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JP6592844B2 - 戸挟み検出装置 - Google Patents

戸挟み検出装置 Download PDF

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JP6592844B2 JP2015220785A JP2015220785A JP6592844B2 JP 6592844 B2 JP6592844 B2 JP 6592844B2 JP 2015220785 A JP2015220785 A JP 2015220785A JP 2015220785 A JP2015220785 A JP 2015220785A JP 6592844 B2 JP6592844 B2 JP 6592844B2
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Description

本発明は、開閉可能に設けられた車両用ドアがその閉止時に戸挟み状態であることを検出するための戸挟み検出装置に関する。
鉄道車両には、乗降に使用される車両用ドアが設けられている。この車両用ドアの開閉方式としては、戸板が左右方向にスライドする引き戸方式が一般的であって、特に、相対向して設けられた一対の戸板が互いに近接又は離間するようにして開閉する方式が広く用いられている。
このような車両用ドアにおいては、一対の戸板の間に乗客やその所持品等の異物が挟まれた不完全な閉止状態、すなわち戸挟み状態のままで鉄道車両が発車することを防止すべく、戸挟み状態であることを確実に検出することが必要とされる。そこで従来、戸挟み状態を検出可能な戸挟み検出装置が車両用ドアの先端に設置され(例えば、特許文献1を参照)、戸挟み状態が検知されると、自動的に、あるいは車掌等による手動操作によって車両用ドアを開いて戸挟み状態を解消するようになっている。
ここで、特許文献1に記載された従来の戸挟み検出装置では、戸板の閉方向先端部に設けられる中空の戸先ゴムの変形を内部の圧電センサによって電気信号として検出し、この電気信号に基づいて異物の有無を判定する構成となっている。
特開2013−147195号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の戸挟み検出装置に記載された戸先ゴムは、薄く長いシート状の圧電材を内部に挿入して所定位置に固定することが難しいという課題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、戸挟み検出装置に用いられる戸先ゴムの内部への圧電材の取り付けを容易にすることを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、開閉可能に設けられた車両用ドアが、その閉止時に異物が挟まった戸挟み状態であることを検出するための戸挟み検出装置であって、前記車両用ドアの閉方向先端の縁部に基端部が脱着自在に取り付けられてかつ内部に空間部を有する戸先ゴム外部材と、該戸先ゴム外部材の空間部に挿脱自在に収容される戸先ゴム内部材と、前記戸先ゴム外部材に収容される前記戸先ゴム内部材の先端部に固定されて、戸挟み状態での前記戸先ゴム内部材の変形を電気信号に変換する異物検出センサと、を有することを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム内部材の先端部に、戸挟み状態での該戸先ゴム内部材の変形を電気信号に変換する異物検出センサを固定し、この状態で、戸先ゴム外部材の空間部内に該戸先ゴム内部材を挿入することができる。
これにより、戸挟み検出装置に用いられる戸先ゴムの内部へ、異物検出センサとなる圧電材を容易に収容しかつ取り付けることが可能となる。
また、本発明では、前記戸先ゴム外部材は、前記車両用ドアの開方向側に位置する基端部と、前記車両用ドアの閉方向側に位置する先端部との間の外周面に、その幅寸法よりも小さい外周溝部を有しており、該外周溝部に、前記車両用ドアの縁部に形成された突出縁部が脱着自在に係止されることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、基端部と先端部との間の戸先ゴム外部材の外面に幅寸法よりも小さい外周溝部を有しており、該外周溝部に、車両用ドアの縁部に形成された突出縁部が係止されることで、該車両用ドアの縁部に戸先ゴムを容易に脱着させることができる。
