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JP6575543B2 - 自動運転装置、及び自動運転方法 - Google Patents

自動運転装置、及び自動運転方法 Download PDF

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JP6575543B2 JP2017020644A JP2017020644A JP6575543B2 JP 6575543 B2 JP6575543 B2 JP 6575543B2 JP 2017020644 A JP2017020644 A JP 2017020644A JP 2017020644 A JP2017020644 A JP 2017020644A JP 6575543 B2 JP6575543 B2 JP 6575543B2
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Description

本発明は、自動運転装置、及び自動運転方法に関する。
車両を自動で走行させる自動運転制御を実行する自動運転装置が、例えば、特許文献1に記載されている。この自動運転装置は、自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間を避けて経路を探索し、目的地まで自動で車両を走行させている。
特開2015−175825号公報
特許文献1に記載された自動運転装置では、例えば目的地付近に自動運転中断区間が存在する場合、自動運転制御の実行が可能な他の経路を探索できないことがある。この場合、自動運転中断区間に到達したときに車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替えられることがあり、運転状態が切り替えられることに車両の乗員が煩わしさを感じることがある。そこで、本技術分野では、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態へ切り替えられることに対して乗員が煩わしく感じることを低減することが望まれている。
本発明の一側面は、車両を自動で走行させる自動運転制御を実行する自動運転装置であって、予め設定された目的地まで自動運転制御によって車両を走行させるときの経路を取得する経路取得部と、車両の位置が目的地を含む目的地周辺エリア内であるか否かを判定する車両位置判定部と、車両の位置が目的地周辺エリア内である場合、車両の位置から目的地までの経路上において、自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定する中断区間推定部と、車両の位置が目的地周辺エリア内であると判定され、且つ車両の現在の位置から目的地までの間に自動運転中断区間が有りと推定されている場合に、車両の乗員の降車意思の有無を確認する意思確認部と、降車意思が有りと確認された場合に、降車に対する報酬を提供する報酬提供部と、自動運転制御を実行すると共に、自動運転制御の実行中に降車意思が有りと確認された場合には自動運転中断区間に到達する前に車両を停止させる走行制御部と、を備える。
この自動運転装置では、車両の現在の位置から目的地までの間に自動運転中断区間が存在する場合、車両の乗員に降車意思の有無を確認する。乗員に降車の意思がある場合、自動運転装置は、自動運転中断区間に到達する前に車両を停止させる。これにより、自動運転中断区間が存在し且つ乗員に降車意思がある場合には、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替わらない。従って、自動運転装置は、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態へ切り替えられることに対して乗員が煩わしく感じることを低減することができる。また、自動運転装置は、乗員に降車意思が有る場合、降車に対する報酬を提供する。これにより、自動運転装置は、報酬を提供することによって、乗員の降車に対する動機づけを与えることができる。
目的地周辺エリアは、自動運転制御で車両を走行させた場合における目的地までの到達時間が所定の到達時間以内となるエリアであってもよい。例えば、目的地までの直線距離が近くても遠回りをしないと到達できないなど、目的地に到達するまでに要する時間が長く掛かることがある。このような場合であっても、目的地までの到達時間に基づいて目的地周辺エリアが設定されていることにより、自動運転装置は、適切に設定された目的地周辺エリアに基づいて車両の位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定することができる。
自動運転装置は、経路取得部で取得された目的地までの経路上の交通情報を取得する交通情報取得部を更に備え、中断区間推定部は、取得された交通情報に基づいて自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定してもよい。この場合、自動運転装置は、取得された交通情報に基づいて、自動運転中断区間の有無及び位置を適切に推定することができる。
自動運転装置は、乗員によって操作される操作部を更に備え、意思確認部は、降車意思を確認するための報知を行い、乗員による操作部の操作に基づいて降車意思の有無を確認してもよい。この場合、車両の乗員は、降車の意思を操作部を通じて自動運転装置に入力することができる。
自動運転装置は、乗員が携帯する携帯端末の位置情報を取得する端末位置取得部を更に備え、報酬提供部は、降車に対する報酬を提供する場合、取得された携帯端末の位置情報に基づいて、降車した乗員が目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定し、目的地に所定の滞在時間以上滞在したときに報酬を提供してもよい。この場合、自動運転装置は、降車した乗員が目的地に滞在したか否かに基づいて、報酬を適切に提供することができる。
