JP6618262B2 - ジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法 - Google Patents
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Description
項1. (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
(C)水酸基を有する有機アミン、クエン酸、及びクエン酸の薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
を含有する液剤が、容器に収容されてなるジブチルヒドロキシトルエン含有製品であって、
前記容器が、前記液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、
前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、
ジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項2. 前記水酸基を有する有機アミンがトロメタモールである、項1に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項3. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1又は2に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項4. 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1〜3のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項5. 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、項1〜4のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項6. 前記液剤が点眼剤である、項1〜5のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項7. (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
を含有する液剤におけるジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法であって、
前記液剤に、(C)水酸基を有する有機アミン、クエン酸、及びクエン酸の薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ
液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器に、前記液剤を収容することを特徴とする、
安定化方法。
項8. 前記水酸基を有する有機アミンがトロメタモールである、項7に記載の安定化方法。
項9. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7又は8に記載の安定化方法。
項10. 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7〜9のいずれかに記載の安定化方法。
項11. 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、項7〜10のいずれかに記載の安定化方法。
項12. 前記液剤が点眼剤である、項7〜11のいずれかに記載の安定化方法。
本発明のBHT含有製品は、(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、(C)水酸基を有する有機アミン、クエン酸、及びクエン酸の薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する液剤が、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成された容器に収容されていることを特徴とする。以下、本発明のBHT含有製品について、詳述する。
本発明のBHT含有製品において、容器に収容する液剤は、ジブチルヒドロキシトルエン((A)成分と表記することもある)を含有する。ジブチルヒドロキシトルエンは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、BHT、DBPCとも称され、抗酸化剤として公知の化合物である。当該液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンは、プラノプロフェン及び/又はその塩の熱安定性向上を図ると共に、液剤中で酸化防止作用を発揮し、必要に応じて添加される薬理成分や添加剤等の安定性の向上にも寄与する成分である。
水酸基を有する有機アミンを使用する場合:好ましくは0.001〜5w/v%、更に好ましくは0.01〜3w/v%、特に好ましくは0.1〜2w/v%。
クエン酸及び/又はその塩を使用する場合:好ましくは0.001〜5w/v%、更に好ましくは0.01〜3w/v%、特に好ましくは0.1〜2w/v%。
プロピレングリコール等の多価アルコール類;塩化ナトリウム等の塩類;ホウ酸等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のBHT含有製品では、前記液剤を収容するために、容器本体部と注出部と蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器が使用される。
前記容器を構成する容器本体部とは、前記液剤を収容する部位である。当該容器本体部の形状、大きさについては、特に制限されず、収容する液剤の種類及び容量に応じて適宜設定される。
前記容器は、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む樹脂によって構成される。ここで、「蓋部において前記注出口と対向する壁面」とは、蓋部を容器本体部及び/又は注出部に取りつけた際に注出口を覆う蓋部の内壁部分に該当する。具体的には、図2を例に挙げると、符号5で示した面部分が「注出部の内部空間の壁面」に該当し、符号6で示した面部分が「蓋部において前記注出口と対向する壁面」に相当する。
好ましくはプラスチック製が挙げられる。かかる態様の容器において、容器本体部をプラスチック製にする場合には、容器本体部を形成する樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートは、優れた成形性を備えつつ、ジブチルヒドロキシトルエンの吸着を抑制することができるので、容器本体部を形成する樹脂として好適に使用される。
本発明のジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法は、(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有する液剤に、(C)水酸基を有する有機アミン、クエン酸、及びクエン酸の薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ当該液剤を、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する製剤が、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成された容器に収容することを特徴とする。
表2に示す液剤を調製して各種容器に収容して保存した際のジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時変化を測定した。具体的には、表2に示す液剤を常法に従って調製して、表1に示す各容器に収容し、密閉して40℃、75%RH、遮光条件にて2週間静置することにより保存した。その際、容器2及び3の場合には液剤の収容量は10mLにし、容器1の場合には液剤の収容量は5mLにした。また、容器2及び3の場合には、蓋部分が上面、容器本体部の底部が下面となるように、容器を正立させた状態で静置した。保存開始前、保存開始から1週間後及び2週間後に、容器中の液剤をノズルに接液しないようにサンプリングし、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量をHPLCにて測定することにより、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を評価した。ジブチルヒドロキシトルエンの安定性は、具体的には、保存前のジブチルヒドロキシトルエン含有量に対する保存後のジブチルヒドロキシトルエン含有量の割合を残存率(%)として算出した。なお、容器3は従来汎用されている点眼容器の例である。また、ガラスは一般的な薬物が吸着し難いことが知られており、容器1はジブチルヒドロキシトルエンが吸着し難い容器の例である。
表3及び4に示す液剤を常法に従って調製し、前記試験例1と同様の方法で、表1に示す各容器に収容して保存し、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量をHPLCにて測定した。得られた測定値に基づいて、前記試験例1と同様の方法で、ジブチルヒドロキシトルエンの残存率(%)を算出した。
2 注出部
3 蓋部
4 抽出部の内部空間
5 抽出部の内部空間の壁面
6 蓋部において注出部の注出口と対向する壁面
Claims (8)
- (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
(C)トロメタモールと、
を含有する液剤が、容器に収容されてなるジブチルヒドロキシトルエン含有製品であって、
前記(C)成分の含有量が0.1〜2w/v%であり、
前記液剤が点眼剤であり、
前記容器が、前記液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、
前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、
ジブチルヒドロキシトルエン含有製品。 - 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
- 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
- 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
- (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
を含有する液剤におけるジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法であって、
前記液剤が点眼剤であり、
前記液剤に、(C)トロメタモールを0.1〜2w/v%で配合し、且つ
液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器に、前記液剤を収容することを特徴とする、
安定化方法。 - 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項5に記載の安定化方法。
- 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項5又は6に記載の安定化方法。
- 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、請求項5〜7のいずれかに記載の安定化方法。
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