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JP6678623B2 - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法に関する。
窒化アルミニウム焼結体の製品は、優れた熱伝導性及び高い電気絶縁性を有しており、高熱伝導基板用材料として注目されている。該窒化アルミニウム焼結体は、その優れた熱伝導特性により、高熱で動作が不安定となる半導体や電子機器において、例えば、パワートランジスタモジュール基板、発光ダイオード用マウント基板、ICパッケージなどの電子部品の放熱基板として広く利用されている。
近年、窒化アルミニウム焼結体基板は、モバイル用途の電子基板に多く用いられ、放熱性を維持するとともにより高い機械的強度が求められている。そこで、高い熱伝導率を維持したまま、さらなる機械的強度を改善すべく、種々の試みがなされている。
例えば、特許文献1は、窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法を開示する。特許文献1によれば、窒化アルミニウム原料粉末に添加する焼結助剤や添加剤の種類や添加量を種々変えることにより、放熱特性を損なうことなく機械的強度を高めることができることが知られている。例えば、焼結助剤は、焼結体の緻密化及び窒化アルミニウム(AlN)原料粉末中の不純物酸素がAlN結晶粒子内へ固溶することを防止する。この焼結助剤の具体例として、希土類元素(Y,Sc,Ce,Dyなど)の酸化物、窒化物、アルカリ土類金属(Ca)の酸化物等が挙げられ、特に、酸化イットリウム(Y)、酸化セリウム(CeO)、酸化カルシウム(CaO)が好ましいことが知られている。また、添加剤としてのSi成分は、焼結性を向上させるとともに焼結温度を低下させる効果を有する。そして、該Si成分は、焼結助剤と複合添加することにより、焼結体の粒成長を抑止することができ、微細なAlN結晶組織を形成し、焼結体の構造強度を高めるために添加されることが知られている。さらに、Zr化合物等の添加は、焼結性をさらに向上させるとともに焼結体表面に発生し易い液相の凝集偏析を抑制し、適正に焼結できる温度範囲を拡大する効果を有することが知られている。
特許文献2は、窒化アルミニウム焼結体の製造方法を開示する。特許文献2の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、ケイ素化合物と焼結助剤と添加剤とを混合して一次混合物を作成する一次混合工程を導入したことを特徴とする。そして、上記工程を導入したことにより、従来のように窒化アルミニウム原料粉末、粉末状のケイ素化合物、焼結助剤及び添加剤を一度に投入して混合した窒化アルミニウム焼結体と比べて、少なくとも熱伝導率を維持しつつ、その機械的強度(3点曲げ強度)が改善された。一方で、特許文献2の表2(実施例1〜7,13〜22)に示されているとおり、部分安定化ジルコニアを適量添加すると、その機械的強度が向上することが知られている。
特開2003−201179号公報 特開2016− 98159号公報
特許文献1によれば、Zr化合物等の添加は、焼結温度を下げて焼結性、すなわち機械的強度を向上させる一方で、その添加量が増加するとAlN焼結体の熱伝導率を低下させることが知られている。また、特許文献2の表2(実施例1〜7,13〜22)によれば、部分安定化ジルコニアを適量添加すると、その強度の向上が見られたものの、添加量の増加とともに強度の向上に反比例するように熱伝導率が低下していることが分かる。すなわち、Zr化合物等の添加による強度と熱伝導率とはトレードオフの関係にあることが分かっている。これに対して、本発明の発明者らは、Zr化合物等の添加による熱伝導率の低下を抑えることを課題として定め、その改善を図った。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放熱特性を損うことなく機械的強度を高めた窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態の窒化アルミニウム焼結体は、100重量部のAlNと、添加剤として酸化物換算で3〜20重量部のZr、Tiの群から選択される窒化物の少なくとも一種と、焼結助剤として1〜10重量部のYとを含有する窒化アルミニウム焼結体であって、焼結体中の酸素含有量が1.8重量%以下であり、熱伝導率が130W/m・K以上であることを特徴とする。
