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JP6760500B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品、具体的には、素体と該素体に埋設されたコイル導体とを有して成るコイル部品に関する。
従来から、DC/DCコンバータ回路等におけるパワーインダクタとして、コイル部品が用いられている。近年の電子機器の小型化および大電流化により、パワーインダクタも小型化および大電流化が求められている。小型のインダクタとして、磁性体層にフェライト材料を用いたフェライトインダクタが知られているが、フェライトインダクタは直流重畳特性が十分ではなく、大電流を通電する機器に用いるには適さない場合があった。そこで、近年、直流重畳特性に優れたメタルインダクタの開発が精力的になされている(特許文献1)。
特開2015−79931号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来のメタルインダクタ、即ち金属磁性体を含む素体と該素体の内部に埋設されたコイル導体とを含むコイル部品では、次第に高まる直流重畳特性の向上の要求に応えるには、必ずしも十分であるとは言えない。
従って、本発明の目的は、金属材料および樹脂材料を含むコンポジット材料から形成される磁性体層を有するコイル部品であって、良好な直流重畳特性を有するコイル部品を提供することにある。
本発明者らは、金属磁性体を用いるコイル部品において、さらに直流重畳特性を向上させるべく鋭意検討した結果、コイル部品の素体中に非磁性体層を設けることにより、高い直流重畳特性が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明の要旨によれば、
素体と該素体に埋設されたコイル導体とを有して成るコイル部品であって、
前記素体は、磁性体層と非磁性体層とを有して成り、
前記磁性体層は、金属粒子および樹脂材料を含むコンポジット材料から形成され、
前記非磁性体層は、前記素体の上下面の少なくとも一方と前記コイル導体との間を遮るように配置されている、コイル部品が提供される。
本発明によれば、金属粒子および樹脂材料を含むコンポジット材料から形成された磁性体層を有する素体と該素体の内部に埋設されたコイル導体を有して成るコイル部品において、非磁性体層を、上記素体の上下面の少なくとも一方と上記コイル導体との間に配置して直流重畳特性に優れたコイル部品を提供することができる。
図1は、本発明のコイル部品の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図2は、外部電極を省略した、図1に示すコイル部品の斜視図である。 図3は、図1に示すコイル部品の、LT面に平行な切断面を模式的に示す断面図である。 図4は、別の態様の本発明のコイル部品の、LT面に平行な切断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明のコイル部品の製造方法を説明するための図である。 図6は、本発明のコイル部品の別の製造方法を説明するための図である。 図7は、別の態様の本発明のコイル部品の、LT面に平行な切断面を模式的に示す断面図である。 図8は、別の態様の本発明のコイル部品の、LT面に平行な切断面を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明のコイル部品のシミュレーション結果を示す図である。
本発明のコイル部品について、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本実施形態のコイル部品および各構成要素の形状および配置等は、図示する例に限定されない。
本実施形態のコイル部品1の斜視図を図1に模式的に示し、コイル部品1の素体2の斜視図を図2に示し、コイル部品1の断面図を図3に示す。
図1〜図3に示されるように、本実施形態のコイル部品1は、略直方体形状を有している。コイル部品1は、概略的には、素体2、該素体2に埋設されたコイル導体3、および外部電極4,5を有してなる。ここに、素体2において、図3における図面左右側の面を「端面」と称し、図面上側の面を「上面」と称し、図面下側の面を「下面」と称し、図面手前側の面を「前面」と称し、図面奧側の面を「背面」と称する。また、端面、前面および背面は、単に「側面」とも称する。上記素体2は、素体2の上部に位置する磁性体層6、下部に位置する磁性体層7、および磁性体層6および7の間に位置する非磁性体層8から成る。素体2の内部には、コイル導体3が埋設されている。ここに、コイル導体において、巻線の巻回方向に沿った面をコイル導体の「側面」と称し、巻線の厚み方向に沿った面をコイル導体の「端面」と称する。本実施形態においては、コイル導体の軸に平行な面、即ちコイル導体の最外層にある平角線の主表面により構成される面が側面であり、コイル導体の軸に垂直な面、即ち各層の平角線の側面により構成される面が端面である。また、素体2の両端面23,24の磁性体層7上に外部電極4,5が設けられている。外部電極4,5は、端面23,24から、下面26の一部にまで延在している。即ち、外部電極4,5は、L字電極である。上記コイル導体3の末端14,15は、それぞれ、素体2の端面23,24において外部電極4,5に電気的に接続されている。
