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JP6507980B2 - 光受信回路、光トランシーバ、および光受信回路の制御方法 - Google Patents

光受信回路、光トランシーバ、および光受信回路の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、光受信回路とこれを用いた光トランシーバ、および光受信回路の制御方法に関する。
大容量かつ高速の情報通信を実現するために、光通信システムの普及が進んでいる。光通信は長距離通信だけではなく、サーバやスーパーコンピュータの内部のデータ通信手段としても普及しつつある。特に、従来の電気配線に替えてボード間あるいはチップ間を光配線で接続する光インターコネクトが注目されている。光通信の受信側フロントエンドに配置される光受信回路では、受信した光信号をフォトダイオード等の受光素子で電流として検出する。検出された電流信号は、トランスインピーダンスアンプ(TIA)で電圧信号に変換され、次段のアナログ−ディジタル変換に適した電圧振幅まで増幅される。
図1の(A)は、一般的な光受信回路の構成を示す。TIAの前段アンプとして、ベース接地型アンプが用いられている。ベース接地型アンプでは、コレクタ側の負荷Rcを大きくすることで、雑音低減効果が得られる。図1で、回路雑音は式(1)で表される。
Figure 0006507980
式(1)の右辺の第1項は、ベース接地型アンプの入力換算雑音電流を表わす。右辺の第2項と第3項は、後段アンプの入力雑音電流を表わす。このうち、第2項は負荷Rcからの熱雑音成分(電流)を表わし、後段アンプへの雑音電圧(電圧の二乗)を負荷Rcの抵抗値の二乗で除算したものである。負荷Rcの抵抗値を大きくすることで、第2項の入力雑音成分を小さくできる。
しかし、負荷Rcを大きくすると、ベース接地型アンプへの光入力パワーすなわち入力電流Ipdが大きい場合に、出力ノードでの電位Vcp3が大きくなりすぎて、後段アンプが正常に動作しなくなる場合がある。図1の(B)に示すように、この問題は負荷Rcが大きいほど顕著になる。抵抗値を大きくした分、負荷Rcでの電圧降下が小さくなり、電位Vcp3が適切な範囲を超えて増大するからである。
大きな光パワーの入力時にVcp3の上昇によるDC電位の破たんを防ぐため、図2のように、負荷Rcを切り替える構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。雑音が問題となりにくい大電流時に、PMOSトランジスタT1のゲートに低電圧(例えば0V)を与えてT1をONにし、負荷R3とR31を並列接続して負荷Rc(合成抵抗)の値を小さくする。これにより、負荷Rcでの電圧降下を大きくしてVcp3を抑制する。入力電流が小さいときは、PMOSトランジスタT1のゲートに高電圧(例えばVcc)を与えてT1をOFFにする。この場合、負荷Rcの値は負荷R3の値となり、雑音低減効果を発揮する。
なお、フォトダイオードからの入力電流が大きくなったときに、ベース接地型アンプのエミッタ側のバイアス電流を増加させて差動増幅回路のダイナミックレンジを一定にする構成が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
また、ベース接地型アンプの出力にエミッタ接地型アンプ路を接続して負帰還ループを形成する構成が知られている(たとえば、特許文献3参照)。
特開2009−246823号公報 特開2003−37453号公報 特開2014−116851号公報
図2の構成で、大信号時にベース接地型アンプの負荷抵抗を小さくするとき、MOSトランジスタT1の容量がベース接地型アンプの負荷に見えるため、Vcp3の地点での帯域特性が劣化する場合がある。発明者は、図2のスイッチング構成を有するベース接地型アンプの動作性能の低下は、20GHzを超える高周波帯域でいっそう顕著になることを見出した。そこで、ベース(またはゲート)接地型アンプの出力ノードでの帯域劣化を補償して、入力パワーの大きさにかかわらず広帯域かつ安定した動作を実現する光受信フロントエンド技術の提供を課題とする。
ひとつの態様では、光受信回路は、
光信号を検出するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードからの電流信号が入力されるベース接地型アンプと、
前記ベース接地型アンプの出力に接続されるエミッタ接地型アンプと、
前記エミッタ接地型アンプの出力を、前記ベース接地型アンプの出力に帰還するフィードバック回路と、
前記光信号のパワーに基づいて、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗の大きさと、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流の大きさを切り替えるスイッチング回路と、
を有し、
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが所定のレベルを超えるときに、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗を減少させ、かつ、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増加させる。
上記構成により、光受信フロントエンドで、入力パワーの大きさにかかわらず広帯域で安定した動作を実現することができる。
