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JP6519177B2 - 発光装置及び発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)は、低消費電力、長寿命、高信頼性など多くの特長を有し、各種照明やバックライト用光源など様々な用途で広く利用されている。LEDを用いた発光装置として、特許文献1に開示されるような、小型のCSP(Chip Size Package)タイプのものが知られている。
特許文献1に記載の発光装置は、半導体層と、p側電極及びn側電極と、p側配線層及びn側配線層と、各配線層を絶縁する絶縁層と、を有し、外部端子として、各々の配線層が絶縁層の複数の面から露出される。このような構成とすることで、小型で実装性の良い発光装置を形成することができる。
しかしながら、上記の各電極及び配線層はメッキ法等で形成されるため、時間とコストがかかり、製造効率が悪くなる恐れがある。
特開2012−146898号公報
本発明の実施形態は、小型でより製造効率のよい発光装置を提供することを目的とする。
実施形態に係る発光装置は、同一面側に正負の電極を有する発光素子と、前記電極を有する面に対向する第1主面と、その反対側の第2主面と、前記孔に対応する位置において前記第1主面から前記第2主面へ貫通する孔と、を有する光反射性基板と、前記孔に配置されて前記電極と接合する略球状のコアと、前記コアと前記孔の隙間に充填される被覆部と、を有する導電部材と、を備え、前記孔は、前記第2主面から前記第1主面へ狭くなるテーパー形状である発光装置。
本発明の実施形態によれば、小型で、より製造効率のよい発光装置を提供することができる。
実施形態1に係る発光装置100Aの断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第1の工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第2の工程を示す斜視図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第2の工程を示す斜視図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第3の工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第4の工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第5の工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の透光部材形成工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の個片化工程を示す断面図である。 実施形態1に係る発光装置100Aを配線基板200へ実装した発光モジュール1000の断面図である。 実施形態2に係る発光装置100Bを示す断面図である。 実施形態3に係る発光装置100Cを実装面側から見た平面図である。 実施形態4に係る発光装置100Dを示す断面図である。 実施形態4に係る発光装置100Eを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、実施形態の技術的思想を具現化するためのものであって、以下に限定するものではない。特に、構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下に記載される実施形態は、各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
<実施形態1>
(発光装置)
図1は、実施形態1に係る発光装置100Aの断面図である。発光装置100Aは、同一面側に正負の電極12n,12pを有する発光素子10を備える。また、発光素子10の電極12を有する面側に光反射性基板20を備える。光反射性基板20は、発光素子10の電極12を有する面に対向する第1主面20aと、その反対側の第2主面20bとを有する。さらに、光反射性基板20には、電極12に対応する位置に、第1主面から第2主面へ貫通する(すなわち、光反射性基板20の厚み方向に貫通する)孔21がそれぞれ設けられている。発光素子10の電極12は、孔21内に露出される。
孔21には、導電部材30が配置される。導電部材30は、発光装置100Aに外部から電流を供給する端子である。導電部材30は、電極12と接合する略球状のコア30aと、コア30aと孔21(詳細には、孔21を形成する光反射性基板20の内側面。以降、孔21の内側面22と記載することがある)の隙間を埋めるように充填される被覆部30bと、を備える。本実施形態では、被覆部30bは、発光素子10の電極12とコア30aとを接合させる接着部材として機能する。
より詳細には、本実施形態では、光反射性基板20の第1主面20a及び第2主面20bは略平面であり、孔21の内側面22は、光反射性基板20の第1主面20a及び第2主面20bに対して略垂直である。第1主面20a側と第2主面20b側の孔21の開口は、略同じ直径の略円形である。したがって、本実施形態の孔21は略円柱状である。
また、本実施形態の孔21は、平面視で発光素子10の電極12よりも大きく、電極12が孔21の内側に収まっている。さらに、孔21の直径とコア30aの直径とが略等しく、孔21の内側面22とコア30aとが直接接する。コア30aの直径は、光反射性基板20の厚みよりも大きく、コア30aは第2主面20bから突出する。本実施形態では、被覆部30bは、第2主面20bよりも少ない位置まで充填される。