本明細書において、コイル部品1の長さを「L」、幅を「W」、厚み(高さ)を「T」と称する(図1および図2を参照)。本明細書において、前面および背面に平行な面を「LT面」、端面に平行な面を「WT面」、上面および下面に平行な面を「LW面」と称する。
上記したように、本実施形態において、素体2は、磁性体層6,7と非磁性体層8から構成される。
上記磁性体層は、比透磁率が15以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。
上記磁性体層は、金属粒子および樹脂材料のコンポジット材料から形成される。
上記金属粒子を構成する金属磁性材料としては、磁性を有するものであれば特に限定されず、例えば、鉄、コバルト、ニッケルもしくはガドリニウム、またはこれらの1種または2種以上を含む合金が挙げられる。好ましくは、上記金属磁性材料は、鉄または鉄合金である。鉄は、鉄そのものであってもよく、鉄誘導体、例えば錯体であってもよい。かかる鉄誘導体としては、特に限定されないが、鉄とCOの錯体であるカルボニル鉄、好ましくはペンタカルボニル鉄が挙げられる。特に、オニオンスキン構造(粒子の中心から同心球状の層を形成している構造)のハードグレードのカルボニル鉄(例えば、BASF社製のハードグレードのカルボニル鉄)が好ましい。鉄合金としては、特に限定されないが、例えば、Fe−Si系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Si−Al系合金等が挙げられる。上記合金は、さらに、他の副成分としてB、C等を含んでいてもよい。副成分の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1質量%以上5.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下であり得る。上記金属磁性材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
好ましい態様において、上記金属粒子は、好ましくは0.5μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の平均粒径を有する。上記金属粒子の平均粒径を0.5μm以上とすることにより、金属粒子の取り扱いが容易になる。また、上記金属粒子の平均粒径を、10μm以下とすることにより、金属粒子の充填率をより大きくすることが可能になり、磁性体層の磁気的特性が向上する。
ここに、上記平均粒径とは、磁性体層の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像における金属粒子の円相当径の平均を意味する。例えば、上記平均粒径は、コイル部品1を切断して得られた断面について、複数箇所(例えば5箇所)の領域(例えば130μm×100μm)をSEMで撮影し、このSEM画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))用いて解析して、500個以上の金属粒子について円相当径を求め、その平均を算出することにより得ることができる。
好ましい態様において、上記金属粒子の表面は、絶縁材料の被膜(以下、単に「絶縁被膜」ともいう)により覆われていてもよい。かかる態様において、金属粒子の表面は、粒子間の絶縁性を高めることができる程度に絶縁被膜に覆われていればよい。即ち、金属粒子の表面は、金属粒子の表面の一部だけ絶縁被膜に覆われていてもよく、全面が覆われていてもよい。また、絶縁被膜の形状は、特に限定されず、網目状であっても、層状であってもよい。好ましい態様において、上記金属粒子は、その表面の30%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%の領域が絶縁被膜により覆われる。金属粒子の表面を絶縁被膜で覆うことにより、磁性体層内部の比抵抗を高くすることができる。
上記絶縁被膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは3nm以上50nm以下、さらに好ましくは5nm以上30nm以下、例えば10nm以上30nm以下または5nm以上20nm以下であり得る。絶縁被膜の厚みをより大きくすることにより、磁性体層の比抵抗をより高くすることができる。また、絶縁被膜の厚みをより小さくすることにより、磁性体層中の金属粒子の量をより多くすることができ、磁性体層の磁気的特性が向上し、磁性体層の小型化を図ることが容易になる。
上記樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記態様において、磁性体層における金属粒子の含有量は、磁性体層全体に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり得る。また、磁性体層における金属粒子の含有量の上限は特に限定されないが、磁性体層全体に対して、好ましくは98質量%以下であり得る。
磁性体層における金属粒子の充填率は、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは75%以上、さらにより好ましくは85%以上であり得る。また、磁性体層における金属粒子の充填率の上限は特に限定されないが、当該充填率は、98%以下、95%以下、90%以下、80%以下であり得る。磁性体層における金属粒子の充填率を高くすることにより、磁性体層の透磁率が高くなり、より高いインダクタンスを得ることが可能になる。
