールドのキャビティ面と中子の外面とに挟まれて加圧される。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。このように中子を用いたタイヤ2の製法は、中子工法とも称される。
前述したように、このタイヤ2では、カーカス16、バンド32等の部材には、剛性の観点から、好ましくは、アラミド繊維からなコード(以下、アラミドコード)が採用される。このアラミドコードの採用は、転がり抵抗の低減及びパンク状態での耐久性の向上に寄与する。しかしこのアラミドコードの伸びはかなり小さい。このため、ローカバーを膨らませてその形態を整える工程、すなわちシェーピング工程を含む製造方法では、このアラミドコードを含む部材を備えるタイヤ2の製造は困難である。これに対して、中子方法では、ローカバーを膨らませてその形態を整える必要はない。この中子工法では、ローカバーの形態変化を伴うことなく、タイヤ2の成形が可能である。この中子工法によれば、伸びの小さなアラミドコードを含む部材を採用しても、タイヤ2を安定に製造することができる。この中子方法は、タイヤ2の転がり抵抗の低減及びパンク状態での耐久性の向上に寄与する。
前述したように、このタイヤ2の形状は赤道面ELに対して非対称である。このタイヤ2の形状は、例えば、断面幅の呼びが同じで、偏平比の呼び及びリム径の呼びが異なる2つのタイヤを、それぞれの赤道面において組み合わせることにより、構成することができる。具体的には、例えば、245/45R18の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの形状でその小径側の形状を構成し、245/35R20の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの形状でその大径側の形状を構成することにより、図1−3に示されたタイヤ2の形状を得ることができる。この場合、モールドのキャビティ面には、245/45R18の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの外面と245/35R20の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの外面とが反映される。中子の外面には、245/45R18の「タイヤの呼び」で表されるタイヤ2の内面と245/35R20の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの内面とが反映される。
前述したように、このタイヤ2では、第二サイド部76bは第一サイド部76aよりも短い。この第二サイド部76bは、第二支持層30bを有しているにもかかわらず、軽量化に寄与する。この第二サイド部76bは、転がり抵抗の低減にも寄与する。
このタイヤ2のサイド部76には、支持層30が設けられている。このため、このサイド部76は、熱が蓄積する傾向にある。しかし、このタイヤ2では、第二サイド部76bが第一サイド部76aよりも短いので、この第二サイド部76bのボリュームは小さい。この第二サイド部76bには、第二支持層30bが設けられているにもかかわらず、熱が蓄積しにくい。この第二サイド部76bは、耐久性に寄与する。この第二サイド部76bが内側に位置するようにこのタイヤ2を車輌に装着することにより、耐久性のさらなる向上を図ることができる。
図1には、図2及び3に示されたタイヤ2をリム4に組み込み、このタイヤ2の内部に空気を充填した状態が示されている。
タイヤ2の内部に空気を充填すると、タイヤ2は膨張する。前述したように、このタイヤ2のカーカス16は多数のコードを含んでいる。膨張により、それぞれのコードには張力が作用する。膨張状態にあるタイヤ2では、これらのコードに作用する張力は一様である。
図1において、両矢印WRはこのタイヤ2が装着されるリム4のリム幅を表している。一点鎖線CLは、このリム幅WRの中心を通る。この一点鎖線CLは、リム4の幅方向における中心線である。このタイヤ2の製造では、赤道面ELがこの中心線CLと軸方向において概ね一致するようにキャビティ面が整えられたモールドが用いられる。左右のリム径の呼びが同じである従来のタイヤでは、その内部に空気を充填し、タイヤを膨張させると、赤道面ELはこの中心線CLと軸方向において概ね一致する。
