本発明のコンピュータプログラム、処理方法および情報処理装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
初めに、本発明の情報処理装置の実施形態について図1を参照しながら説明する。
本発明の情報処理装置100は、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームを実行するためのものである。この情報処理装置100は、図1に一例として示されるように、ネットワークを介してサーバ装置200と接続されるものとすることができる。
また、本発明の情報処理装置100を操作するユーザとは異なる、1以上の他のユーザにより操作される情報処理装置300も、ネットワークを介してサーバ装置200と接続されるものとすることができる。
ここで、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能であるとは、当該対戦の進行処理の少なくとも一部および/または処理結果の少なくとも一部が、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体に対して共通して適用されるものとすることができる。本実施形態において、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体との対戦は、レイド戦であるものとして説明を行うが、その他の対戦にも適用することができる。ゲーム媒体の例については後述する。
このような敵キャラクタを複数のユーザによって倒すことを目的とする対戦は、ソーシャルゲーム分野では、慣例的に、上記のように「レイド戦」と呼ばれるか、或いは、複数のユーザで構成されるグループやギルドを、その英語表記の頭文字(G)で表し、且つ、レイド戦に登場する敵キャラクタを、レイドキャラクタとしてその英語表記の頭文字(R)で表して、「GvR」(「v」は、バーサスの英語表記を意味する)と呼ばれる。
そして、本発明の情報処理装置100は、図2に示されるように、記憶部110と、通信部120と、判定部130と、第一の実行部140とを備える。
記憶部110は、複数のフェーズで構成される敵ゲーム媒体の体力と、当該複数のフェーズの各フェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の複数の行動を含む行動パターンとを対応付けて記憶装置に記憶させるものとする。
この記憶装置は、情報処理装置100が備えるものとしてもよいし、上記サーバ装置200が備えるものとしてもよい。また、情報処理装置100およびサーバ装置200のいずれもが備えるものとしてもよい。
図3は、複数のフェーズで構成される敵ゲーム媒体の体力を説明するための図である。図3に示される例では、敵ゲーム媒体の体力は、最大値を100%としたときに、100%から90%までをフェーズA、90%から60%までをフェーズB、60%から30%までをフェーズC、30%から0%までをフェーズDとして4段階のフェーズが設定される。なお、これらフェーズは割合で設定される場合に限られず、値そのもの(2000p以上、4000p未満など)によって設定されてもよい。また、これらフェーズは、その他の敵ゲーム媒体に関連するパラメータに基づいて設定されてもよい。その他のパラメータの例としては、敵ゲーム媒体との対戦時間や、ターン制のゲームである場合のターン数、敵ゲーム媒体またはユーザのゲーム媒体の行動回数などが挙げられる。また、このフェーズ数や閾値はこれに限られるものではなく、対戦の難易度やストーリーに応じて適宜設定が可能である。
そして、これら各フェーズには、実行されるべき敵ゲーム媒体の複数の行動を含む行動パターンが設定される。図3には、一例として、フェーズA、フェーズBにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の複数の行動を含む行動パターンA、行動パターンBが示されている。
例えばフェーズBにおいては、先制攻撃、通常攻撃、割込攻撃の3種の攻撃が設定され、(B1)先制攻撃、(B2)通常攻撃、(B3)通常攻撃、(B4)割込攻撃、(B5)割込攻撃、(B6)通常攻撃、(B7)通常攻撃、(B8)割込攻撃、(B9)通常攻撃、(B10)通常攻撃、(B11)通常攻撃、(B12)通常攻撃がゲームの進行に応じて実行される。
本実施形態において、これら実行される複数の行動を行動パターンと呼ぶ。なお、図3ではフェーズAおよびフェーズBにそれぞれ行動パターンAおよび行動パターンBが設定されてる例を示したが、全てのフェーズに行動パターンが設定されるのが好ましい。
また、図4に示す例では、各フェーズをさらに細かく区分けし、各区分に敵ゲーム媒体の複数の行動を設定している。具体的には、図4には、フェーズBにおける体力の最大値を100%としたときに、100%から70%までを区分a、70%から50%までを区分b、50%から0%までを区分cとして3つの区分に区切り、各区分に対して上記複数の行動を設定し、それぞれを行動パターンa〜cとした例が示されている。なお、図4ではフェーズBのみが区分けされる例を示したが、全てのフェーズが区分けされるものとすることができるし、複数のフェーズ、または、全てのフェーズが区分けさないものとすることもできる。
図5は、記憶装置に記憶されるデータのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。図5に示す例では、各敵ゲーム媒体IDに、最大体力値、設定されたフェーズ、設定された区分、フェーズ内最大割合(%)、フェーズ内最小割合(%)、行動番号および行動内容が対応付けられている。なお、図5に示される例以外にも、様々な情報を敵ゲーム媒体IDに対応付けて記憶装置に記憶させ、利用することができる。
通信部120は、対戦に参加している他のユーザの攻撃に基づいて減少する敵ゲーム媒体の体力を、ネットワークを介して取得するものとする。
ここでいう他のユーザは、対戦を開始させたユーザ、対戦開始のタイミングで参加したユーザ、および/または、途中参加済みの別のユーザとすることができる。
本実施形態において、敵ゲーム媒体の体力の値は、基本的には情報処理装置100が備える記憶装置に記憶されるものとするが、レイド戦において、敵ゲーム媒体の体力値は対戦に参加しているすべてのユーザに対してリアルタイムに同じ値が表示されるべきである。そのため、少なくとも敵ゲーム媒体の体力の値に関しては、サーバ装置200が各情報処理装置100、300とリアルタイムに通信を行い、各ユーザの敵ゲーム媒体への攻撃等に応じて変化する敵ゲーム媒体の体力の値を、常に最新の状態として各情報処理装置100、300へ送信し同期させる。このとき、サーバ装置200は、複数の処理ごとに異なる複数のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、同期処理専用のサーバ装置と、同期処理以外のゲーム処理を行うサーバ装置によって構成されてもよい。このように、同期処理専用のサーバ装置を設けることで、同期処理の処理速度を上げることができ、リアルタイム性の高いレイド戦を実現することができる。
