JP6684870B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1に記載の構造では、燃料ホースの撓み部をエンジンから離間した位置に設けるため、燃料ホースの管長が長くなる。よって、撓み部を車両にコンパクトに設ける構造が求められる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユニットスイングエンジンにおいて、撓み部を車両にコンパクトに設けることを目的とする。
自動二輪車1は、シート10に着座した乗員が足を載せる低床のステップフロア(フラットフロア)11を有するスクーター型の鞍乗型車両である。自動二輪車1は、車体フレーム(車体)12の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジン(内燃機関、エンジン)13に軸支される。
自動二輪車1は、車体フレーム12等の車体を覆う車体カバー16を備える。
ロアフレーム19,19及びシートフレーム20,20は、前後方向に延びるパイプ状である。
また、車体フレーム12は、シートフレーム20,20の立ち上がり部21から後方に突出するエンジンブラケット26,26を左右一対備える。
ユニットスイングエンジン13は、駆動源であるエンジン本体40と後輪3を支持するアーム部41とが一体化されたユニットスイングパワーユニットである。
ユニットスイングエンジン13の後端部とシートフレーム20,20の後部との間には、リアサスペンション29が掛け渡される。
後輪3は、アーム部41の後端部の後輪車軸3aに軸支される。
ユニットスイングエンジン13がリンク機構48を介して揺動する際、エンジン本体40、排気管77等は、一体に揺動する。
ユニットスイングエンジン13の上方で左右のシートフレーム20,20の間には、ヘルメット等の物品を収納可能な収納ボックス27が設けられる。シート10は、収納ボックス27の上面に支持され、収納ボックス27の上面の開口を覆う。
ユニットスイングエンジン13の前方には、燃料タンク38が配置される。燃料タンク38は、クロスメンバ23の前方で左右のロアフレーム19,19の間に配置される。
また、車体カバー16は、ロアフレーム19,19を下方から覆うアンダーカバー33と、ロアフレーム19,19を側方から覆うアンダーサイドカバー33A、33Aと、ロアフレーム19,19を上方から覆うステップフロア11と、シート10の下方でシートフレーム20,20及び収納ボックス27を側方から覆う左右一対のサイドカバー34、34と、シート10の下方で収納ボックス27及びユニットスイングエンジン13を前方から覆うセンターロアカバー(シート下カバー)35とを備える。
また、自動二輪車1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー36を備える。
ユニットスイングエンジン13の前部に設けられるエンジン本体40は、車幅方向に延びるクランクシャフト42を収容するクランクケース43と、クランクケース43から前方へ延びるシリンダー部44とを備える。
シリンダー部44は、クランクケース43側から順に、シリンダー45、シリンダーヘッド46、及びヘッドカバー47を備える。
エンジン本体40は、シリンダー部44のシリンダー軸線44aが略水平に車両前後方向へ延びる水平エンジンである。詳細には、シリンダー部44は、車両側面視でやや前上がりに車両前方へ略水平に延びる。
シリンダー45内を往復するピストン54は、コンロッド55を介し、クランク室53でクランクシャフト42に連結される。
発電機室56内に延出するクランクシャフト42の一端には、クランクシャフト42の回転によって発電する発電機58が設けられる。発電機58は、クランクシャフト42と一体に回転する。発電機58の外側面には、送風ファン59が設けられる。送風ファン59は、ファンカバー57によって周囲を覆われる。
シリンダーヘッド46の壁内には、冷却水が通るウォータージャケット40aが設けられる。シリンダー45の壁内には、冷却水が通るウォータージャケット40bが設けられる。ウォータージャケット40aとウォータージャケット40bとは連通している。
カムシャフト64は、カムシャフト64とクランクシャフト42とを接続するカムチェーン65を介し、クランクシャフト42によって駆動される。
点火プラグ68は、他方側(左側)の側壁部67L側において、シリンダーヘッド46に設けられる。
伝動ケース部70は、車幅方向の外側面が開放したケース状に形成されており、この開放部は、伝動ケースカバー71によって閉じられる。
また、クランクケース43における車幅方向の一方側(右側)の後部には、後方に延びるサブアーム72が固定される。
後輪車軸3aは、アーム部41の後端部とサブアーム72の後端部とによって両端部を支持され、後輪3は、アーム部41とサブアーム72との間に配置される。
クランクシャフト42の駆動力は、ベルト式無段変速機73、クラッチ機構74、及び減速機構75を介し、後輪3に伝達される。
ウォーターポンプユニット81は、シリンダー部44の左右方向(車幅方向)の側壁部67R,67Lの内の一方側(右側)の側壁部67Rに設けられる。また、ラジエーター60も、左右方向(車幅方向)において、クランクケース43の一方側(右側)の側方に設けられる。
羽根車87は、カムシャフト64の端部に接続される軸部87aと、軸部87aの外周に設けられる羽根部87bとを備える。軸部87aは、カムシャフト64と同軸に配置され、カムシャフト64と一体に回転する。羽根部87bは、シリンダーヘッド46の側壁部67Rの外側に設けられる。すなわち、羽根車87は、カムシャフト64を介してクランクシャフト42に駆動される。
