JP6513434B2 - ポリ乳酸系樹脂組成物、それからなるシート状成形体およびポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1、2記載の樹脂組成物は、耐衝撃性は向上するものの、ポリ乳酸の長所である透明性が損なわれるため、透明性が求められる食品用フィルムや工業用フィルムなどの用途に用いることは困難であった。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエー
テルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量
部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を0.5〜4.0質量部含有
することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
(2)さらに、アクリル系重合体(C)を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0
.1〜3質量部含有する、(1)記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(3)さらに、グリセリン脂肪酸エステル(D)とポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、(1)または(2)に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるシート状成形体
。
(5)ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が2000以上であるポリテトラメチレンエー
テルグリコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量
部に対して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を2〜30質量部含有するこ
とを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット。
本発明におけるポリ乳酸樹脂(A)としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が挙げられる。
なお、ここでいう結晶性ポリ乳酸樹脂とは、140〜175℃の範囲の融点を有するポリ乳酸樹脂を指し、非晶性ポリ乳酸樹脂とは、実質的に融点を有しないポリ乳酸樹脂を指す。
本発明において、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、数平均分子量が1200以上のものを用いる必要があり、中でも数平均分子量は、1500以上であることが好ましく、中でも、2000以上であることがより好ましい。数平均分子量が1200未満である場合、耐衝撃性の向上効果が不十分となりやすく、またブリードアウトしたり、加工性が低下することがある。
質量部に対して、0.5〜4.0質量部であることが必要である。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が0.1質量部未満では、上記したような耐衝撃性の向上効果が不十分となる。一方、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が5.0質量部を超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下する。
(B)に加えて、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)と併用することにより、さらに耐衝撃性を向上させる効果がある。中でも耐衝撃性向上効果に優れるため、アクリル系重合体(C)を含有することが好ましい。
特に、アクリル系重合体(C)は耐衝撃性が向上するだけでなく、原理はわからないが
、ポリ乳酸樹脂(A)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)との相溶性を向上
させるようである。そのため、本発明の樹脂組成物において、非常に重要な役割を果たし
ている。
したがって、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、アクリル系重合体(C)を含有
する場合は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(
A)100質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、中でも0.2
〜2.5質量部であることが好ましい。
アクリル系重合体(C)は、コアシェル型グラフト共重合体(C1)および(メタ)アクリル酸エステル系重合体(C2)の少なくとも一方であることが好ましい。
まず、コアシェル型グラフト共重合体(C1)について説明する。コアシェル型グラフト共重合体(C1)は、コア層とそれを覆うシェル層から構成され、隣接し合う層は異種の重合体から構成される。コア層とシェル層は、それぞれ複数の層を有してもよい。コアシェル型グラフト共重合体(C1)は、コア層成分の存在下に、シェル層成分がグラフト重合されることにより得られるものであることが好ましい。
アクリル系ゴムを構成するアクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、例えば、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
上記のような組み合わせのコアシェル型グラフト共重合体(C1)の市販品として、ロームアンドハース社製パラロイドBPM−500、パラロイドBPM−515、三菱レイヨン社製メタブレンW−450A、メタブレンW−600Aなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は公知の手法を用いて作製すればよい。
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重量平均分子量は、より好ましくは80万〜800万、さらに好ましくは100万〜500万である。
柔軟性や耐衝撃性の向上効果が十分に得られるため、ブロック共重合体Pを構成する単量体のうちアクリル酸n−ブチルの単量体が占める割合は、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。
ブロック共重合体Pは、1〜5個のメタクリル酸メチル単位からなる硬質ブロックと、1〜5個のアクリル酸n−ブチル単位からなる軟質ブロックとで構成される分子鎖を有するものであることが好ましい。
アクリル系重合体(C)の含有量が0.1質量部未満であると、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、アクリル系重合体(C)の含有量が3.0質量部を超えると、透明性が低下し、コスト面でも不利である。
