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JP6684899B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

以下の開示は、偏光フィルタを備えた撮像装置に関する。
太陽光が、物体によって反射されたり、散乱されたりして生成された反射光および散乱光には、物体の反射面の表面状態に起因した偏光成分が含まれている。近年、被写体を撮影する撮像装置において、偏光成分と無偏光成分とを分離することにより、撮影した画像を補正したり、撮影した画像から、偏光成分が関係する不要な情報を削除したりすることができる撮像装置の開発が進められている。
下掲の特許文献1に開示された2次元固体撮像装置では、2次元マトリクス状に配列された複数の画素領域のそれぞれが備えている複数の副画素領域の内、少なくとも1つの副画素領域の光入射側にはスリット型(ワイヤーグリッド型)の偏光部材が配置されている。各副画素領域は、光電変換素子の動作を制御する配線層を備えており、該配線層は、上記偏光部材と同じ材料から構成され、かつ該配線層と該偏光部材とは同じ仮想平面上に配置されている。
このような構成によって、スリット型の偏光部材と配線層との位置関係を最適化することができると、特許文献1には記載されている。
日本国公開特許公報「特開2010−263158号公報(2010年11月18日公開)」
しかしながら、本願発明者ら(以下、単に「発明者ら」と称する)が上記従来技術の構成を検討したところ、上記従来技術の構成には、本来、透過させたくない偏光成分の透過率が数%〜10%弱と高く、偏光特性に課題のあることがわかった。透過させたくない偏光成分とは、スリットの延伸方向に平行な偏波面を有する偏光成分であり、スリット型の偏光部材は、その偏光成分を反射および吸収するフィルタ機能を有している。
なお、上記従来技術の構成が有する偏光特性については、本開示の実施形態の構成が有する偏光特性と対比して、後で具体的に説明する。
本開示の一態様は、発明者らが発見した前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、偏光特性を向上させたスリット型の偏光フィルタを備えた撮像装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る撮像装置は、偏光部を備えた画素を含む撮像素子を備え、上記画素は、上記撮像素子の動作を制御する配線層を備え、上記偏光部は、複数の偏光子層と、上記複数の偏光子層のうち、隣り合う2つの偏光子層の間に配置された誘電体層とを備え、上記複数の偏光子層の各々には、所定の方向に周期的に並ぶ複数のスリットが形成され、上記複数の偏光子層の形成材料および上記配線層の形成材料はそれぞれ、Al、Si、Cu、Au、Ag、Pt、W、Ti、Sn、In、Ga、Znまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料である。
本開示の一態様に係る撮像装置によれば、スリット型の偏光フィルタを備えた撮像装置において、偏光特性を向上させることができるという効果を奏する。
本開示の実施形態1に係る画素の要部の構成を示す断面図である。 本開示の実施形態1に係る撮像素子の原理を説明するための概略図である。 本開示の実施形態1に係る画素において格子部が誘電体層によって包含されている様子を概略的に示す斜視図である。 本開示の実施形態1に係る画素における配線層と第1偏光子層および第2偏光子層との位置関係を概略的に示す断面図である。 本開示の実施形態1に係る画素の比較例としての画素の要部の構成を示す断面図である。 (a)は本開示の実施形態1に係る画素における光の波長と透過率Txとの間の関係を示す図であり、(b)は当該画素における光の波長と透過率Tyとの間の関係を示す図である。 (a)は上記比較例としての画素における光の波長と透過率Txとの間の関係を示す図であり、(b)は当該画素における光の波長と透過率Tyとの間の関係を示す図である。 (a)は本開示の実施形態1に係る画素における光の波長と消光比との間の関係を示す図であり、(b)は上記比較例としての画素における光の波長と消光比との間の関係を示す図である。 本開示の実施形態2に係る画素の要部の構成を示す断面図である。 本開示の実施形態2に係る画素において格子部が誘電体層によって包含されている様子を概略的に示す斜視図である。 (a)は本開示の実施形態2に係る画素における光の波長と消光比との間の関係を示す図であり、(b)は上記比較例としての画素における光の波長と消光比との間の関係を示す図である。 本開示の一態様に係る画素におけるストレスマイグレーションについて説明するための図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本開示の実施形態2に係る画素における格子部の配置のバリエーションを示す図である。 (a)および(b)はそれぞれ、本開示の一態様に係る画素における、w/sの値と消光比との間の関係を示す図である。 (a)および(b)はそれぞれ、本開示の一態様に係る画素における、格子部の周期Lcと消光比との間の関係を示す図であり、(c)は上記比較例としての画素における、周期Lcと消光比との間の関係を示す図である。 (a)は本開示の一態様に係る画素における画素のずれ量ΔYを説明するための図であり、(b)はずれ量ΔYと消光比との間の関係を示す図である。 (a)は本開示の一態様に係る画素において、偏光子層の数を3とした場合を示す図であり、(b)は偏光子層の数と消光比との間の関係を示す図である。 (a)〜(l)はそれぞれ、本開示の一態様に係る画素において用いられる各材料における、光の波長と屈性率nおよび消衰係数kのそれぞれとの間の関係を示す図である。 本開示の一態様に係る画素における、YZ平面における格子部の断面形状の別の例について説明するための図である。
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について、図1〜図8に基づいて詳細に説明する。以下に述べるように、本実施形態の撮像装置100は、偏光撮像装置(偏光イメージングカメラ)に好適である。
(撮像装置100の概要)
はじめに、図2を参照して、撮像装置100の概要について述べる。図2は、撮像装置100の原理を説明するための概略図である。図2では、撮像装置100の2つの画素1A・1Bが示されている。
ここで、撮像装置100において、N個の近接する画素(近接画素)の集団を画素ユニットと称する。図2では、簡単のために、N=2の場合の画素ユニットが示されている。なお、撮像装置100では、各画素は基板(例:後述の図1の基板15)上に形成されている。
画素ユニットにおける各画素には、受光部(撮像素子)および偏光部(偏光子層)が設けられる。後述するように、この偏光部は、撮像装置100における偏光フィルタとして機能する。なお、撮像装置100において、全ての画素に偏光部が設けられる必要はない。また、1つの撮像素子に、複数の画素が配列されてもよい。なお、1つの撮像素子が、偏光部を備えた画素を含んでいると理解されてもよい。
また、後述するように、受光部と偏光部とは、誘電体層(平坦化層)によって離間されている。なお、受光部はCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の公知の光電変換素子(撮像素子)であり、本実施形態では説明を省略する。
図2では、画素1A(画素ユニット内の1つの画素)には受光部11Aが、画素1B(画素ユニット内のもう1つの画素)には受光部11Bが、それぞれ設けられている。また、画素1A・1Bのそれぞれには、偏光部を形成する層である偏光子層120が設けられている。
画素1Aにおいて、偏光子層120には、複数の格子部12Aおよびスリット13Aが設けられている。また、画素1Bにおいて、偏光子層120には、複数の格子部12Bおよびスリット13Bが設けられている。図2に示されるように、格子部12Aとスリット13Aとは同方向に延伸している。また、格子部12Bとスリット13Bとも、同方向(格子部12Aおよびスリット13Aの延伸方向とは垂直な方向)に延伸している。
