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JP6538483B2 - 高周波パッケージ、送受信モジュール、およびレーダ装置 - Google Patents

高周波パッケージ、送受信モジュール、およびレーダ装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、高周波パッケージ、送受信モジュール、およびレーダ装置、に関する。
例えばアクティブフェイズドアレイレーダ装置は、マイクロ波等の高周波信号を送受信する複数のアンテナを有する。複数のアンテナのそれぞれには、位相器を介して送受信モジュールが接続されている。各送受信モジュールは、アンテナから送信される高周波信号の電力を増幅し、また、アンテナにおいて受信された高周波信号を後段の信号処理回路に出力する。
近年、レーダ装置において送受信される高周波信号の高周波数化(動作周波数の高周波数化)が望まれている。これに伴って、アンテナ間隔を狭くする必要がある。しかしながら、アンテナ間隔は、送受信モジュールの大きさに制限されており、所望の間隔より狭くすることが困難であった。
特開平6−112351号公報
実施形態は、小型化が可能な高周波パッケージおよび送受信モジュール、並びに動作周波数の高周波数化が可能なレーダ装置、を提供することを目的とする。
実施形態に係る高周波パッケージは、上面上に高周波半導体チップを配置可能なベース基板と、前記ベース基板の上面上に設けられた側壁と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続することができる第1の端子部と、前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記ベース基板に配置される前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、を具備する。前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられる。
また、実施形態に係る送受信モジュールは、ベース基板と、前記ベース基板の上面上に配置された高周波半導体チップと、前記ベース基板の上面上に、前記高周波半導体チップを囲うように設けられた側壁と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続される第1の端子部と、前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、を具備する。前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられる。
また、実施形態に係るレーダ装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナのそれぞれに、位相器を介して電気的に接続された送受信モジュールと、前記複数の送受信モジュールが並列に接続される分配合成器と、前記分配合成器に接続され、前記複数のアンテナにおいて受信された高周波信号に対して信号処理を行う信号処理部と、を備える。前記複数の送受信モジュールの各々は、ベース基板と、前記ベース基板の上面上に配置された高周波半導体チップと、前記ベース基板の上面上に、前記高周波半導体チップを囲うように設けられた側壁と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続される第1の端子部と、前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、を具備する。前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられる。
第1の実施形態に係るレーダ装置を示す概略構成図である。 図1に示すレーダ装置に適用される、第1の実施形態に係る送受信モジュールを示す上面図である。 図2の一点鎖線X−X´に沿って示す送受信モジュールの断面図である。 図2の一点鎖線Y−Y´に沿って示す送受信モジュールの部分断面図である。 第1の比較例に係る送受信モジュールを示す上面図である。 第2の比較例に係る送受信モジュールを模式的に示す上面図である。 図6Aの一点鎖線Z−Z´に沿って示す送受信モジュールの部分断面図である。 図2の一点鎖線Z−Z´に沿って示す送受信モジュールの部分断面図である。 図7Aの一部を拡大して示す部分断面図である。 第2の実施形態に係る送受信モジュールを示す図であって、図7Aに対応する断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る送受信モジュールを示す図であって、図7Aに対応する断面図である。
