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JP6515084B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、耐キンク性が向上したカテーテルに関する。
生体内に挿入するカテーテルには、目的に応じて様々なタイプがある。例えば、血管留置カテーテルを代表するものとして、治療カテーテル等を経皮的に生体内に導入するために使用されるイントロデューサシース及びガイディングシースがある。このようなシースは、一般に、柔軟なチューブ状のシース本体(カテーテル本体)と、シース本体の基端部に接続されたハブと、キンクの発生を抑制するためにシース本体の基端側の所定範囲を囲むストレインリリーフとを備える(例えば、特開平8−71161号公報参照)。なお、他のタイプのカテーテルにも、カテーテル本体の基端側でのキンクの発生を抑制するためにストレインリリーフが設けられる。
ところで、カテーテルは、低侵襲実現のための細径化と手技実現のための内径確保の両立が求められており、カテーテル本体の薄肉化は、このような要求に対する解決策のひとつである。しかしながら、カテーテル本体を単に薄肉化するだけでは、カテーテルの操作時にキンクが発生する可能性が高くなる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、薄肉化しつつカテーテル本体の耐キンク性を高めることができるカテーテルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のカテーテルは、可撓性を有するチューブ状のカテーテル本体と、前記カテーテル本体の基端部に接続されたハブと、前記ハブの先端部で支持され、前記カテーテル本体の基端側の所定範囲を囲む可撓性を有するストレインリリーフと、を備え、前記ストレインリリーフは、少なくとも先端側部分に、軸線を基準として互いに反対側の各部位に設けられるとともに周方向の他の部分よりも硬質に構成された硬質部を有する、ことを特徴とする。
上記のように構成された本発明のカテーテルによれば、使用時にカテーテル本体が湾曲する方向に対して硬質部が横側になる向きでカテーテルを取り扱うと、カテーテル本体の湾曲時、ストレインリリーフで囲まれたカテーテル本体の基端側部分が硬質部によって支持される。他の部分よりも剛性が高くされた硬質部によって支持されたカテーテル本体の基端側部分は、外方向(横方向)に変形することが抑制されるため、キンクの起点となる応力集中が緩和され、これにより、カテーテル本体の基端側部分におけるキンクの発生を有効に防止又は抑制することができる。よって、薄肉化しつつカテーテル本体の耐キンク性を高めることができる。
上記のカテーテルにおいて、前記ハブの外周部にはサイドポートが設けられ、前記ストレインリリーフにおける一方の前記硬質部の周方向位置は、前記ハブにおいて前記サイドポートが設けられた周方向位置に対応してもよい。カテーテルを留置する際、サイドポートを横向きにするのが通常であるため、通常どおり使用すると、硬質部は必然的に、カテーテル本体の基端側部分の湾曲方向に対して横側に位置することになる。よって、ユーザが硬質部の向きを気にしなくても、耐キンク性能を有効に発揮させることができる。また、ストレインリリーフの位置調整をしなくても、ストレインリリーフの硬質部によりカテーテル本体のキンクを防止できるため、操作の工数が少なくなり、術者の負担を減らすことができる。
上記のカテーテルにおいて、前記硬質部は、前記他の部分と同じ素材からなり、前記他の部分よりも肉厚に形成されてもよい。これにより、硬質部を簡易に構成できる。
上記のカテーテルにおいて、前記硬質部は、前記他の部分よりも硬質の素材からなってもよい。これにより、硬質部を簡易に構成できる。
上記のカテーテルにおいて、前記硬質部は、前記ストレインリリーフに補強体が付加されることによって構成されてもよい。これにより、硬質部を簡易に構成できる。
上記のカテーテルにおいて、前記カテーテルは、生体管腔に留置されて他の長尺医療機器を体内に導入するためのイントロデューサシースであってもよい。これにより、耐キンク性に優れたイントロデューサシースを提供することができる。
本発明のカテーテルによれば、薄肉化しつつカテーテル本体の耐キンク性を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテルの一部省略概略断面図である。 図2Aは、図1におけるIIA−IIA線に沿った縦断面図であり、図2Bは、カテーテル本体の基端側部分を湾曲させた状態の縦断面図である。 図3Aは、図2AにおけるIIIA−IIIA線に沿った横断面図であり、図3Bは、図2BにおけるIIIB−IIIB線に沿った横断面図である。 図1に示すカテーテルの使用状態の説明図である。 図5Aは、カテーテル本体と第1変形例に係るストレインリリーフの横断面図であり、図5Bは、カテーテル本体と第2変形例に係るストレインリリーフの横断面図である。
