以下、本発明に係る現像カートリッジ、電子写真画像形成装置、及び、カップリング部材について図面を用いて説明する。
尚、以下の実施例においては、ユーザが装置本体に取り付け及び取り外し可能な現像カートリッジについて説明する。しかしながら、本発明は、本体に取り付けられて据え付けられて用いられる現像装置にも適用される事は明らかである。
また、本発明は、カップリング部材単品(例えば、図6(a)、図14(a3)、図28(c)、図30、図77(b))、現像装置(現像カートリッジ、例えば、図2、図57、図60、)、及び、電子写真画像形成装置(例えば、図4、図75)に適用されるものである。
(1)現像カートリッジ(現像装置)の説明
まず、図1乃至図4を用いて、本発明の一実施例を適用した、現像装置としての現像カートリッジB(以下、「カートリッジ」と称す。)について説明する。図1は、カートリッジBの断面図である。図2、3はカートリッジBの斜視図である。また、図4はカラー電子写真画像形成装置本体A(以下、「装置本体」と称す。)の断面図である。
尚、このカートリッジBは、ユーザによって、装置本体Aに設けられたロータリCに対して、取付け、取り外しが可能である。
図1乃至図3において、カートリッジBは現像ローラ110を有する。現像ローラ110は、現像作用時に、装置本体Aから後述するカップリング機構により回転力を受けて回転する。
現像剤収納枠体114には所定色の現像剤tが収納されている。この現像剤は、攪拌部材116が回転することによって、現像室113aに所定量搬送される。搬送された現像剤は、現像室113aにおいてスポンジ状の現像剤供給ローラ115の回転によって現像ローラ110表面に供給される。そして、この現像剤は、薄板状の現像ブレード112と現像ローラ110との摩擦により電荷を付与され薄層化される。薄層化された現像ローラ110上の現像剤は、回転により現像位置に搬送される。そして、現像ローラ110に所定の現像バイアスを印加することにより、電子写真感光体ドラム(以下、「感光体ドラム」と称す)107に形成された静電潜像が現像する。即ち、現像ローラ110によって、静電潜像が現像される。
また、前記静電潜像の現像に寄与しなかった現像剤、すなわち、現像ローラ110の表面に残留した現像剤は、現像剤供給ローラ115で剥ぎ取られる。またこれと同時に、供給ローラ115によって、新しい現像剤が現像ローラ110表面に供給される。これによって現像動作が連続的に行われる。
尚、現像カートリッジBは、現像ユニット119を有する。また、現像ユニット119は、現像枠体113と現像剤収納枠体114とを有する。また、現像ユニット119は、現像ローラ110、現像ブレード112、現像剤供給ローラ115、現像室113a、現像剤収納枠体114、及び、攪拌部材116を有する。
尚、現像ローラ110は、軸線L1を中心に回転可能である。
ここで、前記現像カートリッジBは、ユーザーによって、装置本体Aの回転選択機構(現像ロータリ)Cに設けられた現像カートリッジ収容部130Aに取り付けられる。この際に、後述するように、カートリッジBが移動部材としての現像ロータリ(回転選択機構)Cにより所定の位置(感光体ドラム対向部)に位置決めされる動作に連動して、装置本体Aの駆動軸とカートリッジBの回転駆動力伝達部品であるカップリング部材とが結合する。そして、現像ローラ110等は装置本体Aから駆動力を受けて回転する。
(2)電子写真画像形成装置の説明
図4を用いて、前述した現像カートリッジBを用いるカラー電子写真画像形成装置について説明する。尚、以下、カラー電子写真画像形成装置として、カラーレーザービームプリンターを例に挙げて説明する。
図4に示すように、色の異なる現像剤(トナー)を収納した複数のカートリッジB(B1、B2、B3、B4)をロータリC上に取り付ける。尚、カートリッジBのロータリCに対する取付け、取り外しはユーザによって行われる。そして、ロータリCを回転することにより、所定色の現像剤を収納したカートリッジBを感光体ドラム107に対向させる。そして、感光体ドラム107に形成された静電潜像を現像する。現像された現像像を転写ベルト104aに転写する。さらに、これらの現像転写動作を各色について行う。これにより、カラー画像を得る。以下に詳細に説明する。ここで記録媒体Sは、画像を形成することができるものであって、例えば紙、OHPシート等である。
図4に示すように、光学手段101から画像情報に基づいた光を感光体ドラム107に照射する。これによって、感光体ドラム107に静電潜像を形成する。そして、この潜像は現像剤を用いて、現像ローラ110によって現像される。感光体ドラム107に形成された現像剤像は、中間転写体に転写される。
次にその中間転写体である中間転写ベルト104a上に転写された現像剤像が、第二の転写手段によって記録媒体Sに転写される。そして、現像剤像が転写された記録媒体Sを、加圧ローラ105aと加熱ローラ105bを有する定着手段105に搬送する。そして、記録媒体Sに転写された現像剤像を記録媒体Sに定着する。定着後、記録媒体Sをトレイ106へ排出する。
さらに画像形成工程を説明する。
転写ベルト104aの回転と同期して感光体ドラム107を反時計回り(図4)に回転させる。そして、この感光体ドラム107表面を帯電ローラ108によって均一に帯電する。そして、光学手段101によって、画像情報に応じて、例えばイエロー画像の光照射を行う。そして、感光体ドラム107にイエロー色の静電潜像を形成する。
露光手段は次のように構成される。露光手段101は外部装置(不図示)から読み込んだ画像情報に基づいて、感光体ドラム107に光照射を行う。これによって、感光体ドラム107に静電潜像を形成する。露光手段は、レーザーダイオード、及びポリゴンミラー、スキャナモータ、結像レンズ、反射ミラーを有する。
そして外部装置(不図示)から画像信号が与えられる。これによって、レーザーダイオードが前記画像信号に応じて発光し、ポリゴンミラーに画像光として照射する。このポリゴンミラーはスキャナモータによって高速回転し、前記ポリゴンミラーで反射した画像光が結像レンズ及び反射ミラーを介して前記感光体ドラム107の表面を選択的に露光する。これによって、感光体ドラム107に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
この潜像の形成と同時にロータリーCを回転させる。これによって、イエローカートリッジB1を現像位置に移動させる。そして、現像ローラ110に所定のバイアス電圧を印加する。これによって、潜像にイエロー現像剤を付着させる。そして、潜像がイエロー現像剤によって現像される。その後、転写ベルト104aの押えローラ(一次転写ローラ)104jに現像剤と逆極性のバイアス電圧を印加する。これによって、感光体ドラム107上のイエローの現像剤像を中間転写ベルト104aに一次転写する。
上述のようにイエロー現像剤像の一次転写が終了すると、ロータリーCが回転する。そして、次のカートリッジB2が移動し、感光体ドラム107に対向した位置に位置決めされる。以上の工程を、マゼンタカートリッジB2、シアンカートリッジB3、ブラックカートリッジB4の各カートリッジについて行う。このように、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色について繰り返すことによって、転写ベルト104a上に4色の現像剤像を重ね合わせる。
尚、イエローカートリッジB1は、イエロー色の現像剤を収納しているものであり、イエロー現像剤像を形成する。マゼンタカートリッジB2は、マゼンタ色の現像剤を収納しているものであり、マゼンタ現像剤像を形成する。シアンカートリッジB3は、シアン色の現像剤を収納しているものであり、シアン現像剤像を形成する。ブラックカートリッジB4は、ブラック色の現像剤を収納しているものであり、ブラック現像剤像を形成する。
この間、二次転写ローラ104bは、転写ベルト104aとは非接触状態にある。この時、クリーニング帯電ローラ104fも転写ベルト104aとは非接触状態に位置する。
そして、転写ベルト104a上に4色の現像剤像が形成された後、転写ローラ104bが転写ベルト104aに圧接される(図4)。更に転写ローラ104bの圧接と同期して、レジストローラ対103e近傍の所定の位置で待機していた記録媒体Sが、転写ベルト104aと転写ローラ104bのニップ部に送り出される。そして、同時に記録媒体Sが搬送手段103としての給送ローラ103b、搬送ローラ対103cによってカセット103aから搬送される。
ここで、レジストローラ対103eの直前にはセンサ99が配置されている。センサ99は、記録媒体Sの先端を検知して、レジストローラ対103eの回転を停止し、記録媒体Sを所定の位置で待機させるものである。
また、転写ローラ104bには、現像剤と逆極性のバイアス電圧が印加されている。これによって、転写ベルト104a上の現像剤像が、搬送されてきた記録媒体Sに一括して二次転写される。
現像剤像が転写された記録媒体Sは、搬送ベルトユニット103fを経由して定着手段105に搬送される。そして現像剤像の定着が行われる。そして、定着が行われた記録媒体Sは、排出ローラ対103gによって、装置本体上部の排出トレイ106に排出される。これによって、記録媒体Sに画像形成を完了する。
一方、二次転写終了後に帯電ローラ104fが転写ベルト104aに圧接される。これによって、ベルト104a表面及びベルト104a表面に残留した現像剤は、所定のバイアス電圧が印加される。そして残留電荷が除電される。
除電された残留現像剤は、一次転写ニップ部を介してベルト104aから感光体ドラム107へ静電気的に再転写される。これによって、ベルト104a表面がクリーニングされる。なお、感光体ドラム107に再転写された二次転写後の残留現像剤は、感光体ドラム107に接触しているクリーニングブレード117aによって除去される。
除去された現像剤は、搬送経路(不図示)をたどり、廃現像剤ボックス107dに回収される。
尚、収容部130aは先に説明したカートリッジBが収納される部屋で、ロータリCに複数箇所設けられている。カートリッジBがこの部屋に取り付けられた状態で、ロータリCが一方向へ回転する。これによって、カートリッジBのカップリング部材(後述する)が、装置本体Aに設けられた駆動軸180に連結し及び駆動軸180から離脱する。ここで、カートリッジB(現像ローラ110)は、ロータリCの一方向への移動に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。
(3)現像ローラの構成
次に、図5を用いて、現像ローラの構成について説明する。図5(a)は、現像ローラ110を現像ローラ110が本体Aから駆動力を受ける側(以下単に「駆動側」と称す)から見た斜視図である。図5(b)は非駆動側(現像ローラの軸線方向において、駆動側とは反対側を「非駆動側」と称す)から見た斜視図である。
