JP6611240B2 - 建具 - Google Patents
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Description
これによって、温度環境や顧客の要求に応じて選択した断熱性の異なる複層パネルを備えた建具を施工できるようにしている。
ところで、建具を2つ以上連結する連窓や段窓においては、建具を連結するために各窓の間に方立や無目を取り付けることがある。このような連窓または段窓では、枠体の方立や無目にアタッチメントを取り付けて枠体の見込み方向の幅を増大させることで異なる種類の複層パネルを設置できるようにした建具も考えられるが、この場合、アタッチメントが熱で伸縮するとアタッチメントの端部が既設の枠体の中間部を押圧して変形させることになるため見栄えが悪くなり、建具の耐久性が低下する恐れが生じる。
本発明によれば、枠体の間で補助枠としてアタッチメントを設置し、枠体とアタッチメントで仕切られた開口部に複層パネルを備えた状態で、アタッチメントが熱で伸縮した場合でもアタッチメントの変位を間隙で吸収できるため、アタッチメントが枠体を押圧して変形させたりすることを防止できる。
アタッチメントが熱で伸縮した場合でもガイド部材のガイド部で伸縮方向をガイドすることで変形を押えると共に、伸長した場合には基部でアタッチメントの押圧力を受け止め、収縮時には基部との間に小さな隙間が形成されて目立たせず、意匠性が高い。
なお、アタッチメントの熱伸縮が小さい場合にはアタッチメントの端部とガイド部材との間に隙間を形成して受けてもよい。また、ガイド部材にはアタッチメントと基部との隙間を隠す隙間隠しを設けてもよく、アタッチメントが伸縮しても隙間隠しで隠すことができるので意匠性が向上する。
アタッチメントが熱で伸縮した場合に、キャップ内でアタッチメントの端部が進退するため、伸長した場合にはキャップ内でアタッチメントを受け止め、収縮時にはキャップ内に間隙を形成して目立たせない。
方立アタッチメントが伸縮した場合、伸長時には上枠または下枠を押して変形させることを防止し、収縮時には上枠または下枠との間に間隙を形成しても目立たせない。
無目アタッチメントが伸縮した場合、伸長時には左右の縦枠を押して変形させることを防止し、収縮時には縦枠との間に間隙を形成しても目立たせない。
なお、前記複層パネルの屋内側面は、前記枠体に設けられた気密材に押圧され、前記複層パネルの屋外側面は、前記アタッチメントに嵌合された押し縁のヒレ部に押圧されていてもよい。
図1乃至図9は本発明の実施形態による連窓1を示すものである。図1に示す実施形態による連窓1は、建物の躯体に形成された建物開口部に取り付けられる例えば四角形の枠体2内に、例えばFIX窓(嵌め殺し窓)3と縦辷り出し窓4とを方立5を挟んで左右方向に配列した構成を備えている。
FIX窓3は枠体2と方立5で仕切られた一方の開口部13Aに固定した障子7を備え、縦辷り出し窓4は枠体2と方立5との間の他方の開口部13Bに吊元側の縦框回りに開閉可能に納めた障子8を備えている。しかも、連窓1は断熱性の高い樹脂からなる樹脂建具である。
図2、図3において、上枠10は、断面略四角形をなす複数のホロー部10aの屋外側にテーパ状のホロー部10bを連結してなり、下枠11も、断面略四角形をなす複数のホロー部11aの屋外側にテーパ状のホロー部10bを連結している。
また、図1において、左右の縦枠12A,12Bは、断面略四角形をなす複数のホロー部12aの屋外側にテーパ状のホロー部12bを連結している。テーパ状のホロー部10b、11b、12bは内面が屋内側から屋外側に向けて開口部13の幅が次第に広がるようにテーパ状に形成されている。また、断面略四角形をなすホロー部10a,11a、12b内には断熱材15が設置されている。
この連窓1において、枠体2の開口部13AのFIX窓3には縦枠12Aの略四角形状のホロー部12aと方立5との間に2層または3層ガラスパネルの障子が設置されていた。また、開口部13Bの縦辷り出し窓4には縦枠12Bの略四角形状のホロー部12aと方立5との間に2層または3層ガラスパネルの障子が設置されていた。
本実施形態による連窓1は、これを同一の枠体2を用いて例えば各5層ガラスパネルを納めた障子7と障子8に交換施工してFIX窓3と縦辷り出し窓4を構成したものである。
