以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、複数の類似の部材(部位)が存在する場合には、総称の符号に記号を追加し個別または特定の部位を示す場合がある。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
また、断面図および平面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく表示する場合がある。また、断面図と平面図が対応する場合においても、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく表示する場合がある。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置について詳細に説明する。
[構造説明]
図1は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図1等に示す本実施の形態の半導体装置(半導体素子)は、窒化物半導体を用いたMIS(Metal Insulator Semiconductor)型の電界効果トランジスタ(FET;Field Effect Transistor)である。この半導体装置は、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)型のパワートランジスタとして用いることができる。
本実施の形態の半導体装置においては、基板S上に、チャネル層(電子走行層ともいう)CHおよび障壁層BAが順に形成されている。チャネル層CHは、窒化物半導体層からなる。障壁層BAは、チャネル層CHよりも電子親和力が小さい窒化物半導体層からなる。
本実施の形態のMISFETは、障壁層BAの上方に、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの両側の障壁層BA上に形成されたソース電極SEおよびドレイン電極DEとを有している。このMISFETは、後述するように、素子分離領域(ISO)で区画された活性領域(AC)に形成されている(図2参照)。
ここで、本実施の形態においては、ゲート電極GEとソース電極SEとの間に位置する障壁層BA上には、窒化シリコン膜SNが形成されている。また、ゲート電極GEとドレイン電極DEとの間に位置する障壁層BA上には、窒化シリコン膜SNが形成されている。
また、本実施の形態においては、窒化シリコン膜SNと障壁層BAとの接触領域の下方において、チャネル層CHと障壁層BAとの界面近傍のチャネル層CH側に、2次元電子ガス2DEGが生成される。そして、この窒化シリコン膜SNは、ゲート絶縁膜GIとゲート電極GEとの間にも延在している。
また、ゲート電極GEに正の電位(閾値電位)が印加された場合には、ゲート電極GE(ゲート絶縁膜GI)の下方においては、チャネル層CHと障壁層BAとの界面近傍のチャネル層CH側に、チャネルが生成される。
このように、本実施の形態の半導体装置においては、ゲート電極GEに正の電位(閾値電位)が印加されていない状態において、ゲート電極GE(ゲート絶縁膜GI)の下方においては、2次元電子ガス2DEGが形成されないため、オフ状態を維持できる。また、ゲート電極GEに正の電位(閾値電位)を印加した状態においては、生成したチャネルを介して2次元電子ガス2DEGが接続されるため、オン状態を維持できる。このように、ノーマリオフ動作を行うことができる。なお、オン状態およびオフ状態において、ソース電極SEの電位は、例えば、接地電位である。
ここで、本実施の形態において、障壁層BAは、チャネル層CHよりも電子親和力が小さい窒化物半導体層からなるが、これらの半導体層を単に接触させただけでは、これらの層の接合面(ヘテロ界面)に形成される2次元電子ガス(2DEG)の濃度が低く、電気的導通を図ることができない。
一般的に、窒化物半導体層からなるチャネル層CHと、チャネル層CHよりも電子親和力が小さい窒化物半導体層からなる障壁層BAとを接触させると、これらの半導体層の接合面に、井戸型ポテンシャルが生成される。この井戸型ポテンシャル内に電子が蓄積されることにより、チャネル層CHと障壁層BAとの界面近傍に、2次元電子ガス(2DEG)が生成される。
