JP6655888B2 - 計測装置、計測方法、および物品の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る第1実施形態の計測装置100について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の計測装置100を示す概略図である。計測装置100は、被検物の表面(以下、被検面1)における計測箇所および参照面25に光を照射し、被検面上の計測箇所で反射された被検光と参照面25で反射された参照光とによって生成された干渉信号に基づいて、当該計測箇所の位置(高さ)を決定する。そして、計測装置100は、被検面上における複数の計測箇所の各々について位置を決定することにより、被検面1の形状を計測することができる。計測装置100は、ヘテロダイン干渉計として構成される。計測装置100は、例えば、光を射出する光源10と、被検光および参照光を受光して干渉光を生成する光学系20と、被検光と参照光との光路長差を検出する検出部30と、被検面上の各計測箇所の位置を決定する処理部40とを含みうる。第1実施形態では、計測装置100の各部の制御を処理部40が行うものとして説明するが、それに限られるものではなく、各部の制御を行う制御部を処理部40とは別に計測装置100に設けてもよい。また、第1実施形態の計測装置100は、検出部30と処理部40とを別々の構成要素として含んでいるが、1つの構成要素として含んでもよい。例えば、検出部30が処理部40に含まれるように計測装置100を構成してもよい。
M1=L0+CE1
M2=(L0+T/2)+CE2 ・・・(1)
M1+M2=(2L0+T/2)+(CE1+CE2),
CE1+CE2=0,
∴L0={(M1+M2)−T/2}/2 ・・・(2)
本発明に係る第2実施形態の計測装置について説明する。第2実施形態では、被検面上における複数の計測箇所の各々について位置を決定し、被検面1の形状を計測する方法について説明する。例えば、処理部40は、被検面上における各計測箇所について、光学系20と計測箇所との間の距離Lがサイクリックエラーの周期Tの1/2だけ異なる2種類の状態の各々で検出部30に光路長差を検出させる。即ち、処理部40は、1つの計測箇所につき、距離Lが周期Tの1/2だけ異なる2種類の状態で検出部30に光路長差を検出させ、複数の検出結果を取得する。これにより、処理部40は、計測箇所ごとに取得した複数の検出結果を用いて、各検出結果に含まれるサイクリックエラーを相殺させるように各計測箇所の位置を決定し、被検面1の形状を精度よく求めることができる。
本発明に係る第3実施形態の計測装置について説明する。光学系20によって被検面1に光を照射して被検光13を受光する際、図6(a)に示すように被検面1が平面でないと、被検面1への入射光と反射光との光路が異なりうる。この場合、反射光が光学系20にほとんど入射しないため、参照光12と被検光13との干渉により生成される干渉信号に基づいて、参照光12と被検光13との光路長差を検出することが困難になることがある。そのため、第3実施形態の計測装置は、図6(b)に示すように、光学系20と被検面1との間の光路上に集光レンズ27を含みうる。集光レンズ27は、傾斜を持つ被検面1に照射され、当該被検面1で反射された光(反射光)が集光レンズ27を透過することによって、光学系20から射出された光と平行になるように構成されている。即ち、集光レンズ27は、光学系20と集光レンズ27との間において、光学系20から射出された光と被検面1で反射された光とが平行になるように構成されている。これにより、被検面1が平面でない場合であっても、被検面1からの反射光を光学系20に入射させ、光路長差を検出することができる。ここで、図6では、光学系20と集光レンズ27とが別々に記載されているが、光学系20が集光レンズ27を含むように構成されてもよい。この場合、集光レンズ27は、偏光ビームスプリッタ22と被検面1との間の光路上に配置されうる。
本発明に係る第4実施形態の計測装置について説明する。計測装置では、上述したように、所定の周期Tをもったサイクリックエラーが光路長差の検出結果に生じうる。そのため、第4実施形態の計測装置は、光学系20と被検面1との相対位置(XY方向)を変えながら検出部30に光路長差を検出させる際、図7に示すように、サイクリックエラーの周期Tに応じて光学系20と被検面との間の距離(Z方向)を変化させている。即ち、第4実施形態の計測装置は、サイクリックエラーの周期Tに応じて光学系20を振動させながら、被検面上における複数の計測箇所において検出部30に光路長差を検出させる。光学系20を振動させる際の振幅は、事前に取得したサイクリックエラーの周期Tの1/n(n≧2)、または光源10から射出される光の波長λの1/n(n≧2)であるとよい。また、計測におけるサンプリング周期より短い周期で光学系20を振動させるとよい。即ち、連続して計測を行う2つの計測箇所の間で少なくとも1周期分だけ光学系20を駆動するとよい。