一般的な光受信回路の図である。 ベース接地型アンプのコレクタ側の負荷にスイッチング回路を用いた構成図である。 図2の構成における高周波帯域での動作の劣化を説明する図である。 図2の構成における高周波帯域での動作の劣化を説明する図である。 図2の構成における高周波帯域での動作の劣化を説明する図である。 実施形態の光受信回路が適用される光インターコネクトの概略図である。 実施形態の光受信回路で用いられるフロントエンド増幅回路の回路構成例1を示す図である。 実施形態の光受信回路で用いられるフロントエンド増幅回路の回路構成例2を示す図である。 図8の回路構成で、ベース接地型アンプのエミッタ側の電流調整を説明する図である。 ベース接地型アンプのエミッタ側の電流調整を説明する図である。 回路構成例1または2によるフロントエンド増幅回路を用いた光受信回路の構成例を示す図である。 光受信回路で用いられるスイッチ信号生成回路の変形例を示す図である。 光受信回路で用いられるスイッチ信号生成回路の別の変形例を示す図である。 入力光パワーと光パワー検出回路の出力の関係、およびスイッチ信号の傾き制御を示す図である。 光受信回路の別の構成例を示す図である。 実施形態の光受信回路の効果を示す図である。 比較例として、従来構成を用いたときのアイパターンを示す図である。
以下で、図面を参照して発明の実施形態を説明する。まず、図3〜5を参照して、光受信回路に図2の負荷構成を有するベース接地型アンプ20を単体で用いた場合の高周波帯域での性能の劣化を説明する。
図3のベース接地型アンプ20で、トランジスタQ1のコレクタ側の負荷Rcの値は、並列配置された負荷R3とR31の接続関係をPMOSトランジスタT1で切り替えることで調整される。図3の右側のグラフは、T1をオンにして負荷Rcを小さくしたときのベース接地型アンプ20の出力特性を、スイッチングなしの固定負荷を用いた場合と比較したシミュレーション結果を示す。シミュレーションの条件は、R3が800Ω、R31が800Ω、トランジスタT1がオンのときの負荷Rcの合成抵抗は400Ωである。このときのシミュレーション結果をラインBで示す。比較として、400Ωの固定負荷を用いたときの出力特性をラインAで示す。
スイッチング構成の負荷を用いた場合(ラインB)、動作速度が数ギガヘルツ(GHz)を超えるあたりから、固定負荷の場合(ラインA)と比較してゲインの劣化が現れ、20GHzを超えるとその差が顕著になる。トランジスタT1の容量が高速動作に悪影響を与えるからである。トランジスタT1の容量を低減するために、トランジスタT1のサイズを小さくすることが考えられる。
図4は、トランジスタT1のサイズを小さくしたときのスイッチオン時のシミュレーション結果である。図3と同様に、スイッチング構成の負荷を用いたベース接地型アンプの出力特性(ケースBとケースC)を、400Ωの固定負荷を用いたときの出力特性(ケースA)と比較する。ケースBのトランジスタT1のゲート幅は10μm、ケースCのトランジスタT1のゲート幅は20μmである。
トランジスタT1のオン時の容量C_onは、ゲート幅wに比例して小さくなるので、ケースBの方がケースCよりも劣化が少ない。一方で、図4の等価回路のIdはトランジスタT1のドレイン−ソース間の電圧Vdsに依存した電流源であり、オン抵抗Ronとして現れる。オン抵抗Ronは近似的に1/wと比例関係にあり、ゲート幅wが小さくなるとオン抵抗が大きくなる。ケースC(w=20μm)では、Ronは450Ωであり、R31は350Ωに設定されるが、ケースB(w=10μm)では、Ronは800Ωとなり、R31は0Ωとなる。このように、容量削減のためにトランジスタT1のゲート幅wを小さくすると、オン抵抗が大きくなって、適切な合成負荷の設計が困難になる。
図5は、トランジスタT1がオフのときのスイッチ容量の問題を説明する図である。図4と同様に、ケースAはスイッチングなしで400Ωの固定負荷を用いる構成、ケースBとケースCは、オン時のトランジスタT1と負荷31の合成抵抗が800Ω(負荷回路全体での合成抵抗が400Ω)となるように設計されている。
トランジスタT1がオフの場合は、図4のオン時と比較して高周波帯域での出力特性の劣化は少ない。これは、トランジスタT1のオン時には、基板の容量だけでなく、トランジスタに電荷が溜まるため、空乏層容量も見えてくるからである。しかし、トランジスタT1のオフ時にも、ケースAと比較すると高周波帯域での動作の劣化が生じる。
図3〜図5の結果から、ベース(またはゲート)接地型アンプ(以下、単に「ベース接地型アンプ」と称する)にスイッチ構成の負荷抵抗を用いる場合、特にスイッチンオン時の高速特性を維持する構成が望まれる。
実施形態では、ベース接地型アンプの出力Vcp3を、エミッタ(またはソース)接地型アンプ(以下、単に「エミッタ接地型アンプ」と称する)の入力に接続し、エミッタ接地型アンプのエミッタ側の電流量を調整可能とする。雑音が問題となりにくい大電流時に、ベース接地型アンプの負荷抵抗を小さくし、かつエミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増加させて、エミッタ接地型アンプの出力を負帰還でVcp3に戻すように制御する。これにより、大電流入力時のベース接地型アンプの出力電位Vcp3の上昇を抑制し、かつエミッタ接地型アンプのフィードバック出力をVcp3に追従させることで、Vcp3での帯域劣化を補償する。この構成と動作の詳細については後述する。
図6は、実施形態の光受信回路が適用される光インターコネクトの例を示す。図6の例では、4チャンネルの光ケーブル105と光トランシーバ1Aおよび1Bを用いて、LSI(Large-scaled Integration)101、102の間を接続する。LSI101および102は、たとえば、サーバ間を接続するネットワークインタフェースカードのLSIや、InfiniBnad(インフィニバンド)のHCA(Host Channel Adapter:ホストチャネルアダプタ)のLSIである。
光インターコネクトは、光送信器2と、光受信器6と、これらの間を接続する光ケーブル105を含む。光送信器2は、各チャンネルに対応する発光素子4−1〜4−4と、発光素子4−1〜4−4を駆動するドライバ3−1〜3−4と、ドライバ3−1〜3−4を制御するマイクロコントローラ5を有する。発光素子4−1〜4−4は、たとえば半導体レーザダイオードと光変調器を含んでいてもよい。
