JP2015105506A - 樹脂製建具 - Google Patents
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Abstract
【課題】枠や框を共通化できると共に、施工現場において、異なる種々の断熱性のものが容易に得られる樹脂製建具を提供する。
【解決手段】樹脂製枠として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部3b〜6b内に断熱材34を入れたものと、ホロー部3b〜6b内を空洞としたものとを備える。樹脂製框として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部8g〜11g内に断熱材34を入れたものと、ホロー部内を空洞としたものとを備える。樹脂製框に押縁により固定して取付けるガラスパネルとして、ペアガラスパネル13Bとトリプルガラスパネル13Aとを備える。枠3〜6および框8〜11と、ガラスパネルとを、複数種類のものからそれぞれ選択し、かつガラスパネルに適合した押縁20A,20Bを選択して組み合わせることにより、断熱性の異なる建具を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂製枠として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部3b〜6b内に断熱材34を入れたものと、ホロー部3b〜6b内を空洞としたものとを備える。樹脂製框として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部8g〜11g内に断熱材34を入れたものと、ホロー部内を空洞としたものとを備える。樹脂製框に押縁により固定して取付けるガラスパネルとして、ペアガラスパネル13Bとトリプルガラスパネル13Aとを備える。枠3〜6および框8〜11と、ガラスパネルとを、複数種類のものからそれぞれ選択し、かつガラスパネルに適合した押縁20A,20Bを選択して組み合わせることにより、断熱性の異なる建具を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、枠および框を合成樹脂製押出形材により構成する樹脂製建具に係わり、より詳しくは、地域によって異なる断熱性の要求に応じられる建具の構成に関する。
建具に対する断熱性の要求度合は地域の平均気温によって異なり、平均気温が低いほど高い断熱性が要求される。このような地域によって異なる断熱性の要求に応えるため、特許文献1には、枠と框を金属枠材と樹脂枠材とを組み合わせた構造とし、断熱性の高い建具を実現する場合には、樹脂枠材や樹脂框材の規模を大きくした建具が開示されている。
上述のように、枠や框を金属材と樹脂材の組み合わせによって構成し、樹脂材の規模を変化させて枠や框を実現する場合、枠材や框材としてそれぞれ複数種類のものを製造しておかなければならず、材料金型、部品金型および設備として複数種類のものを必要とするため、製造価格が高くなるという問題点がある。また、施工現場において、断熱性の異なるガラスパネルに変更することが困難である。
本発明は、上記問題点に鑑み、枠や框を共通化できると共に、施工現場において、温度環境や顧客の要望に応じて異なる種々の断熱性のものが容易に得られる樹脂製建具を提供することを目的とする。
請求項1の樹脂製建具は、
樹脂製枠として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框に押縁により固定して取付けるガラスパネルとして、ペアガラスパネルとトリプルガラスパネルとを備え、
前記樹脂製枠および前記樹脂製框と、前記ガラスパネルとを、前記複数種類のものからそれぞれ選択し、かつガラスパネルに適合した押縁を選択して組み合わせることにより、断熱性の異なる建具を構成した
ことを特徴とする。
樹脂製枠として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框に押縁により固定して取付けるガラスパネルとして、ペアガラスパネルとトリプルガラスパネルとを備え、
