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JP6584867B2 - アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤 - Google Patents

アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤 Download PDF

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Description

本発明は、アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤および当該アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着性フィルムに関する。
近年、アクリル系粘着剤として種々のものが提案されており、例えば、アルキル基の炭素数が4〜10であるアルキル(メタ)アクリレートと他の改質ビニルモノマーとを共重合させることによって得られるアクリル系共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤(例えば、特許文献1参照)、アルキル基炭素数が8以上であるアクリル酸エステルモノマーを特定量で含有するアクリル樹脂を含有する粘着剤(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、前記粘着剤は、十分な粘着力を有するものではないことから、近年、粘着性に優れた粘着剤の開発が望まれている。
特開2000−053929号公報 特開2000−265125号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、粘着性に優れた粘着剤および粘着性に優れた粘着剤層を有する粘着性フィルムを提供することを課題とする。
本発明は、
(1) 式(I):
で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるポリマーを含有することを特徴とするアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤、および
(2) 前記(1)に記載のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤から形成された粘着剤層をフィルムの片面または両面に有する粘着性フィルム
に関する。
本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤は、優れた粘着性を発現するという優れた効果を奏する。また、本発明の粘着性フィルムは、本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤で構成されているので、優れた粘着性を有する。
本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤は、前記したように、式(I):
で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物を含有するモノマー成分を重合させることによって得られるポリマーを含有することを特徴とする。
式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物は、工業的に容易に入手することができるものである。また、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物は、商業的に容易に入手することができるものであり、例えば、大阪有機化学工業(株)から容易に入手することができる。
モノマー成分は、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物(以下、単に、「アクリロイルオキシ基含有化合物」という)を含有する。モノマー成分におけるアクリロイルオキシ基含有化合物の含有率は、粘着性を向上させる観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、その上限値は100質量%である。したがって、本発明に用いられるポリマーは、アクリロイルオキシ基含有化合物のホモポリマーであってもよい。
モノマー成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内でアクリロイルオキシ基含有化合物以外の他のモノマーが含まれていてもよい。モノマー成分における他のモノマーの含有率は、粘着性を向上させる観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、その下限値は0質量%である。
アクリロイルオキシ基含有化合物以外の他のモノマーの種類およびその量は、以下に示すように、粘着剤に使用されるポリマーのガラス転移温度が好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−10℃以下となるように選択して用いることが望ましい。
アクリロイルオキシ基含有化合物以外の他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、複素環含有ビニルモノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマー、アルキレンオキシド基含有モノマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」または「メタクリル酸」を意味するが、アクリル酸およびメタクリル酸は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味するが、アクリレートおよびメタクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド」または「メタクリルアミド」を意味するが、アクリルアミドおよびメタクリルアミドは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートのなかでは、粘着性を向上させる観点から、脂環構造を有していてもよい炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。脂環構造を有していてもよい炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのアルキル(メタ)アクリレートのなかでは、粘着性に優れた粘着剤を得る観点から、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が2〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの水酸基含有モノマーのなかでは、粘着性に優れた粘着剤を得る観点から、炭素数が2〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのシアノ基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
複素環含有ビニルモノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピリジン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルピペラジン、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの複素環含有ビニルモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのビニルエステルモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族ビニルモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアミド基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
イミド基含有モノマーとしては、例えば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのイミド基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアミノ基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのエポキシ基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのビニルエーテルモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルキレンオキシド基含有モノマーとしては,例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキレンオキシド基含有モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
モノマー成分のなかでは、粘着性に優れた粘着剤を得る観点から、アクリロイルオキシ基含有化合物50〜100質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート0〜30質量%および炭素数が2〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート0〜30質量%を含有するモノマー成分が好ましく、アクリロイルオキシ基含有化合物60〜100質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート0〜20質量%および2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート0〜20質量%を含有するモノマー成分がより好ましい。
本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤に用いられるポリマーは、架橋構造を有していてもよい。架橋構造を有するポリマーは、例えば、ポリマーの原料として用いられるモノマー成分に架橋剤を含有させ、架橋剤を含有るモノマー成分を重合させることによって得ることができる。
架橋剤としては、例えば、多官能モノマーなどが挙げられる。多官能モノマーとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネ−ト;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどのエポキシ化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
モノマー成分における多官能モノマーの含有率は、架橋構造を十分に形成させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、粘着剤の凝集力を高める観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
