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JP6590650B2 - コンバインドサイクルプラント及びその制御装置、運転方法 - Google Patents

コンバインドサイクルプラント及びその制御装置、運転方法 Download PDF

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JP6590650B2 JP2015223227A JP2015223227A JP6590650B2 JP 6590650 B2 JP6590650 B2 JP 6590650B2 JP 2015223227 A JP2015223227 A JP 2015223227A JP 2015223227 A JP2015223227 A JP 2015223227A JP 6590650 B2 JP6590650 B2 JP 6590650B2
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Description

本発明は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンを備えるコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、このコンバインドサイクルプラントの運転方法に関するものである。
コンバインドサイクル発電は、まず、天然ガスなどを燃料としてガスタービンを駆動して1回目の発電を行い、次に、排熱回収ボイラがガスタービン排気ガスの持つエネルギーを回収して蒸気を生成し、この蒸気により蒸気タービンを駆動して2回目の発電を行うものであり、コンバインドサイクルプラントは、このコンバインドサイクル発電を実行するための発電プラントである。
コンバインドサイクルプラントでは、夏季などに大気温度が高くなると、排熱回収ボイラの煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下する傾向をもっている。これは、大気温度が高くなると、排熱回収ボイラに入るガスタービンの排ガス温度が上昇することで、排熱回収ボイラ出口のガス温度が低下するという熱交換器の特性によるものである。そして、煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下すると、煙突から排出される排気ガスの拡散性が低下する。そのため、夏季などの大気温度が高いときであっても、排熱回収ボイラからの排気ガスの温度を制御することで、煙突出口から排出される排気ガスの温度が規制値以上となるような技術が必要となる。
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献に記載された複合発電プラントは、排ガス温度検出器の検出温度が、設定温度以上に保持されるように、蒸気タービン入口の調節弁によってドラム内の圧力を上昇させるものである。
特開2010−121559号公報
上述した特許文献1の複合発電プラントでは、ドラム内の圧力を上昇させることで、排熱回収ボイラの煙突出口から排出される排気ガスの温度を制御している。ところが、蒸気調節弁によってドラム内の圧力を上昇させると、蒸気タービンに供給する蒸気量が大きく低下してしまい、発電効率が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、発電効率の低下を抑制しながら排熱回収ボイラから排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができるコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの運転方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明のコンバインドサイクルプラントは、圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して復水を下流側に流すバイパスラインと、前記バイパスラインに設けられる開閉弁と、大気温度が予め設定された所定温度よりも高いときに前記開閉弁を開放する制御装置を備えることを特徴とするものである。
従って、大気温度が高くなると、排熱回収ボイラにおける煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下するが、大気温度が所定温度よりも高いときに開閉弁によりバイパスラインを開放することで、復水の一部がバイパスラインに流れて節炭器に流れる復水の流量が減少し、復水による排気ガスの熱回収量が減少して排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度の低下を規制することができる。その結果、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラから排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記制御装置は、前記大気温度の上昇に応じて前記開閉弁の開度を大きくすることを特徴としている。
