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JP6741957B2 - レジストプロセス用膜形成材料及びパターン形成方法 - Google Patents

レジストプロセス用膜形成材料及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジストプロセス用膜形成材料、パターン形成方法及び重合体に関する。
半導体用素子等のパターン形成には、被加工基板上に有機系の反射防止膜を介して積層されたレジスト膜を露光及び現像し、得られたレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うレジストプロセスが多用されている。このようなレジストプロセスにおいては、半導体素子等の高集積化、すなわちレジストパターンの微細化に伴い、現像の際又は現像後にレジストパターンが剥離してしまう現象が生じやすくなっている。また、レジスト膜と有機系反射防止膜とはエッチング速度の差が小さい。このため、レジスト膜の微細化及び薄膜化に伴い、レジストパターンをマスクとしたエッチングによっては、有機系反射防止膜で被覆された被加工基板の微細加工ができないという不都合がある。
そこで、レジスト膜と有機系反射防止膜との間に無機系のレジスト中間膜を設ける多層レジストプロセス技術が検討されている(国際公開第2006/126406号参照)。この多層レジストプロセスは、まずレジストパターンをマスクとしてレジスト中間膜をエッチングし、得られたレジスト中間膜のパターンをマスクとしてレジスト下層膜をエッチングして、レジスト下層膜のパターンをマスクとして被加工基板をエッチングする方法である。
一方、化学増幅型レジスト材料の特徴を利用し解像力を高める技術として、現像液にアルカリ水溶液よりも極性の低い有機溶媒を用い、露光部をパターンとして形成する技術が開示されている(特開2000−199953号公報参照)。このような現像後に露光部がパターンとして残るネガ現像プロセスと、現像後に未露光部がパターンとして残るポジ現像プロセスでは、パターンとして残るレジストの性状が異なる為、それぞれのプロセスに適した多層レジストプロセス用レジスト中間膜は一般的に異なる。
国際公開第2006/126406号 特開2000−199953号公報
パターンの微細化が進むにつれて、上記レジスト中間膜に対してより高い性能が求められるようになってきた。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、レジスト膜との密着性に優れ、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ないレジスト中間膜(シリコン含有膜)を形成することができるレジストプロセス用膜形成材料、これを用いたパターン形成方法、及びこのようなレジストプロセス用膜形成材料として好適な重合体を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位を有する重合体、及び有機溶媒を含有するレジストプロセス用膜形成材料である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、上記レジストプロセス用膜形成材料により、基板の少なくとも一方の面側に、シリコン含有膜を形成する工程と、酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生体を含む感放射線性樹脂組成物により、上記シリコン含有膜の上記基板とは反対の面側に、レジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、下記式(1)で表される構造を有する重合体である。
Figure 0006741957
(式(1)中、
は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、又は保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である。
は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基、水素原子、ヒドロキシ基、又は保護されたアルコール性水酸基を有さない置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。aは、0又は1である。但し、Rが保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である場合は、aは1である。
は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、光吸収性基を有する1価の有機基である。
は、水素原子、ヒドロキシ基、保護されたアルコール性水酸基を有さない置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。bは、0又は1である。
は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、非光吸収性の置換若しくは非置換の1価の脂肪族炭化水素基である。cは、0〜2の整数である。cが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。
dは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
eは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
fは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
d、e及びfは、それぞれ0<d<1、0≦e<1及び0≦f<1を満たし、かつd+e+f≦1である。)
本発明のレジストプロセス用膜形成材料によれば、レジスト膜との密着性に優れ、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ないシリコン含有膜を形成することができる。
しかも、当該レジストプロセス用膜形成材料から得られるシリコン含有膜は、レジスト組成物の溶媒に対する耐性、反射防止性及びエッチング耐性にも優れる。
本発明のパターン形成方法によれば、上記レジストプロセス用膜形成材料により形成された優れたシリコン含有膜を用いることにより、優れたレジストパターンを形成することができる。
本発明の重合体は、レジスト膜との密着性に優れ、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ないシリコン含有膜を形成することができるレジストプロセス用膜形成材料の主成分などとして好適に用いることができる。
従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
以下、本発明のレジストプロセス用膜形成材料、パターン形成方法及び重合体を実施するための実施形態について説明する。
<レジストプロセス用膜形成材料>
本発明の一実施形態に係るレジストプロセス用膜形成材料(以下、単に「膜形成材料」と称することもある)は、[A]保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位を有する重合体、及び[B]有機溶媒を含有する。当該膜形成材料は、本発明の効果を損なわない範囲において、[C]窒素含有化合物、[D]酸発生剤、[E]水等の任意成分を含有していてもよい。但し、[C]窒素含有化合物、[D]酸発生剤、[E]水等の各任意成分は、含有されていなくてもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位を有する。当該膜形成材料からシリコン含有膜を形成し、レジストパターンを形成する場合、以下の理由によりレジストパターンとの優れた密着性を有し、現像の際のパターン倒れを抑制することができると推察される。但し、本発明が上記効果を奏する理由は、以下の理由に限定されるものでは無い。本発明において、保護されたアルコール性水酸基は、酸解離性の保護基により保護されたアルコール性水酸基であることが好ましい。
シリコン含有膜の表面に積層されるレジスト膜は、通常、感放射線性酸発生体(以下、単に「酸発生剤」と称することもある)を含有する感放射線性組成物などにより形成される。このため、レジスト膜に対する露光の際にレジスト膜中で酸が発生する。このとき、シリコン含有膜表面においても、上記酸によって[A]重合体中の上記構造単位のアルコール性水酸基が脱保護され、露光部分のシリコン含有膜(以下、「レジスト中間膜」、「レジスト下層膜」等と称することもある。)表面が親水化される。現像液として有機溶媒を用いたネガ型現像を行う場合、上述のように露光部分のシリコン含有膜表面が親水化されているため、露光部分において、親水化されているレジスト膜(レジストパターン)とシリコン含有膜との密着性が高まり、現像の際のパターン倒れを抑制することができると推察される。特に、[A]重合体が有する上記構造単位は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するため、効果的に親水性を高めることができ、パターン倒れの抑制能が優れると推察される。なお、表面エネルギーの低い物質は気相界面に偏在するため、保護されていないアルコール性水酸基等の親水性基を有する重合体を用いて膜を形成した場合、この親水性基は表面には偏在しない。これに対して、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位を有する[A]重合体を用いることにより、露光後の膜表面の効果的な親水化を図ることができ、レジストパターンとの密着性を高めることができると推察される。
[A]重合体は、例えば下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 0006741957
上記式(1)中、
は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、又は保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である。