前記樹脂製枠および前記樹脂製框と、前記ガラスパネルとを、前記複数種類のものからそれぞれ選択し、かつガラスパネルに適合した押縁を選択して組み合わせることにより、断熱性の異なる建具を構成した
ことを特徴とする。
本発明によれば、樹脂製枠および樹脂製框に同一構造のものを用い、断熱材の有無により断熱性の度合が異ならせるものを備え、ガラスパネルとしてもペアガラスパネルとトリプルガラスパネルとを備え、これらの枠、框およびガラスパネルから所望の断熱性を有するものを選択して建具を構成するようにしたので、断熱性が異なる種々の建具を得ることができる。そして、枠や框の構造を同一としたことにより、これらを製造する設備として同一の設備を用いることができるため、製造価格を削減することが可能となる。
また、施工業者は、同一構造の枠や框を保管しておくと共に、ガラスパネルとしてペアガラスパネルとトリプルガラスパネルを保管しておき、施工時にこれらの構成部材を選択して組み合わせることにより、現場で要求される断熱性を備えた建具を容易に施工することが可能となる。
図1、図2はそれぞれ本発明の樹脂製建具の一実施の形態を示す横断面図、縦断面図である。これらの図において、1は建物の開口部に固定される窓枠、2はこの窓枠1に装着される障子であり、本実施の形態の建具は、縦辷り出し窓について示している。窓枠1は合成樹脂製押出形材でなる左右の縦枠3,4と上下の横枠5,6により構成され、各枠3〜6は同じ断面形状を有し、各端部を不図示の接合部において互いに溶着等により接合して一体化したものである。
障子2は、合成樹脂製押出形材でなる左右の縦框8,9と、上横框10と、下横框11により構成され、各框8〜11は同じ断面形状を有し、各端部を不図示の接合部において溶着等より接合し、これらで組まれた枠内にトリプルガラスパネル(以下TGPAと称す。)13Aを組み込んで構成したものである。TGPA13Aは、例えばアルゴンガスやクリプトンガスのような断熱性の高いガスを密封構造で個々のガラスパネル間に封入して構成される。
図1、図2において、15は窓の室内側、16は室外側である。17は窓枠1における障子2の受け面に設けた気密材である。この気密材17は、縦枠3,4、上横枠5および下横枠6の各室内側部分にそれぞれ設けた気密材取付け溝3a,4a,5a,6aに嵌着して窓枠1の4周に連続させ、両端を突き合わせて取付ける。
18は障子2における窓枠1に対する当接面に設けた気密材である。この気密材18を取付けるため、縦框8,9、および横框10,11の室外側部分にそれぞれ見付け面の面内方向(図1、図2に矢印27で示す。)の外側に突出させて突出部8a,9a,10a,11aを設け、各突出部の室内側にそれぞれ気密材取付け溝8b,9b,10b,11bを設けており、気密材18は、これらの気密材取付け溝8b,9b,10b,11bに嵌着して4周に連続させ、両端を突き合わせて取付ける。
19は障子2のTGPA13Aの4周における室内側の面と框8〜11との間の気水密性を保持する気密材であり、この気密材19は、縦框8,9、および横框10,11の室内側の部分にそれぞれ設けた気密材取付け溝8c,9c,10c,11cに4周を連続させて設ける。20Aは障子2の框8〜11にTGPA13Aを固定する押縁であり、TGPA13A用に構成されたものである。この押縁20Aは、縦框8,9、および横框10,横枠11の室外側の部分に設けた押縁取付け溝8d,9d,10d,11dに嵌着し、押縁20AによりTGPA13Aの室外側の面の4周を押し付けるようにして設ける。
縦框8,9、および横框10,11は、TGPA13Aの端部に対向する部分にそれぞれホロー部8e,9e,10e,11eを形成する。これらのホロー部8e,9e,10e,11eの見付け面の面内方向の外側の室内側には、それぞれ前記気密材18を取付ける前記気密材取付け溝8b,9b,10b,11bを設ける。
また、TGPA13Aに対向するホロー部8e,9e,10e,11eの室外側にもさらにそれぞれホロー部8f,9f,10f,11fを形成する。左右の縦框8,9のホロー部8e,9eには、それぞれ鋼材でなる芯材22,23を、その3辺がホロー部8e,9eの内壁に沿って当接するように嵌合して収容する。