しかしながら、本実施の形態においては、障壁層BAの膜厚が薄く、これらの半導体層の接合面に形成される2次元電子ガス(2DEG)の濃度が低い。また、障壁層BAおよびチャネル層CHとして、ノンドープのエピタキシャル層を用いることで、これらの積層膜が高抵抗となり、ソース電極SEとドレイン電極DEとの間の電気的導通を阻害することができる。低濃度の2次元電子ガス(2DEG)しか生じていない接合面のシート抵抗(ソース電極SEとドレイン電極DEとの間の抵抗)は、10MΩ/sq.以上、より好ましくは、10GΩ/sq.以上である。シート抵抗は、4探針法により積層部を流れる電流とその際生じる電位差を測定することにより求めることができる。なお、シート抵抗(ソース電極SEとドレイン電極DEとの間の抵抗)が上記範囲で調整可能な場合は、障壁層BAおよびチャネル層CHに、不純物が導入されていてもよい。また、このようなシート抵抗を実現するためには、例えば、障壁層BAの膜厚を、薄くする。好ましい膜厚は障壁層BAのAl組成によって異なり、例えば、Al組成15%〜20%の障壁層BAを用いた場合、その膜厚を9nm以下、より好ましくは5nm以下とする。また、Al組成20%〜30%の障壁層BAを用いた場合、その膜厚を5nm以下、より好ましくは3nm以下とする。この例は、バッファ層としてGaNを用いた場合であり、AlGaNを用いた場合は、バッファ層のAl組成と障壁層のAl組成の差分を先に述べた組成範囲と読み替える。例えば、バッファ層のAl組成が4%、障壁層のAl組成が20%の場合、差分の16%を、上記Al組成とみなす。即ち、バッファ層としてGaNを用いた場合は、バッファ層(GaN)のAl組成が0%の場合に相当する。
一方、本実施の形態においては、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間に位置する障壁層BA上には、窒化シリコン膜SNが形成されている。この窒化シリコン膜SNにより、障壁層BAの表面ポテンシャルが下がり、2次元電子ガス(2DEG)が形成される。言い換えれば、2次元電子ガス(2DEG)の濃度が高くなる。
このように、窒化シリコン膜SNの形成領域にのみ、選択的に2次元電子ガス(2DEG)を形成することにより、ノーマリオフ化を実現することができる。
次いで、本実施の形態の半導体装置の詳細な構成について、図1を参照しながら説明する。
基板Sとしては、例えば、シリコン(Si)からなる半導体基板を用いることができる。基板Sとしては、上記シリコンの他、GaNなどの窒化物半導体からなる基板を用いてもよく、AlN、SiCやサファイアなどからなる基板を用いてもよい。
チャネル層CHとしては、例えば、GaN層を用いることができる。このチャネル層CH中には、意図的な不純物のドープは行われていない。また、GaN層の厚さは、例えば、80nm程度である。チャネル層CHの材料としては、GaNの他、AlN、InNなどを用いることができる。また、これらの窒化物半導体の混晶を用いてもよい。なお、本実施の形態においては、ノンドープのチャネル層CHを用いたが、用途に応じて適宜不純物をドープしてもよい。ドープ不純物としては、n型不純物やp型不純物を用いることができる。n型不純物としては、例えば、Si、S、Seなどが挙げられ、p型不純物としては、例えば、Be、C、Mgなどが挙げられる。
障壁層BAとしては、例えば、AlGaN層を用いることができる。また、AlGaN層の厚さは、例えば、5nm程度である。AlGaN層の組成は、例えば、Al0.2Ga0.8Nである。障壁層BAの材料としては、AlGaN層の他、InAlN層などを用いることができる。なお、障壁層BAとしては、ノンドープの層を用いてもよく、用途に応じて適宜不純物をドープしてもよい。ドープ不純物としては、n型不純物やp型不純物を用いることができる。n型不純物としては、例えば、Si、S、Seなどが挙げられ、p型不純物としては、例えば、Be、C、Mgなどが挙げられる。
また、前述したとおり、障壁層BAとしては、チャネル層CHよりも電子親和力が小さい窒化物半導体を用いる必要がある。但し、これらの半導体層を単に接触させただけでは、これらの層の接合面(ヘテロ界面)に形成される2次元電子ガス(2DEG)の濃度は低い。
窒化シリコン膜の厚さは、例えば、100nm程度である。なお、窒化シリコン膜(SiN)の他、酸窒化シリコン膜(SiON)を用いてもよい。
ゲート絶縁膜GIとしては、酸化アルミニウム(Al2O3)膜を用いることができる。酸化アルミニウム膜の厚さは、例えば、50nm程度である。ゲート絶縁膜GIとしては、酸化アルミニウム膜以外の絶縁膜を用いてもよい。例えば、ゲート絶縁膜GIとして、酸化アルミニウム膜の他、酸化シリコン(SiO2)膜や、酸化ハフニウム(HfO2)膜などを用いてもよい。
ゲート電極GEとしては、窒化チタン(TiN)膜を用いることができる。窒化チタン膜の厚さは、例えば、200nm程度である。ゲート電極GEとしては、窒化チタン膜以外の導電性膜を用いてもよい。例えば、ホウ素(B)やリン(P)などの不純物をドープした多結晶シリコン膜を用いてもよい。また、Ti、Al、Ni、Auなどからなる金属を用いてもよい。また、Ti、Al、Ni、Auなどからなる金属とSiとの化合物膜(金属シリサイド膜)を用いてもよい。また、Al、Ni、Auなどからなる金属膜の窒化物を用いてもよい。