光受信器6は、フォトダイオード等の受光素子7−1〜7−4(以下、適宜「受光素子7」と総称する)と、トランスインピーダンスアンプ(TIA)8−1〜8−4(以下、適宜「TIA8」と総称する)と、マイクロコントローラ9を含む。実施形態の光受信回路は、受光素子7とTIA8を含み、受光素子7に接続されるTIA8のフロント部分の回路に特徴を有する。
光トランシーバ1A、1Bにおいて、たとえばTIA8−1〜8−4とドライバ3−1〜3−4をひとつのチップ上に形成し、このチップを、受光素子7−1〜7−4と発光素子4−1〜4−4が形成された光配線基板上に搭載してもよい。この場合は、光トランシーバ1A、1Bはそれぞれひとつの光モジュールとして形成される。
<回路構成例1>
図7は、第1実施形態の光受信回路に含まれるフロントエンド増幅回路10Aの構成例を示す。フロントエンド増幅回路10Aは、ベース接地型アンプ20と、エミッタ接地型アンプ30と、差動用のダミーベース接地型アンプ20dmと、ダミーエミッタ接地型アンプ30dmを有する。ダミーベース接地型アンプ20dmとダミーエミッタ接地型アンプ30dmの構成は、ベース接地型アンプ20とエミッタ接地型アンプ30の構成と同じであり、入出力の極性が逆相となっている。図7のフロントエンド増幅回路10Aは差動アンプとして形成されているが、実施形態の光受信回路は差動構成に限定されない。
ベース接地型アンプ20は、トランジスタQ1を有する。トランジスタQ1のエミッタは受光素子(フォトダイオード)7に接続されている。より具体的には、フォトダイオードの出力は電流信号として、ベース接地型アンプ20の正入力inpに接続され、正入力inとトランジスタQ1のエミッタが接続されている。トランジスタQ1のエミッタはまた、負荷R1を介して基準電位GNDに接続されている。負荷R1に替えて定電流源を用いてもよい。トランジスタQ1のベースは固定電位VB1に接続され、コレクタは負荷25を介して電源電圧Vccに接続されている。
負荷25は、並列に配置された抵抗R3およびR31と、一方の抵抗R31に直列接続されるスイッチングトランジスタT1を有する。スイッチングトランジスタT1のゲートには、後述するスイッチング回路からスイッチ信号が入力される。
ベース接地型アンプ20の出力Vcp3は、トランジスタQ1のコレクタと負荷25の間のノードから取り出され、エミッタ接地型アンプ30に入力される。
エミッタ接地型アンプ30は、トランジスタQ7を有し、トランジスタQ7のベースにベース接地型アンプ20の出力Vcp3が接続される。トランジスタQ7のエミッタは電流源35に接続され、コレクタは、後段アンプへの負出力OUTに接続される。トランジスタQ7のコレクタはまた、負荷R5を介して電源電圧Vccに接続される。
電流源35は、並列に配置される電流源Is1およびIs11と、一方の電流源IS11に直列接続されるスイッチングトランジスタT3を有する。スイッチングトランジスタT3のゲートには、後述するスイッチング回路からスイッチ信号が入力される。
トランジスタQ7のコレクタと負荷R5の間のノードF1からエミッタ接地型アンプ30の出力が取り出される。エミッタ接地型アンプ30の出力は、トランジスタQ3と帰還抵抗Rf1を介して(負帰還で)、Vcp3にフィードバックされる。トランジスタQ7のコレクタと、トランジスタQ3と、帰還抵抗Rf1と、トランジスタQ7のベースでフィードバック回路40を形成する。トランジスタQ3のエミッタは抵抗R7を介して基準電位GNDに接続されている。抵抗R7に替えて定電流源を用いてもよい。
図7では、トランジスタQ7のコレクタにトランジスタQ5がカスコード接続され、ノードF1からの出力が、トランジスタQ3をオンにしてVcp3にフィードバックされる。トランジスタQ5は、フィードバック動作を安定させ、増幅を効率的に行うために挿入されているが、必須の構成要素ではない。トランジスタQ7のエミッタに接続されている抵抗Reは、R5/Reで規定される利得を調整するために用いられるが、必須ではない。Reを用いた場合、Reの値を調整することで負荷R5を変化させずに利得を調整できる。
逆相側のダミーベース接地型アンプ20dmは、ベース接地型アンプ20と同様に、トランジスタQ2を有する。トランジスタQ2のエミッタは、負帰還入力inに接続されている。トランジスタQ2のエミッタはまた、負荷R2を介して基準電位GNDに接続されている。負荷R2に替えて定電流源を用いてもい。トランジスタQ1のベースは固定電位VB1に接続され、コレクタは負荷25を介して電源電圧Vccに接続されている。負荷25dmは、並列に配置された抵抗R4およびR41と、一方の抵抗R41に直列接続されるスイッチングトランジスタT2を有する。スイッチングトランジスタT2のゲートには後述するスイッチング回路からスイッチ信号が入力される。
ダミーベース接地型アンプ20dmの出力Vcp4は、トランジスタQ2のコレクタと負荷25dmの間のノードから取り出され、ダミーエミッタ接地型アンプ30dmに入力される。ダミーエミッタ接地型アンプ30dmは、トランジスタQ8を有し、トランジスタQ8のベースにダミーベース接地型アンプ20dmの出力Vcp4が接続される。トランジスタQ8のエミッタは電流源35dmに接続され、コレクタは、後段アンプへの正出力OUTに接続される。トランジスタQ8のコレクタはまた、負荷R6を介して電源電圧Vccに接続される。
電流源35dmは、並列配置される電流源Is2およびIs21と、一方の電流源IS11に直列接続されるスイッチングトランジスタT4を有する。スイッチングトランジスタT4のゲートには、後述するスイッチング回路からスイッチ信号が入力される。