すなわち、本発明の一形態の窒化アルミニウム焼結体は、3〜20重量部のZrN、TiNから選択される窒化物の少なくとも一種を含有していることから、これらを含有しない焼結体と比べて機械的強度が改善する。そして、焼結体中の酸素含有量が1.8%以下に制御されたことより、熱伝導率が130W/m・K以上と高い窒化アルミニウム焼結体が得られた。
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体において、焼結助剤相が、結晶相としてYAGを含有せずにYAMを含有することを特徴とする。一般に、窒化アルミニウム焼結体にZr(ZrO、ZrN等)を添加した場合、焼結助剤相は、主に、YAG(YAl12)、YAL(YAlO)を含有し、YAM(YAl)を含有しないことが分かっている(後述の表4参照)。YAGは、YAMやYALと比較して、イットリウムに対する酸素の割合が大きいことから、多くの酸素を含有している。本発明の窒化アルミニウム焼結体では、焼結助剤相において、YAGのかわりにYAMが析出している。それ故、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、焼結体中の酸素含有量の低下を実現し、その結果、高い熱伝導率と機械的強度の両立を実現したものである。
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体において、窒化アルミニウム焼結体が添加剤として0.025〜0.15重量部のSiOを任意に含有することにより、焼結性を向上させるとともに焼結温度を低下させることができる。そして、適量のSi成分は、焼結助剤と複合添加することにより、焼結体の粒成長を抑止することができ、微細なAlN結晶組織を形成するように働く。
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体において、窒化物が5〜20重量部のZrNであることにより、より高い熱伝導率と機械的強度とを実現した。
本発明の一実施形態の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、
窒化アルミニウム原料粉末と、Zr、Tiの群から選択される窒化物の少なくとも一種からなる添加剤と、焼結助剤と、Si添加剤と、有機バインダーと、有機溶媒とを混合して原料混合物を作製する混合工程と、
前記原料混合物を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体から前記有機バインダーを部分的に脱脂して炭素成分を前記成形体中に残留させるように、窒素雰囲気中にて第1温度域で前記成形体を加熱する第1加熱工程と、
前記成形体を焼結させずに前記成形体から残留炭素を除去するように、窒素雰囲気中にて前記第1温度域よりも高温の第2温度域で前記成形体を加熱する第2加熱工程と、
前記第2加熱工程に続いて、窒素雰囲気中にて第3温度域で前記成形体を加熱して焼結する焼結工程と、を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の一形態の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、Zr、Tiの群から選択される少なくとも一種の窒化物の粉末を選択し、且つ、窒素雰囲気中にて第1加熱工程で不完全な脱脂処理、第2加熱工程で脱炭処理そして焼成処理を行ったことに特徴を有する。すなわち、本発明によれば、Zr、Tiの群から選択される窒化物粉末を含むAlNの混合原料を、窒素雰囲気中で加熱処理して、酸化物への酸化を抑制することにより、焼結体中の酸素量を少なくすることができる。一般に、Zr、Ti等の化合物は、その含有量が多いほど、有機バインダーの脱脂や焼成処理の高温下で多くの酸素を取込んでしまう。取込まれた酸素は、AlN粒子内に固溶し、及び/又は、焼成時に焼結助剤のYと結合してYAG(YAl12相)を生じさせるため、焼結体の最終的な酸素量が多くなる原因となり得る。その結果として、添加物の添加による機械的強度の向上に反比例して、熱伝導率が低下することが考察される。これに対し、本発明では、第1加熱工程(脱脂処理)で残留炭素を敢えて残す条件で熱処理することにより、第2加熱工程(脱炭処理)にて、成形体中に固溶している僅かな酸素と残留炭素とを熱反応させて除去することができ、更に酸素量を減らすことができる。その結果、熱伝導率の低下をより一層抑えることができる。すなわち、本発明は、窒化物粉末を含むAlNの混合原料から有機バインダーを窒素雰囲気中で部分(不完全)脱脂・脱炭処理することによって、熱伝導率の低下を抑えつつ、機械的強度の向上を実現した窒化アルミニウム焼結体を提供するものである。