従って、大気温度の上昇に応じて開閉弁の開度を大きくすることで、大気温度が変動しても、大気温度の変動に合わせてバイパスラインに流れる復水の流量が調整されることとなり、排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記制御装置は、前記大気温度の運転範囲における一部の領域または全ての領域で前記開閉弁の開度を調整することを特徴としている。
従って、大気温度の一部、または、全ての運転範囲で開閉弁の開度を調整することで、煙突出口の排ガス温度を規制値に維持しながら、排ガス温度制御による発電効率の低下を抑制することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記節炭器を通過した復水の一部を前記節炭器の上流側に戻す再循環ラインが設けられ、前記バイパスラインは、前記再循環ラインによる復水の戻り位置より上流側と前記再循環ラインによる復水の取込位置より下流側とを接続することを特徴としている。
従って、節炭器で熱回収して高温となった復水の一部を再循環ラインにより節炭器の上流側に戻すことで、復水の低温化を抑制することができ、排気ガスに含有する水分の液滴化による排熱回収ボイラの内部での錆の発生を防止することができると共に、再循環ラインを流れる復水の温度を大きく低下させることなく、排気ガスの温度の低下を抑制することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記節炭器に流入する復水の温度を検出する復水温度検出器が設けられ、前記制御装置は、前記大気温度が前記所定温度よりも高いときに、前記復水温度検出器が検出した復水温度に応じて前記再循環ラインにより戻す復水の流量を増やすように調整することを特徴としている。
従って、節炭器入口に供給される復水温度を上昇させることができ、節炭器に供給する復水の流量低下を抑制しながら、排気ガスの温度の低下を抑制することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記節炭器に流入する復水の流量を検出する復水流量検出器が設けられ、前記制御装置は、前記大気温度が前記所定温度よりも高いときに、前記復水流量検出器が検出した復水流量に応じて前記再循環ラインにより戻す復水の流量を増やすように調整することを特徴としている。
従って、節炭器入口に供給される復水温度を上昇させることができ、節炭器に供給する復水の流量低下を抑制しながら、排気ガスの温度の低下を抑制することができる。
また、本発明のコンバインドサイクルプラントの制御装置は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して復水を流すバイパスラインと、前記バイパスラインに設けられる開閉弁とが設けられ、大気温度が予め設定された所定温度よりも高いときに前記開閉弁を開放する、ことを特徴とするものである。
従って、大気温度が所定温度よりも高いときに開閉弁によりバイパスラインを開放することで、復水の一部がバイパスラインに流れて節炭器に流れる復水の流量が減少し、復水による排気ガスの熱回収量が減少して排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。その結果、発電効率の低下を抑制しながら、熱回収ボイラから排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
また、本発明のコンバインドサイクルプラントの運転方法は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、大気温度が予め設定された所定温度よりも高いときに復水を前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して流す、ことを特徴とするものである。
従って、大気温度が所定温度よりも高いときに開閉弁によりバイパスラインを開放することで、復水の一部がバイパスラインに流れて節炭器に流れる復水の流量が減少し、復水による排気ガスの熱回収量が減少して排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。その結果、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラから排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
本発明のコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの運転方法によれば、大気温度が所定温度よりも高いときに開閉弁によりバイパスラインを開放するので、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラから排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