以下、本発明に係るカテーテルについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカテーテル10の一部省略概略断面図である。カテーテル10は、血管等の生体管腔内に挿入される医療機器であり、本実施形態では、イントロデューサシース11として構成される。イントロデューサシース11は、治療カテーテル等を経皮的に生体内に導入するために、図示しないダイレータと組み合わされて使用されるデバイスである。なお、カテーテル10は、イントロデューサシース11以外のカテーテル、例えば、ガイディングシース、バルーンカテーテル等の治療カテーテル、ガイディングカテーテル等として構成されてもよい。
図1に示すように、カテーテル10は、カテーテル本体12と、ハブ14と、ストレインリリーフ16とを備える。カテーテル本体12は、可撓性を有するチューブ状の部材であり、シャフトとも呼ばれ、イントロデューサシース11の場合には、シースチューブとも呼ばれる。カテーテル本体12は、カテーテル本体12の先端及び基端にて開口する内腔13を有する。
カテーテル本体12の長さは、カテーテル10の種類(使用目的)によって異なるが、例えば、イントロデューサシース11の場合、30〜800mm程度である。
カテーテル本体12を構成する材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル系共重合体等の合成樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム、フッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン、ステンレス鋼等が挙げられる。
ハブ14は、カテーテル本体12の基端部12bに接続され、カテーテル本体12の内腔13に連通する内腔15を有する部材である。ハブ14の先端には、ハブ14の胴体部18に対して縮径した突出部19が先端方向に突出して設けられ、この突出部19の先端内周部にカテーテル本体12の基端部12bが挿入及び固定されている。ハブ14の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、ポリカーボネート等の硬質樹脂が挙げられる。
ハブ14の内部には、ハブ14内からの液体の漏出を防止するための弁体20が配置される。ハブ14の基端部には、中空状の固定部材21が螺合しており、固定部材21の先端面とハブ14内に形成された段部14aとの間に弁体20が挟まれることにより、ハブ14内に弁体20が固定される。なお、ハブ14の基端部への固定部材21の固定方法は、螺合に限定されず、ハブ14と固定部材21との間に弁体20を挟持できる構造であればよい。例えば、ハブ14と固定部材21の間に弁体20が挟持されるように、固定部材21をハブ14に接着又は熱融着してもよい。また、ハブ14に弁体20が設けられない代わりに、ハブ14の基端に接続可能なコネクタ部材に弁体20が設けられてもよい。
弁体20は、弾性材料(例えば、シリコーンゴム等)から構成されている。弁体20には、ダイレータや他のカテーテル等が挿通可能な図示しないスリットが形成されている。弁体20は、スリットにダイレータ等が挿通した状態でも、カテーテル本体12を介してハブ14の内腔15に流入した体液(血液等)が外部に漏れることを防止する。
ハブ14の側部には、可撓性を有するサイドチューブ22が連結される。図示例では、ハブ14の側部から外方に突出するサイドポート23にサイドチューブ22の一端が接続される。サイドチューブ22の内腔は、ハブ14に設けられた側孔14bを介して、ハブ14の内腔15と連通する。
サイドチューブ22の、ハブ14と連結される端部22aとは反対側の端部22bには三方活栓24が設けられる。三方活栓24は、例えば、空気排出用のポート25と、図示しないシリンジ等が連結される薬液注入用のポート26と、サイドチューブ22の端部22bに連結するポート27と、これらポート25、26、27の連通状態を切り替えるコック28とを含む。なお、ポート25及びポート26は、空気排出用及び薬剤注入用に限定されず、用途は特に限定されない。
ストレインリリーフ16は、カテーテル本体12の基端側(具体的には、カテーテル本体12とハブ14との連結部及びその周辺部位)でのキンク(折れ曲がり)を防止又は抑制する機能を有する。図1に示すように、ストレインリリーフ16は、ハブ14の先端部(突出部19)で支持され、カテーテル本体12の基端側の所定範囲を囲む中空状の可撓性を有する部材である。
