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JP6631417B2 - 接合方法 - Google Patents

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JP6631417B2 JP2016121680A JP2016121680A JP6631417B2 JP 6631417 B2 JP6631417 B2 JP 6631417B2 JP 2016121680 A JP2016121680 A JP 2016121680A JP 2016121680 A JP2016121680 A JP 2016121680A JP 6631417 B2 JP6631417 B2 JP 6631417B2
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Description

本発明は、接合方法に関する。
特許文献1には、円柱状部材と円筒状部材とを端面同士で突き合わせて形成された突合せ部に対して回転ツールを用いて摩擦攪拌接合する接合方法が開示されている。当該接合方法は、回転ツールの攪拌ピンのみを被接合金属部材に接触させて接合するものである。
特開2015−131322号公報
従来の接合方法では、回転ツールのショルダ部を被接合金属部材に押し込まないため、塑性流動材が外部に溢れて接合部が金属不足になるおそれがある。
そこで、本発明は、接合部の金属不足を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、柱状を呈する第一金属部材の端面と、柱状又は筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材又は前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、柱状を呈する第一金属部材の端面と、柱状又は筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、バリが形成された補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、前記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材の一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする。
また、本発明は、筒状を呈する第一金属部材の端面と、筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材又は前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、筒状を呈する第一金属部材の端面と、筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、バリが形成された補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、前記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材の一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする。
かかる接合方法によれば、第一金属部材と第二金属部材に加え、補助部材も攪拌ピンに接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うため、接合部の金属不足を防ぐことができる。
また、バリが形成された補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことが好ましい。
かかる接合方法によれば、バリを補助部材ごと除去することができるため、バリを容易に除去することができる。
また、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。
かかる接合方法によれば、補助部材にバリを集約できるため、除去工程をより容易に行うことができる。
また、前記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材の一方側に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。
かかる接合方法によれば、接合部の金属不足をバランス良く防ぐことができるとともに、一方側に残存する補助部材のみを除去すればよいため、除去工程をより容易に行うことができる。
本発明に係る接合方法によれば、接合部の金属不足を防ぐことができる。
本発明の第一実施形態に係る接合方法の第一金属部材及び第二金属部材を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の配置工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の仮接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の除去工程後を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の突合せ工程及び配置工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の仮接合工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る接合方法の第一金属部材及び第二金属部材を示す斜視図である。 第三実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る接合方法の配置工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第三実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。
[第一実施形態]
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る接合方法は、第一金属部材1a及び第二金属部材1bの端面同士を突き合わせて摩擦攪拌接合するものである。本実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、配置工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。なお、以下の説明における「表面」とは「裏面」の反対側の面という意味である。
第一金属部材1aは、図1に示すように、略円柱状を呈する金属部材であって、大径部2と、大径部2の端面11aに凸設された円柱状を呈する小径部3とを有する。大径部2及び小径部3は、同心軸で形成されている。大径部2の端面11aは、小径部3の端面14aよりも一段下がった位置に形成されている。一方、第二金属部材1bは、円筒状を呈する金属部材である。第一金属部材1a及び第二金属部材1bは、略同等の外径からなり、第一金属部材1aの小径部3の外径と、第二金属部材1bの内径は、略同等に形成されている。