ここに、上記充填率とは、磁性体層の断面のSEM画像における金属粒子の占める面積の割合を意味する。例えば、上記充填率は、コイル部品1をワイヤーソー(メイワフォーシス株式会社製DWS3032−4)で製品中央部付近を切断し、LT面の略中央部が露出するようにする。得られた断面に対して、イオンミリングを行い(株式会社日立ハイテク社製イオンミリング装置IM4000)、切断によるダレを除去し、観察用の断面を得る。断面の複数箇所(例えば5箇所)の所定の領域(例えば130μm×100μm)をSEMで撮影し、このSEM画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))を用いて解析して、領域中金属粒子が占める面積の割合を求めることにより得ることができる。
一の態様において、上記磁性体層は、さらに他の物質粒子を含んでいてもよい。他の物質の粒子を含ませることにより、磁性体層を製造する際の流動性を調整することができる。
本明細書において、「非磁性体」とは、比透磁率が1である物質に限定されず、比透磁率が比較的小さな物質も包含する。
上記非磁性体層は、比透磁率が15未満、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは2以下である。非磁性体層と磁性体層の比透磁率の差は、たとえば、10以上である。
上記非磁性体層は、非磁性材料から形成される。なお、非磁性体層は上記の比透磁率を満たす限り、金属磁性材料や磁性フェライトを含んでもよい。
非磁性材料としては、特に限定されないが、例えば樹脂材料、非磁性無機材料等が挙げられる。
上記樹脂材料としては、上記磁性体層において用いられる樹脂材料と同様のものが挙げられ、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
好ましい態様において、非磁性体層における樹脂材料は、磁性体層における樹脂材料と同じであり得る。同じ樹脂材料を用いることにより、非磁性体層と磁性体層間の密着性が向上する。
上記非磁性無機材料としては、無機酸化物、非磁性フェライト材料等が挙げられる。
上記無機酸化物としては、例えば酸化アルミニウム(代表的にはAl)、酸化ケイ素(代表的にはSiO)、酸化亜鉛(代表的にはZnO)等が挙げられる。
上記非磁性フェライト材料としては、例えばZn、Cu、Mn、およびFeから選択される2種以上の金属を含む複合酸化物であり得る。
一の態様において、非磁性体層は、樹脂材料から構成される。樹脂材料を用いることにより、非磁性体層と磁性体層の密着性を高めることができる。
一の態様において、非磁性体層は、非磁性無機材料から形成される。非磁性無機材料を用いることにより、コイル部品の抗折強度を高めることができる。
好ましい態様において、非磁性体層は、樹脂材料および非磁性無機材料から構成される。かかる態様において、非磁性無機材料は、粒子状である。非磁性無機材料の粒子は、好ましくは0.5μm以上10μm以下の平均粒径を有する。ここで、磁性体層は金属磁性粉を含むため、コイルに電流が流れると磁束が発生し、発生した磁束により金属磁性粉には渦電流が発生する。渦電流は熱による損失を生み磁性体層には熱が発生することがある。ここで、樹脂材料および非磁性無機材料などの絶縁物で構成される非磁性体層を挿入すると、非磁性体層には渦電流損が発生しにくく、コイル部品の発熱を抑制することができる。また、非磁性体層が樹脂を含むと、同様に樹脂を含む磁性体層との密着性を向上させることができ、剥がれを抑制することが出来る。さらに、非磁性体層が、樹脂に加えて非磁性無機材料を含む場合、非磁性体層の線膨張係数を小さくすることが出来、樹脂のみで非磁性体層を形成する場合に比べ、熱が加わった場合の非磁性体層の厚みの変化を小さくできる。非磁性体層の線膨張係数が大きいと、熱が加わった場合に非磁性体層が厚くなりやすく、L値の低下を招きやすい。本態様では、非磁性体層が樹脂に加えて非磁性無機材料を含むことにより、非磁性体層の線膨張係数を小さくしてL値の低下を抑制することができる。また、非磁性体層が樹脂に加えて非磁性無機材料を含むことにより、非磁性体層と磁性体層の線膨張係数をあわせて非磁性体層と磁性体層との剥離を抑制することが出来る。かかる態様において、非磁性無機材料は、好ましくは酸化アルミニウムである。樹脂材料に非磁性無機材料、好ましくは無機酸化物、特に酸化アルミニウム粒子を混合することにより、コイル部品の抗折強度および放熱性が向上する。
上記態様において、非磁性体層における非磁性無機材料の含有量は、非磁性体層全体に対して、70質量%以上であり得る。また、非磁性体層における非磁性無機材料の含有量の上限は特に限定されないが、非磁性体層全体に対して、好ましくは98質量%以下であり得る。
上記態様において、非磁性体層における非磁性無機材料の充填率は、好ましくは40%以上であり得る。また、非磁性体層における非磁性無機材料の充填率の上限は特に限定されないが、当該充填率は、98%以下であり得る。