本発明の他の一側面は、車両を自動で走行させる自動運転制御を実行する自動運転装置で実行される自動運転方法であって、予め設定された目的地まで自動運転制御によって車両を走行させるときの経路を取得する経路取得ステップと、車両の位置が目的地を含む目的地周辺エリア内であるか否かを判定する車両位置判定ステップと、車両の位置が目的地周辺エリア内である場合、車両の位置から目的地までの経路上において、自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定する中断区間推定ステップと、車両の位置が目的地周辺エリア内であると判定され、且つ車両の現在の位置から目的地までの間に自動運転中断区間が有りと推定されている場合に、車両の乗員の降車意思の有無を確認する意思確認ステップと、降車意思が有りと確認された場合に、降車に対する報酬を提供する報酬提供ステップと、自動運転制御の実行中に降車意思が有りと確認された場合には自動運転中断区間に到達する前に車両を停止させる走行制御ステップと、を含む。
この自動運転方法では、車両の現在の位置から目的地までの間に自動運転中断区間が存在する場合、車両の乗員に降車意思の有無を確認する。乗員に降車の意思がある場合、自動運転方法では、自動運転中断区間に到達する前に車両を停止させる。これにより、自動運転中断区間が存在し且つ乗員に降車意思がある場合には、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替わらない。従って、この自動運転方法では、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態へ切り替えられることに対して乗員が煩わしく感じることを低減することができる。また、この自動運転方法では、乗員に降車意思が有る場合、降車に対する報酬を提供する。これにより、この自動運転方法では、報酬を提供することによって、乗員の降車に対する動機づけを与えることができる。
自動運転方法において、目的地周辺エリアは、自動運転制御で前記車両を走行させた場合における目的地までの到達時間が所定の到達時間以内となるエリアであってもよい。例えば、目的地までの直線距離が近くても遠回りをしないと到達できないなど、目的地に到達するまでに要する時間が長く掛かることがある。このような場合であっても、目的地までの到達時間に基づいて目的地周辺エリアが設定されていることにより、この自動運転方法では、適切に設定された目的地周辺エリアに基づいて車両の位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定することができる。
自動運転方法は、経路取得ステップで取得された目的地までの経路上の交通情報を取得する交通情報取得ステップを更に含み、中断区間推定ステップでは、取得された交通情報に基づいて自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定してもよい。この場合、自動運転方法では、取得された交通情報に基づいて、自動運転中断区間の有無及び位置を適切に推定することができる。
自動運転方法において、自動運転装置は乗員によって操作される操作部を備え、意思確認ステップでは、降車意思を確認するための報知を行い、乗員による操作部の操作に基づいて降車意思の有無を確認してもよい。この場合、車両の乗員は、降車の意思を操作部を通じて自動運転装置に入力することができる。
自動運転方法は、乗員が携帯する携帯端末の位置情報を取得する端末位置取得ステップを更に含み、報酬提供ステップでは、降車に対する報酬を提供する場合、取得された携帯端末の位置情報に基づいて、降車した乗員が目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定し、目的地に所定の滞在時間以上滞在したときに報酬を提供してもよい。この場合、自動運転方法では、降車した乗員が目的地に滞在したか否かに基づいて、報酬を適切に提供することができる。
本発明の種々の側面によれば、車両の運転状態が自動運転状態から手動運転状態へ切り替えられることに対して乗員が煩わしく感じることを低減することができる。
実施形態に係る自動運転装置の概略構成を示す図である。 代替目的地を提案しない場合において、降車に対する報酬を提供する処理の流れを示すフローチャートである。 代替目的地を提案する場合において、降車に対する報酬を提供する処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、本実施形態の自動運転装置100は、乗用車等の車両Vに搭載され、予め生成された走行計画に沿って車両Vを自動で走行させる自動運転制御を実行する。自動運転制御が実行されている状態である自動運転状態とは、車両Vの速度制御及び操舵制御を含む制御が自動運転装置100によって実行されている状態である。
図1に示すように、自動運転装置100は、自動運転制御を実行するためのECU10を備えている。ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。ECU10には、外部センサ1、GPS受信部2、内部センサ3、地図データベース4、第1通信部5、第2通信部6、ナビゲーションシステム7、アクチュエータ8、及びHMI[Human Machine Interface]9が接続されている。
外部センサ1は、車両Vの周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ1は、カメラ及びレーダセンサのうち少なくとも一つを含む。カメラは、車両Vの外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、車両Vのフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両Vの外部状況に関する撮像情報をECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両Vの周辺の障害物を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を車両Vの周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU10へ送信する。障害物には、ガードレール、建物等の固定障害物の他、歩行者、自転車、他車両等の移動障害物が含まれる。
GPS受信部2は、車両Vに搭載され、車両Vの位置を測定する位置測定部として機能する。GPS受信部2は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Vの位置(例えば車両Vの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部2は、測定した車両Vの位置の情報をECU10へ送信する。