縦框8,9、および横框10,11の室内側にもそれぞれホロー部8g,9g,10g,11gを形成する。これらのホロー部8g,9g,10g,11gの室外側見付け面に、それぞれ前記気密材19を取付ける前記気密材取付け溝8c,9c,10c,11cを形成する。
前記TGPA13Aに対向するホロー部8e,9e,10e,11eと、室内側ホロー部8g,9g,10g,11gとの間に、それぞれホロー部8e,9e,10e,11eより見付け面の面内方向の幅が狭い狭幅部8h,9h,10h,11hを形成する。
TGPA13Aに対向するホロー部8e,9e,10e,11eの見付け面の面内方向の外側部分と、狭幅部8h,9h,10h,11hとの間に、それぞれホロー部8e,9e,10e,11e側が見付け面の面内方向の外側となるように傾斜した傾斜板部8i,9i,10i,11iを形成する。
図1において、25はグレモン錠のハンドルであり、このハンドル25は縦框8におけるTGPA13Aの装着部より室内側の見込み面8jに取付ける。26はハンドル25の上下の操作により上下動させる施錠用ロックピンであり、28は縦框8に設けたガイド部8kに沿って上下動可能に装着された可動枠であり、可動枠28の上下にそれぞれロックピン26が取付けられる。27はハンドル25の操作により可動枠28と共にロックピン26を上下動させる操作力伝達機構である。図1に示すように、この操作力伝達機構27は、室内側のホロー部8gに収容する。
29は縦枠3に取付ける受け具であり、ロックピン26を係合、離脱させるロック溝を有するものである。グレモン錠は、ハンドル25の下方(上方)への操作により可動枠28を上動(下動)させ、可動枠28の上下に取付けたロックピン26を上げ(下げ)、これにより、縦枠3に取付けた受け具29のロック溝に対してロックピン26を係合、離脱させることにより、ロックとロック解除を行なうものである。
図2において、30,31はそれぞれこの障子2の上部と下部と、上下の横枠5,6との間にそれぞれ取付けられた窓枠1と障子2との連結機構であり、この窓を縦辷り出し窓として機能させるものである。この連結機構30,31の詳細な説明を省略するが、ハンドル25を把持して縦框8側を室外側に押し出すことにより、縦框9側を図1の矢印32側に示すように横枠5,6に沿って移動させると同時に、縦框8側を矢印33に示すように室外側に回動させて窓を開き、反対に、ハンドル25を把持して室内側に引くことにより、障子を矢印32,33の反対方向に動かして窓を閉じるものである。
なお、この実施の形態においては、グレモン錠のハンドル25を縦框8の見込み面8jに取付けたので、見付け面にハンドル25を取付ける場合に比較し、框の見付け面の幅Wを狭くすることが可能となり、断熱性の向上に寄与することができる。また、この実施の形態においては、縦框8、9および横框10,11を同じ断面形状に形成しているので、縦框8のみならず、縦框9および横框10,11の見付け面の幅も同様に狭くなり、全体として障子の框の室内外方向の伝熱面積が狭くなり、断熱性が優れた窓を提供することができる。また、傾斜板部8i〜11iを設けたことにより、框8〜11を薄幅にしても框8〜11の強度が確保できるように構成したものである。
図3は本発明の他の実施の形態を示す横断面図、図4はその縦断面図である。図3、図4において、縦枠3,4、横枠5,6、縦框8,9、横框10,11はそれぞれ図1、図2に示した同符号のものと同じ断面形状および寸法を、すなわち同一構造を持つものである。図3、図4において、図1、図2と異なる部分は、ガラスパネルとしてトリプルガラスパネルではなく、ペアガラスパネル(以下PGPAと称す。)13Bを用い、押縁として、PGPA13Bに適合する構造の押縁20Bを用いたことにある。このPGPA13Bにおいても例えばアルゴンガスのような断熱性の高いガスを密封構造で個々のガラスパネル間に封入して構成される。
図3、図4のようなPGPA13Bを用いる縦辷り出し窓は、図1、図2に示す縦辷り出し窓に比較して断熱性の要求が高くない温度環境や顧客の要求に応じて用いられるものであり、枠3〜6や框8〜11として共通のものを用い、ガラスパネルをTGPA13Aの代わりにPGPA13Bに代え、押縁20Aを押縁20Bに代えることで実現することができ、現場において、容易に組立てることができる。