上記非磁性体層の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上である。非磁性体層の厚みを大きくすることにより、コイル部品の直流重畳特性をより向上させることができる。また、非磁性体層の厚みは、特に限定されないが、例えば100μm以下である。非磁性体層の厚みを小さくすることにより、コイル部品のインダクタンスをより大きくすることができる。
素体2は、磁性体層7と非磁性体層8を含み、素体2にはコイル導体3が埋設されている。非磁性体層8が素体2に含まれるため、素体2の内部を通る磁束の密度を減らすことが出来、直流重畳特性を向上させることができる。上記素体2において、非磁性体層8は、磁性体層6および7に挟まれ、素体2の4つの側面すべてから露出している。換言すれば、非磁性体層8は、コイル導体の一の端面16と素体の上面25との間を遮るように配置されている。さらに換言すれば、非磁性体層8は、コイル導体3と素体2の上面25を分断するように、素体2を貫通している。即ち、素体2において、非磁性体層8を通ることなくコイル導体の端面16と素体の上面25の間を結ぶ経路は存在しない。非磁性体層8が、コイル導体3と素体の上面25との間を遮るように配置されている事により、コイル部品を開磁路の部品とすることが出来、磁束をわざとコイル部品の外に流して、直流重畳特性を向上できる。また、本態様では非磁性体層8は、素体のうち、コイル導体3に挟まれた部分に位置していない。特に、素体の厚み方向(図1のT方向)におけるコイル導体3には挟まれた領域に位置していない。これにより、磁束が分散するのを抑制することができる。
尚、上記非磁性体層8の位置は、上記素体の上下面25,26の少なくとも一方と上記コイル導体との間を遮るように配置されていればその場所、および形状は限定されない。
一の態様において、図1〜3に示されるように、非磁性体層8は、コイル導体の端面16と接触するように配置される。かかる態様において、非磁性体層は、好ましくはコイル導体の巻芯部からの磁路を遮るように配置される。換言すれば、非磁性体層は、コイル導体の端面16において、非磁性体層とコイル導体の接触面が、コイル導体の開口部を囲むように配置される。このように非磁性体層を、コイル導体の内磁路を遮るように配置することにより、磁束が飽和しやすいコイル導体の開口部に効率的に非磁性体層を配置することができ、直流重畳特性を向上させることができる。特に、コイル導体が巻かれた導線で形成されている場合、磁束は導線間をすり抜けることなく、コイル導体の開口部を通り、コイル導体3の周囲へ回り込む。そのため、素体とコイル導体との間であって、コイル導体の開口部に非磁性体層が配置されていれば、開口部を通る磁束を効率的に遮り、直流重畳特性を向上させることができる。尚、「巻芯部」とは、コイル導体の内部にある部分、つまり、コイル導体3に囲まれた部分を意味し、コイル部品においては、巻芯部には磁性体層7あるいは非磁性体層8が充填されている。
好ましい態様において、非磁性体層8は、少なくともコイル導体の端面16の内縁と接触する。ここにコイル導体の内縁とは、コイル導体の端面と巻芯部との境界部分を意味する。内縁は特に磁気飽和しやすいため、非磁性体層をコイル導体の端面の内縁と接触させることにより、効率的に磁気飽和を解消してより直流重畳特性を向上させることができる。非磁性体層8は、コイル導体の端面16の内縁全体と接触することが好ましい。
より好ましい態様において、非磁性体層8は、コイル導体の端面16を覆う。より好ましくは、非磁性体層8は、コイル導体の端面16全体を覆う。より好ましくは、非磁性体層8は、コイル導体の端面16全体と接触する。非磁性体層をコイル導体の端面全体と接触させることにより、コイル導体3を形成する導線の周りの磁路を遮ることが可能になり、より直流重畳特性が向上する。
一の態様において、図4に示されるように、非磁性体層8は、コイル導体の端面16から側面18側まで回り込んで存在する。非磁性体層が、コイル導体の側面側に回り込むことにより、非磁性体層と磁性体層の接触面積が大きくなり、密着性が向上し、層の剥離を抑制することができる。また、非磁性体層とコイル導体の接触面積を大きくすることができることから、非磁性体層に放熱性の高い材料を用いることにより、コイル部品の放熱性を高めることができる。さらに、非磁性体層がコイル導体の側面を覆うように回り込ませることにより、コイル導体と磁性体層の接触面積を小さくすることができ、コイル導体と磁性体層中の金属粒子間の短絡を抑制することができる。
上記の態様において、非磁性体層8は、コイル導体の側面18の長さ方向全体に回り込んでいてもよく、一部まで回り込んでいてもよい。即ち、一の態様において、非磁性体層は、コイル導体の側面の長さ方向の半分まで回り込んでいてもよい。尚、かかる態様において「長さ方向」とは、コイル導体の長さ方向、換言すればコイル導体の軸方向、即ち図面上下方向を意味する。
一の態様において、図4に示されるように、非磁性体層8の一部27は、コイル導体の側面と素体の側面間に位置し、該非磁性体層の一部27をコイル導体の側面側と素体の側面側とで二分した場合のコイル導体側の非磁性体層28の平均厚みが、素体の側面側の非磁性体層29の平均厚みよりも大きい。コイル導体側の非磁性体層28の平均厚みを大きくすることにより、磁束密度がより高くなり得るコイル近傍での非磁性体層の厚みが大きくなり、直流重畳特性がより向上する。