内部センサ3は、車両Vの走行状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサのうち少なくとも一つを含む。車速センサは、車両Vの速度を検出する検出器である。車速センサとしては、車両Vの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報をECU10に送信する。
加速度センサは、車両Vの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、車両Vの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両Vの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、車両Vの加速度情報をECU10に送信する。ヨーレートセンサは、車両Vの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両Vのヨーレート情報をECU10へ送信する。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース4は、車両Vに搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図情報には、例えば、道路の位置情報、道路形状の情報、交差点及び分岐点の位置情報、道路の制限速度が含まれる。道路形状の情報には、例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率、路面の傾斜(上り坂、下り坂)等が含まれる。なお、地図データベース4は、車両Vと通信可能なサーバに記憶されていてもよい。
第1通信部5は、交通情報を配信可能な外部のサーバ等と無線通信を行う機能を有する。交通情報には、自動運転制御で走行する車両Vの走行を妨げる要因に関する情報等が含まれている。本実施形態では、一例として、交通情報には渋滞が発生している場所及び渋滞の度合い(混雑度合い)等の情報が含まれている。
第2通信部6は、車両Vの乗員が携帯する携帯端末の位置情報を配信可能な外部のサーバ等と無線通信を行う機能を有する。例えば、携帯端末が携帯電話である場合、携帯端末の位置情報を配信可能な外部のサーバ等とは、携帯電話の通信サービスを提供する事業者が保有するサーバであってもよい。この場合、例えば、通信サービスを提供する事業者が保有するサーバは、携帯電話の位置を監視していてもよい。或いは、第2通信部6は、車両Vの乗員が携帯する携帯端末と無線通信を行い、携帯端末の位置情報を直接取得する機能を有していてもよい。この場合、例えば、乗員が携帯する携帯端末は、当該携帯端末に搭載されたGPS受信部で位置を測定し、位置情報を第2通信部6に配信してもよい。
ナビゲーションシステム7は、車両Vに搭載され、自動運転によって車両Vが走行する目標ルートを設定する。ナビゲーションシステム7は、予め設定された目的地、GPS受信部2によって測定された車両Vの位置、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両Vの位置から目的地に至るまでの目標ルートを演算する。予め設定された目的地は、車両Vの乗員がナビゲーションシステム7に設けられた入力ボタン(又はタッチパネル)を操作することにより設定される。目標ルートは、道路を構成する車線を区別して設定され。ナビゲーションシステム7は、周知の手法により目標ルートを設定することができる。ナビゲーションシステム7は、ディスプレイの表示及びスピーカの音声出力により運転者に対して目標ルートの報知を行う。ナビゲーションシステム7は、車両Vの目標ルートの情報をECU10へ出力する。
アクチュエータ8は、車両Vの走行制御を実行する装置である。アクチュエータ8は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両Vの駆動力を制御する。なお、車両Vがハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータにECU10からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。車両Vが電気自動車である場合には、動力源としてのモータにECU10からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ8を構成する。
ブレーキアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両Vの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU10からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両Vの操舵トルクを制御する。
HMI9は、運転者と自動運転装置100との間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスである。HMI9は、例えば、車両Vの乗員に画像情報を表示するディスプレイ、音声を出力するスピーカ、及び乗員が入力操作を行うために乗員によって操作される入力ボタン又はタッチパネル、音声入力装置等の操作部を備えている。HMI9は、乗員が入力した情報をECU10へ送信する。また、HMI9は、ECU10からの制御信号に応じて、画像情報をディスプレイに表示すると共に、音声をスピーカから出力する。
次に、ECU10の機能的構成について説明する。ECU10は、車両位置認識部11、外部状況認識部12、走行状態認識部13、走行計画生成部14、経路取得部15、車両位置判定部16、交通情報取得部17、中断区間推定部18、代替目的地提案部19、意思確認部20、端末位置取得部21、報酬提供部22、及び走行制御部23を有している。なお、ECU10の機能の一部は、車両Vと通信可能なサーバで実行されてもよい。
車両位置認識部11は、GPS受信部2の位置情報及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両Vの地図上の位置を認識する。車両位置認識部11は、地図データベース4の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ1の検出結果を利用して、既存のSLAM技術により車両Vの位置を認識してもよい。