は、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基、水素原子、ヒドロキシ基、又は保護されたアルコール性水酸基を有さない置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。aは、0又は1である。但し、Rが保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である場合は、aは1である。
は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、光吸収性基を有する1価の有機基である。
は、水素原子、ヒドロキシ基、保護されたアルコール性水酸基を有さない置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。bは、0又は1である。
は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、非光吸収性の置換若しくは非置換の1価の脂肪族炭化水素基である。cは、0〜2の整数である。cが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。
dは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
eは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
fは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位Uのモル比率を表す。
d、e及びfは、それぞれ0<d<1、0≦e<1及び0≦f<1を満たし、かつd+e+f≦1である。
上記式(1)で表される構造は、構造単位U以外に、構造単位Uをさらに有してもよい。即ち、上記式(1)中、0<d<1かつ0<e<1であってもよい。
上記式(1)中、構造単位Uをさらに有することで、光吸収性基を含むことにより、基盤反射率を低くすることができ、良好なレジストパターンを得ることができる。
上記式(1)で表される構造は、構造単位U及び構造単位U以外に、構造単位Uをさらに有してもよい。即ち、上記式(1)中、0<d<1かつ0<f<1であってもよいし、0<d<1、0<e<1、かつ0<f<1であってもよい。
上記式(1)中、構造単位Uをさらに有することで、重合体のケイ素含有割合が増加し、酸素ガスエッチング耐性を向上させることなどができる。
以下、上記式(1)で表される各構造単位について説明する。
[構造単位U
上記構造単位Uは、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位である。
(保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基)
上記式(1)中、R及びRで表される保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基としては、例えば下記式(2)で表される基を挙げることができる。
Figure 0006741957
上記式(2)中、Xは、炭素数1〜20の3価の有機基である。Rは、それぞれ独立して、単結合、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。Yは、それぞれ独立して1価の保護基であるか、2つのYが互いに結合して2価の保護基を形成していてもよい。*は、結合部位を示す。
上記Xで表される炭素数1〜20の3価の有機基としては、炭素数1〜20の3価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は末端にヘテロ原子含有基を含む基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の3価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の3価の脂肪族炭化水素基、及び炭素数6〜20の3価の芳香族炭化水素基を挙げることができる。なお、Xが炭素数6〜20の3価の芳香族炭化水素基である場合、Rは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基とすることができる。
炭素数1〜20の3価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の3価の鎖状炭化水素基や、炭素数3〜20の3価の脂環式炭化水素基を挙げることができる。
炭素数1〜20の3価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基等のアルカントリイル基、
エテントリイル基、プロペントリイル基、ブテントリイル基、ペンテントリイル基等のアルケントリイル基、
プロピントリイル基、ブチントリイル基、ペンチントリイル基等のアルキントリイル基等を挙げることができる。
炭素数3〜20の3価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロパントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基等のシクロアルカントリイル基、
シクロプロペントリイル基、シクロペンテントリイル基、シクロヘキセントリイル基等のシクロアルケントリイル基、
ノルボルナントリイル基、アダマンタントリイル基、ノルボルネントリイル基等の3価の橋かけ環炭化水素基等を挙げることができる。
炭素数6〜20の3価の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基等を挙げることができる。
上記ヘテロ原子含有基とは、構造中に2価以上のヘテロ原子を有する基をいう。上記ヘテロ原子含有基はヘテロ原子を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。また、上記ヘテロ原子含有基は、1個のヘテロ原子のみから構成されるものであってもよい。
上記ヘテロ原子含有基が有する2価以上のへテロ原子としては、2価以上の原子価を有するヘテロ原子であれば特に限定されず、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば
−O−、−S−、−SO−、−SO−、−SOO−、−SO−等のヘテロ原子のみからなる基、
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。なお、上記Xで表される有機基の炭素数には、これらのヘテロ原子含有基中の炭素数も含まれる。以下、有機基の炭素数について、同様である。
上記置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。なお、上記Xで表される有機基の炭素数には、これらの置換基中の炭素数も含まれる。以下、有機基の炭素数について、同様である。
上記Xで表される基としては、置換又は非置換の3価の炭化水素基が好ましく、置換又は非置換の3価の脂肪族炭化水素基がより好ましく、置換又は非置換の3価の鎖状炭化水素基がさらに好ましく、置換又は非置換のアルカントリイル基がよりさらに好ましく、直鎖状のアルカントリイル基がよりさらに好ましい。
これらの炭化水素基の炭素−炭素間に酸素原子又は硫黄原子を含む基も好ましい。上記Xで表される基の炭素数の下限としては、1であるが、2が好ましく、3がさらに好ましい。一方、Xで表される基の炭素数の上限としては、20が好ましく、10がより好ましく、6がさらに好ましい。
上記Rで表される置換又は非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基や、炭素数3〜10の2価の脂環式炭化水素基を挙げることができる。
炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基等のアルカンジイル基、
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基、ペンテンジイル基等のアルケンジイル基、
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基、ペンチンジイル基等のアルキンジイル基等を挙げることができる。
炭素数3〜10の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロパンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基、
シクロプロペンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基等のシクロアルケンジイル基、
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基等の2価の橋かけ環炭化水素基等を挙げることができる。
炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基等を挙げることができる。
上記Rで表される炭化水素基の置換基としては、Xで表される基の置換基として例示したものと同様の基を挙げることができる。
上記Rとしては、単結合及び炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基が好ましい。炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基の中でも、炭素数1〜4の2価の鎖状炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜2の2価の鎖状炭化水素基がさらに好ましく、メタンジイル基が特に好ましい。
2つのRは、Xにおける同一の炭素原子に結合していることが好ましい。さらに、Xが直鎖状のアルカントリイル基又はこの炭素−炭素間に酸素原子又は硫黄原子を含む基であって、2つのRは、このXの末端の炭素原子に結合していることがより好ましい。