ソース電極SEおよびドレイン電極DEとしては、TiN膜とその上のAl膜との積層膜を用いることができる。TiN膜の厚さは、例えば、50nm程度、Al膜の厚さは、例えば、1000nm程度である。ソース電極SEおよびドレイン電極DEの材料としては、障壁層BAとオーミック接触する材料であればよい。ソース電極SEおよびドレイン電極DEを構成する材料としては、Ti、Al、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)などからなる金属膜を用いてもよい。
ゲート電極GE、ソース電極SEおよびドレイン電極DE上には、絶縁膜(層間絶縁膜)ILが配置されている。この絶縁膜ILとしては、例えば、酸化シリコン膜を用いることができる。酸化シリコン膜の厚さは、例えば、2000nm程度である。また、酸化シリコン膜以外の絶縁膜を用いてもよい。また、数種類の絶縁膜の積層構造としてもよい。この絶縁膜中には、コンタクトホールが形成され、絶縁膜IL上には、コンタクトホールの内部に埋め込まれたプラグPGと電気的に接続される配線M1が形成される。さらに、この配線M1上には、保護膜PROが形成される。保護膜としては、酸窒化シリコン(SiON)膜などの絶縁膜を用いることができる。
図2は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。例えば、図1に示すゲート電極GE、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、図2のA−A断面部に対応する。
上記ゲート電極GE、ソース電極SEおよびドレイン電極DEのレイアウトに制限はないが、これらの電極は、例えば、図2のように配置される。ソース電極SEとドレイン電極DEは、例えば、Y方向に延在するライン状である。言い換えれば、Y方向に長辺を有する矩形状(四角形状)である。ソース電極SEとドレイン電極DEは、交互にX方向に並んで配置される。そして、ソース電極SEとドレイン電極DEとの間にゲート電極GEが配置される。例えば、複数のゲート電極GEの一方の端部(図中上側)は、X方向に延在するゲート線GLに接続される。また、複数のゲート電極GEの一方の端部(図中下側)は、X方向に延在するゲート線GLに接続される。なお、2本のゲート線GLのうち、いずれかを省略し、ゲート電極GEおよびゲート線GLの総形状を櫛歯状としてもよい。また、複数のソース電極SEは、プラグ(接続部)PGを介してX方向に延在するソース線SLと接続されている。また、複数のドレイン電極DEは、プラグ(接続部)PGを介してX方向に延在するドレイン線DLと接続されている。ここで、上記ソース電極SE、ドレイン電極DEおよびゲート電極GEは、主として、素子分離領域ISOで囲まれた活性領域AC上に配置されている。活性領域ACの平面形状は、X方向に長辺を有する矩形状である。この活性領域ACは、素子分離領域ISOで囲まれ区画されている。
[製法説明]
次いで、図3〜図11を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。図3〜図11は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図3に示すように、基板S上に、チャネル層CHを形成する。基板Sとして、例えば、(111)面が露出しているシリコン(Si)からなる半導体基板を用い、その上部に、チャネル層CHとして、窒化ガリウム層(GaN層)を、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などを用いてヘテロエピタキシャル成長させる。この際、意図的な不純物のドープを行わずに成長させる。このチャネル層CHの膜厚は、例えば、80nm程度である。
なお、基板Sとしては、上記シリコンの他、SiCやサファイアなどからなる基板を用いてもよい。さらに通常、基板S上に形成される窒化物半導体層(III−V族の化合物半導体層)は、すべてIII族元素面成長(即ち、本件の場合、ガリウム面成長あるいはアルミ面成長)で形成する。
なお、基板Sとチャネル層CHとの間に、核生成層、歪み緩和層およびバッファ層などを設けてもよい。これらの層は、例えば、以下のように形成する。例えば、基板S上に、核生成層として、例えば、窒化アルミニウム(AlN)層を、有機金属気相成長法などを用いて、ヘテロエピタキシャル成長させる。次いで、核生成層上に、歪み緩和層として、窒化ガリウム(GaN)層と窒化アルミニウム(AlN)層との積層膜(AlN/GaN膜)を、繰り返し積層した超格子構造体を形成する。例えば、20nm程度の膜厚の窒化ガリウム(GaN)層と、5nm程度の膜厚の窒化アルミニウム(AlN)層とを、交互に有機金属気相成長法などを用いてヘテロエピタキシャル成長させる。例えば、上記積層膜を40層形成する。次いで、歪み緩和層上に、バッファ層として、例えば、AlGaN層を、有機金属気相成長法などを用いてヘテロエピタキシャル成長させてもよい。