また、本発明では、前記車両用ドアの突出縁部には開口部が形成されるとともに、該開口部を通じて内部に嵌合凹部が形成されており、前記戸先ゴム外部材の基端部は前記車両用ドアの嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部であることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、車両用ドアの突出縁部には開口部が形成されるとともに、該開口部を通じて内部に嵌合凹部が形成されており、さらに戸先ゴム外部材の基端部が車両用ドアの嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部を有しているので、車両用ドアの突出縁部を戸先ゴム外部材の外周溝部に係合するに際して、車両用ドアの開口部を通じて嵌合凹部に嵌合凸部を円滑に嵌入することができる。
また、本発明では、 前記戸先ゴム外部材の内面には凸部が形成されており、該凸部に、前記空間部に収容された前記戸先ゴム内部材の凹部が係合されることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム外部材の内面には凸部が形成されており、該凸部に、空間部に収容された戸先ゴム内部材の凹部が係合されることで、戸先ゴム外部材内の定位置に、異物検出センサが固定された戸先ゴム内部材を保持することができる。
また、本発明では、前記異物検出センサは、前記戸先ゴム外部材の先端内面と前記戸先ゴム内部材の先端部との間に形成された戸先ゴム空間部内に配置されることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム外部材の先端内面と戸先ゴム内部材の先端部との間に形成された戸先ゴム空間部内に、異物検出センサが配置されているので、車両用ドアの閉止時に、戸先ゴム外部材に異物が挟まり、該戸先ゴム外部材が変形して戸先ゴム内部材の先端部に固定された異物検出センサに当接した場合に、該異物検出センサにより有効に戸挟み状態を検出することができる。
また、本発明では、前記戸先ゴム外部材は、前記戸先ゴム内部材よりも硬度の小さい軟質な材料で形成されていることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム外部材が戸先ゴム内部材よりも硬度の小さい軟質な材料で形成されているので、車両用ドアの閉止時に、戸先ゴム外部材に異物が挟まった場合に、該戸先ゴム外部材の変形を容易にする。また、戸先ゴム外部材が変形して、戸先ゴム内部材の先端部に固定された異物検出センサに当接した場合には、該戸先ゴム内部材の変形を抑え、該戸先ゴム内部材と異物検出センサとの間の接着面にて生じる歪を最小限にすることができる。
また、本発明では、前記車両用ドアのスライド経路の中央部には、前記戸先ゴム外部材の空間内でかつ末端位置には、前記車両用ドアの閉止時に閉止時に前記戸先ゴム外部材の前端部に当接して前記車両用ドアの停止位置からの移動を規制するストッパとの衝撃を緩和する緩衝材が充填されていることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、前記戸先ゴム外部材の空間内でかつ末端位置には、前記車両用ドアのスライド経路の中央部で閉止時に前記戸先ゴム外部材の前端部に当接して前記車両用ドアの停止限界を超える移動を規制するストッパとの衝撃を緩和する緩衝材が充填されているので、車両用ドア閉止時にストッパに衝突したとしても、緩衝材による衝撃緩和により、戸先ゴム内部材に固定された異物検出センサが破損することを未然に防止できる。
また、本発明では、前記戸先ゴム外部材の基端部でかつ前記車両用ドアに臨む端面には切欠部が形成されており、該切欠部を通じて、前記戸先ゴム外部材の空間部内に前記戸先ゴム内部材が収容されることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム外部材の基端部でかつ車両用ドアに臨む端面には切欠部が形成されており、該切欠部を通じて、戸先ゴム外部材の空間部内に戸先ゴム内部材を容易に収容することができる。
また、本発明では、前記空間部は、前記戸先ゴム外部材によって全周が覆われた中空部により形成され、該中空部に長さ方向に沿うように前記戸先ゴム内部材が収容されることを特徴とする。