現像ローラ110は現像軸153、ゴム部110aを有する。
現像軸153は鉄等の導電性の細長い軸状であり、その軸方向中央部付近をゴム部110aで覆われている。また現像軸153は、両端の嵌合部153d1、153d2が、現像枠体113に軸受(不図示)を介して回転自在に支持されている。更に、後述するカップリング150が駆動側の端部153bに位置決めされている。カップリング150は、後述する回転力伝達ピン155と係合することにより、カップリング150から回転力を伝達される。
ゴム部110aは現像軸153と同軸となるように現像軸153に被覆されている。ゴム部110aは、現像剤を担持し、現像軸153にバイアスを印加されることにより、前記静電潜像を現像する。
ニップ幅規制部材136、137は現像ローラ110の感光ドラム107に対するニップ幅を一定に規制する部材である。
前記軸受(不図示)は、現像ローラ110の両端部153d1、153d2に配置され、現像枠体113(図1参照)に現像ローラ110を回転自在に支持している。
現像ギア(不図示)は、現像ローラ110の駆動側の端部153d1に配置され、現像軸153に固定されている。そして、現像ギア(不図示)は、装置本体Aから現像ローラ110が受けた回転力を現像カートリッジBの他の回転部材(例えば、現像剤供給ローラ115、攪拌部材116等)に伝達する。
次に、カップリング150を移動可能(傾動可能、揺動可能)に取り付ける現像軸153の駆動側の端部について詳細に説明する。その端部153bはカップリング150(後述する)の軸線L2が傾斜する際に滑らかに傾斜できるように球面形状である。また、現像軸153の先端近傍には、カップリング150から回転力を受けるために駆動力伝達ピン155が、現像軸153の軸線L1に対して交差する方向に配置されている。
回転力被伝達部としてのピン155は、金属製であり、現像軸153に対して圧入、或いは、接着等の方法で固定されている。その位置は駆動力(回転力)が伝達される位置(つまり、現像軸(現像ローラ)の軸線L1に対して交差する方向)であれば、どこでも良い。好ましくは、現像軸153の先端部153bの球面中心P2(図10b参照)を通る様に配置することが望ましい。なぜなら、現像軸153の軸線L1とカップリング150の軸線L2とが少し傾いた場合でも、常に回転力の伝達半径が一定となるからである。そのため、一定した回転力の伝達を実現できるからである。また、回転力伝達のポイントは何箇所でも良い。しかしながら、駆動トルク(回転力)を確実に伝達できるようにするため、及び、組立性を向上させるために、本実施例ではピン155を1本とした。また、ピン155は、先端球面153bの中心P2を通るように貫通させている。これにより、ピン155が、現像軸153の周面の180°相対する位置に突出するように配置した(155a1,155a2)。つまり、回転力は2ヵ所で伝達することとした。
尚、本実施例では、ピン155は、ドラム軸153の先端から5mm以内の先端側に取り付けられている。但し、これに限定されるものではない。
尚、本体側現像電気接点(不図示)は、導電性である現像軸153の非駆動側端部153cと接触するように本体Aに配置されている。そして、現像カートリッジの有する電気接点(不図示)と本体側現像電気接点とが接触する。これにより、カートリッジBは装置本体Aと電気的に接続される。これによって、装置本体Aから高圧バイアスを現像ローラ110に供給している。
(4)回転駆動力伝達部品(カップリング、カップリング部材)の説明
次に、図6を用いて、本発明の主要な構成要素である回転駆動力伝達部品であるカップリング(カップリング部材)の一例について説明する。図6(a)はカップリングを装置本体側から見た斜視図であり、図6(b)はカップリングを現像ローラ側から見た斜視図である。また、図6(c)はカップリング回転軸l2方向に直交方向から見た図である。また、図6(d)はカップリングを装置本体側から見た側面図であり、図6(e)は現像ローラ側から見た図である。また、図6(f)は図6(e)をS3で切った断面図である。
現像カートリッジBを装置本体Aに設けられたロータリC内のカートリッジ収容部130aに取り外し可能に取り付ける。これは、ユーザによって行われる。そして、ロータリCを回転駆動させ、カートリッジBが所定位置(感光体ドラム107と対向する位置、現像位置)に達した位置で、ロータリCを停止させる。これによって、カップリング(カップリング部材)150は、装置本体Aに設けられた駆動軸180と係合する。更に、ロータリCを一方向へ回転することによって、カートリッジBを前記所定位置(現像位置)から移動させる。即ち、所定位置から退避させる。これによって、カップリング150は、駆動軸180から離脱する。そして、カップリング150は、駆動軸180と係合した状態で、装置本体Aに設けられたモータ64(図17)から回転力を受ける。そして、その回転力を現像ローラ110に伝達する。これによって、現像ローラ110が装置本体Aから受けた回転力で回転する。
前述した通り、駆動軸180はピン182(回転力付与部)を有しており、モータ64により回転される。
尚、カップリング150の材質は、ポリアセタール、ポリカーボネート等の樹脂である。但し、カップリング150の剛性を上げるために、負荷トルクに応じて、樹脂にガラス繊維等を配合して剛性を上げても良い。また、金属材料を使用しても良い。その材質は、適宜選択可能である。但し、樹脂であれば加工が行い易いため、本実施例の各カップリングは樹脂製である。
カップリング150は主に3つの部分を有する。まず第一の部分は、図6(c)に示すように、駆動軸180(後述する)と係合するものである。そして、この駆動軸180に設けられた回転力付与部(本体側回転力伝達部)である回転力伝達ピン182から回転力を受けるための被駆動部150aである。また第二の部分は、現像軸153に設けられたピン155に係合して、現像ローラ110に回転力を伝える駆動部150bである。また、第三の部分は、被駆動部150aと駆動部150bとをつなぐ中間部150cである。
図6(f)に示すように、被駆動部150aは、回転軸線L2に対して広がった駆動軸挿入開口部150mを有する。また、駆動部150bは、現像軸挿入開口部150lを有する。
開口部150mは、駆動軸180(図9乃至図13)側に向かって拡開した円錐形状の駆動軸受け面150fにより形成されている。受け面150fは、図6(f)に示すように凹部150zを構成している。尚、凹部150zは、軸線L2方向において、現像ローラ110の設けられた側とは反対側に開口部150m(開口)を有する。
これにより、現像ローラ110のカートリッジB内での回転位相に関わらず、駆動軸180の先端部182aに阻止されることなく、カップリング150が駆動軸180の軸線L3に対して係合前角度位置(図22(a))、回転力伝達角度位置(図22(d))、及び、離脱角度位置(図25(c)(d))間を移動(傾動)できる。尚、詳細は後述する。
そして、凹部150zの端面であって、軸線L2を中心とする円周上には、複数個の突起(突出部)(係合部)150d(150d1〜d4)が等間隔に配置されている。また、各々の突起150dの間には、進入部150k(150k1、150k2、150k3、150k4)が設けられている。ここで、隣り合う突起150d1〜d4の間隔は、この間隔内に、駆動軸180に設けられた回転力伝達ピン(回転力付与部)182が位置できるように、ピン182の外径よりも大きく設定されている。尚、ピン182が回転力伝達部である。この隣り合う突起の間が、進入部150k1〜k4である。カップリング150に駆動軸180から回転力が伝達される際にには、進入部150k1〜k4にいずれかにピン182が位置する。更に、図6(d)において、各突起150dの時計周りの方向(図示X1)において、上流側には、回転力受面(回転力受け部)150e(150e1〜150e4)が設けられている。この回転力受面150eは、カップリング150の回転方向と交差して設けられている。即ち、突起150d1には受け面150e1、突起150d2には受け面150e2、突起150d3には受け面150e3、及び、突起150d4には受け面150e4が設けられている。駆動軸180が回転している状態では、ピン182a1、182a2が、受け面150eのいずれかに接触する。これによって、ピン182a1、182a2が接触している受け面150eがピン182に押される。これによって、カップリング150は、軸線L2を中心にして回転する。
尚、カップリング150に伝達される伝達トルクをできるだけ安定させるために、回転力受け面150eは軸線L2上に中心Oを有する仮想円上(同一円周上)C1に配置されていることが望ましい(図6(d))。これにより、回転力伝達半径が一定となり、伝達されるトルクが安定する。また、突起150dは、カップリング150の受ける力の釣り合いにより、カップリング150の位置ができるだけ安定する方が好ましい。そのため本実施例では、各受け面150eを180°対向した位置に配置している。即ち、本実施例では、受け面150e1と受け面150e3及び受け面150e2と受け面150e4を対向させて対で構成している。なぜなら、180°でもって対向した位置に配置することにより、カップリング150の受ける力は偶力となる。そのため、カップリング150は偶力を与えるだけで回転運動を続けることができる。そこで、回転軸線L2の位置を規定しなくとも、カップリング150は回転することができるからである。
また、その設置個数は、駆動軸180のピン182(回転力付与部)が進入部(窪み、以下進入部と称す)150k(150k1〜150k2)に挿入できる程度に空いていれば、適宜の数選択できる。本実施例では、図6に示すように4本とした。尚、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、受け面150e(突起部150d1〜150d4)が同一円周上(仮想円C1 図6(d))に配置されていない場合であっても、或いは、180°対向した位置に配置されていない場合であっても構わない。しかしながら、受け面150eを前述した配置とすることによって、前述した効果を得ることができる。
ここで、本実施例の場合には、前記ピン182の直径を約2mmとした。この場合に、進入部150kの周長は、約8mmとした。尚、進入部150kの周長とは、隣り合う突起150dの円弧上(仮想円上)の間隔である。但し、これに限定されるものではない。
また、開口部150mと同様に、現像軸挿入開口部150lは、現像軸153側に向かって広がった拡開部としての円錐形状の回転力受け面150iを有する。受け面150iは、図6(f)に示すように凹部150qを構成している。