以下に、実施形態に係る高周波パッケージ、送受信モジュール、およびレーダ装置を、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るレーダ装置を示す概略構成図である。実施形態に係るレーダ装置1は、例えばアクティブフェイズドアレイレーダ装置であって、同一面内にアレイ状に配列された複数のアンテナ2を備える。
各アンテナ2には、位相器3を介して送受信モジュール10が接続されている。各送受信モジュール10は、送信回路と受信回路とが一体化されたモジュールである。なお、送信回路は、アンテナ2から送出されるマイクロ波等の高周波信号の電力を増幅する。また、受信回路は、アンテナ2において受信されたビーム(高周波信号)に対して電力増幅等の信号処理を行うことなく、受信されたビーム(高周波信号)をそのまま後段の分配合成器4に出力する。
上述の複数の送受信モジュール10は、後段の分配合成器4に対して並列に接続されている。分配合成器4は、複数の送受信モジュール10から受け取った高周波信号を電力合成して、後段の信号処理回路5に出力する。また、分配合成器4は、信号処理回路5から受け取った高周波信号を電力分配して、複数の送受信モジュール10に出力する。
このような分配合成器4の後段には、信号処理回路5が接続されている。信号処理回路5は、分配合成器4から受け取った高周波信号に基づいて目標物の検出、画像化等を行う。また、信号処理回路5は、所望の周波数の搬送波を変調して高周波信号を生成し、分配合成器4に出力する。
このような構成のレーダ装置1は、各アンテナ2から送出される高周波信号を空間的に電力合成して送信ビームを形成する。また、レーダ装置1は、位相器3によって各高周波信号の位相を調整することにより、合成後の送信ビームの指向制御を行うことができる。なお、各位相器3は指向制御部6に接続されており、指向制御部6からの指令にしたがって、各位相器3は、高周波信号の位相制御を行う。
図2は、図1に示すレーダ装置1に適用される送受信モジュール10を示す上面図である。また、図3は、図2の一点鎖線X−X´に沿って示す送受信モジュール10の断面図である。なお、図2において、送受信モジュール10の高周波パッケージ20の蓋体23は省略されている。
図2および図3に示す送受信モジュール10は、高周波パッケージ20に高周波半導体チップとして、例えば、GaAs、GaN等の化合物半導体によって構成された電力増幅用MMIC11を実装することによって構成されている。
高周波パッケージ20は、ベース基板21、側壁22、および蓋体23、を備える。ベース基板21は、四角形の板体である。ベース基板21の上面には凹状の実装部21aが設けられている。この実装部21aには、電力増幅用MMIC11を実装することができる。
ベース基板21は、実装される電力増幅用MMIC11を接地させるために、導体によって構成される。ベース基板21は、例えば熱伝導性に優れ、かつ電力増幅用MMIC11と同程度の熱膨張係数を有する合金として、銅−タングステン合金、または銅−モリブデン合金、によって構成されることが好ましい。
なお、ベース基板21には、高周波パッケージ20を所望の箇所にねじ止めによって実装するためのねじ溝38が設けられている。
側壁22は、所望の高さを有するリング状の枠体である。側壁22は、ベース基板21の上面上に、実装部21aを囲うように設けられている。
側壁22は、ベース基板21の接地によって接地されるために、導体によって構成される。側壁22は、例えば鉄−ニッケル合金によって構成されている。
蓋体23は、四角形状の薄い板体である。蓋体23は、側壁22の上面上に設けられている。蓋体23は、ベース基板21および側壁22とともに、高周波パッケージ20の内部に所望の密閉空間Sを形成する。
蓋体23は、上述の密閉空間Sを維持できれば如何なる材料によって構成されてもよいが、例えば側壁22と同一材料等の導体によって構成されることが好ましい。蓋体23を導体によって構成することにより、ベース基板21および側壁22とともに、密閉空間Sを接地電位で囲い、密閉空間S内を電磁的にシールドすることができる。
また、このような高周波パッケージ20は、各々が送信回路を構成する複数の第1の端子部24を備える。複数の第1の端子部24は、第1の入力端子部24a、第1の出力端子部24b、および複数の電源制御端子部24c、によって構成される。
第1の入力端子部24aは、送受信モジュール10の後段の分配合成器4(図1)から受け取った高周波信号を電力増幅用MMIC11に出力する端子部である。また、第1の出力端子部24bは、電力増幅用MMIC11において増幅された高周波信号を受け取って、アンテナ2(図1)に出力する端子部である。
他方、各電源制御端子部24cは、電力増幅用MMIC11を駆動させるために必要なバイアス電圧等を電力増幅用MMIC11に供給する端子部である。