トランジスタQ8のコレクタと負荷R6の間のノードF2からダミーエミッタ接地型アンプ30dmの出力が取り出される。ダミーエミッタ接地型アンプ30dmの出力は、トランジスタQ4と帰還抵抗Rf2を介して、Vcp4にフィードバックされる。トランジスタQ8のコレクタと、トランジスタQ4と、帰還抵抗Rf2と、トランジスタQ8のベースでフィードバック回路40dmを形成する。トランジスタQ8のコレクタにカスコード接続されているトランジスタQ6は、フィードバック動作を安定させ、増幅を効率的に行うために挿入されているが、必須ではない。トランジスタQ8のエミッタに接続されている抵抗Reは、R6/Reで規定される利得を調整するために用いられるが、必須ではない。GNDの間に挿入される抵抗R8に替えて、定電流源を用いてもよい。トランジスタQ4とQ3はエミッタフォロワーと呼ばれる回路であり、出力インピーダンスを下げる効果があるが、本発明の必須構成要素ではない。また、本図では帰還抵抗Rf1、Rf2として固定抵抗が用いられているが、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタの様な能動素子を用いたフィードバック構成も可能である。
図7では、完全差動構成のフロントエンドの例を示すが、例えばベース接地型アンプもエミッタ接地アンプ型もシングル構成の場合、あるいはベース接地型アンプのみシングルで、エミッタ接地型アンプは差動構成の場合でも、本発明を同じように適用できるものとする。
次に、フロントエンド増幅回路10Aの動作を説明する。動作の説明には、半分の回路部分の説明で足りるため、ベース接地型アンプ20とエミッタ接地型アンプ30に着目して説明する。
光受信器6で受信された光信号のパワーが大きいとき、すなわちフロントエンド増幅回路10Aに入力される電流信号が大電流のとき、ベース接地型アンプ20のスイッチングトランジスタT1は導通して抵抗R3とR31を並列接続する。これにより、負荷25の値を小さくして、ベース接地型アンプ20の出力Vcp3が大きくなりすぎるのを抑制する。Vcp3は後段回路の動作破たんを起こさない程度に抑制されるが、トランジスタQ1のベース電位VB1よりも高いものとする。出力Vcp3はエミッタ接地型アンプ30のトランジスタQ7のベースに印加され、トランジスタQ7が導通する。
トランジスタQ7が導通している状態で、エミッタ接地型アンプ30のスイッチングトランジスタT3が導通するようにスイッチ制御される。スイッチングトランジスタT3の導通により、電流源Is11とIs1が並列接続されて電流量が合計され、エミッタ接地型アンプ30のエミッタ電流が増加する。これにより、コレクタ電流も増加する。エミッタ接地型アンプ30のコレクタ側のノードF1からの出力は、トランジスタQ3を導通させ帰還抵抗Rf1に電流が流れて電圧が生成される。この電圧をVcp3に帰還する。大パワー入力時にエミッタ接地型アンプ30のエミッタ電流を増加させることで、フィードバック回路40の動作速度が改善され、Vcp3に対するエミッタ接地型アンプ30の動作の追従性が向上する。スイッチングトランジスタT1のオン抵抗による高周波帯域での動作の低下(帯域劣化)が効率的に補償される。
エミッタ接地型アンプ30の電流源Is11とIs1に替えて、抵抗を並列配置してスイッチング制御してもよい。大電流のときにスイッチングトランジスタT3を導通することで抵抗値を低減し、エミッタ電流を増加させることができる。
一方、雑音が問題となる小電力時には、ベース接地型アンプ20のスイッチングトランジスタT1を非導通にして、抵抗値を大きくする。これにより、図1を参照して説明したように低雑音を実現する。このとき、エミッタ接地型アンプ30のスイッチングトランジスタT3は非導通であり、エミッタ電流はIs1となる。コレクタ側のノードF1からの出力はトランジスタQ3をオンにして、帰還抵抗Rf1で、小電力時のVcp3の電位に応じた電圧が生成され、Vcp3にフィードバックされる。
ベース接地型アンプ20のコレクタ側の負荷を調整可能とすることで、大きな容量のフォトダイオード(100〜200fF)を用いる場合にも回路発振を抑制する。また、エミッタ接地型アンプ30のエミッタ電流を入力パワーに応じて調整可能とし、エミッタ接地型アンプ30の出力をベース接地型アンプ20の出力Vcp3に追従性良くフィードバックする。これにより、高周波帯域での高速動作を維持し、動作帯域を広く維持することができる。小信号時の雑音低減効果は上述のとおりである。
<回路構成例2>
図8は、実施形態の光受信回路で用いられるフロントエンド増幅回路10Bの構成例を示す。フロントエンド増幅回路10Bは、図7の回路構成に加えて、ベース接地型アンプ20Aのエミッタ側に電流調整回路50を有する。電流調整回路50は、入力パワーの大きさに応じて、ベース接地型アンプ20Aのエミッタ電流量を調整する。図7のフロントエンド増幅回路10Aと同じ構成要素には同じ符号を付けて、重複する説明を省略する。
上述したように、小パワー入力時に、ベース接地型アンプ20Aのコレクタ側の負荷25を大きくすることで、回路雑音を小さくすることができる。しかし、小パワー(小信号)時に、出力電位Vcp3が下がりすぎて、動作が破たんする場合がある。図9と図10を参照して、小パワー入力時の改善構成を説明する。
図9において、フォトダイオード70からの入力Ipdが小電流のときには、雑音低減の目的で、負荷Rcの値は抵抗R3(図8参照)に固定される(R3>R3×R31/(R3+R31))。図7のように、トランジスタQ1のエミッタに接続されている負荷R1が一定の場合、負荷R1は、固定の定電流源とみることができ、エミッタ側の電流Ieは一定となる。
図10の左側の図に示すように、入力電流Ipdが大きいとき(大パワー入力時)にコレクタ側の負荷抵抗Rcが大きく、かつエミッタ側の電流Ieが小さい(すなわちエミッタ側の抵抗が大きい)と、Vcp3が大きくなりすぎて動作破たんする。コレクタ側の負荷抵抗Rcが大きいときに、エミッタ側の電流Ieを大きく(すなわち抵抗R1を小さく)することで、大電流時に出力Vcp3が大きくなりすぎることを抑制できる。しかし、小電流時領域で出力Vcp3が小さくなりすぎて(Vcp3=R1/(R1+R3))、異常動作を引き起こすおそれがある。
