以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2は、本発明の第1の実施形態に係る撮像システム(デジタルカメラ、レンズ、ストロボ装置から成る)の概略構成を示す。本実施形態に係る撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100、カメラ本体100に着脱可能に装着されたレンズユニット200、カメラ本体100に着脱可能に装着された照明装置であるストロボ装置300を含む。なお、図1、図2において同一のものは同じ符号をつけている。
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。マイクロコンピュータCCPU(以下、カメラマイコン)101は、カメラ本体100の各部を制御する。カメラマイコン101は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。そして、カメラマイコン101は、撮像システムの制御をソフトウェアで行えるもので、各種の条件判定を行う。
撮像素子102は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD、CMOS等の撮像素子であり、後述のレンズ群202によって撮影時に被写体像が結像される。シャッタ103は撮像素子102を遮光する位置と、撮像素子102を露光する位置とに移動する。
主ミラー(ハーフミラー)104は、レンズ群202より入射する光の一部を反射し105のピント板に結像させる位置と、レンズ群202より入射する光の撮像素子102への光路(撮影光路)内から退避する位置とに移動する。ピント板105は、被写体像が結像され、結像された被写体像は不図示の光学ファインダーを介してユーザにより確認される。
測光回路(AE回路)106は、回路内に測光センサーを備え、被写体を複数の領域に分割しそれぞれの領域で測光を行う。測光回路106内の測光センサーは、後述するペンタプリズム114を介してピント板105に結像された被写体像を見込んでいる。焦点検出回路(AF回路)107は、回路内に複数点を測距ポイントを有する測距センサーを備え、各測距点のデフォーカス量などの焦点情報を出力する。
ゲイン切り換え回路108は、撮像素子102から出力される信号を増幅させるものであり、ゲインの切り換えは、撮影の条件やユーザの操作等に応じてカメラマイコン101により行われる。
A/D変換器109は、増幅された撮像素子102から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。タイミングジェネレータ(TG)110は、増幅された撮像素子102のアナログ信号の入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させる。
信号処理回路111は、A/D変換器109でデジタル信号に変換された画像データに対して信号処理を行う。
通信ラインSCは、カメラ本体100とレンズユニット200及びストロボ装置300とのインタフェースの信号ラインである。例えば、カメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達などの情報の通信を相互に行う。端子120は、カメラ本体100とレンズユニット200の通信の同期をとるためのSCLK_L端子、レンズユニット200にデータを送信するMOSI_L端子、レンズユニット200から送信されたデータを受信するMISO_L端子を含む。また、カメラ本体100とレンズユニット200との両方をつなぐGND端子も含む。
端子130は、カメラ本体100とストロボ装置300の通信の同期をとるためのSCLK_S端子、カメラ本体100からストロボ装置300にデータを送信するMOSI_S端子を含む。さらに、端子130は、ストロボ装置300から送信されたデータを受信するMISO_S端子を含む。また、カメラ本体100とストロボ装置300との両方をつなぐGND端子も含む。端子130を介したデータ通信例を図11に示す。図11(a)は、データ通信のタイミングを示す図である。カメラマイコン101からストロボマイコン310にデータを送信する時は、SCK_S端子の8ビットのクロックに同期してMOSI_S端子より各ビットを0,1とすることでデータをシリアルで送信する。また、ストロボマイコン310からカメラマイコン101にデータを送信する時は、SCK_S端子の8ビットのクロックに同期してMISO_S端子より各ビットを0,1とするデータをシリアル受信する。なお、図11(a)は、8ビット(1バイト)通信でSCLK_S信号の立ち上がりで信号の読み書きを行っているが、この8ビット通信をコマンド、コマンドデータ、データと複数回連続で送信を行う。図11(b)は、通信される情報の具体例で、後述のコマンドリスト図12(b)のコマンドリストに従い、カメラマイコン101からストロボマイコン310に送信される。
一例として、「カメラからストロボへオートバウンス設定/解除」については、1バイト目にCS通信の80H、2バイト目にコマンド番号011(0BH)、3バイト目にデータ(内容)の01(設定)を16進数から2進数に変換して送信する。
そして、1バイト目にはカメラ本体100からストロボ装置300に情報を送信するときはコマンドCS:80H、カメラ本体100がストロボ装置300から情報を取得するときはコマンドSC:01Hをカメラ本体100からストロボ装置300へ送信する。そして、2バイト目には、コマンド番号でSC、CSに続く番号(送信時は16進数に変換される)、3バイト目もしくは4バイト目には、設定項目データを、カメラ本体100及びストロボ装置300の一方が他方に送信する。その他の情報の通信については、図12(a)、(b)に示すコマンドリストを用いて随時説明する。