以上のような構成とすることで、次のような利点がある。まず、コア30aと被覆部30bとを有する前述のような導電部材30は、メッキ等で形成される導電部材に比べて、製造コスト及び時間を削減することができる。さらに、孔21を有する光反射性基板20を用いることで、容易に発光装置100Aを形成することができる。具体的には、導電部材を発光素子と接合してから光反射性物質を含有する樹脂等で埋めることで光反射性基板を設ける場合と比べて、導電部材と発光素子の電極とをそれぞれ位置合わせする高い精度が不要であり、発光装置の形成が容易である。また、導電部材を露出させる工程を省略でき、コストを削減することができる。
次に、平面視で電極12が孔21内に収まるので、半導体層11と電極12との段差が孔21内に配置される。したがって、発光素子10と光反射性基板20とを隙間なく配置することができる。また、孔21の内側面22とコア30aとが接することで、光反射性基板20とコア30aとが固定される。コア30は発光素子10の電極12と接合されるので、ひいては、光反射性基板20と発光素子10とを固定することができる。また、光反射性基板20の厚みよりも大きい直径のコア30aを用いることで、発光装置100Aをさらに配線基板へ実装する場合、コア30aを確実に電極12及び配線基板と接合させることができる。さらに、コア30aが第2主面20bから突出することで、実装性のよい発光装置100Aとすることができる。また、被覆部30bが第2主面20bよりも少ない位置まで充填されることで、被覆部30bが孔21外へ漏出しにくく、発光装置100Aのショート等の不具合を防ぐことができる。
以上のことから、製造効率が良く、容易に形成可能な、小型で信頼性の高い発光装置100Aを得ることができる。
ここで、本実施形態の発光装置100Aは、発光素子10の電極12を有する面と反対側の面が光出射面であり、導電部材30が露出する光反射性基板20の第2主面20bが実装面のトップビュー型の発光装置である。しかし、これに限らず、サイドビュー型の発光装置としてもかまわない。例えば、導電部材30が露出する孔21を、光反射性基板20の側面(すなわち、光反射性基板20の第1主面20a及び第2主面20b以外の面)にも設けることで、サイドビュー型の発光装置とすることができる。
以下、発光装置100Aの各構成部材について、好ましい形態を説明する。
(発光素子)
発光素子10としては、LED素子やLD素子などの半導体発光素子を用いることができる。発光素子10は、少なくとも半導体層11と正負の電極12とを有し、正負の電極12が同一面側に形成されていれば、材料や構成等は特に限定されない。また、発光装置は、複数の発光素子を有していてもかまわない。
なお、発光素子10の電極12を有する面は、(半導体層11と電極12の段差以外の)段差が少ないことが好ましい。これにより、発光素子10と光反射性基板20とを隙間なく配置させることができる。
半導体層11は、例えば、n型半導体層11a、発光層11b、p型半導体層11cが順次積層されたものを用いることができる。半導体層11としては、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化物半導体が好適に用いられる。その他、緑色〜赤色発光のガリウム砒素系、ガリウム燐系半導体でもよい。半導体層11は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層11bは、単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
正負の電極12は、発光素子10に外部から電流を供給するためのものであり、n型半導体層と電気的に接続するn側電極12nと、p型半導体層と電気的に接続するp側電極12pとを有する。電極12の形状は特に限定されず、平面視で円形、正方形、多角形等、適宜選択することができる。電極12の材料としては、例えば、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Ti、Pt、W等の単体金属及びそれらの合金等の金属材料が挙げられる。また、これらの金属材料を単層で、又は積層したものを利用できる。
その他、発光素子10は、半導体層11の成長用の基板等を適宜有していてもよい。基板の材料としては、特に透光性の基板であると好ましい。例えば、半導体層11をGaN等の窒化物半導体を用いて形成する場合には、サファイアやスピネル(MgAl24)のような絶縁性基板、またSiC、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジム等の酸化物基板が挙げられる。
また、発光素子10は、各半導体層の全面に均一に電流を拡散するための導体層や、電極及び/又は半導体層の一部を被覆して電極等のマイグレーションを防止する絶縁性の保護膜等を備えていてもかまわない。保護膜を備えることで、発光素子10と光反射性基板20とを接合させやすくなる。導体層の材料としては、透光性の導電性金属酸化物や、AuとNiとを積層した金属薄膜等が好ましく、特に可視光領域において高い透光性を有するITOが好適に用いられる。保護膜の材料としては、Si,Ti,Taからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物やSiN等を用いることができる。
(光反射性基板)