本発明によれば、窒化アルミニウム焼結体の酸素含有量を減少させることにより、放熱特性を損なうことなく機械的強度を高めることを達成した。
本発明の一実施形態の窒化アルミニウム焼結体の製造方法を示すフローチャート。 従来(比較例)の窒化アルミニウム焼結体の製造方法を示すフローチャート。 (a)本発明の窒素雰囲気中の脱脂・脱炭・焼結工程を経た窒化アルミニウム焼結体のX線回折パターン、(b)比較例として大気中の脱脂・窒素雰囲気中の焼結工程を経た窒化アルミニウム焼結体のX線回折パターン。
本実施形態の窒化アルミニウム焼結体基板は、窒化アルミニウム原料粉末、Zr、Tiの群から選択される窒化物の少なくとも一種からなる添加剤、焼結助剤、Si添加剤、有機バインダー及び有機溶媒を混合して原料混合物を作製する混合工程と、原料混合物を成形して成形体を得る成形工程と、成形体から有機バインダーを部分的(不完全)に脱脂し、炭素成分を残留させるように成形体を窒素雰囲気中にて第1温度域で加熱する第1加熱工程(脱脂処理)と、成形体を窒素雰囲気中にて第2温度域で加熱して、成形体から残留炭素成分を除去する第2加熱工程(脱炭処理)と、第2加熱工程に続いて、第2温度域から第3温度域に温度上昇させ、窒素雰囲気中にて第3温度域で成形体を加熱して焼結する焼結工程とを経て製造される(図1のフローチャート参照)。
本実施形態の窒化アルミニウム焼結体は、100重量部のAlNと、添加剤として酸化物換算で3〜20重量部のZr、Tiの群から選択される窒化物の少なくとも一種と、焼結助剤として1〜10重量部のYとを含有する混合粉末を焼成してなる。ここで、酸化物換算とは、金属元素を含む化合物を、金属元素の酸化物に換算して計算した値を意味する。具体的には、ZrN及びTiNは、ZrO、TiOに換算された上で添加された。
まず、混合工程において、適量の窒化アルミニウム原料粉末とともに、適量の添加剤の粉末と、適量の焼結助剤の粉末と、適量のSi添加剤の粉末又はゲルとを準備する。母材としての窒化アルミニウム原料粉末及び添加剤としての窒化物粉末は、金属不純物が少なく、酸素含有量が低い高純度微粉末であることが好ましい。焼結助剤は、Yである。また、Si添加剤は、SiO、アモルファスSiO、シリコンアルコキシドの加水分解物等からなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
準備した原料(窒化アルミニウム、添加剤、焼結助剤及びSi添加剤)がボールミル等の粉砕混合機に投入されるとともに、有機溶剤、分散剤、有機バインダー及び/又は可塑剤が加えられ、所定の時間をかけて混合材料が十分に粉砕及び混合される。有機溶剤は、例えばトルエン、エタノールを所定の割合で調合した溶剤である。有機溶剤の分量は、窒化アルミニウム原料粉末を100重量部として30〜50重量部程度である。また、分散剤は、例えば、微量のリン系界面活性剤である。ただし、これら有機溶剤及び分散剤は任意に選択可能である。また、有機バインダーは、例えばポリビニルブチラール樹脂を用いる。その添加量は、原料粉末を100重量部として5〜10重量部程度である。可塑剤は、例えばフタル酸ジブチル(DBP)を用いる。その添加量は、原料粉末を100重量部として1〜5重量部程度である。そして、各原料が十分に分散及び混合されたスラリー状の原料混合物が得られる。
得られた原料混合物は、成形工程において、押出成形法、鋳込成形法、ドクターブレード成形法等の手段により所定の形状に成形されて成形体となる。