入力部112は、電源スイッチ、レリーズスイッチ、設定ボタンなどの操作部を含んでいて、カメラマイコン101は、入力部112への入力に応じて各種処理を実行する。レリーズスイッチが1段階操作(半押し)されるSW1がONとなり、カメラマイコン101は焦点調節や測光などの撮影準備動作を開始させる。また、レリーズスイッチが2段階操作(全押し)されるSW2がONとなり、カメラマイコン101は露光や現像処理などの撮影動作を開始させる。また、入力部112の設定ボタンなどを操作することで、カメラ本体100に装着されるストロボ装置300の各種設定を行うこともできる。液晶装置や発光素子を有する表示部113は、各種設定されたモードやその他の撮影情報などを表示する。
ペンタプリズム114は、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサー及び不図示の光学ファインダーに導く。サブミラー115は、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光を焦点検出回路107の測距センサーへ導く。
姿勢検出回路140は姿勢差を検出する回路で、140aは水平方向の姿勢差を検出する姿勢H検出部、140bは垂直方向の姿勢差を検出する姿勢V検出部、140cは前後方向(Z方向)の姿勢差を検出する姿勢Z検出部である。姿勢検出回路140には、例えば、角速度センサーやジャイロセンサーが用いられる。姿勢検出回路140により検出された各方向の姿勢差に関する姿勢情報はカメラマイコン101に入力される。
次に、レンズユニット200内の構成と動作について説明する。マイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)201は、レンズユニット200の各部を制御する。
レンズマイコン201は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
レンズ群202は、フォーカスレンズやズームレンズなどを含む複数枚のレンズで構成されている。なお、レンズ群202にはズームレンズは含まれなくてもよい。レンズ駆動部203は、レンズ群202に含まれるレンズを移動させる駆動系であり、レンズ群202の駆動量は、カメラ本体100内にある焦点検出回路107の出力に基づいてカメラマイコン101内にて演算される。演算された駆動量は、カメラマイコン101からレンズマイコン201に送信される。エンコーダ204はレンズ群202の位置を検出し駆動情報を出力するエンコーダである。エンコーダ204からの駆動情報に基づき駆動量分だけレンズ駆動部203がレンズ群202を移動させて焦点調節を行う。通過する光量を調節する絞り205は、絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
次に、ストロボ装置300の構成について説明する。ストロボ装置300は、カメラ本体100に着脱可能に装着される本体部300aと、本体部300aに対して上下方向及び左右方向に回動可能に保持される可動部であるストロボヘッド部300bで構成される。なお、本実施形態では、本体部300aにおけるストロボヘッド部300bと連結される側を上側としてストロボヘッド部300bの回動方向を定義している。
マイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコン)310は、ストロボ装置300の各部を制御する。ストロボマイコン310は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
電池301は、ストロボ装置300の電源(VBAT)として機能する。昇圧回路ブロック302は、昇圧部302a、電圧検出に用いる抵抗302b、302c、メインコンデンサ302dで構成される。昇圧回路ブロック302は、電池301の電圧を昇圧部302aにより数百Vに昇圧してメインコンデンサ302dに発光のための電気エネルギーを充電させる。
メインコンデンサ302dの充電電圧は抵抗302b、302cにより分圧され、分圧された電圧はストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。トリガー回路303は、後述の放電管305を励起させためのパルス電圧を放電管305に印加する。発光制御回路304は、放電管305の発光の開始及び停止を制御する。放電管305は、トリガー回路303から印加される数KVのパルス電圧を受け励起してメインコンデンサ302dに充電された電気エネルギーを用いて発光する。
測距ユニット308は、公知の方法により対象物までの距離を検出するもので、例えば、受光センサーを有し、放電管305から照射されて照射方向の対象物に反射された光を受光センサーで受光して、対象物までの距離を検出する。あるいは、測距用の光源をさらに有し、測距用の光源から照射されて照射方向の対象物に反射された光を受光センサーで受光して、対象物までの距離を検出する。なお、測距ユニット308で受光結果をストロボマイコン310に出力し、ストロボマイコン310で対象物までの距離を算出してもよい。
積分回路309は、後述のフォトダイオード314の受光電流を積分し、その出力は後述するコンパレータ315の反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ315の非反転入力端子は、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ端子に接続され、コンパレータ315の出力は後述するANDゲート311の入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力は、ストロボマイコン310の発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路304に入力される。フォトダイオード314は、放電管305から発せられる光を受光するセンサーであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管305から発せられる光を受光する。