そして、上記発明によれば、戸先ゴム外部材によって全周が覆われた中空部により空間部が形成され、該中空部に長さ方向に沿うように戸先ゴム内部材が収容されることから、異物検出センサが固定された戸先ゴム内部材を、戸先ゴム外部材に中空状に形成された空間部内に安定した状態で保持することができる。
本発明によれば、戸先ゴム内部材の先端部に、戸挟み状態での該戸先ゴム内部材の変形を電気信号に変換する異物検出センサを固定し、この状態で、戸先ゴム外部材の空間部内に該戸先ゴム内部材を挿入することができる。
これにより、戸挟み検出装置に用いられる戸先ゴムの内部へ、異物検出センサとなる圧電材を容易に収容しかつ取り付けることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る戸挟み検出装置の概略構成図であって、(A)は全体図、(B)は圧電材を示す図である。 第1実施形態の戸先ゴム外部材を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 第1実施形態の戸先ゴム内部材を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 戸先ゴム内部材を戸先ゴム外部材に挿入する動作を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 戸先ゴム内部材を戸先ゴム外部材に挿入した後の断面図であって、(A)は(B)のA−A線に沿う断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。 戸板のスライド経路に設けられたストッパの位置関係を示す正面図である。 第2実施形態の戸先ゴム外部材を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 第2実施形態の戸先ゴム内部材を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 戸先ゴム内部材を戸先ゴム外部材に挿入する動作を示す図であって、(A)は端部を示す図、(B)は(A)を側方から見た図である。 戸先ゴム内部材を戸先ゴム外部材に挿入した後の断面図であって、(A)は(B)のA−A線に沿う断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態について説明する。
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る戸挟み検出装置10を備えた車両用ドア装置1の一部を示す分解斜視図である。
車両用ドア装置1は、図1(A)に示すように、開閉方向(開方向イ、閉方向ロ)に沿ってスライド可能に設けられた車両用ドア2と、この車両用ドア2の閉方向先端部に設けられた戸挟み検出装置10と、を備えるものである。
なお、図1(A)に詳細は示さないが、この車両用ドア装置1は、開閉方向に相対向するようにして一対が設けられ、これら車両用ドア装置1は、その戸挟み検出装置10を互いに向かい合わせた状態となっている。
車両用ドア2は、図1(A)に示すように、略矩形の平板部材であってその厚み方向へ貫通して窓部3が形成された戸板4と、この戸板4の窓部3に嵌合された窓ガラス5と、を有している。
そして、戸板4の閉方向B先端面には、横断面で略矩形形状を有する嵌合凹部6が、戸板4の高さ方向、すなわち閉方向Bに略直交する縦方向(矢印ハ−ニ方向)に延びるように形成されている。
この嵌合凹部6は、互いに対向する一対の突出縁部7間に位置する開口部8を通じて内部に連通されるものであって、その幅寸法6aは、突出縁部7間に位置する開口部8の溝幅8aよりも大きく設定されている。
そして、以上のように構成された戸板4では、突出縁部7間に位置する開口部8を通じて嵌合凹部6内に、戸先ゴム外部材20の基端部22にある嵌合凸部25が嵌合されると同時に、突出縁部7が戸先ゴム外部材20の外周溝部24に係合される(詳細は後述する)。これによって戸板4の閉方向B側の端面4Aに、戸先ゴム11が結合及び保持されることになる。
戸挟み検出装置10は、戸板4の閉方向B側でかつ縁部4Aに設けられる戸先ゴム11と、この戸先ゴム11の内部に設けられる異物検出センサとなる圧電材12と、を備えている。
戸先ゴム11は、図2(A)(B)〜図5(A)(B)に示されるように、戸板4の縁部4Aに脱着自在に取り付けられる戸先ゴム外部材20と、該戸先ゴム外部材20の空間部21に挿脱自在に収容される戸先ゴム内部材30とを有し、全体がゴム材からなる長尺な部材を形成している。