しかも、この縦辷り出し窓4では、複層パネル21を支持する左右の縦框19は屋内側のホロー部19aが比較的小幅に設定され、屋外側の拡径ホロー部19bが比較的幅が大きく設定された段付き形状とされている。左右の縦框19における拡径ホロー部19bの屋内側の面には、縦枠12Bの屋外側の段部におけるホロー部12aと方立5の先端部5aにそれぞれ当接する気密材23a、23bが嵌合されている。
そして、上框17、下框18、左右の縦框19の屋内側端部にはそれぞれ内側框部25が一体形成されてヒレ部を介して内側のガラスパネル20を押圧している。しかも、内側框部25は対向する押し縁24よりも複層パネル21の中央側に突出している。
また、この縦辷り出し窓4では、複層パネル21を備えた障子8を屋内側に寄せて縦枠12Bと方立5と上枠10、下枠11の間の開口部13Bに設置したため、上框17、下框18、左右の縦框19の屋外側端面は枠体2の上枠10、下枠11、左右の縦枠12A、12Bの屋外側端面とほぼ面一に設定されている。また、縦枠12Bの屋内側の受け部と方立5の屋内側受け部には、閉塞位置にある障子8の左右方向の内側框部25をそれぞれ受ける気密材30が固定されている。
図1、図2、図4に示すFIX窓3において、5層のガラスパネル20をスペーサ26を介して平行に配列させた複層パネル32は上述した縦辷り出し窓4と略同一構成を有している。この複層パネル32を枠体2の縦枠12Aと方立5との間の開口部13Aに設置する場合、方立5の屋内外方向の長さが枠体2の長さより短く、縦枠12Aと上枠10及び下枠11は先端側にテーパ状のホロー部10b、11b、12bを設置しているために、嵌め殺し用の障子7を装着するためのアタッチメント33を開口部13Aを囲う上枠10と下枠11と縦枠12Aと方立5とにそれぞれ設置するものとする。
これらのアタッチメント33は樹脂製であり、方立5の先端に連結する方立アタッチメント33Aと、縦枠12A、上枠10、下枠11に連結する縦枠アタッチメント33B,上枠アタッチメント33C,下枠アタッチメント33Dとからなり、複層パネル32を装着するために方立5、縦枠12A、上枠10、下枠11を屋外方向に延長させる補助枠を構成する。
方立アタッチメント33Aは方立5の屋外側に設置するものであり、下枠11と上枠10間の距離より若干短い上下方向長さを有している。方立アタッチメント33Aは、図4の断面図に示すように複数のホロー部33a、33bを備えた略長方形筒状に形成されており、その屋内側の一方の基片部34aを方立5の先端部5aに当接させ、他方のより長い片に設けたネジ受け部34bを通して、方立5の先端部5aとホロー部5bとの間の受け部5cにネジ35を螺合させて方立5に固定されている。なお、方立5のホロー部内には断熱材15と鋼製の芯材とが設置されている。
そして、方立アタッチメント33Aに形成されたホロー部33b、33aの間にはFIX窓3側に開口する凹溝部36が形成されている。この凹溝部36には複層パネル32の外側のガラスパネル20を押圧する押し縁37が嵌合されている。この押し縁37も複層パネル32のスペーサ26と略同一高さまで突出している。
また、縦枠アタッチメント33Bの屋内側端部にはばね性のある一対の係合爪40が形成され、この係合爪40は縦枠12Aのホロー部12aに形成した係合受け部41に係合されている。しかも縦枠アタッチメント33Bの方立アタッチメント33A側の面は方立アタッチメント33Aと略平行に形成されており、その先端面に形成された凹溝部42には押し縁37が嵌合されて、複層パネル32の外側のガラスパネル20を押圧している。
また、上枠アタッチメント33Cと下枠アタッチメント33Dは長手方向両端が、方立アタッチメント33Aの後述するガイド部材45と縦枠アタッチメント33Bの側面に当接して保持されているものとする。
なお、複層パネル32の屋内側ガラスパネル20は方立5、縦枠12A、上枠10、下枠11の各屋内側端部に設けた気密材55によって押圧されている。
図6、図7はFIX窓3における枠体2と方立アタッチメント33Aと上枠アタッチメント33C及び下枠アタッチメント33Dとの連結構造を示すものである。方立アタッチメント33Aの上端部と下端部には上枠10と下枠11のテーパ状のホロー部10b、11bに固定されたガイド部材45がそれぞれ固定されている。
各ガイド部材45は、図7に示すように、ホロー部10bのテーパ面に固定された正面視略台形状の基部46と基部46から上下方向に延びる第一ガイド部47、第二ガイド部48とを備え、更に基部46から水平方向に延びる第三ガイド部49を備えている。上下の各ガイド部材45は互いに線対称に形成されている。また、基部46の屋外側の面には方立アタッチメント33Aとの隙間K1,K2を隠すための隙間隠し46aが突出して形成されている。