グリセリン脂肪酸エステル(D)としては、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、ジグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としてはラウリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸グリセリル、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
中でもジグリセリンフルステアリン酸エステルおよび、カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸の混合物によるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル(D)の含有量が0.1質量部未満であると、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、グリセリン脂肪酸エステル(D)の含有量が3.0質量部を超えると、透明性が低下し、さらに溶融粘度が低下しすぎる。
本発明において、ポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリ乳酸樹脂(A)との相溶性が良好であり、透明性を維持する効果も高いことから、ポリエチレングリコールが好ましい。
脂肪酸エステル(D)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)を組み合わせて用いる場合、これらの合計の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、中でも0.3〜2.8質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。これらの合計の含有量が0.1質量部未満では、耐衝撃性の向上効果を得ることができない。一方、これらの合計の含有量が3質量部を超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下し、溶融粘度が低下しすぎる。
MFRが0.1g/10分未満であると、成形加工時に混練する際、あるいはシート化する際に押出が困難となる。一方、MFRが100/10分を超えるものであると、溶融粘度が低すぎてドローダウンしてしまい、シート化が困難となる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、などが挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10Tなどが挙げられる。
ポリ乳酸樹脂(A)とこれらの樹脂を混合する方法は特に限定されない。
本発明の樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、工業的に最も簡便である溶融混練法が挙げられる。ポリ乳酸樹脂(A)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)とを溶融混練する場合について説明する。溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダーなどの一般的な混練機を使用することができ、混練状態の向上のため、二軸の押出機を使用することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、溶融させて液注添加するか、粉砕して別フィーダーから添加してもよく、またポリ乳酸樹脂(A)とドライブレンドをしてホッパーから添加してもよい。シリンダー温度180〜230℃、ダイス温度190〜240℃に加熱し、これらの成分を溶融混練して押出して、ストランドを冷却後、ペレットサイズにカットする方法が好ましい。
本発明の成形体は、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形されるものである。成形方法として、押出成形、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、インジェクションブロー成形、発泡シート成形、および、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。
シートの製造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が挙げられる。中でも、Tダイ法、インフレーション法が好ましい。Tダイ法によりポリ乳酸系シートを製造する場合、製膜装置の押出機ホッパーに、予め作製したポリ乳酸系樹脂組成物を供給してよく、また、マスターバッチペレットとポリ乳酸樹脂(A)とを供給してもよい。押出機のシリンダー温度は150〜250℃、Tダイ温度は160〜250℃であることが好ましい。また、キャストロールは20〜50℃に制御されていることが好ましい。
略することがある)について説明する。本発明のマスターバッチペレットは本発明のポリ
乳酸系樹脂組成物を製造する際に用いることが好ましいものである。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は塊状であることが多く、粉砕して添加するか、溶融させて液注添加となり、装置に付着するなどして厳密な量を添加することが困難である。このため、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の製造に際しては、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)が高濃度に添加されたマスターバッチペレットを作製し、このマスターバッチペレットをポリ乳酸樹脂(A)で希釈することによりポリ乳酸系樹脂組成物を得る方法を採用することが好ましい。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、2〜30質量部であり、中でも4〜28質量部であることが好ましい。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が、上記範囲より少ないと、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を得る際にマスターバッチペレットの使用量が多くなり、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を高濃度に含有するマスターバッチペレットとは言えないものとなる。一方、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の含有量が、上記範囲より多いと、マスターバッチペレット作製時の操業性が低下し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の分散性が低くなり、得られたマスターバッチペレットに濃度むらが生じる。