上記Yで表される1価の保護基としては、酸等により脱保護される基であれば特に限定されないが、酸により脱保護される基であることが好ましく、例えばR−、R−CO−、R−O−C(R−及びR−O−CO−で表される基を挙げることができる。
上記各式中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、Rと結合して環構造の一部を形成していてもよい。
上記YがRで表される基の場合、エーテル型の保護構造を形成する。上記YがR−CO−で表される基の場合、アルキルカルボニルオキシ基保護等のエステル型の保護構造を形成する。上記YがR−O−C(R−で表される基の場合、アセタール型の保護構造を形成する。
上記R及びRで表される置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基や、炭素数3〜10の1価の脂環式炭化水素基を挙げることができる。
炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基等を挙げることができる。
炭素数3〜10の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の1価の橋かけ環炭化水素基等を挙げることができる。
炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等を挙げることができる。
上記R及びRで表される炭化水素基の置換基としては、Xで表される基の置換基として例示したものと同様の基を挙げることができる。
上記Rとしては、アルキル基及びシクロアルキル基が好ましく、脱離性の点などから、第二級及び第三級のアルキル基並びにシクロアルキル基がより好ましく、第三級のアルキル基がさらに好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。上記Rとしては、水素原子及びアルキル基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
上記2つのYが互いに結合して形成する2価の保護基としては、置換又は非置換の2価の炭化水素基を挙げることができる。上記置換又は非置換の2価の炭化水素基としては、上記Rで表される基として例示した基を挙げることができる。この2価の保護基の好ましい形態としては、後述するY1bで表される2価の保護基における好ましい形態と同様である。
上記R及びRで表される保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基としては、下記式(2a)又は(2b)で表される基が好ましい。
Figure 0006741957
上記式(2a)及び(2b)中、Rは、炭素数1〜10の2価の有機基である。pは、1〜5の整数である。qは、0〜5の整数である。Y1aは、それぞれ独立して、1価の保護基である。Y1bは、2価の保護基である。
上記Rで表される炭素数1〜10の2価の有機基としては、上記Rで表される置換又は非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は末端にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基などが挙げられる。上記置換基としては、Xで表される基の置換基として例示したものと同様のものを挙げることができる。
上記Rで表される炭素数1〜10の2価の有機基としては、置換又は非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、及びこの炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子を含む基が好ましく、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルカンジイル基及びこのアルカンジイル基の炭素−炭素間又は末端にヘテロ原子を含む基がより好ましく、置換又は非置換の炭素数1〜6の直鎖状のアルカンジイル基及びこのアルカンジイル基の炭素−炭素間又は末端に酸素原子又は硫黄原子を含む基がさらに好ましい。
なお、上記直鎖状のアルカンジイル基において、2つの結合位置は、両末端に有することが好ましい。
上記Rで表される2価の有機基の炭素数は、1〜3であることがさらに好ましい。炭素数を上記範囲と小さくすることで、得られるシリコン含有膜の酸素エッチング耐性をより高めることなどができる。
上記pは、1〜5の整数であるが、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記qは、0〜5の整数であるが、0及び1が好ましく、0がより好ましい。
上記Y1aで表される1価の保護基としては、式(2)の説明中で記載したR−、R−CO−、R−O−C(R−及びR−O−CO−で表される基が好ましい。これらの基の詳細、及びこれらの基の中でのより好ましい基については、式(2)の説明中で記載した通りである。
上記Y1bで表される2価の保護基としては、置換又は非置換の2価の炭化水素基を挙げることができる。上記置換又は非置換の2価の炭化水素基としては、上記Rで表される基として例示した基を挙げることができる。上記置換又は非置換の2価の炭化水素基としては、置換又は非置換のメタンジイル基、及び下記式(4)で表される基が好ましい。上記Y1bで表される2価の保護基が、置換又は非置換のメタンジイル基、又は下記式(4)で表される基である場合、アセタール型の保護基を形成する。
Figure 0006741957
上記式(4)中、nは、0〜4の整数である。Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。2つのRは、互いに結合して、これらが結合する炭素鎖と共に炭素数4〜12の炭素環構造(脂環構造、芳香環構造又はこれらの組み合わせの環構造)を形成していてもよい。*は、結合位置を示す。
上記R及びRで表される置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、上記Rで表される基として例示したものを挙げることができる。
上記Rとしては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記Rとしては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。上記nは、0〜4の整数であるが、0及び1が好ましく、0がより好ましい。
上記Y1bで表されるメタンジイル基が有していてもよい置換基としては、上述したハロゲン原子等の他、炭化水素基を挙げることができ、炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の炭化水素基がより好ましい。この炭化水素基は、アルキル基等の脂肪族炭化水素基であってもよいし、フェニル基等の芳香族炭化水素基であってもよい。また、2つの置換基が互いに結合して、これらが結合する炭素原子と共に環構造を形成していてもよい。上記環構造としては、例えば炭素数3〜20の脂環式基や芳香族基などを挙げることができる。上記Y1bが、置換基を有していてもよいメタンジイル基である場合、置換基として2つの炭化水素基を有するメタンジイル基が好ましい。この2つの炭化水素基は、互いに結合して脂環構造を形成していてもよい。
アルコール性水酸基の保護基であるY(Y1a及びY1b)は、酸による脱離性等の点からは、アセタール型又はエステル型の保護基を形成することが好ましい。
上記式(1)中、上記aは、0又は1であるが、0が好ましい。aを0とすることで、得られるシリコン含有膜の酸素エッチング耐性を高めることなどができる。
(保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基)
上記式(1)中、R及びRで表される保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基としては、特に限定されないが、下記式(3)で表される基を挙げることができる。
Figure 0006741957
上記式(3)中、Xは、単結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Yは、1価の保護基である。*は、結合部位を示す。
上記Xで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、上記Rで表される2価の有機基として例示したものなどを挙げることができる。上記Xで表される基としては、置換又は非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、及びこの炭化水素基の炭素−炭素間端にヘテロ原子を含む基が好ましく、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルカンジイル基及びこのアルカンジイル基の炭素−炭素間にヘテロ原子を含む基がより好ましく、置換又は非置換の炭素数1〜6の直鎖状のアルカンジイル基及びこのアルカンジイル基の炭素−炭素間又に酸素原子又は硫黄原子を含む基がさらに好ましい。
なお、上記直鎖状のアルカンジイル基において、2つの結合位置は、両末端に有することが好ましい。
上記Yで表される1価の保護基としては、上記Y及びY1aで表される1価の保護基として説明したものを例示することができる。上記Yで表される1価の保護基の好ましい基も、上記Y及びY1aと同様である。すなわち、式(2)の説明中で記載したR−、R−CO−、R−O−C(R−及びR−O−CO−で表される基が好ましい。これらの基の具体的構造、及びより好ましい構造も上述した通りである。
アルコール性水酸基の保護基であるYは、酸による脱離性等の点からは、アセタール型又はエステル型の保護基を形成することが好ましい。
上記Rで表される保護されたアルコール性水酸基を有さない置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記R及びRで表される置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基として例示した基と同様のものなどを挙げることができる。