戸先ゴム外部材20は、戸板4の開方向A側に位置する基端部22と、戸板4の閉方向B側に位置する先端部23とを有し、かつこれら基端部22及び先端部23の間に外周溝部24を有している。
この外周溝部24は、戸先ゴム外部材20の基端部22及び先端部23よりも小さい幅で、かつ開口部8の溝幅8aとほぼ同じ幅寸法24aを有している。
また、戸先ゴム外部材20の基端部22は、戸板4の開口部8を通じて嵌合凹部6に嵌合可能な嵌合凸部25を形成しており、嵌合凹部6の開口部8の溝幅8aよりも大きく、かつ嵌合凹部6の幅寸法6aよりも若干小さい幅寸法22aを有している。
そして、このような戸先ゴム外部材20では、開口部8を通じて戸板4内の嵌合凹部6に、基端部22側の嵌合凸部25を嵌合した場合に、該基端部22と先端部23との間の外周溝部24に、戸板4の縁部4Aに位置する突出縁部7が係止される。これによって、戸先ゴム外部材20を含む戸先ゴム11が戸板4に固定されることになる。
また、戸先ゴム外部材20は中空状に形成されていて、その内部に長さ方向(戸板4に装着した場合は矢印ハ−ニで示される縦方向)に沿う空間部21を有している。
また、戸先ゴム外部材20の基端部22でかつ戸板4に臨む端面には空間部21に連通する切欠部26が形成されており、該切欠部26が広がるように、例えば戸先ゴム外部材20を図2(A)の左右外方へ向かうように弾性変形状態で押し広げ、空間部21内に戸先ゴム内部材30を収容した後、切欠部26が狭まるように弾性力により復元させることによって、図4(A)に示すような状態に組立てられるようになっている。
戸先ゴム外部材20の側部内面でかつ外周溝部24の裏側には凸部27が形成されており、また、戸先ゴム内部材30の側部外面には該凸部27に係合する凹部31が形成されている。
そして、これら戸先ゴム外部材20の凸部27と、戸先ゴム内部材30の凹部31とは、戸先ゴム外部材20の空間部21に戸先ゴム内部材30が収容された場合に互いに係合される。
また、戸先ゴム外部材20の空間部21に戸先ゴム内部材30が収容されると、戸先ゴム外部材20の先端内面と、戸先ゴム内部材30の先端面との間には断面形状が略半球状の戸先ゴム空間部32が形成され、この戸先ゴム空間部32内に圧電材12が配置される。
また、戸先ゴム外部材20は戸先ゴム内部材よりも軟質な材料あるいは形状で形成されており、これにより車両用ドア1の閉止時に、戸先ゴム外部材20に異物が挟まった場合に、該戸先ゴム外部材20の変形を容易にする。
圧電材12は、戸挟み状態での戸先ゴム内部材30の変形を電気信号に変換するものであって、図4(A)(B)及び図5(A)(B)に示されるように、戸先ゴム外部材20に収容される戸先ゴム内部材30の先端凸部33に取り付けられる。
また、圧電材12は、媒体中に複数の圧電粒子が分散された板状の部材であって、より詳細には、媒体に加わる電界の方向と複数の圧電粒子の分極方向とが同一になるように、電界の方向に沿って圧電粒子が連続して配向されたものである。この圧電材12としては、例えば、シリコーンゴムなどの媒体内にチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電粒子が厚さ方向に連続して配向された圧電ゴムが挙げられる。
圧電粒子は、圧電効果を示す粒子である。この圧電粒子は、機械的応力が加わると応力に応じた電気分極を発生して電界を発生(正効果)し、電界を加えて電気分極を発生させると電界の大きさに応じた歪みを発生(逆効果)する圧電効果を示す。圧電粒子は、例えば、媒体がゴムであるときには、ゴム中に連続して配向されている。この圧電粒子は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、又は水晶等の粒子である。
媒体は、圧電粒子を保持する母材(マトリックス)である。この媒体は、加わる電界の方向に複数の圧電粒子が連続して配向されるようにこれらの圧電粒子を保持しており、複数の圧電粒子が複数列になって並ぶように保持されている。媒体は、例えば、シリコーンゴム又はウレタンゴムなどの熱硬化型又は二液硬化型のゴム、スチレン系、オレフィン系又は塩化ビニル系の熱可塑性エラストマー、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのオレフィン系又は塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、加熱硬化前のエポキシ又はポリエステルなどの熱硬化性樹脂、シリコーンオイル又はエチレングリコール(不凍液)などの液体が好ましい。また、媒体としては、柔軟性及びたわみ性に優れたゴムが特に好ましく、ゴムに比べて柔軟性及びたわみ性の利点は失われるが寸法及び成型の自由度があり、圧電セラミックスに比べてもろくなく、高たわみを示す樹脂が好ましい。