外部状況認識部12は、外部センサ1の検出結果に基づいて、車両Vの外部状況を認識する。外部状況認識部12は、カメラの撮像画像及び/又はレーダセンサの障害物情報に基づいて、周知の手法により、車両Vの周囲の障害物の位置を含む車両Vの外部状況を認識する。
走行状態認識部13は、内部センサ3の検出結果に基づいて、車両Vの車速及び向きを含む車両Vの走行状態を認識する。具体的には、走行状態認識部13は、車速センサの車速情報に基づいて、車両Vの車速を認識する。走行状態認識部13は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両Vの向きを認識する。
走行計画生成部14は、ナビゲーションシステム7により設定された目標ルート、地図データベース4の地図情報、外部状況認識部12により認識された車両Vの外部状況、及び走行状態認識部13により認識された車両Vの走行状態に基づいて、車両Vの走行計画を生成する。この走行計画は、車両Vの現在の位置から予め設定された目的地へ向かうための走行計画となる。
走行計画には、車両Vの目標ルート上の位置に応じた車両Vの制御目標値が含まれている。目標ルート上の位置とは、地図上で目標ルートの延在方向における位置である。目標ルート上の位置は、目標ルートの延在方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置を意味する。制御目標値とは、走行計画において車両Vの制御目標となる値である。制御目標値は、目標ルート上の設定縦位置毎に関連付けて設定される。走行計画生成部14は、目標ルート上に所定間隔の設定縦位置を設定すると共に、設定縦位置毎に制御目標値(例えば目標横位置及び目標車速)を設定することで、走行計画を生成する。設定縦位置及び目標横位置は、合わせて一つの位置座標として設定されてもよい。設定縦位置及び目標横位置は、走行計画において目標として設定される縦位置の情報及び横位置の情報を意味する。
また、走行計画生成部14は、目的地を代替目的地に変更することが乗員によって受け入れられたと意思確認部20によって判定された場合、予め設定された目的地までの走行計画に代えて、代替目的地までの走行計画を生成する。この場合、ナビゲーションシステム7は、目的地を代替目的地に変更することが乗員によって受け入れられたと意思確認部20によって判定された場合、車両Vの位置から代替目的地に至るまでの目標ルートを設定する。走行計画生成部14は、ナビゲーションシステム7によって設定された代替目的地に至るまでの目標ルートに基づいて、上記と同様に、代替目的地へ向かうための走行計画を生成する。
経路取得部15は、予め設定された目的地まで自動運転制御によって車両Vを走行させるときの経路を取得する。具体的には、経路取得部15は、ナビゲーションシステム7により設定された目的地までの目標ルートを、予め設定された目的地まで自動運転制御によって車両Vを走行させるときの経路として取得する。
車両位置判定部16は、予め設定された目的地を含む目的地周辺エリアを特定する。車両位置判定部16は、車両位置認識部11によって認識された車両Vの位置に基づいて、車両Vの位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定する。より詳細には、車両位置判定部16は、経路取得部15で取得された目標ルートに沿って自動運転制御で車両Vを走行させた場合における目的地までの到達時間が、所定の到達時間以内となるエリアを目的地周辺エリアとして特定する。ここで、予め設定された目的地までの到達時間は、道路の速度制限を考慮するなど、周知の手法により算出することができる。なお、目的地周辺エリアは、目的地までの到達時間に基づいて特定されることに限定されず、例えば、目的地から所定距離以内のエリア等、種々の基準によって定められたエリアであってもよい。
交通情報取得部17は、経路取得部15で取得された目標ルート上における交通情報を取得する。交通情報取得部17は、第1通信部5を用いて交通情報を取得する。
中断区間推定部18は、車両Vの位置が目的地周辺エリア内であると判定されている場合、車両Vの位置から目的地までの目標ルート上において、自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定する。ここでの目的地周辺エリアとは、車両位置判定部16で特定されたエリアである。自動運転中断区間とは、自動運転制御の継続が困難となり、自動運転制御が中断される可能性がある区間である。
具体的には、中断区間推定部18は、交通情報取得部17で取得された交通情報に基づいて自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定する。ここで、渋滞が発生している場合、例えば先行車両と車両Vとの車間距離が狭くなり、カメラの撮像範囲が先行車両によって遮られるために遠くまで撮像できない。この場合、外部状況認識部12は、カメラの撮像画像等を用いて外部状況を認識しようとしても、車両Vの近傍のエリアの状況しか認識できないことがある。このため、自動運転装置100は、外部状況の認識が不足しているために、自動運転制御の継続が困難であるとして自動運転制御を中断することがある。そこで、本実施形態において、中断区間推定部18は、交通情報に含まれる渋滞が発生している場所を、自動運転中断区間として推定する。中断区間推定部18は、交通情報に含まれる混雑度合いが所定値以上の場所を自動運転中断区間として推定してもよい。
代替目的地提案部19は、予め設定された目的地の付近で渋滞が発生している場合に、予め設定された目的地とは異なる代替目的地を提案する。具体的には、代替目的地提案部19は、目的地周辺エリア内における目的地までの目標ルート上において自動運転中断区間が有る場合、予め設定された目的地付近において代替目的地を決定する。代替目的地とは、推定された自動運転中断区間を通ることなく到達することができる目的地である。例えば、代替目的地提案部19は、予め設定された目的地へ向かうための目標ルート上において、自動運転中断区間の手前の地点を代替目的地として決定してもよい。代替目的地提案部19は、予め設定された目的地へ向かうための目標ルートから逸れた地点を代替目的地として決定してもよい。代替目的地提案部19は、予め設定された目的地から所定距離以内の地点を代替目的地として決定してもよい。代替目的地提案部19は、車両Vが停止可能な場所を代替目的地として決定してもよい。代替目的地提案部19は、地図データベース4が記憶する地図情報に基づいて、周知の方法によって代替目的地を決定することができる。代替目的地提案部19は、決定した代替目的地を、HMI9を通じて表示又は音声等によって車両Vの乗員に提案する。