ストロボヘッド部300bの発光部は、主に、放電管305、反射傘306、ズーム光学パネル307で構成されていている。反射傘306は、放電管305から発せられる光を反射させて所定の方向へ導く。ズーム光学パネル307は、放電管305から発せられた光及び反射傘306で反射された光を透過させて射出するパネルであって、片面がストロボ装置300の外面をなすように固定されている。放電管305と反射傘306の位置関係は変化させずに、ズーム光学パネル307との相対位置を変更することにより、ストロボ装置300のガイドナンバー及び照射範囲を変化させることができる。発光部の照射方向はストロボヘッド部300bの回動により変化する。
入力部312は、電源スイッチ、ストロボ装置300の動作モードを設定するモード設定スイッチや各種パラメータを設定する設定ボタンなどの操作部を含んでいて、ストロボマイコン310は、入力部312への入力に応じて各種処理を実行する。
液晶装置や発光素子を有する表示部313は、ストロボ装置300の各状態を表示する。
ズーム駆動回路330は、放電管305とズーム光学パネル307の相対位置に関する情報をエンコーダなどにより検出するズーム検出部330aと放電管305と反射傘306を移動させるためのモータを含むズーム駆動部330bで構成される。
放電管305と反射傘306の駆動量は、レンズマイコン201から出力される焦点距離情報をカメラマイコン101を介して取得したストロボマイコン310によって焦点距離情報に基づいて演算される。
バウンス回路340は、ストロボヘッド部300bの回動角度量(本体部300aに対する回動角度)を検出するバウンス位置検出回路340a、340cやストロボヘッド部300bを回動させるバウンス駆動回路340b、340dで構成される。
バウンス位置検出回路(バウンスH検出回路)340aは、ストロボヘッド部300bの左右方向の回動角度量を、ロータリーエンコーダやアブソリュートエンコーダで検出する。バウンス位置検出回路(バウンスV検出回路)340cは、ストロボヘッド部300bの上下方向の回動角度量を、ロータリーエンコーダやアブソリュートエンコーダで検出する。
バウンス駆動回路(バウンスH駆動回路)340bは、ストロボヘッド部300bの左右方向の駆動、バウンス駆動回路(バウンスV駆動回路)340dは、ストロボヘッド部300bの上下方向の駆動を公知のモータを用いて行う。
ここで、ストロボ装置300のストロボヘッド部300bの回動範囲及び検出方法の例について、図8、図9、図10を用いて説明する。図8は、ストロボヘッド部300bの上下方向及び左右方向の回動を示す図、図9は、ロータリーエンコーダのグレーコードと回動角度の割り振りを示す図、図10は、上下方向及び左右方向のロータリーエンコーダの出力を示す図である。
図8(a)に示すように、ストロボヘッド部300bは本体部300aに対して上下方向に回動可能に保持されていて、図8(b)に示すように、ストロボヘッド部300bは本体部300aに対して左右方向に回動可能に保持されている。なお、ストロボヘッド部300bの上下方向の位置が図8(a)の0度の状態、かつ、左右方向の位置が図8(b)の0度の状態を、ストロボヘッド部300bの基準位置とする。図8の各状態において円形と線で示す指標は、図9に示すロータリーエンコーダの位置に対応している。
図9(a)は、上下方向の回動角度を4ビットのグレーコードを使用したロータリーエンコーダで検出する構成を示していて、図9(b)は、左右方向の回動角度を4ビットのグレーコードを使用したロータリーエンコーダで検出する構成を示している。
上下方向の回動を検出するロータリーエンコーダ及び左右方向の回動を検出するロータリーエンコーダの検出部分は、フォトリフレクタやフォトインタラプタなどを用いた公知の構成である。本実施形態では、ロータリーエンコーダは図9に示す白い部分を0、黒い部分を1と出力するものとする。また、回転動作時にビット変化の立ち上がりで判別し、停止時はパターンデータを読み込むものとする。
図10に示すように、ストロボヘッド部300bの回動角度に応じてロータリーエンコーダは異なる信号を出力するので、これによりバウンス位置検出回路340a、340cは、ストロボヘッド部300bの駆動量を検出できる。
姿勢検出回路360は、姿勢差を検出する回路で、姿勢H検出部360aは図7(a)に示す本体部300aの正位置状態を基準にした場合の本体部300aのあおり量γを検出する。姿勢V検出部360bは図7(b)に示す本体部300aの縦位置状態を基準とした場合の本体部300aのあおり量εを検出する。姿勢Z検出部360cは図7(c)に示すように本体部300aが正位置か縦位置かを判定する傾きηを検出する。姿勢検出回路360には、例えば、角速度センサーやジャイロセンサーが用いられる。
バウンスアダプター370は、ストロボ装置300に対して着脱可能な光学アクセサリである。バウンスアダプター370は、ストロボ装置300に取り付けるための開口を有する箱形状をしていて、ストロボ装置300に取り付けられた状態ではストロボヘッド部300bの一部を囲む。バウンスアダプター370は、ストロボ装置300に取り付けられた状態でズーム光学パネル307と所定の距離だけ離れて正対する第1の領域と、第1の領域の周辺からストロボヘッド部300bの方向に延出した第2の領域を有する。バウンス発光撮影時にバウンスアダプター370を使用すると、第1の領域を透過して天井などで反射された反射光を被写体に上方や側方から照射しながら、第2の領域を透過した光を被写体に正面から照射することができる。このように、バウンス発光撮影時にバウンスアダプター370を使用する場合は、バウンスアダプター370を使用しない場合と比較して、発光部からの光が拡散され、被写体である人物の首の下に影ができにくく、より自然な雰囲気の画像を得ることができる。
