以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、例えば音楽ゲームを提供するゲーム機として構成されている。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。例えば、そのような音楽ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。具体的には、このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、それらの指示標識及び基準標識を利用し、各実行時期において指示標識及び基準標識の位置が一致するように指示標識と基準標識との間に相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、配信サービス及びマッチングサービスを含んでいる。配信サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新するサービスである。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に音楽ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。マッチングサービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチング(グループ化)するサービスである。なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このようなゲーム用情報サービスを通じて、音楽ゲームのプレイを補助する各種の情報をユーザ端末装置4に提供する。なお、Webサービスは、その他にも各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等を含んでいてもよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記録される。また、そのようなサーバ用データは音楽ゲーム用の各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、楽曲データMD及びシーケンスデータQDが示されている。
楽曲データMDは、音楽ゲームで使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいてユーザによってプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDに基づいて各実行時期の案内及びその評価が実行される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。シーケンスデータQDの詳細は更に後述する。なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、プレイデータやID管理データ等が含まれてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。具体的には、ゲーム機サービス管理部24は、例えば、ゲーム機用サービスを実現するための各種の処理の一部として、譜面共通化処理を実行する。この処理の手順については後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の処理を実行するとともに、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、このようなゲームの進行に必要な各種の処理の一部として、データ生成処理を実行する。この処理の手順については後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、音楽ゲームの提供に必要なゲームデータが記録されるが、そのようなゲームデータの一部として図2の例では楽曲データMD及びシーケンスデータQDが示されている。楽曲データMD及びシーケンスデータQDは、いずれも配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータは、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータ等を含んでいる。しかし、これらの図示は省略した。
また、ゲーム機3には、表示装置としてのモニタMO、及びスピーカSPが出力装置として設けられる。モニタMO、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。また、ゲーム機3には、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置36も設けられる。入力装置として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられてよい。
次に、音楽ゲームの詳細について説明する。図3は、音楽ゲームを提供するためのゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、ゲーム画面50は、指示標識としてのオブジェクト51、基準標識としての判定ライン52、及び複数の経路53を含んでいる。判定ライン52は、左右方向に直線状に伸びるラインとして構成され、全経路53に跨るように各経路53の下端側に位置する。各経路53は、オブジェクト51の移動経路として機能する。より具体的には、オブジェクト51は、適宜の時期に各経路53の上端側に出現し、シーケンスデータQDの実行時期において下端側の判定ライン52に到達するように各経路53に沿って移動する。このため、各経路53は時間軸としても機能する。そして、このようなオブジェクト51の判定ライン52への到達、換言すればオブジェクト51が判定ライン52に向かって移動する相対的変位により各実行時期が案内される。また、ユーザには、このようなオブジェクト51の判定ライン52への到達に合わせて、適切なプレイ行為が要求される。より具体的には、例えば、入力装置36としてタッチパネルが利用される場合、オブジェクト51の判定ライン52への到達に合わせてそのオブジェクト51の到達位置(判定ライン52とオブジェクト51との一致位置)をタッチするタッチ操作が適切なプレイ行為として要求される。そして、このようなタッチ操作は、そのタッチ操作(実際のプレイ行為)の時期とシーケンスデータQDの実行時期との間のずれ時間が短いほど評価が高くなるように評価される。