図1に示されているように、赤道面ELは中心線CLの左側に位置している。つまり、このタイヤ2は、その大径側が小径側に引っ張られるように膨張している。このため、タイヤ2の赤道面ELは小径側にシフトし、大径側の第二サイド部76bは立ち上がっている。膨張状態のタイヤ2では、その第二サイド部76bにおけるカーカス16は概ね半径方向に沿うように延在している。このカーカス16のプロファイル(カーカスラインとも称される。)は、タイヤ2の支持に効果的に寄与する。横剛性が増加するので、このタイヤ2では、良好な操縦安定性が得られる。このタイヤ2では、パンクによって内圧が低下しても、この第二サイド部76bが車重を十分に支えうる。このタイヤ2では、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。
このタイヤ2では、第一サイド部76aは第二サイド部76bよりも長い。この第一サイド部76aは、撓みに寄与する。縦剛性が適切に維持されるので、このタイヤ2では、良好な乗り心地が得られる。この第一サイド部76aが外側に位置するようにこのタイヤ2を車輌に装着することにより、乗り心地のさらなる向上を図ることができる。
このタイヤ2では、バンド32は、ベルト18の半径方向外側に螺旋巻きされた帯状プライ64を備えている。詳細には、このバンド32は、ベルト18の半径方向外側に螺旋巻きされた帯状プライ64からなる。このバンド32の断面は、軸方向に並列された帯状プライ64の断面を多数含んでいる。
このタイヤ2では、バンド32の断面において、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間隔DPが適切に調整されている。具体的には、帯状プライ64の断面の幅WPに対する間隔DPの比は0以上1以下である。この比が0以上に設定されることにより、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面とをオーバーラップさせることなくバンド32が形成される。このタイヤ2では、バンド32による質量への影響が抑えられている。この比が1以下に設定されることにより、バンド32の剛性が適切に維持される。このタイヤ2では、バンド32がベルト18を効果的に拘束する。つまり、このタイヤ2では、幅WPに対する間隔DPの比を0以上1以下に設定することにより、好ましくは、この比を0.0以上1.0以下に設定することにより、タイヤ2の質量への影響と、このバンド32の拘束力とが、バランス良く整えられている。
さらにこのタイヤ2では、内側ゾーンZUにおける、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間隔DPU、すなわち、ベルト18の第二端62bの側における間隔DPUは、外側ゾーンZSにおける間隔DPS、すなわち、ベルト18の第一端62aの側における間隔DPSよりも大きい。このため、この帯状プライ64からなるバンド32は、ベルト18の第一端62aの側において大きな剛性を有し、その第二端62bの側において小さな剛性を有する。
図6には、タイヤ2の使用状態が示されている。図6において、実線で示されているのは、このタイヤ2の輪郭である。点線で示されているのは、帯状プライを一定のピッチで螺旋状に巻回して、その全体を構成したバンドを有するタイヤ78(以下、参照タイヤと称される。)の輪郭である。いずれの輪郭も、タイヤ2、78を準正規リムに組み込み、内圧を230kPaに調整した状態において確認されている。参照タイヤ78のバンド以外は、図1−3に示されたタイヤ2と同等の構成を有している。したがって、参照タイヤ78も異径ビードタイプである。
図示されていないが、参照タイヤ78では、図1に示されたタイヤ2のバンド32とは異なり、バンドの断面全体において、一の、帯状プライの断面と、この一の帯状プライの断面の隣に位置する他の、帯状プライの断面とは、等間隔で並べられている。このバンドでは、ベルトの第一端の側の剛性と、その第二端の側の剛性とは同等である。このバンドの剛性は、軸方向において略一様である。
図6に示されているように、参照タイヤ78では、空気充填によるタイヤ78の膨らみに関し、左側の部分の膨らみの程度は右側の部分の膨らみの程度よりも大きい。この参照タイヤ78では、軸方向においてバンドの剛性が一様であることから、この膨らみの程度の相違は、第一サイド部の剛性が第二サイド部のそれよりも小さいことが起因していると考えられている。この参照タイヤ78では、左側の部分の外径が右側の部分の外径よりも大きいので、左側、すなわち、ベルト(図示されず)の第一端の側から右側、すなわち第二端の側に向かって、大きなコニシティが発生する。
