JP6528537B2 - 白色インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録方法 - Google Patents
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Description
そのため、前記透明記録媒体の透明色や前記着色記録媒体の着色を隠蔽するための白色着色剤として中空微小球粒子を含有し、前記中空微小球粒子のシェルをポリマーで架橋することで高い耐熱性を得る耐熱性非着色インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の白色インクは、水と、水溶性有機溶剤と、着色剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、240℃以下の沸点を有するものなどが挙げられる。
前記着色剤は、中空樹脂粒子を含有し、更に必要に応じてその他の着色成分を含有する。
前記中空樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、樹脂を殻とし、空気などの気体を内包するものが好ましい。
前記中空とは、物の中が空になっている構造のことをいい、具体的には、空気などの気体を内包できる空間、及び空気などの気体が常時通過できる穴の少なくともいずれかを有する構造をいう。前記中空樹脂粒子は、乾燥後の粒子内部の空気層と殻のポリマー層との屈折率の差による光散乱により、白色を示し不透明度に優れる。
前記中空率の測定としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた方法などが挙げられる。なお、前記中空率は、前記中空樹脂粒子の外径と内径(中空部の直径)から球体と近似したときの容積の比であり、下記式(1)で表すことができる。
中空率(%)=(中空樹脂粒子の内部容積/中空樹脂粒子の容積)×100・・・式(1)
中空樹脂粒子の内部容積=4π/3×(中空樹脂粒子の内径)3
中空樹脂粒子の容積=4π/3×(中空樹脂粒子の外径)3
前記市販品としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂では、商品名:ローペイクOP−62(平均粒径:450nm、中空率:33%)、商品名:ローペイクOP−84J(平均粒径:550nm、中空率:20%)、商品名:ローペイクOP−91、商品名:ローペイクHP−1055(平均粒径:1000nm、中空率:55%)、商品名:ローペイクHP−91(平均粒径:1000nm、中空率:50%)、商品名:ローペイクULTRA(平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);架橋型スチレン−アクリル樹脂では、商品名:SX−863(A)、商品名:SX−864(B)、商品名:SX−866(A)、商品名:SX−866(B)(平均粒径:300nm、中空率:30%)、商品名:SX−868(平均粒径:500nm)(以上、JSR株式会社製)、商品名:ローペイクULTRA E(平均粒径:380nm、中空率:45%)、商品名:ローペイクULTRA DUAL(平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);変性スチレン−アクリル樹脂では、商品名:Nipol MH5055(平均粒径:500nm)、商品名:Nipol MH8101(平均粒径:1μm)(以上、日本ゼオン株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記白色インクは主に白色であるが、前記その他の着色成分を添加して調色することができる。
前記その他の着色成分の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色、カラー、白色などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インクジェット記録方式では、記録により塗膜を厚くすることは難しいため、少量の白色インクで形成された薄い塗膜で十分な白色性を出す必要がある点から、白色度が上がり易いものを用いることが好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記自己分散型顔料としては、さらに、ポリマー微粒子に前記自己分散型顔料を懸濁させたポリマーエマルジョンとして使用することができる。前記ポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したものやポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものをいう。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーが好ましく、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーがより好ましい。
前記顔料分散剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが好ましい。
前記無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化銅、酸化鉄(C.I.ピグメントブラック11)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化チタン、カーボンブラックが好ましく、沈降性を調整することで、二酸化チタンがより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、アルキレンビスメラミン系顔料、アゾ顔料、多環式顔料、レーキ顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などが好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記脂環式基としては、例えば、シクロヘキシル基などが挙げられる。
前記R1、前記R2、前記R3、及び前記R4としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。前記R1及び前記R2、又は前記R3及び前記R4が窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。
前記複素環式基としては、例えば、ピペリジル基、モルホリノ基などが挙げられる。
前記Xとしては、例えば、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料としては、例えば、酸性染料、食用染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、染料キレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水への溶解性と発色性の点から、酸性染料、食用染料、直接性染料が好ましく、酸性染料、直接性染料がより好ましい。
C.I.アシッド・イエロー17、23、42、44、79、142;
C.I.アシッド・レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;
C.I.アシッド・ブルー9、29、45、92、249;
C.I.アシッド・ブラック1、2、7、24、26、94;
C.I.フード・イエロー2、3、4;
C.I.フード・レッド7、9、14;
C.I.フード・ブラック1、2
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
C.I.ダイレクト・イエロー1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86;
C.I.ダイレクト・レッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;
C.I.ダイレクト・オレンジ26、29、62、102;
C.I.ダイレクト・ブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;
C.I.ダイレクト・ブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
C.I.ベーシック・イエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91;
C.I.ベーシック・レッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;
C.I.ベーシック・ブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;
C.I.ベーシック・ブラック2、8