外部から撮像装置100に入射した光Lは、受光部に到達する前に、偏光子層(偏光部)を通過する。以降、偏光子層および受光部の法線方向をZ方向と称する。このZ方向は、撮像装置100の内部における光L(撮像光)の進行方向であると理解されてもよい。
ここで、スリット13Aが延伸する方向をX方向とし、当該スリット13Aが周期的に形成されている方向をY方向とする。なお、スリット13BはY方向に延伸しており、当該スリット13BはX方向に周期的に形成されている。偏光部および受光部は、図2のXYZ直交座標系において、Z方向に垂直な平面(XY平面)上に形成されている。
上述のように、画素ユニットにおける各近接画素の偏光子層には、格子部と同方向に延伸するスリットが設けられている。一般的に、N個の近接画素から成る画素ユニットにおいて、スリットの延伸方向の角度は、(180°/N)ずつ異なる。従って、1つの画素を基準画素とした場合(すなわち、1つの画素におけるスリットの延伸方向の角度を0°(基準角度)とした場合)、N個の画素におけるスリットの延伸方向の角度はそれぞれ、「0°」、「180°/N」、「(180°/N)×2」…、「(180°/N)×(N−1)」と表される。なお、上述の図2の構成は、N=2の場合に相当する。
偏光子層(より具体的には、格子部およびスリット)は、自身に入射する光のうち、(i)スリットが延伸する方向に垂直な方向の偏光成分を透過し、かつ、(ii)スリットが延伸する方向に平行な方向の偏光成分を透過させない(反射または吸収する)。
従って、画素Aにおける偏光子層120(より具体的には、格子部12Aおよびスリット13A)は、光LのY方向の偏光成分を透過させ、受光部11Aに入射させる。他方、画素Aにおける偏光子層120は、光LのX方向の偏光成分を遮断し、受光部11Aに入射させない。
また、画素Bにおける偏光子層120(より具体的には、格子部12Bおよびスリット13B)は、光LのX方向の偏光成分を透過させ、受光部11Bに入射させる。他方、画素Bにおける偏光子層120は、光LのY方向の偏光成分を遮断し、受光部11Bに入射させない。
このように、画素1A・1Bのそれぞれに偏光子層120が設けられることにより、受光部11A・11Bのそれぞれに、光Lの異なる偏光成分を入射させることができる。そして、受光部11A・11Bにおける光電変換の結果として得られた電気信号(光電流)を輝度値に変換することにより、光Lの偏光情報を得ることができる。
ところで、通常の撮像装置では、光Lの偏光情報を得るためには、当該撮像装置の前面に直線偏光板を設け、当該直線偏光板を回転させて複数回撮像を行う必要があった。他方、撮像装置100では、1回の撮像によって光Lの偏光情報を得ることができる。従って、撮像装置100によれば、従来よりも高速かつ容易に偏光情報を得ることができる。
また、撮像装置100には、偏光情報を用いて、所定の処理を行うための情報処理部(不図示)がさらに設けられてもよい。一例として、情報処理部は、偏光情報を用いて、光の鏡面反射成分と拡散反射成分とを分離する処理を行ってよい。当該処理により、物体の形状を光学的に計測する場合の計測精度を向上させることができる。また、偏光が多く含まれる風景(霧または水中等の風景)を撮影する場合の、撮像画像の品質を向上させることもできる。
(画素1の具体的な構成)
続いて、撮像装置100における画素の具体的な構成について説明する。一例として、上述の画素1Aを例示して説明を行う。以降の説明では、部材名称の簡単化のために、画素1Aを画素1と称する。また、受光部11A、格子部12A、およびスリット13Aを、受光部11(撮像素子)、格子部12、およびスリット13とそれぞれ称する。
図1は、画素1の要部の構成を示す断面図である。図1では、YZ平面における断面図が示されている。画素1は、例えばシリコン基板である基板15の上に形成されている。図1に示されるように、画素1は、偏光部10および受光部11を備えている。
偏光部10は、撮像装置100中の複数の画素のうちの1つの画素1に対応して形成されている。そして、偏光部10は、第1偏光子層120a(偏光子層)、第2偏光子層120b(偏光子層)、および誘電体層14(平坦化層とも称される)を備えている。なお、第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bは、互いに平行であり、ともにZ方向を法線方向とする。
図1に示されるように、第1偏光子層120aと第2偏光子層120bとは、誘電体層14によってZ方向に離間されている。このため、第1偏光子層120aと第2偏光子層120bとは、Z方向の異なる位置(2通りのZ方向の位置)に設けられている。ここで、第1偏光子層120aは、受光部11により近い方の偏光子層である。また、第2偏光子層120bは、受光部11からより遠い方の偏光子層である。
なお、図1では、簡単のために、画素1に設けられる偏光子層の個数が2である場合が例示されているが、当該個数は3以上であってもよい。すなわち、画素1では、複数の偏光子層が設けられていればよい。
そして、第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bのそれぞれには、上述の格子部12およびスリット13が設けられている。画素1では、格子部12およびスリット13はY方向(所定の方向)に周期的に配置されている(上述の図2の格子部12Aおよびスリット13Aも参照)。
以下、第1偏光子層120aにおける格子部12およびスリット13を、格子部121およびスリット131とも称する。また、第2偏光子層120bにおける格子部12およびスリット13を、格子部122およびスリット132とも称する。図1に示されるように、画素1において、格子部121(スリット131)は、Z方向から見て、格子部122(スリット132)と最大限に重なり合うように配置されている。
偏光子層(第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120b)の材料は、撮像装置100の配線層19(後述の図4を参照)と同様のものであってもよいし、当該配線層19とは異なるものであってもよい。
具体的には、偏光子層の材料(形成材料)および配線層19の材料(形成材料)はそれぞれ、Al、Si、Cu、Au、Ag、Pt、W、Ti、Sn、In、Ga、Znまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であってよい。偏光子層の材料と配線層19の材料との組み合わせとしては、画素1の偏光特性をできるだけ向上させる組み合わせを選択することが好ましい。なお、偏光子層は、配線層19を延長することによって形成されてよい。
ここで、格子部12の厚さ(Z軸方向の長さ,換言すれば偏光子層の厚さ)を、dとして表す。なお、格子部121の厚さと格子部122の厚さとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、簡単のために、格子部121・122の厚さは同じであるものとする。また、Z方向における格子部121と格子部122との間隔(Z方向において隣接する格子部の間隔,換言すれば格子部121・122間に介在する誘電体層14の厚さ)を、Dとして表す。
また、格子部12のY方向の長さを、幅wとして表す。また、スリット13のY方向の長さを、スリット幅sとして表す。スリット幅sは、Y方向において隣接する格子部12間の間隔に等しい。本実施形態では、簡単のために、w=sであるものとする。但し、w≠sであってもよい。また本実施形態では、第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bの両方において、幅wおよびスリット幅sは同じであるものとするが、これらの値は第1偏光子層120aと第2偏光子層120bとで異なっていてもよい(後述の図13も参照)。
誘電体層14は、第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bとの間に介在する層であり、格子部12を包含する。また、誘電体層14の一部は、スリット13内にも存在する。誘電体層14の材料は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜等の誘電体材料からなる。図3は、格子部12が誘電体層14によって包含されている様子を概略的に示す斜視図である。
