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JP6745477B2 - 点灯装置、及び、照明器具 - Google Patents

点灯装置、及び、照明器具 Download PDF

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Description

本発明は、一般に点灯装置及び照明器具に関し、特に降圧チョッパ回路を備える点灯装置及び照明器具に関する。
従来から、LED電源装置等の種々の点灯装置が提案されている。例えば、特許文献1は、交流電源(電源)からの電力によりLED(光源)を点灯させるLED電源装置を開示する。特許文献1のLED電源装置は、スイッチ素子を含み、LEDに対し所望の電力を取り出せるように動作する出力電源調整回路(降圧チョッパ回路)と、スイッチ素子をドライブするドライブ回路とを備える。また、特許文献1のLED電源装置は、LEDに流れる電流を検出することによりLEDの有無を判定し、LEDのない状態を検出するとドライブ回路を停止するように動作する停止制御回路を備える。
特開2012−244737号公報
特許文献1のLED電源装置では、降圧チョッパ回路のスイッチ素子(降圧用スイッチング素子)の短絡が起きる場合がある。降圧用スイッチング素子が短絡すると、交流電源の電圧がLEDに印加され、LEDに過電流が流れることがある。特許文献1のLED電源装置は、LEDの有無を検出することはできるが、降圧用スイッチング素子の短絡は検出することができない。
本発明の課題は、降圧チョッパ回路の降圧用スイッチング素子の短絡時に光源を保護できる点灯装置及び照明器具を提供することである。
本発明に係る一態様の点灯装置は、電力変換回路と、制御回路と、判定回路と、を備える。前記電力変換回路は、一対の高電圧側及び低電圧側端子と、一対の高電圧側及び低電圧側出力端子と、降圧チョッパ回路と、を有する。前記一対の高電圧側及び低電圧側端子は、電源から電力を受け取る。前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子は、光源に接続される。前記降圧チョッパ回路は、前記高電圧側端子と前記高電圧側出力端子との間に電気的に接続されている降圧用スイッチング素子を有する。前記制御回路は、点灯動作を実行するように構成される。前記点灯動作は、前記電力変換回路を制御して前記一対の高電圧側及び低電圧側端子間の電圧に基づいて前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子間に直流出力電圧を発生させる動作である。前記判定回路は、前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子間の印加電圧が閾値以上であるか否かを判定するように構成される。前記制御回路は、前記印加電圧が前記閾値以上であると前記判定回路が判断すると、前記光源に供給される電流を制限する保護動作を開始するように構成される。前記閾値は、前記光源の定格電圧の1.2〜1.3倍の範囲であり、前記電源の電圧の最大値より小さい
本発明に係る一態様の照明器具は、上記態様の点灯装置と、前記光源と、を備える。
本発明に係る態様の点灯装置及び照明器具は、降圧チョッパ回路の降圧用スイッチング素子の短絡時に光源を保護できるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る一実施形態の点灯装置の回路図である。 図2は、上記点灯装置を備える照明器具の後方斜視図である。
1.実施形態
図1は、本発明に係る一実施形態の点灯装置10を示す。点灯装置10は、光源60を、電源50から供給される電力で点灯させるように構成される。
光源60は、例えば、直流電力(直流電圧)で動作する直流光源である。光源60は、例えば、1以上の発光素子61を備える。例えば、光源60は、複数の発光素子61の直列回路である。発光素子61は、例えば、固体発光素子(例えば、LED(発光ダイオード)、有機エレクトロルミネッセンス素子、レーザダイオード)である。
電源50は、例えば、交流電力(交流電圧)を供給する交流電源である。電源50は、例えば、実効値200Vの商用交流電源である。
点灯装置10は、電力変換回路20と、制御回路30と、判定回路40と、を備える。
電力変換回路20は、電源50に接続される一対の入力端子211,212と、光源60に接続される一対の出力端子(高電圧側及び低電圧側出力端子)221,222と、を備える。また、電力変換回路20は、整流回路23と、昇圧チョッパ回路24と、降圧チョッパ回路25と、フィルタ回路26と、保護回路27と、を備える。