そこで、図10の右側の図に示すように、小パワー入力時は、コレクタ側の負荷Rcを大きくして回路雑音を低減し、かつエミッタ側の電流を小さくして、Vcp3が小さくなりすぎるのを防止する。大パワー入力時は、コレクタ側の負荷Rcを小さくし、かつエミッタ側の電流を大きくして、Vcp3が大きくなりすぎるのを抑制する。
図9に戻って、たとえば電源電圧Vccが2.5V、ベース電位が1.5Vとすると、正常動作を行うときの出力電位Vcp3は、電源電圧Vccよりも小さく、かつベース電位よりも大きい範囲である。入力パワー(入力電流Ipd)にかかわらずVcp3を正常動作に適した範囲内に制御するには、エミッタ側の電流源として、電流調整回路50を用いるのが望ましい。
電流調整回路は、たとえば、並列に配置された抵抗R1とR11を用い、一方の抵抗R11にスイッチングトランジスタT5を直列接続する。小パワー入力時はスイッチングトランジスタT5をオフにしてエミッタ側の電流を小さくする(抵抗R1のみにする)。大パワー入力時には、スイッチングトランジスタT5をオンにして、抵抗R1とR11を並列接続にして(抵抗を小さくして)、エミッタ側の電流を大きくする。図9の例ではスイッチンぐトランジスタT5はグランド近くのためNMOSが用いられている。そのため、ゲートに与える電圧が低い時(例えば0V)にOFFになり、高い時(例えば2.5V)にONになる。
この構成により、小パワー入力時に雑音を低減し、かつ出力Vcp3の過度の低下による動作破たんを防止する。
<入力パワーモニタに基づくスイッチ制御>
図11は、実施形態の光受信回路100の構成例を示す。フロントエンド増幅回路10A、10Bの双方において、スイッチングトランジスタT1〜T6のオン・オフ動作は、入力パワーの大きさに応じて制御される。光受信回路100は、入力パワーをモニタしてスイッチ信号を生成する構成を有する。
光受信回路100は、フォトダイオード70と、フロントエンド増幅回路10(図7のフロントエンド増幅回路10Aまたは図8のフロントエンド増幅回路10B)と、後段アンプとしての出力バッファ回路81と、光パワー検出回路91と、スイッチ信号生成回路95を有する。光パワー検出回路91と、スイッチ信号生成回路95は、スイッチング回路90Aに含まれる。フロントエンド増幅回路10と出力バッファ回路81は、TIA8に含まれる。
フロントエンド増幅回路10のベース接地型アンプ20の負荷RL1は、図7および図8のコレクタ側の負荷25に対応し、負荷RE1は、エミッタ側の負荷R1または電流調整回路50に対応する。ダミーベース接地型アンプ20dmの負荷RL2とRE2も同様である。差動エミッタ増幅回路300の帰還抵抗RF1とRF2は、図7および図8の帰還抵抗Rf1とRf2に対応する。
図11の例では、スイッチング回路90Aは、TIA8の直流(DC)電圧をフロントエンド増幅回路10にフィードバックするDCフィードバックループの一部を利用している。スイッチング回路90Aの光パワー検出回路91は、ローパスフィルタ(LPF)92と、差動アンプ93を有する。LPF92は、差動エミッタ増幅回路300の差動出力の高周波成分を除去して平均化する。差動アンプ93は、フィードバックループに接続され、ベース接地型アンプ20の入力電流とダミーベース接地型アンプ20dmの入力電流が等しくなるように帰還がかかる。すなわち差動アンプ93の出力は平均入力光パワー情報として出力される。この平均入力光パワー情報は、ダミーベース接地型アンプ20dmの負入力に接続される。
平均入力光パワー情報の一部が分岐され、スイッチ信号生成回路95のオペアンプ106の第1入力に接続される。オペアンプ106の第2入力は閾値電圧Vthに接続されており、平均入力光パワーとVthが比較される。平均入力光パワーがVthよりも大きい場合、たとえば高電位のスイッチ信号が出力され、フロントエンド増幅回路10(10Aまたは10B)のスイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに供給される。平均入力光パワーがVth以下のときは、たとえば低電位のスイッチ信号が出力され、スイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに供給される。この例では、オペアンプ106はコンパレータとして使用されている。スイッチングトランジスタT1〜T6がPMOSスイッチかNMOSスイッチかによって、オペアンプ106とスイッチングトランジスタT1〜T6の間に1適宜出力を反転するインバーター回路を挿入する。
図12は、スイッチ信号生成回路95の変形例として、ヒステリシス調整を用いたスイッチ信号生成回路96を示す。光パワー検出回路91の出力、すなわち入力光パワーに比例したDC電圧は、抵抗R52を介してオペアンプ106の第1入力に接続される。オペアンプ106の第2入力は閾値電圧Vthの反転入力に接続されている。オペアンプ106の出力は、可変抵抗R51を介して、オペアンプ106の第1入力にフィードバックされる。
光パワー検出回路91の出力にノイズ等の揺らぎ成分が含まれていると、オペアンプ106の出力が変動し、スイッチのオン・オフが不安定になる。たとえば、図12の中段に示すように、平均入力光パワー(DC電圧)が徐々に増大してVthを超える場合、Vthの近傍で出力が変動する。そこで、オペアンプ106の第1入力に接続される平均入力光パワーがVthをさらに一定レベル超えるまでスイッチ信号をたとえば低電位に維持する。平均入力光パワーがVthよりも小さくなる場合も、Vthからさらに一定レベル低下するまでスイッチ信号をたとえば高電位に維持する。Vthからどの程度変化するまでスイッチ信号の切り替えを保持するかは、R11とR12の抵抗比で決まる。