光反射性基板20は、発光素子10の電極12を有する面と対向する第1主面20aと、その反対側の第2主面20bと、発光素子10の電極12に対応する位置において第1主面から第2主面へ貫通する孔21と、を有しており、発光素子10の光を反射可能な材料と厚みで形成されていれば、材料や構成等は特に限定されない。ここで、電極12に対応する位置とは、発光素子10の電極12を有する面と、光反射性基板20の第1主面20aとを重ね合わせたときに、光反射性基板20が正負の電極12n,12pの少なくとも一部をそれぞれ露出可能である位置を指す。すなわち、孔21どうしの離間距離は、発光素子10のそれぞれの電極12の離間距離によって調整することが好ましい。なお、1つの発光素子が正負の電極を複数有する場合、少なくとも正負の電極をそれぞれ1つずつ露出可能な孔を有していればよい。発光装置が複数の発光素子を有する場合は、それぞれの電極に対応する一対の孔を複数有する光反射性基板を用いることができる。
光反射性基板20の第1主面20aは、発光素子10の電極12を有する面と重ね合わせたときに、隙間ができにくい形状であると好ましい。すなわち、発光素子10の電極12を有する面と嵌合する形状であると好ましく、例えば、孔21の周囲に半導体層11に対応するような凹凸を有すると好適である。これにより、発光素子10の光が隙間から漏れることを防ぐことができる。また、被覆部30bが孔21から流出することを防ぐことができる。
また、本実施形態の孔21の内側面22は、光反射性基板20の第1主面20a及び第2主面20bに対して略垂直であるが、これに限定されない。例えば、孔21の内側面22は、傾斜面、曲面、凹凸面等、適宜選択することができる。実施形態2及び3で、実施形態1と異なる形状の孔を有する光反射性基板を用いる形態について説明する。
なお、孔21の内側面22に、適宜、内側面22と導電部材30との固定を強化するような処理を行ってもよい。処理としては、内側面22に被覆膜や凹凸を設ける、内側面22を粗面化する等が挙げられる。例えば、導電部材30の被覆部30bが半田等である場合、孔21の内側面22にメッキ等で被覆部30bとの濡れ性が良好な金属の被覆膜を設けておくと、被覆部30bと光反射性基板20との密着性を向上させることができ、ひいては、発光素子10、導電部材30、光反射性基板20の固定を強化することができる。内側面22に凹凸や粗面を有する形態については、実施形態3で詳述する。
第1主面20a側の孔21の開口径は、本実施形態のように、平面視で発光素子10の電極12以上の大きさであると好ましい。なお、孔の開口径とは、第1主面20a又は第2主面20b上における孔21の直径である。これにより、孔21内に、導電部材30との接続に十分な広さの電極12を露出させることができる。また、少なくとも電極12の段差を孔21内に収まるように配置させることができるので、発光素子10の電極を有する面と光反射性基板20の第1主面20aとの隙間を減らすことができ、安定的に重ね合わせることができる。
なお、孔21の開口径は、平面視で発光素子10の電極12より小さくてもよい。また、電極12の全てが孔21内に配置されていなくてもかまわない。すなわち、電極12の一部上に、光反射性基板20が配置されていてもかまわない。また、孔21の開口の形状は、平面視で円形、正方形、多角形等、適宜選択することができる。
光反射性基板20は、発光素子10の光を遮光可能な材料で構成されることが好ましい。特に、発光素子10の出射光に対する反射率が約60〜90%以上の材料で形成されると好適である。また、発光素子10の光を吸収しにくい材料であると好ましい。
光反射性基板20としては、例えば、樹脂又はセラミックス等の母材に、光反射性物質を混合したものを用いることができる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。特に、耐熱性の観点から、変性エポキシ樹脂・変性シリコーン樹脂・液晶ポリマーが好ましい。
光反射性物質としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等が挙げられる。光反射性物質は、光反射性基板20の全重量において、約20〜80重量%程度、より好ましくは約30〜50重量%程度であると好ましい。これにより、光反射性基板20の光反射率を高めつつ、強度を確保することができる。光反射性基板20は、さらに、フィラー、拡散材、波長変換部材、着色材等を含んでいてもよい。
(導電部材)
本実施形態では、導電部材30は、孔21内に露出する電極12と接合する略球状のコア30aと、コア30aと孔21(詳細には、孔21の内側面22)の隙間を埋めるように孔21に充填される被覆部30bと、を有する。なお、コア30aは、被覆部30bから露出していてもよいし、表面の略全面が被覆されていてもかまわない。
(コア)
コア30aの直径は、平面視で孔21の直径以下であることが好ましい。これにより、コア30aと電極12とを接合させることができる。特に、コア30aの直径は、平面視で孔21の直径と略同じであると、コア30aと孔の内側面22とを接触させることができるので、コア30aと光反射性基板20とを固定させることができる。コア30aは発光素子10の電極12と接合されるので、ひいては、光反射性基板20と発光素子10とを固定することができる。なお、コア30aの直径は、平面視で孔21の直径の約50〜95%以上であると、コア30aと電極12とを良好に接合させることができる。
また、コア30aの直径は、光反射性基板20の厚み以上であることが好ましい。そうすることで、コア30aを光反射性基板20の第2主面20bと略同じ高さ、又は第2主面20bよりも突出させることができる。例えば、コア30aは、第2主面20bより約10〜100μm程度突出させることができる。これにより、コア30aを、発光素子10の電極12及び発光装置100Aを実装する配線基板と確実に接合させることができる。具体的には、光反射性基板の厚みよりも小さい直径のコアを有する発光装置の場合、発光装置を配線基板に実装する際の加熱等により、発光装置の電極に接合されたコアが配線基板側へ移動する恐れがあるところ、本実施形態のように光反射性基板の厚み以上の直径のコアを有すると、コアは電極と配線基板とに挟まれて移動しないため、双方と確実に接合させることができる。これにより、良好な放熱経路を確保できる。また、実装性の高い発光装置100Aとすることができる。