これによって、カートリッジB内での現像ローラ110の回転位相がどこであっても、現像軸153の先端部に阻止されることなく、カップリング150が軸線L1に対して、回転力伝達角度位置、係合前角度位置、及び、離脱角度位置の間を移動できる(傾動できる、揺動できる)。図示例では、凹部150qは、軸線L2を中心とする円錐形状の受け面150iにより構成されている。そして、受け面150iに、待機開口部150g1、150g2(以下単に「開口部」と称す)が設けられている(図6(b)参照)。カップリング150は、この開口部150g1、150g2内にピン155が位置できるように、現像軸153に取り付けられる。そして、開口部150g1、150g2の大きさは、ピン155の外径よりも大きくなっている。これによって、カートリッジB内での現像ローラ110の回転位相がどこであっても、ピン155に阻止されること無く、カップリング150が後述する回転力伝達角度位置、係合前角度位置(または、離脱角度位置)の間を移動できる(傾動できる、揺動できる)。
即ち、突起150dは、凹部150zの先端側に設けられている。そして、突起(突出部)150dは、カップリング150が回転する回転方向と交差する交差方向に突出して、及び、前記回転方向に沿って間隔をあけて複数個設けられている。
そして、受け面150eは、カートリッジBがロータリーCに取り付けられた状態で、ピン182と係する。そして、回転する駆動軸180から力を受けるピン182によって押される。これによって、受け面150eは、駆動軸180からの回転力を受ける。また、受け面150eは、軸線L2から等距離に、及び、軸線L2を挟んで対になって位置するように、各突起150dにおいて、前記交差方向に設けられた面に設けられている。
また、進入部(窪み)150kが、前記回転方向に沿って、及び、軸線L2方向に窪んで設けられている。この、進入部150kは、突起150dと突起150dとの間に設けられている。尚、駆動軸180が回転を停止している場合に、カートリッジBがロータリーCに取り付けられた状態で、カップリングが駆動軸180と係合すると、ピン182が進入部150kに進入する。そして、回転する駆動軸180のピン182によって、受け面150eが押される。あるいは、カップリングが駆動軸180と係合する際に、駆動軸180が既に回転している場合には、ピン182が進入部150kに進入して、ピン182が受け面150eを押す。これによって、カップリング150が回転する。尚、回転力受け面(回転力受け部)150eは、駆動軸受け面150fの内側に配置されていても良い。或いは、受け面150eは、軸線L2方向において、受け面150fから外方へ突出した箇所に配置されていても良い。受け面150eが、受け面150fの内側に配置されている場合には、進入部150kも受け面150fの内側に配置される。即ち、進入部150kは、受け面150fの円弧部の内側で、且つ、突起150d間に位置する窪みである。また、受け面150eが、前記外方へ突出した箇所に配置されている場合には、進入部150kは、突起150d間に位置する窪みである。尚、ここで、窪みとは、軸線L2方向において、貫通している穴であっても、或いは、底部を有している場合であっても含まれる。即ち、窪みとは、突起150d間に位置している空間領域であれば良い。そして、カートリッジBがロータリCに取り付けられた状態で、前記領域に、ピン182が進入できればよい。
前記構成は、後述する各実施例においても同様である。
また、図6(e)において、開口部150g1、150g2の反時計周り方向(図示X2)において上流側には、回転力伝達面(回転力伝達部)150h(150h1、150h2)が設けられている。そして、伝達面150h1、150h2が、ピン155a1、155a2と接触することにより、カップリング150から現像ローラ110に回転力が伝達される。即ち、伝達面150h1、150h2が、接触しているピン155の側面を押す。これによって、カップリング150が軸線L2を中心にして回転する。尚、伝達面150h1、150h2は、カップリング150の回転方向と交差した方向に設けられている。
尚、突起150dと同様に、伝達面150h1、150h2は、同一円周及び180°対向に配置されていることが望ましい。
また、カップリング部材150を射出成形によって製造する場合には、中間部150cが細くなることがある。その理由は、被駆動部150a、駆動部150b、中間部150cが略均等な肉厚となるようにしているからである。しかしながら、中間部150cの剛性が不足しているようであれば、中間部150cを太くすることも可能である。
(5)支持部材の形状
次に、図7を用いて、支持部材(取付け部材)157について説明する。図7(a)は駆動軸側から見た斜視図であり、図7(b)は現像ローラ側から見た斜視図である。
支持部材157はカップリング150を保持し、現像カートリッジBをロータリCに位置決めするための部材である。更には、支持部材157は、現像ローラ110に回転力を伝達可能なように、カップリング150を支持する機能を有している。即ち、支持部材157は、カップリング150をカートリッジBに取り付けるものである。
更に詳細に説明する。図7に示すように、支持部材157には、ロータリCに設けられた収容部130aにカートリッジBを着脱する際のガイド140L2及び、収容部130aにカートリッジBを位置決めするための円筒140L1を有している。また、現像ローラ(不図示)と同軸に設けられた円筒部157cの内側空間157bには、先に説明したカップリング150が配置される。また、空間157bを形成する内側周面157iには、カップリング150をカートリッジBから外れないようにする為のリブ157e1、157e2が設けられている。リブ157e1、157e2は現像カートリッジBの移動方向X4(ロータリC回転方向)に対して直交する方向に、相対して設けられている。更に、支持部材157には、現像枠体113に固定するための位置決め部157d1、157d2と、固定ビスを通す穴157g1、157g2が設けられている。
(6)カップリングのカートリッジ枠体への支持構成
次に、図8〜図13を用いて、現像ローラ110、及び、カップリング150の現像枠体(カートリッジ枠体)113に対する支持構成(取付け構成)について説明する。図8はカートリッジの現像ローラ周辺の要部について、駆動側から見た拡大図である。図9は図8のS4−S4で切った断面図である。図10はカップリング、及び、支持部材を組み付ける前に、現像軸線L1で切った断面図である。図11は図10を組み付けた状態の断面図である。図12は図9の状態からカップリングの軸線L2を現像ローラの軸線L1と略同軸線にした時の断面図である。図13は図12のカップリング及び現像ローラを90°回転させた断面図である。図14は現像軸とカップリングの結合状態を表した斜視図である。図14(b1)〜(b5)は斜視図であり、図14(a1)〜(a5)は(b1)〜(b5)夫々に対して、軸線L1方向から見た図である。
図14に示すように、軸線L2が現像軸(現像ローラ)153の軸線L1に対して、どのような方向にも傾斜できるように取付けられている。
図14(a1)(b1)では、軸線L2は現像ローラ153の軸線L1と同軸線上にある。この状態から、カップリング150を上向きに傾斜させたときの図を図14(a2)(b2)に示した。この図に示すように、軸線L2が開口部150gの方向へ傾斜するとき、カップリングを基準として相対的に見ると、ピン155は開口部150g内を移動する。その結果、カップリング150は開口部150gと直交する軸AX(図14(a2))を中心にして傾斜する。
図14(b3)は、カップリング150を右向きに傾斜させた状態を示している。この図に示すように、軸線L2が開口部150gの直交方向へ傾斜しているとき、カップリングを基準として相対的に見ると、ピン155は開口部1510gの中で回転する。回転する軸は伝達ピン155の中心軸AY(図14(a3))である。
カップリング150を下向きに傾けた状態および左向きに傾けた状態を、それぞれ図14(a4)(b4)および図14(a5)(b5)に示す。カップリング150は各々、回転軸AX、AYを中心に傾斜する。
また、ここで説明した傾斜方向と異なる方向、例えば図14(a2)(a3)の傾斜方向の中間位置、及び、(a3)と(a4)、(a5)と(a2)の各傾斜方向中間位置では、回転軸AXとAYそれぞれの方向への回転が合算されて傾斜可能となる。このように、軸線L1に対して、軸線L2はどのような方向にも傾斜することができる。
この時、ピン155は現像軸153に設けられている。即ち、ピン155はその円周面から突出している。そして、ピン155に対向するカップリング150には開口150gが設けられている。開口150gは、軸線L2が軸線L1に対して傾斜する際に、ピン155が干渉しないように、開口150gの大きさを設定している。
即ち、伝達面(回転力伝達部)150hとピン(回転力被伝達部)155前記とは可動状態である(図14)。そして、カップリング150の回転方向において、伝達面150hとピン155は係合する。また、伝達面150hとピン155との間に隙間を有している。これによって、カップリング150は、軸線L1に対して実質的に全方向にわたって移動可能(傾動可能、揺動可能)である。即ち、カップリング150は、現像ローラ110の軸線L1に対して実質的に旋回可能である。
尚、上記に軸線L2は軸線L1に対してどのような方向にも傾斜可能であると述べたが、必ずしも360°全ての方向に傾斜可能である必要はない。その場合、例えば、開口150gを円周方向に広めに設定おけば、軸線L2が軸線L1に対して傾斜する際、所定の角度傾斜できない場合でも、カップリング150が軸線L2まわりに少し回転して、所定の角度まで傾斜することができる。
ここで、旋回とは、カップリングの軸線L2の周りにカップリング自身が回転するのではなくて、傾斜した軸線L2が現像ローラ110の軸線L1の周りに回転することである。但し、遊び或いは積極的に設けた間隙の範囲で、軸線L2の周りにカップリング自身が回転することを排除しない。
また、実質的に全方向にわたって移動可能とは、使用者が、カートリッジBを装置本体Aに取り付ける際に、回転力付与部を有する駆動軸がどのような位相で停止していたとしても、カップリングが回転力伝達角度位置まで移動することができる範囲を意味する。 また、カップリングを駆動軸から離脱する際に、前記駆動軸がどのような位相で停止していたとしても、カップリングが前記離脱角度位置まで移動することができる範囲を意味する。
また、前記カップリングは、軸線L1に対して実質的に全方向にわたって傾斜可能なように、前記回転力伝達部(例えば、回転力伝達面150h)と前記回転力伝達部と係合する回転力被伝達部(例えば、ピン155)との間に隙間を有している。このように、前記カップリングは、カートリッジBの端部に取り付けられている。従って、前記カップリングは、軸線L1に対して実質的に全方向にわたって移動可能である。