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
C.I.リアクティブ・ブラック3、4、7、11、12、17;
C.I.リアクテイブ・イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;
C.I.リアクティブ・レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;
C.I.リアクティブ・ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95;
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
C.I.Disperse Yellow3、5、7、33、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、199、204、237;
C.I.Disperse Orange3、13、29、30、54、55、66、73、118;
C.I.Disoerse Red1、17、50、54、56、60、65、72、73、88、91、92、93、110、126、127、135、143、145、153、154、156、154、167、177、207、258、283、311、323、348;
C.I.Disperse Violet1、4、26、28、35、38、43、77;
C.I.Disperse Blue3、7、56、60、73、79、81、91、94、96、102、106、128、139、146、148、149、165、183、186、187、197、201、205、207、214、257、266、268、291、341、354、358;
C.I.Disperse Brown1;
C.I.Disperse Black1
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の白色インクは、前記水、前記水溶性有機溶剤、及び前記着色剤以外にも通常のインクに用いられているその他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、造膜性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、前記顔料の分散目的以外の目的におけるノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。単独では白色インク中で容易に溶解しない場合でも、2種以上を併用することで可溶化され、安定に存在することができることもある。また、着色剤の種類、湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択することが好ましい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を使用することができ、前記市販品としては、商品名:サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、エアープロダクツ社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を使用することもできる。前記市販品としては、例えば、商品名:サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子株式会社製);商品名:フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(以上、スリーエムジャパン株式会社製);商品名:FT−110、250、251、400S(以上、ネオス株式会社製);商品名:ゾニールFS−62、FSA、FSE、FSJ、FSP、TBS、UR、FSO、FSO−100、FSN N、FSN−100、FS−300、FSK(以上、デュポン株式会社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N(以上、OMNOVA社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、商品名:KF−618、KF−642、KF−643(以上、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記造膜性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、及び高耐候性を備えて、高画像濃度(高発色性)を向上させるために含有される。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース化合物、ロジン化合物、天然ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、耐候性向上の点から、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが好ましく、脂環式ジイソシアネートがより好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
前記樹脂エマルジョン中の樹脂固形分としては、20質量%以上が好ましい。前記樹脂固形分が、20質量%以上であると、白色インク化する際の処方設計に問題は生じない。
前記ウレタン樹脂粒子の体積平均粒径としては、白色インク化した際の液保存安定性、及び吐出安定性の点から、10nm以上350nm以下が好ましい。なお、前記体積平均粒径としては、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記造膜性樹脂としては、高い耐熱性を有する点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子を含有することで、記録後の加熱乾燥により、残留溶剤を低減させ接着性を向上させることができる。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子の最低造膜温度としては、室温以下でなくても良いが、加熱乾燥させる場合には、少なくとも加熱温度以下であることが好ましく、加熱温度より5℃以上低いことがより好ましい。例えば、加熱温度が60℃の場合は、樹脂の最低造膜温度としては、0℃以上55℃以下が好ましく、25℃以上55℃以下がより好ましい。前記最低造膜温度としては、低い方が造膜性に優れ、前記最低造膜温度が、前記造膜性樹脂のガラス転移温度よりも高いことで、十分な塗膜強度を得ることができる。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子としては、塗膜を形成したときの表面硬度が100N/mm2以上であることが好ましい。前記表面硬度が、100N/mm2以上であると、インクが強靭な塗膜を形成し、より強い耐擦過性を得ることができる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記pH調整剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;第4級アンモニウム水酸化物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン;水酸化アンモニウム;第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記白色インクの製造方法としては、例えば、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、水、及び必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
前記白色インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘度、静的表面張力が下記の範囲であることが好ましい。
前記白色インクの粘度としては、25℃での吐出時が2mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、3mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が、2mPa・s以上であると、白色インクの吐出時の残留振動が起こりにくくなり、駆動波形による吐出後の振動を抑制しやすく、短時間で次の吐出ができ、高速印字に好適に利用することができる。また、20mPa・s以下であると、吐出性を向上することができる。なお、使用環境温度に応じて粘度は変化するため、使用環境温度において前記粘度が上記範囲を満たすことが好ましい。粘度は、例えば、粘度計(商品名:RE−550L、東機産業株式会社製)を用いて測定することができる。