図4は、図2の一点鎖線Y−Y´に沿って示す送受信モジュール10の部分断面図である。図4に示すように、第1の入力端子部24aは、第1の誘電体ブロック25、第1の誘電体ブロック25の上面上に設けられたマイクロストリップ線路26、および第1の誘電体ブロック25の上面上の一部に、マイクロストリップ線路26の一部を覆うように設けられた第2の誘電体ブロック27、によって構成されている。第1、第2の誘電体ブロック25、27はそれぞれ例えばセラミックによって構成されており、マイクロストリップ線路26は例えば金(Au)によって構成されている。
他の第1の端子部24(第1の出力端子部24bおよび電源制御端子部24c)も、第1の入力端子部24aと同様の構成となっている。
これらの送信回路の各第1の端子部24は、図2および図3に示すように、実装部21aの周囲のベース基板21の上面上に、側壁22を貫通するように設けられている。なお、第1の端子部24のうち、側壁22の外部において露出するマイクロストリップ線路26には、リード28が設けられている。
図4に示すように、側壁22のうち、第1の端子部24に対応する位置にはそれぞれ凹部22aが設けられている。そして、各第1の端子部24は、側壁22の各凹部22aに嵌合するように、ベース基板21の上面上に設けられている。
また、高周波パッケージ20は、受信回路を構成する複数の第2の端子部29および内部回路30を備える。複数の第2の端子部29は、第2の入力端子部29aおよび第2の出力端子部29bである。また、内部回路30は、高周波パッケージ20の密閉空間S内において、第2の入力端子部29aと第2の出力端子部29bとを電気的に接続する回路である。これらの受信回路は、送信回路から電気的に独立している。
第2の入力端子部29aは、アンテナ2(図1)から高周波信号を受け取る。第2の入力端子部29aにおいて受け取られた高周波信号は、内部回路30において信号処理等がなされることなく、そのまま第2の出力端子部29bに送られる。第2の出力端子部29bは、この高周波信号を、送受信モジュール10の後段の分配合成器4(図1)に出力する。
図4に示すように、第2の出力端子部29bは、第3の誘電体ブロック31、第3の誘電体ブロック31の上面上に設けられたマイクロストリップ線路である配線パターン32、および第3の誘電体ブロック31の上面上の一部に、配線パターン32の一部を覆うように設けられた第4の誘電体ブロック33、によって構成されている。第3、第4の誘電体ブロック31、33はそれぞれ例えばセラミックによって構成されており、配線パターン32は例えば金(Au)によって構成されている。なお、第2の入力端子部29aも、第2の出力端子部29bと同様の構成となっている。
これらの第2の端子部29は、図2および図3に示すように、実装部21aの周囲のベース基板21の上面上に、側壁22を貫通するように設けられている。なお、各第2の端子部29において、側壁22の外部において露出する配線パターン32には、リード34が設けられている。
図4に示すように、側壁22のうち、第2の端子部29に対応する位置にも、第1の端子部24に対応する位置に設けられた凹部22aと同様に、凹部22bが設けられている。そして、各第2の端子部29は、側壁22の各凹部22bに嵌合するように、ベース基板21の上面上に設けられている。
他方、内部回路30は、側壁22で囲まれた高周波パッケージ20の密閉空間S内に備えられており、ベース基板21の上面上に設けられた、厚さd1が一定の誘電体基板35、および誘電体基板35の上面上に設けられたマイクロストリップ線路である配線パターン36、によって構成されている。
誘電体基板35は、第2の入力端子部29aおよび第2の出力端子部29bの第3の誘電体ブロック31を高周波パッケージ20の密閉空間S内に延在させることによって構成されており、同様に、配線パターン36も、第2の入力端子部29aおよび第2の出力端子部29bの配線パターン32を高周波パッケージ20の密閉空間S内に延在させることによって構成されている。すなわち、第2の入力端子部29a、第2の出力端子部29b、および内部回路30は、一体的に構成することによって受信回路を構成している。
ここで、受信回路のうち、側壁22の凹部22bで囲われた部分、および側壁22の外部において露出する部分を、第2の端子部29(第2の入力端子部29aおよび第2の出力端子部29b)と称し、受信回路のうち、高周波パッケージ20の密閉空間S内の部分を、内部回路30と称する。
このような高周波パッケージ20の密閉空間S内において、ベース基板21の実装部21aには、第1の入力端子部24aおよび第1の出力端子部24bに接続されることによって、これらの端子部24a、24bとともに送信回路を構成する電力増幅用MMIC11が、例えば金錫半田等の導電性接着剤(不図示)によって固定されている。そして、電力増幅用MMIC11は、複数の第1の端子部24のマイクロストリップ線路26と、金ワイヤ等の導体37によって電気的に接続されている。このようにして、電力増幅用MMIC11は、送信回路の一部を構成するが、受信回路とは電気的に独立している。