また、第三ガイド部49は上枠アタッチメント33Cのホロー部33d内に挿入され、上枠アタッチメント33Cの表面の穴56から挿入したネジ35によって螺合されて固定されている。
下端に設けたガイド部材45も同様に方立アタッチメント33Aの下端部のホロー部33a、33bに挿入する第一、第二ガイド部47,48を備え、下枠アタッチメント33Dのホロー部33d内に挿入された第三ガイド部49は、下枠アタッチメント33Dの表面の穴から挿入したネジ35によって螺合され固定されている。
方立アタッチメント33Aと上下のガイド部材45との隙間K1,K2はいずれか一方のみに形成し、他方は互いに当接させていてもよい。或いは、隙間K1、K2を設けずに方立アタッチメント33Aと上下のガイド部材45を互いに当接させてもよい。これらの場合でも方立アタッチメント33Aの熱による伸長を吸収できる。
また、方立アタッチメント33Aが冷却されて収縮した場合でも、その上下端部に設けたガイド部材45の第一及び第二ガイド部47,48が方立アタッチメント33Aの上下のホロー部33a、33bに挿入された状態で収縮するから、方立アタッチメント33Aの変形を防止できる。
また、方立アタッチメント33Aに対向する縦枠アタッチメント33Bにおいては、強度の高い枠体2の縦枠12Aに固定されているため、伸縮しても上枠10と下枠11で受け止めて変形を防止できる。上枠アタッチメント33Cと下枠アタッチメント33Dにおいても同様である。
例えば、二層または三層ガラスパネルの複層パネルを枠体2に備えたFIX窓3と縦辷り出し窓4を方立5の両側に設置した連窓1において、枠体2をそのまま用いて、寒冷地仕様または断熱仕様等のための例えば5層ガラスパネル20を備えた障子7、8をFIX窓3と縦辷り出し窓4に交換施工する組み込み方法について説明する。
先ず、縦辷り出し窓4では2層または3層からなる複層パネルの障子を取り外し、屋内側の枠体2の部品を除去して、方立5と他方の縦枠12Bと上枠10及び下枠11との間の開口部13Bに5層のガラスパネル20を備えた複層パネル21を屋内側に押し付けて設置し、その上下框17,18及び左右の縦框19の屋外側先端面が枠体2の先端面と面一になるように設置する。
そして、障子8の各框に押し縁24を取り付けて屋外側のガラスパネル20を押圧し、その屋外側先端面は、左右の縦枠12A,12B,上枠10及び下枠11のテーパ状のホロー部12b、10b、11bの先端面と略面一に設置する。
そして、上下のガイド部材45の基部46を上枠10のテーパ状のホロー部10bのテーパ面と下枠11のテーパ状のホロー部11bのテーパ面とに両面テープやねじ等で固定する。この状態で上下のガイド部材45と方立アタッチメント33Aの上下端部との一方または両方に隙間K1,K2が形成される。
また、図2に示すように、上枠10と下枠11におけるテーパ状のホロー部10b、11bのテーパ面に上枠アタッチメント33C、下枠アタッチメントDをネジ35等で固定すると共に、係合爪40を上下枠10、11のホロー部10a、11bに形成した係合受け部41に係合させることで固定する。
これによって、方立アタッチメント33Aの屋外側先端面は左右の縦枠12A,12B,上枠10及び下枠11のテーパ状のホロー部12b、10b、11bの先端面と略面一に設置される。また、他のアタッチメント33B,33C、33Dの屋外側先端面は方立アタッチメント33Aの屋外側先端面より若干屋内側に引っ込んでいる。
そのため、方立アタッチメント33Aが上枠10や下枠11を押圧して変形させることを防止できる。
また、方立アタッチメント33Aが低温環境等で収縮しても上下端部のガイド部材45との間にガイド部材45の隙間隠し46aを有するため、隙間K1,K2が目立たず意匠性が良い。
なお、5層や4層のガラスパネル20の複層パネル21、32から2〜3層のガラスパネルの複層パネルに交換施工する場合には、上述の組込み方法と逆の手順で方立アタッチメント33A、縦枠アタッチメント33B、上枠アタッチメント33C、下枠アタッチメント33Dを取り外せばよい。