前記静的表面張力としては、25℃で20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、20mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。前記静的表面張力が、20mN/m以上40mN/m以下であると、濡れ性が高くなり記録媒体上でのブリーディングを低減することができ、記録媒体表面でのドットの拡大が起こるため、発色性を向上することができる。また、20mN/m以上であると、インクジェットヘッドのノズルプレートに濡れすぎることがなく、メンテナンスによるワイピング斑によってノズル孔周辺の白色インクの染み出し及び濡れ性の不均一を引き起こしたり、並びに吐出曲がり、及び不吐出状態を引き起こしたりすることを防止することができる。
前記白色インクとしては、例えば、インクジェット用であることが好ましく、加熱乾燥用であることがより好ましい。
他の塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、バーコート法、ロールコート法などが挙げられる。
本発明のインクセットは、例えば、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットなどが挙げられる。
白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットとしては、白色インク、及び中空樹脂粒子を含有しないインクを含有し、必要に応じてその他のインクを含有してなる。
白色インクと他のインクとを用いて、白色インクを塗布後、加熱記録による画像の定着を行い、白色インクによる塗膜上に、他のインクを塗布する場合、白色インク中の中空樹脂粒子が、他のインク中の溶剤の影響を受けて、前記中空樹脂粒子のガラス転移温度が低下し、透明化が引き起こされる傾向にある。前記透明化により、白色インクのよる塗膜の反射光量が減少することにより、前記塗膜上に形成された他のインクの着色が反射光を利用できないため、他のインクの発色が不十分となってしまう問題がある。
そこで、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットを用いることにより、前記白色インクによる塗膜上に、前記中空樹脂粒子を含有しないインクを塗布しても白色インクによる塗膜の白色度が低下することを防止し、前記中空樹脂粒子を含有しないインクの発色の低下を抑制することができることを見出した。
前記中空樹脂粒子を含有しないインクとしては、水、水溶性有機溶剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してなり、中空樹脂粒子を含有しない。
前記水としては、本発明の白色インクに用いられる水と同様のものを用いることができる。
前記240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとしては、白色インクで用いられる240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールと同様のものを用いることができる。
前記着色剤としては、本発明の白色インクにおけるその他の着色成分と同一のものを用いることができる。
前記界面活性剤、前記造膜性樹脂、前記防腐防黴剤、前記防錆剤、及び前記pH調整剤としては、本発明の白色インクに用いられる界面活性剤、造膜性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、及びpH調整剤と同一のものを用いることができる。
本発明のインクカートリッジは、前記白色インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
ここで、図1は、前記インクカートリッジを示す概略図であり、図2は、図1のインクジェットカートリッジのケース200も含めた概略図である。
図1に示すように、インク注入口242から前記白色インクがインク袋241内に充填され、排気した後、前記インク注入口242は融着により閉じられる。
使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に、後述する本発明のインクジェット記録装置本体101の針が刺されて、前記白色インクがインクジェット記録装置本体101に供給される。インク袋241は、透気性の低いアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。前記インクカートリッジ201は、前記白色インクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置101に着脱可能に装着して用いることが好ましい。
前記インクジェット記録方法は、白色インクを飛翔させ記録媒体に付与するインク付与工程、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱工程を少なくとも含み、前記加熱工程が、前記記録媒体を加熱する第1の加熱処理、前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理を少なくとも含むことが好ましく、更に必要に応じて、適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程などを含む。
前記インクジェット記録装置は、白色インクを飛翔させ記録媒体に付与するインク付与手段、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段を少なくとも含み、前記加熱手段が、前記記録媒体を加熱する第1の加熱処理、前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理を少なくとも含むことが好ましく、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
前記インク付与工程としては、前記白色インクに、刺激(エネルギー)を印加し、前記白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。
前記インク付与手段としては、前記白色インクに、刺激(エネルギー)を印加し、前記白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する手段である。
前記インク付与手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが挙げられる。
前記刺激(エネルギー)としては、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができる。前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好ましい。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ;発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ;温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ;静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
本発明のインクセットである、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットを用いる場合、前記白色インクを記録媒体に塗布する白色インク塗布工程と、前記白色インク塗布工程により、塗膜を形成後、前記塗膜上に中空樹脂粒子を含有しないインクを塗布する工程を有することが好ましい。前記白色インクの塗布量としては、前記中空樹脂粒子を含有しないインクの塗布量よりも多いことが好ましく、10g/m2以上100g/m2以下がより好ましい。なお、有機中空粒子を含有しないインクの塗布量とは、インク全色の合計の塗布量を意味する。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの液滴の大きさとしては、例えば、3×10‐15m3以上40×10‐15m3以下(3pL以上40pL以下)が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクの駆動周波数としては、1kHz以上が好ましい。
前記記録媒体に付与する前記白色インクにより得られる画像の解像度としては、60dpi以上が好ましく、150dpi以上がより好ましい。
前記インク付与手段としては、例えば、インクジェットヘッドなどが挙げられる。前記インクジェットヘッドとしては、例えば、液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材に、少なくとも一部にステンレス鋼(SUS)、シリコン、及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されるものなどが挙げられる。