図1は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントを表す概略構成図である。 図2は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置を表す概略構成図である。 図3は、本実施形態の大気温度に対する煙突出口排気ガス温度を表すグラフである。 図4は、本実施形態の大気温度に対するバイパス流量を表すグラフである。 図5は、本実施形態における変形例の大気温度に対する煙突出口排気ガス温度を表すグラフである。 図6は、本実施形態における変形例の大気温度に対するバイパス流量を表すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの運転方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントを表す概略構成図、図2は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置を表す概略構成図である。
本実施形態において、図1に示すように、コンバインドサイクルプラント10は、ガスタービン11と、排熱回収ボイラ(HRSG)12と、蒸気タービン13とを備えている。
ガスタービン11は、圧縮機21と、燃焼器22と、タービン23とを有しており、圧縮機21とタービン23は、回転軸(ロータ)24により一体回転可能に連結されている。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気を圧縮する。燃焼器22は、圧縮機21から圧縮空気供給ライン26を通して供給された圧縮空気と、燃料ガス供給ライン27から供給された燃料ガスとを混合して燃焼する。タービン23は、燃焼器22から燃焼ガス供給ライン28を通して供給された燃焼ガスにより回転駆動する。発電機29は、圧縮機21及びタービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転することで発電することができる。
排熱回収ボイラ12は、ガスタービン11(タービン23)から排気ガス排出ライン31を介して排出された排気ガスの排熱によって蒸気を発生させるものである。排熱回収ボイラ12は、過熱器32と、蒸発器33と、節炭器34とを有している。排熱回収ボイラ12のガス入口から導入されたガスタービン11からの排気ガスが内部を上昇することで、過熱器32、蒸発器33、節炭器34の順に熱回収を行うことで蒸気を生成する。
そのため、節炭器34で加熱された給水は、給水ライン36により蒸気ドラム37に送られ、蒸気ドラム37内の給水は、ドラム降水ライン38及びドラム上昇ライン39を介して蒸発器33との間で循環することで加熱されて蒸気を生成する。蒸気ドラム37で生成された蒸気は、飽和蒸気ライン40を介して過熱器32に送られ、ここで過熱される。そして、給水ライン36に流量調整弁41が設けられている。
蒸気タービン13は、排熱回収ボイラ12により生成された蒸気により駆動するものであり、タービン42を有し、このタービン42と同軸上に発電機43が連結されている。過熱器32で生成された蒸気は、蒸気供給ライン44を介してタービン42に供給され、発電機43は、このタービン42が回転することで発電することができる。そして、蒸気供給ライン44に流量調整弁45が設けられている。
タービン42から排出された蒸気は、蒸気排出ライン46を介して復水器47に供給される。復水器47は、回収された蒸気を冷却水(海水等)により凝縮させて水(復水)に戻す機能を有するものである。この復水器47は、生成した復水を復水供給ライン48を介して節炭器34に送る。そして、復水供給ライン48に復水ポンプ49が設けられている。
そのため、コンバインドサイクルプラント10を運転するとき、ガスタービン11にて、圧縮機21は、空気を圧縮し、燃焼器22は、供給された圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼する。すると、タービン23は、燃焼器22から供給された燃焼ガスにより回転駆動し、発電機29が発電を行う。また、ガスタービン11(タービン23)から排出された排気ガスは、排熱回収ボイラ12に送られる。節炭器34で加熱された給水は、蒸気ドラム37に送られ、蒸発器33との間で循環することで加熱されて蒸気を生成する。蒸気ドラム37で生成された蒸気は、過熱器32に送られて過熱され過熱蒸気が蒸気タービン13に送られる。タービン42は、この過熱蒸気により回転駆動し、発電機43が発電を行う。タービン42で使用された蒸気は、冷却水により冷却されて復水となり、復水ポンプ49により節炭器34に戻される。
ところで、このように構成されたコンバインドサイクルプラント10では、夏季などに大気温度が高くなると、排熱回収ボイラ12の煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下する傾向をもっている。煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下すると、煙突から排出される排気ガスの拡散性が低下する。そのため、大気温度が変動しても、排熱回収ボイラ12の煙突から排出される排気ガスの温度を規制値以上に維持する必要がある。