上述のとおり各オブジェクト51が判定ライン52に到達すべき時期(実行時期)はシーケンスデータQDに予め記述されているが、そのような各オブジェクト51が配置されるべき経路53(各経路53はタッチ操作されるべき位置にも該当するため、適切なプレイ行為の情報として機能)も同様であり、各オブジェクト51はシーケンスデータQDの記述に従って各経路53に配置される。各オブジェクト51と各経路53との関係によってゲーム画面50における各オブジェクト51のレイアウト(換言すれば、各オブジェクト51が配置される経路53)が決定されるため、このような関係(あるいはゲーム画面50における各オブジェクト51のレイアウト)を以下において譜面と呼ぶ場合があるが、このようなシーケンスデータQDの記述に従った譜面(以下、通常譜面と呼ぶ場合がある)を使用する通常譜面モード、及びランダム譜面モードを音楽ゲームは含んでいる。ランダム譜面モードは、通常譜面の各オブジェクト51と各経路53との関係、より具体的には各オブジェクト51が配置されるべき経路53が変更された譜面(以下、ランダム譜面と呼ぶ場合がある)をプレイに使用するモードである。同じ通常譜面が多数プレイされた場合にはその通常譜面にユーザが慣れてしまう可能性がある。ランダム譜面モードはそのような慣れを解消するためのモードとして機能する。
図4は、ランダム譜面モードの一例を説明するための説明図である。図4の例は、音楽ゲームにおいてプレイを開始するための手順の一例を示している。図4に示すように、音楽ゲームのプレイを開始するための手順は、A工程〜E工程の5つの工程を含んでいる。そして、D工程においてランダム譜面モードのプレイがユーザUによって選択された場合に、通常譜面の代わりにランダム譜面に基づく音楽ゲーム、つまりランダム譜面モードの音楽ゲームが提供される。
具体的には、音楽ゲームのプレイを開始するために、ユーザUはまずゲーム機3にプレイの開始を要求する(A工程)。このような要求は、例えば、所定の開始操作、及び所定の対価の支払い(徴収)によって実現される。続いてゲーム機3は、そのような要求を受け付けた後に、プレイ用の楽曲候補として楽曲リストを提供する(B工程)。つまり、ゲーム機3は、このような楽曲リストの提示を通じて、プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会をユーザUに付与する。楽曲リストが提示されると、ユーザUはそのような楽曲リストに対して(換言すれば楽曲選択機会において)プレイ用の楽曲を選択する(C工程)。このような選択の後、ゲーム機3はランダム譜面選択機会を提供する(D工程)。ランダム譜面選択機会は、ランダム譜面を使用するか否かの選択を実行するように構成される。より具体的には、ゲーム機3は、ランダム譜面の使用を希望する“YES”、及びそのような使用を希望しない“NO”の選択肢を含む選択画面をモニタ37に表示させることにより、このような提供を実現する。また、ゲーム機3は、入力装置36を介してそのような選択画面に対する選択を受け付ける。そして、ゲーム機3は、入力装置36を介して選択画面に対する選択を受け付けた後に音楽ゲームのプレイを提供する(E工程)。
また、音楽ゲームのプレイ(E工程)には、ランダム譜面選択機会における選択結果が反映される。つまり、ランダム譜面選択機会における選択結果に応じて、音楽ゲームにおいて使用される譜面が変化する。具体的には、ランダム譜面選択機会において“NO”が選択された場合には通常譜面に対応する音楽ゲーム、換言すれば通常譜面モードの音楽ゲームが提供される。このため、音楽ゲームは、通常譜面に対応する(通常譜面を表示する)ゲーム画面50(以下、通常譜面画面50Aと呼ぶ場合がある)を通じて提供される。一方、ランダム譜面選択機会において“YES”が選択された場合にはランダム譜面に対応する音楽ゲーム、換言すればランダム譜面モードの音楽ゲームが提供される。このため、音楽ゲームは、ランダム譜面に対応する(ランダム譜面を表示する)ゲーム画面50(以下、ランダム譜面画面50Bと呼ぶ場合がある)を通じて提供される。ランダム譜面は、例えば通常譜面を基準に、その経路53をランダムに変更することにより生成される。より具体的には、ランダム譜面は、疑似乱数を利用した抽選により通常譜面の各経路53が変更された譜面である。このため、同じ楽曲(当然難易度も同じ)であるにもかかわらず、通常譜面モードの場合とランダム譜面モードの場合とではオブジェクト51のレイアウト(ゲーム画面50の内容)は相違する。
図4の例では、図3の例のゲーム画面50が通常譜面画面50Aとして機能する場合が示されている。このため、ランダム譜面選択機会において“NO”が選択された場合には、図3の例と同様の譜面を示す通常譜面画面50Aを通じて音楽ゲーム(換言すれば通常譜面モード)が提供されている。一方で、ランダム譜面選択機会において“YES”が選択された場合にはランダム譜面画面50Bが音楽ゲームのプレイ(ランダム譜面モードの提供)に使用されるが、ランダム譜面は通常譜面とは相違するため、ランダム譜面画面50Bにおけるオブジェクト51の配置は通常譜面画面50Aと相違している。例えば、通常譜面画面50A及びランダム譜面画面50Bは第1経路53a〜第9経路53iまでの9つの経路53を同様に含み、通常譜面画面50Aには第1経路53a〜第5経路53eの5つの経路53にそれぞれ5つのオブジェクト51の配置されている。一方で、ランダム譜面画面50Bでは、5つのオブジェクト51は第4経路53d、及び第6経路53f〜第9経路53iの5つの経路53にそれぞれ配置されている。