前記ステンレス鋼としては、幅広い液性のインクに対応でき熱伝導率も高いため、ステンレス鋼部材で構成された前記インクジェットヘッドは、温度調節性を向上することができる。
前記シリコンとしては、半導体技術、及び微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)技術を用いて加工することができるため、非常に微細でかつ高精度の加工をすることができる。
前記ニッケルとしては、電鋳技術を用いて、金属薄膜を製造することができるため、高精度の形状を作製することができる。
前記ニッケルとしては、酸性にすることで容易に溶けてしまうため、インク適応性が低い傾向にあるが、パラジウム等の合金にて電鋳することで高い耐久性を有し、かつ加工性に優れた金属薄膜部品を製造することができる。
前記インクジェットヘッドのノズルのノズル直径としては、50μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
前記インクジェット記録方法としては、白色インクが付与された記録媒体を加熱乾燥する加熱工程を有することが好ましい。
前記インクジェット記録装置としては、白色インクが付与された記録媒体を加熱乾燥する加熱手段を有することが好ましい。
前記インクジェット記録方法の加熱工程としては、第1の加熱処理を含むことが好ましく、さらに、第1の加熱処理の後に、第2の加熱処理を含むことがより好ましい。
前記インクジェット記録装置の加熱手段としては、第1の加熱部材を有することが好ましく、さらに、第1の加熱部材に加えて、第2の加熱部材を有することが好ましい。
前記インクジェット記録方法としては、白色インクを飛翔付与させた記録媒体を、白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程において第1の加熱処理を設けることができる。
また、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットにおいても、白色インクを飛翔付与させた記録媒体を、白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程において第1の加熱処理を設けることができる。
加熱手段における前記第1の加熱部材としては、例えば、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーターなどが挙げられる。
加熱工程における前記第1の加熱処理及び加熱手段における第1の加熱部材を設けることで、記録媒体に、白色インク付着直後の乾燥定着を促進し、白色インクの塗膜面上の移動を抑制することができる。これにより、ビーディング及びブリーディングを抑制し、記録媒体への印字性及び画質を向上させることができ、また、乾燥を促進することで白色インクの成分中の樹脂成分が被膜形成しやすくなり、記録直後の定着性を向上させることができる。
前記インクジェット記録方法においては、加熱工程における前記第1の加熱処理後の記録媒体の白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程における第2の加熱処理を設けることができる。
また、白色インクと中空樹脂粒子を含有しないインクとからなるインクセットにおいても、加熱工程における前記第1の加熱処理後の記録媒体の白色インクの定着乾燥を促すために加熱工程における第2の加熱処理を設けることができる。
加熱工程における前記第2の加熱処理の加熱手段における第2の加熱部材としては、例えば、空気を加熱する熱発生源が電熱線のような抵抗加熱方式、IHヒータのような誘導加熱方式、高周波誘導加熱のような誘電加熱方式、電子レンジのようなマイクロ波加熱方式、ハロゲンヒータのような赤外線加熱方式などが挙げられる。前記赤外線加熱方式としては、例えば、ニクロム線発熱体、ハロゲンランプ、ハロゲンヒータ、セラミックヒータ等の様々な熱源が挙げられ、複雑な形状を取ることができる。
前記温風で白色インクを乾燥することで、記録媒体の表面から白色インクに含まれる水、水溶性有機溶剤などの蒸気を除去することができ、風無く加熱するより効果的に乾燥することができる。加熱工程における前記第2の加熱処理において、白色インク成分中の樹脂成分が被膜形成しやすくなり、中空樹脂粒子中の溶媒成分の乾燥を促進させ、定着性の向上、及び白色発現を向上させることができる。
以下、本発明のインクジェット記録装置について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係るインクジェット記録装置について図3、図4、及び図5を参照して説明する。なお、図3は、インクジェット記録装置の要部側面の説明図であり、図4は、図3の画像形成部2を底面側から見た要部底面の説明図であり、図5は、図3のキャリッジ23を底面側から見た要部底面の説明図である。
また、キャリッジ23には、インクと反応することでインクの定着性を高める定着液を吐出する液体吐出ヘッドなども搭載できる。
なお、インクジェット記録ヘッド24は滴吐出方向を垂直方向下方向としているので、液垂れを防止するために負圧を形成する必要があり、ヘッドタンク29はバッファタンクとしての機能と共に負圧維持機能を有している。
前記維持回復機構9には、インクジェットヘッド24の各ノズル面をキャピングするための各キャップ92a、92b、92c、92d、92e(区別しないときは「キャップ92」という。)と、ノズル面をワイピングするワイパ部材(ワイパブレード)93と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94などを備えている。
以上のように構成した前記インクジェット記録装置においては、送り出し部4から記録媒体10が一スキャンに応じた搬送量ごと水平方向に送り出される。インクジェットヘッド24による記録領域に対応して第1のプラテン53が配置されており、第1のプラテン53にヒータが組み込まれており記録媒体10を記録面裏面から加熱することができる。第1のプラテン53は記録媒体10を加熱する。
前記制御部500は、前記インクジェット記録装置全体の制御を司るCPU501と、前記CPU501に本発明に係る制御(処理)を実行させるプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、記録データ等を一時格納するRAM503と、前記インクジェット記録装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、記録データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他インクジェット記録装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505などを備えている。
キャリッジ23を移動走査する主走査モータ25を駆動制御するためのキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を備えている。
また、制御部500には、前記インクジェット記録装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など滴量の異なる液滴を吐出させて大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、インク供給ユニット駆動制御部535を介して供給モータ31を駆動させ、供給ポンプを動作させることで、インクタンク30からヘッドタンク29へのインクの送液、又はヘッドタンク29からインクタンク30へのインクの逆送を行う。
前記インクジェット記録装置においては、インクカートリッジ201中のインクジェット用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋241だけを交換することができる。
前記インクジェット記録物は、記録媒体上に、本発明の白色インクを用いて形成された画像を有する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などが挙げられる。本発明の白色インクとしては、透明フィルムや着色記録媒体に適用される場合に、特に良好な発色を備えた画像を提供することができる。
前記透明フィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチック素材からなるものなどが挙げられる。
前記着色記録媒体としては、例えば、着色された紙、着色された前記透明フィルム、生地、衣服、セラミックなどが挙げられる。なお、カラー印字の際にインクより前に前記白色インクで印字することによって、記録媒体の色を白に揃えることができ、インクの発色を向上させることができる。