なお、図1の撮像装置100の製造方法の一例は、以下の通りである。すなわち、基板15(例:シリコン基板)上に、入射した光を電気信号に変換する受光部11(例:フォトダイオード)を一般的な半導体プロセスで形成し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で誘電体層14を、基板15上に形成する。
続いてスパッタリングにより、偏光子層(例:第1偏光子層120a)を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて、当該偏光子層をパターニングすることで格子部12とスリット13とを形成する。続いて、CVD法により、偏光子層上およびスリット13を埋めるように誘電体層14を形成する。必要であれば、例えばCMP(化学機械研磨:Chemical Mechanical Polishing)などにより、誘電体層14が平坦になるように研磨する。上記一連の工程を複数回実施することで、複数の偏光子層(例:第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120b)を備えた撮像装置100が形成される。
図4は、上述の配線層19と第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bとの位置関係を概略的に示す断面図である。配線層19は、撮像装置100(特に受光部11)の動作を制御するためのものであり、画素1のそれぞれに設けられている。
図4に示されるように、複数の配線層19はそれぞれ、Z方向に互いに離間して設けられる。なお、複数の偏光子層の少なくとも1つは、1つの配線層19が形成された後に、当該配線層19と同じ層に形成されてよい。この場合、複数の偏光子層の少なくとも1つは、配線層19と同じ層を構成する。図4では、第1偏光子層120aが、配線層19と同じ層を構成する場合が例示されている。
複数の偏光子層のうちの少なくとも1つを、配線層19と同じ層を構成させることにより、撮像装置100の製造プロセスの中で、当該偏光子層を作り込むことができる。従って、偏光部(偏光フィルタ)と撮像素子(受光部)とを組み合わせる工程を不要とし、かつ、偏光部と撮像素子の画素とを精度よく位置合わせすることが可能となる。また、偏光子層の製造が容易化される。
但し、撮像装置100において、複数の偏光子層は、必ずしも配線層19と同じ層を構成していなくともよい。
(画素1の偏光特性の評価)
続いて、画素1の偏光特性の評価結果について述べる。ここで、画素1の偏光特性の比較評価のために、比較例としての画素1Xを考える。図5は、画素1Xの要部の構成を示す断面図である。
画素1Xは、本実施形態の画素1から、第1偏光子層120aを省略した構成である。つまり、画素1Xは、偏光子層が複数でなく1つであるという点で、画素1とは異なる。この画素1Xは、上記従来技術の構成を模擬したものである。
まず、発明者らは、FDTD(Finite difference time domain,有限差分時間領域)法を用いた計算機シミュレーションにより、画素1Xの偏光特性を評価した。当該シミュレーションに用いた条件は、以下の(A1)〜(A5)の通りである。
<画素1Xのシミュレーション条件>
(A1)第2偏光子層120bの材質:Al;
(A2)誘電体層14の材質:SiO
(A3)厚さd=40nm;
(A4)幅w=50nm、70nm、100nm(3通り);
(A5)スリット幅s=上記(A4)の幅wと同じ。
そして、上記シミュレーションの結果、画素1Xにおいて、X方向の偏光成分の透過率(以下、Txと称する)とY方向の偏光成分の透過率(以下、Tyと称する)がそれぞれ算出された。
図7の(a)は、画素1Xにおける光の波長と透過率Txとの間の関係を示すグラフである。また、図7の(b)は、画素1Xにおける光の波長と透過率Tyとの間の関係を示すグラフである。なお、図7において、横軸は光の波長であり、縦軸は透過率である。
ここで、画素1Xは、上述の画素1と同様に、上述の図2の画素1Aに相当する画素である。このため、画素1Xは、光のX方向(スリット13の延伸方向)の偏光成分を遮断し、かつ、当該光のY方向(X方向に垂直な方向)の偏光成分を透過するように構成されている。換言すれば、画素1Xは、透過率Tyに比べて、透過率Txが十分に小さくなるように構成されている。図7のグラフからも、このような透過率TxとTyとの間の関係が理解される。
続いて、発明者らは、同様のシミュレーションにより、画素1の偏光特性についても評価した。当該シミュレーションに用いた条件は、以下の(B1)〜(B6)の通りである。
<画素1のシミュレーション条件>
(B1)第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bの材質:Al;
(B2)誘電体層14の材質:SiO
(B3)厚さd=40nm;
(B4)幅w=50nm、70nm、100nm(3通り);
(B5)スリット幅s=上記(4)の幅wと同じ;
(B6)間隔D=50nm。
そして、上記シミュレーションの結果、画素1においても、透過率TxおよびTyがそれぞれ算出された。図6の(a)および(b)はそれぞれ、画素1における光の波長と透過率TxおよびTyとの間の関係を示すグラフである。
図6の(b)と図7の(b)とを比較すると、透過率Tyについては、画素1と画素1Xとの間の顕著な相違は見られなかった。つまり、画素1および画素1Xのいずれにおいても、光のY方向の偏光成分が十分に透過されていた。
他方、図6の(a)と図7の(a)とを比較すると、画素1では、画素1Xに比べて、透過率Txが大幅に低減されていることが確認された。すなわち、画素1では、画素1Xに比べて、X方向の偏光成分(遮断すべき偏光成分)が、より効果的に遮断されていることが確認された。すなわち、画素1によれば、従来の画素では十分に遮断することが困難であったX方向の偏光成分を、より確実に遮断できることが確認された。
そして、発明者らは、画素1と画素1Xとの偏光特性の差異をより具体的に示すため、消光比Rについても比較を行った。ここで、消光比Rは、R=Ty/Txとして表される。消光比Rは、X方向の偏光成分(遮断すべき偏光成分)に対する、Y方向の偏光成分(透過すべき偏光成分)の割合を示す指標である。従って、消光比Rが高いほど、画素の偏光特性(偏光フィルタ性能)が優れていると言える。
図8の(a)および(b)はそれぞれ、画素1および画素1Xのそれぞれにおける、光の波長と消光比Rとの間の関係を示すグラフである。図8に示されるように、画素1の消光比Rは、画素1Xに比べて非常に高いことが、発明者らによって確認された。
また、光の波長が700nm以上の波長領域においては、上述の幅w(およびスリット幅s)を小さくするほど、画素1および画素1Xの消光比が向上することが確認された。
(撮像装置100の効果)
以上のように、発明者らは、画素1の構成によって(すなわち、Z方向の異なる位置に複数の偏光子層を設けることにより)、従来よりも偏光特性に優れた撮像装置100を実現できることを新たに見出した。それゆえ、画素1を適用することにより、従来よりも高精度な偏光情報を取得可能な撮像装置100を実現することができる。
加えて、上述の図8に示されるように、「画素1Xにおいてw=50nmとした場合」(画素1Xにおいて最も消光比が高くなる構成)に比べて、「画素1においてw=100nmとした場合」(画素1において最も消光比が低くなる構成)の方が、消光比に優れていることが確認された。
なお、画素1では、格子部122と格子部121とが、最大限の重なりを持つように、格子部121と格子部122との位置関係が設定されている。当該設定では、(i)Z方向(第1偏光子層120aおよび第2偏光子層120bの法線方向)と平行をなすように、格子部121の中心を通る第1平面と、(ii)当該Z方向と平行をなすように、格子部122の中心を通る第2平面とが、同一平面となっていてもよい。
但し、第2偏光子層120bの法線方向に対する、格子部121と格子部122との位置関係は、これに限定されない。以下の実施形態2において述べるように、当該位置関係については、様々な設定が許される。
〔実施形態2〕
本開示の実施形態2について、図9〜図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(画素2の構成)