より具体的には、通常譜面画面50Aの第1経路53a〜第5経路53eにそれぞれ配置された5つのオブジェクト51が、ランダム譜面画面50Bでは第4経路53d、及び第6経路53f〜第9経路53iにそれぞれ配置されている。つまり、各オブジェクト51が判定ライン52に到達すべき時期(実行時期)に変化はないものの、その判定ライン52に到達するまでの各オブジェクト51の経路53がランダムに変化している。結果として、同じ楽曲であるにもかかわらず、異なる譜面(異なるゲーム画面50)がプレイに使用されている。この例において、通常譜面画面50Aの第1経路53a〜第5経路53eの各経路53が本発明の経路として、ランダム譜面画面50Bの第4経路53d、及び第6経路53f〜第9経路53iの各経路が本発明の別の経路として、それぞれ機能する。また、ランダム譜面選択機会が本発明の選択機会として機能する。
ゲームシステム1は、マッチングサービスを通じて、複数のゲーム機3(換言すればユーザU)をマッチングし、それらの各ゲーム機に対戦型の音楽ゲームを提供する場合がある。そして、このような対戦型の音楽ゲームを提供する場合にも、各ゲーム機3はランダム譜面モードの選択を許容するように音楽ゲームを提供する。つまり、このような複数のユーザU間で対戦するタイプの音楽ゲームが提供される場合にも、ランダム譜面モードの選択が許容される。さらに、このような対戦型の音楽ゲームにおいて変更条件が満たされた場合には、複数のゲーム機3のうちの二以上のゲーム機3間で共通のランダム譜面が使用されるように、ランダム譜面モードは提供される。つまり、複数のユーザUの少なくとも二名以上のユーザU間においてランダム譜面が一致するように音楽ゲームが提供される。例えば、このような変更条件として、ランダム譜面モードのプレイを要求する選択結果が利用される。より具体的には、変更条件は、ランダム譜面選択機会において対戦型の音楽ゲームをプレイする複数のユーザUのうちランダム譜面モードのプレイが二名以上のユーザUによって要求された場合に満たされる。そして、それらの二名以上のユーザU間においてランダム譜面を共通に使用するランダム譜面モードのプレイが提供される。
図5は、二名以上のユーザU間においてランダム譜面を一致させる場合の手順の一例を説明するための説明図である。図5の例は、マッチングサービスを通じて4台のゲーム機3が一つのグループ(互いの対戦者)としてマッチングされ、これらの4台のゲーム機3によって対戦型の音楽ゲームがプレイされる場合を示している。また、図5の例は、これらの4台のゲーム機3のうち、2台のゲーム機3(換言すれば、それらを使用する二名のユーザU)において変更条件が満たされ、これらの2台のゲーム機3間においてランダム譜面が一致する場合、つまりこれらの2台のゲーム機3間において共通のランダム譜面が使用される場合を示している。この場合、図5に示すように、まずセンターサーバ2のマッチングサービスを通じて4台のゲーム機3がマッチング(グループ化)され、そのグループに共通のシード値が発行される。シード値は、所定のアルゴリズムに基づいて疑似乱数を生成するための値である。このため、共通のシード値からは共通の疑似乱数が生成される。そして、このようなシード値はマッチング単位で4台のゲーム機3(グループ全体)に共通に提供される。
4台のゲーム機3のうち、ランダム譜面モードのプレイを要求していない2台のゲーム機(図5の例の左側の2台のゲーム機3)では、通常譜面に対応するシーケンスデータQD(以下、通常シーケンスデータQD1と呼ぶ場合がある)に基づいて音楽ゲームがプレイされる。つまり、これらのゲーム機3には、通常シーケンスデータQD1に基づいて通常譜面画面50Aが表示され、そのような通常譜面画面50Aを通じて音楽ゲームがプレイされる。一方、4台のゲーム機3のうち、ランダム譜面モードのプレイを要求した2台のゲーム機(図5の例の右側の2台のゲーム機3)では、ランダム譜面に対応するシーケンスデータQD(以下、ランダムシーケンスデータQD2と呼ぶ場合がある)に基づいて音楽ゲームがプレイされる。このようなランダムシーケンスデータQD2は、通常シーケンスデータQD1及び疑似乱数に基づいて生成されるため、これらの2台のゲーム機3間において共通する。
具体的には、通常シーケンスデータQD1におけるオブジェクト51の経路53が疑似乱数に基づいてランダムに変更され、ランダムシーケンスデータQD2が生成される。つまり、通常シーケンスデータQD1から疑似乱数に基づいてランダムシーケンスデータQD2が生成される。また、このような疑似乱数は、センターサーバ2から提供されたシード値に基づいて生成される。そして、このようなシード値は、2台のゲーム機3の間で一致している。このため、これらの2台のゲーム機3の間では同じ疑似乱数が生成される。結果的に同じ通常シーケンスデータQD1に同じ疑似乱数が適用される。つまり、ランダムシーケンスデータQD2は、同じ通常シーケンスデータQD1及び同じ疑似乱数に基づいて生成される。結果として、これらの2台のゲーム機3間では、内容(オブジェクト51と経路53との関係)が共通する同じランダムシーケンスデータQD2が生成される。つまり、これらの2台のゲーム機3間においてランダムシーケンスデータQD2は共通している。そして、これらの2台のゲーム機3には、このような共通のランダムシーケンスデータQD2に基づいてランダム譜面画面50Bが表示される。つまり、これらの2台のゲーム機3のユーザU(ランダム譜面モードを選択したユーザU)は、内容の一致する共通のランダム譜面画面50Bを通じて音楽ゲームをプレイする。一例として、このように複数のゲーム機3間で対戦する対戦型の音楽ゲームにおいてもランダム譜面モードの選択が許容され、変更条件が満たされた場合には二以上のゲーム機3間において更にランダム譜面画面50Bが共通化される。この例において、2台のゲーム機3において共通に使用されるランダム譜面画面50B(図4の例と同様)のオブジェクト51が配置される各経路53、及びそれを得るためのシード値が、本発明の共通の経路、及び共通経路情報として機能する。また、このようなランダム譜面画面50Bを表示する2台のゲーム機3にそれぞれ対応する二名のユーザUが本発明の二以上のユーザとして機能する。