核生成層は、その上に形成される層が成長する際の結晶核を生成させるために形成する。また、上部に形成される層から基板Sに、上部に形成される層の構成元素(例えば、Gaなど)が拡散して、基板Sが変質することを防ぐために形成する。また、歪み緩和層は、基板Sに対する応力を緩和して、基板Sに反りやクラックが発生することを抑制するために形成する。また、バッファ層は、チャネルの直下に負の分極電荷を発生させ、コンダクションバンドを持ち上げるために形成する。これにより、閾値を上昇させることができる。
次いで、チャネル層CH上に、障壁層BAとして、例えば、AlGaN層を、有機金属気相成長法などを用いて、5nm程度の膜厚でヘテロエピタキシャル成長させる。例えば、Alの組成比を0.2と、Gaの組成比を、0.8とし、Al0.2Ga0.8N層を形成する。前述したバッファ層のAlGaN層を用いる場合、障壁層BAのAlGaN層のAlの組成比を、バッファ層のAlGaN層のAlの組成比より大きくする。
このようにして、チャネル層CHおよび障壁層BAの積層体(積層部ともいう)が形成される。この積層体の形成時においては、前述したように、チャネル層CHと障壁層BAとの界面近傍には、低濃度の2次元電子ガス(2DEG)しか生成されない。この時点のチャネル層CHと障壁層BAの積層体のシート抵抗をR1とする。このシート抵抗R1は、10MΩ/sq.以上である。
次いで、図4に示すように、素子分離領域ISOを形成する。例えば、障壁層BA上に、素子分離領域に開口部を有するフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、このフォトレジスト膜をマスクとして、窒素イオンを打ち込むことにより、素子分離領域ISOを形成する。このように、窒素(N)やホウ素(B)などのイオン種が打ち込まれることにより、結晶状態が変化し、高抵抗化する。
例えば、窒素イオンを、チャネル層CHおよび障壁層BAからなる積層体中に、5×1014(5E14)cm−2程度の密度で打ち込む。打ち込みエネルギーは、例えば、120keV程度である。なお、打ち込みの深さ、即ち、素子分離領域ISOの底部は、チャネル層CHの底面より下に位置するように、窒素イオンの打ち込み条件を調整する。この素子分離領域ISOで囲まれた領域が活性領域ACとなる(図2参照)。図2に示すように、活性領域ACは、例えば、X方向に長辺を有する略矩形状である。この後、フォトレジスト膜を除去する。
次いで、図5に示すように、障壁層BA上にゲート絶縁膜GIを形成する。例えば、障壁層BA上に、ゲート絶縁膜GIとして、酸化アルミニウム膜をALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いて50nm程度の膜厚で堆積する。
ゲート絶縁膜GIとして、酸化アルミニウム膜の他、酸化シリコン膜や、酸化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜を用いてもよい。高誘電率膜として、HfO2膜(酸化ハフニウム膜)、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)、HfAlO膜のようなハフニウム系絶縁膜を用いてもよい。
次いで、図6に示すように、酸化アルミニウムをエッチングすることにより、ゲート電極形成領域にのみ、ゲート絶縁膜(酸化アルミニウム)GIを残存させる。
例えば、ゲート絶縁膜GI上に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、露光・現像することにより、ゲート電極形成領域にのみフォトレジスト膜を残存させ、このフォトレジスト膜をマスクとして、ゲート絶縁膜(酸化アルミニウム)GIをエッチングする。なお、このフォトレジスト膜の形成から除去までの工程を“パターニング”という。
このエッチングの際、例えば、ゲート絶縁膜GIを、紙面に垂直な方向(図2のY方向)に延在するライン状にパターニングする。ラインの幅は、例えば、WGIである。これにより、ライン状のゲート絶縁膜GIの両側に、障壁層BAが露出する。
次いで、図7および図8に示すように、ライン状のゲート絶縁膜GIの両側の障壁層BA上に、ソース電極SEおよびドレイン電極DEを形成する。このソース電極SEおよびドレイン電極DEは、例えば、リフトオフ法を用いて形成することができる。図7に示すように、ゲート絶縁膜GIおよび障壁層BA上にフォトレジスト膜PR1を形成し、露光・現像することにより、ソース電極SEおよびドレイン電極DEの形成領域上のフォトレジスト膜PR1を除去する。なお、ソース電極SEおよびドレイン電極DEをパターニングにより形成してもよい。
次いで、フォトレジスト膜PR1上を含む障壁層BA上に、金属膜MF1を形成する。これにより、ソース電極SEおよびドレイン電極DEの形成領域においては、障壁層BA上に、直接、金属膜MF1が形成される。一方、その他の領域では、フォトレジスト膜PR1上に金属膜MF1が形成される。
金属膜MF1は、例えば、チタン(Ti)膜と、チタン膜上に形成されたアルミニウム(Al)膜との積層膜により構成される(Ti/Al)。金属膜MF1を構成する各膜は、例えば、真空蒸着法を用いて形成することができる。