ユニットスイングエンジン13の前方には、燃料タンク38が配置される。燃料タンク38は、クロスメンバ23の前方で左右のロアフレーム19,19の間に配置される。燃料タンク38は、ステップフロア11、アンダーサイドカバー33A、33Aおよびアンダーカバー33によって上下左右が覆われる。本実施の形態の自動二輪車1は、燃料タンク38がステップフロア11の下方に配置されており、いわゆる、床下タンクのスクーター型車両(スクーター型の鞍乗型車両)である。
燃料タンク38は、半容器状の上半体38Aと下半体38Bとを備える。上半体38Aと下半体38Bとには、それぞれフランジ状の開放端38A1、38B1が形成されている。開放端38A1、38B1同士が接合されて、燃料タンク38が構成される。開放端38A1、38B1同士の接合部分により割面38Cが構成される。割面38Cは、後方になるに連れて後下がりに傾斜する。燃料タンク38は、後方ほど上面38A2が後下がりに傾斜する。燃料タンク38の前部には、最上端38A3が形成される。ここで、図4に示すように、燃料タンク38の上方を覆うステップフロア11は、後方になるほど後上がりに傾斜している。燃料タンク38の後部では、燃料タンク38とステップフロア11との間に空間39が生じる。
給油部90は、燃料タンク38の内部に連通するゴムチューブ91を備える。ゴムチューブ91は前上方に延びる。ゴムチューブ91の上端部には、フィラーネック92が接続される。フィラーネック92の上部には、給油口93が形成されている。給油口93は、フューエルキャップ94で閉塞される。フィラーネック92の上部には、給油ガン(不図示)を給油口93に案内可能なラッパ状のガイド部95が設けられる。ガイド部95は、給油口93を囲う。
ゴムチューブ91、フィラーネック92、給油口93、フューエルキャップ94、ガイド部95で給油部90が構成される。
給油部90は、図3、図4に示すように、レッグシールド32で覆われる。レッグシールド32には、給油口93の位置に対応して開口32Aを備える。開口32Aは不図示のリッドで開閉可能に閉塞される。このリッドを開くことで給油口93にアクセス可能となって、燃料タンク38に給油可能となる。
平面視において、燃料タンク38の後部と、ユニットスイングエンジン13のシリンダー部44とは重複する。シリンダー部44の前方において、燃料タンク38の後部には、燃料ポンプ100が配置されている。燃料ポンプ100は、図8に示すように、上半体38Aの取付孔38A4に取り付けられる。取付孔38A4は、上半体38Aの車幅方向の略中央部に形成される。
燃料ポンプ100の右側には、電気制御用のケーブル108が接続される。
キャニスタ110は円筒状に形成されている。キャニスタ110の内部には、蒸発燃料を吸着する吸着部材が収容される。吸着部材としては、例えば、活性炭が使用可能である。キャニスタ110は、図5に示すように、長手方向となる軸方向110Aが車両前後方向に沿って配置される。キャニスタ110は、円筒状のホルダ111を介して上半体38Aに固定される。
キャニスタ110は側面視で燃料タンク38と重なる。また、キャニスタ110は、燃料タンク38の最上端38A3より下方に配置される。ここで、各ホース122〜125が車両前後方向に延出するため、キャニスタ110をコンパクトに燃料タンク38の近傍に配置でき、チャージホース122の管長を短くできる。また、チャージホース122の配策性を向上させることができる。
タンクブリーザホース121は、給油部90の後方に沿って右方から左方に弧状に配索される。タンクブリーザホース121は、図6に示すように、給油部90の左側では上方に延びる。タンクブリーザホース121の上端121Aは、フィラーネック92に接続され、フィラーネック92の内部に連通する。タンクブリーザホース121は、給油部ホルダ96が備える折り曲げ棒状の支持部96Aに支持される。
給油口93に給油ガン(不図示)を差し込んで燃料タンク38に燃料を供給すると、燃料タンク38内の気体はタンクブリーザホース121を通ってフィラーネック92に導かれて外部に出される。
キャニスタ110の後面下部から延びるドレンホース125は後方に延びた後、下方にU字状に湾曲して前方に延びる。ドレンホース125の下端125Aは開口しており、キャニスタ110の内部で液化した過剰な燃料を排出可能である。
ユニットスイングエンジン13はリンク機構48により車体フレーム12に支持される。
図4、図5において、リンク機構48は、シートフレーム20,20のエンジンブラケット26,26に連結される左右一対の車体側揺動軸48A、48Aと、クランクケース43の上部に連結されるエンジン側揺動軸48Bと、車体側揺動軸48A、48Aとエンジン側揺動軸48Bとを接続するリンク部材50と、を備える。言い換えれば、シリンダー部44のシリンダー軸線44aより上方に位置するクランクケース43の上部にエンジン側揺動軸48Bが設けられ、リンク部材50を介して、エンジン側揺動軸48Bと車体側揺動軸48A、48Aとが連結され、ユニットスイングエンジン13は、車体フレーム12に揺動可能に支持される。
スロットルボディ132は、エンジン本体40と、収納ボックス27との間において、リンク部材50の屈曲部50A、50Bとパイプ部50Cとで囲まれたスペースに配置されている。スロットルボディ132は、側面視で、リンク部材50と前後方向で重複している。