第一金属部材1a及び第二金属部材1bは、本実施形態では、同一組成の金属材料であって、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料で形成されている。
突合せ工程は、図2示すように、第一金属部材1aと第二金属部材1bとを端面同士で突き合わせる工程である。即ち、第一金属部材1aの端面11aと、第二金属部材1bの端面11bとを密着させる。前記したように、第一金属部材1aの外径(大径部2の外径)と、第二金属部材1bの外径は、略同一に形成されているため、両部材を突き合わせると互いの外周面12a,12bが面一になる。また、第一金属部材1aの小径部3の外径と、第二金属部材1bの内径は、略同等に形成されているため、両部材を突き合わせると小径部3の外周面13aと、第二金属部材1bの内周面13bとが面接触する。
図2に示すように、第一金属部材1aの端面11aと、第二金属部材1bの端面11bとが突き合わされることにより、突合せ部J1が形成される。突合せ部J1は、外周面12a,12bに亘って連続して一周形成される。
配置工程は、図3及び図4に示すように、突合せ部J1を覆うように補助部材5を配置する工程である。補助部材5は、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと同じ金属で形成されており、薄板状かつリング状を呈する。補助部材5には、幅方向に連続するスリット6(図4参照)が形成されている。補助部材5の内径は、第一金属部材1a及び第二金属部材2bの外径と略同等になっている。第一金属部材1aの外周面12a及び第二金属部材1bの外周面12bと、補助部材5の内周面5bは面接触する。補助部材5の板厚は、後記する摩擦攪拌工程の際に、接合部が金属不足にならないように適宜設定する。配置工程は、本実施形態では、補助部材5の中央部と突合せ部J1とが重なるように配置する。
仮接合工程は、図4に示すように、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5とを仮接合する工程である。仮接合工程は、本実施形態では接合用回転ツールFを用いてスポット仮付けを行う。接合用回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。接合用回転ツールFは、特許請求の範囲の「回転ツール」に相当する。接合用回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈する。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の長さは、補助部材5の板厚よりも大きくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、接合用回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、接合用回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、補助部材5の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
仮接合工程では、攪拌ピンF2のみを補助部材5のみ、又は、第一金属部材1a、第二金属部材1b及び補助部材5に挿入して第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5とを仮接合する。仮接合工程では、所定の間隔をあけて接合用回転ツールFを補助部材5に挿入していく。仮接合工程によって塑性化領域W0が形成される。攪拌ピンF2の挿入深さ及び接合箇所は、後記する摩擦攪拌工程において、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5とが一体的に回転するように適宜設定する。
なお、仮接合工程は、本実施形態では摩擦攪拌接合で行ったが、溶接で行ってもよい。この場合は、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5の側面とをスポット溶接する。後記する除去工程を考慮すると、スポット溶接の箇所は極力少ない方が好ましい。
摩擦攪拌工程は、図5及び図6に示すように、接合用回転ツールFを用いて突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌工程では、図5に示すように、補助部材5の表面5aに設定された開始位置Spに右回転させた接合用回転ツールFを挿入し、突合せ部J1に対して摩擦攪拌接合を行う。図5に示すように、摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを第一金属部材1a、第二金属部材1b及び補助部材5(被接合金属部材1)に接触させ、突合せ部J1に沿って接合用回転ツールFを相対移動させる。つまり、接合用回転ツールFの攪拌ピンF2の基端側は露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、接合用回転ツールFの位置は固定し、接合用回転ツールFの回転中心軸と補助部材5の法線とを重ねつつ、被接合金属部材1を周方向に回転させる。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。
図6に示すように、摩擦攪拌工程の接合用回転ツールFの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態では突合せ部J1の高さの約1/2〜1/3となるように挿入深さを調節する。もしくは、攪拌ピンF2が小径部3に達するようにして突合せ部J1の高さ方向の全長が摩擦攪拌されるように挿入深さを設定してもよい。摩擦攪拌工程では、塑性化領域W1の始端と終端とが重複するようにして、突合せ部J1の全周を摩擦攪拌接合する。
除去工程は、図7に示すように、補助部材5を除去する工程である。塑性化領域W1には、より深くえぐれる部位である凹溝Dが形成されている。除去工程では、補助部材5のスリット6(図5参照)を起点として、凹溝Dを境に補助部材5の両端を折り曲げるようにして切除する。補助部材5は切削装置等を用いて除去してもよいが、本実施形態では手作業により除去することができる。図8に示すように、除去工程後は、バリVを補助部材5ごと除去するため、別途切削装置等を用いてバリ除去工程を行わなくても、塑性化領域W1の表面をきれいに仕上げることができる。以上の工程により、第一金属部材1aと第二金属部材1bが接合される。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、摩擦攪拌工程の際に、第一金属部材1aと第二金属部材1bに加え、補助部材5も攪拌ピンF2に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うため、接合部(塑性化領域W1)の金属不足を防ぐことができる。また、本実施形態に係る除去工程によれば、バリVを補助部材5ごと除去することができるため、バリVを容易に除去することができる。
また、仮接合工程によれば、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5とを仮接合するため、摩擦攪拌工程の際に、第一金属部材1a及び第二金属部材1bと補助部材5とが相対回転不能になる。これにより、接合用回転ツールFを固定し、被接合金属部材1を周方向に回転することで、突合せ部J1を好適に摩擦攪拌接合することができる。また、仮接合工程の塑性化領域W0は補助部材5の中央部に形成されるため、除去工程で補助部材5を除去する際の妨げとならない。