整流回路23は、交流電圧を整流して、直流電圧を出力するように構成される。整流回路23は、例えば、一対の入力端子231,232と、一対の出力端子233,234と、を有する。一対の入力端子231,232は、それぞれ、一対の入力端子211,212に、電気的に接続される。整流回路23は、一対の入力端子231,232間に印加される交流電圧を整流し、一対の出力端子233,234間に直流電圧(正弦波交流電圧の場合は脈流電圧)を発生させる。例えば、電源50が実効値200Vの商用交流電源である場合、一対の出力端子233,234間には、最大で280Vの電圧が発生する。電力変換回路20では、一対の出力端子233,234が、電源50から電力を受け取る一対の高電圧側及び低電圧側端子となる。整流回路23は、例えば、全波整流を行うダイオードブリッジである。
昇圧チョッパ回路24は、整流回路23の一対の出力端子233,234間の電圧を増加させて出力するように構成される。昇圧チョッパ回路24は、力率改善回路としても使用される。昇圧チョッパ回路24は、例えば、高電圧側端子233に電気的に接続されているインダクタL1とダイオードD1との直列回路を有する。昇圧チョッパ回路24は、また、インダクタL1とダイオードD1との接続点と低電圧側端子234との間に接続されているスイッチング素子(昇圧用スイッチング素子)Q1を有する。より詳細には、昇圧チョッパ回路24は、インダクタL1と、ダイオードD1と、スイッチング素子Q1と、抵抗R1と、コンデンサC1と、を備える。インダクタL1は、第1端が整流回路23の出力端子(高電圧側端子)233に電気的に接続され、第2端がダイオードD1のアノードに電気的に接続されている。また、インダクタL1は、第2端が、スイッチング素子Q1及び抵抗R1の直列回路を介して、出力端子(低電圧側端子)234に電気的に接続されている。スイッチング素子Q1は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)等の半導体スイッチング素子である。コンデンサC1は、ダイオードD1のカソードと出力端子234との間に電気的に接続されている。コンデンサC1の両端間電圧が、昇圧チョッパ回路24の出力電圧となる。昇圧チョッパ回路24は、スイッチング素子Q1のスイッチング動作によって、入力された電圧(整流回路23の一対の出力端子233,234間の電圧)より高い直流電圧をコンデンサC1の両端間に生じさせる。なお、昇圧チョッパ回路24の構成は周知であるから詳細な説明は省略する。
降圧チョッパ回路25は、昇圧チョッパ回路24の出力電圧を低下させて出力するように構成される。降圧チョッパ回路25は、例えば、高電圧側端子233と高電圧側出力端子221との間に電気的に接続されているスイッチング素子(降圧用スイッチング素子)Q2を有する。より詳細には、降圧チョッパ回路25は、スイッチング素子Q2と、インダクタL2と、ダイオードD2と、コンデンサC2と、を備える。スイッチング素子Q2は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)等の半導体スイッチング素子である。ダイオードD2は、カソードがスイッチング素子Q2を介してダイオードD1のカソードに電気的に接続され、アノードが出力端子234に電気的に接続されている。インダクタL2は、第1端がスイッチング素子Q2とダイオードD2との接続点に電気的に接続され、第2端がコンデンサC2を介して出力端子234に電気的に接続されている。コンデンサC2は、両端がそれぞれ一対の出力端子221,222に電気的に接続されている。コンデンサC2の両端間電圧が降圧チョッパ回路25の出力電圧となり、これが一対の出力端子221,222を介して光源60に印加される。降圧チョッパ回路25は、スイッチング素子Q2のスイッチング動作によって、入力された電圧(昇圧チョッパ回路24の出力電圧)より低い直流電圧をコンデンサC2の両端間に生じさせる。なお、降圧チョッパ回路25の構成は周知であるから詳細な説明は省略する。
フィルタ回路26は、例えば、電源50からの交流電圧から高周波成分を除去するように構成される。フィルタ回路26は、例えば、入力端子211と入力端子231との間、及び、入力端子212と入力端子232との間に、それぞれ挿入される一対のローパスフィルタを備える。なお、フィルタ回路26は、必須ではない。