また、本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤に用いられるポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量でモノマー成分に含有させてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロールなどのチオール基含有化合物、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。モノマー成分100質量部あたりの連鎖移動剤の量は、通常、0.01〜10質量部程度である。
モノマー成分を重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
モノマー成分を溶液重合法によって重合させる場合には、溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩化物系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
溶媒の量は、モノマー成分の組成、溶媒の種類などによって異なるので一概には限定することができないが、通常、モノマー成分100質量部あたり100〜1000質量部程度である。
モノマー成分を重合させる際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤などが挙げられる。なお、重合開始剤のなかには、光重合開始剤および熱重合開始剤のいずれでも使用することができるものがある。当該重合開始剤は、光重合開始剤および熱重合開始剤のいすせれとしても使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、4−tert−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、メトキシアセトフェノンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアセトフェノン系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、4,4’−ジメトキシベンジルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのベンジル系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ベンゾイン系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのベンゾインエーテル系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのベンゾフェノン系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ケタール系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのα−ケトール系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのチオキサントン系光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾジイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどのアゾ系重合開始剤;ジイソブチリルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、過酸化ラウロイルなどの過酸化物系重合開始剤;レドックス系重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの熱重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、当該重合開始剤の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、モノマー成分100質量部あたり、好ましくは0.01〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
モノマー成分を重合させる際の雰囲気は、特に限定がなく、大気であってもよく、あるいは窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。
モノマー成分の重合温度は、特に限定がなく、通常、5〜80℃程度の温度であることが好ましい。モノマー成分の重合に要する時間は、重合条件などによって異なるので一概には決定することができないことから任意である。重合反応は、通常、残存するモノマーの量が10質量%以下になった時点で、任意に終了することができる。なお、残存するモノマーの量は、例えば、シュウ素をモノマーの二重結合に付加し、二重結合の含量を測定することによって決定することができる。
以上のようにしてモノマー成分を重合させることにより、ポリマーが得られる。ポリマーの重量平均分子量は、粘着剤の凝集力を高める観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、さらに好ましくは30万以上であり、粘着剤の塗工性を向上させる観点から、好ましくは500万以下、より好ましくは400万以下、さらに好ましくは300万である。なお、モノマー成分に架橋剤が含まれている場合には、得られるポリマーは架橋構造を有することから、ポリマーの重量平均分子量を測定することが困難である。
なお、本発明において、ポリマーの重量平均分子量は、東ソー製、商品名:HLC−8220 GPCシステム(カラム:TSGgel G−4000HXLおよびTSGgel G−2000HXL)を用いてポリスチレン換算で測定したときの値である。
ポリマーのガラス転移温度は、粘着性を向上させる観点から、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−10℃以下であり、粘着剤の流動性を抑制する観点から、−50℃以上、より好ましくは−40℃以上、さらに好ましくは−30℃以上である。ポリマーのガラス転移温度は、モノマー成分の組成を調整することによって容易に調節することができる。
本発明において、ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量計〔(株)リガク製、品番:DSC8230〕を用い、サンプル(ポリマー)7mgをアルミニウムパンに載せ、対照用に酸化アルミニウム7mgをアルミニウムパンに載せ、それぞれオーブンの指定位置に配置し、測定開始温度30℃にて昇温速度10℃/minで100℃まで加熱し、当該温度で10分間保持し、冷却速度10℃/minで−100℃まで冷却し、当該温度で10分間保持した後、示差走査熱量の測定を開始し、昇温速度10℃/minで−100℃から100℃まで加熱したときに測定された値である。なお、示差走査熱量の測定後、オーブンは室温に冷却する。
ポリマーのガラス転移温度の一例を挙げれば、例えば、アクリロイルオキシ基含有化合物のホモポリマーのガラス転移温度は−37℃であり、ブチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−54℃であり、n−オクチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−71℃であり、イソデシルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−62℃であり、ラウリルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−23℃であり、イソノニルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−71℃であり、2−エチルヘキシルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−70℃であり、イソオクチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は−70℃である。
以上のようにしてモノマー成分を重合させることによってポリマーを得ることができる。当該ポリマーは、そのままの状態で用いてもよく、例えば、未反応モノマーなどを除去するために、蒸留、抽出などの精製方法によって精製してもよい。
モノマー成分を重合させることによって得られたポリマーは、そのままの状態で粘着剤として用いることができる。例えば、モノマー成分を塊状重合法によって重合させた場合には、得られたポリマーを粘着剤として用いることができ、モノマー成分を溶液重合法によって重合させた場合には、得られた溶液重合の反応溶液を粘着剤として用いることができ、モノマー成分を乳化重合法によって重合させた場合には、得られた乳化重合の反応溶液を粘着剤として用いることができる。
なお、本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤には、必要により、溶媒、添加剤などを適量で添加してもよい。添加剤としては、例えば、顔料などの着色剤、界面活性剤、可塑剤、粘着付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤における固形分の含有率は、生産性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、塗工性を向上させる観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤における樹脂固形分の含有率は、当該粘着剤に含まれる溶媒量などを調整することによって調節することができる。溶媒としては、モノマー成分を溶液重合させる際に用いられる溶媒と同様のものを例示することができる。
以上のようにして得られる本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤は、粘着性に優れていることから、例えば、粘着性フィルム、マスキングテープなどの用途に使用することが期待されるものである。なお、本明細書において、粘着性フィルムは、粘着性シートと同義の用語であり、粘着性シートを包含する概念のものである。
本発明の粘着性フィルムは、前記粘着剤から形成された粘着剤層をフィルムの片面または両面に形成されせることによって得ることができる。
フィルム上に粘着剤層を形成させる方法としては、例えば、粘着剤をフィルム上に塗布し、必要により乾燥させることにより、粘着剤層をフィルム上に形成させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。フィルム上に粘着剤を塗工する方法としては、例えば、ロールコート法、スプレーコート法、フローコート法、ディッピング法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、ダイコーター法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