ストレインリリーフ16は、基端側で相対的に外径が大きく、先端側で相対的に外径が小さく、先端側に向かうに従って外径が漸減している。ストレインリリーフ16の肉厚は、先端側に向かうに従って薄くなっている。ストレインリリーフ16の基端部は、ハブ14の先端に設けられた突出部19に外嵌しており、これによりストレインリリーフ16がハブ14の先端部によって支持されている。
図1では、カテーテル10の製造時の組立てを容易にするために、ストレインリリーフ16の先端側部分の内径は、カテーテル本体12の外径よりも僅かに大きくされているが、ストレインリリーフ16の先端側部分の内径とカテーテル本体12の外径は、略同じであってもよい。カテーテル本体12の基端側部分の湾曲時には、ストレインリリーフ16の先端側部分がカテーテル本体12の基端側部分を支持することにより、キンクを防止する。以下、ストレインリリーフ16のうち、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲時に当該基端側部分を支持する部位(ストレインリリーフ16の先端側部分)を「支持部30」と称する。
なお、図1では、突出部19の外周面には、周方向に環状に延在する膨出部19aが形成されており、この膨出部19aがストレインリリーフ16の基端部の内周面に形成された環状凹部16aに係合することによって、突出部19からのストレインリリーフ16の抜け止めがなされている。
ストレインリリーフ16の構成材料としては、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系等の熱可塑性樹脂、あるいはシリコーンゴム等の弾性材料が挙げられる。
図2Aは、図1におけるIIA−IIA線に沿った縦断面図であり、図2Bは、カテーテル本体12の基端側部分を湾曲させた状態の縦断面図である。図3Aは、図2AにおけるIIIA−IIIA線に沿った横断面図である。図2A及び図3Aに示すように、ストレインリリーフ16は、少なくとも先端側部分(支持部30)に硬質部32を有する。硬質部32は、ストレインリリーフ16の軸線aを基準として互いに反対側の各部位に設けられるとともに、同一軸方向位置における周方向の他の部分34よりも硬質に構成される。
ストレインリリーフ16における他の部分34は、一方と他方の硬質部32の間の周方向位置に存在するとともに、ストレインリリーフ16の軸線aを基準として互いに反対側の各部位に存在する部分である。
本実施形態において、硬質部32は、他の部分34と同じ素材からなる。すなわち、硬質部32と他の部分34とは、同一素材で一体形成されている。また、硬質部32は、同一軸方向位置における他の部分34よりも肉厚に形成されていることにより、他の部分34よりも硬質に構成されている。
ストレインリリーフ16における一方の硬質部32の周方向位置は、ハブ14においてサイドポート23が設けられた周方向位置に対応する。ストレインリリーフ16における他方の硬質部32の周方向位置は、ハブ14においてサイドポート23が設けられた周方向位置とは反対側の周方向位置に対応する。
硬質部32は、ストレインリリーフ16の最先端部17から、所定の区間に設けられる。カテーテル本体12の延在方向に沿った硬質部32の長さLは、例えば、3〜10mmに設定され、好ましくは、4〜7mmに設定される。硬質部32は、支持部30の全長にわたって設けられてもよく、あるいは、支持部30の全長の一部(ただし、支持部30の最先端部17は必ず含む)に設けられてもよい。硬質部32は、カテーテル本体12の延在方向に沿って、連続的に設けられてもよく、あるいは、非連続的に設けられてもよい。
本実施形態に係るカテーテル10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
上述したように、カテーテル10は、イントロデューサシース11として構成されている。イントロデューサシース11の使用において、イントロデューサシース11は図示しないダイレータと組み合わされる。具体的には、イントロデューサシース11にダイレータが挿入された状態の組立体(イントロデューサ)を、患者の血管に穿刺して、イントロデューサシース11の先端が血管を確保した後、カテーテル本体12を血管内にさらに挿入し、支持部30の最先端部17近傍まで挿入した後、ダイレータをイントロデューサシース11から引き抜く。カテーテル本体12の血管内への挿入長を所定長さとする。
図4は、イントロデューサシース11を患者Pの血管に留置した状態の説明図である。図4のように、ハブ14に設けられたサイドポート23を横向き(患者Pの体表面に沿う方向)に配置してイントロデューサシース11を留置する。図4でサイドポート23を上向きにした状態でイントロデューサシース11を留置すると、その後の手技の際にサイドポート23及びサイドチューブ22が邪魔になるからである。