尚、この構成は、後述するカップリングの各実施例においても、同様である。
次に、組み付け手順について述べる。
現像ローラ110を現像枠体113に回転自在に取付けた後、ピン155を現像軸153に取り付ける。その後、現像ギア145を現像軸153に組み付ける。その後、図10に示すように、X3方向に、カップリング150及び支持部材157を現像軸153に挿入する。まず、カップリング150の軸線L2をX3と平行に、駆動部150bをX3方向下流側に向けて挿入する。この時、現像軸153側のピン155の位相と、カップリング150の開口150gの位相を合わせる。そして、ピン155を開口部150g1、150g2に潜り込ませる。そして、現像軸153の先端部153bをカップリング150の受け面150iに突き当てる。現像軸153の先端部153bは球面であり、カップリング150の受面150iは円錐面である。そのため、カップリング150の駆動部150b側は現像軸153の先端部153bの中心(球面中心)で位置が決まる。後述するが、装置本体Aから駆動力(回転力)を伝達されたカップリング150が回転すると、開口150gに位置するピン155が回転力伝達面150h1、150h2(図6b参照)に接接する。これによって、回転力の伝達が可能となる。
その後、支持部材157の一方の端面157wをX3方向下流に向けて挿入すると、支持部材157の空間部157bにカップリング150の一部が内包される。そして、像支持部材157を現像枠体113に固定し、現像カートリッジBとして一体化される。
ここで、カップリング150まわりの寸法関係について述べる。図10に示すように、カップリング150の被駆動部150aの最大外径をφD2、駆動部150bの最大外径をφD1、開口150gの最大径をφD3とする。また、ピン155の最大外径をφD5、支持部材157の抜け止めリブ157eの内径をφD4とする。尚、ピン155の最大外径φD1とは、現像ローラ110の回転軸線L1を中心とした時の最大回転軌跡の外径を示す。また、カップリング150に関する最大外径φD1、φD3とは、軸線L2を中心とした時の、最大回転軌跡の外径を示す。この時、φD5<φD3の関係が成り立てば、カップリング150をX3方向に真直ぐ組み付けるのみで所定の位置まで組むことができる。したがって、組立性が向上する。また、抜け止めリブ157eの内径φD4は、カップリング150のφD2よりも大きく、φD1よりは小さく設定する(すなわち、φD2<φD4<φD1)。これによって、支持部材157はX3方向に真直ぐ組み付けるのみで、所定の位置に組むことができる。したがって、組立性向上を図ることが出来る(組み付け後は図11参照)。
次に、図11に示すように、支持部材157の抜け止めリブ157eとカップリング150のつば部150jとは、軸線L1方向において近接して配置されている。具体的には、軸線L1方向において、つば部150jの一端面から、ピン155の軸線までの距離をn1とする。また、リブ157eの一端面から、つば部150jの他端面までの距離をn2とする。この時、距離n2<距離n1となるように設定している。
また、軸線L1の直交方向に対して、つば部150jとリブ157e1、157e2とはオーバラップするように配置している。具体的には、軸線L1の直交方向に対して、リブ157eの内周面157e3と、つば部150jの外周面150j3とのオーバラップ量をn4としている。
これらの設定により、ピン155がカップリング150の開口150gから外れることは無くなり、カップリング150がカートリッジBから外れることを防止できる。しかも、部品を格別追加することなく簡単におこなう事ができる。尚、これまで述べた寸法関係は組立性向上、コストダウンのために好ましい寸法関係であるが、組立方法を変えれば別の寸法関係でも構わない。
先に説明したように(また、図9、図12に示すように)、カップリング150の受面150iが現像軸153の先端面153bに接触している。そのため、カップリング150は先端部(球面)153bの中心P2を回動中心に、先端部(球面)153b上を沿うように支持されている。つまり、現像軸153の位相に関わらず、カップリング150の軸線L2は傾斜可能に取り付けられている。即ち、図9、図11、図12に示すように、カップリング150の凹部150qである受面150iが、現像軸153の先端面153bに接触している。そのため、カップリング150は先端部(球面)153bの中心P2を回動中心にして、先端部(球面)153b上を沿うように揺動する。つまり、ドラム軸153の位相に関わらず、軸線L2は実質的に全方向にわたって移動可能に取り付けられている。即ち、カップリング150は、軸線L2が実質的に全方向にわたって移動可能(傾動可能、旋回可能、揺動可能)である。
また、後述するが、カップリング150が駆動軸180に係合するためには、係合直前において、軸線L2は軸線L1に対して、ロータリCの回転方向において下流側に傾斜している必要がある。つまり、図17に示すように、カップリング150の被駆動部150aの位置が、ロータリCの回転方向X4において下流側に位置することが必要である。
次に詳細に述べる。
まず、図11に示すように、カップリング150の駆動部150bの最大外径部と現像支持部材157の距離n3は、僅かに隙間が空くように設定されている。これによって、カップリング150が傾斜可能である。
また、図7に示すように支持部材157のリブ157e1、157e2は軸線L1方向に平行なリブである。また、リブ157e1、157e2は回転方向X4に直交するように配置されている。また、軸線L1方向における、リブ157eからつば部150jまでのの距離n2(図11参照)は、ピン155中心から駆動部150bの側端面までの距離n1よりも短く設定している。これによって、ピン155が開口150g1、150g2から外れることが無い。そのため、図9に示すように、カップリング150の軸線L2に対して、被駆動部150a側がX4方向に大きく傾斜可能となる。言い換えれば、リブ157eが配置されていない方向(図11で、紙面と垂直な方向)に、駆動部150b側が大きく傾斜可能である。図9には、軸線L2が傾斜した後の状態を示す。また、カップリング150は、図9に示す軸線L2が傾斜した状態から、図12に示す軸線L1と略平行な状態に移動することも自在である。このように、リブ157e1、157e2を配置する。これによって、カップリング150は、軸線L2が軸線L1に対して傾斜可能となること、及び、現像枠体113からカップリング150が外れるのを防止することができる。即ち、これらを、両立することができる。
尚、カップリング150は現像軸153に対して、軸線L1方向にがた(図12において距離n2)を有している。そのため、常にカップリング150の受面150i(円錐面)が先端部153b(球面)に沿わないことも予測される。従って、軸線L2の傾斜が球面中心P2を中心とした回動でない場合がある。しかし、このような回動(傾動)であっても、軸線L2が軸線L1に対して傾斜するために問題はない。
また、軸線L1と軸線L2の最大傾斜可能角度α(図9)は、軸線L2に対して、受け面150iのなすテーパ角α1(図6(f)に図示)の半分に規制される。つまり、カップリング150の受面150iの円錐の頂角を適宜選択する。これにより、カップリング150の傾斜角度αを最適な値にすることができる。これにより、現像軸153の円柱部153aは単純な円筒形状にすることができる。したがって、加工コストのアップを防ぐことができる。
先に、軸線L2が傾斜した時、ピン155が干渉しないよう、ピン155が待機する開口150gの広さを設定すると述べた。また、図13には、カップリング150の被駆動部150a側がX5方向に傾斜した時のつば部150jの軌跡を領域T1と図示した。図に示すように、カップリング150が傾斜しても、ピン155と干渉することなく、カップリングの全周に渡ってつば部150jを設けることができる(図6(b)参照)。つまり、受面150iを円錐形状にすることにより、カップリング150が傾斜する際に、ピン155が領域T1内に入らなくて済む。従って、カップリングを切り欠く範囲を最小限にすることができる。そのため、カップリングの剛性を確保することができる。尚、凹部150zは、カップリング150が駆動軸180から回転力を受ける状態では、駆動軸180の先端にかぶさる。また、凹部150zは、カップリング150の先端に、且つ、カップリング150の回転軸線L2上に設けられている。
(7)装置本体のロータリ(移動部材、回転選択機構)の構成の説明
次に、図15乃至図21を用いて、移動部材としてのロータリーの構成について説明する。図15、図16は、現像カートリッジBが装着されていない状態のロータリーCの斜視図である。図17はひとつの現像カートリッジがロータリーCに装着された状態を表した斜視図である。図18乃至図21はロータリC、感光体ドラム107、駆動列、現像カートリッジBを側面から表した図である。
軸線L1方向において、両端にロータリフランジ50L、50Rが設けられている。また、軸線L1方向の外方には、夫々ロータリ側板54L、54Rが設けられている。そして、フランジ50L、50Rとその中心軸51は、軸線L1方向の一番外側に位置する側板54L、54Rに支えられて回転可能に支持されている。
一対のフランジ50L、50Rの対向面50Lb、50Rbには、カートリッジBをロータリC(収容部130A)に着脱する際の溝状の本体ガイド130L1、130L2、130L3、130L4、130R1、130R2、130R3、130R4が設けられている。そして、カートリッジBの有するカートリッジ側ガイド140R1、140R2、140L1、140L2(図2、図3)が、装置本体Aに設けられた前記本体ガイドに沿って挿入される。つまり、カートリッジBはロータリCに着脱自在である。即ち、カートリッジBは、ユーザによって、ロータリCに取り外し可能に取り付けられる。