上記式(1)におけるRとしては、保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基であることが好ましい。
が保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基である構造単位Uは、保護された2つ以上のアルコール性水酸基と、ケイ素原子に結合する加水分解性基とを有するシランモノマー(I)の加水分解縮合により得られる。上記加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシロキシ基、塩素原子等のハロゲン原子等を挙げることができる。シランモノマー(I)は、2又は3の加水分解性基を有することが好ましく、3の加水分解性基を有することがより好ましい。
上記シランモノマー(I)の具体例としては、下記式(i−1)〜(i−27)でそれぞれ表される化合物等を挙げることができる。シランモノマー(I)は、1種単独でも複数種を混合して用いてもよい。
Figure 0006741957
Figure 0006741957
Figure 0006741957
[A]重合体における保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位、具体的には構造単位Uの含有割合(モル比率d)の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、3モル%がさらに好ましい。一方、この上限としては、40モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。構造単位Uの含有割合を上記下限以上とすることで、露光後のシリコン含有膜表面の親水性がより高まり、レジストパターンの密着性をより高めることができる。一方、構造単位Uの含有割合を上記上限以下とすることで、他の構造単位を十分に含有させることができ、反射防止性や、エッチング耐性等をバランスよく発揮させることができる。
なお、[A]重合体における構造単位の含有割合は、[A]重合体をシランモノマーの加水分解縮合において合成する際の対応する各シランモノマーの仕込量の割合と同じとみなすことができる。
[構造単位U
上記Rで表される保護されたアルコール性水酸基を有さない、光吸収性基を有する1価の有機基としては、炭素数2〜10のアルケニル基、又は環員数6〜20の芳香族炭素環若しくは環員数4〜20の芳香族複素環を含む1価の基を挙げることができる。これらの基が有する水素原子の一部又は全部は、置換基で置換されていてもよい。
上記炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えばエテニル基、1−プロペン−1−イル基、1−プロペン−2−イル基、1−プロペン−3−イル基、1−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、1−ブテン−3−イル基、1−ブテン−4−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基、1−ペンテン−5−イル基、2−ペンテン−1−イル基、2−ペンテン−2−イル基、1−ヘキセン−6−イル基、2−ヘキセン−1−イル基、2−ヘキセン−2−イル基等を挙げることができる。
上記環員数6〜20の芳香族炭素環を含む1価の基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等のアリール基などを挙げることができる。これらの中で、フェニル基及びメチルフェニル基が好ましい。
上記環員数4〜20の芳香族複素環を含む1価の基としては、例えばピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
上記Rとしては、芳香族炭素環を含む基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基及びメチルフェニル基がさらに好ましい。
上記Rで表される保護されたアルコール性水酸基を有さない置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記Rで表される置換又は非置換の1価の炭化水素基として例示した基と同様の基を挙げることができる。
上記bとしては、0が好ましい。
上記構造単位Uを与えるシランモノマーとしては、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルフェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
[A]重合体における構造単位Uの含有割合(モル比率e)の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、3モル%がさらに好ましく、5モル%が特に好ましい。一方、この上限としては、40モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、15モル%が特に好ましい。構造単位Uの含有割合を上記範囲とすることでレジストパターンの密着性等を高めつつ、反射防止性等をより良好にバランスよく発揮させることができる。
[構造単位U
上記Rで表される保護されたアルコール性水酸基を有さない、非光吸収性の置換若しくは非置換の1価の脂肪族炭化水素基としては、上記Rで表される置換又は非置換の1価の炭化水素基として例示した1価の鎖状炭化水素基や1価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。これらの鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は置換基で置換されていてもよい。上記Rで表される基の炭素数としては、例えば1〜10とすることができ、脂環式炭化水素基の場合は、その炭素数は3〜10とすることができる。
上記Rとしては、鎖状炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4の鎖状炭化水素基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記式(1)中、構造単位Uにおいてcは0及び1が好ましく、0がより好ましい。
上記構造単位Uを与えるシランモノマーとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
[A]重合体における構造単位Uの含有割合(モル比率f)の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して20モル%が好ましく、40モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、70モル%が特に好ましい。一方、この上限としては、95モル%が好ましく、90モル%がより好ましく、85モル%がさらに好ましい。構造単位Uの含有割合を上記範囲とすることで、レジストパターンの密着性等を高めつつ、溶媒耐性やエッチング耐性などをより高めることができる。
[A]重合体は、上記構造単位U、構造単位U及び構造単位U以外の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、ヘキサメトキシジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ポリジメトキシメチルカルボシラン等の複数のケイ素原子を含むシランモノマーに由来する構造単位などを挙げることができる。[A]重合体がその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、3モルがさらに好ましく、1モル%が特に好ましい。即ち、式(1)中のd、e及びfの和(d+e+f)の下限は、0.8が好ましく、0.9がより好ましく、0.97がさらに好ましく、0.99が特に好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該膜形成材料の全固形分に対して、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましく、90質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、99質量%が好ましく、97質量%がより好ましい。当該膜形成材料の全固形分とは、[B]有機溶媒及び[E]水以外の成分の総和をいう。[A]重合体は、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
[A]重合体のサイズ排除クロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、1,300がより好ましく、1,500がさらに好ましい。上記Mwの上限としては、100,000が好ましく、30,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、4,000が特に好ましい。
本明細書における[A]重合体のMwは、例えば東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(検出器:示差屈折計)により測定した値である。
[A]重合体の製造方法は、上述した各構造単位に対応する加水分解性シランモノマーを加水分解縮合する方法により得ることができる。このシランモノマーの加水分解縮合は、従来公知の方法により行うことができる。
[A]重合体の合成の際、反応液中の溶媒における沸点100℃以下のアルコール系溶媒の含有率の上限としては、20質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。沸点100℃以下のアルコール系溶媒は、上記各シランモノマー等の加水分解縮合の際に生じる場合があり、反応液中の溶媒におけるこの含有率が、20質量%以下、好ましくは5質量%以下になるよう、蒸留等により除去することが好ましい。
<[B]有機溶媒>
[B]有機溶媒としては、[A]重合体(ポリシロキサン)及び任意成分を溶解又は分散させることができるものであれば用いることができる。