意思確認部20は、車両位置判定部16によって車両Vの位置が目的地周辺エリア内であると判定され、且つ中断区間推定部18によって車両Vの現在の位置から目的地までの間に自動運転中断区間が有りと推定されている場合に、車両Vの乗員の降車意思の有無を確認する。ここでの意思とは、車両Vが自動運転制御によって自動運転中断区間に到達する前に車両Vを降車するか否かの意思である。すなわち、意思確認部20は、予め設定された目的地以外の場所で降車するか否かの降車意思の確認を行う。
乗員の降車意思の有無を確認するため、まず、意思確認部20は、HMI9を通じて表示又は音声等によって降車意思を確認するための報知を行う。報知を行った後、意思確認部20は、乗員によるHMI9の入力ボタン等の操作に基づいて降車意思の有無を確認する。例えば、意思確認部20は、乗員によってHMI9の入力ボタン等が操作された場合に、降車意思が有りと判定することができる。
また、意思確認部20は、代替目的地提案部19によって代替目的地が提案された場合、車両Vの乗員が予め定められた目的地から代替目的地に目的地を変更することを受け入れるか否かの確認を行う。具体的には、意思確認部20は、乗員によるHMI9の入力ボタン等の操作に基づいて、予め定められた目的地から代替目的地に目的地を変更することを乗員が受け入れたか否かの確認を行う。例えば、意思確認部20は、乗員によってHMI9の入力ボタン等が操作された場合に、目的地を代替目的地に変更することが受け入れられたと判定することができる。すなわち、意思確認部20は、予め設定された目的地以外の場所で降車するか否かの意思の確認を行う。
端末位置取得部21は、車両Vの乗員が携帯する携帯端末の位置情報を取得する。端末位置取得部21は、第2通信部6を用いて携帯端末の位置情報を取得する。
報酬提供部22は、意思確認部20によって降車意思が有りと判定された場合に、降車に対する報酬を提供する。なお、報酬提供部22は、降車に対する報酬を提供する際に、端末位置取得部21で取得された携帯端末の位置情報に基づいて、降車した乗員が予め設定された目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定する。そして、報酬提供部22は、予め設定された目的地に乗員が所定の滞在時間以上滞在した場合に、報酬を提供してもよい。
ここで、降車に対する報酬とは、報酬を受け取ることにより乗員の利益となるもの等である。例えば、降車に対する報酬は、ポイントであってもよい。このポイントは、例えば、商品又はサービス等と交換可能であってもよい。報酬提供部22は、ポイントを提供するごとにポイント数を積算して記憶及び管理していてもよい。報酬提供部22によって提供されたポイントは、報酬提供部22以外の車両Vの外部のサーバ等で記憶及び管理されていてもよい。ポイントの管理方法については、周知の種々方法を採用することができる。
なお、自動運転装置100は、車両V内における乗員の有無を検出する乗員検出部を備えていてもよい。報酬提供部22は、降車に対する報酬を提供する際に、乗員検出部によって車両V内の乗員が降車したことが検出された場合に、報酬を提供してもよい。乗員検出部は、例えば、車両Vの内部を撮像するカメラの撮像画像を用いる、又は乗員が着座するシートに設けられた着座センサの検出結果を用いる等、周知の技術を用いて乗員の有無を検出することができる。
走行制御部23は、乗員によって自動運転制御の実行開始操作が入力された場合、自動運転制御を実行する。走行制御部23は、所定の条件が成立した場合に、自動運転制御を実行してもよい。走行制御部23は、車両位置認識部11の認識した車両Vの地図上の位置と走行計画生成部14で生成された走行計画とに基づいて、車両Vの速度制御及び操舵制御を含む自動運転制御を実行する。ここでの走行計画とは、走行計画生成部14によって生成された、予め設定された目的地へ向かうための走行計画、又は代替目的地へ向かうための走行計画である。走行制御部23は、アクチュエータ8に制御信号を送信することにより、自動運転制御を実行する。走行制御部23が自動運転制御を実行することで、車両Vの運転状態が自動運転状態となる。
また、走行制御部23は、予め定められた目的地へ向かうための走行計画に基づいた自動運転制御の実行中に、意思確認部20によって乗員の降車意思が有りと判定された場合、自動運転中断区間に到達する前に車両Vを停止させる。走行制御部23は、予め定められた目的地へ向かうための走行計画に基づいた自動運転制御の実行中に、意思確認部20によって乗員が代替目的地を受け入れたと判定された場合、予め定められた目的地へ向かうための走行計画に代えて、代替目的地へ向かうための走行計画に基づいて代替目的地まで車両Vを自動で走行させる。代替目的地に到着した場合、走行制御部23は車両Vを停止させる。車両Vを停止させる際に、走行制御部23は、他車両の走行を妨げない場所まで車両Vを移動させて車両Vを停止させる。他車両の走行を妨げない場所とは、例えば、道路の路肩、退避スペース等が挙げられる。走行制御部23は、周知の技術に基づいて、他車両の走行を妨げない場所まで車両Vを移動させた後、車両Vを停止させる。走行制御部23は、車両Vを停止させた後、自動運転制御を終了する。
次に、降車に対する報酬を提供する処理(自動運転装置100で実行される自動運転方法)の流れについて説明する。なお、ここでは、代替目的地提案部19によって代替目的地を提案しない場合と、代替目的地を提案する場合とに分けて説明する。
(代替目的地提案無し)
まず、代替目的地の提案をしない場合に報酬を提供する処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。図2に示すフローチャートの処理は、自動運転制御の実行開始と共に開始される。図2に示すフローチャートの処理は、自動運転制御が実行されている間、所定時間毎に繰り返し実行される。より詳細には、自動運転制御を維持と判定するS106の処理の後に処理がエンドに至った場合、所定時間後にスタートから処理を開始する。但し、車両を停止させる処理(S104)が実行されて自動運転制御の実行が終了した後に処理がエンドに至った場合、再び自動運転制御の実行が開始されたときにスタートから処理を開始する。