次いで、第1加熱工程(脱脂処理工程)において、上記成形した成形体が第1加熱処理装置(オーブン)に投入され、(限定されないが)常圧の窒素雰囲気中にて第1温度域で約1時間以上かけて加熱されることで、添加した有機バインダーが部分的又は不完全に脱脂除去される。このとき、第1温度域は(成形体を焼結させないように)約400〜600℃である。すなわち、脱脂処理が不十分となる条件で成形体を加熱することで、有機バインダーの成分を炭素成分として成形体に意図的に残留させた。第1加熱工程後の成形体における残留炭素の含有量は、酸素気流中燃焼-赤外線吸収法で定量的に検出され得る。そして、第1加熱工程後の成形体の炭素含有量が、好ましくは0.3〜1.0重量%、より好ましくは0.4〜0.8重量%となるように、脱脂処理の条件が定められた。つまり、本実施形態の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、第1加熱工程後の成形体の試料における炭素含有量を事前に測定し、該試料の炭素含有量の測定結果に基づいて、成形体の脱脂処理の加熱条件を決定する工程をさらに含む。なお、窒素雰囲気中で有機バインダーを加熱することで、脱脂時の添加剤の酸化を抑制するとともに、大気(空気を導入した酸化雰囲気)中と比べて炭素を過度に燃焼させることなく、効果的に残留させることができると考えられる。そして、第1加熱工程(脱脂処理工程)に続いて、第2加熱工程(脱炭処理工程)及び焼結工程が連続的に行われる。なお、本実施形態では、第1加熱工程と、第2加熱工程及び焼結工程とは異なる加熱処理装置で行われたが、同じ加熱処理装置で連続的に行われてもよい。
第2加熱工程(脱炭処理工程)では、不完全脱脂された成形体が第2加熱処理装置に投入され、(限定されないが)常圧の窒素雰囲気中にて第2温度域で1時間以上かけて加熱されることで、成形体中の残留炭素が除去される。このとき、第2温度域は(成形体を焼結させないように)1400〜1700℃である。この焼結の前段階における脱炭工程において、成形体中(例えば、AlN粒子内)に固溶している僅かな量の酸素と残留炭素とを高温で反応させて完全に脱脂することができ、酸素量のさらなる減少が可能である。
焼結工程では、脱炭処理された成形体が第2加熱処理装置内で、(限定されないが)常圧の窒素雰囲気中にて所定の第3温度域で約1時間以上かけて加熱されて焼結される。第3温度域は約1700〜1800℃である。このとき、微量のSi成分が添加されていることにより、1800℃未満の比較的低い温度で成形体を焼結させることが可能となる。このようにして、窒化アルミニウム焼結体の基板が得られる。
そして、窒化アルミニウム焼結体について、X線回折による結晶相同定が行われた。図3(a)は、本実施形態の製造工程によって製造された窒化アルミニウム焼結体の代表的なX線回折パターン(後述の実施例1に対応)を示す。他方、図3(b)は、比較のために、従来の製造方法によって製造された窒化アルミニウム焼結体の代表的なX線回折パターン(後述の比較例1に対応)を示す。なお、図3のX線回折パターンは、例示的に、添加剤にZrNを採用したものである。
窒化アルミニウム焼結体の比較用サンプルは、図2のフローチャートに示すように、添加剤(ZrN)、焼結助剤、Si添加剤、有機バインダー及び有機溶媒を混合して原料混合物を作製する混合工程と、原料混合物を成形して成形体を得る成形工程と、成形体から有機バインダーを全て脱脂するように成形体を大気雰囲気(空気を導入した酸化雰囲気)中にて加熱する第1加熱工程と、窒素雰囲気中にて成形体を加熱して焼結する焼結工程とを経て製造された。すなわち、本実施形態の製造方法と比較して、脱脂工程が大気中で行われ、脱脂処理工程にて有機バインダーがほぼ完全に脱脂される(すなわち脱炭処理工程が存在しない)点で、本実施形態の製造方法と相違する。具体的には、本実施形態の不完全脱脂の条件では、第1加熱工程後の成形体の炭素含有量が0.3〜1.0重量%(より好ましくは0.4〜0.8重量%)になるまで脱脂処理される。これに対して、比較用サンプルにおける完全脱脂の条件では、脱脂後の成形体の炭素含有量が0.05〜0.25重量%程度になるまで脱脂処理される。
図3(a)に示した本実施形態の窒化アルミニウム焼結体のX線回折パターンによれば、代表的に、AlNの結晶相のピークに加え、YAM及びZrNの結晶相のピークを確認することができる。他方、図3(b)に示した比較例の窒化アルミニウム焼結体のX線回折パターンによれば、代表的に、AlNの結晶相のピークに加え、YAG及びZrNの結晶相のピークを確認することができる。図3に示すとおり、本実施形態の窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理工程を経た窒化アルミニウム焼結体と、大気中の脱脂処理工程のみを経た窒化アルミニウム焼結体とは、構造的に相違することが分かった。そして、YAGは、YAMと比較して、イットリウムに対する酸素の割合が大きいことから、後者の窒化アルミニウム焼結体がより多くの酸素を含有していることが分かる。この傾向は、Zr以外のTiにおいても同様に観察された。