判定部130は、ユーザが対戦の開始後に参加した場合に、当該参加のタイミングにおける敵ゲーム媒体の体力の値である参加時体力値に基づいて、当該参加のタイミングが複数のフェーズのいずれのフェーズに対応するかを判定するものとする。
ここで、対戦の開始後とは、所定のユーザがレイド戦を開始する意思を最先に示し、敵ゲーム媒体との対戦が進行した後のことをいうものとすることができる。この場合は、最先のユーザ以外のユーザはすべて途中参加のユーザとなる。また、所定のユーザがレイド戦を開始する意思を最先に示し、他のユーザの参加の募集を受け付ける所定の期間が経過し、実際に敵ゲーム媒体との戦いが進行した後のことをいうものとしてもよい。この所定の期間内に参加の意思を示した他のユーザは、敵ゲーム媒体との対戦を同時にスタートするものとする。この所定の期間は、予め自動で設定されてもよいし、ユーザにより設定されるものとすることもできる。
図6は、判定部130による判定処理を説明するための説明図である。図6に示される例では、敵ゲーム媒体の体力の最大値が10000pであり、フェーズAが9001p以上10000p以下、フェーズBが6001p以上9000p以下、フェーズCが3001p以上6000p以下、フェーズDが0p以上3000p以下に設定されている。
そして、参加時体力値が7000pである場合に、判定部130は、この参加時体力値である7000pに基づいて、当該参加のタイミングが複数のフェーズのいずれのフェーズに対応するかを判定する。この場合は、参加のタイミングはフェーズBに対応すると判定される。
そして、第一の実行部140は、ユーザに対し、判定部130により参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行するものとする。
仮に、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズよりも前のフェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行するものとすると、途中参加した当該ユーザに対する敵ゲーム媒体の行動が冗長になってしまう。そのため、本実施形態において、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズよりも前のフェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の行動は、実行しない。
図6に示した例では、第一の実行部140は、ユーザに対し、敵ゲーム媒体の体力のフェーズBの6001p以上9000p以下において、参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動、すなわち、7000p超え9000p以下までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行する。例えば、参加時体力値にまでに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動が、フェーズBの行動パターンのうち(B1)〜(B6)である場合には、これら行動(B1)〜(B6)が順に実行される。このとき、フェーズAの行動パターンの行動(A1)〜(A4)は実行されない。
以上の構成によれば、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームにおいて、対戦の開始後であっても、ユーザが当該対戦に参加することを可能とし、その際に、当該ユーザに対する敵ゲーム媒体の行動を適切に制御することで、途中参加したユーザと既に参加済みのユーザとの公平性を保つことができる。
具体的には、途中参加したユーザに対し、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行することで、既に参加済みのユーザとの公平性を保ち、かつ、敵ゲーム媒体の行動の不自然さを低減させることができる。
また、途中参加したユーザに対し、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズよりも前のフェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行しないことにより、途中参加した当該ユーザに対する敵ゲーム媒体の行動が冗長になることを防ぐことができる。
このような構成によれば、途中参加したユーザに対して参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動をすべて実行しない場合と比較して、対戦の内容に多様性が生まれる。そして、本発明によれば、途中参加したユーザに対しても、既に参加済みのユーザに対しても、バランスよく設計された対戦ゲームを提供することが可能となる。
なお、対戦開始のタイミングから参加しているユーザに対しては、フェーズAの行動パターンの行動(A1)からフェーズDの行動パターンの最後の行動までがゲームの進行に応じて順に実行されるものとすることができる。また、敵ゲーム媒体の体力の値がフェーズBに遷移した時点で参加したユーザに対しては、フェーズBの行動パターンの行動(B1)からフェーズDの行動パターンの最後の行動までがゲームの進行に応じて順に実行されるものとすることができる。これら行動には、後述する第一種攻撃および第二種攻撃のいずれもが含まれるものとすることができる。ただし、これら行動の実行は、図に示した順に実行される場合に限られない。実行順の他の例については後述する。
本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、図7に示すように、さらに、第二の実行部150を備えることができる。第二の実行部150は、判定部130により参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズの、参加時体力値以降に実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行するものとする。
このとき、記憶部110は、行動パターンに含まれる複数の攻撃を、少なくとも第一種攻撃と、第二種攻撃とに分けて記憶装置に記憶させる。
そして、第一の実行部140は、ユーザに対し、判定部130により参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、当該参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動のうち、第一種攻撃を実行するものとする。