ここで、はじめに、図5を参照して、受信回路を備える第1の比較例に係る送受信モジュールについて説明する。図5は、第1の比較例に係る送受信モジュールを模式的に示す上面図である。なお、図5において、本実施形態と同一部分について同一符号を付している。
図5に示すように、第1の比較例に係る送受信モジュール100において、高周波パッケージ200には、電力増幅用MMIC11を含む送信回路が備えられている。そして、受信回路300は、高周波パッケージ200の外部に近接配置される。なお、受信回路300は、基板301、基板301の上面上に設けられた誘電体302、および誘電体302の上面上に設けられた配線パターン303、によって構成されている。
この送受信モジュール100は、基体(不図示)に対して高周波パッケージ200と受信回路300とをそれぞれねじ止めすることによって、基体に実装される。このため、高周波パッケージ200のベース基板21にはねじ溝38が設けられており、受信回路300の基板301にもねじ溝304が設けられている。
このように、第1の比較例に係る送受信モジュール100においては、高周波パッケージ200と受信回路300とが別部品であるため、高周波パッケージ200のベース基板21および受信回路300の基板301の両方にそれぞれねじ溝38、304を設ける必要がある。
次に、図6Aおよび図6Bを参照して、受信回路を備える第2の比較例に係る送受信モジュールについて説明する。図6Aは、第2の比較例に係る送受信モジュールを模式的に示す上面図であり、図6Bは、図6Aの一点鎖線Z−Z´に沿って示す送受信モジュールの断面図である。なお、図6Aおよび図6Bにおいて、本実施形態と同一部分について同一符号を付している。
図6Aおよび図6Bに示すように、第2の比較例に係る送受信モジュール400は、受信回路の大部分が高周波パッケージ500の内部に設けられている点において、第1の比較例に係る送受信モジュール100と異なっている。以下に、第2の比較例に係る送受信モジュール400の受信回路について、より詳細に説明する。
第2の比較例に係る送受信モジュール400において、受信回路は、高周波パッケージ500の内部に設けられた内部回路600と、この内部回路600によって互いに電気的に接続される複数の第2の端子部29(第2の入力端子部29aおよび第2の出力端子部29b)と、によって構成されている。なお、内部回路600は、高周波パッケージ500の内部において露出するベース基板21の上面上に設けられた誘電体基板601、および誘電体基板601の上面上に設けられた配線パターン602、によって構成されている。複数の第2の端子部29と内部回路600とが一体的に設けられている点については、本実施形態と同様である。
このような第2の比較例に係る送受信モジュール400において、受信回路の大部分は、高周波パッケージ500の内部に設けられている。したがって、受信回路を実装するためのねじ溝が不要となり、第1の比較例に係る送受信モジュール100と比較して、パッケージを小型化することができる。
しかしながら、第2の比較例に係る送受信モジュール400において、内部回路600の配線パターン602の幅W´は、配線パターン602の長さ、配線パターン602が持つインダクタンスL、および配線パターン602とベース基板21との間の容量C1、を考慮して、配線パターン602のインピーダンスが所望のインピーダンス(例えば50Ω)となるように設計された幅である。このように、配線パターン602と側壁22との距離d2´は、配線パターン602の幅W´を決定する際のパラメータとして用いられていない。通常、距離d2´は、誘電体基板601の厚さd1より長くなっており、配線パターン602と側壁22との間に、実質的に容量は発生していなかった。
次に、図7Aおよび図7Bを参照して、本実施形態に係る送受信モジュール10の受信回路の内部回路30についてさらに詳細に説明する。図7Aは、図2の一点鎖線Z−Z´に沿って示す送受信モジュール10の部分断面図である。また、図7Bは、図7Aの一部を拡大して示す部分断面図である。
図7Aおよび図7Bに示すように、本実施形態に係る送受信モジュール10において、内部回路30の配線パターン36は、側壁22に近い位置において、側壁22との距離d2が場所によらず一定となるように設けられている。具体的に、配線パターン36は、側壁22との距離d2が、誘電体基板35の厚さd1より短くなる位置において、側壁22との距離d2が場所によらず一定となるように設けられている。
このように側壁22に近い位置に配線パターン36を形成した場合、配線パターン36と側壁22との間にも容量C2が発生する。この場合、配線パターン36の幅W1は、配線パターン36の長さ、配線パターン36が持つインダクタンスL、配線パターン36とベース基板21との間の容量C1、および配線パターン36と側壁22との間の容量C2、を考慮して、配線パターン36のインピーダンスが所望のインピーダンス(例えば50Ω)となるように設計される。このため、配線パターン36の幅W1は、第2の比較例の配線パターン602の幅W´より狭くすることができる。