すなわち、本実施形態の窒化アルミニウム焼結体は、焼結助剤相にYAGのかわりにYAMを形成していることから、その酸素含有量が効果的に低減していることが分かる。その結果、Zr、Tiの添加による機械的強度の向上の恩恵を受けつつ、熱伝導率の低下が抑えられる。
そして、窒化アルミニウム焼結体を熱伝導率測定、曲げ強度測定、X線回折による結晶相同定することにより、本実施形態に係る窒化アルミニウム焼結体の特性の評価を行った。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定解釈されるものではない。
実施例1〜11に係る窒化アルミニウム焼結体は以下の手順の一部又は全部を実施することによって生成された。
(1)所定量の窒化アルミニウム原料粉末を準備した。該窒化アルミニウム原料粉末は、平均粒径約1.1μm、比表面積2.6m/gのものを採用した。
(2)焼結助剤として、高純度の酸化イットリウム(Y)の粉末を準備した。焼結助剤の添加量は1〜10重量部とするのが好適であることが当技術分野の知見として既に得られている。本実施例では、サンプル間の相対的な評価を目的として、すべて5重量部で一定とした。
(3)任意の添加剤として、ZrN粉末(実施例1〜7)、TiN粉末(実施例8〜11)を準備した。
(4)コロイド状ケイ素化合物として所定量のシリカゾルを準備した(実施例1〜4,6〜11)。適量のシリカゾルは、窒化アルミニウム原料粉末を100重量部としたSi元素換算の添加量に基づいて準備された。
(5)上記原料を窒化アルミニウム原料粉末に対して、適量の重量部で各原料を添加して原料組成物を調製した。調製に際して、Y、ZrN又はTiNは酸化物換算で計算し、Si成分はSi元素換算で計算して、これらを配合した。
(6)ボールミルに各原料を段階的に投入し、粉砕及び混合を行った。
(7)原料混合物をドクターブレード法によってシート状に成形し、金型(パンチング)によって所望の形状に形成した。
(8)原料混合物のシート成形体を敷粉塗布して積層した状態で、オーブンに投入し、残留炭素量を制御するように、1気圧の窒素雰囲気中で約500℃で約2時間、加熱して脱脂処理した。その後、オーブンから脱脂したシート成形体を取り出し、異なるオーブンに投入し、1気圧の窒素ガス雰囲気中で約1500℃で約10時間、加熱して脱炭処理した。この温度では、シート成形体は焼結されない。続けて、同一のオーブンで連続して、1気圧の窒素ガス雰囲気中で約1800℃で約5時間、シート成形体を熱処理して焼結させることで、実施例1〜11に係る窒化アルミニウム焼結体の基板を得た。
比較例1〜4、6〜14に係る窒化アルミニウム焼結体は、上記(1)〜(7)の工程を経た上で、(8)と異なる熱処理条件で得られた。具体的には、原料混合物のシート成形体を敷粉塗布して積層した状態で、オーブンに投入し、炭素成分を残留させないように、1気圧の大気(空気を導入した酸化雰囲気)中で約500℃で約5時間、加熱して脱脂処理した。その後、オーブンから脱脂したシート成形体を取り出し、異なるオーブンに投入し、1気圧の窒素ガス雰囲気中で約1800℃で約5時間、加熱して焼結させることで、比較例1〜4、6〜14に係る窒化アルミニウム焼結体を得た。他方、比較例5の窒化アルミニウム焼結体は、(8)と同様の熱処理条件で得られた。
実施例1〜11及び比較例1〜14の窒化アルミニウム焼結体の組成・作製条件を以下の表1に示す。表1において、図1のフローチャートに従って製造されたサンプルは、「窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理」の欄に○と記され、図2のフローチャートに従って製造されたサンプルは、「窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理」の欄に×と記されている。そして、上記条件にて作製された実施例及び参考例の一部の試料について、脱脂後と焼成後における窒化アルミニウム焼結体の炭素含有量を測定し、残留炭素の有無を定量的に確認した。炭素含有量の測定には、株式会社堀場製作所のEMIA−221Vによる酸素気流中燃焼−赤外線吸収法が用いられた。表1に示すとおり、本実施例の脱脂条件において、脱脂処理後の成形体の残留炭素は、0.4〜0.8重量%に制御されていることが確認された。他方、脱炭処理(又は焼成)後の試料や参考例の試料では、残留炭素は、0.1〜0.2重量%程度となったことが確認された。