[B]有機溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒等が挙げられる。[B]有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばエチルエーテル、iso−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、エーテル系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、成膜性に優れるため、グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒がより好ましい。
グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、特に、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
[B]有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該膜形成材料における[B]有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、99質量%が好ましく、98質量%がより好ましい。
<[C]窒素含有化合物>
[C]窒素含有化合物は、窒素原子を有する化合物である。当該膜形成材料は、[C]窒素含有化合物を含有すると、上記効果を維持しつつ、レジストプロセスにおいて形成されるレジストパターンの形状をより向上させることができる。また、硬化を促進することができ、その結果、得られるシリコン含有膜の強度をより高めることができる。[C]窒素含有化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[C]窒素含有化合物としては、塩基性アミノ基を有する化合物、及び酸の作用又は熱の作用により塩基性アミノ基を生じる化合物が好ましい。
塩基性アミノ基を有する化合物、及び酸の作用又は熱の作用により塩基性アミノ基を生じる化合物としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類、ジ(シクロ)アルキルアミン類、トリ(シクロ)アルキルアミン類、置換アルキルアニリン又はその誘導体、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
上記アミド基含有化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシピロリジン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)ピペリジン等のN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−(N−ピペリジノ)−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらの中でも、アミド基含有化合物及び含窒素複素環化合物が好ましく、アミド基含有化合物がより好ましい。アミド基含有化合物としては、N−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物及びN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)基含有アミノ化合物が好ましく、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−カルボキシ−ピロリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン及びN−(9−アントリルメチルオキシカルボニル)ピペリジンがより好ましい。
当該膜形成材料が[C]窒素含有化合物を含有する場合、[C]窒素含有化合物の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、3質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
但し、上述のように、当該膜形成材料は、実質的に[C]窒素含有化合物を含有していなくてもよく、[C]窒素含有化合物の含有量の上限が[A]重合体100質量部に対して、5質量部であってもよく、1質量部であってもよく、0.1質量部であってもよい。
<[D]酸発生剤>
[D]酸発生剤は、紫外線等の放射線の照射及び/又は加熱により酸を発生する化合物である。当該膜形成材料は、[D]酸発生剤を含有すると、得られるシリコン含有膜の表面の親水化をさらに促進させることができる。[D]酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩、N−スルホニルオキシイミド化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類、ジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物などが挙げられる。
スルホニウム塩としては、特開2014−037386号公報の段落[0110]に記載のスルホニウム塩が挙げられ、より具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、特開2014−037386号公報の段落[0111]に記載のテトラヒドロチオフェニウム塩が挙げられ、より具体的には、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、特開2014−037386号公報の段落[0112]に記載のヨードニウム塩が挙げられ、より具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、特開2014−037386号公報の段落[0113]に記載のN−スルホニルオキシイミド化合物が挙げられ、より具体的には、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
また、[D]酸発生剤としては、スルホニウム塩である下記式(4−1)〜(4−7)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)〜(4−7)」ともいう)等も挙げられる。
Figure 0006741957
これらの[D]酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[D]酸発生剤としては、オニウム塩が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、化合物(4−1)〜(4−7)がさらに好ましく、化合物(4−1)が特に好ましい。
当該膜形成材料が[D]酸発生剤を含有する場合、[D]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部がよりさらに好ましい。
但し、上述のように、当該膜形成材料は、実質的に[D]酸発生剤を含有していなくてもよく、[D]酸発生剤の含有量の上限が[A]重合体100質量部に対して、5質量部であってもよく、1質量部であってもよく、0.1質量部であってもよい。
<[E]水>
当該膜形成材料は、必要に応じて、[E]水を含有していてもよい。当該膜形成材料は、[E]水をさらに含有することで、[A]重合体等が水和されるため、保存安定性が向上する。また、[E]水を含有することにより、成膜時の硬化が促進され、緻密なシリコン含有膜を得ることができる。
当該膜形成材料が[E]水を含有する場合、[E]水の含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.3質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましく、1質量%が特に好ましい。水の含有量が上記上限を超えると、保存安定性が悪化したり、塗布膜の均一性が悪くなったりする場合がある。
<その他の任意成分>
当該膜形成材料は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー等が挙げられる。当該膜形成材料がその他の任意成分を含有する場合、その含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
<レジストプロセス用膜形成材料の調製方法>
当該膜形成材料の調製方法は特に限定されず、例えば[A]重合体、[B]有機溶媒及び必要に応じて[C]窒素含有化合物、[D]酸発生剤、[E]水等を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより調製することができる。
当該膜形成材料の固形分濃度の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましく、3質量%が特に好ましい。当該膜形成材料の固形分濃度とは、膜形成材料を250℃で30分間焼成することで、膜形成材料中の固形分の質量を測定し、この固形分の質量を膜形成材料の質量で除することにより算出される値(質量%)である。
<用途及びシリコン含有膜>
当該膜形成材料から得られるシリコン含有膜は、レジスト膜(レジストパターン)等との密着性が高く、レジスト中間膜として使用した場合、この表面に良好な形状のレジストパターンを形成することができる。従って、当該膜形材料は、レジストプロセス、特に多層レジストプロセスにおけるレジスト中間膜形成材料として好適に用いることができる。また、多層レジストプロセスの中でも、90nmよりも微細な領域(ArF、液侵露光でのArF、F、EUV、ナノインプリント等)での多層レジストプロセスを用いたパターン形成において、特に好適に用いることができる。
上記シリコン含有膜は、上述の当該膜形成材料を、基板、有機下層膜等の他の下層膜の表面に塗布することにより塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理し、硬化させることにより形成することができる。