−二酸化チタン水分散体の調製−
分散容器に、高純水30.8g、分散剤(商品名:DISPERBYK−190、ビックケミー・ジャパン株式会社製)1.2gを入れ、軽く撹拌して均一にした後、二酸化チタン(商品名:GTR−100、堺化学工業株式会社製、一次粒径:260nm、結晶形:ルチル型、水分散用有機処理品)12.0gを加え、水冷しながら超音波ホモジナイザー(商品名:US−300T、株式会社日本精機製作所製、チップ:φ26)により200μAで1時間処理し、平均孔径5μmのセルロースアセテートメンブランフィルター(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス社製)で濾過して、固形分30質量%の二酸化チタン水分散体を得た。体積平均粒径(D50)は352nmであった。前記体積平均粒径(D50)は、粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)を用いて測定した。
−−ウレタン樹脂粒子の調製1−−
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとを反応させた反応生成物であるポリカーボネートジオール1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱して2,2−ジメチロールプロピオン酸を溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1,445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を得た。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を80℃まで冷却し、トリエチルアミン149gを添加し、混合した混合物の中から4,340gを抜き出して、強撹拌しつつ水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去して、ウレタン樹脂粒子分散液Aを得た。
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとを反応させた反応生成物であるポリカーボネートジオール1,500g、ポリオキシエチレン鎖含有ジオール(商品名:DHD1000S、三井化学株式会社製)254g、及びアセトン600gを窒素気流下で仕込み、混合溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを390g、オクチル酸第一錫(触媒)を0.7g加えて55℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液2を得た。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液2にアセトン860gを加え混合し30℃まで冷却した。
次いで、イオン交換水4,000gをゆっくりと添加し、プレポリマーの水分散体を得た。
次いで、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液148gを加えて前記プレポリマーの鎖延長反応を行った。その後、水の量を調整することで、固形分濃度が30質量%となるようにアセトンを留去して、ウレタン樹脂粒子分散液Bを得た。
−白色インクの調製−
3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点:203℃)29質量%、2−ピロリドン(沸点:245℃)1質量%、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点:231℃)1質量%、フッ素系界面活性剤(商品名:FS−300、デュポン社製、有効成分40質量%)0.25質量%、消泡剤(商品名:エンバイロジェムAD01、エアープロダクツ社製)0.5質量%、抗菌剤(成分名:1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、商品名:PROXEL GXL、アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)0.05質量%、イオン交換水(残量)をビーカに加え、スターラーにて15分間撹拌を行い均一に混合し混合液を得た。次に、前記混合液に前記ウレタン樹脂粒子分散液A(固形分濃度:30質量%、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)11質量%)33質量%を添加し、15分間撹拌後、中空樹脂粒子としての架橋型スチレン−アクリル樹脂A(商品名:ローペイクULTRA E、ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)30質量%を添加し30分間撹拌した。その後、孔径5μmのセルロースアセテートメンブランフィルター(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス社製)にて加圧濾過し、粗大粒子を除去した。以上より、実施例1の白色インクを作製した。なお、前記中空樹脂粒子のガラス転移温度は、窒素雰囲気下で常温から昇温乾燥し、200℃で30分間乾燥させた前記中空樹脂粒子を冷却し、示差走査熱量計(DSC)にて常温から200℃まで5℃/minで昇温させることで測定した。
実施例2〜12及び比較例1〜6について、表1〜表3に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、白色インクを作製した。表1〜3に実施例1〜12及び比較例1〜6の組成及び含有量を示す。
*1:商品名:ローペイクULTRA E(ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)
*2:商品名:ローペイクULTRA DUAL(ローム・アンド・ハース社製、有効成分:30質量%)
*3:商品名:SX868B(JSR株式会社製、有効成分:20.3質量%)
*4:商品名:Nipol MH8101(日本ゼオン株式会社製、有効成分:26.5質量%)
*5:商品名:FS−300(デュポン社製)
*6:商品名:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
*7:商品名:Proxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)
−白色画像の白色度−
作製した白色インク1〜9、及び白色インク13〜17を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレード(東洋精機製作所製、ウェット膜厚:25μm)を用いて、成膜し、表4に示す加熱温度で600秒間加熱し、その後、乾燥器(商品名:マルチオーブンMOV−300S、アズワン株式会社製)の自然対流モードを用いて表4に示す乾燥温度で1,800秒間乾燥させ白色インク塗膜を得た。
その後、室温(25℃)で成膜し、そのまま4日間室温(25℃)で十分に乾燥させた白色画像の白色度(明度:L1*)に対する、表4に示す加熱温度及び乾燥温度で乾燥させた塗膜における白色画像の白色度(明度:L2*)の差(ΔL*=(室温成膜及び室温乾燥後の明度:L1*)−(表4に示す加熱乾燥後の明度:L2*))から以下の評価基準に基づき、白色画像の白色度を評価した。結果を表4に示す。前記明度の測定は、記録したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて測定した。
[評価基準]
A : ΔL*が5未満
B : ΔL*が5以上10未満
C : ΔL*が10以上
−インクジェット記録方法による白色画像の白色度−
外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付けたインクジェットプリンター(商品名:IPSiO GXe3300、株式会社リコー製)のインクジェットヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、排出される洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液した。次に、前記洗浄液を装置から排出し、評価用インクジェット記録装置とした。また、白色インク1〜9及び白色インク13〜17を5Pa以上10Pa以下の減圧条件で、30分間撹拌することで白色インク中の気体を脱気した。その後、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。前記インクジェットプリンターに充填動作を行わせ、全ノズルに白色インクが充填され異常画像が出ないことを確認した。インクジェットプリンターの設定は、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモード選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。前記印字モードで記録媒体上へのベタ画像の白色インク付着量が20g/m2となるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