すなわち、配線パターン36の単位長さあたりの特性インピーダンスは、{L/(C1+C2)}1/2によって決定される。これに対して、第2の比較例の配線パターン602の単位長さあたりの特性インピーダンスは、{L/C1}1/2によって決定される。これらを比較すると明らかなように、本実施形態の配線パターン36の単位長さあたりの特性インピーダンスは、第2の比較例の配線パターン602の単位長さあたりの特性インピーダンスより小さくなっている。
一方で、配線パターン36のインピーダンスは、所望のインピーダンス(例えば50Ω)となるように設計する必要がある。したがって、容量C2の発生に伴う配線パターン36の特性インピーダンスの減少分を相殺するために、配線パターン36の幅W1を、第2の比較例の配線パターン602の幅W´より狭くすることができる。
なお、本実施形態において、配線パターン36は、側壁22との距離d2が場所によらず常に一定となるように設けられている。その結果、配線パターン36中においてインピーダンスが変化することを抑制でき、受信回路の入出力特性を向上させることができる。
さらに、本実施形態において、誘電体基板35は、側壁22に接触するように設けられている。その結果、配線パターン36と側壁22との間の誘電率を向上させることができ、容量C2を大きくすることができる。その結果、配線パターン36の単位長さあたりの特性インピーダンスをさらに小さくすることができる。このため、配線パターン36の幅W1をさらに狭くすることができる。
以上に説明した第1の実施形態に係る高周波パッケージ20および送受信モジュール10によれば、側壁22からの距離d2が誘電体基板35の厚さd1より小さくなる位置に、内部回路30の配線パターン36が設けられている。この結果、配線パターン36の幅を狭くすることができる。したがって、高周波パッケージ20および送受信モジュール10を小型化することができる。
さらに、このような小型の送受信モジュール10を適用することにより、レーダ装置1のアンテナ2の間隔を狭くすることができる。したがって、レーダ装置1の動作周波数の高周波数化がすることができる。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係る送受信モジュールを示す図であって、図7Aに対応する断面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、第2の実施形態に係る送受信モジュールの受信回路を構成する内部回路40において、誘電体基板41は、場所によって厚さが異なっている。すなわち、上面上に配線パターン42が設けられている領域の誘電体基板41の厚さはd1であるが、側壁22と配線パターン42との間にも誘電体基板41が介在するように、この領域の厚さはd1より厚くなっている。
このような誘電体基板41を設けることにより、側壁22と配線パターン42との間の容量C3をC2より大きくすることができ、配線パターン42の幅W2をW1より狭くすることができる。
なお、図9に示すように、内部回路50は、厚さd1が一定の誘電体基板51、誘電体基板51の上面上に設けられた配線パターン52、および誘電体基板51の上面上に、配線パターン52を覆うように設けられた誘電体53、によって構成されてもよい。この場合であっても、側壁22と配線パターン52との間の容量C4をC2より大きくすることができ、配線パターン52の幅W3をW1より狭くすることができる。
以上に説明した第2の実施形態に係る高周波パッケージおよび送受信モジュールにおいても、側壁22からの距離d2が誘電体基板41(51)の厚さd1より小さくなる位置に、内部回路40(50)の配線パターン42(52)が設けられている。この結果、配線パターン42(52)の幅W2(W3)を狭くすることができる。したがって、高周波パッケージおよび送受信モジュールを小型化することができる。
そして、このような小型の送受信モジュールを適用することにより、レーダ装置1のアンテナ2の間隔を狭くすることができる。したがって、レーダ装置1の動作周波数の高周波数化がすることができる。
さらに、第2の実施形態に係る高周波パッケージおよび送受信モジュールによれば、第1の実施形態に係る高周波パッケージ20および送受信モジュール10と比較して、側壁22と配線パターン42(52)との間の容量C3(C4)をさらに大きくすることができる。この結果、配線パターン42(52)の幅W2(W3)をさらに狭くすることができる。この結果、高周波パッケージおよび送受信モジュールを小型化することができる。