当該膜形成材料を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。加熱処理の温度としては、通常50℃以上450℃以下である。形成されるシリコン含有膜の平均厚みとしては、通常10nm以上200nm以下である。
なお、当該膜形成材料は、例えば反転プロセスを経て得られるパターン(反転パターン)の形成材料など、レジストプロセスにおけるレジスト中間膜の形成以外のレジストプロセス用途に用いることができる。
<パターン形成方法>
当該パターン形成方法は、シリコン含有膜形成工程と、レジスト膜形成工程と、露光工程と、現像工程とを備える。当該パターン形成方法は、シリコン含有膜形成工程の前に、有機下層膜形成工程を備えていてもよく、現像工程の後にエッチング工程を備えていてもよい。以下、各工程について説明する。
<有機下層膜形成工程>
本工程では基板の上記シリコン含有膜が形成される面側に有機下層膜を形成する。
上記基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜や、樹脂基板などが挙げられる。また、市販品として、AMAT社の「ブラックダイヤモンド」、ダウケミカル社の「シルク」、JSR社の「LKD5109」等の低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等の層間絶縁膜を使用することができる。この基板としては、配線講(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。
上記有機下層膜は、当該膜形成材料から形成されるシリコン含有膜とは異なるものである。有機下層膜は、レジストパターン形成において、シリコン含有膜及び/又はレジスト膜が有する機能をさらに補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば反射防止機能、塗布膜平坦性、CF等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性)が付与された膜のことである。
有機下層膜としては、例えば反射防止膜等が挙げられる。反射防止膜形成用の組成物としては、市販品として、例えばJSR社の「NFC HM8006」等が挙げられる。
有機下層膜は、有機下層膜形成用組成物をスピンコート法等により塗布して塗膜を形成した後、加熱することにより形成することができる。
<シリコン含有膜形成工程>
本工程では、上述の当該膜形成材料により、基板の少なくとも一方の面側に、シリコン含有膜を形成する。基板上に有機下層膜を形成した場合は、有機下層膜の基板とは反対の面に形成する。これにより、基板上にシリコン含有膜が形成されたシリコン含有膜付き基板を得ることができる。
シリコン含有膜の形成方法は特に限定されないが、例えば当該膜形成材料を基板上に、スピンコート法等の公知の方法により塗布して形成された塗膜を、露光及び/又は加熱することにより硬化して形成することができる。
露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。塗膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるシリコン含有膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
<レジスト膜形成工程>
本工程では、上記シリコン含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト膜を形成する。
上記レジスト膜の形成に用いられるレジスト組成物としては、酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生体(感放射線性酸発生剤)を含む感放射線性樹脂組成物(化学増幅型レジスト組成物)や、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光重合開始剤や光酸発生剤等の感光剤とを含有するネガ型レジスト組成物等を挙げることができるが、上記化学増幅型レジスト組成物が好ましい。上記化学増幅型レジスト組成物を用いた場合、アルカリ現像液で現像することでポジ型パターンを形成することができ、有機溶媒で現像することでネガ型パターンを形成することができる。レジストパターンの形成には、微細パターンを形成する手法であるダブルパターニング法、ダブルエクスポージャー法等を適宜用いてもよい。
レジスト組成物の固形分濃度は特に限定されないが、5質量%以上50質量%が好ましい。また、レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。本発明のパターン形成方法においては、このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
レジスト組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えばスピンコート法等の従来の方法によって塗布することができる。レジスト組成物を塗布する際には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように、塗布するレジスト組成物の量を調整する。
レジスト膜は、レジスト組成物を塗布することによって形成された塗膜をプレベークすることにより、塗膜中の溶媒を揮発させて形成することができる。プレベークの温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、プレベークの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。
<露光工程>
本工程では、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して上記レジスト膜を露光する。
上記露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用されている感放射線性酸発生体等の種類等に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択されるが、これらの中で、遠紫外線が好ましく、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、Krエキシマレーザー(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー(波長134nm)及び極紫外線(波長13nm等)がより好ましい。また、露光の方法についても特に限定されず、従来公知のパターン形成において行われる方法に準じて行うことができる。
<現像工程>
本工程では、上記露光されたレジスト膜の現像により、レジストパターンを形成する。
上記現像は、アルカリ現像でも、有機溶媒現像でもよいが、有機溶媒現像による場合、特に優れたレジストパターンの密着性等を発揮することができる。
アルカリ現像に用いられる現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、これらのアルカリ性水溶液は、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、界面活性剤等を適量添加したものであってもよい。
有機溶媒現像に用いられる現像液は、有機溶媒含有液である。この現像液としては、例えばケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒としては、例えば[B]有機溶媒として例示したそれぞれの溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独でも、複数混合して用いてもよく、また、水と混合して用いてもよい。
上記化学増幅型レジスト組成物から形成されたレジスト膜を有機溶媒現像する場合、露光部の極性が高まるため、この露光部がレジストパターンとなる。一方、当該膜形成用材料から形成されたシリコン含有膜の表面における露光部は、酸発生剤により生じた酸により親水性が高まっている。このため現像液である有機溶媒に対して、レジスト膜(レジストパターン)とシリコン含有膜との密着性が高く、パターン倒れ等を抑制することができる。
現像液で現像を行った後、洗浄し、乾燥することによって、フォトマスクに対応した所定のレジストパターンを形成することができる。
本工程において、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、現像を行う前に、ポストベークを行うことが好ましい。このポストベークの温度は、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、ポストベークの温度の下限としては、50℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。
<エッチング工程>
本工程では、上記レジストパターンをマスクとして、上記シリコン含有膜及び上記基板をドライエッチングする。
上記ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチ膜の元素組成にもよるが、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガス等が用いられ、これらのガスは混合して用いることもできる。ケイ素含有膜のドライエッチングには、通常、フッ素系ガスが用いられ、これに酸素系ガスと不活性ガスとを混合したものが好適に用いられる。
他のレジスト下層膜が形成された基板を用いた場合には、シリコン含有膜及び基板と共にこのレジスト下層膜もドライエッチングする。
当該パターン形成方法によれば、上記各工程を適宜行うことにより、所定のパターンを形成することができる。
<重合体>
本発明の一実施形態に係る重合体は、上記式(1)で表される構造を有する重合体である。当該重合体についての詳細は、「レジストプロセス用膜形成材料」の成分である[A]重合体として上述したとおりであり、ここでの説明を省略する。当該重合体は、レジスト膜との密着性に優れ、良好な形状のパターンを形成することができるレジストプロセス用膜形成材料の主成分などとして好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例における重合体溶液の固形分濃度及び重量平均分子量(Mw)の測定は下記の方法により行った。