保護回路27は、光源60に供給される電流を制限する機能を有する。保護回路27は、例えば、スイッチTH1と、正特性サーミスタ(PTCサーミスタ)PH1と、抵抗R2,R3と、補助インダクタL3と、を備える。スイッチTH1は、出力端子233とインダクタL1との間に電気的に接続されている。スイッチTH1は、例えば、サイリスタ(三端子サイリスタ)であり、アノードが出力端子233に、カソードがインダクタL1、及び、抵抗R2,R3の直列回路の第1端に、電気的に接続されている。PTCサーミスタPH1は、スイッチTH1に並列に接続されている。補助インダクタL3は、インダクタL1に磁気的に結合されている。補助インダクタL3は、第1端がインダクタL1の第1端に電気的に接続され、第2端が抵抗R2,R3の直列回路の第2端に電気的に接続されている。スイッチTH1は、ゲートが、抵抗R2,R3の接続点に電気的に接続されている。そのため、スイッチTH1のゲートには、補助インダクタL3の誘起電圧が与えられる。したがって、補助インダクタL3の誘起電圧が、所定電圧(スイッチTH1のブレークオーバ電圧)以上になると、スイッチTH1がオンとなる。
このように、保護回路27は、出力端子(高電圧側端子)233と出力端子(高電圧側出力端子)221との間でスイッチング素子Q2に直列に接続されるスイッチTH1を有する。さらに、保護回路27は、インダクタL1に磁気的に結合された補助インダクタL3と、スイッチTH1に並列に接続された正特性サーミスタPH1と、を有する。スイッチTH1は、補助インダクタL3の誘起電圧が所定電圧以上になるとオンになるように構成される。
保護回路27では、スイッチTH1がオンである期間は、スイッチTH1を通して整流回路23から昇圧チョッパ回路24に電流が流れる。一方、スイッチTH1がオフになると、PTCサーミスタPH1を通して整流回路23から昇圧チョッパ回路24に電流が流れ始める。ここで、PTCサーミスタPH1に電流が流れ続けると、PTCサーミスタPH1の温度が上昇する。そして、PTCサーミスタPH1の温度がC点(キュリー点)を超えると、PTCサーミスタPH1の抵抗が急激に大きくなる。その結果、PTCサーミスタPH1は電流を通さなくなる。PTCサーミスタPH1に電流が流れなくなると、PTCサーミスタPH1の温度が低下してPTCサーミスタPH1の抵抗が低下し、再びPTCサーミスタPH1に電流が流れるようになる。しかし、再度、PTCサーミスタPH1の温度がキュリー点に到達し、PTCサーミスタPH1が電流を通さなくなる。このようにして、保護回路27は、光源60に間欠的に電流が供給されるようにする。これによって、保護回路27は、光源60に供給される電流を制限する。
このような保護回路27によれば、比較的簡単な回路構成で光源(60)に供給される電流を制限できる。また、制御回路30は、昇圧用スイッチング素子Q1を利用してスイッチTH1をオフにできる。そのため、制御回路30がスイッチTH1を制御するための回路を新たに設ける場合と比べて部品数を削減できる。
判定回路40は、一対の出力端子(一対の高電圧側及び低電圧側出力端子)221,222間の電圧(印加電圧)が閾値以上であるか否かを判定するように構成される。判定回路40は、例えば、電圧検出回路41と、比較回路42と、を備える。電圧検出回路41は、一対の出力端子221,222間の電圧(印加電圧)を検出する。電圧検出回路41は、例えば、抵抗R4,R5,R6の直列回路で構成される分圧回路であり、出力端子221とグラウンドとの間に電気的に接続されている。比較回路42は、電圧検出回路41で検出された印加電圧と閾値との比較をし、比較の結果を制御回路30に出力する。比較回路42は、例えば、コンパレータである。比較回路42は、非反転入力端子が電圧検出回路41の抵抗R5,R6間に電気的に接続され、反転入力端子が閾値に対応する電圧Vrefを受け取る。比較回路42は、出力端子が制御回路30に電気的に接続される。比較回路42の出力端子の電圧は、非反転入力端子の電圧Vin(印加電圧に相当する)が反転入力端子の電圧Vref(閾値に相当する)以上であればハイレベルとなり、電圧Vinが電圧Vref未満であればロウレベルとなる。
制御回路30は、昇圧チョッパ回路24のスイッチング素子Q1と、降圧チョッパ回路25のスイッチング素子Q2と、を制御するように構成される。制御回路30は、例えば、マイクロコンピュータであり、メモリに格納されたプログラムを実行することにより後述する動作を実行する。
制御回路30は、例えば、点灯動作と、保護動作と、を実行するように構成される。