図2に示すように、自動運転制御の実行が開始されると、車両位置判定部16は、車両Vの位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定する(S101:経路取得ステップ、車両位置判定ステップ)。車両Vの位置が目的地周辺エリア内でない場合(S101:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による自動運転制御を維持と判定する(S106)。これにより、走行制御部23による自動運転制御が維持される。
車両Vの位置が目的地周辺エリア内である場合(S101:YES)、中断区間推定部18は、車両Vの位置から目的地までの目標ルート上における自動運転中断区間の有無及び位置を推定する(S102:交通情報取得ステップ、中断区間推定ステップ)。自動運転中断区間が無いと推定された場合(S102:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による自動運転制御を維持と判定する(S106)。これにより、走行制御部23による自動運転制御が維持される。
自動運転中断区間が有りと推定された場合(S102:YES)、意思確認部20は、車両Vの乗員の降車意思の有無を確認する(S103:意思確認ステップ)。乗員に降車意思が無い場合(S103:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による自動運転制御を維持と判定する(S106)。これにより、走行制御部23による自動運転制御が維持される。なお、走行制御部23は、目的地までの目標ルート上に自動運転中断区間が存在すると推定されているものの、自動運転制御を継続する。車両Vが自動運転中断区間に到達して自動運転制御が継続できない場合、走行制御部23は、自動運転制御を終了する。これにより、車両Vの運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替わる。走行制御部23は、車両Vが自動運転中断区間に到達したものの自動運転制御の実行を継続可能である場合、自動運転制御の実行を継続する。
乗員に降車意思が有る場合(S103:YES)、走行制御部23は、自動運転中断区間に到達する前に車両Vを停止させ、自動運転制御を終了する(S104:走行制御ステップ)。車両Vが停止することにより、乗員が降車可能となる。車両Vの停止後、報酬提供部22は、降車に対する報酬を提供する(S105:報酬提供ステップ)。
S105において報酬を提供する際に、端末位置取得部21は、乗員の携帯端末の位置情報を取得する(端末位置取得ステップ)。そして、報酬提供部22は、上述したように、降車した乗員が予め設定された目的地に所定の滞在時間以上滞在した場合に、報酬を提供してもよい。これは、報酬を適切に提供するために有効である。例えば、乗員が、目的地をわざと遠くに設定し、遠くに設定した目的地に到着する前に降車することによって報酬を稼ぐことが考えられる。このため、予め設定された目的地に乗員が滞在したか否かに基づいて報酬を提供することで、報酬提供部22は適切に報酬を提供できる。
また、上述した図2のフローチャートの処理の実行開始の前提条件として、これまでの走行経路において車両Vの自動運転率(自動運転制御で走行していた割合)が所定値以上であることを条件としてもよい。例えば、乗員が自動運転を好むために、自動運転制御で車両Vを走行させていたことによって自動運転率が高くなった場合、手動運転に切り替わることに対して車両Vの乗員が抵抗を感じることが考えられる。このような場合に、降車意思を確認して降車に対する報酬を提供することで、例えば、乗員が受ける抵抗感を低減することができる。
また、例えば、自動運転装置100は、乗員の状態を検出する乗員状態検出部を備え、乗員の状態に応じて降車意思の確認を行ってもよい。例えば、意思確認部20が降車意思の確認を行う際に、乗員に眠気が有ることが乗員状態検出部によって検出された場合に降車意思の確認を行ってもよい。乗員状態検出部は、例えば、カメラで撮像された撮像画像から乗員の瞬きを検出することによって眠気の有無を判定してもよい。乗員状態検出部は、乗員の心拍数に基づいて乗員の状態を検出してもよい。なお、乗員状態検出部は、眠気以外にも、乗員の状態として種々の状態を検出してもよい。これにより、乗員の状態に応じて降車を促すことができる。
乗員が降車した後、自動運転装置100は、予め定められた場所まで車両Vを自動で走行させてもよい。例えば、自動運転装置100が搭載された車両Vが複数人が共同で利用する車両(カーシェアリング)である場合、自動運転装置100は、予め定められた配車センター等へ向けて車両Vを無人の状態で自動で走行させてもよい。
自動運転装置100は、自動運転中断区間に到達する前、すなわち渋滞が生じている区間の手前で、乗員の降車位置に応じて車両Vを停止させる。これにより、渋滞が生じている区間を車両Vが走行することが無いため、例えば、自動運転を行う車両Vがタクシー又は複数人が共同で利用する車両である場合、これらの車両を多くの人が利用できる(回転効率を向上させることができる)。
(代替目的地提案有り)
次に、代替目的地の提案をする場合に報酬を提供する処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3に示すフローチャートの処理は、予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御の実行開始と共に開始される。図3に示すフローチャートの処理は、予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御が実行されている間、所定時間毎に繰り返し実行される。より詳細には、予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御を維持と判定するS210の処理の後に処理がエンドに至った場合、所定時間後にスタートから処理を開始する。但し、車両を停止させる処理(S208)が実行されて自動運転制御の実行が終了した後に処理がエンドに至った場合、再び自動運転制御の実行が開始されたときにスタートから処理を開始する。