ここで、圧電ゴムは、例えば、クロロプレンゴム等のゴム材とチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミック粉末とを混合する混合工程と、この混合工程後の混合物を加硫する加硫工程と、この加硫工程後の混合物の両端部に電圧を印加してこの混合物を分極させる分極工程とによって製造される。
図1(B)は、圧電材12の構成を示す概略正面図である。圧電材12は、略矩形の圧電ゴム部13と、この圧電ゴム部13の幅方向両端部に長手方向に沿ってそれぞれ設けられた一対の電極14と、一対の電極14にそれぞれ電気的に接続された一対の配線15と、を備えるものである。
このように構成される圧電材12では、図1(A)、図3(A)(B)〜図5(A)(B)に示すように、戸先ゴム内部材30の先端凸部33に沿って縦方向(矢印ハ−ニ方向)に圧電ゴム部13が貼り付けられている。
図1(A)には、戸挟み検出装置10の回路構成を示す模式図が示されている。
この戸挟み検出装置10は、圧電材12の一部を構成する一対の配線15がそれぞれ接続されたチャージアンプ16と、このチャージアンプ16に対して電気的に接続された電圧測定器17と、からなる異常検知手段18を有している。
ここで、チャージアンプ16は、圧電材12から発生する電荷を電圧に変換する役割を果たし、また、電圧測定器17は、チャージアンプ16から入力された電圧の変化を検知する役割を果たすものであって、電圧測定器17により戸挟み状態が検出された場合には、警報機19にて異常を表示する。より具体的には、乗務員が視覚的あるいは聴覚的に戸挟みの発生を認識することができるよう、運転席等に表示する。
また、図5(A)(B)及び図6に示されるように、圧電材12が取り付けられた戸先ゴム内部材30が戸先ゴム外部材20の空間部21内に収容された状態で、戸先ゴム外部材20の空間部21の末端位置には、アルミニウム片40と緩衝材41とが充填される。
アルミニウム片40は戸先ゴム外部材20に一定の強度を持たせるために設置されるものであり、また、緩衝材41は、戸板4が矢印B方向に移動した閉止時に、ストッパ50が戸先ゴム外部材20の前端部に当接した際の衝撃を緩和するために設けられるものである。
このストッパ50は、図6に示されるように、車両本体51側に位置しかつ戸板4のスライド経路52の中央部に設置される弾性材であって、閉止時に戸先ゴム外部材20の前端部に当接して戸板4を所定位置に停止させるものである。
そして、上記のような戸先ゴム11では、戸先ゴム外部材20の空間部21内でかつ末端位置に緩衝材41が充填されることによって、戸板閉止時に戸先ゴム11がストッパ50に衝突したとしても、緩衝材41が弾性変形することによって衝撃が緩和されるようになっている。
次に、戸板4に戸挟み検出装置10を設置する際の手順について説明する。
(1)まず、図3(A)(B)に示されるように、戸先ゴム内部材30の先端凸部33上に圧電材12を貼り付ける。その際、戸先ゴム内部材30の先端凸部33の長さ方向に一致するように、圧電ゴム部13を沿わせることで該先端凸部33上に圧電材12を設置する。
(2)戸先ゴム外部材20の基端部22でかつ戸板4に臨む端面には空間部21に連通する切欠部26が形成されており、該切欠部26を広げた状態で、該切欠部26を通じて、戸先ゴム外部材20の空間部21内に、圧電材12が貼り付けられている戸先ゴム内部材30を押し込み収容する。なお、これに限定されず、図4(B)に矢印で示されるように、戸先ゴム外部材20の空間部21の末端開口部から、長さ方向(矢印ハ−ニ方向)に沿って戸先ゴム内部材30を押し込み案内することにより、戸先ゴム外部材20内に戸先ゴム内部材30を収容しても良い。
(3)図5に矢印で示されるように、戸先ゴム外部材20の空間部21内でかつ末端位置にアルミニウム片40とともに緩衝材41を充填する。これによって戸板閉止時に戸先ゴム11がスライド経路51途中のストッパ50に衝突したとしても、緩衝材41が弾性変形することにより衝撃が緩和され、戸先ゴム内部材30に固定された圧電材12が破損することを未然に防止できる。