また、本実施形態の摩擦攪拌工程によれば、攪拌ピンF2のみを第一金属部材1a、第二金属部材1b及び補助部材5に挿入するため、回転ツールのショルダ部を押し込む場合に比べて摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。また、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、突合せ部J1の深い位置を接合することができる。また、仮接合工程及び摩擦攪拌工程で同じ接合用回転ツールFを用いるため、回転ツールの交換作業を行う必要がない。また、第一金属部材1aの端面11aに段差部を設けることにより、突合せ工程の際に、第一金属部材1aと第二金属部材1bの位置決めを容易に行うことができる。
なお、本実施形態に係る摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの位置を固定して、被接合金属部材1を周方向に回転させたが、先端に駆動手段を備えたアームロボット等に接合用回転ツールFを取り付けて被接合金属部材1に対して接合用回転ツールFを移動させてもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。第二実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1cの形状及び補助部材5の配置位置が第一実施形態と相違する。第二実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、配置工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。第二実施形態に係る接合方法では、第一実地形態と相違する部分を中心に説明する。
図9に示すように、第一金属部材1cは円柱状を呈する。第一金属部材1cは、第二金属部材1bと同等の材料で形成されている。突合せ工程では、第一金属部材1cの端面14cと、第二金属部材1bの端面11bとを突き合わせて突合せ部J2を形成する。
配置工程では、補助部材5を突合せ部J2に沿って配置する。本実施形態に係る配置工程では、補助部材5の側面5cと突合せ部J2とが重なる位置に補助部材5を配置する。
仮接合工程では、図10に示すように、第一金属部材1c、第二金属部材1b及び補助部材5を仮接合する工程である。仮接合を行う手段は特に制限されないが、本実施形態では、接合用回転ツールFを用いてスポット仮付けを行う。仮接合工程では、接合用回転ツールFを突合せ部J2に押し込んで、所定の間隔をあけて第一金属部材1c、第二金属部材1b及び補助部材5を仮接合する。仮接合した部分には、塑性化領域W0が形成される。
摩擦攪拌工程は、図11に示すように、接合用回転ツールFを用いて突合せ部J2を摩擦攪拌接合する工程である。本実施形態でも第一実施形態と同様に、接合用回転ツールFの位置は固定し、被接合金属部材1A(第一金属部材1c、第二金属部材1b及び補助部材5)を周方向に回転させて接合する。本実施形態では、接合用回転ツールFのシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)が第一金属部材1c側となるように接合用回転ツールFの移動方向と回転方向を設定している。接合用回転ツールFの回転方向及び進行方向は前記したものに限定されるものではなく適宜設定すればよい。
例えば、接合用回転ツールFの回転速度が遅い場合では、フロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W2外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、例えば、接合用回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
本実施形態では、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、図11に示すように、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。また、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
摩擦攪拌工程の際に、接合用回転ツールFの進行方向のどちら側にバリVが発生するかは接合条件によって異なる。当該接合条件とは、接合用回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、被接合金属部材1Aの材質、被接合金属部材1Aの厚さ等の各要素とこれらの要素の組合せで決定される。接合条件に応じて、バリVが発生する側又はバリVが多く発生する側が補助部材5側(本実施形態では第二金属部材1b側)となるように設定すれば、後記する除去工程を容易に行うことができるため好ましい。
除去工程は、図12に示すように、第二金属部材1bから補助部材5を除去する工程である。除去工程では、第一実施形態と同様に、スリット6(図10参照)を起点として、補助部材5を折り曲げるようにして除去する。以上の工程により、第一金属部材1cと第二金属部材1bとが接合される。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、円柱状の第一金属部材1cと円筒状の第二金属部材1bとを接合することができる。また、補助部材5を第二金属部材1b側のみに配置させることにより、接合部(塑性化領域W2)の金属不足を防ぎつつ、除去工程の際に突合せ部J2の延長線Xに対して片側のみから補助部材5を除去すればよい。これにより、除去工程を容易に行うことができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。第三実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1d及び第二金属部材1eの形状や、補助部材5の配置位置が第一実施形態と相違する。第三実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、配置工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。第三実施形態に係る接合方法では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図13に示すように、第一金属部材1dは円筒状を呈する。第一金属部材1dの端面10dの外周部には、段差面11dが形成されている。一方、第二金属部材1eも円筒状を呈する。第二金属部材1eの端面10eの内周部には段差面11eが形成されている。第一金属部材1dと第二金属部材1eは同等の材料で形成されている。第一金属部材1dの外径と第二金属部材1eの外径は略同等に形成されている。また、第一金属部材1dの内径と第二金属部材1eの内径は略同等に形成されている。
突合せ工程では、図14に示すように、第一金属部材1dの端面10d及び段差面11dを、第二金属部材1eの段差面11e及び端面10eにそれぞれ突き合わせる。これにより、断面視クランク状の突合せ部J3が形成される。また、外周面12d,12e同士は面一になり、内周面13d,13e同士は面一になる。