なお、電極12と接合させることができれば、コア30aの直径は特に限定されない。例えば、コア30aの直径は平面視で孔21の直径より大きくてもよいし、光反射性基板20の厚みより小さくてもかまわない。また、本実施形態では、コア30aは断面視が略円形の略球状であるが、電極12と接合できる形状であれば、コア30aの形状は特に限定されない。なお、本明細書における“略球状”とは、外形が必ずしも曲面でなくてもかまわない。
また、本実施形態では、コア30aは1つの孔21に1つ配置されるが、これに限らず、1つの孔21に複数配置されていてもよい。これにより、さらに放熱性を向上させることができる。
コア30aの材料は、導電性を有するものであり、金属等を好適に用いることができる。具体的には、主成分がCu(具体的には、Cuの含有率が約50質量%以上)であることが好ましい。特に、Cuの含有率が約99質量%以上、又はCuと、Zn、Sn、P、Ni、Au、Mo、Wのうち1種以上から選択される金属との合金であると、熱伝導性や電気伝導性に優れるため好適である。コア30aの直径は、孔21の大きさにもよるが、約1〜1000μm程度、より好ましくは約40〜200μm程度とすることができる。
(被覆部)
被覆部30bは、コア30aが配置された孔21内をある程度充填できる量で設けられると好ましい。また、溶融時に表面張力によって孔21内に留まり、導電部材の形状を維持できる程度の量で設けられると好ましい。具体的には、コア30aと孔21の隙間の約50〜95%程度を充填することが好ましい。これにより、発光素子10とコア30aとを十分な強度で接合することができる。また、被覆部30bが孔21外へ漏れにくく、発光装置100Aのショートを防ぐことができる。
被覆部30bの材料としては、導電性の材料を好適に用いることができるが、コア30aと発光素子10の電極12とが直接接するなどして導通可能な場合は、絶縁性の材料でもかまわない。
導電性の材料としては、特に半田が好ましいが、Ag、Au、Pd等の導電性ペーストでもかまわない。半田としては、Auと、Si、Ge、Snのうち少なくとも1種類以上を含む合金を用いることが好ましい。その他、Ni、Ni−B、Ni−P等を用いてもかまわない。このように、被覆部30bが導電性の材料であると、コア30aと発光素子10の電極12とが直接接しない場合でも、発光素子10と導電部材30とを導通させることができる。また、樹脂等の導電性の材料と比べて、発光素子10の電極12と良好に接着するので、発光素子10と導電部材30の密着性を向上させることができる。
絶縁性の材料としては、例えば樹脂等が挙げられる。樹脂は、フィラー、反射材、拡散材、着色材、波長変換部材等を含んでいてもよい。樹脂が光反射性を有すると、発光素子10の光を発光装置100Aの光出射方向に反射させることができるため好ましい。樹脂等の絶縁性の材料からなる被覆部30bは、前述の導電性の材料と比べて、光反射性基板10と良好に接着するので、光反射性基板20と導電部材30の密着性を向上させることができる。また、絶縁性の材料からなる被覆部30bであると、孔21から溢れたとしても、発光装置100Aにショート等の不具合が発生しない。
(透光部材)
発光装置100Aは、図1に示すように、発光素子10の光が取り出される面上に、発光素子10の光を透過可能な透光部材40を有していてもよい。これにより、発光素子10の表面を保護することができる。また、所望の配光の発光装置100Aとすることができる。
なお、透光部材40は、発光素子10の光が取り出される面全てに設けられる必要はなく、一部に設けられていてもかまわない。また、発光素子10の表面以外に設けられていてもよい。例えば、光反射性基板20上や、発光素子10と光反射性基板20との間に隙間がある場合は、その隙間等に透光部材40を設けることができる。
透光部材40の形状は、膜状、ドーム状、板状等、適宜自由に選択することができ、複数層で構成されていてもよい。また、その表面は、平面、曲面、傾斜面、凹凸面等、適宜選択することができる。
透光部材40は、透光性の母材に波長変換部材を含有するものが好ましい。これにより、所望の発光色の発光装置100Aとすることができる。母材の材料としては、樹脂や、ガラス等の無機物等を用いることができる。樹脂としては、前述の光反射性基板と同様の樹脂材料を用いることができる。特に、透光性、耐熱性及び耐光性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
波長変換部材としては、例えば当該分野で公知の蛍光体を用いることができる。具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al−SiO)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。波長変換部材は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料を用いることができ、半導体材料としては、例えばII−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdSSe1−x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。
波長変換部材は、透光部材40中で偏在させてもよい。また、透光部材40は波長変換部材のみで構成されていてもよいし、波長変換部材を含まなくてもよい。透光部材40は、さらに、フィラー、反射材、拡散材、着色材等を含有していてもよい。