これに対して本発明のタイヤ2では、バンド32が、その断面において、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間隔DPが、この帯状プライ64の断面の幅WPに対して0以上1以下で設定されるとともに、ベルト18の第二端62bの側における間隔DPがこのベルト18の第一端62aの側における間隔DPよりも大きくなるよう構成されている。このタイヤ2では、図6に示されているように、空気充填によるタイヤ2の膨らみに関し、ベルト18の第一端62aの側、すなわち左側部分の膨らみの程度は、その第二端62bの側、すなわち右側部分の膨らみの程度と略同等である。このバンド32を有するタイヤ2では、その膨張状態において、左側部分、すなわち小さなリム径の呼びを有する部分の外径と、右側部分、すなわち大きなリム径の呼びを有する部分の外径とに、違いは生じにくい。このタイヤ2では、コニシティの増加が抑えられる。
以上説明したように、本発明によれば、コニシティの増加を抑えつつ、操縦安定性及び乗り心地の向上が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
このタイヤ2では、バンド32の形成で用いられる帯状プライ64の本数に特に制限はない。例えば、3本の帯状プライ64を準備し、外側ゾーンZS、中央ゾーンZC及び内側ゾーンZUのそれぞれが1本の帯状プライ64で形成されてもよいし、バンド32全体が1本の帯状プライ64で形成されてもよい。バンド32がベルト18を効果的に拘束するとの観点から、バンド32全体が1本の帯状プライ64からなるのが好ましい。この場合、帯状プライ64の間隔DPは、外側ゾーンZSと中央ゾーンZCとの境界では間隔DPSから間隔DPCに徐々に変化させられ、そして中央ゾーンZCと内側ゾーンZUとの境界では、間隔DPCから間隔DPUに徐々に変化させられる。
前述したように、このタイヤ2では、バンド32が、その断面において、一の、帯状プライ64の断面と、この一の帯状プライ64の断面の隣に位置する他の、帯状プライ64の断面との間隔DPが、この帯状プライ64の断面の幅WPに対して0以上1以下で設定されるとともに、ベルト18の第二端62bの側における間隔DPがこのベルト18の第一端62aの側における間隔DPよりも大きくなるよう構成されている。特にこのタイヤ2では、中央ゾーンZCにおける間隔DPCは外側ゾーンZSにおける間隔DPSよりも大きく、内側ゾーンZUにおける間隔DPUは中央ゾーンZCにおける間隔DPCよりも大きい。これにより、空気充填によるタイヤ2の膨らみに関し、タイヤ2の左側部分とその右側部分とにおいて、同程度の膨らみが達成されている。
このタイヤでは、長い第一サイド部76aの膨張時の変形代は短い第二サイド部76bのそれよりも大きい。このため、第一サイド部76aが配置される、このタイヤ2の左側部分は、膨張しやすい。
このタイヤでは、外側ゾーンZSにおける、帯状プライ64の幅WPに対する、帯状プライ64の間隔DPSの比は0.2以下が好ましい。このバンド32は、外側ゾーンZSにおいて、タイヤ2の左側部分の膨らみを効果的に抑える。このタイヤ2では、タイヤ2の左側部分とその右側部分とにおいて、同程度の膨らみが達成され、コニシティの増加が抑えられる。この観点から、この比は0である、すなわち、図5(a)に示されているように、帯状プライ64は隙間なく巻回されるのが好ましい。より好ましくは、この比は0.0である。
このタイヤ2では、短い第二サイド部76bの膨張時の変形代は長い第一サイド部76aのそれよりも小さい。このため、第二サイド部76bが配置される、このタイヤ2の右側部分は、膨張しにくい。このため、内側ゾーンZUにおいて、帯状プライ64の間隔DPUが小さいと、タイヤ2の右側部分の膨張が過剰に抑えられ、却って、左右の膨張のバランスが崩れる恐れがある。
このタイヤ2では、内側ゾーンZUにおける、帯状プライ64の幅WPに対する、帯状プライ64の間隔DPUの比は0.8以上が好ましい。これにより、このバンド32が、内側ゾーンZUにおいて、タイヤ2の右側部分の膨張を過剰に抑えることが防止される。このタイヤ2では、タイヤ2の左側部分とその右側部分とにおいて、同程度の膨らみが達成され、コニシティの増加が抑えられる。バンド32によるベルト18の拘束力が確保され、良好な高速耐久性及び操縦安定性が維持されるとの観点から、この比は1以下が好ましい。より好ましくは、この比は1.0以下である。