[評価基準]
A : ΔL*値が5未満
B : ΔL*値が5以上10未満
C : ΔL*値が10以上
前記乾燥後の塗膜面を指の腹で擦ることで剥離状態を確認し、下記評価基準に基づき、白色インクの乾燥性を評価した。
[評価基準]
A: 塗膜が剥がれない
B: 塗膜の一部が剥がれ、指に白色インクが転写する
C: 塗膜が剥がれて無くなる
吐出状態を確認した後、ヘッドノズル面をキャップで保護して2週間放置した。2週間放置後に吐出動作を行い、吐出状態を確認して、下記評価基準に基づき、白色インクの吐出安定性を評価した。
[評価基準]
A: 問題なく全ノズルから吐出する
B: 吐出しないノズルが存在するが、維持回復動作を行うと回復できる
C: 吐出しないノズルが存在し、維持回復動作を行っても回復しない
−顔料分散液の調製−
−−シアン顔料分散液の調製例1−−
シアン顔料(ピグメントブルー15:3、商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)15部、アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)2部、及びイオン交換水83部を混合した後、ディスクタイプのビーズミル(KDL型、株式会社シンマルエンタープライゼス社製、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して、シアン顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
シアン顔料を、マゼンタ顔料(ピグメントレッド122、商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
シアン顔料を、イエロー顔料(ピグメントイエロー74、商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
シアン顔料を、ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:Black Pearls 1000、キャボット社製)に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製例1と同様にして、ブラック顔料分散液(全固形分:17質量%、顔料固形分:15質量%)を得た。
−−シアンインク(Cy−1)の調製例1−−
シアン顔料分散液20部、水性ポリウレタン樹脂粒子分散液(固形分:25質量%)ハイドラン HW−340 (平均粒径:35nm、DIC株式会社製)24部、フッ素系界面活性剤(商品名:FS−300、デュポン社製)2部、1,4−ブタンジオール12部、1,2−プロパンジオール10部、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル10部、グリセリン8部、エンバイロジェムAD01 (エアープロダクツ社製)0.5部、イオン交換水(残量)、及びProxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)0.1部を混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過し、シアンインクを得た。
表7及び表8に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、シアンインク(Cy−1)の調製例1と同様にして、シアンインク(Cy−1、及びCy−2)、マゼンタインク(Ma−1、Ma−2、Ma−3、及びMa−4)、イエローインク(Ye−1、Ye−2、及びYe−3)、並びにブラックインク(Bk−1、Bk−2、及びBk−3)を得た。表7及び表8にシアンインク(Cy−1、及びCy−2)、マゼンタインク(Ma−1、Ma−2、Ma−3、及びMa−4)、イエローインク(Ye−1、Ye−2、及びYe−3)、並びにブラックインク(Bk−1、及びBk−2)の調製例2〜11を示す。
*5:商品名:FS−300(デュポン社製)
*6:商品名:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
*7:商品名:Proxel GXL(アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)
*8:商品名:ハイドランHW−340(DIC株式会社製)
(実施例49)
実施例1で得た白色インク1と、調製例1で得たシアンインク(Cy−1)とを有するインクセットを作製した。
白色インク1、及びシアンインク(Cy−1)を、表8〜表14に記載の白色インク、及びカラーインクに変更した以外は、実施例49と同様にして、インクセットを作製した。表8〜14に実施例49〜84及び比較例27〜50のインクセットを示す。
外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付けたインクジェットプリンター(商品名:IPSiO GXe3300、株式会社リコー製)のインクジェットヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、排出される洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液した。次に、前記洗浄液を装置から排出し、評価用インクジェット記録装置とした。また、各インクセットのインクを5Pa以上10Pa以下の減圧条件で、30分間攪拌することで各インク中の気体を脱気した。その後、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。前記インクジェットプリンターに充填動作を行わせ、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認した。インクジェットプリンターの設定は、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモード選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。前記印字モードで記録媒体上へのベタ画像のインク付着量が20g/m2となるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
−評価基準−
A:ΔEが5未満
B:ΔEが5以上10未満
C:ΔEが10以上
(実施例85)
実施例10で得た白色インク10と、調製例5で得た中空樹脂粒子を含有しないシアンインク(Cy−2)とを有するインクセットを作製した。
白色インク10、及びシアンインク(Cy−2)を、表15及び表16に記載の白色インク、及び中空樹脂粒子を含有しないインクに変更した以外は、実施例85と同様にして、インクセットを作製した。表15及び16に実施例85〜89及び比較例51〜55のインクセットを示す。
インクジェットヘッド(商品名:MH5440、株式会社リコー製)を備えた図3の構成の装置を用いて評価を行った。インクジェットマットコート紙へ1,200dpi×1,200dpiとなる解像度でベタ画像を記録したとき、インクジェットマットコート紙への白色インク塗布量が30g/m2、及び中空樹脂粒子を含有しないインクの塗布量が15g/m2となるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。このときのベタ画像への付着量を100%として、記録画像を重ね合せることで400%まで付着量を増やして評価を行った。また、記録する記録媒体としてPPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を使用し、出力画像は1,200dpi×1,200dpi、印字速度は0.15mm/secとなるようにインクジェットヘッドの駆動周波数を変更し記録速度を調整した。
次に、温風温度70℃、温風の風量10m3/m2/sec、記録中の加熱乾燥時間を含めて15分間とし、加熱乾燥させ、下記の評価基準に基づき、「乾燥性」、及び「着色度」を評価した。なお、加熱乾燥の温度はフィルム表面の温度を設定温度とし、東亜電器モールド型表面センサーMF−O−Kを接触させて計測した。温風温度も同様に温風出口での風の温度を測定した。
得られた画像に対して、画像面を人差し指の腹で軽く擦ることで剥離状態を確認し、画像の「乾燥性」を評価した。結果を表16及び17に示した。
−−−−評価基準−−−−
A:画像が剥がれない
B:画像の一部が剥がれ、人差し指にインクが転写する