図1及び図2に示すように、排熱回収ボイラ12は、排気ガスの流れ方向に向けて過熱器32(二次過熱器32a、一次過熱器32b)、蒸発器33、節炭器34の順に配置されている。節炭器34は、排気ガスの流れ方向における最下流側に配置されており、節炭器34で熱回収された排気ガスは、煙突(図示略)から外部(大気)に放出される。節炭器34は、基端部側に復水供給ライン48の下流側が接続され、先端部側に給水ライン36の上流側が接続されている。
排熱回収ボイラ12にて、排気ガスの流れ方向における最後部で、節炭器34により熱回収された後の排気ガスの温度が低下すると、この排気ガスに含有する水分が液滴となり、節炭器34の熱交換器などに付着し、錆が発生するおそれがある。そのため、節炭器34で熱回収して高温となった復水を節炭器34の入口側に戻す節炭器再循環ライン51が設けられている。この節炭器再循環ライン51は、一端部が給水ライン36に接続され、他端部が復水供給ライン48に接続されている。そして、節炭器再循環ライン51は、節炭器再循環ポンプ52と流量調整弁53が設けられている。そのため、節炭器再循環ポンプ52を駆動することで、節炭器34で熱回収した復水の一部を給水ライン36から節炭器再循環ライン51を通して復水供給ライン48に戻すことができる。このとき、流量調整弁53の開度を変更することで、節炭器再循環ライン51を通した復水の戻り量を調整することができる。
また、排熱回収ボイラ12にて、節炭器34に供給される復水を節炭器34を迂回して下流側に流す復水バイパスライン54が設けられている。この復水バイパスライン54は、一端部が復水供給ライン48に接続され、他端部が給水ライン36に接続されている。この場合、復水バイパスライン54は、一端部が節炭器再循環ライン51の接続位置(復水の戻り位置)より上流側の復水供給ライン48に接続され、他端部が節炭器再循環ライン51の接続位置(復水の取込位置)より下流側の給水ライン36に接続される。そして、復水バイパスライン54は、流量調整弁(開閉弁)55が設けられている。そのため、流量調整弁55を開放することで、節炭器34へ供給される復水の一部を復水供給ライン48から復水バイパスライン54を通して給水ライン36に迂回させることができる。このとき、流量調整弁55の開度を変更することで、復水バイパスライン54を通した復水の迂回量を調整することができる。
そのため、制御装置60は、節炭器34に供給される復水温度が予め設定された第1所定復水温度よりも低いときに、節炭器再循環ライン51に設けられた節炭器再循環ポンプ52を駆動すると共に、流量調整弁53を開放する。このとき、制御装置60は、復水温度が低いほど、節炭器再循環ポンプ52の回転数を高くすると共に流量調整弁53の開度を大きくする。即ち、節炭器34に復水を供給する復水供給ライン48を流れる復水温度を検出する復水温度検出器61が設けられ、この復水温度検出器61は、計測した復水温度を制御装置60に出力する。なお、この復水温度検出器61は、復水供給ライン48における節炭器再循環ライン51の接続位置より下流側における復水の温度を計測するものである。
また、制御装置60は、大気温度が予め設定された所定大気温度よりも高いときに、復水バイパスライン54に設けられた流量調整弁55を開放する。このとき、制御装置60は、大気温度が高いほど流量調整弁55の開度を大きくする。ここで、大気温度とは、ガスタービン11にて、圧縮機21が空気取り込みライン25から取り込んだ空気の温度(ガスタービン吸気温度)である。即ち、空気取り込みライン25を流れる吸気温度を検出する空気温度検出器62が設けられ、この空気温度検出器62は、計測した吸気温度を制御装置60に出力する。
図3は、本実施形態の大気温度に対する煙突出口排気ガス温度を表すグラフ、図4は、本実施形態の大気温度に対するバイパス流量を表すグラフである。
本実施形態にて、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、復水バイパスライン54の流量調整弁55を開放する。ここでは、図3に示すように、大気温度に対して煙突出口排気ガス温度が規制値以上となるような大気温度−排気ガス温度マップが設定されている。そして、図4に示すように、大気温度に対して煙突出口排気ガス温度が規制値以上となるように、大気温度に対するバイパス流量を設定する大気温度−バイパス流量マップが設定されている。
図3の大気温度−排気ガス温度マップにて、大気温度における排熱回収ボイラ12の運転範囲は、大気温度T1℃からT3℃であり、大気温度T2℃が計画大気温度となっている。ここで、大気温度T1℃からT2℃の運転範囲では、大気温度の上昇に伴って排気ガス温度が低下し、計画大気温度T2℃にて、規制値となる。そして、大気温度T2℃からT3℃の運転範囲では、大気温度の上昇に伴って排気ガス温度が低下し、点線で示すように、規制値より低温となってしまうことから、この一部の運転範囲で、制御装置60が流量調整弁55の開度を調整することで、復水バイパスライン54へのバイパス流量を調整する。ここで、上述した所定大気温度とは、計画大気温度T2℃である。