かかる態様において、コイル導体側の非磁性体層28の平均厚みは、素体の側面側の非磁性体層29の平均厚みの、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり得る。また、コイル導体側の非磁性体層28の平均厚みは、素体の側面側の非磁性体層29の平均厚みの、好ましくは2.0倍以下であり得る。
一の態様において、図1〜3に示されるように、非磁性体層8は、外部電極4,5が存在する下面26と対向する上面25側に存在する。即ち、コイル部品は、素体の下面26に外部電極4,5を有し、上面25とコイル導体3の間に非磁性体層8を有する。このように非磁性体層を、コイル導体を挟んで外部電極4,5と反対側に配置することにより、基板等との接続部である外部電極との距離が遠くなり、基板からの応力が、非磁性体層と磁性体層の界面に加わりにくくなり、剥離を抑制することができる。本態様では、磁性体層7及び非磁性体層8はともに樹脂を硬化させて形成されており、焼結により一体化されているわけではない。そのため、焼結により形成されるセラミックコイル部品に比べ、層の界面で剥離が起こる可能性が高い。しかしながら、コイル導体を挟んで外部電極4,5と反対側に非磁性体層を配置することにより、樹脂を硬化して形成された磁性体層7及び非磁性体層8を含むコイル部品であっても、剥離を抑制することができる。
本実施形態において、図2および図3に示されるように、上記コイル導体3は、軸が素体の上下方向に向くように配置される。上記コイル導体は、その両末端14,15が、素体の端面23,24に引き出され、外部電極4,5に電気的に接続されている。
上記導電性材料としては、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル等が挙げられる。好ましくは、導電性材料は銅である。導電性材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記コイル導体3は、導線や、導電ペーストから形成することができるが、導線で形成した方がコイル部品の直流抵抗を下げることができて好ましい。導線は、丸線であっても、平角線であってもよいが、好ましくは平角線である。平角線を用いることにより、導線を隙間無く巻回すことが容易になる。
一の態様において、上記コイル導体3を形成する導線は、絶縁性物質により被覆されていてもよい。コイル導体3を形成する導線を絶縁性物質により被覆することにより、コイル導体と磁性体層の絶縁をより確実にすることができる。尚、当然ながら、上記導線の外部電極4,5に接続される部分には絶縁性物質は存在せず、導線が露出している。
上記絶縁性物質としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられ、好ましくはポリアミドイミド樹脂である。
上記コイル導体3は、いずれのタイプのコイル導体も用いることができ、例えばα巻、エッジワイズ巻、渦巻(スパイラル)、螺旋巻き等のコイル導体を用いることができる。コイル導体3を導線で形成する場合、α巻やエッジワイズ巻が部品の小型化の点で好ましい。
一の態様において、図2に示されるように、コイル導体3は、α巻のコイル導体であり得る。かかる態様において、上記非磁性体層8は、好ましくは、巻平面に対して平行に、例えば図2においてはコイル導体の軸に対して垂直に配置される。かかる態様において、好ましくは、非磁性多層はコイル導体の端面上に配置される。非磁性体層を巻平面に対して平行になるように配置することにより、巻平面に対して垂直に発生する磁路を効率的に遮ることができ、直流重畳特性を向上させることができる。巻平面とは、導線が巻かれている平面であり、図3の紙面に垂直な面である。コイル導体が平角線で形成されている場合、巻平面とは平角線が厚み方向に並ぶ平面であってよい。
好ましい態様において、コイル導体3は、平角線をα巻きしたコイル導体であり得る。かかる態様において、上記非磁性体層8は、好ましくは、平角線の幅方向(図3の紙面上下方向)に対して略垂直に配置される。かかる態様において、好ましくは、非磁性多層はコイル導体の端面上に配置される。ここに、略垂直とは、完全な垂直だけではなく、製造上の事由によりある程度垂直から傾いた角度までも許容する。例えば、略垂直は、60°以上120°以下、好ましくは80°以上100°以下の角度であり得る。このように、非磁性体層8を平角線の幅方向に対して略垂直に配置することにより、平角線周りの磁路を切ることができ、より直流重畳特性が向上する。
一の態様において、コイル導体3は、エッジワイズ巻のコイル導体であり得る。かかる態様において、上記非磁性体層8は、該コイル導体の端面においてコイル導体を形成する導線の主面と面接触するように配置される。このように非磁性体層とコイル導体を形成する導線とを面接触させることにより、コイル部品の放熱性が向上する。
一の態様において、コイル導体3は、素体の上面25からコイル導体の一方の端面16までの距離と、下面26からコイル導体の他方の端面17までの距離とが等しくなるように配置される。これにより素体全体がより均等にインダクタンスに寄与し、全体としてのインダクタンスが向上する。
上記外部電極4,5は、それぞれ、コイル導体3の末端14,15に電気的に接続されるように、素体表面の所定の箇所に形成される。