粘着剤層の乾燥後の厚さは、特に限定されないが、通常、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。
フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
フィルムの厚さは、当該フィルムの種類、用途などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは5〜200μm程度、より好ましくは10〜125μm程度、さらに好ましくは20〜100μm程度である。
なお、フィルムの表面には、粘着剤層とフィルムとの離型性を向上させる観点から、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤などの離型剤が塗布されていてもよく、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの表面処理が施されていてもよい。
また、形成された粘着剤層の表面には、必要により、粘着剤層の表面を保護するためのセパレーターが形成されていてもよい。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニルコポリマーからなるフィルムなどの樹脂フィルム;紙などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。セパレーターの厚さは、特に限定されないが、通常、5〜200μm程度であることが好ましく、10〜100μm程度であることがより好ましい。また、セパレーターには、必要により、離型剤が塗布されていてもよく、防汚処理、帯電防止処理などの処理が施されていてもよい。
以上のようにして得られる本発明の粘着性フィルムは、本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤から形成された粘着剤層を有することから、粘着性に優れている。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
500mL容のフラスコ内に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gおよび重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン〔BASFジャパン(株)製、商品名:DAROCUR1173〕10gを入れ、均一な組成となるように混合することにより、モノマー成分を得た。
前記で得られたモノマー成分をバーコーターNo.10でポリエステル板上に厚さが20μm程度となるように塗布した後、形成された塗膜上に長方形状のポリエステルフィルム(縦:300mm、横:24mm、厚さ:125μm)を載置して塗膜に密着させ、紫外線露光機〔アイグラフィックス(株)製、商品名:UB031-5BM〕を用いて紫外線を露光量6000mJ/cm2にて照射することにより、モノマー成分を重合させ、一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを得た。なお、前記モノマー成分を重合させることによって得られたポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−37℃であった。
次に、前記で得られた粘着シートを室温(約25℃)下で大気中にて24時間放置した後、室温(約25℃)、相対湿度30%の大気中にて引張試験機〔(株)島津製作所製、商品名:オートグラフAG−I〕を用いて剥離速度300mm/minにてポリエステルフィルムを180°剥離させ、ポリエステルフィルムが剥離するときの剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は、88mN/24mmであった。
比較例1
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりにn−オクチルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、剥離強度は、70mN/24mmであった。なお、n−オクチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−71℃であった。
比較例2
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりにイソデシルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、61mN/24mmであった。なお、イソデシルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−62℃であった。
比較例3
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりにラウリルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、51mN/24mmであった。なお、ラウリルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−23℃であった。
比較例4
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりにイソノニルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、43mN/24mmであった。なお、イソノニルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−71℃であった。
比較例5
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりに2−エチルヘキシルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、47mN/24mmであった。なお、2−エチルヘキシルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−70℃であった。
比較例6
実施例1において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物100gの代わりにイソオクチルアクリレート100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、37mN/24mmであった。なお、イソオクチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度を別途測定したところ、当該ガラス転移温度は、−70℃であった。
実施例1および比較例1〜6の結果から、実施例1で得られた粘着シートは、
モノマー成分に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物が用いられていることから、比較例1〜6で得られた粘着シートと対比して、剥離強度に格段に優れていることがわかる。
実施例2
500mL容のフラスコ内に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gおよびメチルエチルケトン70gを入れ、フラスコの内部を十分に窒素ガスで置換した後、アゾイソブチロニトリル1.5gをフラスコ内に添加し、窒素ガス雰囲気中で50℃にて2日間熱重合反応を行なった。得られた重合反応溶液を粘着剤として用いた。
次に、前記で得られた粘着剤をバーコーターNo.10でポリエステル板上に乾燥後の厚さが10μm程度となるように塗布した後、55℃の温度で減圧乾燥を2時間行なうことにより、形成された粘着剤層に含まれている溶媒(メチルエチルケトン)を揮散除去した。その後、形成された塗膜上に長方形状のポリエステルフィルム(縦:300mm、横:24mm、厚さ:125μm)を載置して密着させることにより、一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを得た。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は33000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−37℃であった。
前記で得られた粘着シートを用い、実施例1と同様にして剥離強度を測定したところ、当該剥離強度は、169mN/24mmであった。
比較例7
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにn−ブチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、48mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は40000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−54℃であった。
比較例8
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにn−オクチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、剥離強度は、38mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は42000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−71℃であった。
比較例9
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソデシルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、剥離強度は、63mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は28000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−62℃であった。
比較例10
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにラウリルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を測定したところ、剥離強度は、32mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は37000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−23℃であった。
比較例11