なお、変更条件は、ランダム譜面選択機会においてランダム譜面モードのプレイが二名以上のユーザUによって要求された場合に限定されず、適宜の場合に満たされてよい。共通のランダム譜面を使用するユーザUも、ランダム譜面モードを要求したユーザUに限定されず、ランダム譜面の提供対象を特定するための特定条件に基づいて適宜に特定されてよい。例えば、変更条件は、1名のユーザUがランダム譜面モードを要求した場合に満たされてもよい。この場合、対戦型の音楽ゲームをプレイする(同じグループに属する)全ユーザUにランダム譜面が提供されてもよいし、それらのうちの適宜の二名以上のユーザUにランダム譜面が提供されてもよい。つまり、特定条件はランダム譜面選択機会における選択結果(ランダム譜面モードのプレイの要求状況)に限定されず、ランダム譜面モードのプレイの要求とは無関係に適宜に各ユーザUを特定するように構成されてもよい。例えば、このような特定条件として、抽選結果、あるいはゲームのプレイ状況(過去の実績を含む)が利用されてよい。具体的には、共通のランダム譜面を使用する二名以上のユーザUは、例えばランダムに決定されてもよいし、所定数の成績上位者、或いは所定以上の実績を持つユーザといった具合に過去の実績を基準に決定されてもよい。同様に、変更条件も、ランダム譜面選択機会における選択結果を利用する条件に限定されない。例えば、変更条件は、抽選結果、或いはプレイ状況を利用し、それらに基づいて満たされてもよい。
図6は、図5の例の手順を実現するためのゲーム提供部33、及びゲーム機サービス管理部24の構成の一例を示す機能ブロック図である。図6に示すように、ゲーム提供部33には進行制御部33a、乱数生成部33b、データ生成部33c、及び画像生成部33dが、ゲーム機サービス管理部24にはマッチング部24a、及び共通情報生成部24bが、それぞれさらなる論理的装置として設けられる。進行制御部33aは、入力装置36を介してプレイ行為等に対応する各種の入力信号を受信し、その入力信号に従って音楽ゲームを進行する。例えば、このような入力信号には、マッチングの要求、ランダム譜面選択機会等における選択結果、或いはプレイ開始指示等が含まれる。そして、進行制御部33aは、例えばマッチングの要求が実行された場合には、その要求をゲーム機サービス管理部24のマッチング部24aに提供する。マッチング部24aは、そのような要求に従い、同様の要求を実行している各ゲーム機3をマッチングし、その結果を進行制御部33aに提供する。また、マッチング部24aは、マッチング結果を共通情報生成部24bに提供する。共通情報生成部24bは、マッチング結果を取得すると、そのマッチング結果に従ってマッチング(グループ)単位にシード値を生成し、マッチングされた各ゲーム機3に共通のシード値を提供する。
一方、進行制御部33aは、例えばランダム譜面選択機会においてランダム譜面モードのプレイが要求されている場合、その要求結果を乱数生成部33bに提供する。乱数生成部33bは、その要求結果に基づいてランダム譜面モードのプレイが要求されている場合に、センターサーバ2から提供されたシード値を参照しつつ疑似乱数を生成する。具体的には、乱数生成部33bは、そのようなグループに共通のシード値から所定のアルゴリズムに従って疑似乱数を生成する。そして、乱数生成部33bは、その生成した疑似乱数をデータ生成部33cに提供する。データ生成部33cは、そのような疑似乱数に基づいて通常シーケンスデータQD1を基準にランダムシーケンスデータQD2を生成する。
同様に、進行制御部33aは、マッチングが終了し、ランダム譜面選択機会におけるプレイモードの選択も終了した後に、ユーザUによって所定のプレイ開始指示が実行された場合、その指示結果を画像生成部33dに提供する。また、進行制御部33aは、ランダム譜面選択機会においてランダム譜面モード(図4の例において“YES”)が選択されている場合にはランダム譜面画面50Bの表示指示を、通常譜面モード(図4の例において“NO”)が選択されている場合には通常譜面画面50Aの表示指示を、それぞれ含むように指示結果を画像生成部33dに提供する。画像生成部33dは、進行制御部33aからプレイ開始指示を受け取ると、進行制御部33aの指示に従ってモニタ37に表示されるべきゲーム画面50をモニタ37のフレームレートに従って繰り返し生成し、生成されたゲーム画面50が表示されるようにモニタ37の表示を制御する。つまり、画像生成部33dは、通常譜面画面50Aの表示が指示されている場合には通常譜面画面50Aを、ランダム譜面画面50Bの表示が指示されている場合にはランダム譜面画面50Bを、それぞれゲーム画面50としてモニタ37に表示させる。このような構成により図5の例のランダム譜面画面50Bの共通化等が実現される。
また、図5の例のような対戦型の音楽ゲームでは、プレイ用の楽曲が適宜に選択されてよい。例えば、このような対戦型の音楽ゲームでは、共通の1曲がプレイされてもよいし、共通の複数の楽曲がプレイされてもよい。複数の楽曲がプレイされる場合において、それらは相違していてもよいし、同じ楽曲であっってもよい。複数の異なる楽曲がプレイされる場合、各楽曲は共通の難易度から選択されてもよいし、異なる難易度から選択されてもよい。また、複数の楽曲が使用される場合、楽曲毎にランダム譜面の提供対象が変化してもよいし、全部或いは一部毎にランダム譜面の提供対象が変化してもよい。同様に、ランダム譜面モードは、楽曲の全体に適用されてもよいし、適宜の一部に適用されてもよい。さらに、これらの楽曲は、抽選結果、ユーザの選択等の適宜の条件によって設定されてもよい。そして、そのような楽曲のプレイ結果に応じて適宜に順位付けられてもよいし、一部にチームが形成される場合にはチーム対戦(チーム内の各ユーザの合算値或いはチーム内の最善の結果等に基づいて結果が算出されるように各ユーザが個別にプレイする個別プレイ、及びチーム内或いはチーム間で互いに協力する協力プレイを含む)が実現されてもよい。