バウンスアダプター検知部371は、バウンスアダプター370がストロボ装置300へ取り付けられているか否かを検知する。バウンスアダプター検知部371による検知方法は公知の方法でよいので詳細は説明しない。例えば、バウンスアダプター370に設けられた突起部によって押下されるスイッチを用いた方法でもよいし、バウンスアダプター370に設けられた磁石の磁気を検知する磁気センサーを用いた方法でもよい。
ワイドパネル372は、ズーム光学パネル307前方に対して配置可能な光学パネルで、発光部からの光を拡散させ照射範囲を広くする効果があり、主に照射範囲を超広角レンズの画角に対応させるために使用される。未使用時はストロボヘッド部300b内部に格納され、使用時はユーザによってストロボヘッド部300b内部から引き出され、ズーム光学パネル307前方に配置される。すなわち、ワイドパネル372は、ストロボヘッド部300b内部の非使用位置と発光部の照射方向前方の使用位置とに移動可能に保持されている。
ワイドパネル検知部373は、ワイドパネル372の位置を検知する。ワイドパネル検知部373による検知方法もバウンスアダプター検知部371による検知方法と同様に公知の方法でよいので詳細は説明しない。また、ワイドパネル検知部373によってワイドパネル372の位置を検知する場合、ワイドパネル372が非使用位置にあることを検知するようにしてもよいし、ワイドパネル372が非使用位置にあることを検知するようにしてもよい。
以上のように、バウンスアダプター370とワイドパネル372は、発光部の照射方向前方の位置に移動可能であって、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材である。また、ストロボマイコン310は、バウンスアダプター検知部371とワイドパネル検知部373の検知結果に基づいて、発光部の照射方向前方の位置に、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在するか否かを判定する。
次に、オートバウンス発光撮影に係るカメラ本体100の各種処理を図3、図4を用いて説明する。入力部112に含まれる電源スイッチがONされてカメラ本体100のカメラマイコン101が動作可能となると、カメラマイコン101は、図3に示すフローチャートを開始させる。
ステップS1にてカメラマイコン101は、自身のメモリやポートの初期化を行う。また、入力部112に含まれるスイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、シャッタースピードの決め方や、絞りの決め方等様々な撮影モードの設定を行う。ステップS2にてカメラマイコン101は、入力部112に含まれるレリーズスイッチが操作されSW1がONであるか否かを判別し、SW1がONであればステップS3へ移行し、SW1がOFFであればステップS2を繰り返す。
ステップS3にてカメラマイコン101は、レンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行う。そして、レンズユニット200の焦点距離情報や焦点調節や測光に必要な光学情報を取得する。ステップS4にてカメラマイコン101は、カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているか否かを判別する。カメラ本体100にストロボ装置300が装着されていればステップS5へ移行し、未装着ならばS8bへ移行する。
ステップS5にてカメラマイコン101は、ストロボ装置300内のストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ストロボIDやメインコンデンサ302dの充電状態を示す充電情報などストロボ情報をストロボマイコン310から取得する。ストロボ情報には、バウンスアダプター370の取り付けの有無に関する情報やワイドパネル372の位置に関する情報も含まれる。また、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ステップS3にて取得したレンズ焦点距離情報をストロボマイコン310に送信する。これにより、ストロボマイコン310は受信した焦点距離情報に基づいて放電管305と反射傘306の駆動量を演算し、演算した駆動量に基づいて放電管305と反射傘306を移動させてストロボ装置300の照射範囲を焦点距離に合わせた範囲に変更する。
ステップS6にてカメラマイコン101は、入力部112を介して入力されたストロボ装置300に関する情報をストロボ装置300のストロボマイコン310に送信する準備を行う。ここでは、入力部112を介して入力されたストロボ装置300に関する情報を判断してコマンド送信に変換する。例えば、オートバウンス可能なカメラか、オートバウンスに関するカメラ側の設定、レリーズスイッチの状態などの情報をコマンド送信に変換する。
ステップS7にてカメラマイコン101は、ステップS6で送信する準備をしたストロボ装置300に関する情報をストロボ装置300へ送信する。
ステップS8aにてカメラマイコン101は、設定されている焦点調節モードが自動焦点調節(AF)モードであるか否かを判別する。自動焦点調節モードであればステップS9aへ移行し、手動焦点調節(MF)モードであればステップS11aへ移行する。なお、図3のフローチャートの中で同じ処理を行うステップは、例えば、ステップS8aとステップS8bのように、同じ数字を付している。ステップS9aにてカメラマイコン101は、焦点検出回路107を駆動させることにより周知の位相差検出法による焦点検出動作を行う。またステップS9aでは、焦点調節において複数の測距点から焦点を合わせる測距点(測距ポイント)を、近点優先を基本の考え方とした周知の自動選択アルゴリズムや入力部112へのユーザの操作などに応じて決定する。ステップS10aにてカメラマイコン101は、ステップS9aで決定された測距ポイントをカメラマイコン101内のRAMに記憶させる。さらに、ステップS10aにてカメラマイコン101は、焦点検出回路107からの焦点情報に基づきレンズ群202の駆動量を演算する。そして、カメラマイコン101はレンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行い、演算した駆動量に基づいてレンズ群202を移動させる。