スイッチ信号生成回路96の構成を採用することで、光パワーの揺らぎによるスイッチの変動を防止することができる。
図13は、スイッチ信号生成回路95のさらに別の変形例として、アナログスイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路97を示す。スイッチ信号の電圧をデジタル的な変化ではなく、アナログ的に変化させることによっても、図12のヒステリシス調整と同様の効果を得ることができる。
スイッチ信号生成回路97において、光パワー検出回路91の出力電圧Op_dcは、抵抗R21を介してオペアンプ107の第1入力(正入力)に接続される。図14(A)に示すように、光パワー検出回路91の出力電圧Op_dcは、入力光パワーに比例したDC電圧である。オペアンプ107の第1入力はまた、抵抗R23を介して接地されている。オペアンプ107の第2入力は、抵抗21を介して閾値電圧Vth0の反転入力に接続される。オペアンプ107の出力は、抵抗R23を介して、オペアンプ107の第2入力にフィードバックされる。
この構成で、オペアンプ107の出力Voutは、
Vout=(R23/R21)(Op_dc−Vth0)
で表される。
図14(B)に示すように、入力光パワーに対する出力電圧(スイッチ電圧)の傾きは抵抗R23とR21の比率を変えることで調整可能である。この構成では、入力光パワーに応じたスイッチ信号が、フロントエンド増幅回路10のスイッチングトランジスタT1〜T6に供給される。スイッチ信号の電圧が、スイッチングトランジスタT1〜T6のゲート閾値電圧を超えたときに、スイッチングトランジスタT1〜T6が導通する。
図14の構成によっても、光信号の強度またはパワーの揺らぎによりスイッチのオン・オフがばたつく現象を防止することができる。
図15は、スイッチング回路90Bを用いた光受信回路200の構成例を示す。図15では、フォトダイオード70のカソード側で光電流をモニタして、スイッチ信号を生成する。スイッチング回路90Bは、光パワー検出回路99と、スイッチ信号生成回路95を有する。光パワー検出回路99は、フォトダイオード70のカソードに接続されている。光パワー検出回路99では、逆バイアス電圧Vpdと、負荷Rpdと、カプリングコンデンサCpdが直列接続されている。カプリングコンデンサCpdで光信号の交流(AC)成分を除去し、DC成分をスイッチ信号生成回路95のオペアンプ106の第1入力に接続する。オペアンプの106の第2入力に閾値電圧Vthを接続する。光信号のDC電圧がVthよりも大きいときに、オペアンプ106はたとえば高電位のスイッチ信号を出力する。光信号のDC電圧がVth以下の場合は、オペアンプ106はたとえば低電位のスイッチ信号を出力する。スイッチン信号は、フロントエンド増幅回路10(10Aまたは10B)のスイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに入力される。
図15の例では、図11と同様のスイッチ信号生成回路95を用いているが、これに替えて、図12のヒステリシス調整可能なスイッチ信号生成回路96や、図13のアナログスイッチ号を生成するスイッチ信号生成回路97を用いてもよい。
いずれの場合も、スイッチング回路90Aと90Bは、入力光信号のパワーが所定のレベルを超えるときに、ベース接地型アンプ20の負荷25の負荷抵抗を減少させ、かつ、エミッタ接地型アンプ30のエミッタ電流を増加させる。この制御の下で、エミッタ接地型アンプ30の出力をベース接地型アンプ20の出力Vcp3に帰還することで、高周波帯域での動作特性を維持し、狭帯域化を防止する。
また、入力光信号のパワーが所定のレベル以下のときは、ベース接地型アンプの負荷25の負荷抵抗を増大させ、かつ、エミッタ接地型アンプ30のエミッタ電流を減少させる制御を行う。この制御により、雑音の影響が大きくなる小電流時に、効果的に雑音を低減する。さらに、小電流時に、ベース接地型アンプの電流源の電流を小さくすることで(回路構成例2)、小電流時の動作破たんを防止する。
<実施形態の効果>
図16は、実施形態の光受信回路の効果を示す図である。図16は、光受信回路に図8のフロントエンド増幅回路10B(回路構成例2)を用いたときのアイパターンを示す。図17は、比較例として従来構成の光受信回路のアイパターンを示す。図16、図17ともに、25.6Gb/sの動作速度でシミュレーションしている。入力信号の消光比は5dBであり、これはVCSELを用いた変調信号の一般的な値である。
図17の従来構成では、フロントエンド増幅回路に図2のベース接地型アンプを単体で用いている。コレクタ側の負荷RcをR3(800Ω)のまま用いると、大信号のとき、たとえば、平均光パワーが+2.6dBmのときに、動作が破たんする。大信号のときにコレクタ側の負荷Rcを小さくする(800Ωから400Ωに切り換える)ことで、かろうじて+2.6dBmまで対応できるが、負荷抵抗が小さいため先に述べたように受信感度は非常に悪い。
これに対し、図16では、大信号時にベース接地型アンプのコレクタ側の負荷を小さくし(800Ωから400Ωに切り換える)、かつ、エミッタ接地型アンプのエミッタ電流を大きくしてエミッタ接地型アンプの出力をベース接地型アンプの出力Vcp3に負帰還でフィードバックする。これにより、光パワーが+2.6dBmのときにも鮮明なアイパターンを得ることができる。
図16ではまた、小信号時に、ベース接地型アンプのコレクタ側の負荷Rcを大きくして(800Ωに切り換えて)、雑音を低減し、かつ、ベース接地型アンプのエミッタ側の電流を小さくすることで、小信号時の動作破たんを防止している。これによりダイナミックレンジ全体にわたって、鮮明なアイパターンを得ることができる。図16では、負荷Rcのスイッチを用いない場合(負荷Rcが400Ωで固定値の時)と比較して受信感度が1dB向上している。