即ち、図4の大気温度−バイパス流量マップにて、大気温度T2℃からT3℃の運転範囲にて、大気温度の上昇に伴ってバイパス流量を増加していく。すると、復水供給ライン48から復水バイパスライン54へのバイパス流量が増加する一方、復水供給ライン48から節炭器34へ供給される復水流量が減少する。そのため、節炭器34は、復水による排気ガスの熱回収量が減少することで、排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度が規制値以上に維持される。
なお、大気温度−排気ガス温度マップと大気温度−バイパス流量マップは、上述した構成に限定されるものではない。図5は、本実施形態における変形例の大気温度に対する煙突出口排気ガス温度を表すグラフ、図6は、本実施形態における変形例の大気温度に対するバイパス流量を表すグラフである。
本実施形態にて、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、復水バイパスライン54の流量調整弁55を開放する。図5の大気温度−排気ガス温度マップにて、大気温度における排熱回収ボイラ12の運転範囲は、大気温度T1℃からT3℃であり、大気温度T1℃が計画大気温度となっている。ここで、大気温度T1℃からT3℃の全ての運転範囲で、制御装置60が流量調整弁55の開度を調整することで、復水バイパスライン54へのバイパス流量を調整する。ここで、上述した所定大気温度とは、計画大気温度T1である。
即ち、図6の大気温度−バイパス流量マップにて、大気温度T1℃からT3℃の全ての運転範囲にて、大気温度の上昇に伴ってバイパス流量を増加していく。すると、復水供給ライン48から復水バイパスライン54へのバイパス流量が増加する一方、復水供給ライン48から節炭器34へ供給される復水流量が減少する。そのため、節炭器34は、復水による排気ガスの熱回収量が減少することで、排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度が規制値以上に維持される。
このように構成されたコンバインドサイクルプラント10にて、図1及び図2に示すように、ガスタービン11から排出された排気ガスが排熱回収ボイラ12に送られ、過熱器32、蒸発器33、節炭器34で熱回収された後、煙突から外部に放出される。このとき、制御装置60は、大気温度(ガスタービン吸気温度)を常時監視しており、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、流量調整弁55を開放すると共にその開度を調整する。即ち、制御装置60は、図4(または、図6)の大気温度−バイパス流量マップを用い、現在の大気温度に応じたバイパス流量を設定する。ここで、現在の大気温度が所定大気温度(計画大気温度)よりも低ければ、何もしない。一方、現在の大気温度が所定大気温度以上であれば、設定されたバイパス流量に応じて流量調整弁55の開度を設定する。この場合、流量調整弁55の開度とバイパス流量との関係を表すマップを予め設定しておき、このマップを用いてバイパス流量に応じた流量調整弁55の開度を設定することが望ましい。
すると、復水供給ライン48から復水バイパスライン54への復水のバイパス流量が増加する一方、復水供給ライン48から節炭器34へ供給される復水流量が減少する。そのため、節炭器34は、復水による排気ガスの熱回収量が減少することで、排気ガスの温度の低下が抑制される。即ち、図3(または、図4)に示すように、大気温度T2℃からT3℃の運転範囲(または、大気温度T1℃からT3℃の運転範囲)で、復水バイパスライン54への復水バイパス流量が調整されるため、排熱回収ボイラ12の煙突から排出される排気ガスの温度が規制値以上に維持される。
なお、上述した実施形態にて、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、復水バイパスライン54に設けられた流量調整弁55の開度を調整するように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、復水供給ライン48を流れる復水温度を検出する復水温度検出器61が設けられており、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いとき、復水温度検出器61が検出した復水の温度に応じて節炭器再循環ライン51に設けられた節炭器再循環ポンプ52の回転数や流量調整弁53の開度を調整する。
前述したように、復水温度検出器61は、節炭器34に復水供給ライン48を流れる復水温度を検出し、制御装置60は、節炭器34に供給される復水温度が第1所定復水温度になるように、節炭器再循環ポンプ52の吐出力(回転数)を調整すると共に、流量調整弁53の開度を調整している。そのため、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、まず、節炭器34に供給される復水温度が第1所定復水温度より高い第2所定復水温度になるように、節炭器再循環ポンプ52の吐出力(回転数)を調整すると共に、流量調整弁53の開度を調整する。
すると、節炭器再循環ライン51により節炭器34の入口側に供給される高温の復水の流量が増加することで、節炭器34に供給される復水温度が上昇し、排熱回収ボイラ12の煙突から排出される排気ガスの温度の低下が抑制される。そして、節炭器再循環ポンプ52の吐出力(回転数)を最大にすると共に、流量調整弁53の開度を最大にしても、排気ガスの温度の低下を抑制できないとき、次に、制御装置60は、復水バイパスライン54に設けられた流量調整弁55の開度を調整する。