[重合体溶液の固形分濃度]
重合体溶液0.5gを30分間250℃で焼成することで、重合体溶液0.5gに対する固形分の質量を測定し、重合体溶液の固形分濃度(質量%)を算出した。
[重量平均分子量(Mw)]
東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(検出器:示差屈折計)により測定した。
[膜の平均厚み]
膜の平均厚みは、分光エリプソメーター(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した。
<[A]重合体の合成>
[A]重合体(ポリシロキサン)の合成に用いたシランモノマーを以下に示す。
化合物(M−1)〜(M−16):下記式(M−1)〜(M−16)で表される化合物
なお、化合物(M−1)及び(M−2)は構造単位Uを与えるシランモノマーであり、化合物(M−3)は構造単位Uを与えるシランモノマーであり、化合物(M−4)〜(M−15)は構造単位Uを与えるシランモノマーである。
Figure 0006741957
[実施例1](重合体A−1の合成)
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド7.22gを水21.67gに加熱溶解させて、テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を調製した。その後、調製したテトラアンモニウムヒドロキシド水溶液及びメタノール40.89gを入れた反応容器に、冷却管と、シランモノマーを投入した滴下ロートをセットした。上記シランモノマーとしては、化学式(M−1)に示す化合物、化学式(M−2)に示す化合物、化学式(M−3)に示す化合物、及び化学式(M−4)に示す化合物をモル比率50/25/10/15(モル%)で用い、シランモノマーの合計質量は30.21gとした。次いで、反応容器をオイルバスにて60℃に加熱した後、上記調整したシランモノマーの混合液を10分間かけて滴下した。滴下開始を反応の開始時間とし、反応を60℃で4時間実施した。反応終了後、反応容器を10℃以下に冷却した。
その後、無水マレイン酸9.33gを、水34.25gに溶解させて調製した10℃以下のマレイン酸水溶液へ、上記反応容器内の反応液を滴下し、10℃以下で30分間攪拌した。次いで、1−ブチルアルコール143.58g及び水を添加して、分液ロート水による液液抽出を行い、ポリシロキサン系重合体(A−1)の1−ブタノール溶液を得た。酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル143.58gを添加し、エバポレーターを用いて、1−ブタノールを除去することで重合体(A−1)の酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。重合体(A−1)の酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は9.8質量%であった。また、重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は1,780であった。
[実施例13](重合体(A−13)の合成)
シュウ酸0.75gを水11.23gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。反応容器に、シランモノマー及びメタノール14.09gを投入した。上記シランモノマーとしては、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)及び化合物(M−10)をモル比率30/50/10/10(モル%)で用い、シランモノマーの合計質量は23.93gとした。上記反応容器に、冷却管及び上記調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、上記フラスコをオイルバスにて60℃に加熱した後、上記シュウ酸水溶液を10分間かけて滴下した。滴下開始を反応の開始時間とし、反応を60℃で4時間反応実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200.0gを上記反応容器に添加した後、エバポレーターを用いて、水及び生成したアルコール類を除去し、重合体(A−13)の酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。重合体(A−13)の酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は12.1質量%であった。また、重合体(A−13)のMwは1,850であった。
[実施例2〜12、比較例1](重合体(A−2)〜(A−12)、及び重合体(a−1)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の各シランモノマーを用いた以外は、実施例1と同様の手法にて、重合体(A−2)〜(A−12)及び重合体(a−1)を合成した。得られた重合体溶液の固形分濃度(質量%)と、[A]重合体のMwとを表1にあわせて示す。
[実施例14、比較例2](重合体(A−14)及び重合体(a−2)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の各シランモノマーを用いた以外は、実施例13と同様の手法にて、重合体(A−14)及び重合体(a−2)を合成した。得られた重合体溶液の固形分濃度(質量%)と、[A]重合体のMwとを表1にあわせて示す。
Figure 0006741957
[レジストプロセス用膜形成材料の調製]
レジストプロセス用膜形成材料の調製に用いた[A]重合体以外の成分を以下に示す。
[[B]有機溶媒]
B−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
[[C]窒素含有化合物]
C−1:N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
構造式を以下に示す。
Figure 0006741957
[[D]酸発生剤]
D−1:4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロベンゼン−1−スルホネート
構造式を以下に示す。
Figure 0006741957
[実施例15]
[A]重合体(固形分)としての(A−1)2.0質量部、[B]有機溶媒としての(B−1)97.4質量部([A]重合体の溶液に含まれる溶媒(B−1)も含む)、[D]酸発生剤としての(D−1)0.1質量部、及び[E]水0.5質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、レジストプロセス用膜形成材料(J−1)を得た。
[実施例16〜28及び比較例3〜4]
下記表2に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例15と同じ要領にて、レジストプロセス用膜形成材料(J−2)〜(J−14)及び(j−1)〜(j−2)を調製した。
Figure 0006741957
<シリコン含有膜の形成>
シリコンウェハー上に、上記得られたプロセス用膜形成材料を、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を用い、スピンコート法により塗布した。得られた塗膜に対し、220℃のホットプレートで60秒間加熱処理した後、23℃で60秒間冷却することにより、表2の実施例15〜28並びに比較例3及び4に示す平均厚み30nmのシリコン含有膜が形成された基板を得た。
<評価>
上記形成されたシリコン含有膜について、以下に示す方法で下記項目の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
[基板反射率]
上記形成されたシリコン含有膜、下層膜形成用組成物(JSR社の「NFC HM8006」)及びレジスト材料(JSR社の「ARF AR2772JN」)のそれぞれの屈折率パラメーター(n)及び消衰係数(k)を高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社の「M−2000D」)により測定し、この測定値を元にシュミレーションソフト(KLA−Tencor社の「プロリス」)を用いて、NA1.3、Dipoleの条件下におけるレジスト材料/シリコン含有膜/下層膜形成用組成物を積層させた膜の基板反射率を求めた。基板反射率は、1%以下の場合は「A」と、1%を超える場合は「B」と評価した。
[溶媒耐性]
上記得られたシリコン含有膜が形成された基板を、シクロヘキサノンに、室温で10秒間浸漬した。シリコン含有膜の浸漬前後の平均厚みを、分光エリプソメーターを用いて測定した。浸漬前の平均厚みをTと、浸漬後の平均厚みをTとした場合、溶媒浸漬による膜厚変化率(%)を下記式により求めた。
膜厚変化率(%)=│T−T│×100/T
溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「A」(良好)、1%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
[最小倒壊前寸法及びパターン形状]
最小倒壊前寸法及びパターン形状は、以下に示すリソグラフィー評価を行うことにより評価した。
(リソグラフィー評価、有機溶媒現像)