本発明に係る第5実施形態の計測装置200について、図8を参照しながら説明する。図8は、第5実施形態の計測装置200を示す概略図である。計測装置200は、プローブ80を被検面1に接触させた状態で当該プローブ80を被検面上で走査することにより被検面1の形状を計測する接触式の計測装置である。プローブ80は、先端球81が先端に取り付けられたプローブシャフト82と、プローブシャフト82を保持する保持部材83とを含み、駆動部90によって駆動されうる。
本発明に係る第6実施形態の計測装置について説明する。第6実施形態の計測装置は、第5実施形態の計測装置200と同じ装置構成を有し、距離72bが一定になるように駆動部90によりプローブ80(保持部材83)を駆動させている。ここで、プローブ80の剛性をk、検出部72から光学素子84の光学面までの距離72bをH、被検面1からのプローブ80(プローブシャフト82)が受ける反力をFとすると、それらの関係は、フックの法則から式(3)によって表されうる。よって、剛性kを一定とした場合の距離Hは、反力Fの値により決まるため、被検面1の形状計測を行う際、距離Hが一定になるように反力Fを制御することが好ましい。即ち、距離Hに応じて反力Fの制御指令値を決定すればよい。その際の制御は、図11に示すフローチャートに従って行われうる。計測装置の計測動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
F=k・H ⇔ H=F/k ・・・(3)
本発明に係る第7実施形態の計測装置について説明する。第7実施形態の計測装置は、第5実施形態の計測装置200と同じ装置構成を有し、距離72bが一定になるように駆動部90によりプローブ80(保持部材83)を駆動させている。また、上述の式(3)で表されるように、反力Fを一定とした場合の距離Hは、剛性kの値によって決まる。したがって、被検面1の形状測定を行う際、距離Hを一定に保つには、プローブの剛性kを制御することが好ましい。プローブの剛性kは、例えば、距離Hに応じた所望の剛性kを有するプローブシャフト82に交換したり、プローブシャフト82を保持する保持部材83の構成を変更したりすることにより制御されうる。その際の制御は、図12に示すフローチャートに従って行われうる。計測装置の計測動作について図12のフローチャートを用いて説明する。
1)永久磁石83aを磁力の異なる永久磁石に変更する
2)電磁石83bのコイルの巻き数を変更する
3)コイルの芯の材料を変更する
本発明に係る第8実施形態の計測装置について説明する。図14に示す第8実施形態の計測装置は、図5に示す計測装置をチャンバ300の内部に設置した構成を有する。被検面1(被検物)はステージ101に上に搭載され、ステージ101はベース102に搭載されている。計測装置では、上述したように、所定の周期Tをもったサイクリックエラーが光路長差の検出結果に生じる。そのため、第8実施形態の計測装置は、被検面上の複数の計測箇所の各々についての位置を、被検光13の光路長が互いに異なる複数種類の状態において検出部30により得られた検出結果に基づいて決定する。そして、決定した各計測箇所の位置に基づいて被検面1の形状を計測する。
本発明に係る第9実施形態の計測装置について説明する。第8実施形態では、屈折率変更部120で光学系20と被検面1との間の空間(以下、単に「空間」と称する)における気体の圧力を変更することにより、当該空間における屈折率を変更し、被検光13の光路長を変更する例について説明した。一方で、第9実施形態では、屈折率変更部120で空間における気体の組成(密度)を変更することにより、当該空間における屈折率を変更し、被検光13の光路長を変更する例について説明する。
本発明に係る第10実施形態の計測装置について説明する。第10実施形態の計測装置は、図18に示すように、第5実施形態の計測装置200と同じ構成を有する。そして、第10実施形態の計測装置は、Z基準ミラー71z(基準面)を駆動する第2駆動部121と、第2駆動部121を制御する制御部122とを更に有する。第2駆動部121は、検出部72からZ基準ミラー71zに照射される光の光軸と平行な方向(例えばZ方向)におけるZ基準ミラー71zの位置を変更するために用いられる。計測装置200は、第1光路長(距離72a)と第2光路長(距離72b)とを同時計測することが可能な検出部72を有している。このように構成された計測装置200では、計測装置200に含まれる光学素子での意図しない反射などによる迷光により、検出部72による検出結果に周期的な非線形誤差(サイクリックエラー)が生じうる。サイクリックエラーを相殺させる方法としては、上述したが、事前に検出したサイクリックエラー周期Tないし使用光源波長λの1/nだけ互いに異なるn種類の状態の各々において、参照光と被検光との光路長差を検出すればよい。従って、第2駆動部121をサイクリックエラー周期Tないし使用光源波長λの1/nだけ制御部122により駆動制御すればよい。駆動量は、検出部72とZ基準ミラー71zとの間の光路長に基づいて、処理部40の機能を有する制御部122によって算出される。