なお、制御装置60は、復水温度検出器61が検出した復水温度に応じて節炭器再循環ポンプ52の吐出力を調整すると共に、流量調整弁53の開度を調整したが、この構成に限定されるものではない。即ち、復水供給ライン48を流れる復水流量を検出する流量検出器63を設け、制御装置60は、大気温度が所定温度よりも高いとき、節炭器34に供給される復水流量が所定復水流量になるように、節炭器再循環ポンプ52の吐出力(回転数)を調整すると共に、流量調整弁53の開度を調整する。
また、節炭器再循環ライン51を流れる復水の温度を検出する温度検出器を設け、制御装置60は、節炭器再循環ライン51の復水温度が、予め設定された所定温度より低くなると、節炭器再循環ポンプ52の吐出力や流量調整弁53の開度を調整したり、流量調整弁55の開度を調整したりするように構成してもよい。
節炭器34に供給される復水温度や復水流量に応じて節炭器再循環ポンプ52の吐出力や流量調整弁53の開度を調整する場合、復水温度と排気ガス温度との関係や復水流量と排気ガス温度との関係を予め把握してマップしておくことが望ましい。
このように本実施形態のコンバインドサイクルプラントにあっては、圧縮機21と燃焼器22とタービン23を有するガスタービン11と、ガスタービン11からの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラ12と、排熱回収ボイラ12により生成された蒸気により駆動する蒸気タービン13と、排熱回収ボイラ12における節炭器34を迂回して下流側に流す復水バイパスライン54と、復水バイパスライン54に設けられる流量調整弁55と、大気温度が所定大気温度よりも高いときに流量調整弁55を開放する制御装置60とを設けている。
従って、大気温度が高くなると、排熱回収ボイラ12における熱回収率が良くなって煙突出口から排出される排気ガスの温度が低下するが、大気温度が所定大気温度よりも高いときに流量調整弁55により復水バイパスライン54を開放することで、復水の一部が復水バイパスライン54に流れて節炭器34に流れる復水の流量が減少し、復水による排気ガスの熱回収量が減少して排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。その結果、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラ12から排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、制御装置60は、大気温度の上昇に応じて流量調整弁55の開度を大きくする。従って、大気温度が変動しても、大気温度の変動に合わせて復水バイパスライン54に流れる復水の流量が調整されることとなり、高精度に排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、制御装置60は、大気温度の運転範囲における一部の領域または全ての領域で流量調整弁55の開度を調整する。従って、大気温度の一部の運転範囲で開閉弁の開度を調整することで、制御範囲が狭くなり、制御を簡素化することができる。また、大気温度の全ての運転範囲で開閉弁の開度を調整することで、排気ガス温度を規制値の近傍に維持することができ、排熱回収ボイラ12での熱回収効率を向上することができる。
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、節炭器34を通過した復水の一部を節炭器34の上流側に戻す節炭器再循環ライン51を設け、復水バイパスライン54により節炭器再循環ライン51による復水の戻り位置より上流側と節炭器再循環ライン51による復水の取込位置より下流側とを接続している。従って、節炭器34で熱回収して高温となった復水の一部を節炭器再循環ライン51により節炭器34の上流側に戻すことで、復水の低温化を抑制することができ、排気ガスに含有する水分の液滴化による錆の発生を防止することができる。また、節炭器再循環ライン51を流れる復水の温度を低下させることなく、排気ガスの温度の低下を抑制することができる。
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、節炭器34に流入する復水の温度を検出する復水温度検出器61を設け、制御装置60は、大気温度が所定大気温度よりも高いときに、復水温度検出器61が検出した復水温度に応じて節炭器再循環ライン51により戻す復水の流量を増やすように調整する。従って、節炭器34の入口に供給される復水温度を上昇させることができ、節炭器34に供給する復水の流量低下を抑制しながら、排気ガスの温度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置にあっては、大気温度が所定大気温度よりも高いときに流量調整弁55の開度を調整する。従って、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラ12から排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの運転方法にあっては、大気温度が予め設定された所定大気温度よりも高いときに復水を排熱回収ボイラ12における節炭器34を迂回して蒸気を流すようにしている。従って、復水の一部が復水バイパスライン54に流れることで排気ガスの温度の低下が抑制され、排気ガスの温度を規制値以上に維持することができる。その結果、発電効率の低下を抑制しながら、排熱回収ボイラ12から排出される排気ガスの煙突出口温度を所定温度以上に維持することができる。