一の態様において、図1および図3に示されるように、上記外部電極4,5は、それぞれ、コイル部品1の素体2の端面23,24、ならびに下面26の一部における磁性体層7上に、L字電極(二面電極)として形成される。他の態様において、外部電極4、5は、コイル部品1の下面26の一部における磁性体層7上にのみ形成された底面電極であってもよい。上記外部電極を、磁性体層7上にL字電極あるいは底面電極として形成することにより、コイル部品を基板等に実装した際に、上方に位置する他の部品、例えば筐体、シールドなどと短絡することを防止することができる。
さらに他の態様において、外部電極4、5は、コイル部品1の素体2の端面23,24、ならびに前面21、背面22、上面25、下面26の一部における磁性体層7上に、五面電極として形成されてもよい。
上記外部電極は、導電性材料、好ましくはAu、Ag、Pd、Ni、SnおよびCuから選択される1種またはそれ以上の金属材料から構成される。
上記外部電極は、単層であっても、多層であってもよい。一の態様において、外部電極が多層である場合、外部電極は、AgまたはPdを含む層、Niを含む層、またはSnを含む層を含み得る。好ましい態様において、上記外部電極は、AgまたはPdを含む層、Niを含む層、およびSnを含む層からなる。好ましくは、上記の各層は、コイル導体側から、AgまたはPdを含む層、Niを含む層、Snを含む層の順で設けられる。好ましくは、上記AgまたはPdを含む層はAgペーストまたはPdペーストを焼き付けた層(即ち、熱硬化した層)であり、上記Niを含む層およびSnを含む層は、めっき層であり得る。
外部電極の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上20μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下であり得る。
別の態様において、コイル部品1は、外部電極4,5を除いて、保護層により覆われていてもよい。保護層を設けることにより、基板等に実装した際に、他の電子部品と短絡することを防止することができる。
上記保護層を構成する絶縁性材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の電気絶縁性が高い樹脂材料が挙げられる。
次に、コイル部品1の製造方法について説明する。
まず、金型30にコイル導体3を複数配置する。次に、これらのコイル導体3上に、磁性体層7のシートを重ね、次いで、一次プレスを行う(図5(a))。一次プレスにより、コイル導体3の少なくとも一部分は、上記シート中に埋め込まれ、コイル導体3の内部にコンポジット材料が充填される(図5(b))。
次に、一次プレスにより得られたコイル導体3が埋め込まれたシートを金型から外し、次いで、コイル導体3が露出した面に非磁性体層8のシートを重ね、さらにその上に磁性体層6のシートを重ねて、二次プレスを行う(図5(c))。これにより、複数の素体が含まれる集合コイル基板が得られる。上記の3つのシートは、二次プレスにより一体となり、コイル部品1の素体2を形成する。
なお、コイル導体3上に、非磁性体層8となるシートと磁性体層7となるシートとをこの順に並ぶよう重ね、一次プレスを行い、コイル導体3が露出した面に磁性体のシートを重ねて二次プレスを行ってもよい。あるいは、コイル導体3上に非磁性体層8となるシートと磁性体層7となるシートとをこの順に並ぶよう重ね、一次プレスを行い、コイル導体3が露出した面に非磁性体層8となるシートと磁性体層7となるシートを、非磁性体層8がコイル導体3に接触するように重ねて二次プレスを行ってもよい。
次に、二次プレスにより得られた集合コイル基板を、それぞれの素体に分割する。得られた素体の対向する端面23,24のそれぞれには、コイル導体3の末端14,15が露出している。
次に、素体2の所定の箇所に、外部電極4,5を、例えば、めっき処理、好ましくは電解めっき処理により形成する。
好ましい態様において、上記めっき処理は、外部電極を形成する箇所に対応する素体表面にレーザーを照射した後に行われる。素体表面にレーザーを照射することにより、磁性体部を構成する樹脂材料の少なくとも一部が除去され、金属粒子を露出する。これにより、素体表面の電気抵抗が小さくなり、めっきを形成しやすくなる。非磁性体層には、通常、導電性の材料が存在しないので、非磁性体層を越えるめっき伸びを抑制することができる。コイル部品を基板等に実装した際に、上方に他の部品、例えば筐体、シールドなどが位置することがある。この場合、上面に外部電極が形成されるとシールドなどと短絡する恐れが高まり好ましくない。本態様では、非磁性体層を端面に露出させることにより上面へのめっき伸びを抑制し、シールドとの短絡を抑制することが出来る。あるいは、上面に外部電極を形成したい場合は、非磁性体層に非磁性フェライトを含ませ、非磁性フェライトの抵抗が下がるようレーザーを照射することにより、非磁性体層をまたぐ外部電極を形成することが出来る。
これにより本発明のコイル部品1が製造される。
また、本発明のコイル部品は、別法により製造することができる。
最初に、上面に凸部33を有する磁性体ベース31(磁性体層6に対応する)を作製する。
磁性体ベースは、金属粒子および樹脂材料、ならびに必要に応じて他の物質を混合し、得られた混合物を、金型で加圧成形し、次いで、得られた加圧成形された成形体を、熱処理して樹脂材料を硬化させることにより、作製される。
次に、上記で得られた磁性体ベース31上に非磁性体層32を作製する(図6(a))。