次いで、フォトレジスト膜PR1を除去する。この際、フォトレジスト膜PR1上に形成されている金属膜MF1もフォトレジスト膜PR1とともに除去され、障壁層BA上に直接接触するように形成されている金属膜MF1(ソース電極SEおよびドレイン電極DE)だけが残存する(図8)。次いで、基板Sに、熱処理(アロイ処理)を施す。例えば、650℃、30秒程度の熱処理を施す。この熱処理により、ソース電極SEと、障壁層BAとのオーミック接触を図ることができる。同様に、ドレイン電極DEと障壁層BAとのオーミック接触を図ることができる。このように、オーミック接続したソース電極SEおよびドレイン電極DEの形成領域においては、基板S(障壁層BA)の表面ポテンシャルが下がり、2次元電子ガス2DEGが形成される。言い換えれば、2次元電子ガス2DEGの濃度が高くなる。この時点のチャネル層CHと障壁層BAの積層体のシート抵抗をR2とする。このシート抵抗R2は、10kΩ/sq.以下である。
次いで、図9に示すように、ソース電極SE、ドレイン電極DEおよびゲート絶縁膜GI上を含む障壁層BA上に、窒化シリコン膜SNを形成する。例えば、窒化シリコン膜をCVD法などを用いて100nm程度堆積する。
これにより、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間に位置する障壁層BAとが窒化シリコン膜SNで覆われる。このように、窒化シリコン膜SNで覆われた障壁層BAにおいては、障壁層BAの表面ポテンシャルが下がり、2次元電子ガス2DEGが形成される。言い換えれば、2次元電子ガス2DEGの濃度が高くなる。
即ち、図9に示すように、ゲート絶縁膜GIの形成領域以外の活性領域(AC)の障壁層BAとチャネル層CHとの境界に、2次元電子ガス2DEGが形成される。
次いで、図10に示すように、ゲート絶縁膜GI上に窒化シリコン膜SNを介してゲート電極GEを形成する。例えば、窒化シリコン膜SN上に、導電性膜として、例えば、TiN(窒化チタン)膜を、スパッタリング法などを用いて200nm程度の膜厚で堆積する。次いで、フォトリソグラフィ技術を用いて、ゲート電極形成領域にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、このフォトレジスト膜をマスクとして、TiN膜をエッチングすることによりゲート電極GEを形成する。ゲート電極GEの幅は、例えば、WGEである。このゲート電極GEの幅WGEは、ゲート絶縁膜GIの幅WGIより大きい(WGE>WGI)。
次いで、図11に示すように、ゲート電極GEおよび窒化シリコン膜SN上に、絶縁膜ILとして、例えば、酸化シリコン膜をCVD法などを用いて2000nm程度堆積する。次いで、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁膜ILおよび窒化シリコン膜SN中に、コンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、ソース電極形成領域およびドレイン電極形成領域にそれぞれ形成される。
例えば、絶縁膜IL上に、ソース電極接続領域およびドレイン電極接続領域にそれぞれ開口部を有するフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、このフォトレジスト膜をマスクとして、絶縁膜ILおよび窒化シリコン膜SNをエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する。
次いで、ゲート電極GEの両側のソース電極SEおよびドレイン電極DE上にそれぞれ、プラグ(接続部)PGおよび配線M1を形成する。例えば、コンタクトホール内を含む絶縁膜IL上に導電性膜を形成する。例えば、導電性膜をスパッタリング法などを用いて形成し、この導電性膜をパターニングする。これにより、コンタクトホールに導電性膜が埋め込まれたプラグ(接続部)PGが形成され、また、プラグPG上に配線M1が形成される。配線M1は、例えば、前述したソース線SLやドレイン線DLを含むものである。
この後、絶縁膜IL上に、保護膜(絶縁膜、カバー膜、表面保護膜ともいう)を形成する。例えば、絶縁膜IL上に、保護膜(図示せず)として、例えば、酸窒化シリコン(SiON)膜を、CVD法などを用いて堆積する(図1参照)。
以上の工程により、本実施の形態の半導体装置を形成することができる。なお、上記工程は、一例であり、上記工程以外の工程により、本実施の形態の半導体装置を製造してもよい。