点灯動作は、電力変換回路20を制御して一対の高電圧側及び低電圧側端子233,234間の電圧(つまり、電源50の電圧)に基づいて一対の高電圧側及び低電圧側出力端子221,222間に直流出力電圧を発生させる動作である。
特に、点灯動作では、制御回路30は、光源60に定電流を流す定電流制御を実行する。例えば、制御回路30は、光源60に目標値の電流が流れるように直流出力電圧を調整する。例えば、制御回路30は、光源60に流れる電流を検出する機能を有しており、光源60に流れる電流の値が目標値となるように、直流出力電圧を調整する。目標値は、例えば、制御回路30に与えられる外部信号により決定される。外部信号は、例えば、光源60の調光レベルを示す調光信号である。制御回路30は、調光レベルに応じて定電流の目標値を決定する。調光レベルは、例えば、光源60の予め設定された光出力の範囲(使用範囲という)の上限値に対する百分率で表される。なお、使用範囲の上限値に対応する電流及び電圧を定格電流及び定格電圧(あるいは定常電圧)という。
例えば、制御回路30は、点灯動作では、昇圧用スイッチング素子Q1及び降圧用スイッチング素子Q2のスイッチング制御により電力変換回路20を制御するように構成される。つまり、制御回路30は、調光レベルに応じてスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2をそれぞれPWM制御することで、調光レベルに応じた定電流を光源60に供給する。
制御回路30は、印加電圧が閾値以上であると判定回路40が判断すると、保護動作を開始する。つまり、制御回路30は、比較回路42の出力端子の電圧がロウレベルであれば点灯動作を実行し、比較回路42の出力端子の電圧がハイレベルであれば保護動作を実行する。
保護動作は、光源60に流れる電流を制限する動作である。保護動作では、制御回路30は、スイッチTH1をオフにするように構成される。具体的には、制御回路30は、保護動作では、スイッチング素子Q1をオフにすることで補助インダクタL3の誘起電圧を所定電圧未満にするように構成される。この状態でスイッチTH1に電流が流れなくなると、スイッチTH1がオフになる。
制御回路30は、保護動作を開始してから所定時間が経過すると保護動作を終了するように構成される。つまり、制御回路30は、保護動作を開始してから所定時間が経過すると保護動作を終了して点灯動作を再開する。所定時間は、比較的短い時間であることが好ましい。ただし、所定時間は、PTCサーミスタPH1の温度がキュリー点に到達するために必要な時間よりは長く設定される。つまり、所定時間は、少なくとも一回は、光源60に電流が流れない期間が存在するように設定される。所定時間は、例えば、0.5〜1.0秒である。さらに、制御回路30は、保護動作を規定時間内に所定回数実行した後は、保護動作を開始してから所定時間が経過しても保護動作を終了しないように構成される。所定回数は、2回以上であることが好ましく、例えば、3回である。規定時間は、所定回数及び所定時間を考慮して、適宜設定される。
本実施形態において、判定回路40の閾値は、実際に異常が起きた時だけ制御回路30が保護動作を開始するように設定されることが好ましい。ここで、閾値と定格電圧との差が小さいと、ノイズや光源60の個体差などによって、異常がないにも関わらず、保護動作が開始されるおそれがある。逆に、閾値と定格電圧との差異が大きいと、異常の発生から保護動作の開始までの期間が長くなる可能性がある。この場合、電力変換回路20や光源60が故障する可能性が増えるおそれがある。また、閾値は、電源50の電圧の最大値より小さいことが好ましい。このような点を考慮し、判定回路40の閾値は、光源60の定格電圧の1.2〜1.3倍の範囲に設定されている。換言すれば、閾値は、定格電圧より20%〜30%大きい値に設定されている。なお、閾値は、光源60の定格電圧の1.2〜1.25倍の範囲(定格電圧より20%〜25%大きい値)に設定されることが好ましい。さらに、閾値は、定格電圧の誤差(例えば、光源60の個体差に起因する誤差)の範囲の上限値より大きく設定される。これにより、異常が発生していない場合に、印加電圧が閾値以上となることを抑制できる。一例として、定格電圧が178Vである場合には、閾値は220Vに設定される。この場合の閾値の誤差は、±10V程度であれば許容される。
以下、点灯装置10の動作について説明する。