そして、第二の実行部150は、第一の実行部140による第一種攻撃の実行後に、ユーザに対し、判定部130により参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、当該参加時体力値以下であって、かつ、敵ゲーム媒体の体力の現在値までの間に実行されるべき敵ゲーム媒体の行動のうち、第一種攻撃および第二種攻撃を実行するものとする。
ここで、第一種攻撃は、敵ゲーム媒体の攻撃のうち、優先度が高い攻撃であって、例えば、対戦のストーリー上重要な攻撃をいうものとすることができ、敵ゲーム媒体の体力の値に依存して実行される攻撃とすることができる。ストーリー上重要な攻撃とは、例えば、対戦のストーリーを進行するための重要なセリフを表示するとともに、後述する第二種攻撃よりも大きなダメージをユーザに関連付けられたゲーム媒体に与えることが可能な攻撃をいうものとすることができる。この第一種攻撃は、後述する第二種攻撃に含まれる「通常攻撃」の実行とともに実行されるよう設定され、図に示した例では、この第一種攻撃は「割込攻撃」として示されている。
また、第二種攻撃は、上記第一種攻撃以外のすべての攻撃を含むものとすることができる。図に示した例では、この第二種攻撃は、「先制攻撃」、「通常攻撃」として示されている。先制攻撃は、ユーザによる敵ゲーム媒体への攻撃が実行される前に実行される攻撃とすることができる。通常攻撃は、割込攻撃、先制攻撃以外の攻撃とすることができる。
そして、第二の実行部150による行動の実行後は、ユーザに対して、敵ゲーム媒体の体力の現在値以降に実行されるべき敵ゲーム媒体の行動が順に実行されるものとすることができ、この場合は、第一種攻撃および第二種攻撃を含むすべての攻撃が順に実行されるものとする。
例えば、図8に示す例では、敵ゲーム媒体の体力の現在値がフェーズBの最大値の20%になり、他のユーザに対して(c3)の攻撃まで実行されたタイミングで参加したユーザに対しては、フェーズBの第一種攻撃である(a4)、(b1)、(c2)の攻撃は実行されるが、第二種攻撃である(a1)、(a2)、(a3)、(b2)、(c1)、(c3)の攻撃は実行されない。当然、フェーズAの攻撃も実行されない。その後、ユーザに対する(c4)以降の攻撃は通常通り実行されるものとすることができる。
なお、上述した実施例において、敵ゲーム媒体による第一種攻撃および第二種攻撃は、敵ゲーム媒体の体力に対応づけられた攻撃(体力依存攻撃)であるとして説明を行ったが、敵ゲーム媒体に関連付けられた所定のパラメータが設定値となったことに基づいて実行されてもよい。また、第一種攻撃、および、第二種攻撃の少なくともいずれかを、対戦開始からの経過時間に依存して実行される攻撃(時間依存攻撃)とすることもできる。この時間依存攻撃は、例えば、敵ゲーム媒体に設定された時間の経過に応じて増加する攻撃ゲージが満たされると実行される攻撃や、敵ゲーム媒体に設定されたターン数が、ゲームの進行に応じて所定の値となると実行される攻撃とすることができる。なお、時間依存攻撃の回数は、ユーザおよび/または他のユーザによるゲームの進行速度に応じて増減する。
通常攻撃が時間依存攻撃であり、割込攻撃が体力依存攻撃である場合についてより詳細に説明する。図9に示すように、攻撃ゲージ18は、一例として、敵ゲーム媒体の体力ゲージ9とともに表示される。攻撃ゲージ18は、対戦開始からの時間が経過するとともに増加する経過時間ポイントの増加に応じて徐々に満たされていくよう表示される。一度、経過時間ポイントが所定の値に対応する攻撃ゲージ18の最大値に達すると敵ゲーム媒体による攻撃が実行され、再度ゼロから経過時間ポイントが増加して攻撃ゲージ18が満たされていくよう表示される。この経過時間ポイントは、敵ゲーム媒体に対応付けて記憶されるものとすることができる。
一方で、ユーザまたは他のユーザによる攻撃によって敵ゲーム媒体の体力の値が減少した際に、敵ゲーム媒体の体力の値に依存して、割込攻撃が実行される。すなわち、一定の間隔で通常攻撃が実行されている間に、割込攻撃が実行される。このように、割込攻撃は、上記の攻撃ゲージが満たされずとも、体力の値に依存して行われるものとする。なお、この敵ゲーム媒体の攻撃の実行中は時間の経過はカウントされず、経過時間ポイントが増加しないよう設定することができる。
例えば、図6に示した例のフェーズBにおいて、体力依存攻撃である割込攻撃は、敵ゲーム媒体の体力に応じて、(B4)、(B5)、(B8)の順で実行される。一方で時間依存攻撃である通常攻撃は、敵ゲーム媒体の攻撃ゲージの増加に応じて、(B2)、(B3)、(B6)、(B7)・・・の順で実行される。すなわちフェーズBにおいて、フェーズの開始時に実行される攻撃である(B1)が実行され、敵ゲーム媒体の攻撃ゲージが溜まると(B2)が実行され、そしてそれ以降、攻撃ゲージが溜まるたびに(B3)、(B6)、(B7)・・・が実行される。かかる処理と並行して、敵ゲーム媒体の体力が設定値になると、割込攻撃である(B4)が実行され、以降、体力の値が設定値になるたびに、(B5)、(B8)が実行されるものとすることができる。従って、割込攻撃および通常攻撃は、体力依存と時間依存という2つの異なる条件に応じて実行されるため、敵ゲーム媒体の体力の減少状況、および、ゲームの進行状況によっては、図6に示される例と異なる順番で実行されうる。例えば、(B2)の通常攻撃が実行されたのちに、攻撃ゲージが満たされる前に、体力値が(B4)に対応する設定値となり、その後に、攻撃ゲージが満たされた場合、(B2)、(B4)、(B3)の順で実行される。
なお、ユーザまたは他のユーザによる一回の攻撃で、敵ゲーム媒体の体力の現在値が区分を超えて一時に変化した場合は、変化前の区分において実行されるべきであった行動のうち、第二種攻撃は実行されないが、変化前の区分において実行されるべきであった第一種攻撃は実行されるものとすることができる。かかる構成は、途中参加ユーザであるか否かを問わず、すべてのユーザに対して適用されるものとすることができる。
例えば、対戦の開始タイミングから参加しているユーザに対し、図8に示される敵ゲーム媒体の行動は左から順に実行される。そして、敵キャラクタの体力の現在値がフェーズBにおける最大値の85%となり(a3)の攻撃まで実行されたタイミングで、敵ゲーム媒体の体力の現在値がフェーズBの最大値の20%になり区分cへ一時に変化した場合は、区分a、区分b、区分cの第一種攻撃である(a4)、(b1)、(c2)の行動は実行されるが、第二種攻撃である(b2)、(c1)、(c3)の行動は実行されない。その後、(c4)以降の攻撃は通常通り実行される。
以上の構成により、ユーザに対し、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、当該参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動のうち、第一種攻撃を実行することで、対戦の内容の多様性を高めることができる。