ステップS11にてカメラマイコン101は、バウンス発光撮影時の照射方向を自動的に決定するための動作(以下、オートバウンス動作とする)を行うか否かを判別する。オートバウンス動作を行うか否かは、入力部112あるいは入力部312に含まれるオートバウンス動作を実行するか否かを切り換えるオートバウンススイッチの状態やその他のカメラ本体100の状態などに基づいて判別される。オートバウンス動作を実行する場合はステップS12へ移行し、オートバウンス動作を実行しない場合はステップS16へ移行する。
ステップS12にてカメラマイコン101はオートバウンス動作に関する処理(以下、バウンス処理とする)を実行する。バウンス処理の詳細は図5を用いて後述する。バウンス処理の実行後、ステップS13へ移行する。ステップS13にてカメラマイコン101は、オートバウンス処理にエラーが生じたか否かを判別する。バウンス処理でエラーが生じればステップS14へ移行し、バウンス処理でエラーが生じなければステップS16へ移行する。オートバウンス処理にエラーが生じた場合、ステップS12のバウンス処理においてストロボマイコン310からオートバウンス処理にエラーが生じたことを示す情報が送信される。
ステップS14にてカメラマイコン101は、バウンス処理でエラーが生じたことを示す情報を表示部113へ表示させる。なお、カメラマイコン101がストロボマイコン310と通信を行い、ストロボマイコン310によりストロボ装置300の表示部313にバウンス処理でエラーが生じたことを示す情報を表示させてもよい。
ステップS15にてカメラマイコン101は、発光撮影を行わない設定(非発光設定)に切り換えてステップS16へ移行する。
ステップS4にてストロボ装置300が未装着と判別された場合、ステップS8bへ移行してカメラマイコン101は、ステップS8aと同様に設定されている焦点調節モードがAFモードであるか否かを判別する。AFモードであればステップS9bへ移行し、MFモードであればステップS16へ移行する。
ステップS9bにてカメラマイコン101は、ステップS9aと同様の処理を実行し、その後ステップS10bへ移行してステップS10aと同様の処理を実行して、ステップS16へ移行する。
ステップS16にて測光回路106は測光を行い、カメラマイコン101は測光回路106から測光結果を取得する。例えば、測光回路106の測光センサーが6つに分割された領域のそれぞれで測光を行う場合、カメラマイコン101は取得した測光結果としての各領域の輝度値を
EVb(i) (i=0〜5)
として、RAMに記憶させる。
ステップS17にてゲイン切り換え回路108は、入力部112より入力されたゲイン設定に応じてゲインの切り換えを行うゲイン設定とは、例えばISO感度設定である。またS17にてカメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、例えば、切り換え後のゲインを示すゲイン設定情報をストロボマイコン310に送信する。
S18にてカメラマイコン101は、ステップS16にて取得した測光結果(RAMに記憶されている各領域の輝度値)に基づいて、周知のアルゴリズムにより露出演算を行い露出値(EVs)を決定する。
ステップS19にてカメラマイコン101は、ストロボマイコン310から充電完了信号を受信したか否かを判別する。充電完了信号を受信していればステップS20へ移行し、受信していなければステップS21へ移行する。
ステップS20にてカメラマイコン101は、ステップS18にて演算した露出値に基づいて発光撮影に適した露出制御値(シャッタ速度(Tv)と絞り値(Av))を決定する。
一方、ステップS21にてカメラマイコン101は、ステップS18にて演算した露出値に基づいてストロボ装置300を発光させない撮影(非発光撮影)に適した露出制御値を決定する。
ステップS20あるいはステップS21にて露出制御値を決定した後はステップS22へ移行し、ステップS22にてカメラマイコン101は、入力部112に含まれるレリーズスイッチが操作されSW2がONであるか否かを判別する。SW2がONであれば図4のステップS23へ移行し、SW2がOFFであればステップS2へ戻る。
ステップS23以降の処理は、発光撮影に係わる処理であり、非発光撮影に係わる処理はステップS23以降の処理の中で本発光を行うための処理を省略したものである。
ステップS23にて測光回路106は、ストロボ装置300が発光していない状態で測光を行い、カメラマイコン101は測光回路106から非発光時の測光結果(非発光時輝度値)を取得する。このときカメラマイコン101は、取得した測光結果としての各領域の非発光時輝度値を
EVa(i) (i=0〜5)
として、RAMに記憶させる。
ステップS24にてカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して通信ラインSCを介してプリ発光の命令を行う。ストロボマイコン310はこの命令に従って、トリガー回路303と発光制御回路304とを制御して、所定光量でのプリ発光を行う。
ステップS25にて測光回路106は、ストロボ装置300がプリ発光している状態で測光を行い、カメラマイコン101は測光回路106からプリ発光時の測光結果(プリ発光時輝度値)を取得する。このときカメラマイコン101は、取得した測光結果としての各領域のプリ発光時輝度値を
EVf(i) (i=0〜5)
として、RAMに記憶させる。
ステップS26にてカメラマイコン101は、露光に先立って主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退避させる。