このタイヤ2では、中央ゾーンZCにおける、帯状プライ64の間隔DPCも、タイヤ2の膨張に影響する。すなわち、この間隔DPCが小さいと、タイヤ2の膨張が全体的に抑えられ、却って、左右の膨張をバランスよく整えることができない。この間隔DPCが大きいと、タイヤ2の膨張を十分抑えることができず、この場合も、左右の膨張をバランスよく整えることができない。しかもバンド32の剛性が不足するので、操縦安定性等の性能が低下する恐れもある。
このタイヤ2では、タイヤ2の左側部分とその右側部分とにおいて、同程度の膨らみが達成され、コニシティの増加が抑えられるともに、良好な操縦安定性が維持されるとの観点から、中央ゾーンZCにおける、帯状プライ64の幅WPに対する、帯状プライ64の間隔DPCの比は、0.2以上が好ましく、0.8以下が好ましい。より好ましくは、この比は0.5に設定されることである。
前述したように、このタイヤ2は異径ビードタイプである。これにより、膨張状態におけるカーカスラインをコントロールし、操縦安定性の向上が図られている。この観点から、第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)は1インチ以上が好ましい。このカーカスラインが維持され、直進安定性及び耐摩耗性の低下が防止されるとの観点から、この差(D2−D1)は3インチ以下が好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、第一サイド部76aは第二サイド部76bよりも長い。長い第一サイド部76aは、撓みに寄与する。縦剛性の増加が抑えられるので、このタイヤ2では、良好な乗り心地が得られる。長い第一サイド部76aの形成の観点から、第一リム径の呼びD1は20インチ以下が好ましい。長い第一サイド部76aによる操縦安定性への影響が抑えられるとの観点から、この第一リム径の呼びD1は16インチ以上が好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、第二サイド部76bは第一サイド部76aよりも短い。短い第二サイド部76bは縦剛性を効果的に増加させるので、このタイヤ2では、良好な操縦安定性及びランフラット耐久性が得られる。この観点から、第二リム径の呼びD2は17インチ以上が好ましい。短い第二サイド部76bによる耐摩耗性及び乗り心地への影響が抑えられるとの観点から、この第二リム径の呼びD2は23インチ以下が好ましい。
図1において、実線BL1は第一ベースラインである。第一ベースラインは、このタイヤ2が装着されるリム4の第一リム径を規定する線に相当する。この第一ベースラインは、軸方向に延びる。実線BL2は、第二ベースラインである。第二ベースラインは、このリム4の第二リム径を規定する線に相当する。この第二ベースラインは、軸方向に延びる。
この図1において、両矢印H1は、第一ベースラインからこのタイヤ2の半径方向外側端PEまでの半径方向高さを表している。この高さH1は、第一ベースラインを基準として得られるこのタイヤ2の断面高さである。両矢印H2は、第二ベースラインからこのタイヤ2の半径方向外側端PEまでの半径方向高さを表している。この高さH2は、第二ベースラインを基準として得られるこのタイヤ2の断面高さである。両矢印Wは、軸方向におけるこのタイヤ2の最大幅を表している。この幅Wは、このタイヤ2の断面幅である。
本発明では、断面高さH1、断面高さH2及び断面幅Wは、タイヤ2に空気を充填した状態で測定される。測定時には、このタイヤ2には荷重がかけられない。測定時におけるタイヤ2の内圧は、用途及び大きさを考慮して、タイヤ2が依拠する規格において定められた正規内圧を参照して決められる。図1に示されたタイヤ2では、このタイヤ2が乗用車用であるので、タイヤ2の内圧が180kPaとなるように空気が充填された状態で、断面高さH1、断面高さH2及び断面幅Wは測定される。なお本明細書において正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」を意味する。
本発明においては、小径側の偏平比(以下、第一偏平比F1)は断面高さH1の断面幅Wに対する比で表される。大径側の偏平比(以下、第二偏平比F2)は、断面高さH2の断面幅Wに対する比で表される。