なお、敵ゲーム媒体による第一種攻撃および第二種攻撃は、敵ゲーム媒体のパラメータ、および、時間に依存する条件に基づいて実行されるとして説明を行ったが、その他の条件をさらに含んでもよい。具体的には、上記の条件を満たした上で、さらに、ユーザのゲーム媒体やステージの状況が所定の条件を満たした場合に、敵ゲーム媒体の攻撃が実行されてもよい。例えば、ユーザのゲーム媒体による行動の実行が行われていないことや、ステージ内の所定のオブジェクト(ユーザの操作を妨げるようなステージ上のトラップなど)が存在しないことを判定して、敵ゲーム媒体の攻撃が実行されてもよい。
その場合においても、一部の攻撃については、発動条件が異ならせ、例えば、ユーザのゲーム媒体による行動や、ステージ上のオブジェクトの存在にかかわらず、敵ゲーム媒体のパラメータ、および、時間に依存した条件が満たされたら実行されてもよい。
なお、上記の実施形態では敵ゲーム媒体の行動として攻撃のみが例示されたが、ユーザに関連付けられたゲーム媒体、および/または敵ゲーム媒体が実行するあらゆる行動を含むものとする、例えば、体力の回復行動や、特殊な効果(自分のゲーム媒体のパラメータ変更や対戦相手のゲーム媒体のパラメータ変更を行う効果)発動などである。特殊な効果発動の具体例としては、例えば、敵ゲーム媒体による防御力UP、攻撃力UPなど、敵ゲーム媒体のパラメータを増加させるバフ効果発動、および/または、ユーザによる敵ゲーム媒体の防御力DOWN、攻撃力DOWNなど、敵ゲーム媒体のパラメータを減少させるデバフ効果発動などが挙げられる。
このとき、途中参加のユーザに対しては、参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、ユーザのゲーム媒体、および/または、敵ゲーム媒体によって実行された行動の効果のみが引き継がれ、それよりも前のフェーズにおいて実行された行動の効果については解消された状態で、対戦が進行されるのが好ましい。かかる構成により、途中参加したユーザと既に参加済みのユーザとの公平性をより保つことができる。換言すれば、途中参加のユーザに対しても、敵ゲーム媒体のパラメータは、すでに参加しているユーザと同一の状態でゲームが進行する。同様に、途中参加のユーザは、すでに参加しているユーザと、参加時に実行されている効果について同一の状態でゲームを進行させることができる。
かかる構成によれば、対戦に既に参加しているユーザは、途中参加のユーザが不利にならないような効果を予め発動させることができる。例えば、連続して割込攻撃を受ける可能性のある途中参加ユーザが、参加後すぐに敗北してしまうことを防ぐため、敵ゲーム媒体の攻撃力をDOWNするデバフ効果を予め発動させることで、途中参加のユーザを守るような戦略を立てるなど、対戦の戦略性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、図7に示すように、さらに、受付部160と、計算部170とを備えることができる。受付部160は、ユーザによる攻撃指示を受け付けるものとする。計算部170は、受付部160が受け付けた攻撃指示に応じて、敵ゲーム媒体の体力の値から減少させる減少値を計算する。
そして、記憶部110は、受付部160が受け付けた攻撃指示に応じ、ユーザの攻撃に基づく攻撃値を当該ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させ、かつ、計算部170は、ユーザによる1回の攻撃指示において、敵ゲーム媒体の体力の現在値が含まれるフェーズの最小値までの範囲で、敵ゲーム媒体の体力の値を攻撃値に応じて減少させるよう減少値を計算することができる。
例えば、図6に示す例において、敵ゲーム媒体の体力値が7000pの状態において、ユーザが一回の攻撃指示で2000pのダメージを与えるべき攻撃を実行した場合、攻撃値は2000pと記憶される。一方で、この7000pが含まれるフェーズBの最小値は6001Pであることから、この場合の減少値は999pと計算される。
かかる構成により、フェーズが変化した際に既に敵ゲーム媒体の体力が減少しているという不自然さを防ぐことができる。また、ユーザの攻撃に基づく攻撃値は切り捨てずに記憶させてゲーム中で用いてもよい。その場合には、フェーズ切り替わり時のユーザのフェーズの最小値を超える攻撃が無駄になることなくゲーム内で用いられるため、攻撃控えを防ぐことができる。なお、一の対戦における減少値、および/または、攻撃値の合計値はユーザのマイスコアとしてゲーム画面に表示されることができる。このスコアは、対戦に参加した総ユーザのランク付けに用いられることができる。これら減少値、攻撃値およびスコアは、端末装置において記憶され、複数の端末装置間で同期されてもよいし、各端末装置からサーバ装置に送信され、サーバ装置によって記憶されてもよい。また、スコアまたはスコアに基づいたランキング等の成績に応じて、ユーザに対して所定の報酬が与えられてもよい。
通信部120は、計算部170により計算された減少値を、対戦の開始後に未だ参加していない未参加ユーザに対して敵ゲーム媒体の体力の状態を表示可能にするために送信することができる。
図10は、未参加ユーザに対して表示される敵ゲーム媒体の体力の状態を示す表示画面の一例である。図10では、救援依頼のあるレイド戦が2つ表示され、それぞれ、開始中の対戦における敵ゲーム媒体の体力の状態は、敵ゲーム媒体の体力の最小値から最大値までを表示した体力ゲージの中で示されている。また、この表示画面には、体力ゲージの他、敵ゲーム媒体のキャラクタ画像、敵ゲーム媒体のキャラクタ名、難易度、参加人数、参加回数、発動者、フレンド状態などが表示されるものとすることができる。なお、図10に示される例では、敵ゲーム媒体の体力の現在値に応じて、敵ゲーム媒体のキャラクタ画像が変化している。なお、図10に示される画面からユーザが対戦に参加した場合、参加時に対戦はさらに進行した状態となっている可能性があり、参加時の敵ゲーム媒体の体力値や、参加時のフェーズは、図10に示される値であるとは限らない。
本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、図7に示すように、さらに、出力部180を備えることができる。出力部180は、体力ゲージとして、複数のフェーズの各フェーズに対応する体力ゲージ層を重ねて表示させるための情報を出力するものとする。
図11は、体力ゲージの構成を示すイメージ図である。図11に示すように、フェーズA〜Dに対応する体力ゲージ層A〜Dが重ねられ、図12に示すように下層の体力ゲージは直上のゲージの減少に応じて表示される。このとき、各フェーズに対応する体力ゲージ層はそれぞれ識別可能となるよう表示態様を異ならせておくのが好ましい。例えば、色の色相、彩度、明度、テクスチャの種類などを異ならせることで各体力ゲージ層を識別可能に表示することができる。