サブハーネス148は、シリンダー部44に固定されたステー149に、クランプ149Aを介して支持される。また、サブハーネス148は、右側のシートフレーム20にクランプ150、151により支持される。
サブハーネス148において、ユニットスイングエンジン13側のステー149と、車体フレーム12側のクランプ150の間の湾曲した部分により、撓み部148Aが構成される。
よって、パージパイプ153と吸気管133の接続部133Aは、吸気経路130に対して、上述のスロットルケーブル140、141とは反対側となる右側にある。第2パージホース128、パージパイプ153をスロットルケーブル140、141に干渉せずにエンジン本体40の吸気経路130に接続できる。
ここで、第2パージホース128の撓み部128Aは、リンク部材50の前方、かつ、燃料ポンプ100の後方に配置される。また、車幅方向において、吸気経路130に対して、燃料ホース101の逆側となる左側に、第2パージホース128の撓み部128Aがある。燃料ホース101の撓み部101Aと、第2パージホース128の撓み部128Aが干渉することを回避可能である。
クランクケースブリーザホース159は、シリンダー部44に近い側に屈曲部159Aを有するため、エンジン本体40から液体燃料が後方に流れ難く、液体燃料がエアクリーナに流入することが防止可能となっている。
ユニットスイングエンジン13の上方には、収納ボックス27が配置される。収納ボックス27は、上方が開放された容器である。収納ボックス27は、平面視で前方が凸となる放物線状の底部160と、底部160の周囲に設けられた立壁状の周壁161と、を備える。
また、左側のサイドステー部24Cには、リング状の支持部24C1が形成される。支持部24C1には、第2パージホース128が支持される。第2パージホース128は、パージコントロール弁127から、上部クロスメンバ24の左部に沿って配索される。
第1パージホース123、パージコントロール弁127、第2パージホース128、パージパイプ153により、キャニスタ110と吸気管133との間のパージ経路170が構成される。
燃料ホース101、サブハーネス148、第2パージホース128において、各撓み部101A、148A、128Aは、車体フレーム12側の支持する部分104、150、24C1と、ユニットスイングエンジン13側の支持する部分103、149、153との間の湾曲した部分が対応する構成を説明した。しかし、燃料ホース101、サブハーネス148、第2パージホース128の一端は車体フレーム12側に固定され、他端はユニットスイングエンジン13側に固定されれば、燃料ホース101、サブハーネス148、第2パージホース128の任意の湾曲した部分により、撓み部を構成しても良い。
13 ユニットスイングエンジン
27 収納ボックス
38 燃料タンク
46 シリンダーヘッド
48 リンク機構
100 燃料ポンプ
101 燃料ホース
101A 撓み部
102 インジェクタ
128 パージホース
128A 撓み部
132 スロットルボディ
132E スロットルドラム
140、141 スロットルケーブル
148 サブハーネス
148A 撓み部
154 吸気圧センサ
164 凹部
Claims (6)
- ユニットスイングエンジン(13)を備え、前記ユニットスイングエンジン(13)の前方に燃料タンク(38)が配置され、前記燃料タンク(38)の上方にフラットフロア(11)を設ける鞍乗型車両において、
燃料ホース(101)の撓み部(101A)とサブハーネス(148)の撓み部(148A)を車両前後方向において前記ユニットスイングエンジン(13)のリンク機構(48)の前方かつ燃料ポンプ(100)の後方に配置し、
前記燃料ホース(101)の撓み部(101A)と前記サブハーネス(148)の撓み部(148A)を交差させたことを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記燃料ホース(101)と前記サブハーネス(148)を車両前後方向に延出するとともに、前記燃料ホース(101)をシリンダーヘッド(46)の側方に迂回して配策することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
- パージホース(128)の撓み部(128A)の位置を車両前後方向において前記ユニットスイングエンジン(13)のリンク機構(48)の前方かつ前記燃料ポンプ(100)の後方に配置することを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。
- スロットルドラム(132E)とスロットルケーブル(140、141)を、吸気経路(130)に対して、車幅方向で前記燃料ホース(101)の撓み部(101A)と前記サブハーネス(148)の撓み部(148A)の反対側に配置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 吸気経路(130)に対して、車幅方向で前記燃料ホース(101)の反対側にパージホース(128)の撓み部(128A)を設けることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 平面視で、収納ボックス(27)の凹部(164)の範囲に、インジェクタ(102)、吸気圧センサ(154)、および、スロットルボディ(132)を配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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