(発光モジュール)
図9は、実施形態1に係る発光装置100Aが配線基板200に実装された発光モジュール1000の断面図である。本実施形態では、発光装置100Aは、導電部材30が露出する光反射性基板20の第2主面20b側が、配線基板200と対向するようにフリップチップ実装される。発光モジュール1000は、少なくとも発光装置100Aと、配線基板200と、発光装置100Aと配線基板200とを接合する接着剤300と、を有する。
(配線基板)
配線基板200は、発光装置100Aが実装される実装基板である。配線基板200は、少なくとも上面において、発光装置100Aの導電部材30に対応する位置に正負の配線201を有する。配線基板200は、配線201のみで構成されてもよいが、正負の配線間を絶縁する基体202を有していてもかまわない。
配線201の材料としては、導電性の高い材料が好適に用いられ、例えばCu、Ni、Pd、W、Cr、Ti、Al、Ag、Au又はそれらの合金等の金属材料が挙げられる。なお、配線201は放熱性の観点から、Cu又はCu合金が特に好ましい。また、配線201の表面に、AuPt、Sn、Ag、Cu、Rh若しくはこれらの合金から成る被膜を形成してもよい。また、Ag又はAg合金の配線の表面を酸化させた酸化物の被膜を有していてもよい。
基体202の材料としては、セラミックス、ガラスエポキシ、樹脂等の絶縁性材料が挙げられる。特に、耐熱性及び耐候性の高いセラミックスが好ましい。セラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等が好ましく、LTCCを用いてもかまわない。その他、金属材料の表面を絶縁性材料で被覆した絶縁性の基体を利用することもできる。
(接着剤)
接着剤300は、発光装置100Aと配線基板200とを接着するためのものである。具体的には、予め配線基板200の配線201上に塗布や印刷等で配置しておき、その上に発光装置100Aの導電部材30を配置して加熱することで、配線201と導電部材30とを接合することができる。
接着剤300としては、例えば、Sn−Bi系、Sn−Cu系、Sn−Ag系、Au−Sn系等の半田(具体的には、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金等)、共晶合金(具体的には、AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等)、Ag、Au、Pdなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電部材、低融点金属などのろう材等が挙げられる。特に、AgとCuとSnとを主成分とする合金であると好ましい。
以下、本実施形態に係る発光装置100Aの製造方法について、図2〜図8を参照して説明する。
(発光装置の製造方法)
(第1の工程)
図2は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第1の工程を示す断面図である。第1の工程では、同一面側に正負の電極12を有する発光素子10を準備する。複数の発光素子10を準備する場合は、樹脂等からなるシート上に所定の間隔を空けて配置しておいてもよい。これにより、第3の工程において、複数の発光素子10と光反射性基板20とを一括に実装することができ、製造効率を高めることができる。なお、複数の発光素子10をシート上に配置する場合は、発光素子10の電極を有する面と反対側の面がシートと接するように配置する。シートは除去してもよいし、発光装置100Aの構成部材の一部として利用してもかまわない。
(第2の工程)
図3A及び図3Bは、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第2の工程を示す斜視図である。第2の工程では、第1主面と、その反対側の第2主面と、発光素子10の電極12に対応する位置において第1主面から第2主面へ貫通する孔21と、を有する光反射性基板20を準備する。第1の工程で複数の発光素子10を準備する場合は、正負の電極12n,12pに対応する孔21を複数有する集合基板である光反射性基板20を準備すると、第3の工程において発光素子10と光反射性基板20とを一括に配置することができ、製造効率を向上させることができる。
光反射性基板20の孔21は、圧縮成形やトランスファー成形で光反射性基板20を成形する金型の形状によって形成することができる。また、板状の光反射性基板20を形成し、打ち抜き、エッチング、レーザ加工等で形成することができる。
なお、第1の工程と第2の工程の順番は特に限定されず、適宜所望の順番で行うことができる。
(第3の工程)
図4は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第3の工程を示す断面図である。第3の工程では、発光素子10の電極12が、それぞれ孔21から露出するように、発光素子10の電極12を有する面と光反射性基板20の第1主面20aとを対向配置する。
具体的には、第1の工程で準備した発光素子10の電極12を有する面上に、第2の工程で準備した光反射性基板20の第1主面20aを対向させて位置合わせし、フラックス等により仮固定することができる。なお、光反射性基板20上に発光素子10を位置合わせして配置してもよい。
フラックスは、予め光反射性基板20の第1主面20a及び/又は発光素子10の電極12を有する面に、ピン転写やディスペンサによる滴下等で配置することができる。フラックスで仮固定することにより、発光素子10と光反射性基板20との位置ずれを防ぐことができる。