まず、本発明のマスターバッチペレットの製造方法について説明する。押出機中に、ポ
リ乳酸樹脂(A)と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加し、溶融混練する。このとき、1軸押出機あるいは2軸押出機で溶融混練を行い、シリンダー温度180〜230℃、ダイス温度190〜240℃に加熱し、樹脂組成物を溶融混練して押出して、ストランドを冷却後、ペレットサイズにカットする方法が好ましい。用いる押出機は混練能力から2軸押出機が好ましい。また、ポリ乳酸樹脂(A)はホッパーから供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は、加熱しながら液注添加することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を1軸押出機あるいは2軸押出機中に添加する際には、混練部全体の2分の1より供給部側から行うことが好ましい。例えば、混練部がC1部(供給側)〜C11部(ダイス側)までの11の部分に分かれている場合、C1部〜C5部の間でポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を添加することが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)は分散性が低くないが、混練部全体の2分の1以降から添加した場合、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)の分散性が低くなり、得られたマスターバッチペレットに濃度むらができやすくなる。このようなマスターバッチペレットを用いると、得られるポリ乳酸系樹脂組成物も濃度むらが生じ、得られる成形体の物性にばらつきが生じやすくなる。
ルグリコール(B)に加えて、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D
)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)の少なくとも1種を含有していてもよい。
アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)のマスターバッチペレット中の含有量は、これらのいずれか1種を用いる場合、2種以上を併用する場合ともに、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、5〜60質量部含有することが好ましい。
示差屈折率検出器(島津製作所社製、RID−10A)を備えたゲル浸透クロマトグラフィ装置(島津製作所社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として、流速1.0ml/min、40℃で測定した。カラムは、SHODEX KF−805L、KF−804L(昭和電工社製)を連結して用いた。ポリ乳酸樹脂(A)10mgをクロロホルム0.5mlに溶解後、THF5mlで希釈し、0.45μmのフィルターでろ過したサンプルを測定に供した。重量平均分子量はポリスチレン(Waters社製)を標準試料として換算した。
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC装置 DSC7)を用い、ポリ乳酸樹脂(A)を20℃から250℃まで20℃/分で昇温させ、5分間保持した後、250℃から0℃まで20℃/分で冷却して、0℃で5分間保持し、さらに0℃から250℃まで20℃/分で再昇温して測定される融解ピーク温度(Tm)を融点とした。
ポリ乳酸樹脂(A)約0.3gを1N−水酸化カリウム/メタノール溶液6mlに加え、65℃にて充分撹拌し、ポリ乳酸樹脂を分解させた後、硫酸450μlを加えて、65℃にて撹拌し、乳酸メチルエステルとした。このサンプル5ml、純水3ml、および、塩化メチレン13mlを混合して振り混ぜた。静置分離後、下部の有機層を約1.5ml採取し、HPLC用ディスクフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィーで測定した。
ガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製、HP−6890)は、ヘリウム(He)をキャリアガスとして、流速1.8ml/minで、オーブンプログラムは90℃で3分間保持し、50℃/minで220℃まで昇温し、1分間保持する条件で行った。カラムは、J&W社製DB−17(30m×0.25mm×0.25μm)を用い、検出器はFID(温度300℃)、内部標準法で測定した。乳酸メチルエステルの全ピーク面積に占めるD−乳酸メチルエステルのピーク面積の割合(%)を算出し、これをD体含有量(モル%)とした。
ポリ乳酸樹脂(A)0.5gにジクロロメタン10ml、100ppmの2,6−ジメチル−γ−ピロン内部標準液を0.5ml加えてシェーカー(150rpm×40分)により攪拌し溶解させて測定用試料溶液を作成した。そこへシクロヘキサンを添加し、ポリマーを析出させ、HPLC用ディスクフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィーで測定した。標準物質は東京化成工業製のL−ラクチドを用いた。
ガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製、HP−6890)は、ヘリウム(He)をキャリアガスとして、流速2.5ml/minで、オーブンプログラムは80℃で1分間保持し、20℃/minで200℃まで昇温し、30℃/minで280℃まで昇温し、5分間保持する条件で行った。カラムは、J&W社製DB−17(30m×0.25mm×0.25μm)を用い、検出器はFID(温度300℃)、内部標準法で測定した。
東洋精機製作所社製メルトインデクサーF−B01を用いて、JIS K7210に準拠して測定した。試験温度190℃、試験荷重2.16kgfの条件で測定した。
得られたシートについて、JIS−K7105により、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH2000を用いて測定した。このとき、それぞれサンプル数を5とし、これらの測定値の平均値をヘイズとした。
得られたシートを用い、ASTM−2794に従って落錘衝撃試験をおこない、耐衝撃強度を測定した。すなわち、落下重錘300gf、撃心を1/8インチとして落錘高さ(cm)を変更しながら、試験回数5回毎の破壊状態を目視観察した。
全く破壊されない時の落錘高さ(m)×落下重錘0.3(kg)×9.8(m/s2)=仕事量(J)の式により、仕事量を算出し、それを耐衝撃強度とした。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)
A−1:ネイチャーワークス社製 4042D、D体含有量4.0モル%、残留ラクチド量0.2質量%、重量平均分子量(Mw)16万、融点150℃