このように、イントロデューサシース11を留置する際のサイドポート23の向きは事実上決まっている。従って、イントロデューサシース11に他のデバイス(治療カテーテル等)を出し入れする際等のカテーテル本体12の基端側部分の湾曲方向も決まっている。図4の場合、サイドポート23の向きに対して垂直な方向(肢体の表面に対して垂直な方向)が、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲方向である。
イントロデューサシース11を上記のように留置したら、次に、血管内で図示しないガイドワイヤを先行させた状態で、イントロデューサシース11を介して、治療カテーテル(バルーンカテーテル等)やガイディングカテーテル等の他のデバイスを導入する。そして、当該デバイスを生体内の所定部位まで進め、血管造影や治療を行う。
ところで、手術中、カテーテル本体12の基端側部分(カテーテル本体12とハブ14との連結部)は体外に露出しているため、ハブ14の基端開口から他のデバイスを出し入れするためにハブ14を持ち上げたりすることがある。この場合、図2Bのようにカテーテル本体12の基端側部分が湾曲し、当該基端側部分に曲げ応力が作用する。このときの曲げ応力によってカテーテル本体12の基端側部分にキンクが発生することを抑制するために、ストレインリリーフ16が設けられている。
従来のストレインリリーフは、ある程度の耐キンク性を発揮するものの、カテーテル本体の基端側部分に応力が集中してキンクが発生する場合がある。これに対し、本実施形態に係るカテーテル10のストレインリリーフ16の場合、他の部分34よりも硬質に構成された硬質部32が設けられるため、カテーテル本体12の基端側部分に応力が集中することを防止することにより、キンクの発生を好適に防止又は抑制することができる。
具体的には、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲時、図2BにおけるIIIB−IIIB線に沿った横断面図である図3Bのように、カテーテル本体12の基端側部分は、ストレインリリーフ16の硬質部32の内面32aによって両側から支持されることで、横方向(X方向)に変形することが規制(抑制)される。すなわち、カテーテル本体12の基端側部分が図2Bのように湾曲する際、当該基端側部分は、図3BのY方向に潰れてX方向に広がろうとする(楕円形になろうとする)が、他の部分34よりも剛性が高くされている硬質部32がカテーテル本体12のX方向への変形を抑える。この結果、カテーテル本体12の基端側部分は、Y方向への潰れが抑制され、キンクの起点となる応力集中が緩和される。
また、硬質部32と異なり、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲に伴って一緒に湾曲する他の部分34は、適度の柔軟性が維持されている。このため、ストレインリリーフ16の湾曲方向の柔軟性は適正に確保されており、カテーテル本体12の基端側部分とストレインリリーフ16の接触部の一点に応力が集中してキンクの起点となることを防ぐことができる。具体的には、カテーテル本体12が湾曲する際、ストレインリリーフ16の硬質部32以外の部分が柔軟性を維持していると、カテーテル本体12の湾曲の中心側(内側)において、ストレインリリーフ16の基端側部分の硬質部32以外の部分とカテーテル本体12の接触面積が広くなる。そのため、カテーテル本体12の基端側部分とストレインリリーフ16とが一点で接触することを抑制することができる。
ところで、硬質部32が設けられる角度範囲θ1が大きくなる程、他の部分34の角度範囲θ2が小さくなる(図3A参照)。上述のように硬質部32は、カテーテル本体12の湾曲時にカテーテル本体12を両側から支持してキンクの起点となるのを防ぐ。一方、他の部分34は、カテーテル本体12の湾曲に伴って一緒に湾曲する部分であるため、適度の柔軟性が確保されることが好ましいが、他の部分34の角度範囲θ2が小さくなり過ぎると、湾曲方向の柔軟性が確保されにくくなる。
従って、硬質部32が設けられる角度範囲θ1は、例えば、10°<θ1≦120°に設定されるのが好ましく、40°≦θ1≦80°に設定されるのがより好ましい。これにより、他の部分34の角度範囲θ2は60°以上となり、適度の柔軟性が確保されるため、湾曲時にカテーテル本体12の一点に応力が集中してキンクの起点となるのを防ぐことができる。