かかる構成により、敵ゲーム媒体の体力の現在値を敵ゲーム媒体の体力の最小値から最大値までを表示した体力ゲージの中で変動させた場合と比較して、同じ減少値であっても、体力ゲージの減少幅が大きく表示されるため、ユーザは、敵ゲーム媒体へ与えたダメージの効果を実感しやすくなる。
また、本発明の実施形態に係る出力部180は、体力ゲージの最上に表示される第一の体力ゲージ層の体力ゲージを増減させ、当該体力ゲージがゼロになった場合に、第二の体力ゲージ層が最上の体力ゲージ層となるよう切り替えて表示させ、第二の体力ゲージ層が最上の体力ゲージ層として切り替えて表示された場合、当該第二の体力ゲージ層の体力ゲージは上限まで満ちた状態で表示させるための情報を出力する。
具体的には、上述したように、計算部170が、ユーザによる1回の攻撃指示において、敵ゲーム媒体の体力の現在値が含まれるフェーズの最小値までの範囲で、敵ゲーム媒体の体力の値を攻撃値に応じて減少させるよう減少値を計算することで、上記構成を実現することができる。
なお、最上の体力ゲージ層と第二の体力ゲージ層の入れ替えは、最上の体力ゲージ層を右側(最大値側)から段階的に削除していくことで徐々に第二の体力ゲージ層が表示されるように処理することも可能であるし、最上の体力ゲージ層を右側から段階的に透明化することで徐々に第二の体力ゲージ層が表示されるように処理することも可能である。
本発明の実施形態に係る出力部180は、さらに、体力ゲージ層の状態を示すインジケータを表示させるための情報を出力することができる。
インジケータは、図13(a)に一例として示されるように、各体力ゲージ層の層数および表示態様に対応させ、全部で何層で構成されているのか、現在何層目であるのかなどをユーザに認識させるために表示されるものとする。
インジケータのその他の例としては、図13(b)に示されるように、インジケータの個数で層数を、現在進行中の層に目印画像(図13(b)に示す例では三角形)を付したものとすることもできる。
本発明の実施形態に係る出力部180は、図12に示されたように、さらに、敵ゲーム媒体の体力の現在値の最大値に対する割合を表示させるための情報を出力することができる。
かかる構成により、体力ゲージからは分かり難くなった敵ゲーム媒体の体力の最大値からの割合を、分かり易く表示することができる。
本発明の実施形態に係る記憶部110は、敵ゲーム媒体の体力を構成する各フェーズと、当該フェーズごとに異なる敵ゲーム媒体のパラメータとを対応付けて記憶装置に記憶させることができる。
パラメータとは、例えば、攻撃力、防御力および/または属性などが含まれるものとすることができる。例えば、フェーズが変化するにつれて敵ゲーム媒体の攻撃力や防御力を変化させたり、属性を変化させたりすることで敵ゲーム媒体の状態を変化させ、対戦の難易度を徐々に変化させていくことができる。具体的には、敵ゲーム媒体の状態がフェーズの変化とともに変化していくような構成とすることもできる。
このとき、敵キャラクタの表情や背景、キャラクタ自体が変化するよう構成することもできる。これにより、ユーザは、敵ゲーム媒体の状態が変化したことをより実感できるようになる。図10に示したキャラクタ画像も、フェーズの変化により敵ゲーム媒体が強くなり、表情を変化させたものである。
このように、フェーズごとに敵ゲーム媒体が変化するような場合において、途中参加のユーザに対戦のストーリーを理解させるためにも、各フェーズにおける敵ゲーム媒体の攻撃は実行させるのが好ましい。そして、冗長になるのを防ぐために、前のフェーズの行動は実行せず、該当するフェーズのうち、すでに体力に応じて実行済みの第一種攻撃のみをユーザのゲーム媒体に対して実行させる必要があるのである。
本発明の別の実施形態において、上記攻撃には敵ゲーム媒体によるセリフとなるテキストデータであるセリフ情報を対応付けて記憶させるのが好ましい。このとき、第一種攻撃には、対戦のストーリー上重要なセリフ情報が対応づけられ、第二種攻撃には、その他のセリフ情報が対応づけられているのが好ましい。
このとき、上述した本発明の実施形態によれば、第一の実行部140が、ユーザに対し、判定部130により参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、当該参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動のうち、第一種攻撃を実行することから、途中参加したユーザであって、第一種攻撃に対応付けて記憶された、対戦のストーリー上重要なセリフ情報を確認することができるため、ストーリーの流れに置いていかれることなく、ゲーム開始のタイミングから参加していたユーザと同様に、ゲームへの没入感を得ることができる。
本発明の別の実施形態において、上記体力ゲージ層の表示態様は、上記敵ゲーム媒体に設定された敵ゲーム媒体の属性の色を表す態様とすることができる。その場合、上述したフェーズごとに異なる敵ゲーム媒体の属性に応じて、各体力ゲージ層の表示態様も属性の色に対応する色とするのが好ましい。
また、敵ゲーム媒体を複数設定することもできる。その場合、複数の敵ゲーム媒体のそれぞれについて、攻撃ゲージや、フェーズを設定することができる。この場合、複数の敵ゲーム媒体それぞれについて、以下のようなフェーズの判定等の処理が行われることができる。
以上、本発明に係る情報処理装置100の実施形態の説明を行った。続いて、本発明に係る情報処理方法について図14を参照しながら説明を行う。
本発明の処理方法は、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームに関する処理方法であって、コンピュータに、記憶ステップS110と、通信ステップS120と、判定ステップS130と、第一の実行ステップS140とを実行させることを特徴とする。
記憶ステップS110は、複数のフェーズで構成される敵ゲーム媒体の体力と、当該複数のフェーズの各フェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の複数の行動を含む行動パターンとを対応付けて記憶装置に記憶させる。この記憶ステップS110は、上述した記憶部110により実行されることができる。記憶部110の詳細は上述したとおりである。
通信ステップS120は、対戦に参加している他のユーザの攻撃に基づいて減少する敵ゲーム媒体の体力の値を、ネットワークを介して取得する。この通信ステップS120は、上述した通信部120により実行されることができる。通信部120の詳細は上述したとおりである。
判定ステップS130は、ユーザが対戦の開始後に参加した場合に、当該参加のタイミングにおける敵ゲーム媒体の体力の値である参加時体力値に基づいて、当該参加のタイミングが複数のフェーズのいずれのフェーズに対応するかを判定する。この判定ステップS130は、上述した判定部130により実行されることができる。判定部130の詳細は上述したとおりである。