図9は、本実施形態の画素2の要部の構成を示す断面図である。なお、上述の実施形態1の撮像装置100との区別のため、画素2を備えた撮像装置(本実施形態の撮像装置)を、撮像装置200と称する。また、図10は、上述の図3と同様の斜視図である。
本実施形態の画素2の構成は、Z方向から見て、スリット131(格子部121)がスリット132(格子部122)と、(実質的に)重なりを持たないように配置されているという点においてのみ、実施形態1の画素1と異なる。
つまり、画素2では、スリット132のスリット幅sと、格子部121の幅wとが等しく設定されており、Z方向から見て、スリット132と格子部121とが、実質的に隙間なく重なっている。
なお、「実質的に隙間なく重なっている」とは、撮像装置200の製造上の誤差(製造公差)により、スリット132と格子部121との重なり方に隙間が生じる部分、または重なり方に隙間が生じる場合を含むことを意味している。なお、幅wの製造公差は、設計値の±20%程度の範囲であればよい。
(画素2の偏光特性の評価)
続いて、画素2の偏光特性の評価結果について述べる。まず、発明者らは、画素2の偏光特性の比較評価のために、上述の図5の画素1Xについて、シミュレーション条件の一部を変更して、偏光特性の評価を再び行った。具体的には、発明者らは、上述の条件(A4)を以下の(C4)に変更して、画素1Xの偏光特性の評価を行った。
<画素1Xのシミュレーション条件>
(C4):幅w=50nm、70nm、100nm、150nm、200nm(5通り)。
なお、上述の条件(A1)〜(A3)および(A5)については、実施形態1と同様である。このため、スリット幅sは、上述の(C4)の幅wと同じである。
続いて、発明者らは、画素2についても、偏光特性の評価を行った。具体的には、発明者らは、上述の条件(B4)を以下の(D4)に変更して、画素2の偏光特性の評価を行った。
<画素2のシミュレーション条件>
(D4):幅w=50nm、70nm、100nm、150nm、200nm(5通り)。
なお、上述の条件(B1)〜(B3)および(B5)〜(B6)については、実施形態1と同様である。このため、スリット幅sは、上述の(D4)の幅wと同じである。
そして、上記シミュレーションの結果、画素1Xおよび画素2のそれぞれにおける消光比Rが、上述の実施形態1と同様に算出された。図11の(a)および(b)はそれぞれ、画素2および画素1Xのそれぞれにおける、光の波長と消光比Rとの間の関係を示すグラフである。
図11に示されるように、画素2の消光比Rについても、画素1Xに比べて非常に高いことが、発明者らによって確認された。また、実施形態1と同様に、光の波長が700nm以上の波長領域においては、上述の幅w(およびスリット幅s)を小さくするほど、画素2および画素1Xの消光比が向上することが確認された。
加えて、図11に示されるように、「画素1Xにおいてw=50nmとした場合」(画素1Xにおいて最も消光比が高くなる構成)に比べて、「画素2においてw=200nmとした場合」(画素2において最も消光比が低くなる構成)の方が、消光比に優れていることが確認された。
このように、画素2では、幅wを画素1X(従来の画素)に比べて十分に大きくしても、なお良好な偏光特性が得られる。これにより、以下の2つの利点が得られる。なお、上述の実施形態1の画素1についても、同様の利点が得られる。
(利点1):幅wを大きくすることができるため、従来の配線加工装置(例:200nmプロセス装置)によって、格子部12を容易に形成できる。すなわち、特殊な微細加工装置を必要とせず、格子部12を形成できるので、撮像装置200の製造コストを低減できる。
(利点2):ところで、一般的な金属配線において、当該配線の幅を小さくした場合には、当該配線の形成時に、ストレスマイグレーションによって、ボイド、またはスリット状の断線が発生しやすくなることが知られている。
ストレスマイグレーションとは、(i)金属配線と、(ii)当該金属配線を取り囲む酸化物または窒化物等の絶縁膜と、の間の熱膨張率差を主要因として、当該金属配線に応力が発生する現象である。金属配線が応力に耐え切れなくなると、当該金属配線自身に、ボイドまたはスリット状の断線が生じる。
ストレスマイグレーションは、金属配線の幅に対して強い依存性を有することが知られている。また、金属配線の寿命は、当該金属配線が断線する確率に依存する。金属配線の寿命は、金属配線の幅に対して指数関数的な依存性を示すことが知られている。
本開示の一態様に係る画素(撮像装置)では、誘電体層(誘電体層14)に囲まれた格子部(格子部12)において、一般的な金属配線と同様に、幅wに依存したストレスマイグレーションが生じ得る。
本開示の一態様に係る画素(撮像装置)では、(i)格子部を形成する材料と、(ii)誘電体層を形成する材料と、の間の熱膨張率差に起因して、格子部に応力が発生する。当該応力により、格子部において、一般的な金属配線と同様に、いわゆるボイドまたはスリット状の断線が生じ得る。
図12は、本開示の一態様に係る画素におけるストレスマイグレーションについて説明するための図である。図12に示されるように、例えば、X方向に延伸する格子部12にボイドまたはスリット状の断線が生じた場合、格子部12は当該断線によって完全にあるいは部分的に分割される。断線による格子部12の分割面は、断線面とも称される。
上記断線は、X方向に所定の幅(例:数nm〜数10nmの幅)を有する形状(いわゆるスリット形状)となる。当該スリット形状が形成された場合、本開示の一態様に係る画素において、消光比が悪化する。当該スリット形状が存在することによって、X方向の偏光成分(画素のスリットの延伸方向に平行な偏波面を有する成分,格子部12において本来遮断されるべき成分)が、当該格子部12において透過されてしまうためである。
この点から、消光比の向上を目的として、格子部12の幅wを小さくした場合には、格子部12にボイドまたはスリット状の断線が発生し、画素2の偏光特性が低下することが懸念される。
しかしながら、画素2では、幅wを大きくすることができるため、格子部12の形成時におけるボイドまたはスリット状の断線の発生を防止することができる。このため、ボイドまたはスリット状の断線の発生による画素2の偏光特性の低下を防止することができる。すなわち、画素2の信頼性を向上させることもできる。なお、格子部12の形成時におけるボイドまたはスリット状の断線の発生を効果的に低減するためには、wをdよりも大きくすることが好ましい。
但し、画素2の設計次第では、幅wを小さくした場合に、ボイドまたはスリット状の断線の発生による偏光特性の低下を上回って、偏光特性を向上させることもできる。このため、画素2においても、消光比の向上を目的として、幅wを小さくしてもよい。
(撮像装置200の効果)
以上のように、画素2によっても、従来よりも偏光特性に優れた撮像装置を実現できる。加えて、幅wを大きくすることができるため、上述の実施形態1の撮像装置100に比べて、製造コスト面および信頼性にさらに優れた撮像装置200を実現できる。
(格子部12の配置のバリエーション)
図13の(a)〜(c)はそれぞれ、画素2における格子部12の配置のバリエーションを示す図である。以下、第2偏光子層120bのスリット132のスリット幅を、スリット幅s2と表す。また、第1偏光子層120aの格子部121の幅を、幅w1と表す。
図13の(a)は、上述の図9および図10と同様の格子部12の配置を示す。つまり、図13の(a)では、スリット幅s2と幅w1とが等しく設定されており、Z方向から見て、スリット132と格子部121とが隙間なく重なっている。換言すれば、Z方向から見て、スリット131とスリット132とが重なりを持たない。
発明者らは、図13の(a)のように格子部12を配置することにより、上述の図11に示されるように、画素2の偏光特性を特に向上させることが可能であることを見出した。なお、幅w1は、第2偏光子層120bの格子部122の幅(便宜的に幅w2と称する)と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図13の(b)は、格子部12の別の配置例を示す。具体的には、図13の(b)では、幅w1がスリット幅s2よりも広く設定されており、Z方向から見て、スリット132を塞ぐように、格子部121が配されている。