また、方立5に連結する方立アタッチメント33Aは、その長さを上枠10と下枠11との間の長さよりも短く設定すると共に、上下端部に隙間K1、K2を介してガイド部材45を設置したため、熱で方立アタッチメント33Aが伸長しても隙間K1,K2を埋めることで吸収でき、更に隙間K1,K2を超える伸長があってもガイド部材45で受けることができて、上枠10や下枠11を押圧変形することを防止できる。
また、方立アタッチメント33Aの上下端部に設けたガイド部材45に隙間隠し46aを形成して隙間K1、K2を隠すことができるため、伸縮に関わらず外部から目立たず意匠性が向上する。第一及び第二ガイド部47,48を方立アタッチメント33Aのホロー部33a、33bに挿入して伸縮をガイドすることで方立アタッチメント33Aの熱による変形を抑制できる。
例えば、ガイド部材45は方立アタッチメント33Aの上下の一方にのみ設けて他方に間隙を形成してもよい。この場合、熱による方立アタッチメント33Aの伸びは間隙で吸収できる。或いは、両側のガイド部材45に代えて間隙を形成して、方立アタッチメント33Aの伸張を間隙で吸収するようにしてもよい。この場合、方立アタッチメント33Aは上枠10または下枠11に固定してもよい。
そして、熱によって方立アタッチメント60が伸長した場合には、キャップ61内に方立アタッチメント60が進入し、収縮した場合にはキャップ61内で方立アタッチメント60が後退するようになっている。
本変形例では、方立アタッチメント60自身がキャップ61に対する進退のガイド部になるため、一層簡単な構成になる上に方立アタッチメント60とキャップ61との間隙が目立たないので意匠性が高い。また、方立アタッチメント60とキャップ61の断面形状は任意であり、例えば断面四角形状でもよい。
また、上述した実施形態では、連窓1において方立5を挟んで水平方向に配設したFIX窓3と縦辷り出し窓4について説明したが、上記の構成に代えて、左右の縦枠間のFIX窓3と縦辷り出し窓4等の窓を上下に設置し、左右の縦枠の中間に無目を設置した構成でもよい。そして、無目の屋外側に方立アタッチメント33Aに相当する無目アタッチメントを設置して、その両端部または一端部にガイド部材45やキャップ61、或いは間隙を設置して、無目の熱による伸縮を吸収して左右の縦枠を押圧して変形することを防止できる。
また、上枠10、下枠11、左右の縦枠12A,12Bにおいて見込み方向の屋外側がテーパ状ホロー部に代えて断面四角形状のホロー部で形成していれば、上枠アタッチメント33C,下枠アタッチメント33D,縦枠アタッチメント33Bを省略できる。
2 枠体
3、62 FIX窓
4 縦辷り出し窓
5 方立
7,8 障子
12A,12B 縦枠
13A、13B 開口部
15 断熱材
21、32 複層パネル
24、37 押し縁
33A、60 方立アタッチメント
33B 縦枠アタッチメント
33C 上枠アタッチメント
33D 下枠アタッチメント
45 ガイド部材
46 基部
46a 隙間隠し
47 第一ガイド部
48 第二ガイド部
61 キャップ
Claims (4)
- 上枠と下枠と左右の縦枠を備えた枠体と、
前記枠体の間で屋外側に連結されていて補助枠を構成するアタッチメントと、
前記枠体とアタッチメントで仕切られた開口部に設置された複層パネルとを備え、
前記アタッチメントの長手方向の端部と前記枠体との間に前記アタッチメントの伸縮を許容する間隙を形成し、
前記間隙には前記アタッチメントの伸縮をガイドするガイド部材が固定され、
前記ガイド部材は、前記枠体に固定された基部と、該基部から延びていて前記アタッチメントに形成した開口に相対的に進退可能に挿入されているガイド部とを有しており、
前記ガイド部材に設けられたピンが前記アタッチメントの表面に形成された係合穴に係合され、
前記ガイド部材の前記基部の屋外側の面には前記アタッチメントと前記ガイド部材の前記基部との間の隙間を隠す隙間隠しが設けられたことを特徴とする建具。 - 前記アタッチメントは、前記枠体の上枠と下枠の間に設置された方立アタッチメントである請求項1に記載された建具。
- 前記アタッチメントは、前記枠体の左右の縦枠の間に設置された無目アタッチメントである請求項1に記載された建具。
- 前記複層パネルの屋内側面は、前記枠体に設けられた気密材に押圧され、
前記複層パネルの屋外側面は、前記アタッチメントに嵌合された押し縁のヒレ部に押圧されている請求項1から3のいずれか1項に記載された建具。
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