ステップS27にてカメラマイコン101は、で、次式のようにして非発光時輝度値とプリ発光時輝度値とに基づいてプリ発光の反射光成分のみの輝度値EVdf(i)を抽出する。抽出は6つの領域ごとにおこなわれる。
EVdf(i)←LN2 (2^EVf(i)−2^EVa(i)) (i=0〜5)
ステップS28にてカメラマイコン101は、通信ラインSCを介してストロボマイコン310からプリ発光時の発光量を示すプリ発光情報(Qpre)を取得する。
ステップS29にてカメラマイコン101は、測距ポイント、焦点距離情報、プリ発光情報(Qpre)、およびバウンス通信内容から、6つの領域のうちどの領域の被写体に対して適正な発光量とするか選択して本発光量を演算する。また、バウンス通信内容には、バウンスアダプター370の取り付けの有無に関する情報やワイドパネル372の位置に関する情報も含まれている。そして、バウンスアダプター370やワイドパネル372が発光部の照射方向前方の位置にある場合には、発光部からの光が拡散されることでガイドナンバーが低下するため、光量低下を考慮した本発光量を演算する。
本発光量の演算では、選択した領域(P)の被写体について、露出値(EVs)と被写体輝度(EVb)とプリ発光反射光分のみの輝度値EVdf(p)と補正係数kとに基づいて、プリ発光量に対して適正となる本発光量の相対比(r)を求める。
r←k[LN2(2^EVs−2^EVb(p))−EVdf(p)]
ここで、露出値(EVs)から被写体輝度(EVb)の伸張したものの差分をとっているのは、ストロボ光を照射したときの露出が、外光分にストロボ光を加えて適正となるように制御するためである。また、バウンスアダプター370やワイドパネル372が発光部の照射方向前方の位置にない場合、補正係数k=1となり、照射方向前方の位置にある場合、補正係数kは光量低下に合わせた適宜の値となる。なお、バウンスアダプター370とワイドパネル372とで光量低下の程度が異なるため、バウンスアダプター370が照射方向前方の位置にある場合とワイドパネル372が照射方向前方の位置にある場合とで補正係数kを変更してもよい。
また、撮影画面内に高反射物の被写体(金屏風等)が存在してプリ発光の反射光成分が大きくなり本発光量が少なめに演算されてしまうことを防止するため、撮影画面内に高反射物が検出されたら演算された本発光量を大きくする補正を行う処理が知られている。しかしながら、バウンス発光撮影を行う場合には、高反射物の検出は行わず上記の補正を行わない。これは、バウンス発光撮影時は撮影画面内に高反射物が存在してもストロボ光を直接照射しないので、プリ発光の反射光成分における高反射物の影響は少ないからである。
その他、バウンス発光撮影時には撮影画面内に存在する被写体の画面内の位置に応じた本発光量の補正なども行わない。以上のように、バウンス発光撮影時は、通常の発光撮影時には行われる、撮影画面内に存在する被写体の反射率や被写体の画面内の位置などに応じた本発光量の補正を行わないことで、バウンス発光撮影に適した本発光量を演算することができる。ここでの通常の発光撮影とは、図8で示した基準位置にストロボヘッド部300bを位置させて行う発光撮影のことである。
ステップS30にてカメラマイコン101は、次式のように、発光撮影時のシャッタ速度(Tv)とプリ発光の発光時間(t_pre)と入力部112により予め設定された補正係数(c)と、を用いて相対比(r)を補正し、新たな相対比rを演算する。
r←r+Tv−t_pre+c
ここで、シャッタ速度(Tv)とプリ発光の発光時間(t_pre)を用いて補正するのは、プリ発光時の測光積分値(INTp)と本発光の測光積分値(INTm)とを正しく比較するためである。
ステップS31にてカメラマイコン101は通信ラインSCを介してストロボマイコン310へ本発光量を決定するための相対比(r)に関する情報を送信する。
ステップS32にてカメラマイコン101は、ステップS20にて決定した絞り値(Av)になるようにレンズマイコン201に指令を出すとともに、決定したシャッタ速度(Tv)になるようにシャッタ103を制御する。
ステップS33にてカメラマイコン101は通信ラインSCを介してストロボマイコン310に本発光の命令を行う。そして、ストロボマイコン310は、カメラから送信された相対比(r)に基づいて本発光量を行う。
こうして一連の露光動作が終了すると、ステップS34にてカメラマイコン101は、撮影光路内から退避させていた主ミラー104をダウンさせ再び撮影光路内に斜設させる。
ステップS35にて撮像素子102から出力される信号をゲイン切り換え回路108で設定されたゲインで増幅したのち、A/D変換器109でデジタル信号に変換する。そして、信号処理回路111は、デジタル信号に変換された画像データに対してホワイトバランスなど所定の信号処理を行う。
そしてステップS36にてカメラマイコン101は信号処理が施された画像データを図示しないメモリに記録して撮影に係わる一連の処理を終了する。
その後、ステップS37にてカメラマイコン101は、SW1がONの状態か否かを判別し、SW1がONであればステップS22へ戻り、SW1がOFFであればステップS2へ戻る。
次に、ステップS12の詳細について、図5を用いて説明する。図5は、カメラマイコン101からのバウンス処理の開始指示に従ってストロボマイコン310で実行されるバウンス処理のフローチャートを示す図である。
ステップS101にてストロボマイコン310は、姿勢検出回路360cにより本体部300aが正位置か縦位置かを検出した結果を取得する。そして、ストロボマイコン310は、本体部300aが正位置状態の場合は姿勢H検出部360aにより検出した本体部300aのあおり量γを取得する。また、本体部300aが縦位置状態を場合は姿勢V検出部360bにより検出した本体部300aのあおり量εを取得する。