発明者らは、図13の(b)のように格子部12を配置することにより、図13の(a)の構成には及ばないものの、画素2の偏光特性を好適に向上させることが可能であることを見出した。なお、図13の(b)では、幅w1は、上述の幅w2よりも大きく設定されている。図13の(b)では、区別のため、より大きい幅w1を有する格子部121を、格子部12xとも称する。
図13の(c)は、格子部12のさらに別の配置例を示す。具体的には、図13の(c)では、スリット幅s2が幅w1よりも広く設定されており、Z方向から見て、スリット幅s2の範囲内に、格子部121の少なくとも一部が存在している。従って、図13の(c)では、Z方向から見て、スリット131とスリット132とが重なりを持っている。なお、図13の(a)に示す構成においても、Z方向から見て、スリット131とスリット132とが重なりを持つように、例えば、格子部121の位置をY方向にずらした場合にも、Z方向から見て、スリット幅s2の範囲内に、格子部121の少なくとも一部が存在する構成となる。
発明者らは、図13の(c)のように格子部12を配置することにより、図13の(a)および(b)の構成には及ばないものの、画素2の偏光特性を好適に向上させることが可能であることを見出した。なお、図13の(c)では、幅w1は、上述の幅w2よりも小さく設定されている。図13の(c)では、区別のため、より小さい幅w1を有する格子部121を、格子部12yとも称する。
〔追加検討事項1〕
発明者らは、格子部12の幅wおよびスリット13のスリット幅sの好適な数値範囲について、さらに検討を行った。その結果、発明者らは、上述の消光比(R)が、幅wとスリット幅sとの比の値「w/s」に依存するという知見を新たに見出した。
当該知見を踏まえ、発明者らは、実施形態1の画素1、および、実施形態2の画素2のそれぞれに対して、上述と同様のシミュレーションを行い、各画素におけるw/sの値と消光比との間の関係を確認した。
ここで、幅wとスリット幅sとの和(w+s)を、格子部12の周期Lcと称する。発明者らは、上記シミュレーションにおいて、周期Lc=w+sを一定に設定した。そして、発明者らは、幅wを変数として、スリット幅sを、s=Lc−wと設定することにより、上記シミュレーションを行った。
図14の(a)および(b)はそれぞれ、本開示の一態様に係る画素における、w/sの値と消光比との間の関係を示すグラフである。図14において、横軸はw/sの値であり、縦軸は消光比である。
図14の(a)は、画素1におけるw/sの値と消光比との間の関係を示すグラフである。図14の(a)は、上記シミュレーションにおいて、周期Lc=200nmとした場合に得られた結果である。幅wおよびスリット幅sを除いたシミュレーション条件は、実施形態1と同様である。なお、w/s=1の場合は、上述の図1の構成に相当する。
図14の(b)は、画素2におけるw/sの値と消光比との間の関係を示すグラフである。図14の(b)は、上記シミュレーションにおいて、周期Lc=300nmとした場合に得られた結果である。幅wおよびスリット幅sを除いたシミュレーション条件は、実施形態2と同様である。なお、w/s=1の場合は、上述の図13の(a)構成に相当する。また、(i)w/s>1の場合は、図13の(b)の構成に、(ii)w/s<1の場合は、図13の(c)の構成に、それぞれ相当する。
図14の(a)および(b)のそれぞれには、光の波長を「700nm、800nm、900nm、1000nm、1100nm、1200nm、1300nm」(7通り)のそれぞれに設定した場合の、w/sの値と消光比との間の関係が示されている。
図14の(a)および(b)に示されるように、画素1および画素2のそれぞれにおいて、いずれの波長においても、w/sが大きくなるにつれて、消光比が向上する傾向が確認された。また、w/sの値が一定である場合、波長が長くなるにつれて、消光比が向上する傾向が確認された。
従って、w/sを設定することにより、所定の波長に対して所望の消光比を有する画素を得ることができる。一例として、画素の偏光特性を考慮して、消光比が10以上の画素を得る場合を考える。
そこで、図14の(a)に示されるように、画素1の場合には、w/s≧0.3として、w/sを設定することが好ましい。また、図14の(b)に示されるように、画素2の場合には、w/s≧0.36として、w/sを設定することが好ましい。このようにw/sを設定すれば、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が10以上となる画素を得ることができる。
〔追加検討事項2〕
発明者らは、さらなる検討の結果、消光比は上述の周期Lcにも依存するという知見を見出した。当該知見を踏まえ、発明者らは、画素1および画素2のそれぞれに対して、上記シミュレーションを行い、各画素における周期Lcと消光比との間の関係を確認した。
発明者らは、上記シミュレーションにおいて、w=sである場合(つまり、w/s=1である場合)について検討を行った。発明者らは、周期Lcを変数として、幅wおよびスリット幅sをそれぞれ、w=s=Lc/2と設定することにより、上記シミュレーションを行った。
図15の(a)および(b)はそれぞれ、本開示の一態様に係る画素における、Lcと消光比との間の関係を示すグラフである。図15において、横軸は周期Lcであり、縦軸は消光比である。
図15の(a)は、画素1における周期Lcと消光比との間の関係を示すグラフである。上記シミュレーションにおいて、幅wおよびスリット幅sを除いたシミュレーション条件は、実施形態1と同様である。
図15の(b)は、画素2における周期Lcと消光比との間の関係を示すグラフである。上記シミュレーションにおいて、幅wおよびスリット幅sを除いたシミュレーション条件は、実施形態2と同様である。
さらに、発明者らは、比較検討のために、上述の変形例の画素1X(図5の構成)に対しても、上記シミュレーションを行い、周期Lcと消光比との間の関係を確認した。図15の(c)は、画素1Xにおける周期Lcと消光比との間の関係を示すグラフである。上記シミュレーションにおいて、幅wおよびスリット幅sを除いたシミュレーション条件は、実施形態1と同様である。
図15の(a)〜(c)のそれぞれには、上述の7通りの波長のそれぞれに対する、周期Lcと消光比との間の関係が示されている。図15の(a)〜(c)のそれぞれに示されるように、画素1、画素2、および画素1Xのそれぞれにおいて、いずれの波長においても、周期Lcが大きくなるにつれて、消光比が低下する傾向が確認された。また、周期Lcが一定である場合、波長が短くなるにつれて、消光比が低下する傾向が確認された。
従って、周期Lcを設定することによっても、所定の波長に対して所望の消光比を有する画素を得ることができる。
例えば、図15の(a)に示されるように、画素1の場合には、Lc≦260nmとして、周期Lcを設定することが好ましい。また、図15の(b)に示されるように、画素2の場合には、Lc≦650nmとして、周期Lcを設定することが好ましい。このように周期Lcを設定すれば、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が10以上となる画素を得ることができる。
なお、図15の(c)に示されるように、画素1Xにおいて消光比を10以上とするためには、Lc≦180nmとして、周期Lcを設定すればよい。
〔追加検討事項3〕
発明者らは、さらなる検討の結果、消光比は画素のずれ量ΔY(後述)にも依存するという知見を見出した。当該知見を踏まえ、発明者らは、図16の(a)に示す画素(以下、第1解析用画素とも称する)に対して上記シミュレーションを行い、当該画素におけるずれ量ΔYと消光比との間の関係を確認した。
図16の(a)は、第1解析用画素における画素のずれ量ΔYを説明するための図である。図16の(a)に示されるように、第1解析用画素は、1つの格子部121の右端(Y方向の正の方向に位置する端部)が、格子部122の左端(Y方向の負の方向に位置する端部)に対して、ΔYだけ離間している画素である。ずれ量とは、図16の(a)におけるΔYを意味する。ずれ量ΔYは、非負の値である。
発明者らは、上記シミュレーションにおいて、w=s=150nmとして、幅wおよびスリット幅sを一定に設定した。そして、発明者らは、ずれ量ΔYを変数として、上記シミュレーションを行った。その他のシミュレーション条件は、実施形態1または2と同様である。