Figure 0006678623
表1で示した実施例1〜11及び比較例1〜14の窒化アルミニウム焼結体に関し、以下の方法で特性A〜Dの評価がなされた。
A.3点曲げ強度
曲げ強度測定の測定方法には、JIS−R1601に準じた3点曲げ試験が採用された。測定装置は、株式会社島津製作所製の型式AG−ISであり、その測定条件をクロスヘッドスピード0.5mm/分、支点間距離30mmとし、試験片のサイズは幅20mm、厚み0.3〜0.4mmとした。
B.熱伝導率
熱伝導率の測定方法には、JIS−R1611に準じたレーザーフラッシュ法が採用された。測定には、株式会社アルバックのTC−9000が使用された。
C.酸素含有量
株式会社堀場製作所のEMGA−920を使用して、不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法により測定を行った。
D.結晶相同定
結晶相同定には、Cu−Kα線を用いたX線回折法が採用された。測定装置は、(株)リガク製の型式UltimaIVを用いた。
各実施例の窒化アルミニウム焼結体の特性の一部又は全てを以下の表1〜4に示した。なお、配合組成比として、100重量部のAlNに対して、Yの重量部、酸化物換算したZrN、ZrO、TiNの重量部、及び、Si元素換算したケイ素化合物の重量部を示した。
表2に、添加剤をZrとした実施例1〜4、比較例1〜6の3点曲げ強度、熱伝導率及び酸素含有量の測定結果を示す。すなわち、表2は、添加剤(ZrN、ZrO)の種類(添加形態)及び添加量に応じた各特性の傾向を示している。
Figure 0006678623
表2に示す結果によれば、実施例1〜4及び比較例1〜4において、測定のばらつきが多少存在するものの、ZrNの添加量を増加させると、全体として3点曲げ強度が向上することが分かる。また、比較例では、ZrNの添加量の増加に従って、熱伝導率が大幅に低下し、且つ、該熱伝導率に反比例するように酸素含有量が大幅に増加することが分かる。これに対し、実施例では、ZrNの添加量の増加に従って、熱伝導率がほぼ一定であり、且つ、酸素含有量の増加が緩やかであることが分かる。特に、実施例4(ZrN添加量:20重量部)では、3点曲げ強度が791MPa、熱伝導率が146W/mKとなり、高強度と高熱伝導率が非常に高い水準で達成された。すなわち、実施例1〜4において、酸素含有量の増加とともに熱伝導率の低下が抑えられつつ、機械的強度が改善した。他方、Zrを酸化物(ZrO)として添加した比較例5、6では、実施例3と比較すると、熱伝導率の低下が大きく、尚且つ、窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理の導入による熱伝導率の改善がほとんど見られていない。すなわち、添加剤を酸化物として添加すると、窒化物として添加した場合と比べて、大幅に酸素含有量が増加する。そして、窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理導入による酸素含有量の低減は見られるが、その効果が不十分であり、熱伝導率の低下がほとんど抑えられていない。すなわち、本結果から、窒化物添加及び窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理導入の組み合わせが、高強度と高熱伝導率の両立に大きく貢献していることが分かる。
表3に、実施例1,5〜7、比較例1,7〜9の酸素含有量の測定結果を示す。すなわち、表3は、Si添加剤の添加量に応じた酸素含有量の傾向を示している。
Figure 0006678623
表3によれば、Si添加剤の添加量を変化させても酸素含有量に大きな影響が見られない。そして、実施例1,5〜7及び比較例1,7〜9を比較すると、窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理の導入によって、酸素含有量が相対的に低減されていることが分かる。すなわち、Si添加剤の添加量を変化させても、表2と同様の傾向で、熱伝導率の低下(酸素含有量の上昇)を抑えられることが分かった。
