JP6699368B2 - エンジンのマウント構造 - Google Patents
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Description
また、チェーンカバーにマウント部材取付部を設ける場合、エンジンをマウントするための大きな荷重を支える必要があるため、かかる荷重に対応する剛性が要求される。そのためマウント部材取付部は一定以上の大きさになることから、十分な取付スペースを必要とする。ところが、チェーンカバーにおけるVVTの駆動部の配置等を考慮すると、チェーンカバーの剛性確保が必ずしも容易ではない。
図1は、本発明の適用例として自動車用のエンジン10を右斜め前方から見た状態を示す斜視図である。先ず、図1を用いて、内燃機関であるエンジン10の概略構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては必要に応じて、クランクシャフトの軸線方向に沿ってトランスミッションからエンジンに向かう方向を前方(矢印Frで示す)とし、その逆の方向を後方(矢印Rrで示す)とする。また、シリンダの軸線及びクランクシャフトの軸線に垂直な方向を、後方から見て右側を右方(矢印Rで示す)、左側を左方(矢印Lで示す)とする。なお、エンジン10の配置方向は図示例の場合に限定されず、車種等に応じて適宜選択可能である。
なお、本実施形態ではクランクスプロケット24及びカムスプロケット22,23がカムタイミングチェーン25を介して連結されるが、カムタイミングチェーン25の代替としてタイミングベルト、更にこれに付随するタイミングプーリ等を用いることも可能である。
また、可変バルブタイミング装置30における駆動部の作動方式は本発明の他の態様によれば、例えば電動式であり、即ち車載のバッテリの電力で作動する。この場合、駆動部には電動モータを備え、この電動モータによりカムシャフト20の回転速度をカムスプロケット22の回転速度よりも速く又は遅く回転させ、同様にカム位相を進角あるいは遅角させることができる。
本発明において、それら油圧式及び電動式の可変バルブタイミング装置30のどちらも採用可能であり、例えばエンジン仕様等に応じて油圧式及び電動式のいずれかを適宜使い分けることができる。以下では電動式の可変バルブタイミング装置30の実施例として説明するが、その代替として油圧式の可変バルブタイミング装置30も本発明の範囲に含まれる。
一方、本実施形態では排気側のカムシャフト21の軸端部に可変バルブタイミング装置30Aが装着される。この可変バルブタイミング装置30Aは油圧式であり、エンジン10のオイルポンプにて発生した油圧で作動するため、可変バルブタイミング装置30のモータユニット32のような駆動部を持たない。可変バルブタイミング装置30AにおいてもECUの指令に基づき、作動制御用の油圧回路による油圧制御によってカムシャフト21のカム29のカム位相を進角あるいは遅角させることができるようになっている。
このようにチェーンカバー16は、エンジン本体の前面と結合するように形成された結合部、即ち周縁部16aと、周壁35及びこの結合部を連結するボス部38とを有し、マウント部材1の他端部が、ボス部38に取り付けられる。
ボス部38は、吸気側におけるカバー部16bから膨出部33と同一方向(即ち前方)へ突出する。ボス部38は図5に示されるように周壁35と面一となるように前方へ突出し、その突出端面はマウント部材1を締結させるための平坦な締結座面38aとして形成され、締結座面38aにてマウント部材1を固定する締結ボルト42(図6参照)が螺合するネジ部41(雌ネジ)が形成されている。
マウント部材1をボス部38を介して、開口部34の周壁35に連結することで、マウント部材1が開口部34周辺の剛性向上に寄与する補強材として有効に機能する。
チェーンカバー16の周縁部16aは、エンジン本体の前面と結合する結合部として構成され、本実施形態においてチェーンカバー16周りを囲むように形成されているフランジ構造を有する。チェーンカバー16の結合部は、一般にはボルト締結によりシリンダブロック12及びシリンダヘッド13とフランジ面同士を接触させて結合されているため、大きな力がかかっても変形等を極力抑制することを可能にする剛性を確保することができる。そこで、かかる結合部と連結するボス部38にマウント部材1の他端部を取り付けることで、マウント部材1の取付剛性を確保することができる。