なお、ΔY=0nmである場合は、上述の図9の構成(画素2)に相当する。ΔY=0nmとした場合、Z方向から見て、格子部121と格子部122とが、(実質的に)重なりを持たないように配置されるためである。
また、ΔY=150nmである場合は、上述の図1の構成(画素1)に相当する。ΔY=150nmとした場合、Z方向から見て、格子部121と格子部122とが、最大限に重なり合うように配置されるためである。
図16の(b)には、上述の7通りの波長のそれぞれに対する、ずれ量ΔYと消光比との間の関係が示されている。図16の(b)に示されるように、いずれの波長においても、ずれ量ΔYが大きくなるにつれて、消光比が低下する傾向が確認された。また、ずれ量ΔYが一定である場合、波長が短くなるにつれて、消光比が低下する傾向が確認された。
従って、ずれ量ΔYを設定することによっても、所定の波長に対して所望の消光比を有する画素を得ることができる。
例えば、図16の(b)の場合であれば、0nm≦ΔY≦125nmとして、ずれ量ΔYを設定することが好ましい。このようにずれ量ΔYを設定すれば、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が10以上となる画素を得ることができる。
〔追加検討事項4〕
発明者らは、さらなる検討の結果、消光比は画素における偏光子層の数にも依存するという知見を見出した。当該知見を踏まえ、発明者らは、上記シミュレーションを行い、偏光子層の数と消光比との間の関係を確認した。
発明者らは、上記シミュレーションにおいて、w=s=150nmとして、幅wおよびスリット幅sを一定に設定した。そして、発明者らは、偏光子層の数を1から4まで変化させ、上記シミュレーションを行った。その他のシミュレーション条件は、実施形態1または2と同様である。
まず、発明者らは、画素1X(図5)を、偏光子層の数が1である場合の画素として、上記シミュレーションの対象とした。
続いて、発明者らは、偏光子層の数が複数(2以上)の場合には、格子部121と格子部122とが、最大限に重なり合うように配置される画素の構成を、上記シミュレーションの対象とした。
そこで、発明者らは、偏光子層の数が複数の画素2(図9)を、偏光子の層数が2である場合の画素とした。続いて、発明者らは、図17の(a)に示す画素を、偏光子の層数が3である場合の画素(以下、第2解析用画素とも称する)とした。図17の(a)に示すように、第2解析用画素において、受光部11(図17の(a)では不図示)から最も遠い偏光子層を、第3偏光子層と称する。
第2解析用画素は、画素2に対して第3偏光子層を付加した構成である。図17の(a)に示すように、当該第2解析用画素では、Z方向から見て、第3偏光子層の格子部12は、第1偏光子層の格子部12(上述の格子部121)と最大限に重なり合うように配置されている。
さらに、図示は省略するが、発明者らは、第2解析用画素に対して、第4偏光子層を付加した画素を、偏光子の層数が4である場合の画素(以下、第3解析用画素とも称する)とした。第4偏光子層とは、第3解析用画素において、受光部11から最も遠い偏光子層である。第解析用画素では、Z方向から見て、第4偏光子層の格子部12は、第2偏光子層の格子部12(上述の格子部122)と最大限に重なり合うように配置されている。
図17の(b)には、上述の7通りの波長のそれぞれに対する、偏光子層の数と消光比との間の関係が示されている。図17の(b)に示されるように、いずれの波長においても、偏光子層の数が多くなるにつれて、消光比が向上する傾向が確認された。また、偏光子層の数が一定である場合、波長が短くなるにつれて、消光比が低下する傾向が確認された。
従って、偏光子層の数を設定することによっても、所定の波長に対して所望の消光比を有する画素を得ることができる。
例えば、図17の(b)の場合であれば、偏光子層の数を2以上として、偏光子層の数を設定することが好ましい。このように偏光子層の数を設定すれば、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が10以上となる画素を得ることができる。
また、偏光子層の数を2よりも大きくすることで、さらに高い消光比を有する画素を得ることができる。例えば、偏光子層の数を3とした場合には、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が1000以上となる画素を得ることができる。
さらに、偏光子層の数を4とした場合には、700nm以上の任意の波長に対して、消光比が100000以上となる画素を得ることができる。
〔追加検討事項5〕
上述の通り、本開示の一態様に係る画素において、偏光子層および配線層のそれぞれの材料は、Al、Si、Cu、Au、Ag、Pt、W、Ti、Sn、In、Ga、Znまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であればよい。
発明者らは、偏光子層および配線層のそれぞれについて、より好適な材料を見出すべく、さらに検討を行った。以下、その検討結果について述べる。
(配線層の材料)
配線層の材料は、高い信頼性、容易な加工性、および低い電気抵抗を有することが好ましい。具体的には、配線層の材料は、Al、Cu、Ti、W、Snまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であることが好ましい。
(偏光子層の材料)
一般的に、材料(物質)は固有の複素屈折率mを有している。複素屈折率mは、
m=n+ik
と表される。複素屈折率mの実部を屈折率n、虚部を消衰係数kとそれぞれ称する。なお、iは虚数単位である。複素屈折率mは、材料の光学特性を示す指標の1つとして用いられる。
屈折率nおよび消衰係数kはそれぞれ、光の波長λに依存することが一般的である。従って、屈折率nおよび消衰係数kはそれぞれ、波長λの関数n(λ)およびk(λ)と表すことができる。それゆえ、複素屈折率mは、波長λの関数として、
m(λ)=n(λ)+ik(λ)
とも表される。複素屈折率m(λ)(換言すれば、屈折率n(λ)および消衰係数k(λ)のそれぞれ)は、各材料に固有である。
偏光子層の材料は、上述の偏光特性を高めることができる材料を選択することが好ましい。このため、偏光子層の材料は、屈折率nが小さく、かつ、消衰係数kが大きい材料であることが好ましい。以下、その理由について述べる。
一般的に、材料は固有の複素誘電率εを有している。複素誘電率εは、
ε=ε1+iε2
と表される。なお、複素誘電率εの実部ε1は、ε1=n−kとして表される。
実部ε1の値が小さい場合、材料中において、光の透過に寄与する電子が自由に動きやすくなることが知られている。このため、実部ε1の値が小さい場合には、材料の光の透過率を高くすることができる。
従って、偏光子層の材料は、例えば、偏光すべき光の波長λの範囲において、実部ε1が小さい材料を選択することが好ましい。上述のように、屈折率nが小さく、かつ、消衰係数kが大きい材料を選択すれば、実部ε1が小さい材料(つまり、光の透過率が高い材料)を選択できる。
また、偏光子層の材料は、例えば、偏光すべき光の波長λの範囲において、n(λ)<k(λ)の関係を満たすことがさらに好ましい。当該関係が満たされている場合には、実部ε1が負となり、材料の光の透過率をさらに高くすることができる。
また、消衰係数kと屈折率nとの差difを、dif=k−nとして表す。差difがより大きい材料であれば、屈折率nがより小さいこと、および、消衰係数kがより大きいことの少なくともいずれかが期待される。このため、差difが大きい材料を選択することが、さらに好ましい。
上記の検討結果を踏まえ、発明者らは、偏光子層の材料として用いられる様々な材料について、屈折率n(λ)および消衰係数k(λ)を確認した。図18の(a)〜(l)は、当該確認結果の一例を示すグラフである。当該グラフにおいて、横軸は波長λであり、縦軸は屈折率n(λ)および消衰係数k(λ)のそれぞれの値を示す。
具体的には、図18の(a)〜(l)はそれぞれ、「Al」、「Si」、「Cu」、「Au」、「Ag」、「Pt」、「W」、「Ti」、「AlCu0.005」、「GaAs」、「InP」、「ZnSe」についての確認結果を示す。