そして、このような小型の送受信モジュールを適用することにより、レーダ装置1のアンテナ2の間隔をさらに狭くすることができ、レーダ装置1の動作周波数のさらなる高周波数化が可能となる。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・レーダ装置
2・・・アンテナ
3・・・位相器
4・・・分配合成器
5・・・信号処理回路
6・・・指向制御部
10、100、400・・・送受信モジュール
11・・・電力増幅用MMIC
20、200、500・・・高周波パッケージ
21・・・ベース基板
21a・・・実装部
22・・・側壁
22a、22b・・・凹部
23・・・蓋体
24・・・第1の端子部
24a・・・第1の入力端子部
24b・・・第1の出力端子部
24c・・・電源制御端子部
25・・・第1の誘電体ブロック
26・・・マイクロストリップ線路
27・・・第2の誘電体ブロック
28・・・リード
29・・・第2の端子部
29a・・・第2の入力端子部
29b・・・第2の出力端子部
30、40、50、600・・・内部回路
31・・・第3の誘電体ブロック
32・・・配線パターン
33・・・第4の誘電体ブロック
34・・・リード
35、41、51、601・・・誘電体基板
36、42、52、602・・・配線パターン
37・・・導体
38・・・ねじ溝
53・・・誘電体
300・・・受信回路
301・・・基板
302・・・誘電体
303・・・配線パターン
304・・・ねじ溝

Claims (6)

  1. 上面上に高周波半導体チップを配置可能なベース基板と、
    前記ベース基板の上面上に設けられた側壁と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続することができる第1の端子部と、
    前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記ベース基板に配置される前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、
    を具備し、
    前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられた、高周波パッケージ。
  2. 前記誘電体基板は、前記側壁に接触している、請求項1に記載の高周波パッケージ。
  3. 前記配線パターンと前記側壁との間に、さらに誘電体が介在している、請求項1または2に記載の高周波パッケージ。
  4. 前記配線パターンと前記側壁との距離は、場所によらず一定である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高周波パッケージ。
  5. ベース基板と、
    前記ベース基板の上面上に配置された高周波半導体チップと、
    前記ベース基板の上面上に、前記高周波半導体チップを囲うように設けられた側壁と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続される第1の端子部と、
    前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、
    を具備し、
    前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられた、送受信モジュール。
  6. 複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナのそれぞれに、位相器を介して電気的に接続された送受信モジュールと、
    前記複数の送受信モジュールが並列に接続される分配合成器と、
    前記分配合成器に接続され、前記複数のアンテナにおいて受信された高周波信号に対して信号処理を行う信号処理部と、
    を備え、
    前記複数の送受信モジュールの各々は、
    ベース基板と、
    前記ベース基板の上面上に配置された高周波半導体チップと、
    前記ベース基板の上面上に、前記高周波半導体チップを囲うように設けられた側壁と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記高周波半導体チップと電気的に接続される第1の端子部と、
    前記側壁で囲われた前記ベース基板の上面上に設けられた誘電体基板、および前記誘電体基板の上面上に設けられた配線パターン、によって構成され、前記高周波半導体チップから電気的に独立する内部回路と、
    前記側壁を貫通するように設けられ、前記内部回路に電気的に接続される第2の端子部と、
    を具備し、
    前記配線パターンは、前記配線パターンと前記側壁との距離が、前記誘電体基板の厚さよりも小さくなる位置に設けられた、レーダ装置。
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