図7は、4曲の楽曲が対戦型の音楽ゲームにおいて使用される場合におけるランダム譜面の提供対象者の一例を説明するための説明図である。また、図7の例は、各ユーザUの選択に基づいて4曲の楽曲が選択される場合を示している。具体的には、四人のユーザUがそれぞれ1曲ずつ希望の楽曲を選択した場合を示している。この場合、図7に示すように、楽曲毎にランダム譜面選択機会が付与され、その選択結果に基づいて楽曲毎にランダム譜面の対象者が特定される。そして、ランダム譜面の対象者が複数名の場合、換言すれば2台以上のゲーム機3(二名以上のユーザU)においてランダム譜面モードのプレイが希望された場合に、それらの2台以上のゲーム機3に共通のランダム譜面が提供される。
具体的には、図7の例では、四名のユーザUにそれぞれ対応する第1ゲーム機3〜第4ゲーム機3の4台のゲーム機3がマッチングされ、これらの各ゲーム機3(各ユーザU)によって互いに難易度の相違するP楽曲(難易度“NORMAL”)、Q楽曲(難易度“HARD”)、R楽曲(難易度“EASY”)、及びS楽曲(難易度“EXHARD”)がプレイ用の楽曲として選択されている。また、ランダム譜面選択機会において、第1ゲーム機3のユーザUは全楽曲に、第2ゲーム機3のユーザUは比較的難易度の低いP楽曲及びR楽曲の2曲に、第3ゲーム機3のユーザUは最も難易度の低いR楽曲だけに、第4ゲーム機3のユーザUは最も難易度の高いS楽曲以外の3曲に、それぞれランダム譜面モードのプレイを要求している。結果として、P楽曲のプレイ時には第3ゲーム機3以外の3台のゲーム機3において、Q楽曲のプレイ時には第1ゲーム機3及び第4ゲーム機3の2第のゲーム機3において、R楽曲のプレイ時には全ゲーム機3において、それぞれ共通のランダム譜面(共通のランダム譜面画面50B)が使用される。一方、S楽曲においてランダム譜面モードのプレイを要求しているのは第1ゲーム機3のユーザUのみであるため、S楽曲のプレイ時には第1ゲーム機3のみでランダム譜面(その他のゲーム機3では通常譜面)が使用される。一例として、このように難易度の異なる楽曲の使用も許容しつつ、ランダム譜面選択機会の選択結果に応じて適宜に共通のランダム譜面が使用されるように対戦型の音楽ゲームは提供される。この例において、例えばQ楽曲における第1ゲーム機3及び第4ゲーム機3にそれぞれ対応する二名のユーザUが本発明の及び二名以上の希望者として機能する。
なお、ランダム譜面選択機会は、楽曲毎に限らず、適宜の頻度で提供されてよい。例えば、ランダム譜面選択機会は、全曲に共通の機会として一度だけ提供されてもよい。この場合、全曲単位でランダム譜面の使用の要否が確認されてもよいし、楽曲毎にランダム譜面の使用の要否が確認されてもよい。同様に、シード値はグループ単位(マッチング単位)に発行される構成に限定されない。例えば、シード値は、グループ内のプレイにおいて楽曲毎に発行されてもよい。一方で、2台以上のゲーム機3間においてランダム譜面を共通化させるための情報は、シード値に限定されない。共通のランダムシーケンスデータQD2を生成可能な各種の情報がシード値の代わりに使用されてよい。あるいは、各ゲーム機3に提供される情報は、このようなランダムシーケンスデータQD2(換言すれば、ランダム譜面)を共通化させるための間接的な情報に限定されない。例えば、センターサーバ2によってランダムシーケンスデータQD2が生成され、その共通のランダムシーケンスデータQD2自体(直接的な情報)が各ゲーム機3に提供されてもよい。
次に、シーケンスデータQDの詳細について説明する。図8は、シーケンスデータQDの構成の一例を示す図である。シーケンスデータQDは、楽曲毎、及び難易度毎に用意される。つまり、シーケンスデータQDは、難易度の相違する複数の楽曲にそれぞれ対応する複数のシーケンスデータQDa、QDb、QDc…を含んでいる。各シーケンスデータQDの難易度は、実行時期の数に依存するため、これらの間では多くの場合、実行時期の数が互いに相違している。また、図8の例は、適切なプレイ行為の情報として、判定ライン52における適切なタッチ操作の位置を示す経路53の情報が利用される場合を示している。この場合、図8に示すように、各シーケンスデータQDは、実行時期毎にその実行時期において適切なタッチ操作が実行されるべき位置を示す情報、つまり経路53を管理するシーケンスレコードRSを含んでいる。また、シーケンスレコードRSは、“実行時期”、及び“経路”の情報を含んでいる。
“実行時期”は、各ユーザUに案内されるべき実行時期を示す情報である。例えば、“実行時期”には、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がコンマで区切られた情報が実行時期の情報として記述される。“経路”は、各経路53を示す情報である。“経路”の情報として、各経路53を識別する情報が記述される。具体的には、例えば各経路53が左から順に1〜9等の番号によって区別される場合には、このような各経路53を示す番号が記述される。シーケンスレコードRSには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、“経路”の情報は各種の情報によって代替されてもよい。例えば、各実行時期に対応するオブジェクト51の出現位置及び到達位置の情報が“経路”の情報として使用されてもよい。この場合、これらの出現位置及び到達位置によって特定される経路が本発明の経路として機能してよい。
次に、図9及び図10を参照して、譜面共通化処理、及びデータ生成処理について説明する。譜面共通化処理は、対戦型の音楽ゲームをプレイする二以上のゲーム機3の間においてランダム譜面を共通化させるための処理である。図9の例は、ランダム譜面の共通化のために共通のシード値が利用される場合を示している。また、図9の例は、このようなシード値がグループ単位に発行(生成)される場合を示している。つまり、各楽曲のランダム譜面を生成するために各楽曲において共通のシード値が繰り返し使用される場合を示している。さらに、図9の例は、変更条件具備に伴いシード値が生成される場合を示している。この場合、グループ内の少なくとも一台のランダム譜面選択機会が提供された後にその選択結果がセンターサーバ2に送信されると、ゲーム機サービス管理部24は図9の譜面共通化処理を開始し、まずそのランダム譜面選択機会における選択結果を取得する(ステップS101)。