図3に示すように、自動運転制御の実行が開始されると、車両位置判定部16は、車両Vの位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定する(S201)。ここでの目的地周辺エリアとは、予め設定された目的地に基づいて特定されたエリアである。車両Vの位置が目的地周辺エリア内でない場合(S201:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御を維持と判定する(S210)。これにより、走行制御部23による予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御が維持される。
車両Vの位置が目的地周辺エリア内である場合(S201:YES)、中断区間推定部18は、車両Vの位置から予め設定された目的地までの目標ルート上における自動運転中断区間の有無及び位置を推定する(S202)。自動運転中断区間が無いと推定された場合(S202:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御を維持と判定する(S210)。これにより、走行制御部23による予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御が維持される。
自動運転中断区間が有りと推定された場合(S202:YES)、代替目的地提案部19は、予め設定された目的地とは異なる代替目的地を乗員に提案する(S203)。意思確認部20は、HMI9の入力ボタン等の操作に基づいて、予め定められた目的地から代替目的地に目的地を変更することが受け入れたか否かの確認を行う(S204)。
乗員によって目的地を代替目的地とすることが受け入れられなかった場合(S204:NO)、自動運転装置100は、走行制御部23による予め定められた目的地へ向かうための自動運転制御を維持と判定する(S210)。これにより、走行制御部23による予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御が維持される。なお、走行制御部23は、予め設定された目的地までの目標ルート上に自動運転中断区間が存在すると推定されているものの、予め設定された目的地へ向かうための自動運転制御を継続する。車両Vが自動運転中断区間に到達して自動運転制御が継続できない場合、走行制御部23は、自動運転制御を終了する。これにより、車両Vの運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替わる。走行制御部23は、車両Vが自動運転中断区間に到達したものの自動運転制御の実行を継続可能である場合には、自動運転制御の実行を継続する。
乗員によって目的地を代替目的地とすることが受け入れられた場合(S204:YES)、走行計画生成部14は、代替目的地へ向かうための走行計画を生成する(S205)。走行制御部23は、代替目的地へ向かうための走行計画に沿って、車両Vの自動運転制御を実行する(S206)。走行制御部23は、車両位置認識部11で認識された車両Vの位置などにもとづいて、代替目的地に車両Vが到着したか否かを判定する(S207)。代替目的地に車両Vが到着していない場合(S207:NO)、走行制御部23は、代替目的地へ向かうための自動運転制御を継続する(S206)。
代替目的地に車両Vが到着した場合(S207:YES)、走行制御部23は、車両Vを停止させ、代替目的地へ向かうための自動運転制御を終了する(S208)。車両Vが停止することにより、乗員が降車可能となる。車両Vの停止後、報酬提供部22は、降車に対する報酬を提供する(S209)。
上述した代替目的地を提案する状況の具体例としては、例えば、駅などの混雑する場所が予め設定された目的地である場合、混雑を避けるために駅から少し離れた場所を代替目的地として提案する状況が挙げられる。この場合、自動運転装置100は、駅から少し離れた代替目的地へ向かうことを乗員が受け入れた場合、報酬を提供する。例えば、自動運転を行う車両がタクシー又は複数人が共同で利用する車両である場合、混雑する場所を避けた代替目的地へ向けて自動運転を行うことで、これらの車両を多くの人が利用できる(回転効率を向上させることができる)。
乗員が降車した後、自動運転装置100は、上述した場合と同様に、予め定められた場所まで車両Vを自動で走行させてもよい。
本実施形態は以上のように構成され、この自動運転装置100は、車両Vの位置が目的地周辺エリア内であり、車両Vの現在の位置から予め設定された目的地までの間に自動運転中断区間が存在する場合、車両の乗員に降車意思の有無を確認する。乗員に降車の意思がある場合、自動運転装置100は、自動運転中断区間に到達する前に車両Vを停止させる。これにより、自動運転中断区間が存在し且つ乗員に降車意思がある場合には、車両Vの運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替わらない。従って、自動運転装置100は、車両Vの運転状態が自動運転状態から手動運転状態へ切り替えられることに対して乗員が煩わしく感じることを低減することができる。また、自動運転装置100は、乗員に降車意思が有る場合、降車に対する報酬を提供する。これにより、自動運転装置100は、報酬を提供することによって、乗員の降車に対する動機づけを与えることができる。また、乗員は車両Vから降車した後、徒歩で移動するため、乗員の健康促進を図ることができる。
目的地周辺エリアは、自動運転制御で車両Vを走行させた場合における目的地までの到達時間が所定の到達時間以内となるエリアである。例えば、目的地までの直線距離が近くても遠回りをしないと到達できないなど、目的地に到達するまでに要する時間が長く掛かることがある。このような場合であっても、目的地までの到達時間に基づいて目的地周辺エリアが設定されていることにより、自動運転装置100は、適切に設定された目的地周辺エリアに基づいて車両Vの位置が目的地周辺エリア内であるか否かを判定することができる。
自動運転装置100は、目的地までの経路上の交通情報に基づいて自動運転中断区間の有無及び自動運転中断区間の位置を推定する。この場合、自動運転装置100は、取得された交通情報に基づいて、自動運転中断区間の有無及び位置を適切に推定することができる。
意思確認部20は、乗員によるHMI9の入力ボタン等の操作に基づいて降車意思の有無を確認する。この場合、車両Vの乗員は、降車の意思をHMI9を通じて自動運転装置100に入力することができる。