具体的に説明する。カートリッジB(B1)の長手方向一端にはガイド140R1、140R2が設けられている。また、カートリッジBの長手方向他端にはガイド140L1、140L2が設けられている。そして、使用者がカートリッジBをつかんで、ガイド140R1、140R2をロータリCに設けられたガイド130R1に挿入する。同じく、ガイド140L1、140L2をロータリCに設けられたガイド130L1に挿入する。このように、使用者によってカートリッジBが、ロータリCに設けられた収容部130Aに取り外し可能に装着される。即ち、カートリッジBは、前記ガイドに案内されて、収容部130Aに対して、カートリッジB(現像ローラ110)の長手方向と交差する方向に着脱される。したがってカートリッジBは、収容部130Aに対して、ロータリCの回転方向X4に対して前記長手方向が交差する方向に取り付けられる。よって、カートリッジBの長手方向一端に設けられたカートリッジB(カップリング)は、ロータリCの回転に応じて、駆動軸180と実質的に直交する方向に移動する。また、ロータリCに取り付けられたカートリッジB)は、装置本体Aから回転力が伝達された際に、円弧形状のガイド140R1、140L1を中心にして回転しようとする。しかしながら、細長形条のガイド140R2、140L2がガイド130R1、ガイド130L1の溝の内面に接触する。これによって、カートリッジBは、ロータリCに対して位置が決まる。即ち、カートリッジBは、収容部130Aに取り外し可能に収容される。
同様に、カートリッジB(B2)が、ロータリCに設けられたガイド130R2、130L2にガイドされて、収容部130Aに取り外し可能に装着される。また、カートリッジB(B3)が、ロータリCに設けられたガイド130R3、130L3にガイドされて、収容部130Aに取り外し可能に装着される。またカートリッジB(B4)が、ロータリCに設けられたガイド130R4、130L4にガイドされて、収容部130Aに取り外し可能に装着される。
即ち、各カートリッジBは、使用者によって、ロータリCに設けられた収容部130Aに取り外し可能に収容される。
図17に現像カートリッジBが装置本体A(ロータリC)に取り付けられた状態を示す。
尚、夫々の現像カートリッジBはロータリCに対して位置が決まり、ロータリCが回転することにより現像カートリッジBも回転する。この時、ロータリCの回転により、現像カートリッジBの位置がずれないように、現像カートリッジBはロータリCに対して、付勢バネまたは、ロック等(不図示)で固定されている。
一方のロータリ側板54Lには、現像ローラ(不図示)を回転するために駆動機構が設けられている。即ち、現像駆動ギア181が、モータ64のモータ軸に固定されたピニオン65と噛合っている。そして、モータ64が回転を始めると、ギア181に回転力が伝達される。そして、ギア181と同軸に配置されている駆動軸180が回転を開始する。これによって、駆動軸180の回転力が、カップリング150を介して現像ローラ110等に伝達される。尚、本実施例においては、駆動軸180は、カップリング150が係合する前から回転を開始している。
しかしながら、駆動軸180が回転を開始するタイミングは、適宜選択できる。
また、カートリッジBは、一対のロータリフランジ50L、50Rと共に回転する。即ち、ロータリCは、所定角度回転すると回転を停止する。これにより、カートリッジBは、装置本体Aに設けられた感光ドラム107と対向する位置(現像位置)に位置決めされる。カートリッジBが、位置決めされて停止するのとほぼ同時に、カップリング150が駆動軸180と係合する。即ち、凹部150zが駆動軸180の先端部180b先端にかぶさる。これによって、回転力の伝達が安定して行われる。
これが、凹部150zを設けた効果である。
駆動軸180は先に説明した現像軸とほぼ同様な構成である。つまり、先端部180bを球面とし、また円筒形状の主部180aのほぼ中心を貫くピン182を有している。そして、ピン182により、カップリング150を介し、カートリッジBに回転力(駆動力)を伝達している。
ロータリCには、4色のカートリッジBが取り付けられる。ここで、カートリッジBの感光体ドラム107に対する加圧は以下のように行っている。
前述した通り、フランジ50L、50Rはロータリ側板54L、54Rに対して回転可能に支持されている。そして、両側端のロータリ側板54L、54Rは、その上部に回動可能に配置された揺動軸60によって装置本体Aの側板(不図示)に位置決め固定されている。言い換えると、カートリッジBとロータリフランジ50およびロータリ側板54はこれらが一体となって、揺動軸60を中心として揺動する。即ち、カートリッジBとロータリCが一体となった揺動運動をする。これによって、カートリッジBは感光体ドラム107に対して加圧または離間される。
尚、上記離間の動作は、揺動可能なロータリ側板54Lをカム(不図示)の回転で押し上げることにより行われる。
また、図15で図した通り、駆動軸180は、径方向、及び、軸方向に位置決めされて設置されている。また、カートリッジBも、ロータリCの回転停止によって、位置決めされる。そして、前記所定位置に位置決めされた駆動軸180と、同じく前記所定位置に位置決めされたカートリッジBの両者を、カップリング150が連結する。カップリング150はカートリッジB(枠体)に対して揺動可能(傾動可能、移動可能)な構成である。従って、上述のように所定位置に位置決めされた駆動軸180と、同じく所定位置に位置決めされたカートリッジBとの間であっても、カップリング150は円滑に回転力を伝達できる。つまり、駆動軸180とカップリング150との間に、多少の軸ずれがあったとしても、カップリング150は円滑に回転力を伝達できる。
これは、本発明を適用したカップリングの実施例の顕著な効果の一つ
である。
(8)現像カートリッジ(現像装置)の切換構成
フランジ50L、50Rの外周面には、図15乃至図17に示すように、ギア50aが一体に設けられている。そして、これと噛合う一対のアイドラギア59L、59Rが長手方向両端に各々配置されている。両側端のギア59L及び59Rは揺動軸60で連結されている。そして、一方側のフランジ50Lが回転すると、ギア59L、59Rを介して、他方側のフランジ50Rが同位相で回転される。このような駆動構成したことにより、ロータリCの回転時や現像ローラ110の回転時において、フランジ50L、50Rのどちらか一方がねじれてしまうことを防止している。
ロータリ側板54L、54Rの揺動中心、即ち揺動軸60に連結しているギア59L、59Rにロータリ駆動ギア65が噛合している。そして、ギア65がモータ61に接続されている。モータ61の回転軸には、エンコーダ62が取り付けられている。そして、エンコーダ62は、モータ61の回転量を検知し、回転数を制御している。また、一方側のフランジ50Lの外周には、フランジ50Lの半径方向外側に突出したフラグ57が設けられている(図16)。そして、フラグ57が、側板54Lに固定されたフォトインタラプタ58を通過するように、フランジ50Lが回転する。
フラグ57がフォトインタラプタ58を遮ったことを検知して、所定角度ごとにロータリCが回転するように制御している。そして、第1の現像カートリッジが感光体ドラム107の対向位置に停止する。ロータリCは、更に一方向に所定の回転角度回転後、第2の現像カートリッジが感光体ドラム107の対向部に停止する。これらを4回(4色の現像カートリッジの停止)繰り返すことにより、カラー画像が形成される。
即ち、カートリッジBは、ロータリーCに取り付けられた状態で、ロータリーCの一方向の回転に応じて、駆動軸180の軸線L3と実質的に直交する方向に移動する。
装置本体Aの上面には、使用者によって現像カートリッジBを着脱するための開口と、前記開口を覆う開閉可能なカバー40(図4参照)が設けられている。また、カバー40の開閉を検知するドアスイッチ(不図示)が設けられている。そして電源投入時と、カバー40を閉じた時(ドアスイッチがONになった時)、ロータリCの回転動作が開始される。
(9)切換動作時の現像カートリッジ(現像装置)の位置決め構成
図18乃至図21を用いて、ロータリCとカートリッジBの動作を順を追って説明する。尚、説明を判り易くするため、ロータリ内のカートリジは1つのみ図示する。
まず、図18に示す状態では、カートリジBは所定の位置に至っていない(カップリング部材150は回転前角度位置に位置している)。ロータリーCがX4の方向に公転し、所定の位置で停止する(図19に示す状態)。この時、駆動軸180とカートリッジBのカップリング150は連結している(カップリング部材150は回転力伝達角度位置に位置している)。そして、現像ローラ110は回転する状態となる。尚、本実施型では、カップリング150が駆動軸180と係合を開始する状態では、駆動軸180は既に回転している。そのため、現像ローラ110は回転している。しかしながら、カップリング150が駆動軸180と係合した状態で、駆動軸180が停止している場合には、カップリング部材150は、回転可能な状態で待機する。尚、カップリング150の駆動軸180との係合(連結)に関しては、後に詳細に述べる。
次に、先に説明したように、カム(不図示)が作用し、ロータリステー66に当接する。これにより、ロータリCは揺動軸60を中心に、反時計周りに移動する。すなわち、現像ローラ110は、X1方向に移動することにより、感光ドラム107に接接する(図20の状態)。そして、所定の画像形成動作が行なわれる。
次に、画像形成動作が終了すると、バネ(不図示)の力により、ロータリCは揺動軸60を中心として、時計周りに回転する。そして、再び図19に示す状態に戻る。すなわち、現像ローラ110は感光体ドラム107から離間する。
そして、次のカートリッジBが現像ポジションに至るために、ロータリCは中心軸51を中心にX4の方向に回転を行う(図21の状態)。この時、駆動軸180とカップリング150の連結は解除される。
即ち、カップリング150は駆動軸180から離脱する(カップリング部材150は離脱角度位置に位置する)。
この時の動作は後に詳細に説明する。
以上説明した、図18→図19→図20→図19→図21の動作を各色計4回繰り返す。これによって、カラー画像形成が行なわれる。
(10)カップリングの係合動作/回転力伝達/離脱動作
先に説明したように、カートリッジBが、装置本体Aの所定の位置に停止する直前もしくは所定の位置に停止すると略同時に、カップリング150は駆動軸180と係合する(図18から図19に至る動作)。そして、一定時間回転後、カートリッジBが、装置本体の前記所定の位置から移動する際に、カップリング150は駆動軸180から離脱する(図20から図21に至る動作)。
図22乃至図25を用いて、カップリングの係合動作、回転力伝達動作、離脱動作に関して説明する。図22は駆動軸、カップリング、現像軸を示した縦断面図である。図23は駆動軸、カップリング、現像軸の位相違いを示した縦断面図である。図25は駆動軸、カップリング、現像軸を示した縦断面図である。