初期状態では、印加電圧は閾値未満である。そのため、判定回路40では、比較回路42の出力端子の電圧がロウレベルとなっている。したがって、制御回路30は、点灯動作を開始する。点灯動作では、制御回路30は、光源60に流れる電流が目標値となるように、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2をスイッチング制御する。なお、初期状態では、保護回路27のスイッチTH1はオフであるが、PTCサーミスタPH1を通じて整流回路23から昇圧チョッパ回路24に電流が供給される。制御回路30は、スイッチング素子Q1をスイッチング制御するため、スイッチング素子Q1がオンの期間にインダクタL1に電力が蓄積され、これによって、補助インダクタL3に誘起電圧が生じ、スイッチTH1がオンとなる。以後、スイッチTH1を通じて整流回路23から昇圧チョッパ回路24に電流が供給される。このように、制御回路30は、点灯動作を実行し、電源50からの電力により光源60を点灯させる。この場合、印加電圧が閾値以上とならないから、比較回路42の出力端子の電圧がハイレベルにならず、制御回路30は保護動作を実行しない。
次に、異常が発生した場合の点灯装置10の動作について説明する。例えば、降圧チョッパ回路25のスイッチング素子Q2が短絡したとする。この場合、降圧チョッパ回路25が機能しなくなるから、昇圧チョッパ回路24の出力電圧がほぼそのまま光源60に与えられる。その結果、印加電圧が閾値以上になる。これによって、判定回路40では、比較回路42の出力端子の電圧がハイレベルになる。そのため、制御回路30は、点灯動作を終了し、保護動作を開始する。つまり、制御回路30は、昇圧チョッパ回路24のスイッチング素子Q1のスイッチング制御を終了して、スイッチング素子Q1をオフにする。これにより、補助インダクタL3の誘起電圧が所定電圧未満となる。その結果、スイッチTH1のゲートの電圧がブレークオーバ電圧未満となる。そして、整流回路23の出力端子233の電圧がゼロになると、スイッチTH1に電流が流れなくなるから、スイッチTH1がオフになる。以後、PTCサーミスタPH1を通して整流回路23から昇圧チョッパ回路24に電流が流れる。その結果、上述したように、光源60に間欠的に電流が流れるようになり、光源60に供給される電流が制限される。したがって、点灯装置10では、降圧チョッパ回路25の降圧用スイッチング素子Q2の短絡時に光源60を保護できる。
制御回路30は、保護動作を開始してから所定時間が経過すると保護動作を終了し、点灯動作を再開する。これによって、スイッチTH1がオンとなり、昇圧チョッパ回路24から降圧チョッパ回路25に出力電圧が与えられる。しかし、スイッチング素子Q2が短絡しているから、降圧チョッパ回路25が機能せずに、昇圧チョッパ回路24の出力電圧がほぼそのまま光源60に与えられる。結局、印加電圧が閾値以上となる。そのため、制御回路30は、点灯動作を終了し、保護動作を再開する。そして、制御回路30は、保護動作を規定時間内に所定回数実行した後は、保護動作を開始してから所定時間が経過しても保護動作を終了しなくなる。これによって、光源60に供給される電流が制限されたままとなる。したがって、異常が発生している場合に点灯動作が繰り返されることがなくなり、確実に、光源60を保護できる。
次に、ノイズなどにより一時的に印加電圧が閾値以上となった場合の点灯装置10の動作について説明する。この場合、制御回路30は、点灯動作を終了し、保護動作を開始する。そして、制御回路30は、保護動作を開始してから所定時間が経過すると保護動作を終了し、点灯動作を再開する。この場合、スイッチング素子Q2が短絡していないから、降圧チョッパ回路25が正常に機能し、印加電圧が閾値未満のままになる。判定回路40では、比較回路42の出力端子の電圧がハイレベルにならない。そのため、制御回路30は、点灯動作を継続する。したがって、異常ではなくノイズなどによって一時的に印加電圧が閾値以上になった場合には、保護動作から点灯動作に復帰できる。
なお、異常には、無負荷も考えられる。無負荷は、光源60が点灯装置10に電気的に接続されていない状態(光源60と点灯装置10との接続線の断線によっても生じ得る)を意味する。無負荷が生じた場合、光源60に流れる電流の値が0になる。そのため、制御回路30は、電力変換回路20を制御して直流出力電圧を増加させる。これによって、印加電圧が閾値以上となる。そのため、制御回路30は、点灯動作を終了し、保護動作を開始する。したがって、点灯装置10では、無負荷の発生時に電力変換回路20を保護できる。
このように、本実施形態の点灯装置10は、降圧チョッパ回路25の降圧用スイッチング素子Q2の短絡時に光源60を保護できる。さらに、点灯装置10は、無負荷時には電力変換回路20を保護できる。