ステップS102にてストロボマイコン310は、バウンスアダプター検知部371とワイドパネル検知部373の検知結果に基づいて、発光部の照射方向前方の位置に、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在するか否かを判定する。発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材とは、バウンスアダプター370やワイドパネル372のことを指す。光学部材が存在すると判定した場合はステップS109へ、存在しないと判定した場合はステップS103へ移行する。
ステップS103にてストロボマイコン310は、バウンス駆動回路340b、340dに指示して、照射方向が撮影方向(正面方向)となるようにストロボヘッド部300bを駆動させる。照射方向が撮影方向(正面方向)となるようにする際の駆動制御については、図6を用いて後述する。
正面方向への駆動量は、バウンス駆動の際の目標値として駆動目標水平方向バウンス角度θX、垂直方向バウンス角度θYとし、本体部300aのあおり量も加味してそれぞれストロボマイコン310により算出される。例えば、ステップS102で取得した傾きη=0、あおり量γ=15、の場合、本体部300aは正位置と判定され、駆動目標水平方向バウンス角度θX=0度、垂直方向バウンス角度θY=(0−15)度と算出される。
ステップS104にてストロボマイコン310は、ステップS103にて照射方向が正面方向となるようにストロボヘッド部300bを駆動した後に、プリ発光を行うように発光部に指示する。そして、ストロボマイコン310は、測距ユニット308に指示してプリ発光の反射光を受光させ、得られた受光結果に基づいて、発光部の照射面から被写体までの距離(被写体距離)を算出する。ステップS105にてストロボマイコン310は、バウンス駆動回路340b、340dに指示して、照射方向が照射方向が重力方向と逆方向(天井方向)となるようにストロボヘッド部300bを駆動させる。
本体部300aの姿勢が正位置の場合に天井方向を駆動目標とすると、バウンス駆動の際の目標値として駆動目標水平方向バウンス角度θX=0、垂直方向バウンス角度θY=90−γとなる。
ステップS106にてストロボマイコン310は、ステップS105にて照射方向が天井方向となるようにストロボヘッド部300bを駆動した後に、プリ発光を行うように発光部に指示する。そして、ストロボマイコン310は、測距ユニット308に指示してプリ発光の反射光を受光させ、得られた受光結果に基づいて、発光部の照射面から天井までの距離(天井距離)を算出する。
ステップS107にてストロボマイコン310は、ステップS101、S104、S106で得られた本体部300aの傾き、複数の距離算出結果(被写体距離、天井距離)に基づいて、バウンス発光撮影に最適な照射方向を決定する。ここでストロボマイコン310は、最適な照射方向とするための最適バウンス角度を、バウンス駆動の際の目標値として駆動目標水平方向バウンス角度θX、垂直方向バウンス角度θYとしてそれぞれ算出する。照射方向の決定方法は、例えば、天井距離をd、被写体距離をD、最適な照射方向となる駆動目標垂直方向バウンス角度θYとすると
θY=tan−1(2d/D)
となる。上記の式で求められる角度は、本体部300aの姿勢が正位置のときの角度となるため、本体部300aの姿勢の傾き角度に応じて補正した角度を、バウンス発光撮影に最適な照射方向となる駆動目標垂直方向バウンス角度θYとして決定する。また、被写体が画角の中央に存在すると仮定して、駆動目標水平方向バウンス角度θX=0とする。
ステップS108にてストロボマイコン310は、ステップS107で決定されたバウンス角度または後述するステップS109で決定されたバウンス角度となるように、バウンス駆動回路340b、340dに指示して、ストロボヘッド部300bを駆動させる。その後、ステップS13へ移行する。
ステップS109は、発光部の照射方向前方の位置に、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在すると判定した場合の制御である。ストロボマイコン310は、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在すると判定した場合、予め決められた所定のバウンス角度を、ステップS101で取得した本体部300aのあおり量で補正し、ステップS108へ移行する。
ここで、バウンスアダプター370取付け時の最適なバウンス角度を第1の所定の角度としており、本実施形態では、被写体距離や天井距離によらず発光部の照射方向が天井方向となるバウンス角度を第1の所定の角度としている。そのためストロボマイコン310は、本体部300aが正位置の場合は、駆動目標水平方向バウンス角度θX=0、駆動目標垂直方向バウンス角度θY=90−γと算出する。また、ワイドパネル372取付け時の最適なバウンス角度を第2の所定の角度としている。バウンスアダプター370とワイドパネル372は、ともに発光部の照射範囲を拡大させる効果を有しているが、バウンスアダプター370とワイドパネル372とでは拡散特性が異なるため最適なバウンス角度も異なる。例えば、ワイドパネル372使用時の垂直方向の照射角度が120度、35mm×24mmの撮像素子102をもつ撮像装置に焦点距離16mmの広角レンズを取り付けた場合の垂直画角が75度と想定し、最適なバウンス角度を天井方向より後方に45度とする。バウンス角度を天井方向より後方に45度とすることで、ワイドパネル372を透過した光で最も被写体に近い光線の照射角度は75度となり、ワイドパネル372を透過した光が直接画角内に入り込まないようになる。つまり、ストロボマイコン310は、本体部300aが正位置の場合は、駆動目標水平方向バウンス角度θX=0、駆動目標垂直方向バウンス角度θY=135−γと算出する。なお、バウンスアダプター370取付け時の最適なバウンス角度とワイドパネル372使用時の最適な照射方向は上記の照射方向に限らず、それぞれの拡散特性を考慮して適宜設定すればよい。