A−2:ネイチャーワークス社製 4032D、D体含有量1.2モル%、残留ラクチド量0.2質量%、重量平均分子量(Mw)16万、融点165℃
B−1:三菱化学社製 PTMG3000、数平均分子量(Mn)3000
B−2:三菱化学社製 PTMG2000、数平均分子量(Mn)2000
B−3:三菱化学社製 PTMG1000、数平均分子量(Mn)1000
C1−1:ロームアンドハース社製 パラロイドBPM−515、コアシェル型グラフト共重合体(コア成分:アクリル系ゴム、シェル成分:(メタ)アクリル酸メチル重合体)
C1−2:三菱レイヨン社製 メタブレンW−600A、コアシェル型グラフト共重合体(コア成分:アクリル系ゴム、シェル成分:メチルメタクリレート系共重合体)
C2−1:三菱レイヨン社製 メタブレンP−531A、重量平均分子量450万
C2−2:三菱レイヨン社製 メタブレンP−530A、重量平均分子量310万
D−1:理研ビタミン社製 リケマールS−74、ジグリセリンフルステアリン酸エステル
D−2:太陽化学社製 チラバゾールVR−017、ポリグリセリン脂肪酸エステル 数平均分子量(Mn)=1300
E−1:ポリエチレングリコール、三洋化成工業社製 PEG−20000、数平均分子
量(Mn)=20000
〔ポリ乳酸系樹脂組成物〕
ポリ乳酸樹脂(A−1)100質量部をホッパーより供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)1質量部を溶融させて液注添加し、二軸押出機(池貝社製「PCM−30」、スクリュー径:29mm、L/D(押出機のシリンダーの長さLと直径Dの比):30、ノズル直径:4mm、孔数:3、温度:220℃)にて溶融混練した後、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、ポリ乳酸系樹脂組成物を得た。
〔シート〕
上記のように得られたポリ乳酸系樹脂組成物を、口径90mmの単軸押出機にてTダイ温度230℃で溶融押出し、20℃に温度制御されたキャストロールに密着させて冷却し、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物で成形された厚さ400μmのシート(未延伸シート)を得た。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)、アクリル系重合体(C)、グリセリン脂肪酸エステル(D)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)の種類や含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリ乳酸系樹脂組成物を得た。
そして、得られたポリ乳酸系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ400μmのシート(未延伸シート)を得た。
ポリ乳酸(A−1)80質量部とアクリル重合体(C2−2)12質量部をドライブレ
ンドしてホッパーから供給し、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)8質量
部を溶融させて液注添加し、二軸押出機(池貝社製「PCM−30」、スクリュー径:2
9mm、L/D(押出機のシリンダーの長さLと直径Dの比):30、ノズル直径:4m
m、孔数:3、温度:220℃)にて溶融混練した後、押出し、ペレット状に加工し、乾
燥して、マスターバッチペレット(M−1)を得た。
上記で得られたマスターバッチペレット(M−1)とポリ乳酸(A−1)とを、質量比
〔(M−1)/(A−1)〕10/90でドライブレンドして、表1に示す樹脂組成物を
製造した。つまり、この樹脂組成物の組成は、ポリ乳酸(A−1)の含有量が98質量部
、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B−1)の含有量が0.8質量部、アクリル
系重合体(C2−2)の含有量が1.2質量部であった。
一方、比較例1で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール(B)の数平均分子量が本発明の範囲外であったため、得られたシートは耐衝撃性
に劣るものであった。比較例2〜4で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール(B)の含有量が少なすぎたため、得られたシートは耐衝撃性に
劣るものであった。比較例5で得られたポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール(B)の含有量が多すぎたため、得られたシートは透明性に劣るもので
あった。また、比較例6〜12で得られたポリ乳酸系樹脂組成物はポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール(B)を含有していなかったため、得られたシートは、耐衝撃性に劣る
ものであった。
Claims (5)
- ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグ
リコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対
して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を0.5〜4.0質量部含有するこ
とを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。 - さらに、アクリル系重合体(C)を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜
3質量部含有する、請求項1記載のポリ乳酸系樹脂組成物。 - さらに、グリセリン脂肪酸エステル(D)とポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリアルキレンエーテル(E)から選ばれる少なくとも1種を、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.1〜3質量部含有する、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるシート状成形体。
- ポリ乳酸樹脂(A)と数平均分子量が1200以上であるポリテトラメチレンエーテルグ
リコール(B)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対
して、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B)を2〜30質量部含有することを特
徴とするポリ乳酸系樹脂組成物用マスターバッチペレット。
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