以上述べた点灯装置10は、例えば、図2に示される照明器具に用いられる。図2の照明器具は、点灯装置10と、点灯装置10の一対の高電圧側及び低電圧側出力端子221,222間に接続される光源60と、を備える。図2の照明器具は、例えば、投光器である。点灯装置10は、投光器以外の照明器具(例えば、ベースライト、スポットライト、ダウンライト、ホリゾントライト)にも使用され得る。このような照明器具によれば、降圧チョッパ回路25の降圧用スイッチング素子Q2の短絡時に光源60を保護できる。
2.変形例
本発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、保護回路27は、光源60に間欠的に電流が供給されるようにすることで、電流を制限する。変形例では、保護回路27は、光源60への電流の供給を停止するように構成されていてもよいし、光源60に供給される電流を光源60に悪影響が出ない大きさにまで低減するように構成されていてもよい。
例えば、上記実施形態では、保護回路27のスイッチTH1は、サイリスタである。変形例では、スイッチTH1は、電界効果トランジスタ(FET)等のスイッチング素子であってもよい。
例えば、上記実施形態では、制御回路30は、昇圧チョッパ回路24のスイッチング素子Q1を利用してスイッチTH1を制御する。変形例では、制御回路30は、直接的に、スイッチTH1を制御するように構成されていてもよい。
例えば、上記実施形態では、制御回路30は、保護動作を開始してから所定時間が経過すると保護動作を終了して点灯動作を再開する。変形例では、制御回路30は、一旦保護動作を開始すると、所定時間に関係なく保護動作を継続してもよい。
変形例では、電源50は直流電源であってもよい。この場合、整流回路23及び昇圧チョッパ回路24は必須ではない。整流回路23が無い場合、一対の出力端子233,234の代わりに一対の入力端子211,212が、一対の高電圧側及び低電圧側端子となる。また、この場合、電源50の電圧がゼロになる期間がないから、保護回路27のスイッチTH1は、サイリスタ以外のスイッチング素子(例えば、FET)であることが好ましい。
変形例では、判定回路40は、異常が無負荷か短絡かを予測する機能を有していてもよい。例えば、判定回路40は、印加電圧の単位時間当たりの変化量に基づいて、異常が無負荷か短絡かを予測する。例えば、判定回路40は、変化量が規定値以上であれば、異常が短絡と予測し、変化量が規定値未満であれば、異常が無負荷であると予測してもよい。判定回路40は、異常が短絡と予測した場合、短絡用の閾値と印加電圧との比較により、短絡が発生したかどうかを判断してもよい。短絡用の閾値は、上記実施形態の閾値と同様である。判定回路40は、異常が無負荷と予測した場合、無負荷用の閾値と印加電圧との比較により、無負荷が発生したかどうかを判断してもよい。無負荷用の閾値は、短絡用の閾値以上であることが好ましい。この場合、制御回路30の保護動作は、無負荷用の保護動作と、短絡用の保護動作とを含んでいてもよい。短絡用の保護動作は、上記実施形態の保護動作と同様に保護回路27を用いる動作である。無負荷用の保護動作は、例えば、昇圧チョッパ回路24及び降圧チョッパ回路25を停止する動作(つまり、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2をオフにする動作)である。無負荷時は、スイッチング素子Q2が短絡していないため、印加電圧をゼロにできる。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本発明に係る第1の態様の点灯装置(10)は、電力変換回路(20)と、制御回路(30)と、判定回路(40)と、を備える。前記電力変換回路(20)は、一対の高電圧側及び低電圧側端子(233,234)と、一対の高電圧側及び低電圧側出力端子(221,222)と、降圧チョッパ回路(25)と、を有する。前記一対の高電圧側及び低電圧側端子(233,234)は、電源(50)から電力を受け取る。前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子(221,222)は、光源(60)に接続される。前記降圧チョッパ回路(25)は、前記高電圧側端子(233)と前記高電圧側出力端子(221)との間に電気的に接続されている降圧用スイッチング素子(Q2)を有する。前記制御回路(30)は、点灯動作を実行するように構成される。