上記非磁性体層32は、上記磁性体ベース31上に直接形成してもよく、また、別途作製した非磁性体シートを磁性体ベース31上に設置してもよい。直接形成する方法としては、スクリーン印刷、スプレー塗布、フォトリソグラフィ等が挙げられる。
次に、非磁性体層を設けた磁性体ベース31の凸部33がコイル導体3の巻芯部に位置するように、コイル導体を磁性体ベース上に配置する(図6(b))。
コイル導体の配置方法としては、別途導線を巻回して得られたコイル導体を磁性体ベース上に配置してもよく、あるいは、磁性体ベースの凸部に導線を巻き付けて、直接磁性体ベース上でコイル導体を作製することにより配置してもよい。
次に、磁性体外装34(磁性体層7に対応する)を作製する。
金属粒子および樹脂材料、ならびに必要に応じて他の物質を混合する。得られた混合物に、溶剤を加えて適切な粘度に調整して、磁性体外装形成用の材料を得る。
上記で得られたコイル導体が配置された磁性体ベースを、金型35に配置する(図6(c))。次いで、上記で得られた磁性体外装形成用材料を金型に注入し、加圧成形する(図6(d))。その後、加圧成形された成形体を、熱処理して樹脂材料を硬化させることにより磁性体外装を形成し、これにより、内部にコイル導体が埋設された素体2を得る。
次に、素体2の所定の箇所に、外部電極4,5を、例えば、めっき処理、好ましくは電解めっき処理により形成する。
これにより本発明のコイル部品が製造される。
図6に示すように、非磁性体層32はコイル導体3と素体の下面との間を分断するように存在していてもよい。また、非磁性体層32は、巻芯部においてコイル導体3と磁性体ベース31との間に存在していてもよい。
尚、本発明のコイル部品の製造方法は、上記2つの製造方法に限定されず、上記の製造方法の一部を変更した方法、別の方法によっても製造することができる。
以上、本発明のコイル部品について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上記実施形態のコイル部品1において、磁性体層6,7は、それぞれ、単一の層から構成されているが、複数の磁性体シートを積層した積層体であってもよい。
上記実施形態のコイル部品1は、非磁性体層8が1つのみであるが、2つ以上存在してもよい。例えば、図7に示されるように、本発明のコイル部品は、3つの磁性体層41,42,43および2つの非磁性体層44,45を有し、2つの非磁性体層44,45間に、コイル導体3および磁性体層42を有していてもよい。また、別の態様において、図8に示されるように、上記2つの非磁性体層44,45は、コイルを上下で挟むように配置され、コイル導体の側面側において密着していてもよい。
本発明は、特に限定されないが、以下の態様を開示する。
1. 素体と該素体に埋設されたコイル導体とを有して成るコイル部品であって、
前記素体は、磁性体層と非磁性体層とを有して成り、
前記磁性体層は、金属粒子および樹脂材料を含むコンポジット材料から形成され、
前記非磁性体層は、前記素体の上下面の少なくとも一方と前記コイル導体との間を遮るように配置されている、コイル部品。
2. 前記非磁性体層は、前記コイル導体の端面と接触するように配置されている、上記態様1に記載のコイル部品。
3. 前記非磁性体層は、前記コイル導体の端面側から側面側に回り込んで存在する、上記態様1または2に記載のコイル部品。
4. 前記非磁性体層は、コイル導体の側面の長さ方向の半分まで回り込んでいる、上記態様3に記載のコイル部品。
5. 前記非磁性体層の一部は、前記コイル導体の側面と前記素体の側面間に位置し、該コイル導体の側面と素体の側面間における非磁性体層を二分した場合の、コイル導体側の非磁性体層の平均厚みが、素体の側面側の非磁性体層の平均厚みよりも大きい、上記態様1〜4のいずれか1項に記載のコイル部品。
6. 前記素体の上面からコイル導体の一方の端面までの距離が、前記素体の下面からコイル導体の他方の端面までの距離と等しい、上記態様1〜5のいずれか1項に記載のコイル部品。
7. さらに前記素体の下面に外部電極を有し、上面とコイル導体の間に前記非磁性体層が位置する、上記態様1〜6のいずれか1項に記載のコイル部品。
8. 前記コイル導体はα巻コイルであり、前記非磁性体層は、該コイル導体の端面に対して略平行に配置されている、上記態様1〜6のいずれか1項に記載のコイル部品。
9. 前記コイル導体は、平角線をα巻にしたコイル導体であり、前記非磁性体層は、平角線の幅方向に対して略垂直に配置されている、上記態様1〜7のいずれか1項に記載のコイル部品。
10. 前記コイル導体は、エッジワイズ巻コイルであり、前記非磁性体層は、該コイル導体の端面においてコイル導体を形成する平角線の主面と面接触するように配置されている、上記態様1〜9のいずれか1項に記載のコイル部品。
11. 前記非磁性体層は、樹脂材料および非磁性無機材料を含む、上記態様1〜10のいずれか1項に記載のコイル部品。
12. 前記非磁性無機材料はシリカ、アルミナ、酸化ケイ素、及び、非磁性フェライトから選ばれる、上記態様11に記載のコイル部品。
Feを含む合金粉とエポキシ樹脂とを含む磁性体層となるシートと、アルミナとエポキシ樹脂を含む非磁性体層となるシートと、平角線で形成されたα巻のコイル導体を準備した。そして、コイル導体上に、磁性体層となるシートを重ねて一次プレスし、コイル導体が露出した面に非磁性体層となるシートを重ね、さらにその上に磁性体層となるシートを重ねて、二次プレスを行った。そして、二次プレス後のシートの樹脂を硬化させることにより、非磁性体層が上面とコイル導体との間を遮るように配置されている素体を形成した。そして、素体の底面の一部と端面とに表面の金属磁性粉が溶融するようレーザーを照射したのちにめっきを行い、実施例のコイル部品を作成した。