12インチシリコンウェハ上に、反射防止膜形成材料(JSR社の「HM8006」)をスピンコートした後、250℃で60秒間加熱処理を行うことにより平均厚み100nmの反射防止膜を形成した。この反射防止膜上に、上記得られたレジストプロセス用膜形成材料を、上記スピンコーターを使用してスピンコートし、220℃で60秒間加熱処理した後、23℃で60秒間冷却することにより平均厚み30nmのシリコン含有膜を形成した。次いで、レジスト材料(JSR社の「ARF AR2772JN」)をこのシリコン含有膜上にスピンコートし、90℃で60秒間加熱処理した後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み100nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置(NIKON社の「S610C」)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、40nmライン/80nmピッチ形成用のマスクサイズのマスクを介して露光した。「Lithius Pro−i」のホットプレート上で、100℃で60秒間PEBを行い、23℃で30秒間冷却した後、酢酸ブチルを現像液として30秒間パドル現像し、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)でリンスした。2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmライン/80nmピッチのレジストパターンが形成された評価用基板を得た。
(最小倒壊前寸法及びパターン形状の評価)
最小倒壊前寸法及びパターン形状は、以下のようにして測定した。評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いた。
上記評価用基板を得た際に、ラインの線幅が42nmであり、隣り合うライン間の距離(スペース)が84nm(ライン・アンド・スペースが1対2)であるレジストパターンを形成した露光量(mJ/cm)を最適露光量とし、この最適露光量よりも段階的に露光量を大きくして順次露光を行った。このとき、得られるパターンの線幅は次第に細くなるため、ある露光量に対応する線幅で最終的にレジストパターンの倒壊が観察される。レジストパターンの倒壊が確認されない最大の露光量に対応する線幅を最小倒壊前寸法(nm)と定義してパターン倒れ耐性の指標とした。最小倒壊前寸法は、30nm以下の場合は「A」(良好)と、30nmを超え40nm以下の場合は「B」(やや良好)と、40nmを超える場合又はパターン倒れにより評価不可能の場合は「C」(不良)と評価した。パターン形状はレジストパターンのボトムに裾引きがない場合は「A」、パターン倒れ又は裾引きが確認できる場合は「B」、パターン倒れ又は裾引きが多数箇所確認できる場合は「C」と評価した。
[酸素エッチング耐性]
上記形成したシリコン含有膜を、ドライエッチンッグ装置(東京エレクトロン社の「Telius SCCM」)を用いて、100Wで120秒間O処理し、処理前後の膜厚の差を測定した。酸素エッチング耐性は、処理前後の膜厚の差が10nm未満の場合は「A」(良好)と、10nm以上15nm以下の場合は「B」(やや良好)と、15nmを超える場合は「C」(不良)と評価した。
Figure 0006741957
表3の結果から、実施例の膜形成材料によれば、レジスト組成物の溶媒に対する耐性に優れ、反射防止性に優れ、エッチング耐性を有し、レジストパターンの形状が良好で倒れが少ないシリコン含有膜を形成できることが分かる。
本発明に係るレジストプロセス用膜形成材料は、レジストプロセスにおけるレジスト中間膜、レジスト下層膜等の各種シリコン含有膜の形成材料として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生体を含む感放射線性樹脂組成物によりレジスト中間膜としてのシリコン含有膜の表面に直接形成されたレジスト膜を、有機溶媒含有液により現像する工程を備えるネガ型レジストプロセスにおける、上記シリコン含有膜の形成に用いられるレジストプロセス用膜形成材料であって、
    保護された2つ以上のアルコール性水酸基を有するシランモノマーに由来する構造単位を有する重合体、及び有機溶媒を含有し、
    上記重合体が、下記式(1)で表される構造を有するレジストプロセス用膜形成材料。
    Figure 0006741957
    (式(1)中、
    は、下記式(2)で表される保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、又は下記式(3)で表される保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である。
    は、下記式(2)で表される保護された2つ以上のアルコール性水酸基を含む1価の有機基、下記式(3)で表される保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基、水素原子、ヒドロキシ基、又は保護されたアルコール性水酸基を有さない置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。aは、0又は1である。但し、R が下記式(3)で表される保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である場合は、aは1であり且つR は下記式(3)で表される保護された1つのアルコール性水酸基を含む1価の有機基である。
    は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、光吸収性基を有する1価の有機基である。
    は、水素原子、ヒドロキシ基、保護されたアルコール性水酸基を有さない置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。bは、0又は1である。
    は、保護されたアルコール性水酸基を有さない、非光吸収性の置換若しくは非置換の1価の脂肪族炭化水素基である。cは、0〜2の整数である。cが2の場合、複数のR は、同一でも異なっていてもよい。
    dは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位U のモル比率を表す。
    eは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位U のモル比率を表す。
    fは、上記重合体を構成する全構造単位に対する構造単位U のモル比率を表す。
    d、e及びfは、それぞれ0<d<1、0<e<1及び0≦f<1を満たし、かつd+e+f≦1である。)
    Figure 0006741957
    (式(2)中、
    は、炭素数1〜20の3価の有機基である。上記3価の有機基は、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の3価の炭化水素基、又はこの炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基である。
    は、それぞれ独立して、単結合、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
    は、それぞれ独立して1価の保護基αであるか、2つのY が互いに結合して2価の保護基を形成していてもよい。上記1価の保護基αは、R a1 −、R a1 −CO−、R a1 −O−C(R b1 −又はR a1 −O−CO−(R a1 は、炭素数3〜10の第二級若しくは第三級のアルキル基又はシクロアルキル基である。2つのR b1 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R b1 は、R a1 と結合して環構造の一部を形成していてもよい。)で表される基である。上記2価の保護基は、2価の炭化水素基又は下記式(4)で表される基である。
    *は、結合部位を示す。)
    Figure 0006741957
    (式(3)中、
    は、炭素数1〜20の2価の有機基である。上記2価の有機基は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又はこの炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基である。
    は、1価の保護基βである。上記1価の保護基βは、R a2 −、R a2 −CO−、R a2 −O−C(R b2 −又はR a2 −O−CO−(R a2 は、炭素数3〜10の第二級若しくは第三級のアルキル基又はシクロアルキル基である。2つのR b2 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R b2 は、R a2 と結合して環構造の一部を形成していてもよい。)で表される基である。
    *は、結合部位を示す。)
    Figure 0006741957
    (式(4)中、nは、0〜4の整数である。R は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。2つのR は、互いに結合して、これらが結合する炭素鎖と共に炭素数4〜12の炭素環構造を形成していてもよい。*は、結合位置を示す。)
  2. 上記式(1)におけるfが、0<f<1を満たす請求項に記載のレジストプロセス用膜形成材料。
  3. 上記Xが、置換又は非置換の炭素数1〜20の3価の脂肪族炭化水素基である請求項1又は請求項2に記載のレジストプロセス用膜形成材料。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のレジストプロセス用膜形成材料により、基板の少なくとも一方の面側に、シリコン含有膜を形成する工程と、
    酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生体を含む感放射線性樹脂組成物により、上記シリコン含有膜の上記基板とは反対の面側に、レジスト膜を形成する工程と、
    上記レジスト膜を露光する工程と、
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
    を備え
    上記レジスト膜の現像を有機溶媒含有液により行うパターン形成方法。
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