(4)戸板4内の嵌合凹部6に戸先ゴム外部材20の基端部22側の嵌合凸部25を嵌合するとともに、戸先ゴム外部材20の基端部22と先端部23との間の外周溝部24に、戸板4の縁部4Aに位置する突出縁部7を係止させる。これによって、図1(A)及び図5に示されるように、戸先ゴム外部材20を含む戸先ゴム11が戸板4に固定される。
次に、本発明の実施形態に係る戸挟み検出装置10の動作について説明する。
戸挟み検出装置10を備えて相対向する一対の車両用ドア装置1が閉止した場合、戸挟み検出装置10を構成して相対向する一対の戸先ゴム11の間に、乗客の所持品等の異物が挟まる場合がある。この場合、この異物に押圧されることによって、異物を挟んで両側に位置する一対の戸先ゴム11(戸先ゴム外部材20及び戸先ゴム内部材30)は、閉方向Bに向かって凹状にそれぞれ弾性変形する。
そうすると、これら一対の戸先ゴム11の戸先ゴム内部材30の先端凸部33にそれぞれ貼り付けられた一対の圧電材12も、戸先ゴム11の戸先ゴム外部材20の弾性変形に追従するようにして、その圧電ゴム部13が閉方向Bに向かって凹状にそれぞれ弾性変形する。これにより、圧電ゴム部13から発生する電荷量がそれぞれ変化し、この電荷量の変化がチャージアンプ16によって電圧の変化に変換される。そして、この電圧の変化を電圧測定器17が検出することにより、圧電ゴム部13に変形が生じた、すなわち一対の車両用ドア2の間に異物が挟まっている戸挟み状態であることが検出される。なお車両用ドア2の一方の戸先ゴム11のみに圧電材12を設けた場合にも、該圧電材12の電荷の変化から戸挟みを検出することができるのはもちろんである。
そして、このように戸挟み状態が検出されると、警報機19からの信号に基づき自動的にあるいは車掌の操作により車両用ドア2が開かれることにより、戸挟み状態が解消される。なお、戸挟み検出装置10は、車両用ドア2の閉止時にのみ動作して戸挟み状態を検出し、車両の走行中は動作しない。これにより、車両の走行中に戸挟み状態が検出されて車両用ドア2が開かないように設定されている。
また、一対の車両用ドア装置1が閉止した状態において、乗客やその所持品が、車内側あるいは車外側から戸先ゴム11に接触する場合がある。しかし、前述のように、戸先ゴム11の戸先ゴム内部材30の先端凸部33に貼り付けられた圧電ゴム部13は、戸先ゴム11の円弧形状に形成された部分において戸板4の厚み方向中央部に貼り付けられている。従って、乗客やその所持品が戸先ゴム11に対して車内側や車外側から接触しても、戸先ゴム11における戸板4の厚み方向中央部には弾性変形が殆ど生じないため、圧電ゴム部13にも弾性変形は生じない。これにより、戸挟み検出装置10は、乗客やその所持品による戸先ゴム11への接触は検知することがなく、戸挟み状態だけを確実に検出することができる。
以上詳細に説明したように第1実施形態に示される戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム内部材30の先端部に、戸挟み状態での該戸先ゴム内部材30の変形を電気信号に変換する圧電材12を固定し、この状態で、戸先ゴム外部材20の空間部21内に該戸先ゴム内部材30を挿入することができる。
これにより、戸挟み検出装置10に用いられる戸先ゴム11の内部へ、異物検出センサとなる圧電材12を容易に収容しかつ取り付けることが可能となる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、基端部22と先端部23との間の戸先ゴム外部材20の外面に幅寸法よりも小さい外周溝部24を有しており、該外周溝部24に、戸板4の縁部に形成された突出縁部7を係止させることで、該戸板4の縁部に戸先ゴム11を容易に脱着させることができる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸板4の突出縁部7には開口部8が形成されるとともに、該開口部8を通じて内部に嵌合凹部6が形成されており、さらに戸先ゴム外部材20の基端部22が戸板4の嵌合凹部6に嵌合される嵌合凸部25を有している。