以上説明したように、カテーテル10によれば、カテーテル本体12の湾曲時、ストレインリリーフ16で囲まれたカテーテル本体12の基端側部分が硬質部32によって両側から支持される。他の部分34よりも剛性が高くされた硬質部32によって支持されたカテーテル本体12は、横方向に変形することが抑制されるため、キンクの起点となる応力集中が緩和され、カテーテル本体12の基端側部分におけるキンクの発生を有効に防止又は抑制することができる。よって、薄肉化しつつカテーテル本体12の耐キンク性を高めることができる。
上述したように、イントロデューサシース11を血管内に留置する際、カテーテル本体12を支持部30の最先端部17近傍まで血管内に挿入する。このため、特に、カテーテル本体12の支持部30付近は皮膚や血管壁と固定的に接触し、局所的に湾曲度合いが大きくなりやすいのでキンクが起こりやすい。そのため、カテーテル本体12の基端側部分のキンクを抑制できる本発明は、イントロデューサシース11に好適である。
また、図4のようにイントロデューサシース11を血管内に留置した際、カテーテル本体12が回転しないようにストレインリリーフ16(ハブ14の部分ではない)の上から粘着テープを張って、イントロデューサシース11と身体を粘着テープで緩く固定する場合がある。その場合、ハブ14は粘着テープで緩く固定されているだけであるため、ハブ14を持ちあげる(カテーテル本体12を湾曲させる)ことが可能であるが、支持部30付近に力が掛かりやすい。そのため、カテーテル本体12の基端側部分のキンクを抑制できる本発明は有用である。
上述したように、ストレインリリーフ16における一方の硬質部32の周方向位置は、ハブ14においてサイドポート23が設けられた周方向位置に対応する。ストレインリリーフ16における他方の硬質部32の周方向位置は、ハブ14においてサイドポート23が設けられた周方向位置とは反対側の周方向位置に対応する。このようなカテーテル10を留置する際、サイドポート23を横向きにするのが通常であるため、通常どおり使用すると、硬質部32は必然的に、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲方向に対して横側に位置することになる(図4参照)。よって、ユーザが硬質部32の向きを気にしなくても、耐キンク性能を有効に発揮させることができる。また、ストレインリリーフ16の位置調整をしなくても、ストレインリリーフ16の硬質部32によりカテーテル本体12のキンクを防止できるため、操作の工数が少なくなり、術者の負担を減らすことができる。
ハブ14にはサイドポート23が設けられなくてもよい。この場合でも、使用時にカテーテル本体12が湾曲する方向に対して硬質部32が横側になるような向きでカテーテル10を取り扱うと、カテーテル本体12の湾曲時、ストレインリリーフ16で囲まれたカテーテル本体12の基端側部分が硬質部32によって支持される。よって、カテーテル本体12の基端側部分におけるキンクの発生を有効に防止又は抑制することができる。
また、硬質部32の位置が外観上認識できるように、硬質部32の外周面に何らかのマーク等を設けておくと、簡単に、使用時にカテーテル本体12が湾曲する方向に対して硬質部32が横側になる向きでカテーテル10を取り扱うことができる。
ストレインリリーフ16は、カテーテル本体12に対して回転可能であってもよい。この場合、硬質部32に上記マーク等を設けておくと、カテーテル10の留置後に硬質部32の位置を簡単に調整することができる。すなわち、ストレインリリーフ16をカテーテル本体12に対して回転させることで、カテーテル本体12の基端側部分の湾曲方向に対して横側に硬質部32が位置するように簡単に位置調整することができる。
図5Aに示す第1変形例に係るストレインリリーフ40のように、軸線aを基準として互いに反対側の各部位に、他の部分34よりも硬質の素材からなる硬質部42が設けられてもよい。硬質部42を構成する材料としては、例えば、高分子量ポリエチレンやポリプロピレン等の硬質オレフィン系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、芳香族ポリエーテルケトン等の樹脂、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。硬質部42は、ストレインリリーフ40における他の部分34と肉厚が同じであるが、他の部分34よりも硬質の素材からなることにより、他の部分34よりも硬質に構成されている。すなわち、硬質部42は、他の部分34よりも剛性が高い。なお、図5Aでは、湾曲時のカテーテル本体12を示している。