ロータリCの回転によって、カートリッジBが現像位置に至る過程において、カップリング150は、係合前角度位置に位置している。即ち、カップリングは軸線L2が、予め現像軸153の軸線L1に対して、被駆動部150aがロータリ回転方向X4下流側に位置するように傾斜している。カップリング150が傾斜することで、ロータリCの回転方向X4の下流側先端位置150A1は、軸線L1方向において駆動軸先端180b3よりも現像軸153方向側に位置する。また、方向X4において上流側先端位置150A2は、軸線L1方向において駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置する(図22(a)、(b))。ここで言う先端位置とは、図6(a)(c)に示すカップリング150の被駆動部150aにおける、軸線L2方向に対して最も駆動軸側であり、かつ、軸線L2より最も離れた位置である。つまり、カップリングの回転位相により、カップリング150の被駆動部150aの一稜線もしくは被駆動突起150dの一稜線のどちらかとなる(図6(a)(c)において、150Aとした)。
まず、ロータリ回転方向(X4)において、下流側先端位置150A1が、軸先端180b3を通過する。そして、カップリング150は、駆動軸180を通過した後、カップリング150の円錐形状をしている受面150fもしくは突起部150dが、駆動軸180の先端部180bもしくはピン182に接触する。そして、ロータリCの回転に応じて、軸線L2が軸線L1と平行になるように傾斜していく(図22(c))。そして、最終的に装置本体Aに対してカートリッジBの位置が決まる。即ち、ロータリCが停止する。この際、駆動軸180と現像軸153とが略同一直線上に位置する。即ち、カップリング150は、その先端位置150A1が駆動軸180を迂回することを許容するように、前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する(傾動する、揺動する)。そして、カップリング150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L1と略同一となるように、前記係合前角度位置から傾斜する。そして、カップリング150と駆動軸180は係合する(図22(d))。即ち、凹部150zが先端部180bにかぶさる。これによって、駆動軸180からカップリング150に安定した回転力が伝達される。またこの時、ピン152は開口150g(図6(b)参照)に、ピン182は、進入部150kに位置する。
尚、本実施例では、カップリング150が駆動軸180と係合を開始する状態では、駆動軸180は既に回転している。そのため、カップリング150は直ちに回転を始める。しかしながら、カップリング150が駆動軸180と係合した状態で、駆動軸180が停止している場合には、ピン182が進入部150kに位置した状態で、カップリング部材150は、回転可能な状態で待機する。
以上説明したように、本実施例によれば、カップリング150が、軸線L1に対して傾斜可能に取り付けらている。したがって、ロータリCの回転に応じて、カップリング150は駆動軸180と干渉せずにカップリング150自身がが傾斜することによって、駆動軸180に対して係合(連結)することができる。
さらに、上述したカップリング150の係合動作は、駆動軸180とカップリング150の位相に関係なく可能である。図14、図23を用いて説明する。図23はカップリングと駆動軸の夫々の位相を表した図である。図23(a)は、ロータリの回転方向X4において上流側で、ピン182とカップリング150の駆動軸受面150fが相対している。図23(b)はピン182とカップリング150の突起150dが相対している。図23(c)は駆動軸の先端部180bとカップリング150の突起150dが相対している。図23(d)は先端部180bとカップリングの受面150fが相対している。図14に示したように、カップリング150は現像軸153に対して、どのような方向にも傾斜可能に取り付けられている。そのため、図23に示すように、カップリング150は、回転方向X4に対して、現像軸153がどのような位相であっても、装着方向X4に傾斜可能である。また、駆動軸180とカップリング150夫々の位相に関係なく、回転方向において下流側先端位置150A1は、駆動軸先端180b3よりも現像ローラ110方向側に位置している。また、回転方向X4において上流側先端位置150A2は、駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置するように、カップリング150の傾斜角度を設定している。このような設定にしておけば、ロータリCの回転動作に応じて、回転方向X4において下流側先端位置150A1は、駆動軸先端180b3を通過する。そして、図23(a)の場合は、駆動軸受面150fがピン182に接触する。図23(b)の場合は、突起150dがピン182に接触する。図23(c)の場合は、突起150dが先端部180bに接触する。図23(d)場合は、受面150fが先端部180bに当接する。更に、ロータリCが回転する際に発生する接触力(付勢力)により、軸線L2が軸線L1と平行な位置に近づき、両者は係合(連結)する。従って、駆動軸180とカップリング150、または、カップリング150と現像軸153がどのような位相であっても、両者は係合することができる。
次に、図24を用いて、現像ローラ110を回転する際の回転力伝達動作について説明する。モータ64から受けた回転力によって駆動軸180は、図中X8の方向に、ギア(はす歯ギア)181とともに回転する。そして、駆動軸180と一体のピン182が各々カップリング150の回転力受け面150e1〜150e4のいずれかに接触する。これによって、カップリング150は回転する。さらに、カップリング150が回転する。これによって、カップリング150の回転力伝達面150h1、150h2が、現像軸153と一体のピン155に接触する。これによって、駆動軸180の回転力が、カップリング150、現像軸153を介して現像ローラ110を回転させる。
また、現像軸153の先端部153bは受面150iと接触する。また、駆動軸180の先端部180bは、受面150fと接触する。これによって、カップリング150は位置決めされる(図22d参照)。即ち、凹部150zが先端部180にかぶさることによって、カップリング150は駆動軸180に位置決めされる。仮に、この時、軸線L3と軸線L1が多少同一軸線からずれていたとしても、カップリング150が少し傾斜することで、現像軸153、及び、駆動軸180に大きな負荷をかけずに、カップリング150は回転することができる。そのため、ロータリCの回転により、仮に、カートリッジBの位置がが少しずれてしまい、駆動軸180と現像軸153とが芯ずれしたとしても、カップリング150は滑らかに回転力を伝達することができる。
これは、本発明を適用したカップリングの実施例の顕著な効果の一つである。
次に、図25を用いて、ロータリCが一方向に回転することにより、カートリッジBが所定の位置(現像位置)から移動するのに応じて、カップリング150が駆動軸180から離脱する動作について説明する。
まず、カートリッジBが所定の位置から移動する際の、各々の回転力伝達ピンの位置について説明する。画像形成が終了すると、これまでの説明から明らかなように、ピン182は、進入部150k1〜150k4(図6参照)のいずれか2ヵ所に位置する。そして、ピン155は開口150g1、150g2に位置している。
次に、カートリッジBが画像形成動作を終了して、次の現像カートリッジBに切り替わる動作(図19から図21に至る動作)に連動して、駆動軸180に対するカップリング150の係合が解除される動作について説明する。
現像軸153の回転が停止した状態では、カップリング150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L1に対して、略同軸の位置にある。そして、カートリッジBとともに現像軸153が回転方向X4に移動する。そして、ロータリCの回転方向において上流側の受面150fもしくは、突起150dが駆動軸180の先端部180bに、もしくは、ピン182に接触する(図25a)。そして、軸線L2が回転方向X4の上流側に傾斜を開始する(図25b)。この傾斜する方向は、カップリング150が駆動軸180に係合する際に、カップリング150が傾斜している方向とは、現像軸153に対して反対方向である。このロータリCの回転動作により、回転方向X4において上流側先端部150A2が駆動軸180の先端部180bに接触しながら移動する。そして、軸線L2が離脱角度位置として、上流側先端部150A2が駆動軸先端180b3に至るまで傾斜する(図25c)。そして、この状態でカップリング150は駆動軸先端180b3に接触しながら、駆動軸先端180b3を通過する(図25d)。即ち、回転方向X4において、駆動軸180の上流側に位置しているカップリング150の一部分(上流側先端位置150A2)が駆動軸180を迂回することを許容するように、カップリング150は前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによってその後、図21に至るように、カートリッジBがロータリCの回転に応じて移動する。
更に、ロータリCが1回転するまでに、カップリング150は不図示の手段により、その軸線L2が回転方向X4において下流側に傾斜する。つまり、カップリング150は離脱角度位置から係合前角度位置に移動する。それにより、ロータリCが1回転した後、カップリング150が駆動軸180に再び係合可能な状態となる。
以上の説明から明らかなように、軸線L1に対するカップリング150の係合前角度位置の角度は、離脱角度位置の角度より大きい。なぜなら、カップリングの係合時には、予め係合前角度位置は、回転方向X4において上流側先端位置150A1と駆動軸の先端部180b3との距離をやや広めにとるように、設定するからである(図22b参照)。これは、各部品の寸法公差を考慮するからである。それに対して、カップリング離脱時には、離脱角度位置は、ロータリCの回転に連動して軸線L2が傾斜する。そのため、回転方向X4において、下流側先端部150A2が駆動軸の先端部180b3に沿う。つまり、回転方向X4において、下流側先端位置180A2と駆動軸先端部180b3とは軸線L1方向でほぼ一致する(図25c参照)。
また、カップリング150が駆動軸180から離脱する時においても、カップリング150とピン182の位相は、どのような位相であっても、離脱可能である。
尚、カップリング150の回転力伝達角度位置とは、カートリッジBが所定位置(感光ドラムと対向した位置)に位置し、カップリングが駆動軸180からの回転力を受けて回転することができる、カップリング150の現像軸線L1に対する角度位置である。また、カップリング150の係合前角度位置とは、ロータリCの回転に応じて、カートリッジBが前記所定位置への移動する過程において、カップリング150が駆動軸180に係合する直前のカップリング150の軸線L1に対する角度位置である。また、カップリング150の離脱角度位置とは、ロータリCの回転に応じて、カートリッジBが前記所定位置から移動する過程において、カップリング150が駆動軸180から離脱する時の、カップリング150の現像軸線L1に対する角度位置である。