前記点灯動作は、前記電力変換回路(20)を制御して前記一対の高電圧側及び低電圧側端子(233,234)間の電圧に基づいて前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子(221,222)間に直流出力電圧を発生させる動作である。前記判定回路(40)は、前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子(221,222)間の印加電圧が閾値以上であるか否かを判定するように構成される。前記制御回路(30)は、前記印加電圧が前記閾値以上であると前記判定回路(40)が判断すると、前記光源(60)に供給される電流を制限する保護動作を開始するように構成される。前記閾値は、前記光源の定格電圧の1.2〜1.3倍の範囲である。
第1の態様によれば、降圧チョッパ回路(25)の降圧用スイッチング素子(Q2)の短絡時に光源(60)を保護できる。
本発明に係る第2の態様の点灯装置(10)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記閾値は、前記定格電圧の誤差の範囲の上限値より大きい。
第2の態様によれば、異常が発生していない場合に、印加電圧が閾値以上となることを抑制できる。
本発明に係る第3の態様の点灯装置(10)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記閾値は、前記電源の電圧の最大値より小さい。
第3の態様によれば、確実に、降圧用スイッチング素子(Q2)の短絡を検出できる。
本発明に係る第4の態様の点灯装置(10)は、第1〜第3の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記制御回路(30)は、前記保護動作を開始してから所定時間が経過すると前記保護動作を終了するように構成される。
第4の態様によれば、異常ではなくノイズなどによって一時的に印加電圧が閾値以上になった場合には、保護動作から点灯動作に復帰できる。
本発明に係る第5の態様の点灯装置(10)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記制御回路(30)は、前記保護動作を規定時間内に所定回数実行した後は、前記保護動作を開始してから前記所定時間が経過しても前記保護動作を終了しないように構成される。
第5の態様によれば、異常が発生している場合に点灯動作が繰り返されることがなくなり、確実に、光源(60)を保護できる。
本発明に係る第6の態様の点灯装置(10)は、第1〜第5の態様のうちいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記電力変換回路(20)は、保護回路(27)をさらに備える。前記保護回路(27)は、前記高電圧側端子(233)と前記高電圧側出力端子(221)との間で前記降圧用スイッチング素子(Q2)に直列に接続されるスイッチ(TH1)を有する。前記制御回路(30)は、前記点灯動作では、前記スイッチ(TH1)をオンにし、前記保護動作では、前記スイッチ(TH1)をオフにするように構成される。
第6の態様によれば、比較的簡単な構成で光源(60)に供給される電流を制限できる。
本発明に係る第7の態様の点灯装置(10)は、第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記電力変換回路(20)は、昇圧チョッパ回路(24)をさらに有する。前記昇圧チョッパ回路(24)は、前記高電圧側端子(233)に電気的に接続されているインダクタ(L1)とダイオード(D1)との直列回路を有する。また、前記昇圧チョッパ回路(24)は、前記インダクタ(L1)と前記ダイオード(D1)との接続点と前記低電圧側端子(234)との間に接続されている昇圧用スイッチング素子(Q1)を有する。前記降圧用スイッチング素子(Q2)は、前記インダクタ(L1)と前記ダイオード(D1)との前記直列回路を介して前記高電圧側端子(233)に電気的に接続されている。前記保護回路(27)は、前記インダクタ(L1)に磁気的に結合された補助インダクタ(L3)と、前記スイッチ(TH1)に並列に接続された正特性サーミスタ(PH1)と、を有する。前記スイッチ(TH1)は、前記補助インダクタ(L3)の誘起電圧が所定電圧以上になるとオンになるように構成される。前記制御回路(30)は、前記点灯動作では、前記昇圧用スイッチング素子(Q1)及び前記降圧用スイッチング素子(Q2)のスイッチング制御により前記電力変換回路(20)を制御するように構成される。前記制御回路(30)は、前記保護動作では、前記昇圧用スイッチング素子(Q1)をオフにすることで前記誘起電圧を前記所定電圧未満にするように構成される。