なお、上述した実施形態にて、排熱回収ボイラ12を過熱器32と蒸発器33と節炭器34とから構成したが、この構成に限定されるものではなく、それぞれ高圧、中圧、低圧に分割して構成してもよいものである。
また、上述した実施形態にて、コンバインドサイクルシステム10にて、1台のガスタービン11と1台の蒸気タービン13を組み合わせたが、回転軸(ロータ)を同軸としても、別軸としてもよい。また、複数台のガスタービン11と1台の蒸気タービン13を組み合わせてもよい。
10 コンバインドサイクルプラント
11 ガスタービン
12 排熱回収ボイラ
13 蒸気タービン
21 圧縮機
22 燃焼器
23 タービン
29,43 発電機
32 過熱器
33 蒸発器
34 節炭器
36 給水ライン
37 蒸気ドラム
42 タービン
45 流量調整弁
47 復水器
48 復水供給ライン
49 復水ポンプ
51 節炭器再循環ライン
52 節炭器再循環ポンプ
53 流量調整弁
54 復水バイパスライン
55 流量調整弁(開閉弁)
60 制御装置
61 復水温度検出器
62 空気温度検出器
63 流量検出器

Claims (7)

  1. 圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、
    前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
    前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、
    前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して復水を下流側に流すバイパスラインと、
    前記バイパスラインに設けられる開閉弁と、
    大気温度の運転範囲で予め設定された所定温度よりも高いときに前記開閉弁を開放すると共に前記大気温度の運転範囲における一部の領域のみで前記開閉弁の開度を調整する制御装置と、
    を備えることを特徴とするコンバインドサイクルプラント。
  2. 前記制御装置は、前記大気温度の上昇に応じて前記開閉弁の開度を大きくすることを特徴とする請求項1に記載のコンバインドサイクルプラント。
  3. 前記節炭器を通過した復水の一部を前記節炭器の上流側に戻す再循環ラインが設けられ、前記バイパスラインは、前記再循環ラインによる復水の戻り位置より上流側と前記再循環ラインによる復水の取込位置より下流側とを接続することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインドサイクルプラント。
  4. 前記節炭器に流入する復水の温度を検出する復水温度検出器が設けられ、前記制御装置は、前記大気温度が前記所定温度よりも高いときに、前記復水温度検出器が検出した復水温度に応じて前記再循環ラインにより戻す復水の流量を増やすように調整することを特徴とする請求項3に記載のコンバインドサイクルプラント。
  5. 前記節炭器に流入する復水の流量を検出する復水流量検出器が設けられ、前記制御装置は、前記大気温度が前記所定温度よりも高いときに、前記復水流量検出器が検出した復水流量に応じて前記再循環ラインにより戻す復水の流量を増やすように調整することを特徴とする請求項3に記載のコンバインドサイクルプラント。
  6. ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
    前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して復水を流すバイパスラインと、
    前記バイパスラインに設けられる開閉弁とが設けられ、
    大気温度の運転範囲で予め設定された所定温度よりも高いときに前記開閉弁を開放すると共に前記大気温度の運転範囲における一部の領域のみで前記開閉弁の開度を調整する
    ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの制御装置。
  7. ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
    大気温度の運転範囲で予め設定された所定温度よりも高いときに復水を前記排熱回収ボイラにおける節炭器を迂回して流すと共に前記大気温度の運転範囲における一部の領域のみで復水の迂回量を調整する
    ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの運転方法。
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