一例として、図18の(g)に示されるように、Wは、λ≧950nmにおいて、n(λ)<k(λ)となる。このため、Wは、λ≧950nmの光を偏光する場合に、好適な偏光子層の材料として用いられ得ることが理解される。また、図18の(l)に示されるように、ZnSeは、λ≒250nmにおいて、n(λ)<k(λ)となる。このため、ZnSeは、λ≒250nmの光を偏光する場合に用いられてよい。
上述の各材料のうち、Al、Cu、Au、Ag、およびPt(参照:図18の(a)、(c)、(d)、(e)、および(f))は、広い波長λの範囲において、n(λ)<k(λ)であり、かつ、差difが大きいことが確認された。
当該確認結果を踏まえ、発明者らは、配線層の材料は、Al、Cu、Au、Ag、Ptまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であることが、特に好ましいことを見出した。
(配線層の材料と偏光子層の材料との組み合わせ)
本開示の一態様に係る撮像装置(画素)の製造を容易化する観点からは、配線層の材料および偏光子層の材料は、同一の材料を選択とすることが好ましい。
撮像装置の製造プロセスには、配線層の一部を形成する工程と、偏光子層を形成する工程とが含まれている。配線層および偏光子層のそれぞれの材料として、同一の材料を用いる場合、配線層の一部を形成する工程において、偏光子層を当該配線層と同一平面上にともに形成できる。つまり、配線層の一部を形成する工程に、偏光子層を形成する工程を含めることができる。それゆえ、撮像装置の製造が容易化される。
発明者らは、撮像装置の製造を容易化する観点から、配線層の材料および偏光子層の材料を同一とする場合には、当該材料は、Al、Cu、AlCuまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であることが、特に好ましいことを見出した。
〔補足事項1〕
上述の各実施形態では、説明の便宜上、偏光子層における格子部の断面の形状(以下、断面形状)が、YZ平面において矩形である場合を例示した。但し、本開示の一態様に係る画素において、当該断面形状は矩形のみに限定されない。当該断面形状は、任意の形状であってよい。
図19は、本開示の一態様に係る画素における上記断面形状の別の例について説明するための図である。例えば、本開示の一態様に係る画素において、格子部の断面形状が矩形として設計された場合であっても、撮像装置の製造プロセスにおいて、理想的な(厳密な意味での)矩形の断面形状が得られるとは限らない。
具体的には、図19に示されるように、格子部12の上辺(Y方向に平行な辺であって、Z方向の正の側に位置する辺)の長さwuと、当該格子部12の下辺(Y方向に平行な辺であって、Z方向の負の側に位置する辺)の長さwlとが、wu≠wlの関係を満たすように、格子部12が形成される場合がある。つまり、略台形の断面形状が得られる場合がある。
このように格子部12が形成された場合であっても、上記画素において所望の偏光特性を実現できていれば構わない。上記断面形状は、所望の偏光特性が満たされる限り、特に限定されない。
〔補足事項2〕
本開示の一態様に係る撮像装置には、特定の波長領域の光のみを透過する分光フィルタがさらに設けられていてもよい。当該分光フィルタは、有機材料によって形成されたフィルタであってもよいし、あるいは無機材料によって形成されたフィルタであってもよい。
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る撮像装置(100)において、上記撮像装置は、偏光部(10)を備えた画素(1)を含む撮像素子(受光部11)を備え、上記画素は、上記撮像素子の動作を制御する配線層(19)を備え、上記偏光部は、複数の偏光子層(第1偏光子層120a,第2偏光子層120b)と、上記複数の偏光子層のうち、隣り合う2つの偏光子層の間に配置された誘電体層(14)とを備え、上記複数の偏光子層の各々には、所定の方向に周期的に並ぶ複数のスリット(13)が形成され、上記複数の偏光子層の形成材料および上記配線層の形成材料はそれぞれ、Al、Si、Cu、Au、Ag、Pt、W、Ti、Sn、In、Ga、Znまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料である。
上記の構成によれば、所定の方向に周期的に並ぶ複数のスリットが形成された偏光子層は、スリットの延伸方向に平行な偏波面を有する偏光成分を反射および吸収し、スリットの延伸方向に垂直な偏波面を有する偏光成分を透過させる。上記偏光部は、そのような働きをする偏光子層を、誘電体層を挟んで複数備えている。これにより、透過させたくない偏光成分の透過率を低減させ、偏光特性を向上させた撮像装置を提供することができる。
また、隣り合うスリットに挟まれた格子部の幅は、狭いほど、偏光フィルタの偏光特性を向上させることができる反面、ストレスマイグレーションによってボイドまたはスリット状の断線が発生するリスクが高くなる。しかし、上記の構成によれば、偏光子層が単層になっている従来技術より、偏光フィルタの偏光特性を向上させることができるので、格子部の幅を従来技術より狭く設定することができる。これは、ボイドまたはスリット状の断線の発生による偏光特性の劣化を上回って、偏光特性を向上させることができるからである。
さらに、隣り合うスリットに挟まれた格子部の幅を、逆に、従来技術より広くし、ストレスマイグレーションによるボイドまたはスリット状の断線の発生を回避して、偏光部の製造を従来技術より容易にすることもできる。これは、格子部の幅を広くすることによる偏光特性の劣化を上回って、偏光特性を向上させることができるからである。
なお、偏光子層の形成材料と配線層の形成材料との組み合わせとしては、偏光特性をできるだけ向上させる組み合わせを選択することが好ましい。
本開示の態様2に係る撮像装置は、上記態様1において、上記複数の偏光子層のそれぞれは、上記所定の方向に周期的に並ぶ複数の格子部(12)を備え、上記複数の格子部のうち隣り合う2つの格子部の間に、上記複数のスリットの1つが配置されており、上記隣り合う2つの偏光子層のうち、上記撮像素子(11)に近い方の偏光子層を第1偏光子層(120a)とし、当該撮像素子(11)から遠い方の偏光子層を第2偏光子層(120b)とし、上記隣り合う2つの格子部の間隔を上記スリットの幅(スリット幅s,スリット幅s2)とした場合、上記第2偏光子層の法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリット(132)の幅の範囲内には、上記第1偏光子層の上記格子部(121)の少なくとも一部が存在していてもよい。
上記の構成によれば、第2偏光子層の法線方向に対する第1偏光子層の格子部と第2偏光子層の格子部との位置関係には、様々な設定が許される。例えば、(i)第2偏光子層の法線方向と平行をなすように、第1偏光子層の格子部の中心を通る第1平面と、(ii)第2偏光子層の法線方向と平行をなすように、第2偏光子層の格子部の中心を通る第2平面とが、同一平面であってもよい。この構成の場合、第1偏光子層の格子部の幅と第2偏光子層の格子部の幅とが同じであれば、第2偏光子層の法線方向から見て、第1偏光子層の格子部と第2偏光子層の格子部とは重なることになる。この構成によっても、偏光子層が単層になっている従来技術より、偏光フィルタの偏光特性を向上させることができる。
しかし、第2偏光子層の法線方向から見て、第2偏光子層のスリットの幅の範囲内に、第1偏光子層の格子部の少なくとも一部が存在している構成を採用すると、偏光フィルタの偏光特性を一層向上させることができる。
本開示の態様3に係る撮像装置は、上記態様2において、上記第2偏光子層の上記スリット(132)の幅(スリット幅s,スリット幅s2)と、上記第1偏光子層の上記格子部(121)の幅(w,w1)とが等しく設定されており、上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットと上記第1偏光子層の上記格子部とが、実質的に隙間なく重なっていてもよい。