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソノニルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、剥離強度は、59mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は30000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−71℃であった。
比較例12
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりに2−エチルヘキシルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、剥離強度は、74mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は35000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−70℃であった。
比較例13
実施例2において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソオクチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、剥離強度は、71mN/24mmであった。なお、粘着剤層に含まれるポリマーの重量平均分子量は40000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−70℃であった。
実施例2および比較例7〜13の結果から、実施例2で得られた粘着シートは、モノマー成分に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物が用いられていることから、比較例7〜13で得られた粘着シートと対比して、剥離強度に格段に優れていることがわかる。
実施例3
式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物80g、メチルメタクリレート10gおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート10gを混合することにより、モノマー成分を調製した。
500mL容のフラスコ内に前記で得られたモノマー成分30gおよびメチルエチルケトン70gを入れ、フラスコの内部を十分に窒素ガスで置換した後、アゾイソブチロニトリル1.5gをフラスコ内に添加し、窒素ガス雰囲気中で50℃にて2日間熱重合反応を行なった。得られた重合反応溶液を粘着剤として用いた。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は28000であり、ガラス転移温度は0℃であった。
次に、前記で得られた粘着剤をバーコーターNo.10でポリエステル板上に乾燥後の厚さが10μm程度となるように塗布した後、55℃の温度で減圧乾燥を2時間行なうことにより、形成された粘着剤層に含まれている溶媒(メチルエチルケトン)を揮散除去した。その後、形成された塗膜上に長方形状のポリエステルフィルム(縦:300mm、横:24mm、厚さ:125μm)を載置して密着させることにより、一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを得た。
前記で得られた粘着シートの剥離強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、剥離強度は、168mN/24mmであった。
比較例14
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにn−ブチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、126mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は33000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−24℃であった。
比較例15
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにn−オクチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、ポリエステルフィルムを剥離させたときの剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、82mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は37000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−26℃であった。
比較例16
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソデシルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、ポリエステルフィルムを剥離させたときの剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、91mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は23000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−16℃であった。
比較例17
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにラウリルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、ポリエステルフィルムを剥離させたときの剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、26mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は32000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は14℃であった。
比較例18
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソノニルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、99mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は25000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−24℃であった。
比較例19
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりに2−エチルヘキシルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、77mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は30000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−26℃であった。
比較例20
実施例3において、式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物30gの代わりにイソオクチルアクリレート30gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして一方表面に粘着剤層を有する粘着シートを作製し、剥離強度を実施例1と同様にして測定したところ、当該剥離強度は、110mN/24mmであった。なお、得られた重合反応溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は35000であり、当該ポリマーのガラス転移温度は−70℃であった。
実施例3および比較例14〜20の結果から、実施例3で得られた粘着シートは、モノマー成分に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物が用いられていることから、比較例14〜20で得られた粘着シートと対比して、剥離強度に格段に優れていることがわかる。
以上の結果から、各実施例で得られた粘着剤が用いられた粘着性フィルムは、モノマー成分に式(I)で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物が用いられていることから、各比較例で得られた粘着性フィルムと対比して粘着性に格段に優れていることがわかる。
本発明のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤が用いられた粘着性フィルムは、例えば、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材表面を保護するために用いられる表面保護フィルムなどとして使用することが期待される。

Claims (3)

  1. 式(I):
    で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるポリマーを含有することを特徴とするアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤であって、該モノマー成分における該アクリロイルオキシ基含有化合物の含有率が70質量%以上である、アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤
  2. 式(I):
    で表わされるアクリロイルオキシ基含有化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるポリマーを含有することを特徴とするアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤であって、該モノマー成分において、該アクリロイルオキシ基含有化合物50〜100質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート0〜30質量%および炭素数が2〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート0〜30質量%を含有する、アクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤。
  3. 請求項1または2に記載のアクリロイルオキシ基含有化合物系粘着剤から形成された粘着剤層をフィルムの片面または両面に有する粘着性フィルム。
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