なお、図7のフロントエンド増幅回路10Aを用いた場合も、大信号時にベース接地型アンプのコレクタ側の負荷Rcを小さくする(400Ωに切り換える)ことで、図16と同様のアイパターンが得られる。このときは低信号時のボトルネックから低信号時にRcを600Ωまでしか上げれないが、図17と比較して、受信感度は0.5dBm向上する。
このように、実施形態の光受信回路により、優れた受信感度で、入力信号パワーの大小にかかわらず安定した動作で光信号の受信処理を行うことができる。
実施形態では、トランジスタQ1〜Q8としてバイポーラトランジスタを用いて、ベース接地型アンプ20、エミッタ接地型アンプ30を形成したが、電界効果トランジスタを用いてゲート接地型アンプとソース接地型アンプを形成しても、同様の効果を得ることができる。特許請求の範囲で「ベース接地型アンプ」というときは、ゲート接地型アンプも含まれ、「エミッタ接地型アンプ」というときは、ソース接地型アンプも含まれるものとする。また、「ベース」というときはゲートも含まれ、「エミッタ」というときはソースも含まれ、「コレクタ」というときはドレインも含まれるものとする。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
光信号を検出するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードからの電流信号が入力されるベース接地型アンプと、
前記ベース接地型アンプの出力に接続されるエミッタ接地型アンプと、
前記エミッタ接地型アンプの出力を、前記ベース接地型アンプの出力に帰還するフィードバック回路と、
前記光信号のパワーに基づいて、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗の大きさと、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流の大きさを切り替えるスイッチング回路と、
を有し、
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが所定のレベルを超えるときに、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗を減少させ、かつ、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増加させることを特徴とする光受信回路。
(付記2)
前記ベース接地型アンプは電流源を有し、
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが前記所定のレベル以下の場合に、前記ベース接地型アンプの前記負荷抵抗を増大させ、かつ前記電流源の電流を減少させることを特徴とする付記1に記載の光受信回路。
(付記3)
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが前記所定のレベルを超えるときに、前記負荷抵抗を減少させ、かつ、前記電流源の電流を増大させることを特徴とする付記2に記載の光受信回路。
(付記4)
前記ベース接地型アンプは、電源電圧に並列接続される第1負荷および第2負荷と、前記第1負荷と前記第2負荷のいずれか一方に直列接続される第1スイッチングトランジスタとを有し、
前記エミッタ接地型アンプは、基準電位に並列接続される第1電流源および第2電流源と、前記第1電流源と前記2電流源のいずれか一方に直列接続される第2スイッチングトランジスタとを有し、
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーに基づいて、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタのオン・オフを制御することを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の光受信回路。
(付記5)
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーをモニタする光パワー検出回路と、前記光パワー検出回路の出力に基づいてスイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路とを有し、
前記スイッチ信号は、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタに接続されることを特徴とする付記4に記載の光受信回路。
(付記6)
前記ベース接地型アンプの前記電流源は、基準電位に並列接続される第3負荷および第4負荷と、前記第3負荷と前記第4負荷のいずれかに直列接続される第3スイッチングトランジスタとを有し、
前記スイッチング回路は、前記第3スイッチングトランジスタのオン・オフを制御することを特徴とすることを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の光受信回路。
(付記7)
前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーをモニタする光パワー検出回路と、前記光パワー検出回路の出力に基づいてスイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路とを有し、
前記スイッチ信号生成回路は、デジタルスイッチ信号、ヒステリシスが調整されたスイッチ信号、またはアナログスイッチ信号を生成することを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の光受信回路。
(付記8)
前記光パワー検出回路は、前記エミッタ接地型アンプの出力に接続されて、前記光信号のパワーをモニタすることを特徴とする付記7に記載の光受信回路。
(付記9)
前記光パワー検出回路は、前記フォトダイオードのカソードに接続されて、前記光信号のパワーをモニタすることを特徴とする付記7に記載の光受信回路。