尚、前記係合前角度位置あるいは、前記離脱角度位置において、軸線L2が軸線L1となす角度β2、β3(図22、25)は、前記回転力伝達角度位置において、軸線L2が軸線L1となす角度β1よりも大である。尚、角度β1は0°が好ましい。しかしながら、本実施例によれば、角度β1は15°程度以内ならば、回転力の円滑な伝達ができる。尚、角度β2、β32は20〜60°程度が好ましい。
以上説明したように、カップリングが、現像軸の軸線に対して傾斜可能に取り付けられており、ロータリの回転動作に応じて、駆動軸と干渉せずにカップリングが傾斜する。これにより、駆動軸180よりカップリング150を離脱することができる。
ここで、本発明を適用した前述した実施例によれば、カートリッジB(現像ローラ110)が、ロータリCの一方向への移動に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する構成であっても、カップリング部材150が、駆動軸180に連結し(係合し)及び駆動軸180から離脱することができる。これは、前述したように、本発明を適用した実施例のカップリング部材150が、装置本体Aから回転力を現像ローラ110に伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るからである。
ここで、前述した通り、前記回転力伝達角度位置とは、現像ローラ110を回転させるための回転力を、現像ローラ110に伝達するための、カップリング部材150の角度位置である。
また、前記係合前角度位置とは、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材150が回転力付与部と係合する前のカップリング部材150の角度位置である。
また、離脱角度位置とは、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材150が駆動軸180から離脱するカップリング部材150の角度位置である。尚、上記説明では、離脱時に、ロータリCの回転に連動して、上流側の受面150fもしくは、突起150dが駆動軸180の先端部180bと接触する。これによって、軸線L2が回転方向X4において、上流側に傾斜すると説明した。しかしながら、本実施例では、その限りでは無い。例えば、カップリングの回転支点付近にトグルバネ(弾性部材)を設ける。そして、カップリング係合時には、カップリングに対して、回転方向X4において、下流側に付勢力が発生するように構成しておく。そして、カップリングの離脱時には、ロータリCの回転に応じて、前記トグルバネの作用により、係合時とは反対に、カップリングに対して回転方向X4において上流側に付勢力を発生させる。そのため、カップリング離脱時には、回転方向X4において上流側の受面150fもしくは、突起150dと駆動軸180の先端部180bとは、接触せずにカップリングは駆動軸から離脱する。つまり、ロータリCの回転に応じて、カップリング150の軸線L2が傾斜すればどのような手段でも良い。
また、カップリング150が駆動軸180に係合する直前までに、カップリングの被駆動部150aが回転方向X4において下流側に向くように、カップリングを傾斜させる必要がある。つまり、あらかじめカップリングを係合前角度位置の状態にする必要がある。その手段については実施例2以降で述べるいずれかの手段を用いる。
ここで、図26を用いて、本実施例が画像形成(現像)に要する時間を短縮することができることを説明する。図26は、現像ローラの回転等を表わしたタイミングチャートである。
図26は現像ローラ(カートリッジ)がホームポジションにある状態から、画像形成開始の信号を受けて、1色目の現像(イエロー画像形成)、2色目の現像(マゼンタ画像形成)を行うまでの、現像ローラの回転、停止のタイミングを表わしている。その後の、3色目の現像(シアン画像形成)、4色目の現像(ブラック画像形成)は繰返しのため、図示を省略した。
本実施例では、これまで説明したように、ロータリCが回転している途中若しくはロータリCの回転が停止した直後に、駆動軸180とカップリング150の係合動作が完了する。そして、現像ローラ110が回転可能な状態あるいは回転する。
即ち、カップリング150が駆動軸180と係合する動作に入る前に既に駆動軸180が回転している場合には、カップリング150は駆動軸180と係合するのと同時に回転を始める。そして、現像ローラ110は回転を始める。また、駆動軸180が停止している場合には、カップリング150が駆動軸180と係合を完了させても、カップリング150は回転することなく、停止している。そして、駆動軸180が回転を始めると、カップリング150が回転を始める。そして、現像ローラ110は回転を始める。
いずれの場合であっても、本実施例によれば、本体側の回転力を伝達する部材(例えば、本体側カップリング)をその軸線方向に進退させなくて良い。したがって、画像形成(現像)に要する時間を短縮する事ができる。
尚、本実施例では、カップリング150が駆動軸180と係合する動作に入る前に既に駆動軸180を回転させている。したがって、画像形成を速やかに開始することができる。よって、駆動軸180が停止している場合と比較して、画像形成に要する時間を更に短縮する事ができる。
また、本実施例では、駆動軸180が回転している状態で、カップリング150は駆動軸180から離脱する事ができる。
したがって、本実施例では、カップリング150を駆動軸180と係合する、あるいは、駆動軸180から離脱させるために、駆動軸180の回転、停止を行わなくても良い。
即ち、本実施例のカップリング150によれば、駆動軸180が回転をしている、或いは、停止しているのにかかわらず、駆動軸180と係合する、あるいは、駆動軸180から離脱することができる。
これも、本実施例の顕著な効果の一つである。
その後、ロータリ(現像ローラ)当接→イエロー画像形成→ロータリ(現像ローラ)離間→現像ローラ回転停止の工程を経る。そして、ロータリが回転し始めると同時に、装置本体の駆動軸から、カートリッジのカップリングが離脱動作を行い、2色目の現像動作の準備を行なう。
即ち、本実施例では、カップリングの係合、離脱動作はロータリCの回転に連動して行なうことができる。従って、1色目の現像と2色目の現像の間に必要な時間を短くすることができる。同様に2色目の現像と3色目の現像、3色目の現像と4色目の現像、ホームポジションから1色目の現像、4色目の現像からホームポジションに至るまでの時間を短縮することができる。従って、1枚のカラー画像を得るのに必要な時間を短縮することができる。これも、本実施例の顕著な効果の一つである。
次に図27、図28を用いて、現像軸の変形例について説明する。図27は現像軸周りの斜視図である。図28は図27に対応した特徴的な部分を表した図面である。
まずこれまでの説明では、現像軸の先端は球面であり、カップリングはその球面に接触している。しかしながら、図27(a)、28(a)に示すように、現像軸1153の先端1153bを平面状にしても良い。その周面上のエッジ部1153cがカップリング150に接触して回動する。このような構成でも、確実に軸線L1に対して、軸線L2は傾斜可能である。また、球面の加工を施す必要が無い。そのため、コストの低減が可能である。
次に、これまでの説明では現像軸に対して、別の駆動伝達ピンを固定した例を示した。しかしながら、図27(b)、28(b)に示すように、長軸の現像軸を別体としてもよい。つまり、第1の現像軸1253Aは、現像ローラ(不図示)のゴム部を支持する部材とする。また、第2の現像軸1253Bは、第1の現像軸1253Aと同軸に設けられ、カップリング150と係合する駆動伝達用リブ1253Bcを一体に成形する。この場合、射出成形等での一体成形により、形状的な自由度が高くなる。そのため、リブ部1253Bcを大きくすることができる。したがって、被駆動伝達部1253Bdの面積を広くすることが可能となる。そのため、樹脂製の現像軸でも確実なトルク伝達が可能となる。つまり、図中、カップリング150がX8の方向に回転した時、カップリングの駆動伝達面150hが第2の駆動軸の被駆動伝達部1253Bdに接触する。この時、接触面積が広い方が、リブ1253Bcにかかる応力が小さくなる。したがって、カップリングが損傷する等の恐れが軽減できる。また、第1の現像軸を単純な金属軸とし、第2の現像軸を樹脂の一体成形とし、コストダウンを実現することもできる。
次に、図27(c)、28(c)に示すように、回転力伝達ピン(回転力被伝達部)1355の両端部1355a1、1355a2を予めカップリング1350の駆動伝達穴1350g1、1350g2に圧入等で固定する。そして、その後、先端部1353c1、1353c2がすり割状に形成された現像軸1353を挿入しても良い。この時、カップリング1350が傾斜可能となるように、ピン1355の現像軸1353の先端部(不図示)との嵌合部1355bを球状にする必要がある。このように予めピン1355を固定することにより、カップリング1350の待機穴1350gの大きさを必要以上に広く取り必要が無くなる。したがって、カップリングの剛性を高めることができる。
また、これまでの説明では、カップリングの軸線の傾斜は現像軸先端に沿うような構成を説明してきた。しかしながら、図27(d)、27(e)、28(d)に示すように、現像軸1453と同軸線上にあって、軸受部材1457の当接面1457aに沿う構成でも良い。この時、現像軸1453の先端面1453bは軸受部材の端面と同程度の高さである。そして、先端面1453bより突出した回転力伝達ピン(回転力被伝達部)1453cがカップリング1450の開口1450gに挿入されている。このピン1453cがカップリングの回転力伝達面(回転力伝達部)1450hに接触することにより回転力が伝達される。このように、カップリング1450が傾斜する際の当接面1457aを支持部材1457に設ける。これにより、現像軸を直接加工する必要が無く、加工コストを下げることができる。
また同様に、先端の球面を別部材の樹脂成形部品としても良い。この場合には、軸の加工コストを下げることができる。なぜなら、切削等で加工する軸の形状を単純化することができるからである。また、軸先端の球面の範囲を狭くし、精度必要範囲を限定することで、加工コストを下げても良い。
次に、駆動軸の変形例について、図29を用いて説明する。図29は駆動軸と現像駆動ギアの斜視図である。
まず、現像軸と同様に図29(a)に示すように駆動軸1180の先端を平面1180bにすることは可能である。これにより、軸の形状が単純となり加工コストを低減することができる。尚、1182はピン(回転力付与部)である。