このタイヤ2では、乗り心地及び操縦安定性の観点から、第一偏平比F1は0.40以上が好ましく、0.70以下が好ましい。さらにカーカスラインによる耐摩耗性への影響が抑えられるとの観点から、この第一偏平比F1は0.45以上がより好ましく、0.65以下がより好ましい。
このタイヤ2では、操縦安定性及びランフラット耐久性の観点から、第二偏平比F2は0.30以上が好ましく、0.60以下が好ましい。さらに耐摩耗性のさらなる向上を図ることができるとの観点から、この第二偏平比F2は0.35以上が好ましく、0.55以下がより好ましい。
四輪自動車に装着されたタイヤ2では、車輌の幅方向内側部分にその外側部分よりも大きな荷重が作用する傾向にある。特に、赤道面が鉛直線に対して傾斜するように車輌に装着されている場合、詳細には、キャンバー角をネガティブキャンバーで設定した場合において、この傾向は顕著である。このタイヤ2では、第一サイド部76aが主に縦剛性に寄与し、第二サイド部76bが主に横剛性に寄与する。乗り心地、操縦安定性及びランフラット耐久性の観点から、第一サイド部76aが車輌の幅方向外側(表側又はS側とも称される。)に位置し、第二サイド部76bがこの車輌の幅方向内側(裏側又はNS側とも称される。)に位置するように、このタイヤ2は四輪自動車に装着されるのが好ましい。この場合、第一サイド部76aはランフラット耐久性への寄与が低い、車輌の幅方向外側に配置されることになるので、薄い第一支持層30aの採用が可能となり、更なる軽量化及び転がり抵抗の更なる低減を図ることができる。場合によっては、第一サイド部76aから第一支持層30aを除くことができ、この場合には、より一層の軽量化及び転がり抵抗の低減を図ることができる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−3に示されたタイヤを製作した。この実施例1では、下記の表1に示されているように、第一リム径の呼びD1は18インチである。第二リム径の呼びD2は、20インチである。
バンドコードには、アラミド繊維からなるコード(構成=800dtex/2、撚り合わせ回数=60回/10cm)を採用した。このことが、表1のバンドコードの欄に「アラミド」として表されている。
バンドの形成には、その幅WPが10mmに設定された帯状プライが用いられた。ベルトの第一端側の外側ゾーンでは、バンドの断面において、帯状プライの断面の幅WPに対する、一の帯状プライの断面と、この一の帯状プライの断面の隣に位置する他の帯状プライの断面との間隔DPの比(DP/WP)は0.0に設定された。外側ゾーンにおける比(DP/WP)は、比(DPS/WP)と同義である。中央ゾーンでは、この比(DP/WP)は、0.5に設定された。この中央ゾーンにおける比(DP/WP)は、比(DPC/WP)と同義である。ベルトの第二端側の内側ゾーンでは、この比(DP/WP)は、1.0に設定された。この内側ゾーンにおける比(DP/WP)は、比(DPU/WP)と同義である。
第一偏平比F1及び第二偏平比F2は、下記の表1の通りである。なお、断面幅Wは245mmとされた。
この実施例1には、「インサート構造」のカーカスが採用されている。このことが、表の「カーカスの構造」の欄に、「I」で示されている。このカーカスに含まれるコードには、アラミド繊維からなるコードが用いられている。ベルトに含まれるコードには、その材質がスチールとされたコードが用いられている。この実施例1は、中子工法で製作されている。
[比較例1−4]
比較例1−4は、従来のタイヤである。これらのタイヤの形状は、赤道面に対して対称である。断面幅Wは、いずれも245mmである。偏平比F1、第一リム径の呼びD1、偏平比F2及び第二リム径の呼びD2は、下記の表1に示された通りである。この比較例1−4では、実施例1のバンドの形成に用いた帯状プライを用いて、バンド全体が形成されている。このバンドの形成では、外側ゾーン、中央ゾーン及び内側ゾーンのそれぞれにおいて、比(DP/WP)は0に設定された。つまり、帯状プライを隙間なく螺旋状に巻回して、バンドの全体が構成された。なお、比較例1及び2には、「折り返し構造」のカーカスが採用されている。このことが、表の「カーカスの構造」の欄に、「F」で示されている。比較例3及び4には、実施例1と同じ、「インサート構造」のカーカスが採用されている。
[比較例5−7]
第二リム径の呼びD2を変えて偏平比F2及び第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)を下記の表1の通りとした他は比較例3と同様にして、比較例5−7のタイヤを得た。