表4に、添加剤をTiとした実施例8〜11、比較例10〜13の3点曲げ強度、熱伝導率及び酸素含有量の測定結果を示す。すなわち、表4は、添加剤(TiN)の添加量に応じた各特性の傾向を示している。
Figure 0006678623
表4に示す結果によれば、実施例8〜11及び比較例10〜13において、測定のばらつきが存在するものの、TiNの添加量を増加させると、全体として3点曲げ強度が向上することが分かる。また、比較例では、TiNの添加量の増加に従って、熱伝導率が大幅に低下し、且つ、該熱伝導率に反比例するように酸素含有量が大幅に増加することが分かる。これに対し、実施例では、TiNの添加量の増加に従って、熱伝導率の低下が緩やかであり、且つ、酸素含有量の増加も緩やかであることが分かる。特に、実施例11(TiN添加量:20重量部)では、3点曲げ強度が691MPa、熱伝導率が139W/mKとなり、高強度と高熱伝導率が非常に高い水準で達成された。すなわち、実施例8〜11において、熱伝導率の低下(酸素含有量の増加)が抑えられつつ、機械的強度が改善した。
表5に、添加剤としてZrNの添加量を変更した両サンプル(実施例1,3,4、比較例1,3,4,14)において、X線回折パターンで検出された助剤相の結晶相について纏めたものを示す。
Figure 0006678623
表5によれば、比較例14のように添加剤を添加しない場合、大気中の脱脂・窒素雰囲気中の焼結処理であっても、焼結助剤相の結晶相としてYAM及びYALが析出し、YAGが析出しない。これに対し、大気中の脱脂・窒素雰囲気中の焼結処理の条件でZrNを添加していくと(比較例1,3,4)、YAMの析出がなくなり、YAG及び一部YALが析出する。特に、ZrNの添加量が10〜20重量部に増えると、焼結助剤相の結晶相としてYALの析出もなくなり、3つの結晶相のうちのYAGのみが析出するようになる。これに対し、窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理工程を導入した本実施例1,3,4のサンプルでは、焼結助剤相の結晶相としてYAGが析出せず、YAM及び一部YALが析出している。特に、ZrNの添加量が少ないと、焼結助剤相の結晶相としてYALの析出もなくなり、3つの結晶相のうちのYAMのみが析出している。すなわち、当該結果は、本発明の窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理工程の導入による、酸素含有量及び熱伝導率への影響を裏付けるものである。
したがって、本実施形態(実施例1〜11)の窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法によれば、Zr又はTiを窒化物の形態で添加し、尚且つ、窒素雰囲気中の脱脂・脱炭処理工程を導入したことにより、上記工程を導入しない窒化アルミニウム焼結体と比べて、同組成で相対的な熱伝導率の改善を実現したものである。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。すなわち本発明は、技術的範囲を逸脱することなく、当業者によって修正又は改変されてもよい。例えば、本発明の構成に他の元素や成分が追加で添加されてもよい。

Claims (2)

  1. 100重量部のAlNと、添加剤として酸化物換算で3〜20重量部のZr、Tiの群から選択される窒化物の少なくとも一種と、焼結助剤として1〜10重量部のY、Si添加剤としてSi元素換算で0.025〜0.15重量部のSi成分とを含有する窒化アルミニウム焼結体であって、焼結体中の酸素含有量が1.8重量%以下であり、前記窒化アルミニウム焼結体における焼結助剤相が、結晶相としてYAGを含有せずにYAMを含有し、熱伝導率が130W/m・K以上であり、3点曲げ強度が600MPa以上であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
  2. 前記窒化物は、酸化物換算で5〜20重量部のZrNであることを特徴とする請求項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
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