C:画像が剥がれて無くなってしまう
前記ベタ画像を記録した透明PETフィルムのベタ画像記録側に市販の黒紙又は白紙を敷き、分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて記録部分の色相をPETフィルム側から測定し、バックグラウンドが黒紙及び白紙のときの色相差(ΔE)を算出し、下記の評価基準に基づき、着色度を評価した。結果を表16及び17に示した。
−−−−評価基準−−−−
A:ΔEが10未満
B:ΔEが10以上20未満
C:ΔEが20以上30未満
D:ΔEが30以上
−第1の加熱処理及び第2の加熱処理の温度における影響の評価−
作製した白色インク11について、上記で説明した図3に示すインクジェット記録装置を用いて、インクジェットヘッドに商品名:RICOH MH5440(株式会社リコー製)を用いて、下記の評価を行った。また、白色インクの吐出量は、インクジェットマットコート紙(商品名:スーパーファイン紙KA4250SFR、セイコーエプソン株式会社製)に、1200dpi×1200dpiとなる解像度でベタ画像を記録し、重ね打ちを含めて白色インク付着量が60g/m2となるようにインクジェットヘッドの駆動電圧を変更することで調整した。さらに、記録する記録媒体として透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)を使用し、記録速度は0.15mm/secとなるようにヘッドの駆動周波数を調整し、表6に示す第1の加熱処理における温度条件下で記録した。その後、表6に示す第2の加熱処理における温度で、温風を当てることで白色インクを乾燥させ、記録物を得た。
なお、各加熱工程での温度は、透明PETフィルム表面の温度を設定温度とし、モールド型表面センサー(商品名:MF−O−K、東亜電器株式会社製)を接触させて計測した。温風温度も同様に温風出口での風の温度を測定した。また、温風加熱時の第2のプラテンには温風温度と同じ温度になるように加熱するように設定した。温風の風量は10m3/m2/secとなるように設定した。加熱乾燥は記録中の加熱時間を含めて15分間とし、温風時間は15分間で行った。
前記記録物について、室温(25℃)で記録し、そのまま4日間室温(25℃)で十分に乾燥させた白色画像の白色度(明度:L1*)に対する、表6に示す条件下で加熱乾燥させた前記記録物の白色画像の白色度(明度:L2*)の差(ΔL*=(室温成膜及び室温乾燥後のL1*)−(加熱乾燥後のL2*))から以下の評価基準に基づき、白色画像の白色度を評価した。前記明度の測定は、記録したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計(商品名:X−Rite939、エックスライト株式会社製)を用いて測定した。
[評価基準]
A: ΔL*値が70以上
B: ΔL*値が60以上70未満
C: ΔL*値が60未満
第1の加熱処理後の白色インク塗膜をスパチュラにて剥ぎ取り、熱重量測定・示差熱分析装置(商品名:ThermoPlus、株式会社リガク製)を用いて、熱重量変化(TG)データから水溶性有機溶媒成分の重量を算出し、白色インク単体の溶剤重量との相対値(%)で示した。熱重量測定・示差熱分析装置で白色インク約15mgを窒素雰囲気下で10K/minで300℃まで昇温させ、TGデータを得た。水溶性有機溶媒成分の重量は、白色インク単体のTGデータから水分量Siw(%)、及び水溶性有機溶媒総量Sio(%)と一致する減少量を示す温度Tw(℃)、To(℃)を求め、白色インク塗膜のTGデータからTwにおける重量Wsw(mg)、Toにおける重量Wso(mg)を出し、以下の式で白色インク塗膜の水分量、水溶性有機溶媒の含有量を求めた。
水分量=Wsw×(100−Siw−Sio)/Wso
水溶性有機溶媒の含有量=(Wsw−Wso)×(100−Siw−Sio)/Wso
前記乾燥後の白色インク塗膜面を指の腹で擦ることで剥離状態を確認し、下記評価基準に基づき白色インクの乾燥性を評価した。
[評価基準]
A: 塗膜が剥がれない
B: 塗膜の一部が剥がれ、指に白色インクが転写する
C: 塗膜が剥がれて無くなる
吐出状態を確認した後、ヘッドノズル面をキャップで保護して2週間放置した。2週間放置後に吐出動作を行い、吐出状態を確認して、下記評価基準に基づき、白色インクの吐出安定性を評価した。
[評価基準]
A: 問題なく全ノズルから吐出する
B: 吐出しないノズルが存在するが、維持回復動作を行うと回復できる
C: 吐出しないノズルが存在し、維持回復動作を行っても回復しない
<1> 水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、
前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種を含み、
前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、75.0質量%以上であることを特徴とする白色インクである。
<2> インクジェット用である前記<1>に記載の白色インクである。
<3> 240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、13質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の白色インクである。
<4> 少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールが、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールから選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の白色インクである。
<5> 中空樹脂粒子の体積平均粒径が、0.2μm以上1μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の白色インクである。
<6> 中空樹脂粒子の中空率が、30%以上95%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の白色インクである。
<7> 中空樹脂粒子が、スチレン−アクリル樹脂である前記<1>から<6>のいずれかに記載の白色インクである。
<8> 中空樹脂粒子の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の白色インクである。
<9> 造膜性樹脂をさらに含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の白色インクである。
<10> 造膜性樹脂の体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の白色インクである。
<11> 造膜性樹脂が、ポリウレタン樹脂である前記<1>から<10>のいずれかに記載の白色インクである。
<12> 造膜性樹脂の含有量が、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載の白色インクである。
<13> 加熱乾燥用である前記<1>から<12>のいずれかに記載の白色インクである。
<14> 水、水溶性有機溶剤、及び中空樹脂粒子を含有する着色剤を含有する白色インクと、水、及び水溶性有機溶剤を含有し、中空樹脂粒子を含有しないインクと、からなるインクセットにおいて、
前記白色インク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記白色インク中の前記ジオールの含有量が、前記白色インク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であり、
中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の前記ジオールの含有量が、前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であることを特徴とするインクセットである。
<15> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の白色インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジである。
<16> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット用である白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク付与手段と、
画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段と、を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 加熱手段が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱部材と、