チェーンカバー16に開口部34を設けてもマウント部材1の取付時のチェーンカバー16の剛性を確保することができるので、チェーンカバー16において有効に開口部34及び可変バルブタイミング装置30のモータユニット32を取り付けることができる。また、可変バルブタイミング装置30にとってはモータユニット32をどのように取り付けるかが重要であるが、開口部34を設けてモータユニット32を取り付けることができればカム側の位相変換を行うことができる。
チェーンカバー16の周縁部16a自体は、チェーンカバー16のフレーム部材となるので、マウント部材1を強固に固定することができる。
また、可変バルブタイミング装置30Aが油圧式の場合で説明したが、可変バルブタイミング装置30Aは電動式であってもよい。即ち、可変バルブタイミング装置30と同様にカム位相変換部とこれを駆動するモータユニットとを備えた可変バルブタイミング装置30Aを構成し、これらカム位相変換部及びモータユニットが協働して、カム位相を変更することができる。
例えば、上記実施形態では3気筒ガソリンエンジンの例を説明したが、2気筒あるいは4気筒以上のエンジン等であってよい。
Claims (7)
- 吸気側及び排気側それぞれのカムシャフトを支持するシリンダヘッドと、前記カムシャフトを駆動するカムタイミングチェーンと、前記カムタイミングチェーンを覆うチェーンカバーと、前記吸気側及び排気側のカムシャフトの少なくともどちらか一方側のカムシャフトにおける軸端部に装着される可変バルブタイミング装置と、当該エンジンを車体に搭載するためのマウント部材とを有するエンジンのマウント構造であって、
前記チェーンカバーには、前記可変バルブタイミング装置を外方から臨むように開口部が形成されると共に、前記マウント部材を取り付けるマウント部材取付部が形成され、
前記マウント部材取付部は、前記開口部を挟むように左側取付部と右側取付部とで構成され、
前記左側取付部及び前記右側取付部は、前記マウント部材が取り付けられて相互に連結され、
前記チェーンカバーは、幅方向で互いに離間した一対の周縁部と前記周縁部を繋ぐカバー部と、前記周縁部に設けられ、エンジン本体の前面と結合するように形成された結合部と、前記開口部を形成する周壁及び前記結合部を連結する前記ボス部とを有し、
前記マウント部材の他端部は、前記ボス部に取り付けられることを特徴とするエンジンのマウント構造。 - 前記右側取付部の右端部と前記左側取付部の左端部の両方が前記周縁部に連結されることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのマウント構造。
- 前記右側取付部と前記左側取付部のいずれか一方は、前記周縁部と前記周壁との間を連結するように左右方向に延設されることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのマウント構造。
- 前記周縁部と前記周壁との間を連結するように左右方向に延設された前記取付部は、上下方向で前記開口部の上端よりも低い位置であって前記開口部の下端よりも高い位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジンのマウント構造。
- 前記周縁部と前記周壁との間を連結するように左右方向に延設された前記取付部は、延設された部分の一つの面全体に締結座面を有し、
前記マウント部材は、前記締結座面に固定されることを特徴とする請求項3に記載のエンジンのマウント構造。 - 前記締結座面は、前記周縁部と前記周壁との間を連結するように左右方向に延設された前記取付部の上面に、前記開口部を形成する円筒面の中心よりも低い位置に形成され、
前記マウント部材は、前記締結座面からその下端が前記開口部を形成する円筒面の中心よりも高い位置まで延びることを特徴とする請求項5に記載のエンジンのマウント構造。 - 前記マウント部材は、車体フレームに結合するマウント部が設けられ、
前記マウント部の上端は前記開口部を形成する円筒面の上端よりも低い位置かつ前記マウント部の下端は前記開口部を形成する円筒面の下端よりも高い位置かつ前記マウント部の右端は前記開口部を形成する円筒面の右端よりも左側かつ前記マウント部の左端は前記開口部を形成する円筒面の左端よりも右側に位置することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのマウント構造。
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