続いてゲーム機サービス管理部24は、ステップS101で取得した選択結果を送信したゲーム機3の属するグループ(マッチングされた各ゲーム機3)を特定する(ステップS102)。この特定は、マッチング結果を取得することにより実現される。次に、ゲーム機サービス管理部24は、ステップS102で特定したグループに属する全ゲーム機3からランダム譜面選択機会の選択結果の送信が終了したか否か判別する(ステップS103)。全ゲーム機3からの送信が終了していない場合、ゲーム機サービス管理部24は、全ゲーム機3からの送信が終了するまで、その判別(ステップS103の処理)を繰り返す。なお、ゲーム機サービス管理部24は、所定時間経過等の、中断条件が満たされた場合には、全ゲーム機3からの送信が終了していなくとも今回の処理を終了してよい。
一方、全ゲーム機3からの送信が終了した場合、ゲーム機サービス管理部24は、変更条件が満たされるか否か判別する(ステップS104)。上述のとおり変更条件は、一例としてランダム譜面選択機会において2台以上のゲーム機3(二名以上のユーザU)からランダム譜面モードのプレイが要求された場合に満たされる。このため、ゲーム機サービス管理部24は、ステップS104において2台以上のゲーム機3からランダム譜面モードのプレイが要求されているか否か判別する。2台以上のゲーム機3からランダム譜面モードのプレイが要求されていない(変更条件が満たされない)場合、ゲーム機サービス管理部24は、以降の処理をスキップして、今回の処理を終了する。
一方、2台以上のゲーム機3からランダム譜面モードのプレイが要求されている(変更条件が満たされる)場合、ゲーム機サービス管理部24は、対象のグループに共通のシード値を生成する(ステップS105)。続いてゲーム機サービス管理部24は、ステップS105で生成したシード値をグループに属する全ゲーム機3に提供する(ステップS106)。これにより、グループ内においてランダム譜面モードのランダム譜面が共通化されるように、そのランダム譜面を生成するための共通のシード値がグループ単位で生成され、グループ内の全ゲーム機3に提供される。なお、シード値は変更条件の具備、不具備にかかわらず生成されてもよい。この場合、別途変更条件が判別され、変更条件具備、不具備の情報が各ゲーム機3に提供されてよい。
データ生成処理は、ランダム譜面を生成するための処理である。図10の例は、各ゲーム機3において、シード値に基づいて通常シーケンスデータQD1からランダム譜面に対応するランダムシーケンスデータQD2が生成される場合を示している。この場合、センターサーバ2からシード値が送信されると、ゲーム提供部33は図10のデータ生成処理を開始し、まずその送信されたシード値を取得する(ステップS201)。続いてゲーム提供部33は、ランダム譜面選択機会におけるユーザU(自己)の選択結果を取得する(ステップS202)。次にゲーム提供部33は、その取得結果に基づいてランダム譜面選択機会においてユーザUがランダム譜面モードのプレイを要求しているか否か判別する(ステップS203)。ランダム譜面モードのプレイが要求されていない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
一方、ランダム譜面モードのプレイが要求されている場合、ゲーム提供部33はステップS201で取得したシード値に基づいて疑似乱数を生成する(ステップS204)。続いてゲーム提供部33は、ステップS204で生成した疑似乱数に基づいてランダムシーケンスデータQD2を生成する(ステップS205)。具体的には、ゲーム提供部33は、その疑似乱数を通常シーケンスデータQD1に適用することによりその通常シーケンスデータQD1の譜面(オブジェクト51と経路53との関係)をランダムに変更する。そして、その変更後の譜面(ランダム譜面)に対応するシーケンスデータQDをランダムシーケンスデータQD2として取得する。一例として、ゲーム提供部33はこのようにランダムシーケンスデータQD2を生成する。そして、このような生成の後、ゲーム提供部33は今回の処理を終了する。これにより、ランダム譜面モードのプレイが要求されている場合には、グループに共通のシード値に基づいてそのようなプレイを実現するためのランダムシーケンスデータQD2が生成され、そのようなランダムシーケンスデータQD2に基づいてランダム譜面(ランダム譜面画面50B)が提供される。結果として、グループ内の二台以上のゲーム機3においてランダム譜面モードが要求されている場合には、それらの二台以上のゲーム機3においてランダム譜面が共通化される。
以上に説明したように、この形態によれば、例えばマッチングされた一つのグループで音楽ゲームがプレイされる際に通常シーケンスデータQD1がランダムシーケンスデータQD2に変更される場合に、同じグループに属する四名のユーザUのうち、ランダム譜面モードを選択した二名以上のユーザUのランダム譜面として同じ共通のランダム譜面が使用されるようにその共通のランダム譜面を生成するためのシード値が取得され、そのシード値がそれらの二名以上のユーザUの音楽ゲームにおいてランダム譜面を生成するために使用される。このようなシード値は同じシード値からは同じ疑似乱数が生成されるように構成されるため、共通のシード値からは共通のランダムシーケンスデータQD2が生成される。つまり、共通のシード値に基づいてグループの二名以上のユーザU間においランダムシーケンスデータQD2が一致させられる。これにより、グループで音楽ゲームがプレイされる際にランダム譜面モードのプレイが要求される場合でも、少なくともランダム譜面モードのプレイを同じく要求するニ名以上のユーザUの間でランダム譜面モードにおけるランダム譜面を一致させることができる。結果として、このようなグループ内で各ユーザUが対戦する対戦型の音楽ゲームにおいてランダム譜面モードが選択される場合でも、少なくともそのようなランダム譜面モードを要求した二名以上のユーザU間では公平性を担保することができる。これにより、ユーザUの飽き等の抑制と公平性とを両立することができる。