配置工程では、図15に示すように、突合せ部J3に沿って補助部材5を配置する工程である。補助部材5の厚さは、後記する摩擦攪拌工程を行った後に、接合部(塑性化領域W3)が金属不足とならないように設定する。配置工程では、補助部材5を第二金属部材1eに面接触させつつ、補助部材5の側面5cが突合せ部J3の延長線Xに対してわずかに第一金属部材1d側に突出するように配置する。これにより、補助部材5は、第一金属部材1d及び第二金属部材1eの両方に面接触する。
補助部材5の突出長さ(延長線Xから補助部材5の側面5cまでの距離)は、後記する摩擦攪拌工程を行った後に、接合部(塑性化領域W3)が金属不足とならず、かつ、第一金属部材1d側に補助部材5が残存しないように設定する。
仮接合工程は、具体的な図示は省略するが、第一実施形態の仮接合工程と同様に、第一金属部材1dと、第二金属部材1eと、補助部材5とを仮接合する工程である。仮接合工程では、補助部材5の表面5aから回転させた攪拌ピンF2を挿入し、スポット仮付けを行う。
摩擦攪拌工程は、図16に示すように、接合用回転ツールFを用いて突合せ部J3を摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌工程では、回転させた接合用回転ツールFを補助部材5の表面5aから挿入し、突合せ部J3に対して相対移動させる。摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの回転中心軸Cが、突合せ部J3の延長線Xと重なるようにして移動ルートを設定する。また、第一実施形態と同様に、接合用回転ツールFの位置は固定し、被接合金属部材1B(第一金属部材1d、第二金属部材1e及び補助部材5)を周方向に回転させて接合する。さらに、本実施形態に係る摩擦攪拌工程では、第二金属部材1e側にバリVが発生するように、接合用回転ツールFの移動方向及び回転方向を設定する。つまり、摩擦攪拌工程では、第一金属部材1d及び第二金属部材1eのうち補助部材5との接触面積が大きい方にバリVが発生するように接合条件を設定する。
除去工程では、図17に示すように、第二実施形態と同様にバリVを補助部材5とともに除去する工程である。これにより、第一金属部材1dと第二金属部材1eとが接合される。
以上説明した第三実施形態に係る接合方法によれば、筒状の第一金属部材1dと筒状の第二金属部材1eを接合することができる。また、段差面11d,11eを設けることにより、第一金属部材1dと第二金属部材1eとを突き合わせる際の位置決めを容易に行うことができる。また、本実施形態に係る配置工程及び摩擦攪拌工程によれば、接合部(塑性化領域W3)の金属不足を第二実施形態に比べてバランス良く防ぐことができるとともに、第一金属部材1d及び第二金属部材1eのうち一方側に残存する補助部材5のみを除去すればよいため、除去工程もより容易に行うことができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では円柱又は円筒状の部材同士を接合したが、断面楕円や断面角形状等他の断面形状の部材を接合してもよい。また、円柱状同士の部材を接合してもよい。また、第一金属部材及び第二金属部材の端面は、適宜段差を設けるなどして突き合わせてもよい。
また、第一金属部材及び第二金属部材の形状にかかわらず、第一実施形態〜第三実施形態で示した各配置工程を採用して、摩擦攪拌工程を行うことができる。また、第一金属部材及び第二金属部材と補助部材5とが相対回転不能となるように形成されていれば、仮接合工程は省略してもよい。
1 被接合金属部材
1a 第一金属部材
1b 第二金属部材
5 補助部材
F 接合用回転ツール(回転ツール)
F2 攪拌ピン
J1 突合せ部
V バリ
W1 塑性化領域

Claims (8)

  1. 柱状を呈する第一金属部材の端面と、柱状又は筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記第一金属部材又は前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  2. バリが形成された補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項2に記載の接合方法。
  4. 柱状を呈する第一金属部材の端面と、柱状又は筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記第一金属部材及び前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と
    リが形成された補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、
    記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、
    前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材の一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする接合方法。
  5. 筒状を呈する第一金属部材の端面と、筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記第一金属部材又は前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  6. バリが形成された補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  7. 前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  8. 筒状を呈する第一金属部材の端面と、筒状の第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記第一金属部材及び前記第二金属部材の外周面に面接触するように筒状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転する回転ツールを前記補助部材の表面側から挿入し、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で、前記回転ツールを相対移動させて前記突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、
    バリが形成された補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、
    記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、
    前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材の一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする接合方法。
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