第一の実行ステップS140は、ユーザに対し、判定ステップS130において参加のタイミングが対応すると判定されたフェーズにおいて、参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行する。この第一の実行ステップS140は、上述した第一の実行部140により実行されることができる。第一の実行部140の詳細は上述したとおりである。
以上の構成によれば、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームにおいて、対戦の開始後であっても、ユーザが当該対戦に参加することを可能とし、その際に、当該ユーザに対する敵ゲーム媒体の行動を適切に制御することで、途中参加したユーザと既に参加済みのユーザとの公平性を保つことができる。
続いて、本発明のコンピュータプログラムについて図15を参照しながら説明する。本発明のコンピュータプログラムは、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームに関するコンピュータプログラムであって、コンピュータに、記憶機能と、通信機能と、判定機能と、第一の実行機能とを実現させることを特徴とする。これら機能は、図15に示す各回路110〜140によって実現されるものとすることができる。各回路は上述した各部110〜140に対応するものであって、各部110〜140の詳細について上述したとおりである。
記憶機能は、複数のフェーズで構成される敵ゲーム媒体の体力と、当該複数のフェーズの各フェーズにおいて実行されるべき敵ゲーム媒体の複数の行動を含む行動パターンとを対応付けて記憶装置に記憶させる。
通信機能は、対戦に参加している他のユーザの攻撃に基づいて減少する敵ゲーム媒体の体力の値を、ネットワークを介して取得する。
判定機能は、ユーザが対戦の開始後に参加した場合に、当該参加のタイミングにおける敵ゲーム媒体の体力の値である参加時体力値が複数のフェーズに基づいて、当該参加のタイミングがいずれのフェーズに対応するかを判定する。
第一の実行機能は、ユーザに対し、判定機能により参加時体力値が含まれると判定されたフェーズにおいて、参加時体力値までに実行されるべき敵ゲーム媒体の行動を実行する。
以上の構成によれば、複数のユーザに関連付けられたゲーム媒体と、敵ゲーム媒体とが対戦可能なゲームにおいて、対戦の開始後であっても、ユーザが当該対戦に参加することを可能とし、その際に、当該ユーザに対する敵ゲーム媒体の行動を適切に制御することで、途中参加したユーザと既に参加済みのユーザとの公平性を保つことができる。
最後に、本発明により実現可能なゲームの一例を説明する。
図16は、本発明により実現されるゲームの表示画面の一例を示したものである。
本実施形態に係るゲームは、ユーザがゲーム媒体を用いて、対戦相手であるゲーム媒体との対戦を行うゲームである。ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ、アバタ、レベル情報、ステータス情報、及びパラメータ情報(体力値や攻撃力など)、及び能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブなど)等、など、任意の媒体を含む。また、ゲーム媒体は、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与などされ得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
本明細書において、特に明示した場合を除き、「ユーザが所有するゲーム媒体」とは、ユーザに対応付けられたゲーム媒体を示す。また、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは、ゲーム媒体をユーザに対応付けることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を破棄する」とは、ユーザとゲーム媒体との対応付けを解消することを示す。
本実施形態に係るゲームにおいて、ユーザは、複数の対戦ゲームパートのうち、所望の対戦ゲームパートをプレイする。対戦ゲームパートは、ユーザの端末装置で実行されるゲームのうち、対戦相手であるゲーム媒体との対戦を行うゲームパートである。例えば対戦ゲームパートは、ゲーム内で実行可能な所定のクエスト又はミニゲーム等であるが、これらに限られない。対戦ゲームパートにおいて、ユーザは、自身が所有するゲーム媒体、本実施形態ではキャラクタの一部又は全部(以下、「デッキ」ともいう)を用いて、敵ゲーム媒体、本実施形態ではNPC等の敵キャラクタと対戦を行なう。
ここで、対戦ゲームパートに用いられるキャラクタ、即ちデッキに含まれるキャラクタには、HP(体力)、攻撃力、レベル、スキル、及び属性等のパラメータが対応付けられている。
HPは、例えば敵キャラクタからの攻撃によって減少するパラメータであり、デッキに含まれるキャラクタの全て、もしくは、一部のキャラクタのHPがゼロになると、ユーザは敵キャラクタとの対戦に敗北する。
攻撃力は、例えばキャラクタが敵キャラクタを攻撃する際に、敵キャラクタのHPの減少値(以下、「ダメージ」ともいう)に寄与するパラメータである。攻撃力が高い程、一度の攻撃で敵キャラクタに与えるダメージが大きくなる。レベルは、キャラクタの成長度を示すパラメータである。
レベルの上昇に応じて、例えばHP及び攻撃力が上昇する。
スキルは、ゲームパートの実行中に発揮されるキャラクタ固有の効果を示す情報である。例えば、デッキ内のキャラクタのHP及び攻撃力等のパラメータを増加させる効果を有するスキル、及び敵キャラクタから受けるダメージを減少させる効果を有するスキル等が含まれるが、これらに限られない。
属性は、例えば火、木、及び水の属性のうち少なくとも1つの属性を示すパラメータである。属性は、キャラクタ間の優劣関係を示す情報である。例えば火属性のキャラクタは、木属性のキャラクタに対して与えるダメージが通常よりも大きくなり、水属性のキャラクタに対して与えるダメージが通常よりも小さくなる。属性は、火、木、及び水に限られず、例えば遠距離型、中距離型、及び近距離型等を含んでもよい。
また、対戦ゲームパートは、例えば横スクロール型のアクションゲームである。図16に示すように、ユーザは、例えば移動オブジェクト1を操作して、障害物等を避けつつ所定のオブジェクト2を取得していく。オブジェクト2の取得数に応じて、デッキ3に含まれるキャラクタ4〜8が敵キャラクタに攻撃を行う。
オブジェクト2には属性が設定されており、取得したオブジェクト2に対応する属性を有するキャラクタ4〜8の攻撃ゲージ4a〜8aが満たされていく構成とすることができる。そして、攻撃ゲージ4a〜8aが満たされたキャラクタが、敵キャラクタに攻撃を行う。