特に、変更条件及び特定条件として上述のようにランダム譜面選択機会における選択結果が利用される場合、各ユーザUの希望をランダム譜面の使用、及びそのようなランダム譜面の共通化に反映することができる。これにより、各ユーザUの満足度を向上させることができる。また、上述のように実行時期の数や難易度の相違する複数のシーケンスデータQDがプレイ用に選択される場合、グループな内の二名以上のユーザUの間でランダム譜面を共通化するときにおいても、難易度の相違する組み合わせを含む、多様な組み合わせのシーケンスデータQDの使用を許容することができる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
以上の形態において、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が図9の手順を実行することにより本発明の情報取得手段、及び情報使用手段として機能する。より具体的には、図9の手順は、主としてゲーム機サービス管理部24の共通情報生成部24bを通じて実行される。このため、共通情報生成部24bが図9のステップS105を実行することにより情報取得手段として機能する。同様に、共通情報生成部24bが図10の手順が各ゲーム機3において実行されるように図9のステップS106を実行することにより情報使用手段としても機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置やユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。このようなゲーム装置(ユーザ端末装置4を含む)は、ゲームシステムの一部であっても、そうでなくてもよい。このため、センターサーバ2が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。一方で、ゲーム装置等がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。また、上述の形態では、ゲーム機3は音楽ゲームを提供している。しかし、ゲーム機3によって提供されるゲームは、音楽ゲームに限定されず、タイミングゲームとして機能し得る各種ゲームであってよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、プレイ行為の入力に使用される入力装置(36)と、前記プレイ行為が実行されるべき実行時期に対応する指示標識(51)と現在時刻に対応する基準標識(52)とを含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(37)と、に接続され、前記実行時期が前記指示標識と前記基準標識との間に生じるべき相対的変位の経路(53)に関連付けられて記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて前記実行時期において前記指示標識及び前記基準標識の位置が互いに一致するように前記経路に沿った前記相対的変位を生じさせることにより前記ゲーム画面を通じて前記実行時期を各ユーザ(U)に案内するとともに、前記入力装置を介して入力された各ユーザの実際のプレイ行為の時期を前記実行時期に基づいて評価するゲームを、前記経路を変更するための変更条件が満たされる場合に前記経路を当該経路(53a〜53e)とは別の経路(53d、及び53f〜53i)に変更するように、複数のユーザを一つのグループとして当該グループに提供するゲームシステムであって、前記複数のユーザのうち特定条件に基づいて特定される二以上のユーザの前記別の経路として同じ共通(53d、及び53f〜53i)の経路が使用されるように、前記別の経路として前記共通の経路を特定するための共通経路情報(シード値)を取得する情報取得手段(24b)と、前記変更条件が満たされる場合に、前記グループの前記二以上のユーザの各々がプレイする前記ゲームにおいて前記経路が前記共通の経路に変更されるように、前記共通経路情報を前記経路の変更に使用する情報使用手段(24b)と、を備えている。
本発明によれば、グループでゲームがプレイされる際にシーケンスデータに記述された実行時期と経路との関係が変更される場合に、同じグループに属する複数のユーザのうち特定条件に基づいて特定される二以上のユーザの変更後の経路として同じ共通の経路を特定するための共通経路情報が取得され、その共通経路情報がそれらの二以上のユーザのゲームにおいてシーケンスデータの経路を同じ共通の経路に変更させるために使用される。つまり、共通経路情報に基づいて二以上のユーザの変更後の経路が一致させられる。これにより、グループでゲームがプレイされる際にシーケンスデータに記述された実行時期と経路との関係が変更される場合でも、少なくともそのグループの二名以上のユーザの間で変更後の実行時期と経路との関係を一致させることができる。結果として、例えば対戦型のゲームにおいてこのような関係が変更される場合でも、少なくともその二名以上のユーザの間では公平性を担保することができる。これにより、飽き等の抑制と結果の公平性とを両立することができ、ひいてはゲームの興趣性を向上させることができる。