以上のように、発光部の照射方向前方の位置に、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在すると判定した場合、光学部材が存在しないと判定した場合と比較して、ステップS103〜ステップS107の処理を省略することができる。すなわち、光学部材が存在しないと判定した場合は、ストロボヘッド部300bを駆動させて取得した複数の距離算出結果に基づいて発光部の照射方向を決定するが、光学部材が存在すると判定した場合は、距離算出結果に基づいて発光部の照射方向を決定しない。そのため、最適な照射方向へ素早く駆動でき、シャッターチャンスを逃すことを軽減することができる。
次に、図6のフローチャートを用いて、ステップS103、S105、S108におけるバウンス駆動制御を説明する。
まずステップS401にてストロボマイコン310は、バウンス駆動回路340b、340dに指示してモータを制御し、ストロボヘッド部300bの駆動を開始させる。
ステップS402にてストロボマイコン310は、バウンス位置検出回路340a、340cから現在のストロボヘッド位置である水平方向バウンス角度θA、垂直方向バウンス角度θBを取得する。そして、ストロボマイコン310は、取得した現在のバウンス角度が、駆動目標水平方向バウンス角度θX、駆動目標垂直方向バウンス角度θYに合致しているかの判定を行う。θX=θA、θY=θBと合致していればステップS403へ移行し、合致していなければステップS402を繰り返す。
ステップS403にてストロボマイコン310は、バウンス駆動回路340b、340dに指示してモータを制御し、ストロボヘッド部300bの駆動を停止する。
ステップS404にてストロボマイコン310は、カメラ接続部の端子130を介して、カメラに対して、バウンス駆動終了通知を通信する。
以上のように、本実施形態では、発光部の照射方向前方の位置に、当該発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在するか否かに応じて、発光部の照射方向を決定する方法を異ならせる。具体的には、発光部の照射方向前方の位置に、発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在すると判定した場合、ストロボヘッド部300bを駆動させることなく予め設定された方向に基づいて照射方向を決定してバウンス発光撮影を行う。この予め設定された方向は、発光部からの直接光が画角に被らない方向である。そのため、照射範囲を変更する光学部材を使用する際に不自然な画像となることを軽減できる。また、このとき、被写体距離の算出や天井距離の算出を行うためにストロボヘッド部300bを駆動させないし、複数の距離算出結果に基づいて照射方向を決定しないため、シャッターチャンスを逃すことを軽減することができる。このように、照射範囲を変更する光学部材を使用する際に適した方法で照明装置の照射方向を決定することができる。
なお、本実施形態で説明した各フローチャートはあくまで一例であって、不都合がなければ本実施形態で説明した各フローチャートと異なる順序で各種処理を実行しても構わない。
また、上記の実施形態では、最適な照射方向を決定する際に、ストロボ装置300の測距ユニット308、姿勢検出回路360で取得した情報を用いたが、カメラ本体100で取得した情報を用いてもよい。例えば、ストロボ装置300がカメラ本体100に装着された状態では、カメラ本体100の姿勢とストロボ装置300の姿勢は所定の対応関係にあるため、ストロボ装置300の姿勢に関する情報の代わりにカメラ本体100の姿勢に関する情報を用いてもよい。また別の例として、発光部から被写体までの距離は、レンズユニット200のレンズ情報に基づいて算出することもできるので、レンズユニット200の情報に基づいて発光部から被写体までの距離を算出してもよい。
また、発光部から被写体までの距離及び発光部から天井までの距離を算出する方法して、赤外線照射部と赤外線受光部とを発光部の照射方向に向けて設け、赤外線を被写体や天井に照射して距離を算出する方法でもよい。
また、発光部の照射方向前方の位置に発光部の照射範囲を拡大させることができる光学部材が存在しないと判定した場合にバウンス発光撮影に最適な照射方向の決定する方法は限定されない。例えば、正面方向と天井方向だけでなく更に細かく照射方向を変えてプリ発光を行い、プリ発光時測光値がバウンス発光撮影に最適な結果となった照射方向を最適な照射方向として決定する方法でもよい。あるいは、照射方向を細かく変えてプリ発光を行い、プリ発光時に撮像素子102で露光された画像の輝度分布が最適な結果となった照射方向を最適な照射方向として決定する方法でもよい。
また、上記の実施形態では、オートバウンス動作時にストロボヘッド部300bを天井方向に駆動させて照射方向を決定しているが、ストロボヘッド部300bを天井方向に直交する方向にも駆動させて照射方向を決定してもよい。
また、バウンス発光撮影に最適な照射方向を決定する際にストロボマイコン310で行った演算の少なくとも一部をカメラマイコン101で行ってもよい。
また、上記の実施形態では、本体部に対して可動部が上下及び左右方向に回動可能な照明装置を説明したが、本体部に対して可動部が上下及び左右方向の一方のみに回動可能な照明装置であってもよい。
また、上記の実施形態では、バウンスアダプター370が取り付けられた場合とワイドパネル372を使用する場合の両方において、照射方向が予め設定された方向となるようにしてバウンス発光撮影を行うようにしているが、いずれか一方だけでも構わない。いずれか一方だけ照射方向が予め設定された方向となるようにしてバウンス発光撮影を行っても、いずれも行わない場合よりかは照射範囲を変更する光学部材を使用する際に不自然な画像となることを軽減できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。