図5Aの構成によっても、カテーテル本体12の湾曲時、ストレインリリーフ40で囲まれたカテーテル本体12の基端側部分が硬質部42の内面42aによって両側から支持される。他の部分34よりも剛性が高くされた硬質部42によって支持された基端側部分は、横方向(X方向)に変形することが抑制されるため、キンクの起点となる応力集中が緩和される。よって、カテーテル本体12の耐キンク性を高めることができる。
図5Bに示す第2変形例に係るストレインリリーフ44のように、軸線aを基準として互いに反対側の各部位に、補強体46が付加されることによって構成された硬質部48が設けられてもよい。硬質部48は、他の部分34と肉厚が同じであるが、補強体46が付加されている分、他の部分34よりも硬質に構成されている。すなわち、硬質部48は、他の部分34よりも剛性が高い。なお、図5Bでは、湾曲時のカテーテル本体12を示している。
補強体46は、ストレインリリーフ44の母材よりも硬質な材料で構成される。補強体46を構成する材料としては、例えば、高分子量ポリエチレンやポリプロピレン等の硬質オレフィン系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、芳香族ポリエーテルケトン等の樹脂、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。 補強体46は、例えば、図5Bのように、複数の細線を編んで形成したメッシュ部材47(ブレイド)に構成され得る。あるいは、補強体46は、カテーテル本体12の延在方向に沿って延在する線状又はバー状の部材であってもよい。補強体46は、ストレインリリーフ44を構成する壁部内に埋め込まれる代わりに、図5Bの仮想線で示すように、ストレインリリーフ44の外周面に固定されてもよい。
図5Bの構成によっても、カテーテル本体12の湾曲時、ストレインリリーフ44で囲まれたカテーテル本体12の基端側部分が硬質部48の内面48aによって両側から支持される。他の部分34よりも剛性が高くされた硬質部48によって支持されたカテーテル本体12の基端側部分は、横方向(X方向)に変形することが抑制されるため、キンクの起点となる応力集中が緩和される。よって、カテーテル本体12の耐キンク性を高めることができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。

Claims (6)

  1. 可撓性を有するチューブ状のカテーテル本体(12)と、
    前記カテーテル本体(12)の基端部(12b)に固定されたハブ(14)と、
    前記ハブ(14)の先端部で支持され、前記カテーテル本体(12)の基端側の所定範囲を囲む可撓性を有するストレインリリーフ(16、40、44)と、を備え、
    前記ストレインリリーフ(16、40、44)は、少なくとも先端側部分に、前記ストレインリリーフの中心軸線を挟む両側であって前記中心軸線に直交する直線上の各部位に設けられるとともに周方向の他の部分(34)よりも硬質に構成された硬質部(32、42、48)を有する、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
  2. 請求項1記載のカテーテル(10)において、
    前記ハブ(14)の外周部にはサイドポート(23)が設けられ、
    前記ストレインリリーフ(16、40、44)における一方の前記硬質部(32、42、48)の周方向位置は、前記ハブ(14)において前記サイドポート(23)が設けられた周方向位置に対応する、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
  3. 請求項1記載のカテーテル(10)において、
    前記硬質部(32)は、前記他の部分(34)と同じ素材からなり、前記他の部分(34)よりも肉厚に形成される、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
  4. 請求項1記載のカテーテル(10)において、
    前記硬質部(42)は、前記他の部分(34)よりも硬質の素材からなる、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
  5. 請求項1記載のカテーテル(10)において、
    前記硬質部(48)は、前記ストレインリリーフ(44)に補強体(46)が付加されることによって構成される、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカテーテル(10)において、
    前記カテーテル(10)は、生体管腔に留置されて他の長尺医療機器を体内に導入するためのイントロデューサシース(11)である、
    ことを特徴とするカテーテル(10)。
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