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、金属部品や光学素子等の物品を製造する際に用いられる。本実施形態の物品の製造方法は、上記の計測装置を用いて被検物の形状を計測する工程と、かかる工程における計測結果に基づいて被検物を加工する工程とを含む。例えば、被検物の形状を計測装置を用いて計測し、その計測結果に基づいて、被検物の形状が設計値になるように当該被検物を加工(製造)する。本実施形態の物品の製造方法は、計測装置により高精度に被検物の形状を計測できるため、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
Claims (19)
- 被検面の形状を計測する計測装置であって、
光を前記被検面上の計測箇所および参照面に照射し、前記計測箇所で反射された被検光と前記参照面で反射された参照光とを干渉させる光学系と、
前記被検光と前記参照光との干渉光を検出することにより、前記被検光と前記参照光との光路長差を検出する検出部と、
前記検出部による複数の検出結果に基づいて前記計測箇所の位置を決定する処理部と、
を含み、
各検出結果は、前記光路長差の変化に対して周期的に変化する誤差を含み、
前記検出部は、前記被検光の光路長が前記誤差の周期の1/n(n≧2)だけ互いに異なるn種類の状態の各々において前記光路長差を検出することによりn個の検出結果を取得し、
前記処理部は、前記n個の検出結果に基づいて、前記n個の検出結果のそれぞれに含まれる前記誤差が相殺されるように前記計測箇所の位置を決定する、ことを特徴とする計測装置。 - 前記処理部は、前記被検光の光路長の変化量と前記検出部によって検出された前記光路長差の変化量との関係に基づいて前記周期を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記検出部は、前記被検面上における複数の前記計測箇所の各々について前記n個の検出結果を取得し、
前記処理部は、前記計測箇所の各々の前記n個の検出結果に基づいて前記被検面上の各計測箇所の位置を求め、前記被検面上の各計測箇所の位置に基づいて前記被検面の形状を決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測装置。 - 前記光学系から前記被検面に向けて射出される光の光軸と垂直な方向において、前記光学系と前記被検面との相対位置を変更する変更部を含み、
前記処理部は、前記被検光の光路長が前記周期の1/n(n≧2)だけ互いに異なるn種類の状態の各々となるように前記変更部に前記相対位置を変更させながら、前記被検面上の各計測箇所で前記光路長差を前記検出部に検出させる、ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。 - 前記光学系と前記被検面との間の光路上に配置されたレンズを含み、
前記レンズは、前記光学系と前記レンズとの間において、前記光学系から射出された光と前記被検面で反射された光とが平行になるように構成されている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の計測装置。 - 前記処理部は、前記検出部に前記光路長差を検出させる際、前記周期に応じて前記光学系と前記計測箇所との間の距離が変化するように前記光学系を振動させる、ことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記n種類の状態の各々は、前記光学系と前記計測箇所との間の距離を変更することによって生成される、ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記n種類の状態の各々は、前記光学系と前記被検面との間の空間における屈折率を変更することによって生成される、ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記空間における屈折率を変更する屈折率変更部を更に含み、