第3の工程では、発光素子10の電極12が、光反射性基板20の孔21内に多く露出されるように、発光素子10と光反射性基板20とを配置することが好ましい。これにより、第5の工程において電極12と導電部材とを確実に接合することができる。また、発光素子10と光反射性基板20との間に隙間ができないように配置することが好ましい。例えば、電極12が孔21内にそれぞれ収まるように、発光素子10と光反射性基板20とを配置することが好ましい。これにより、発光素子10の半導体層11と電極12との段差が孔21内に配置されるので、発光素子10と光反射性基板20とを隙間なく安定的に配置することができる。
(第4の工程)
図5は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第4の工程を示す断面図である。本実施形態の第4の工程では、光反射性基板20のそれぞれの孔21に、略球状のコア30aとコア30aを被覆する被覆部30bとを有する略球状の導電部材30をそれぞれ配置することができる。
例えば、被覆部30bの厚みは、孔21の大きさにもよるが、約1〜50μm程度、より好ましくは約1〜10μm程度とすることができる。これにより、第5の工程において、被覆部30bをコア30aと電極12とを良好に接続できる量、且つ、孔21に留まることが可能な量で充填することができる。被覆部30bは、適宜、単層構造又は多層構造とすることができる。
導電部材30は、吸引治具等を用いて光反射性基板20の孔21に配置することができる。その他、例えば、光反射性基板20の外縁を囲む枠を設け、第2主面上に孔の数だけ略球状の導電部材30を配置して光反射性基板20を揺すり、それぞれの孔21に導電部材30を配置させることができる。これにより、製造コストと時間を削減することができる。
第3の工程では、導電部材30の少なくとも一部が孔21に保持されるように配置すればよい。したがって、図5に示されるように、導電部材30は孔21内に収まっていなくてもよい。また、導電部材30は、第3の工程において電極12と接していなくてもかまわない。
導電部材30を孔21に配置する際、フラックス等を用いると、導電部材30を確実に孔21に保持させることができる。フラックスは、例えば、導電部材30を配置する前に、予め前述と同様の方法で光反射性基板20の孔21内に配置しておくことができる。また、光反射性基板20を篩うことで孔21に導電部材が30を配置する場合は、導電部材30がそれぞれの孔21に配置された後で、例えばスプレー噴霧等で設けることが好ましい。
なお、第4の工程は、光反射性基板20の孔21内にフラックスを配置する可能性があること、配置する導電部材30が孔21よりも小さい場合に、導電部材30が孔21から脱落する可能性があること等を考慮し、第3の工程の後に行うことが好ましい。
(第5の工程)
図6は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の第5の工程について示す断面図である。第5の工程では、導電部材30と発光素子10の電極12とを接合する。なお、接合とは、接触させて固定し、電気的に接続することを示す。
本実施形態のように、第4の工程において、コア30aとコア30aを被覆しコア30aよりも融点の低い材料からなる被覆部30bとを有する導電部材30を孔21に配置した場合は、第5の工程において、被覆部30の融点以上で加熱することで、被覆部30を溶融させ導電部材30と電極12とを接合することができる。具体的には、加熱により被覆部30bを溶融させ、コア30aを自身の重みにより沈ませることで電極12と接触させる。溶融した被覆部30bは、孔21の内側面22とコア30aとの隙間を埋めるように、孔21内に充填される。その状態で、被覆部30bが冷えて固まることで、導電部材30(詳細にはコア30a)と電極12とを接合することができる。
前述のように、コア30aと孔21の内側面22とが接触した状態で、コア30aと電極12とを接合すると、光反射性基板20が抜けにくく、部材どうしの密着性の高い発光装置100Aを形成することができる。また、コア30aが略球状であり、孔21の内側面22が略平面であると、コア30aが前述のように電極12側に移動する際の抵抗を少なくできるので、コア30aと電極12とを接触させやすく好ましい。
なお、発光素子10と光反射性基板20との間に隙間がある場合は、溶融した被覆部30bが隙間にも配置されるが、正負どちらか一方の電極と電気的に接続する被覆部30bが、他方の電極と電気的に接続しなければかまわない。
以上、略球状のコア30aが被覆部30bで被覆された略球状の導電部材30を用い、導電部材30を完成させる形態について説明したが、次のように、コア30aと被覆部30bとを別々に供給、配置することで、導電部材30を形成してもよい。具体的には、まず、略球状のコア30aを、孔21内に露出された電極12と接するように配置する。その後、溶融した状態、ないし液状の被覆部30bを、コア30aと孔21(詳細には、孔21の内側面22)の隙間に滴下、印刷等の所望の方法で充填する。そして、被覆部30bを硬化することで、導電部材30を完成させることができる。
(透光部材形成工程)
図7は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の透光部材形成工程について示す断面図である。本実施形態では、適宜、発光素子10の光が取り出される面上に透光部材40を形成する透光部材形成工程を行ってもかまわない。透光部材40は、例えば、スプレー噴霧、滴下法、電着、印刷、圧縮成型、トランスファーモールド等で形成することができる。その他、電着で形成してもよいし、予め準備したガラスや樹脂シート等の透光部材40を配置してもよい。
(個片化工程)