このように、本実施の形態によれば、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間に位置する障壁層BA上に、窒化シリコン膜SNを形成したので、この窒化シリコン膜SNにより、障壁層BAの表面ポテンシャルが下がり、2次元電子ガス(2DEG)が形成される。一方、ゲート絶縁膜GIの下方においては、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間より2次元電子ガス(2DEG)の濃度が低くなっている。これにより、ゲート絶縁膜GIの下方においては、チャネルの形成の有無、即ち、ゲート電極GEに印加される電位により、導通、非導通の制御を行うことができる。また、導通状態においては、2次元電子ガス(2DEG)により、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間の低抵抗化を図ることができる。このように、ノーマリオフ動作が可能となる。また、ゲート電極をいわゆるMIS構造とすることでオフ時のゲートリークを抑制することができる。また、ゲート絶縁膜の膜厚の制御により容易に動作電圧を調整(設計)することができる。
例えば、トレンチゲート構造を採用することによりノーマリオフ動作を可能とすることができる。このような半導体装置は、障壁層を貫通し、チャネル層の途中まで掘り込まれた溝(トレンチ、リセスともいう)の内部にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極を有する。この場合、溝により2次元電子ガス(2DEG)が切断されるため、ノーマリオフ動作が可能となる。
しかしながら、トレンチゲート構造の半導体装置では、障壁層およびチャネル層の積層膜をエッチングすることにより溝を形成する。このような場合、エッチング処理により、MIS構造部の界面に正の固定電荷が発生しやすく、閾値電位が低下する場合がある。これに対し、本実施の形態においては、溝を形成する必要がないため、溝の形成時のエッチングダメージを回避することができ、閾値電位の調整(設計)が容易となる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、ゲート絶縁膜GIの側面(側壁)がテーパー形状となっている。
図12(a)は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図であり、(b)は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図12(a)に示すように、ゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状としてもよい。別の言い方をすれば、ゲート絶縁膜GIの断面形状を下辺が長い台形状としてもよい。なお、ゲート絶縁膜GIの側面の形状以外は、実施の形態1(図1)の半導体装置の場合と同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した効果に加え、短チャネル効果を抑制することができる。即ち、ゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状とすることで、ゲート絶縁膜GIの側面において、ゲート長とゲート電極とチャネルとの距離の比(アスペクト比)を小さくでき、短チャネル効果を抑制することができる。
次いで、本実施の形態の半導体装置の製造工程について説明する。本実施の形態の半導体装置の製造工程について、ゲート絶縁膜GIの形成工程以外は、実施の形態1(図1)の半導体装置の製造工程と同様であるため、その説明を省略する。
図12(b)に示すように、障壁層BA上に、酸化アルミニウム膜をALD法などを用いて50nm程度の膜厚で堆積した後、酸化アルミニウム膜上に、フォトレジスト膜PR21を形成し、露光・現像することにより、ゲート電極形成領域にのみフォトレジスト膜PR21を残存させ、このフォトレジスト膜PR21をマスクとして、ゲート絶縁膜(酸化アルミニウム)GIをエッチングする。
このエッチングの際、例えば、弗酸系のエッチング液を用いたウェットエッチングを行う。このように、ウェットエッチングを行うことで、ゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状とすることができる。なお、マスクはフォトレジスト膜を用いてもよいし、パターニングした酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などのハードマスクを用いてもよい。
ここで、ゲート絶縁膜GIの側面のテーパー形状について、ゲート絶縁膜GIの側面と障壁層BAとのなす角θは、90度未満である(θ<90°)。この角θについて、10°〜80°の範囲とすることが好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態1、2においては、ゲート絶縁膜GI上に窒化シリコン膜SNを介してゲート電極GEを配置したが、ゲート絶縁膜GI上の窒化シリコン膜SNに開口部を設け、その上にゲート電極GEを配置してもよい。
[構造説明]