前記屈折率変更部は、前記空間における気体の圧力を変更することによって前記空間における屈折率を変更する、ことを特徴とする請求項8に記載の計測装置。 - 前記屈折率変更部は、前記空間における気体の圧力を計測する圧力計を有し、当該圧力計による計測結果に基づいて前記空間における気体の圧力を変更する、ことを特徴とする請求項9に記載の計測装置。
- 前記空間における屈折率を変更する屈折率変更部を更に含み、
前記屈折率変更部は、前記空間における気体の組成を変更することによって前記空間における屈折率を変更する、ことを特徴とする請求項8に記載の計測装置。 - 前記屈折率変更部は、複数種類の気体の混合比率を変えることによって前記空間における気体の組成を変更する、ことを特徴とする請求項11に記載の計測装置。
- 被検面の形状を計測する計測装置であって、
前記被検面上の計測箇所に接触するプローブと、
前記プローブに設けられ、光を基準面および参照面に照射し、前記基準面で反射された被検光と前記参照面で反射された参照光との干渉光を検出することにより、前記被検光と前記参照光との光路長差を検出する検出部と、
前記検出部による複数の検出結果に基づいて前記計測箇所の位置を決定する処理部と、
を含み、
各検出結果は、前記光路長差の変化に対して周期的に変化する誤差を含み、
前記検出部は、前記プローブと前記基準面との間の距離が前記誤差の周期の1/n(n≧2)だけ互いに異なるn種類の状態の各々において前記光路長差を検出することによりn個の検出結果を取得し、
前記処理部は、前記n個の検出結果に基づいて、前記n個の検出結果のそれぞれに含まれる前記誤差が相殺されるように前記計測箇所の位置を決定する、ことを特徴とする計測装置。 - 前記計測装置は、前記プローブと前記被検面とを接触させた状態で前記プローブを前記被検面上で走査することにより前記被検面の形状を計測する、ことを特徴とする請求項13に記載の計測装置。
- 前記被検面から前記プローブが受ける反力を検出する反力検出部と、
前記プローブを駆動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を更に含み、
前記制御部は、前記n種類の状態において前記反力が互いに異なるように、前記反力検出部による検出結果に基づいて前記駆動部を制御する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の計測装置。 - 前記被検面から前記プローブが受ける反力を検出する反力検出部と、
前記プローブを駆動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を更に含み、
前記プローブは、その剛性が前記n種類のそれぞれの状態で互いに異なるように構成され、
前記制御部は、前記n種類の状態において前記反力が一定になるように、前記反力検出部による検出結果に基づいて前記駆動部を制御する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の計測装置。 - 前記検出部から前記基準面に照射される光の光軸と平行な方向における前記基準面の位置を変更するために前記基準面を駆動する第2駆動部と、
前記第2駆動部を制御する制御部と、を更に含み、
前記制御部は、前記n種類の状態の各々が生成されるように前記第2駆動部を制御する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の計測装置。 - 請求項1乃至17のうちいずれか1項に記載の計測装置を用いて被検面の形状を計測する工程と、
前記工程における計測結果に基づいて前記被検面を加工する工程と、
を含む、ことを特徴とする物品の製造方法。 - 光を被検面上の計測箇所および参照面に照射し、前記計測箇所で反射された被検光と前記参照面で反射された参照光とを干渉させる光学系を有する計測装置を用いて被検面の形状を計測する計測方法であって、
前記被検光と前記参照光との干渉光を検出することにより、前記被検光と前記参照光との光路長差を検出する検出工程と、
前記検出工程において得られた複数の検出結果に基づいて前記計測箇所の位置を決定する決定工程と、
を含み、
各検出結果は、前記光路長差の変化に対して周期的に変化する誤差を含み、
前記検出工程では、前記被検光の光路長が前記誤差の周期の1/n(n≧2)だけ互いに異なるn種類の状態の各々において前記光路長差を検出することによりn個の検出結果を取得し、
前記決定工程では、前記n個の検出結果に基づいて、前記n個の検出結果のそれぞれに含まれる前記誤差が相殺されるように前記計測箇所の位置を決定する、ことを特徴とする計測方法。
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