[実施例2−4及び比較例8]
第二リム径の呼びD2を変えて偏平比F2及び差(D2−D1)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−4及び比較例8のタイヤを得た。
[比較例9]
外側ゾーンの比(DP/WP)及び内側ゾーンの比(DP/WP)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例9のタイヤを得た。
[実施例5−6]
外側ゾーンの比(DP/WP)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−6のタイヤを得た。
[実施例7−10]
中央ゾーンの比(DP/WP)を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−10のタイヤを得た。
[実施例11−13]
内側ゾーンの比(DP/WP)を下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例11−13のタイヤを得た。
[実施例14−18]
第一リム径の呼びD1及び第二リム径の呼びD2を変えて、偏平比F1、偏平比F2及び差(D2−D1)を下記の表6の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例14−18のタイヤを得た。
[実施例19]
バンドコードをナイロン繊維からなるコード(構成=1400dtex/2、撚り合わせ回数=60回/10cm)に置き換えた他は実施例1と同様にして、実施例19のタイヤを得た。
[転がり抵抗係数(RRC)]
転がり抵抗試験機(ドラム径=1.7m、ドラム表面=smooth steel)を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。なお、リムには、第一リム径の呼びD1を参照して第一ハーフリム(アルミニウム合金製)を選定し、第二リム径の呼びD2を参照して第二ハーフリム(アルミニウム合金製)を選定して、この第一ハーフリム及び第二ハーフリムを組み合わせて構成した、二つ割りリム(準正規リム)を用いた。このリムでは、リム幅は8.5インチに設定された。
内圧:210kPa
荷重:5.3kN
速度:80km/h
温度:20℃
慣らし時間:30分
この結果が、指数で、下記の表1−6に示されている。数値が大きいほど好ましい、つまり転がり抵抗係数(RRC)が小さい。
[タイヤの質量]
タイヤ一本の質量を計測した。この結果が、指数で、下記の表1−6に示されている。数値が大きいほど好ましい、つまり質量が小さい。
[乗り心地及び操縦安定性]
タイヤをリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、市販のハイブリッドタイプの乗用車に装着した。タイヤの小径側が車両の幅方向外側(S側)に位置し、大径側が車両の幅方向内側(NS側)に位置するように、このタイヤは装着された。リムには、転がり抵抗係数の測定で用いた準正規リムが用いられた。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、乗り心地及び操縦安定性を評価させた。この乗用車には、ドライバー以外は乗車していない。この結果が、指数で、下記の表1−6に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[コニシティ]
「JASO C607:2000」に規定されたユニフォーミティ試験方法に準拠して、下記に示す条件にて、コニシティ(CON)を測定した。10本のタイヤについて測定し、その測定結果の平均値が、指数で、下記の表1−6に示されている。この数値が0に近いほど、コニシティの発生が抑えられており好ましい。リムには、転がり抵抗係数の測定で用いた準正規リムが用いられた。
リム幅:8.5インチ
内圧:210kPa
荷重:5.3kN
速度:60rpm
Figure 0006766418
Figure 0006766418
Figure 0006766418
Figure 0006766418
Figure 0006766418
Figure 0006766418
表1−6に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々のタイプの四輪自動車にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・リム