図8は、実施形態1に係る発光装置100Aの製造方法の個片化工程について示す断面図である。集合基板である光反射性基板20を用いる場合は、個々の発光装置100Aに個片化する個片化工程を行ってもよい。具体的には、ダイシング等で、発光素子10毎又は発光素子10群毎に光反射性基板20を切断することができる。本実施形態では、例えば、発光素子10の側面を被覆する透光部材40と、光反射性基板20とが略同一面となるように個片化することができる。これにより、図1に示す発光装置100Aを形成することができる。個片化工程は、透光部材形成工程の前後どちらに行ってもよいが、透光部材形成工程後に行うと製造効率がよく好ましい。
なお、個片化工程において、光反射性基板20の側面に導電部材30(コア30a)が露出するように光反射性基板20を個片化することで、サイドビュー型の発光装置を形成することができる。
以上のような工程を有する発光装置100Aの製造方法では、小型で信頼性の高い発光装置100Aを、製造効率よく、容易に形成することができる。なお、透光部材形成工程、個片化工程は有していなくてもよく、適宜その他の工程を有していてもよい。
<実施形態2>
図10は、実施形態2に係る発光装置100Bを示す断面図である。発光装置100Bは、光反射性基板20Bの孔21Bの開口径が、第1主面20aB側と第2主面20bB側とで異なる。本実施形態では、第2主面20bB側の孔21Bの開口径はコア30aBの直径以上であり、第1主面20aB側の孔21Bの開口径はコア30aBの直径よりも小さい。具体的には、孔21Bは第2主面20bBから第1主面20aBへ狭くなるテーパー形状である。すなわち、孔21Bの内側面22Bは、孔21Bが第2主面20bBから第1主面20aBへ狭くなるように傾斜する。なお、第2主面20bB側の孔21Bの開口径がコア30aBの直径以上であり、第1主面20aB側の孔21Bの開口径がコア30aBの直径よりも小さければ、孔21B内側面22Bは傾斜していなくてもよい。
なお、以上の構成以外は、実質的に実施形態1の発光装置100Aと略同様の構成を有する。
このような構成とすると、第1主面20aB側の孔21Bの開口径がコア30aBの直径よりも小さいことから、発光素子10Bと接合されるコア30aBによって光反射性基板20Bが固定され、光反射性基板20Bが脱落しない構成とすることができる。したがって、部材どうしの密着性の高い発光装置100Bを形成することができる。
<実施形態3>
図11は、実施形態3に係る発光装置100Cを光反射性基板20Cの第2主面20bC側から見た平面図である。発光装置100Cは、光反射性基板20Cの孔21Cの内側面22Cに凹凸23を有し、凹凸23の凹部分には、導電部材30Cの被覆部30bCが充填される。
凹凸23は、例えば、平板状の光反射性基板を打ち抜いて孔を形成するための金型の形状によって設けることができる。なお、孔21Cの内側面22Cに凹凸23を有すること以外は、実質的に実施形態1の発光装置100Aと略同様の構成を有する。
このような構成とすると、発光素子10C、導電部材30C、光反射性基板20Cの一体性を向上させることができる。特に、孔21Cが略円柱状又は略円錐状であり、略球状のコア30aCと孔21Cの内側面22Cとが接する(すなわち、平面方向の断面視において、コア30aCと内側面22Cとが隙間なく接する面を有する)ような場合、被覆部30bCは、コア30aCと内側面22Cとが接する部分を境に上下に分離されるので、導電部材30Cが光反射性基板20Cから脱落しやすくなる可能性がある。しかし、コア30aCと接する内側面22Cに凹凸23を有することで、被覆部30bCが一体化し、且つ、コア30aCと被覆部30bCの接合面積が増えるので、導電部材30Cが光反射性基板20Cから脱落することを防ぐことができる。ひいては、発光素子10C、導電部材30C、光反射性基板20Cの一体性を強化することができる。
なお、凹凸23は、孔を形成する際にできる微細なものであってもかまわない。
<実施形態4>
図12Aは、実施形態4に係る発光装置100Dを示す断面図である。図12Bは、実施形態4に係る発光装置100Eを示す断面図である。実施形態4の発光装置100D,100Eは、光反射性基板20D,20Eの第1主面20aD,20aE上に発光素子10D,10Eを囲む枠体24D,24Eを有する。なお、以上の構成以外は、実質的に実施形態1の発光装置100Aと略同様の構成を有する。
具体的には、図12Aに示される発光装置100Dは、発光素子10Dの発光が取り出される面(上面)上に透光部材40Dを有し、光反射性基板20Dの枠体24Dが、発光素子10Dの側面及び透光部材40Dの側面を被覆するように配置されている。透光部材40Dの上面と光反射性基板20Dの上面は、略同一面上に設けられる。このような構成とすることで、見切り性の良い発光装置100Dを形成することができる。なお、見切り性とは、光出射方向への指向性が高いことを指す。
図12Bに示される発光装置100Eは、発光素子10Eを囲む光反射性基板20Eの枠体24Eの上面に透光部材40Eが設けられる。枠体24Eは、発光素子10Eの発光が取り出される面(上面)よりも高く、発光素子10と透光部材40Eとは離間する。このような構成とすることで、指向性による色ムラの少ない発光装置100Eを形成することができる。
光反射性基板20D,20Eの枠体24D,24Eは、例えば、光反射性基板を成形する金型の形状によって設けることができる。その他、光反射性物質を含む樹脂等で描画してもよいし、予め準備した格子状の枠体を、発光素子の周囲を囲むように位置合わせし、接着部材等で光反射性基板の第1主面上に接着することで形成することができる。