(比較例)
非磁性体層となるシートの代わりに全て磁性体層となるシートを用いた以外は実施例と同様にして、比較例のコイル部品を形成した。
(評価方法)
磁場解析ソフトでシミュレーションをして、非磁性体層を含む実施例と非磁性体層を含まない比較例について、L値が初期値の70%の値になった時の電流値(つまり、図9においてΔL/L=−30%のときの電流値)を比較した。シミュレーションを行った部品は1.6×0.8×0.8mmのサイズで、α巻のコイルに接するように非磁性体層を挿入した。シミュレーションの結果を図9および表1に示す。
Figure 0006760500
また、非磁性体層を含む実施例と非磁性体層を含まない比較例の抗折強度を測定し比較した。抗折強度は、コイル部品の上面から圧力をかけ、折れた時の圧力とした。実施例については2点、比較例については3点測定した平均値を表1に記す。
Figure 0006760500
(結果)
表1からわかるように、実施例では、L値が初期の70%以下の値になる電流値が比較例よりも高く、直流重畳特性の改善がみられた。また、表2からわかるように、樹脂材料および非磁性無機材料を含む非磁性体層を用いることにより、抗折強度が大幅に向上した。
本発明のコイル部品は、インダクタなどとして幅広く様々な用途に使用され得る。
1…コイル部品; 2…素体; 3…コイル導体;
4…外部電極; 5…外部電極;
6…磁性体層; 7…磁性体層; 8…非磁性体層;
14…コイル導体の末端; 15…コイル導体の末端;
16…コイル導体の端面; 17…コイル導体の端面;
18…コイル導体の側面;
21…素体前面; 22…素体背面; 23…素体端面;
24…素体端面; 25…素体上面; 26…素体下面;
27…非磁性体層の一部; 28…コイル導体側の非磁性体層;
29…素体の側面側の非磁性体層; 30…金型;
31…磁性体ベース; 32…非磁性体層; 33…凸部;
34…磁性体外装; 35…金型;
41…磁性体層; 42…磁性体層; 43…磁性体層;
44…非磁性体層; 45…非磁性体層

Claims (11)

  1. 素体と該素体に埋設されたコイル導体とを有して成るコイル部品であって、
    前記素体は、磁性体層と非磁性体層とを有して成り、
    前記磁性体層は、金属粒子および樹脂材料を含むコンポジット材料から形成され、
    前記非磁性体層は、前記素体の上下面の少なくとも一方と前記コイル導体との間を遮るように配置され
    前記非磁性体層の一部は、前記コイル導体の側面と前記素体の側面間に位置し、該コイル導体の側面と素体の側面間における非磁性体層を二分した場合の、コイル導体側の非磁性体層の平均厚みが、素体の側面側の非磁性体層の平均厚みよりも大きい、
    コイル部品。
  2. 前記非磁性体層は、前記コイル導体の端面と接触するように配置されている、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記非磁性体層は、前記コイル導体の端面側から側面側に回り込んで存在する、請求項1または2に記載のコイル部品。
  4. 前記非磁性体層は、コイル導体の側面の長さ方向の半分まで回り込んでいる、請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記素体の上面からコイル導体の一方の端面までの距離が、前記素体の下面からコイル導体の他方の端面までの距離と等しい、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  6. さらに前記素体の下面に外部電極を有し、上面とコイル導体の間に前記非磁性体層が位置する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイル部品。
  7. 前記コイル導体はα巻コイルであり、前記非磁性体層は、該コイル導体の端面に対して略平行に配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコイル部品。
  8. 前記コイル導体は、平角線をα巻にしたコイル導体であり、前記非磁性体層は、平角線の幅方向に対して略垂直に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のコイル部品。
  9. 前記コイル導体は、エッジワイズ巻コイルであり、前記非磁性体層はコイル導体を形成する平角線の主面と面接触するように配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコイル部品。
  10. 前記非磁性体層は、樹脂材料および非磁性無機材料を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコイル部品。
  11. 前記非磁性無機材料はシリカ、アルミナ、酸化ケイ素、及び、非磁性フェライトから選ばれる、請求項10に記載のコイル部品。
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