図5は本発明の他の実施の形態を示す横断面図、図6はその縦断面図である。図5、図6において、縦枠3,4、横枠5,6、縦框8,9、横框10,11はそれぞれ図1、図2に示した同符号のものと同じ断面形状および寸法を持つものである。ただし、図5、図6においては、縦枠3,4のホロー部3b,4bや横枠5,6のホロー部5b,6bに発泡材からなる断熱材34を充填して入れたものである。また、縦框8,9のホロー部8g,9gや横框10,11のホロー部10g,11gにも発泡材からなる断熱材34を充填して入れたものである。ただし、ハンドル25を取付けるホロー部8gについては、ハンドル25の操作力伝達機構27を収容した部分については、断熱材34は操作力伝達機構27を設けた部分を避けた位置に設ける。TGPA13AやこのTGPA13Aに対応する押縁20Aを用いることは、図1、図2の実施の形態と同じである。
図5、図6のような断熱材34をホロー部に入れた構成の縦辷り出し窓は、図1、図2に示す縦辷り出し窓に比較して断熱性の要求が高い温度環境や顧客の要求に応じて用いられるものであり、ホロー部3b〜6bや8g〜11gが空洞のものの代わりに断熱材34を入れたものを選択することで実現することができ、現場において、容易に組立てることができる。
このように、この実施の形態においては、断熱材34をホロー部に入れるか否かで枠3〜6や框8〜11に断熱性を相違させ、ガラスパネルについては、TGPA13Aを用いるかPGPA13Bを用いるかによって断熱性を相違させ、これら断熱性が異なるこれらの枠3〜6や框8〜11やガラスパネル13A,13Bを選択して組み合わせることにより、断熱性が異なる縦辷り出し窓を実現可能としたものである。このため、枠3〜6や框8〜11を製造する設備として同一の設備を用いることができるため、製造価格を削減することが可能となる。また、施工業者は、同一構造の枠3〜6により構成された窓枠や、框8〜11から組まれた障子の框組を保管しておき、ガラスパネルとしてPGPA13AとTGPA13Aを保管しておき、施工時にこれらの構成部材を選択して組み合わせることにより、現場で要求される断熱性を備えた建具を容易に施工することが可能となる。
本発明は、横辷り出し窓のみでなく、横辷り出し窓や、開き窓、引き違い窓等、窓枠と框組とガラスパネルとで構成される他の各種建具に適用することが可能である。また本発明を実施する場合、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成部材やその組み合わせについて、種々の変更、付加が可能である。
1:窓枠、2:障子、3,4:縦枠、3b、4b:ホロー部、5,6:横枠、5b,6b:ホロー部、8,9:縦框、8e,8g,9e,9g:ホロー部、10,11:横框、10e,10g,11e,11g:ホロー部、13A:トリプルガラスパネル(TGPA)、13B:ペアガラスパネル(PGPA)、17〜19:気密材、20A,20B:押縁、34:断熱材
Claims (1)
- 樹脂製枠として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框として、同一構造を有して少なくとも一部のホロー部内に断熱材を入れたものと、ホロー部内をすべて空洞としたものとを備え、
樹脂製框に押縁により固定して取付けるガラスパネルとして、ペアガラスパネルとトリプルガラスパネルとを備え、
前記樹脂製枠および前記樹脂製框と、前記ガラスパネルとを、前記複数種類のものからそれぞれ選択し、かつガラスパネルに適合した押縁を選択して組み合わせることにより、断熱性の異なる建具を構成した
ことを特徴とする樹脂製建具。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2013
- 2013-11-29 JP JP2013247473A patent/JP2015105506A/ja active Pending
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