ゲームの進行が所定の勝利条件を満たした場合、ユーザの勝利となる。例えば、ユーザのキャラクタの攻撃によって、敵キャラクタのHPをゼロまで減少したという勝利条件が満たされると、ユーザの勝利となる。一方、ゲームの進行が所定の敗北条件を満たした場合、ユーザの敗北となる。例えば、敵キャラクタの攻撃によってユーザのキャラクタの合計HPがゼロまで減少したという敗北条件が満たされると、又は所定の制限時間内に敵キャラクタのHPをゼロまで減少させられなかったという敗北条件がみたされると、ユーザの敗北となる。このようにして、対戦の勝敗(対戦結果)が決定すると、ゲームパートが終了する。
また、ゲーム画面には、上述した敵ゲーム媒体の体力ゲージ9、ユーザが操作するデッキの体力ゲージ10が表示される他、オブジェクト2の一群であるグループ単位の取得数(チェイン数)11、残り時間12、マイスコア13、参加人数14が表示されることができる。また、攻撃中のキャラクタ(ここではキャラクタ4)の画像15、敵キャラクタの画像16なども表示されることができる。また、キャラクタ4〜8の攻撃回数が所定の回数に達すると、各キャラクタ4〜8の特殊効果(スキル)の実行が可能になる。
なお、対戦ゲームパートでは、上述したアクションゲームに限られず、例えばパズルゲーム、クイズゲーム、又は格闘ゲーム等、任意のジャンルのゲームが行われてもよい。
また、対戦に勝利したユーザには、所定のゲーム媒体が報酬として付与される。本実施形態では、所定のゲーム媒体は、キャラクタ、キャラクタを強化する(例えば、キャラクタのレベルを上昇させる)ために用いるキャラクタ若しくはアイテム、又はキャラクタのレベルを上昇させるために必要なポイント(例えば、ゲーム内通貨)等である。
次に、サーバ装置について説明する。サーバ装置は、サーバ通信部と、サーバ記憶部と、サーバ制御部と、を備える。
サーバ通信部は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。サーバ通信部は、例えばインターネット等のネットワークを介して、端末装置と情報の送受信を行う。
サーバ記憶部は、ゲームの提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。
例えばサーバ記憶部は、複数のユーザそれぞれに関する情報を記憶する。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザIDに対応付けて、ゲーム媒体に関する情報と、デッキ情報と、ポイントと、を含む。
ユーザIDは、複数のユーザそれぞれを一意に識別可能な識別子である。
ゲーム媒体に関する情報は、ユーザが所有するゲーム媒体、本実施形態ではキャラクタに関する情報である。ここでユーザが所有するゲーム媒体とは、ユーザIDに対応付けてサーバ記憶部に記憶されたゲーム媒体を指す。ゲーム媒体に関する情報は、キャラクタ毎に、例えばキャラクタの識別子、キャラクタの名称、HP、攻撃力(第1パラメータ)、レベル、スキル、及び属性等を含む。また、キャラクタには、他の種類のゲーム媒体、例えば武器及び防具等、キャラクタのパラメータを変動させるアイテムが対応付けられてもよい。また、ゲーム内で表示されるキャラクタ及びアイテム等のゲーム媒体は、ゲーム内において任意の形態、例えばキャラクタやアイテムが描かれたカードの形態で表示されてもよい。
デッキ情報は、ユーザが所有するキャラクタ、即ちゲーム媒体に関する情報に含まれるキャラクタのうち、一部又は全部のキャラクタ(デッキ)に関する情報を含む。デッキに含められるキャラクタの数は、任意に定められる。上述したように、デッキに含まれるキャラクタが、対戦ゲームパートの実行に用いられる。例えば、デッキ情報は、デッキに含まれる各キャラクタのHP、攻撃力、レベル、スキル、及び属性等のパラメータを含む。
ポイントは、例えば時間経過又は所定のゲーム媒体の使用等によって増加するパラメータである。後述するように、ユーザが対戦ゲームパートを選択すると、選択された対戦ゲームパートに対応する消費ポイントに示されるポイント数が消費されて、当該ゲームパートが開始される。ユーザのポイントが、消費ポイントに示されるポイント数に満たない場合、当該ゲームパートを開始することはできない。
また例えば、サーバ記憶部は、ゲームパートに関する情報を記憶する。ゲームパートに関する情報は、ゲームパートIDに対応付けて、ゲームパート名と、難易度と、消費ポイントと、ステージに関する情報と、敵ゲーム媒体に関する情報と、を含む。
ゲームパートIDは、複数の対戦ゲームパートのそれぞれを一意に識別可能な識別子である。
ゲームパート名は、ユーザによって識別可能な、対戦ゲームパートの名称(例えば、クエストの名称)である。
難易度は、対戦ゲームパートの難易度を示すパラメータである。
消費ポイントは、ユーザが対戦ゲームパートを開始するために必要なポイント数を示す情報である。上述したように、各ユーザには、例えば時間経過に従って増加するポイントが対応付けられている。ユーザが対戦ゲームパートを選択し、選択された対戦ゲームパートに対応する消費ポイントに示されるポイント数が消費されて、当該対戦ゲームパートが開始される。
ステージに関する情報は、対戦ゲームパートの進行に用いられるステージを構成するために必要な種々の情報を含む。本実施形態では、横スクロール型のアクションゲームにおいて移動オブジェクトが走行可能な走行路の形状及び配置、障害物、及びユーザのゲームの進行を有利にするアイテム等の配置を示す情報(ステージ構成)等が含まれるが、ステージに関する情報の内容はこれに限られない。例えば、対戦ゲームパートにおいてゲームフィールド上を自由に移動可能なキャラクタと敵キャラクタとが対戦を行なう対戦アクションゲームが実行される他の実施形態においては、当該ゲームフィールドの形状及びゲームフィールド上の設置物(例えば、壁、建物、及び木等)等を示す情報が含まれてもよい。或いは、対戦ゲームパートにおいてキャラクタと敵キャラクタとがコース上を走行する対戦レースゲームが実行される他の実施形態においては、当該コースの形状を示す情報等が含まれてもよい。
敵ゲーム媒体に関する情報は、対戦ゲームパートにおいてユーザが対戦するゲーム媒体、本実施形態では敵キャラクタに関する情報である。敵ゲーム媒体に関する情報は、例えば敵キャラクタの識別子、敵キャラクタの名称、HP、攻撃力、レベル、スキル、及び属性等を含む。
敵キャラクタIDは、敵キャラクタを一意に識別可能な識別子である。
HPは、敵キャラクタのHPを示すパラメータである。上述したように、敵キャラクタのHPをゼロまで減少させると、ユーザの勝利となる。一方、敵キャラクタのHPをゼロまで減少させる前に、ユーザのデッキに含まれるキャラクタの合計HPがゼロまで減少すると、ユーザの敗北となる。