記録媒体に温風を当てる第2の加熱部材と、をこの順に有する前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 第2の加熱部材の温風温度が、第1の加熱部材の加熱温度を超える前記<17>に記載のインクジェット記録装置である。
<19> 第1の加熱部材の加熱温度が、中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<17>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<20> 第1の加熱部材後の白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量が、20質量%以下である前記<17>から<19>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<21> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクジェット用である白色インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク付与工程と、
画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥する加熱工程と、を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<22> 加熱工程が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱処理と、
前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱処理と、をこの順に含む前記<21>に記載のインクジェット記録方法である。
<23> 第2の加熱処理の温風温度が、第1の加熱処理の加熱温度を超える前記<22>に記載のインクジェット記録方法である。
<24> 第1の加熱処理の加熱温度が、中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<22>から<23>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<25> 第1の加熱処理後の白色インク中の水溶性有機溶剤の含有量が、20質量%以下である前記<22>から<24>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<26> 前記<14>に記載のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
白色インクを記録媒体に塗布する第一の塗布工程と、有機中空粒子を含有しないインクを、白色インク塗膜上に塗布する第二の塗布工程とをこの順に有することを特徴とする記録方法である。
<27> 記録媒体への白色インクの塗布量が、前記記録媒体への有機中空粒子を含有しないインクの塗布量より多い前記<26>に記載の記録方法である。
<28> 第一の塗布工程と、第二の塗布工程との間に、白色インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を有し、
前記加熱工程における加熱温度が、白色インク中の中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い前記<26>から<27>のいずれかに記載の記録方法である。
前記<15>に記載のインクカートリッジは、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、インクカートリッジは、記録媒体上に形成した白色画像を速やかに加熱乾燥させても、白色画像の白色度の低下を抑制することができる白色インクを収容できるインクカートリッジを提供することを目的とする。
101 インクジェット記録装置
Claims (12)
- 水と、水溶性有機溶剤と、中空樹脂粒子を含有する着色剤とを含み、
前記水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有する一価アルコールと、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールとから選択される少なくとも1種と、
240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤と、を含み、
前記一価アルコールと、前記ジオールとから選択される少なくとも1種の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、80質量%以上95質量%以下であることを特徴とする白色インク。 - 240℃を超える沸点を有する水溶性有機溶剤の含有量が、水溶性有機溶剤全量に対して、13質量%以下である請求項1に記載の白色インク。
- 少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールが、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の白色インク。
- 水、水溶性有機溶剤、及び中空樹脂粒子を含有する着色剤を含有する白色インクと、水、及び水溶性有機溶剤を含有し、中空樹脂粒子を含有しないインクと、からなるインクセットにおいて、
前記白色インク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記白色インク中の前記ジオールの含有量が、前記白色インク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であり、
中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤が、240℃以下の沸点を有し、少なくとも1つの水酸基がアルカン鎖の末端以外に結合している炭素数4以上6以下のジオールを含み、
前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の前記ジオールの含有量が、前記中空樹脂粒子を含有しないインク中の水溶性有機溶剤の全量に対して、80質量%以上であることを特徴とするインクセット。 - 請求項1から3のいずれかに記載の白色インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から3のいずれかに記載の白色インクを飛翔させて記録媒体に付与するインク付与手段と、
前記白色インクが付与された前記記録媒体を加熱乾燥する加熱手段と、を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 加熱手段が、記録媒体を40℃以上70℃以下で加熱する第1の加熱部材と、
前記記録媒体に温風を当てる第2の加熱部材と、をこの順に有する請求項6に記載のインクジェット記録装置。 - 第2の加熱部材の温風温度が、第1の加熱部材の加熱温度を超える請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項4に記載のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
白色インクを記録媒体に塗布する第1の塗布工程と、有機中空粒子を含有しないインクを、白色インク塗膜上に塗布する第2の塗布工程と、をこの順に含むことを特徴とする記録方法。 - 第1の塗布工程と、第2の塗布工程との間に、白色インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程を含み、
前記加熱工程における加熱温度が、白色インク中の中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い請求項9に記載の記録方法。 - 請求項4に記載のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
白色インクを記録媒体に塗布する第1の塗布手段と、有機中空粒子を含有しないインクを、白色インク塗膜上に塗布する第2の塗布手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 第1の塗布手段と、第2の塗布手段との間に、白色インクが付与された記録媒体を加熱する加熱手段を有し、
前記加熱手段における加熱温度が、白色インク中の中空樹脂粒子のガラス転移温度より、30℃以上低い請求項11に記載のインクジェット記録装置。
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