上記の構成によれば、偏光フィルタの偏光特性を一層向上させることができる。なお、「実質的に隙間なく重なっている」とは、製造上の誤差により、重なり方に隙間が生じる部分、または重なり方に隙間が生じる場合を含むことを意味している。また、第1偏光子層の格子部の幅と、第2偏光子層の格子部の幅とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、態様3に係る上記の構成を、「上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットと上記第1偏光子層の上記スリットとは、重なりを持たない」と言い換えてもよい。
本開示の態様4に係る撮像装置は、上記態様2において、上記第2偏光子層の上記スリット(132)の幅(スリット幅s2)より、上記第1偏光子層の上記格子部(121)の幅(w1)の方が広く設定されており、上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットを塞ぐように、上記第1偏光子層の上記格子部が配されていてもよい。
本開示の態様5に係る撮像装置は、上記態様1において、上記複数の偏光子層(第1偏光子層120a、第2偏光子層120b)のそれぞれは、上記所定の方向に周期的に並ぶ複数の格子部(12)を備え、上記複数の格子部のうち隣り合う2つの格子部の間に、上記複数のスリット(13)の1つが配置されており、上記隣り合う2つの偏光子層のうち、上記撮像素子に近い方の偏光子層を第1偏光子層(120a)とし、当該撮像素子から遠い方の偏光子層を第2偏光子層(120b)とし、上記隣り合う2つの格子部の間隔を上記スリットの幅(スリット幅s,スリット幅s2)とした場合、上記第2偏光子層の法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記格子部(122)と、上記第1偏光子層の上記格子部(121)とが、重なりを持つ配置のうち、最大限の重なりを持つ配置となっていてもよい。
上記の構成によれば、第2偏光子層の法線方向に対する第1偏光子層の格子部と第2偏光子層の格子部との位置関係には、様々な設定が許される。この様々な設定のうち、第2偏光子層の格子部と、第1偏光子層の格子部とが最大限の重なりを持つ設定を選択してもよい。この設定では、(i)第2偏光子層の法線方向と平行をなすように、第1偏光子層の格子部の中心を通る第1平面と、(ii)第2偏光子層の法線方向と平行をなすように、第2偏光子層の格子部の中心を通る第2平面とが、同一平面となっていてもよい。
このような構成によっても、偏光子層が単層になっている従来技術より、偏光フィルタの偏光特性を向上させることができる。
本開示の態様6に係る撮像装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、上記複数の偏光子層の形成材料と、上記配線層の形成材料とは、同じであってもよい。
本開示の態様7に係る撮像装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、上記複数の偏光子層のうち、少なくとも1つの偏光子層(第1偏光子層120a)は、上記配線層と同じ層を構成していてよい。
上記の構成によれば、偏光部の複数の偏光子層のうち、少なくとも1つの偏光子層は、撮像素子の配線層と同じ層を構成しているので、撮像素子の製造プロセスの中で、偏光部を作り込むことができる。したがって、偏光フィルタと撮像装置とを組み合わせる工程を不要とし、かつ、偏光部と撮像素子の画素とを精度よく位置合わせすることができる。また、偏光子層の製造が容易化される。
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年4月28日に出願された日本国特許出願:特願2016-091839に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てが本書に含まれる。
1,1A,1B,2 画素
10 偏光部
11 受光部(撮像素子)
12,12A,12B,12x,12y,121,122 格子部
13,13A,13B,131,132 スリット
14 誘電体層
19 配線層
100,200 撮像装置
120 偏光子層
120a 第1偏光子層(偏光子層)
120b 第2偏光子層(偏光子層)
s スリット幅(スリットの幅)
s2 スリット幅(第2偏光子層のスリットの幅)
w 幅(格子部の幅)
w1 幅(第1偏光子層の格子部の幅)

Claims (7)

  1. 偏光部を備えた画素を含む撮像素子を備え、
    上記画素は、上記撮像素子の動作を制御する配線層を備え、
    上記偏光部は、
    所定の方向に周期的に並ぶ複数のスリットがそれぞれ形成された、複数の偏光子層と、
    上記複数の偏光子層のそれぞれの法線方向において、(i)上記複数のスリットのうち隣り合う2つのスリットの間、または、(ii)上記複数の偏光子層のうち、隣り合う2つの偏光子層の間に配置された誘電体層とを備え、
    上記複数の偏光子層のそれぞれは、上記所定の方向に周期的に並ぶ複数の格子部を備え、当該所定の方向において、上記複数の格子部のうち隣り合う2つの格子部の間に、上記複数のスリットの1つが配置されており、
    上記所定の方向を幅方向とし、上記法線方向を厚さ方向として、
    上記複数の格子部のそれぞれの幅はwであり、
    上記複数の格子部のそれぞれの厚さはdであり、
    上記複数の格子部のそれぞれについて、w>dという関係が満たされており、
    上記複数の偏光子層の形成材料および上記配線層の形成材料はそれぞれ、Al、Cu、Au、Ag、Pt、Ti、Sn、In、Ga、Znまたはこれらの少なくとも1つを含む化合物または合金から選択された材料であり、
    上記誘電体層の材料は、シリコン酸化物またはシリコン窒化物であること
    を特徴とする撮像装置。
  2. 上記隣り合う2つの偏光子層のうち、上記撮像素子に近い方の偏光子層を第1偏光子層とし、当該撮像素子から遠い方の偏光子層を第2偏光子層とし、上記隣り合う2つの格子部の間隔を上記スリットの幅とした場合、
    上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットの幅の範囲内には、上記第1偏光子層の上記格子部の少なくとも一部が存在していること
    を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記第2偏光子層の上記スリットの幅と、上記第1偏光子層の上記格子部の幅とが等しく設定されており、
    上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットと上記第1偏光子層の上記格子部とが、実質的に隙間なく重なっていること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 上記第2偏光子層の上記スリットの幅より、上記第1偏光子層の上記格子部の幅の方が広く設定されており、
    上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記スリットを塞ぐように、上記第1偏光子層の上記格子部が配されていること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  5. 上記隣り合う2つの偏光子層のうち、上記撮像素子に近い方の偏光子層を第1偏光子層とし、当該撮像素子から遠い方の偏光子層を第2偏光子層とし、上記隣り合う2つの格子部の間隔を上記スリットの幅とした場合、
    上記法線方向から見て、上記第2偏光子層の上記格子部と、上記第1偏光子層の上記格子部とが、重なりを持つ配置のうち、最大限の重なりを持つ配置となっていること
    を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 上記複数の偏光子層の形成材料と、上記配線層の形成材料とは、同じであること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 上記複数の偏光子層のうち、少なくとも1つの偏光子層は、上記配線層と同じ層を構成していること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
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