第7の態様によれば、昇圧用スイッチング素子(Q1)を利用してスイッチ(TH1)をオフにできる。そのため、 制御回路(30)がスイッチ(TH1)を制御するための回路を新たに設ける場合と比べて部品数を削減できる。
本発明に係る第8の態様の照明器具は、第1〜第7の態様のうちいずれか一つの点灯装置(10)と、前記光源(60)と、を備える。
第8の態様によれば、降圧チョッパ回路(25)の降圧用スイッチング素子(Q2)の短絡時に光源(60)を保護できる。
10 点灯装置
20 電力変換回路
24 昇圧チョッパ回路
25 降圧チョッパ回路
27 保護回路
30 制御回路
40 判定回路
50 電源
60 光源
221 高電圧側出力端子
222 低電圧側出力端子
233 高電圧側端子
234 低電圧側端子
L1 インダクタ
L3 補助インダクタ
PH1 正特性サーミスタ
Q1 昇圧用スイッチング素子
Q2 降圧用スイッチング素子
TH1 スイッチ

Claims (7)

  1. 電源から電力を受け取る一対の高電圧側及び低電圧側端子と、光源に接続される一対の高電圧側及び低電圧側出力端子と、前記高電圧側端子と前記高電圧側出力端子との間に電気的に接続されている降圧用スイッチング素子を有する降圧チョッパ回路と、を有する電力変換回路と、
    前記電力変換回路を制御して前記一対の高電圧側及び低電圧側端子間の電圧に基づいて前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子間に直流出力電圧を発生させる点灯動作を実行する制御回路と、
    前記一対の高電圧側及び低電圧側出力端子間の印加電圧が閾値以上であるか否かを判定する判定回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、前記印加電圧が前記閾値以上であると前記判定回路が判断すると、前記光源に供給される電流を制限する保護動作を開始するように構成され、
    前記閾値は、前記光源の定格電圧の1.2〜1.3倍の範囲であり、前記電源の電圧の最大値より小さい
    点灯装置。
  2. 前記閾値は、前記定格電圧の誤差の範囲の上限値より大きい、
    請求項1の点灯装置。
  3. 前記制御回路は、前記保護動作を開始してから所定時間が経過すると前記保護動作を終了するように構成される、
    請求項1又は2の点灯装置。
  4. 前記制御回路は、前記保護動作を規定時間内に所定回数実行した後は、前記保護動作を開始してから前記所定時間が経過しても前記保護動作を終了しないように構成される、
    請求項の点灯装置。
  5. 前記電力変換回路は、保護回路をさらに備え、
    前記保護回路は、前記高電圧側端子と前記高電圧側出力端子との間で前記降圧用スイッチング素子に直列に接続されるスイッチを有し、
    前記制御回路は、前記点灯動作では、前記スイッチをオンにし、前記保護動作では、前記スイッチをオフにするように構成される、
    請求項1〜4のうちいずれか一つの点灯装置。
  6. 前記電力変換回路は、昇圧チョッパ回路をさらに有し、
    前記昇圧チョッパ回路は、前記高電圧側端子に電気的に接続されているインダクタとダイオードとの直列回路と、前記インダクタと前記ダイオードとの接続点と前記低電圧側端子との間に接続されている昇圧用スイッチング素子と、を有し、
    前記降圧用スイッチング素子は、前記インダクタと前記ダイオードとの前記直列回路を介して前記高電圧側端子に電気的に接続されており、
    前記保護回路は、前記インダクタに磁気的に結合された補助インダクタと、前記スイッチに並列に接続された正特性サーミスタと、を有し、
    前記スイッチは、前記補助インダクタの誘起電圧が所定電圧以上になるとオンになるように構成され、
    前記制御回路は、前記点灯動作では、前記昇圧用スイッチング素子及び前記降圧用スイッチング素子のスイッチング制御により前記電力変換回路を制御するように構成され、
    前記制御回路は、前記保護動作では、前記昇圧用スイッチング素子をオフにすることで前記誘起電圧を前記所定電圧未満にするように構成される、
    請求項の点灯装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一つの点灯装置と、
    前記光源と、
    を備える、
    照明器具。
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