これにより、戸板4の突出縁部7を戸先ゴム外部材20の外周溝部24に係合するに際して、戸板4の開口部8を通じて嵌合凹部6に嵌合凸部25を円滑に嵌入することができる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20の内面には凸部27が形成されており、該凸部27に、空間部21に収容された戸先ゴム内部材30の凹部31が係合されることで、戸先ゴム外部材20内の定位置に、圧電材12が固定された戸先ゴム内部材30を保持することができる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20の先端内面と戸先ゴム内部材30の先端部との間に形成された戸先ゴム空間部32内に、圧電材12が配置されているので、戸板4の閉止時に、戸先ゴム外部材20に異物が挟まり、該戸先ゴム外部材20が変形して戸先ゴム内部材30の先端部に固定された圧電材12に当接した場合に、該圧電材12により有効に戸挟み状態を検出することができる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20が戸先ゴム内部材30よりも硬度の小さい軟質な材料で形成されているので、戸板4の閉止時に、戸先ゴム外部材20に異物が挟まった場合に、該戸先ゴム外部材20の変形を容易にする。
また、戸先ゴム外部材20が変形して、戸先ゴム内部材30の先端部に固定された圧電材12に当接した場合には、該戸先ゴム内部材30の変形を抑え、該戸先ゴム内部材30と圧電材12との間の接着面にて生じる歪を最小限にすることができる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20の空間部21内でかつ末端位置には、戸板4の閉止時にストッパ50との衝撃を緩和する緩衝材41が充填されているので、戸板4閉止時にストッパ50に衝突したとしても、緩衝材41による衝撃緩和により、戸先ゴム内部材30に固定された圧電材12が破損することを未然に防止できる。
また、上記戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20の基端部22でかつ戸板4に臨む端面には切欠部26が形成されており、該切欠部26を通じて、戸先ゴム外部材20の空間部21内に戸先ゴム内部材30を容易に収容することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図7〜図10を参照して説明する。
なお、第2実施形態においては、第1実施形態と構成を共通とする構成要素に同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
第2実施形態に示される戸先ゴム11´が、第1実施形態に示される戸先ゴム11と構成を異にするのは、戸先ゴム外部材20´と、該戸先ゴム外部材20´の空間部21´に挿脱自在に収容される戸先ゴム内部材30´についての構成である。
すなわち、図7(A)(B)に示されるように、第2実施形態に示される戸先ゴム11´では、戸先ゴム外部材20´に切欠部26が設けられておらず、その内部の空間部21´は周囲を覆われた閉空間となっている。
このため、第2実施形態に示される、戸先ゴム外部材20´の基端部22となる嵌合凸部25´には空間が存在しない塊状とされ、戸先ゴム外部材20の先端部23´にのみ、空間部21´が形成されている。
この空間部21´はその幅方向に沿うように形成されかつ断面形状が略半球状に形成されており、その末端開口部から、長さ方向に沿って戸先ゴム内部材30´を押し込み案内することにより、戸先ゴム外部材20´内に戸先ゴム内部材30´が収容される。
戸板4に戸先ゴム11´を設置する際の手順(1)〜(4)については以下の項目(2)が第1実施形態とは異なる。
すなわち、
(1)まず、図8(A)(B)に示されるように、戸先ゴム内部材30´の先端凸部33上に圧電材12を貼り付ける。その際、戸先ゴム内部材30´の先端凸部33の長さ方向に一致するように、圧電ゴム部13を沿わせることで該先端凸部33上に圧電材12を設置する。
(2)図9(B)に矢印で示されるように、戸先ゴム外部材20´の空間部21´の末端開口部から、長さ方向に沿って戸先ゴム内部材30´を押し込み案内することにより、戸先ゴム外部材20´内に戸先ゴム内部材30´を収容しても良い。
(3)図10に矢印で示されるように、戸先ゴム外部材20´の空間部21´内でかつ末端位置にアルミニウム片40とともに緩衝材41を充填する。
これによって戸板閉止時に戸先ゴム11´がスライド経路51途中のストッパ50に衝突したとしても、緩衝材41による衝撃緩和により、戸先ゴム内部材30´に固定された圧電材12が破損することを未然に防止できる。