図13は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図13に示すように、本実施の形態においては、ゲート絶縁膜GIとゲート電極GEとが、窒化シリコン膜SN中の開口部OA31において接触している。窒化シリコン膜SN中の開口部以外は、実施の形態2(図2)の半導体装置の場合と同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、実施の形態1および2で説明した効果に加え、ゲート絶縁膜GI上の窒化シリコン膜SNを除去することで、窒化シリコン膜SN中に存在する固定電荷やトラップの影響を低減することができる。これにより、トランジスタ動作の安定性をさらに向上することができる。開口部OA31の幅は、例えば、WOAである。この開口部の幅WOAは、ゲート絶縁膜GIの幅(ここでは、上辺の幅WGIU)より小さい(WOA<WGIU)。
[製法説明]
次いで、図14〜図17を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。図14〜図17は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図14に示すように、基板S上に、チャネル層CHおよび障壁層BAを順次形成する。チャネル層CHおよび障壁層BAは、実施の形態1で説明した材料を用い、実施の形態1と同様に形成することができる。次いで、実施の形態1の場合と同様にして、素子分離領域ISOを形成する。
次いで、実施の形態2の場合(図12(b)参照)と同様にして、ゲート絶縁膜材料を堆積し、フォトレジスト膜をマスクとしてゲート絶縁膜材料をエッチングする。この際、例えば、実施の形態2で説明したように、弗酸系のエッチング液を用いたウェットエッチングを行い、ゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状とする。
次いで、図15に示すように、ゲート絶縁膜GIの両側の障壁層BA上に、ソース電極SEおよびドレイン電極DEを形成する。このソース電極SEおよびドレイン電極DEは、実施の形態1と同様に、リフトオフ法を用いて形成することができる。次いで、ソース電極SE、ドレイン電極DEおよびゲート絶縁膜GI上を含む障壁層BA上に、窒化シリコン膜SNを形成する。例えば、窒化シリコン膜を実施の形態1の場合と同様にして形成する。
次いで、図16に示すように、窒化シリコン膜SNに開口部OA31を形成する。例えば、窒化シリコン膜SN上に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、露光・現像することにより、ゲート電極形成領域上のフォトレジスト膜を除去する。ついで、このフォトレジスト膜をマスクとして、窒化シリコン膜SNをエッチングする。開口部OA31の平面形状は、例えば、紙面に垂直な方向(図2のY方向)に延在するライン状である。この開口部の幅WOAは、ゲート絶縁膜GIの上辺の幅WGIUより小さい。この後、フォトレジスト膜を除去する。
次いで、図17に示すように、窒化シリコン膜SNの開口部OA31上にゲート電極GEを形成する。例えば、開口部OA31内を含む窒化シリコン膜SN上に、導電性膜として、例えば、TiN(窒化チタン)膜を、スパッタリング法などを用いて200nm程度の膜厚で堆積する。次いで、実施の形態1の場合と同様にして、TiN膜をパターニングすることによりゲート電極GEを形成する。ゲート電極GEの幅は、例えば、WGEである。このゲート電極GEの幅WGEは、ゲート絶縁膜GIの下辺の幅WGIBより大きい(WGE>WGIB)。また、このゲート電極GEの幅WGEは、開口部OA31の幅WOAより大きい(WGE>WOA)。
次いで、ゲート電極GEおよび窒化シリコン膜SN上に、絶縁膜ILを形成した後、プラグPGや配線M1を形成し、さらに、保護膜PROを形成する(図13参照)。絶縁膜IL、プラグPG、配線M1および保護膜PROは、実施の形態1で説明した材料を用い、実施の形態1と同様に形成することができる。
以上の工程により、本実施の形態の半導体装置を形成することができる。なお、上記工程は、一例であり、上記工程以外の工程により、本実施の形態の半導体装置を製造してもよい。
なお、本実施の形態においては、実施の形態2において説明した側面がテーパー形状のゲート絶縁膜GI上の窒化シリコン膜SNに開口部を設けたが、実施の形態1のゲート絶縁膜GI上の窒化シリコン膜SNに開口部を設けてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1においては、基板S上に、チャネル層(電子走行層ともいう)CHおよび障壁層BAを形成したが、障壁層BAを省略してもよい。
図18は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図18に示すように、本実施の形態においては、基板S上に、チャネル層(電子走行層ともいう)CHが形成され、障壁層BAが省略された構成となっている。