以下、実施形態2に係る発光装置100Bの実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。
<実施例>
実施例に係る発光装置100Bは、平面視で約1.0mm×1.0mm、高さ約0.3mmの表面実装型の発光装置である。本実施例の発光装置100Bは、1つの発光素子10Bを有する。発光素子10Bの形状は、平面視で約0.95mm×0.95mmの正方形、高さ約0.15mmの略直方体であり、同一面上に正負の電極12nB,12pBを有する。それぞれの電極12nB,12pBは、平面視で直径約0.09mmの略円形であり、電極12の中心どうしの離間距離は約0.75mmである。
光反射性基板20Bは二酸化チタンを含有する変性エポキシ樹脂で形成され、第1主面20aBとその反対側の第2主面20bBとを有する。光反射性基板20Bは、平面視約1.0mm×1.0mm、高さ約0.1mmであり、電極12に対応する位置において第1主面20aBから第2主面20bBへ貫通する孔21Bを有する。本実施例の孔21Bの開口形状は、略正方形である。
電極12Bがそれぞれの孔21B内に露出するように、発光素子10Bの電極12Bを有する面と光反射性基板20Bの第1主面20aBとが対向配置される。第1主面20aB側の孔21Bの開口径は約0.1mm×0.1mmのであり、第2主面20bB側の孔21Bの開口径は約0.137mm×0.137mmである。平面視で、第1主面20aB側の孔21Bの中心どうしの離間距離は約0.75mmであり、発光素子10Bの電極12は、孔21B内に収まっている。孔21Bは、第2主面20bBから第1主面20aBへ狭くなるテーパー形状であり、孔21Bの内側面22Bの傾斜角度は約21°である。
コア30aBはCuからなり、直径は約0.12mmである。コア30aBは、孔21B内で電極12と接合し、孔21Bの内側面22Bと接する。また、コア30aBは光反射性基板20Bの第2主面20bBから約0.02mmだけ突出する。被覆部30bBはSnとAgとCuの合金からなり、孔21Bの内側面22Bとコア30aBとの隙間を埋めるように孔21B内に充填される。例えば、被覆部30bBは第2主面20bBよりも約0.05mmだけ低い位置まで充填される。
また、本実施例の発光装置100Bは透光部材40Bを備える。透光部材40Bは、例えば蛍光体を含有するシリコーン樹脂であり、発光素子10Bの電極12を有する面以外の面上に膜厚約0.03mmで形成される。
以上のような構成とすることで、製造効率が良く、容易に形成可能な、小型で信頼性の高い発光装置100Bとすることができる。また、第1主面20aB側の孔21Bの開口径がコア30aBの直径よりも小さく、孔21Bが第2主面20bBから第1主面20aBへ狭くなるテーパー形状であることで、コア30aBが接合される発光素子10Bから光反射性基板20が脱落しにくい構成とすることができる。
さらに、導電部材30Bが光反射性基板20Bから脱落しにくい構成とすることができる。
100A、100B、100C、100D、100E…発光装置
10、10B、10C、10D、10E…発光素子
11…半導体層
11a…n型半導体層
11b…発光層
11c…p型半導体層
12…正負の電極
12n、12nB…n側電極
12p、12pB…p側電極
20、20B、20C、20D、20E…光反射性基板
20a、20aB、20aD、20aE…第1主面
20b、20bB、20bC…第2主面
21、21B、21C…孔
22、22B、22C…孔の内側面
23…凹凸
24D,24E…枠体
30、30B、30C…導電部材
30a、30aB、30aC…コア
30b、30bB、30bC…被覆部
40、40B、40C、40D、40E…透光部材
200…配線基板
201…配線
202…基体
300…接着剤
1000…発光モジュール

Claims (8)

  1. 同一面側に正負の電極を有する発光素子と、
    前記電極を有する面に対向する第1主面と、その反対側の第2主面と、前記電極に対応する位置において前記第1主面から前記第2主面へ貫通する孔と、を有する光反射性基板と、
    前記孔に配置されて前記電極と接合する略球状のコアと、前記コアと前記孔の隙間に充填される被覆部と、を有する導電部材と、を備え、
    前記孔は、前記第2主面から前記第1主面へ狭くなるテーパー形状である発光装置。
  2. 前記第2主面側の前記孔の開口径は、前記コアの直径以上であり、前記第主面側の前記孔の開口径は、前記コアの直径よりも小さい、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記孔の内側面に凹凸を有する請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記コアは、前記孔の内側面と接する請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記コアは、前記第2主面から突出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 平面視で、前記電極は前記孔内に収まる請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記被覆部は、前記コアよりも融点が低い請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記コアはCuを含み、前記被覆部はAuと、Si、Ge、Snの内少なくとも1種類とを含む合金である請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置。
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