(付記10)
付記1〜9のいずれかに記載の光受信回路を有する光受信器と、
光送信器と、
を有する光トランシーバ。
(付記11)
光受信回路で受信される光信号の大きさを検出し、
前記光信号の大きさが所定レベルを超える場合に、前記光受信回路のベース接地型アンプの負荷抵抗を低減し、かつ、前記ベース接地型アンプの出力に接続されるエミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増大させ、
前記エミッタ接地型アンプの出力を、前記ベース接地型アンプの出力に帰還する、
ことを特徴とする光受信回路の制御方法。
(付記12)
前記ベース接地型アンプの基準電圧側に電流源を配置し、
前記光信号のパワーが前記所定のレベル以下の場合に、前記ベース接地型アンプの前記負荷抵抗を増大させ、かつ前記電流源の電流を減少させることを特徴とする付記11に記載の光受信回路の制御方法。
(付記13)
前記光信号のパワーが前記所定のレベルを超えるときに、前記負荷抵抗を減少させ、かつ、前記電流源の電流を増大させることを特徴とする付記12に記載の光受信回路の制御方法。
1,1A,1B 光トランシーバ
2 光送信器
6 光受信器
7 受光素子
8 トランスインピーダンスアンプ(TIA)
10、10A、10B フロントエンド増幅回路
20 ベース接地型アンプ
20dm ダミーベース接地型アンプ
25 負荷
30 エミッタ接地型アンプ
30dm ダミーエミッタ接地型アンプ
35 電流源
40 フィードバック回路
50 電流調整回路
70 フォトダイオード
81 出力バッファ回路
90A、90B スイッチング回路
91、99 光パワー検出回路
95、96,97 スイッチ信号生成回路
100、200 光受信回路
T1〜T6 スイッチングトランジスタ
Q1〜Q8 トランジスタ

Claims (7)

  1. 光信号を検出するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードからの電流信号が入力されるベース接地型アンプと、
    前記ベース接地型アンプの出力に接続されるエミッタ接地型アンプと、
    前記エミッタ接地型アンプの出力を、前記ベース接地型アンプの出力に帰還するフィードバック回路と、
    前記光信号のパワーに基づいて、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗の大きさと、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流の大きさを切り替えるスイッチング回路と、
    を有し、
    前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが所定のレベルを超えるときに、前記ベース接地型アンプの負荷抵抗を減少させ、かつ、前記エミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増加させることを特徴とする光受信回路。
  2. 前記ベース接地型アンプは電流源を有し、
    前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが前記所定のレベル以下の場合に、前記ベース接地型アンプの前記負荷抵抗を増大させ、かつ前記電流源の電流を減少させることを特徴とする請求項1に記載の光受信回路。
  3. 前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーが前記所定のレベルを超えるときに、前記負荷抵抗を減少させ、かつ、前記電流源の電流を増大させることを特徴とする請求項2に記載の光受信回路。
  4. 前記ベース接地型アンプは、電源電圧に並列接続される第1負荷および第2負荷と、前記第1負荷と前記第2負荷のいずれか一方に直列接続される第1スイッチングトランジスタとを有し、
    前記エミッタ接地型アンプは、基準電位に並列接続される第1電流源および第2電流源と、前記第1電流源と前記2電流源のいずれか一方に直列接続される第2スイッチングトランジスタとを有し、
    前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーに基づいて、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタのオン・オフを制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光受信回路。
  5. 前記スイッチング回路は、前記光信号のパワーをモニタする光パワー検出回路と、前記光パワー検出回路の出力に基づいてスイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路とを有し、
    前記スイッチ信号は、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタに接続されることを特徴とする請求項4に記載の光受信回路。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光受信回路を有する光受信器と、
    光送信器と、
    を有する光トランシーバ。
  7. 光受信回路で受信される光信号の大きさを検出し、
    前記光信号の大きさが所定レベルを超える場合に、前記光受信回路のベース接地型アンプの負荷抵抗を低減し、かつ、前記ベース接地型アンプの出力に接続されるエミッタ接地型アンプのエミッタ電流を増大させ、
    前記エミッタ接地型アンプの出力を、前記ベース接地型アンプの出力に帰還する、
    ことを特徴とする光受信回路の制御方法。
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