よって、本実施の形態においては、チャネル層CHの上方に、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの両側のチャネル層CH上に形成されたソース電極SEおよびドレイン電極DEとを有している。この場合、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、チャネル層CHとオーミック接触する。なお、省略された障壁層BA以外は、実施の形態1(図1)の半導体装置の場合と同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施の形態によれば、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間に位置するチャネル層CH上に、窒化シリコン膜SNを形成したので、この窒化シリコン膜SNにより、チャネル層CHの表面ポテンシャルが下がり、2次元電子ガス(2DEG)が形成される。一方、ゲート絶縁膜GIの下方においては、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間より2次元電子ガス(2DEG)の濃度が低くなっている。これにより、ゲート絶縁膜GIの下方においては、チャネルの形成の有無、即ち、ゲート電極GEに印加される電位により、導通、非導通の制御を行うことができる。また、導通状態においては、2次元電子ガス(2DEG)により、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間の低抵抗化を図ることができる。このように、ノーマリオフ動作が可能となる。また、ゲート電極をいわゆるMIS構造とすることでオフ時のゲートリークを抑制することができる。また、ゲート絶縁膜の膜厚の制御により容易に動作電圧を調整(設計)することができる。
次いで、本実施の形態の半導体装置の製造工程について説明する。本実施の形態の半導体装置の製造工程について、障壁層BAの形成工程を省略する以外は、実施の形態1(図1)の半導体装置の製造工程と同様である。また、本実施の形態の半導体装置の製造工程においても、チャネル層CH形成時のチャネル層CHのシート抵抗(例えば、10GΩ/sq.以上)より、窒化シリコン膜SN形成後のチャネル層CHのシート抵抗(例えば、1MΩ/sq.以下)が小さくなる。
(実施の形態5)
実施の形態1においては、素子分離領域ISOを形成したが、素子分離領域において、窒化シリコン膜SNを削除してもよい。
図19は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図19に示すように、本実施の形態においては、素子分離領域の窒化シリコン膜SNが削除されている。このため、本実施の形態においては、素子分離領域において2次元電子ガス2DEGが形成されない。言い換えれば、素子分離領域においては、ゲート電極GEとソース電極SE間およびゲート電極GEとドレイン電極DE間より2次元電子ガス(2DEG)の濃度が低くなっている。このようにして、素子分離を行うこともできる。
次いで、本実施の形態の半導体装置の製造工程について説明する。実施の形態1において説明した製造工程において、素子分離領域ISOの形成工程を省略し、窒化シリコン膜SNの形成後、素子分離領域の窒化シリコン膜SNの除去工程を加えればよい。なお、実施の形態3で説明したように、窒化シリコン膜SNに開口部を設ける場合には、この開口部の窒化シリコン膜SNの除去と同時に素子分離領域の窒化シリコン膜SNを除去すればよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態4のゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状としてもよい。また、実施の形態2や3において、素子分離領域の窒化シリコン膜SNの除去工程を適用してもよい。また、上記実施の形態4において、素子分離領域の窒化シリコン膜SNの除去工程を適用してもよい。また、上記実施の形態4において、素子分離領域の窒化シリコン膜SNの除去工程に加え、ゲート絶縁膜GIの側面をテーパー形状とする構成を適用してもよい。
[付記1]
(a)基板の上方に第1窒化物半導体層を形成する工程、
(b)前記第1窒化物半導体層の第1領域上にゲート絶縁膜を形成する工程、
(c)前記第1窒化物半導体層および前記ゲート絶縁膜上に窒化シリコン膜を形成する工程、
(d)前記ゲート絶縁膜の上方に前記窒化シリコン膜を介してゲート電極を形成する工程、
(e)前記ゲート電極の一方の側の前記第1窒化物半導体層の上方に第1電極を形成し、前記ゲート電極の他方の側の前記第1窒化物半導体層の上方に第2電極を形成する工程、
を有し、
前記(c)工程の後の前記第1窒化物半導体層の抵抗は、前記(a)工程における前記第1窒化物半導体層の抵抗より小さい、半導体装置。