(4)戸板4内の嵌合凹部6に戸先ゴム外部材20´の基端部22´側の嵌合凸部25´を嵌合するとともに、戸先ゴム外部材20´の基端部22´と先端部23との間の外周溝部24に、戸板4の縁部4Aに位置する突出縁部7を係止させる。これによって、図10(A)(B)に示されるように、戸先ゴム外部材20´を含む戸先ゴム11´が戸板4に固定される。
以上詳細に説明したように第2実施形態によれば、戸先ゴム内部材30´の先端部に、戸挟み状態での該戸先ゴム内部材30´の変形を電気信号に変換する圧電材12を固定し、この状態で、戸先ゴム外部材20´の空間部21´内に該戸先ゴム内部材30´を挿入することができる。
これにより、戸挟み検出装置10に用いられる戸先ゴム11´の内部へ、異物検出センサとなる圧電材12を容易に収容しかつ取り付けることが可能となる。
また、第2実施形態に示される戸挟み検出装置10によれば、戸先ゴム外部材20´によって全周が覆われた中空部により空間部21´が形成され、中空状の空間部21´に長さ方向に沿うように戸先ゴム内部材30´が収容されることから、圧電材12が固定された戸先ゴム内部材30´を、戸先ゴム外部材20´の空間部21´内に安定した状態で保持することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、開閉可能に設けられた車両用ドアがその閉止時に戸挟み状態であることを検出するための戸挟み検出装置に関する。
1 車両用ドア装置
2 車両用ドア
3 窓部
4 戸板
5 窓ガラス
6 嵌合凹部
7 突出縁部
8 開口部
10 戸挟み検出装置
11 戸先ゴム
11´ 戸先ゴム
12 圧電材(異物検出センサ)
13 圧電ゴム
20 戸先ゴム外部材
20´ 戸先ゴム外部材
21 空間部
21´ 空間部
22 基端部
22´ 基端部
23 先端部
24 外周溝部
25 嵌合凸部
25´ 嵌合凸部
26 切欠部
27 凸部
30 戸先ゴム内部材
30´ 戸先ゴム内部材
31 凹部
32 戸先ゴム空間部
33 先端凸部

Claims (2)

  1. 開閉可能に設けられた車両用ドアが、その閉止時に異物が挟まった戸挟み状態であることを検出するための戸挟み検出装置であって、
    前記車両用ドアの閉方向先端の縁部に基端部が脱着自在に取り付けられてかつ内部に空間部を有する戸先ゴム外部材と、
    該戸先ゴム外部材の空間部に挿脱自在に収容される戸先ゴム内部材と、
    前記戸先ゴム外部材に収容される前記戸先ゴム内部材の先端部に固定されて、戸挟み状態での前記戸先ゴム内部材の変形を電気信号に変換する異物検出センサと、を有し、
    前記戸先ゴム外部材は、前記車両用ドアの開方向側に位置する基端部と、前記車両用ドアの閉方向側に位置する先端部との間の外周面に、その幅寸法よりも小さい外周溝部を有し、
    該外周溝部に、前記車両用ドアの縁部に形成された突出縁部が脱着自在に係止され、
    前記車両用ドアの突出縁部には開口部が形成されるとともに、該開口部を通じて内部に嵌合凹部が形成され、
    前記戸先ゴム外部材の基端部は前記車両用ドアの嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部であり、
    前記戸先ゴム外部材の内面には凸部が形成されており、該凸部に、前記空間部に収容された前記戸先ゴム内部材の凹部が係合され、
    前記異物検出センサは、前記戸先ゴム外部材の先端内面と前記戸先ゴム内部材の先端部との間に形成された戸先ゴム空間部内に配置され、
    前記戸先ゴム外部材は、前記戸先ゴム内部材よりも軟質な材料で形成され、
    前記戸先ゴム外部材の基端部でかつ前記車両用ドアに臨む端面には切欠部が形成されており、該切欠部を通じて、前記戸先ゴム外部材の空間部内に前記戸先ゴム内部材が収容され、
    前記戸先ゴム内部材の前記凹部より前記車両用ドアの閉方向側の部分が前記戸先ゴム外部材の先端部の内部に収容され、前記戸先ゴム内部材の前記凹部より前記車両用ドアの開方向側の部分が前記戸先ゴム外部材の基端部の内部に収容されることを特徴とする戸挟み検出装置。
  2. 前記戸先ゴム外部材の空間内でかつ末端位置には、前記車両用ドアのスライド経路の中央部で閉止時に前記戸先ゴム外部材の前端部に当接して前記車両用ドアの停止限界を超える移動を規制するストッパとの衝撃を緩和する緩衝材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の戸挟み検出装置。
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