自動運転装置100は、降車に対する報酬を提供する場合、乗員の携帯端末の位置情報に基づいて、降車した乗員が目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定し、目的地に所定の滞在時間以上滞在したときに報酬を提供する。この場合、自動運転装置100は、降車した乗員が目的地に滞在したか否かに基づいて、報酬を適切に提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、中断区間推定部18は、交通情報以外の情報に基づいて自動運転中断区間の位置等を推定してもよい。例えば、中断区間推定部18は、気象情報、工事の有無、他の自動運転車両の運行情報等に基づいて自動運転中断区間を推定してもよい。自動運転装置100は、第1通信部5と第2通信部6とを備えていたが、2つの通信部を備えていなくてもよい。第1通信部5が、第2通信部6の機能を兼ねていてもよい。
15…経路取得部、16…車両位置判定部、17…交通情報取得部、18…中断区間推定部、20…意思確認部、21…端末位置取得部、22…報酬提供部、23…走行制御部、9…HMI(操作部)、100…自動運転装置、V…車両。

Claims (10)

  1. 車両を自動で走行させる自動運転制御を実行する自動運転装置であって、
    予め設定された目的地まで前記自動運転制御によって前記車両を走行させるときの経路を取得する経路取得部と、
    前記車両の位置が前記目的地を含む目的地周辺エリア内であるか否かを判定する車両位置判定部と、
    前記車両の位置が前記目的地周辺エリア内である場合、前記車両の位置から前記目的地までの前記経路上において、前記自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間の有無及び前記自動運転中断区間の位置を推定する中断区間推定部と、
    前記車両の位置が前記目的地周辺エリア内であると判定され、且つ前記車両の現在の位置から前記目的地までの間に前記自動運転中断区間が有りと推定されている場合に、前記車両の乗員の降車意思の有無を確認する意思確認部と、
    前記降車意思が有りと確認された場合に、降車に対する報酬を提供する報酬提供部と、
    前記自動運転制御を実行すると共に、前記自動運転制御の実行中に前記降車意思が有りと確認された場合には前記自動運転中断区間に到達する前に前記車両を停止させる走行制御部と、
    を備える自動運転装置。
  2. 前記目的地周辺エリアは、前記自動運転制御で前記車両を走行させた場合における前記目的地までの到達時間が所定の到達時間以内となるエリアである、請求項1に記載の自動運転装置。
  3. 前記経路取得部で取得された前記目的地までの前記経路上の交通情報を取得する交通情報取得部を更に備え、
    前記中断区間推定部は、取得された前記交通情報に基づいて前記自動運転中断区間の有無及び前記自動運転中断区間の位置を推定する、請求項1又は2に記載の自動運転装置。
  4. 前記乗員によって操作される操作部を更に備え、
    前記意思確認部は、前記降車意思を確認するための報知を行い、前記乗員による前記操作部の操作に基づいて前記降車意思の有無を確認する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動運転装置。
  5. 前記乗員が携帯する携帯端末の位置情報を取得する端末位置取得部を更に備え、
    前記報酬提供部は、前記降車に対する前記報酬を提供する場合、取得された前記携帯端末の前記位置情報に基づいて、降車した前記乗員が前記目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定し、前記目的地に所定の滞在時間以上滞在したときに前記報酬を提供する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動運転装置。
  6. 車両を自動で走行させる自動運転制御を実行する自動運転装置で実行される自動運転方法であって、
    予め設定された目的地まで前記自動運転制御によって前記車両を走行させるときの経路を取得する経路取得ステップと、
    前記車両の位置が前記目的地を含む目的地周辺エリア内であるか否かを判定する車両位置判定ステップと、
    前記車両の位置が前記目的地周辺エリア内である場合、前記車両の位置から前記目的地までの前記経路上において、前記自動運転制御の実行が中断される可能性がある自動運転中断区間の有無及び前記自動運転中断区間の位置を推定する中断区間推定ステップと、
    前記車両の位置が前記目的地周辺エリア内であると判定され、且つ前記車両の現在の位置から前記目的地までの間に前記自動運転中断区間が有りと推定されている場合に、前記車両の乗員の降車意思の有無を確認する意思確認ステップと、
    前記降車意思が有りと確認された場合に、降車に対する報酬を提供する報酬提供ステップと、
    前記自動運転制御の実行中に前記降車意思が有りと確認された場合には前記自動運転中断区間に到達する前に前記車両を停止させる走行制御ステップと、
    を含む自動運転方法。
  7. 前記目的地周辺エリアは、前記自動運転制御で前記車両を走行させた場合における前記目的地までの到達時間が所定の到達時間以内となるエリアである、請求項6に記載の自動運転方法。
  8. 前記経路取得ステップで取得された前記目的地までの前記経路上の交通情報を取得する交通情報取得ステップを更に含み、
    前記中断区間推定ステップでは、取得された前記交通情報に基づいて前記自動運転中断区間の有無及び前記自動運転中断区間の位置を推定する、請求項6又は7に記載の自動運転方法。
  9. 前記自動運転装置は前記乗員によって操作される操作部を備え、
    前記意思確認ステップでは、前記降車意思を確認するための報知を行い、前記乗員による前記操作部の操作に基づいて前記降車意思の有無を確認する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の自動運転方法。
  10. 前記乗員が携帯する携帯端末の位置情報を取得する端末位置取得ステップを更に含み、
    前記報酬提供ステップでは、前記降車に対する前記報酬を提供する場合、取得された前記携帯端末の前記位置情報に基づいて、降車した前記乗員が前記目的地に所定の滞在時間以上滞在したか否かを判定し、前記目的地に所定の滞在時間以上滞在したときに前記報酬を提供する、請求項6〜9のいずれか一項に記載の自動運転方法。
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