変更条件として、各種の条件が採用されてよい。例えば、変更条件は、プレイ状況(過去の実績を含む)を利用する条件であってもよいし、各ユーザによる各種の選択結果を利用する条件であってもよい。あるいは、変更条件は抽選結果を利用する条件であってもよい。同様に、特定条件として、各種の条件が採用されてよい。例えば、特定条件として、プレイ状況、選択結果、或いは抽選を利用する条件が採用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記変更条件は、前記表示装置及び前記入力装置を介して前記グループの各ユーザに前記経路を変更するか否か選択するための選択機会が付与される場合に、当該選択機会おいて前記経路の変更を選択したユーザとしての希望者の数を利用し、当該希望者の数が二名以上のときに満たされ、前記情報取得手段は、前記特定条件として前記選択機会における選択結果が利用され、前記二以上のユーザとして前記二名以上の希望者がそれぞれ特定される場合に、当該二名以上の希望者の前記別の経路として前記共通の経路が使用されるように、前記共通経路情報を取得し、前記情報使用手段は、前記グループの前記二名以上の希望者の各々がプレイする前記ゲームにおいて前記経路が前記共通の経路に変更されるように、前記共通経路情報を前記経路の変更に使用してもよい。この場合、ユーザの希望を経路の変更、及び変更後の経路の共通化に反映することができる。
ゲームには、一つのシーケンスデータしか用意されていなくてもよいし、複数のシーケンスデータが用意されていてもよい。また、それらの複数のシーケンスデータの実行時期の数は一致していてもよいし、相違していてもよい。さらに、それらのシーケンスデータの難易度(各シーケンスデータが使用された場合のゲームの難易度)は、一致していてもよいし、相違していてもよい。そして、それらの各種のシーケンスデータが経路の変更、つまりシーケンスデータに記述された実行時期と経路との関係が変更されるようにグループでプレイされる場合に使用されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、数の相違する複数の実行時期の記述をそれぞれ含む複数のシーケンスデータ(QDa〜QDc等)が利用される場合に、前記二以上のユーザの間で異なるシーケンスデータの使用を許容するように提供され、前記情報使用手段は、前記二以上のユーザの各々が前記異なるシーケンスデータに基づいてプレイする前記ゲームにおいて前記経路が前記共通の経路に変更されるように、前記共通経路情報を前記経路の変更に使用してもよい。この場合、グループ内の二以上のユーザの間で変更後の経路を共通化するときにも、多様な組み合わせのシーケンスデータの使用を許容することができる。また、このような態様において、前記情報使用手段は、前記複数の実行時期の数の相違に伴い難易度の相違するシーケンスデータ(QDa〜QDc等)を前記複数のシーケンスデータが含むことにより前記二以上のユーザの間で前記難易度の相違するシーケンスデータの使用を許容するように前記ゲームが提供される場合に、前記二以上のユーザの各々が前記難易度の異なるシーケンスデータに基づいてプレイする前記ゲームにおいて前記経路が前記共通の経路に変更されるように、前記共通経路情報を前記経路の変更に使用してもよい。この場合、グループ内の二以上のユーザの間で変更後の経路を共通化するときにも、難易度の相違する組み合わせのシーケンスデータの使用を許容することができる。
ゲームシステムは、グループにゲームを提供するように、各種の態様で構成されてよい。例えば、ゲームシステムは一台のゲーム機として構成され、直接的にゲームを提供してもよい。あるいは、ゲームシステムは、一台のゲーム機に接続され、そのゲーム機を介して間接的にゲームを提供してもよい。これらの場合、一台のゲーム機がグループによって共用されてよい。一方で、ゲームシステムは、複数のゲーム機に接続され、それらを通じて間接的にゲームを提供してもよい。この場合、各ゲーム機は一人のユーザによって使用されてもよいし、複数のユーザによって使用されてもよい。そして、各種の手法(マッチング、グループを特定するための各種の情報の使用等)によってグループが形成されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報取得手段は、前記グループの前記複数のユーザに前記ゲームをそれぞれ提供するように前記入力装置及び前記表示装置をそれぞれ備える複数のゲーム機(3)に接続される場合に、前記二以上のユーザにそれぞれ対応する二以上のゲーム機において前記別の経路として前記共通の経路が使用されるように、前記共通経路情報を取得し、前記情報使用手段は、前記二以上のユーザの各々が前記二以上のゲーム機を介してプレイする前記ゲームにおいて前記経路が前記共通の経路に変更されるように、前記共通経路情報を前記経路の変更に使用してもよい。
情報取得手段は、各種の態様で共通経路情報を取得してよい。例えば、情報取得手段は、共通経路情報を生成することにより直接的に共通経路情報を取得してもよい。あるいは、例えばゲームシステムに複数のゲーム機が接続される場合、これらのゲーム機の一部において共通経路情報が生成され、そのゲーム機から共通経路情報を取得してもよい。情報使用手段に関しても同様である。例えば、ゲームシステムが一台のゲーム機によって構成される場合、情報使用手段はシーケンスデータの経路を共通の経路に変更することにより共通経路情報を直接的に使用してもよい。あるいは、ゲームシステムが複数のゲーム機に接続される場合には、それらのゲーム機が経路の変更に使用するように、情報使用手段は共通経路情報をそれらのゲーム機に提供することにより間接的に経路の変更に使用してもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報取得手段は、前記共通経路情報を生成することにより当該共通経路情報を取得し、前記情報使用手段は、前記二以上のゲーム機が前記共通経路情報に基づいて前記経路から前記共通の経路への変更を実行する場合に、当該変更を前記二以上のゲーム機が実行するように前記二以上のゲーム機に前記共通経路情報を提供することにより当該共通経路情報を前記経路の変更に使用してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータ(21)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。