攻撃力は、敵キャラクタの攻撃力を示すパラメータである。上述したように、敵キャラクタの攻撃力が大きい程、敵キャラクタの攻撃によって減少するユーザのキャラクタの合計HPの減少量が大きくなる。
サーバ制御部は、例えば特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUである。サーバ制御部は、サーバ装置全体の動作を制御する。例えば、サーバ制御部は、ユーザに関する情報及びゲームパートに関する情報等を、サーバ記憶部に記憶させる。
またサーバ制御部は、サーバ通信部が端末装置から対戦ゲームパートの開始要求を取得すると、当該端末装置のユーザに関する情報と、当該要求に係るゲームパートに関する情報と、を含む対戦ゲームパート開始指示を、サーバ通信部に端末装置へ送信させる。後述するように、ユーザに関する情報及びゲームパートに関する情報は、端末装置によって対戦ゲームパートの実行に用いられる。
またサーバ制御部は、サーバ通信部が、対戦ゲームパートを実行した端末装置から対戦ゲームパートの実行結果(対戦結果)を示す情報を取得すると、当該情報に基づいてユーザに関する情報を更新する。後述するように、対戦結果を示す情報には、例えばユーザの勝敗、対戦ゲームパートのプレイ内容に応じたスコア、ユーザに報酬として付与されるゲーム媒体、及びデッキに含まれるキャラクタのパラメータ(例えば、レベル、HP、及び攻撃力)等の少なくともいずれかが含まれる。例えば、サーバ制御部は、対戦結果を示す情報に基づいて、ユーザに関する情報のうち、ゲーム媒体に関する情報に含まれるキャラクタのパラメータ等を更新する。
以上のサーバ装置の機能の一部またはすべては、端末装置で実現してもよい。
続いて、端末装置について説明する。端末装置は、端末通信部と、端末記憶部と、表示部と、入力部と、端末制御部とを備える。
端末通信部は、外部装置と無線又は有線により通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。端末通信部は、例えばネットワークを介して、サーバ装置と情報の送受信を行う。
端末記憶部は、サーバ装置から提供されるゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えば端末記憶部は、端末通信部がサーバ装置から受信した対戦ゲームパートの開始指示に含まれる情報、例えばユーザに関する情報及びゲームパートに関する情報を記憶する。
表示部は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスであって、サーバ装置から提供されるゲームに係る種々のゲーム画面を表示する。
入力部は、例えば表示部と一体的に設けられたタッチパネルを含み、端末装置に対するユーザ入力を受け付ける入力インターフェースである。
端末制御部は、例えば特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUであって、端末装置全体の動作を制御する。例えば端末制御部は、入力部が受け付けたユーザ入力に応じてゲームのアプリケーションを起動する。また端末制御部は、端末通信部がサーバ装置から種々のゲーム画面の表示指示を受信すると、当該指示に基づいて表示部にゲーム画面を表示させ、又はゲーム画面を更新させる。また端末制御部は、入力部が受け付けたユーザ入力に基づく情報を、端末通信部に、サーバ装置へ送信させる。
例えば端末制御部は、1以上の対戦ゲームパートを選択可能に表示する所定のゲーム画面において、入力部が受け付けたユーザ入力に基づいて選択された対戦ゲームパートを識別する。続いて端末制御部は、選択された対戦ゲームパートの開始要求を、端末通信部にサーバ装置へ送信させる。対戦ゲームパートの開始要求には、例えば選択された対戦ゲームパートのゲームパートIDが含まれる。
続いて端末制御部は、対戦ゲームパートの開始要求に応じて、端末通信部がサーバ装置から対戦ゲームパート開始指示を受信すると、当該指示に含まれるユーザに関する情報及びゲームパートに関する情報を端末記憶部に記憶させる。
続いて端末制御部は、デッキに含まれるユーザのキャラクタと敵キャラクタとの対戦を開始する。具体的には、端末制御部は、ゲームパート画面を表示部に表示させて、対戦処理を開始する。
続いて端末制御部は、対戦処理が終了すると、対戦結果を決定する。具体的には、端末制御部は、対戦処理においてデッキに含まれるユーザのキャラクタのHPがゼロまで減少した場合、ユーザの敗北と決定する。一方、端末制御部は、敵キャラクタのHPがゼロまで減少した場合、ユーザの勝利と決定する。また端末制御部は、当該対戦結果を示す情報を、端末通信部にサーバ装置へ送信させる。上述したように、対戦結果を示す情報には、例えばユーザの勝敗、対戦ゲームパートのプレイ内容に応じたスコア、ユーザに報酬として付与されるゲーム媒体、デッキに含まれるキャラクタのパラメータ(例えば、レベル、HP、及び攻撃力)等の少なくともいずれかが含まれる。
次に、端末制御部が実行する対戦処理の詳細について説明する。本実施形態では、対戦処理の実行によって、対戦ゲームパート、本実施形態では横スクロール型のアクションゲームが実行される。
はじめに端末制御部は、後述するゲームパート画面に対するユーザ入力の受け付けを開始する。ユーザ入力に応じて、端末制御部は、例えばゲームパート画面上に表示される移動オブジェクトに所定のアクション、例えばジャンプ等を実行させる。
デッキ表示領域3は、デッキに含まれるユーザのキャラクタ4〜8を示す画像が表示される領域である。各キャラクタの画像は、ユーザ入力を受け付けるインターフェースとしても機能する。キャラクタの画像がユーザによりタップされると、例えば当該キャラクタに対応付けられたスキルが発動する。スキルの発動によって、例えば敵キャラクタに対するダメージの発生及び敵キャラクタからの被ダメージ量の軽減等、種々の効果が発生する。
走行路画像17は、移動オブジェクトの足場を示す画像である。移動オブジェクトは、走行路の上を走行可能である。ユーザは、例えば移動オブジェクトが走行路から画面下方に落下しないように、移動オブジェクトを操作する。
また、上述した実施形態において、サーバ装置が行う処理の一部又は全部を、端末装置にインストールさせたネイティブアプリによって実行する、ネイティブゲームとすることもできる。
また、上述した実施形態において、各種のゲーム画面の一部を、サーバ装置が生成したデータに基づいて端末装置に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面の一部(例えば、メニューボタンが配されるヘッダ領域及びフッタ領域)を、端末装置にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態に係るゲームは、サーバ装置及び端末装置のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。