6・・・トレッド
10、10a、10b・・・サイドウォール
12、12a、12b・・・クリンチ
14、14a、14b・・・ビード
16・・・カーカス
18・・・ベルト
30、30a、30b・・・支持層
32・・・バンド
34・・・トレッド面
56・・・カーカスプライ
58・・・内側層
60・・・外側層
62、62a、62b・・・ベルト18の端
64・・・帯状プライ
66・・・バンドコード
68・・・トッピングゴム
70、70a、70b・・・ハーフリム
72、72a、72b・・・ビードシート
74、74a、74b・・・ビード部
76、76a、76b・・・サイド部

Claims (4)

  1. リムに装着して使用されるタイヤであって、
    トレッド、第一サイドウォール、第二サイドウォール、第一ビード、第二ビード、カーカス、ベルト、支持層及びバンドを備えており、
    上記第一サイドウォールが上記トレッドの第一端から半径方向略内向きに延びており、上記第二サイドウォールがこのトレッドの第二端から半径方向略内向きに延びており、
    上記第一ビードが上記第一サイドウォールよりも半径方向内側に位置しており、上記第二ビードが上記第二サイドウォールよりも半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが上記第一サイドウォール、上記トレッド及び上記第二サイドウォールの内側に沿って、上記第一ビードと上記第二ビードとの間を架け渡しており、
    上記ベルトが上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されており、
    上記支持層が、上記第二サイドウォールの側において、上記カーカスの軸方向内側に位置しており、
    上記バンドが上記ベルトと上記トレッドとの間に位置しており、かつ上記ベルトを覆っており、
    上記バンドが、上記ベルトの半径方向外側に螺旋巻きされた帯状プライを備えており、
    上記帯状プライがバンドコードを含んでおり、
    上記バンドの断面が、軸方向に並列された上記帯状プライの断面を多数含んでおり、
    上記バンドの断面において、上記帯状プライの断面の幅に対する、一の帯状プライの断面と、この一の帯状プライの断面の隣に位置する他の帯状プライの断面との間隔の比が、0以上1以下であり、
    上記ベルトの第二端側における上記間隔が、このベルトの第一端側における上記間隔よりも大きく、
    上記リムが、上記第一ビードの部分が嵌め合わされる第一シートと、上記第二ビードの部分が嵌め合わされる第二シートとを備えており、
    上記第一シートにおけるこのリムのリム径を第一リム径とし、上記第二シートにおけるこのリムのリム径を第二リム径としたとき、
    このタイヤにおける上記第二リム径の呼びが上記第一リム径の呼びよりも大きく、
    上記ベルトにおいて、このベルトの軸方向幅を3等分する地点を、このベルトの第一端の側から、地点PB1及び地点PB2としたとき、
    上記ベルトの第一端から上記地点PB1までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比が0以上0.2以下であり、
    上記地点PB1から上記地点PB2までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比が0.2以上0.8以下であり、
    上記地点PB2から上記ベルトの第二端までのゾーンにおいて、上記バンドの断面における、上記帯状プライの断面の幅に対する上記間隔の比が0.8以上1以下である、空気入りタイヤ。
  2. 上記第二リム径の呼びと上記第一リム径の呼びとの差が1インチ以上3インチ以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記第一リム径の呼びが16インチ以上20インチ以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記バンドコードがアラミド繊維からなる、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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