また、現像軸と同様に、図29(b)に示すように、駆動伝達部1280c1、1280c2を駆動軸1280と一体に成形してもよい。駆動軸を樹脂成形部品とした場合、駆動伝達部を一体で成形できる。したがって、コストダウンを実現することができる。
また、図29(c)に示すように、駆動軸1380の先端部1380bの範囲を狭くするために、主部1380aの外径よりも、先端軸部1380cの外径を細くしても良い。先端部1380bは先述したように、カップリング(不図示)の位置を決めるために、ある程度の精度を必要とする。そのため、球面範囲をカップリングの接触する部分のみに限定して、精度要求面を細くする。これにより、加工コストを下げることができる。また、同様に必要のない球面の先端をカットしても良い。
また、これまでの実施例では軸線L1方向において、現像ローラが、装置本体に対して、「がた」(遊び)が無い場合について述べてきた。ここで、「がた」が存在する場合について、軸線L1方向の現像ローラの位置決め方について説明する。すなわち、カップリング1550にテーパ面1550e、1550hを設ける。そして、駆動軸が回転することでスラスト方向に力を発生させる。これによって、カップリング、及び、現像ローラの軸線L1方向の位置決めを行う。図30、図31を用いて詳しく説明する。図30はカップリング単体の斜視図及び平面図である。図31は駆動軸、現像軸、カップリングを図示した分解斜視図である。
図30(b)に示すように、回転力受け面1550eは軸線L2に対して角度α5のテーパ角度がついている。T1方向に駆動軸180が回転すると、ピン182と受け面1550eが接触する。すると、カップリング1550にはT2方向に分力が加わり、T2方向に移動する。そして、カップリング1550の駆動軸受面1550f(図31a)が駆動軸180の先端180bに接触するまで、カップリング1550が移動する。そいて、カップリング1550の軸線L2方向に対する位置が決まる。また、先端180bは球面であり、カップリング1550の駆動軸受面1550fは円錐面である。そのため、軸線L2に対する直交方向における、駆動軸180に対するカップリング1550の被駆動部1550aの位置が決まる。
また、図30(c)に示すように、回転力伝達面(回転力伝達部)1550hも軸線L2に対して角度α6のテーパ角度がついている。T1方向にカップリング1550が回転すると、伝達面1550hとピン155が接触する。すると、ピン155にはT2方向に分力が加わり、T2方向に移動する。そして、現像軸153の先端153bがカップリング1550の現像軸受面1550i(図31b)に接触するまで、現像軸153が移動する。これによって、現像軸153(現像ローラ)の軸線L2方向の位置が決まる。
また、カップリング1550の現像軸受面1550iは円錐面であり、現像軸153の先端153bは球面である。そのため、軸線L2に対する直交方向における、現像軸153に対するカップリング1550の駆動部1550bの位置が決まる。
尚、テーパ角度α5、α6は夫々カップリング、及び現像ローラをスラスト方向に移動させる力を発生させる程度に必要である。そして、その角度は負荷により異なる。但し、他にスラスト方向に位置を決める手段があれば、テーパ角度α5、α6は小さくても構わない。
従って、以上説明したように、カップリングに軸線L2方向に引き込むためのテーパと、軸線L2に直交方向に位置を決めるための円錐面を付ける。これにより、カップリングの軸線L2方向の位置と軸線に直交方向する方向の位置を同時に決めることができる。また、更には、確実に回転力の伝達を行うことができる。なぜなら、カップリングの回転力受け面または回転力伝達面に、上記説明したようなテーパ角度が付いていない場合、寸法公差の影響等でカップリングの回転力伝達面または回転力受け面が傾斜し、軸線L2方向(図30のT2とは逆方向)に分力が働く。これによって、駆動伝達ピンとカップリングの回転力受け面または回転力伝達面の当接が外れてしまうことを防ぐことができるからである。
但し、カップリングに軸線L2方向に引き込むためのテーパと、軸線L2に直交方向に位置を決めするための円錐面と、が共に無い場合であっても構わない。例えば、軸線L2方向に引き込むためのテーパの代わりに、軸線L2方向に付勢するための部品を追加しても良い。尚、今後は、特に記載の無い限りテーパ面、円錐面共に形成した場合について述べる。
次に、カップリングと装置本体の駆動軸が係合するために、カップリングがカートリッジに対して傾斜する方向を規制する手段について、図32を用いて述べる。図32はカートリッジの駆動側の要部を図示した側面図、図33は図32のS7−S7で切った断面図である。
ここでは、カップリング150のカートリッジBに対する傾斜方向を規制するために、支持部材(取付部材)1557に規制部1557h1、1557h2を設けた。この規制部1557h1、1557h2は、駆動軸180にカップリングが係合する直前において、回転方向X4と略平行となるように設ける。また、その間隔D7はカップリング150の駆動部150bの外径φD6より若干大きめにした。これにより、回転方向X4のみにカップリング150が傾斜可能となる。また、カップリングは現像軸に対して、どのような方向にも傾斜可能である。そのため、現像軸がどのような位相であろうとも、カップリングは規制方向に傾斜することができる。よって、より確実にカップリング150の駆動軸挿入開口150mに駆動軸(不図示)を挿入し易くなる。したがって、両者がより確実に係合可能となる。
また、これまでの説明では、軸線L1に対するカップリング150の係合前角度位置の角度は、離脱角度位置の角度より大きくした(図22、図25参照)。しかし、その限りでは無い。図34を用いて説明する。図34はカートリッジが離脱する過程を示した縦断面図である。カップリングが離脱する過程において、軸線L1に対するカップリング1750の離脱角度位置(図34(c)の状態)の角度は、カップリングが係合する際の軸線L1に対するカップリング1750の係合前角度位置の角度と同等程度でも良い。ここで、カップリング1750が離脱する過程を図34(a)→(b)→(c)→(d)に示して説明する。
つまり、カップリング1750の、回転方向X4における上流側先端部1750A2が駆動軸180の先端180b3を通過する時、カップリングの先端部1750A2と駆動軸の先端部180b3との距離が、係合前角度位置の場合と同程度になるように設定しても良い。このように設定しても、カップリング1750は駆動軸180から離脱することができる。カップリングが駆動軸から離脱する動作については、これまでと同様であるため説明を省略する。
また、これまでの説明では、ロータリCが回転して、カップリングが係合する際に、回転方向X4において下流側先端が駆動軸180の先端よりも、現像軸側にあると説明した。しかしながらその限りでは無い。図35を用いて説明する。図35はカップリングの係合過程を説明するための縦断面図である。図35に示すように、カップリングの係合過程((a)→(b)→(c)→(d))において、(a)に示す状態においては、軸線L1方向において、回転方向X4において下流側先端位置1850A1は駆動軸先端180b3よりも駆動軸182方向側に位置している。(b)に示す状態では、先端位置1850A1は先端部180bに接触する。この時、ロータリ回転方向X4下流側先端位置1850A1は駆動軸180の先端部180b上に沿って、現像軸153方向に移動する。そして、先端位置1850A1は先端部180b3を通過する(この位置で、カップリングは係合前角度位置をとる)(図35(c))。そして、最終的にカップリング1850と駆動軸180とが係合する(回転力伝達角度位置)(図35d)。つまり、先端位置1850A1が先端180b3を通過する際に、先端位置1850A1は先端180b3に接触しているか、あるいは現像軸153(現像ローラ)側に位置していれば良い。
次に、本実施例に基づく一例を示す。まず、図5に示す通り、現像軸153の軸径をφZ1、ピン155の軸径をφZ2、長さをZ3とする。また、図6(d)、(e)、(f)に示す通り、カップリング150の被駆動部150aの最大外径をφZ4、突起150d1、150d2、150d3、150d4の夫々の内端を形成する仮想円C1(図6(d))の径をφZ5、駆動部150bの最大外径をφZ6とする。また、カップリング150の円錐形状である駆動軸受面150fのなす角をα2、軸受面150iのなす角をα1とする。また、図22、図25を参照して、駆動軸180の軸径をφZ7、ピン182の軸径をφZ8、長さをZ9とする。また、軸線L1に対する回転力伝達角度位置の角度をβ1、係合前角度位置の角度をβ2、離脱角度位置の角度をβ3とする。この時、例えば、Z1=8mm、Z2=2mm、Z3=12mm、Z4=15mm、Z5=10mm、Z6=19mm、Z7=8mm、Z8=2mm、Z9=14mm、α1=70°、α2=120°、β1=0°、β2=35°、β3=30°と設定する。このように設定した場合に、本実施例が良好に動作することを確認できた。但し、勿論、その他の設定でも同様の動作が可能であることは言うまでもない。
次に、図36〜図38を用いて、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例では、現像ローラ(不図示)の軸線に対して、カップリングの軸線を傾斜させる手段について述べる。
尚、本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について説明し、同様の構成、機能を有する部材については同一の参照番号を付して先の実施例の説明を援用する。以下説明する各実施例において同様である。
図36は支持部材に本実施例特有のカップリング係止部材を貼り付けた状態の斜視図である。図37はカートリッジの駆動側要部を拡大した斜視図である。図38は駆動軸とカップリングの係合状態を表した斜視図と縦断面図である。
図36に示すように、支持部材(取付部材)3157は、カップリングの一部を包含する空間3157bを形成している円筒面3157iにカップリング係止部材3159を貼り付けている。後述するが、係止部材3159は、軸線L2が軸線L1に対して傾斜している状態を一時的に維持するための部材である。つまり、図36に示すように、この係止部材3159にカップリング3150のつば部3150jが接触する。これにより、軸線L2は軸線L1に対して、回転方向X4において下流側に傾斜している。そのために、図36に示すように、係止部材3159は円筒面3157i上の回転方向X4において上流側に配置している。そして、係止部材3159はゴム、エラストマ−等の摩擦係数が比較的高い材質や、スポンジ、板バネ等の弾性部材が適している。なぜなら、摩擦力や弾性力により軸線L1の傾斜を維持するためである。
次に、図38を用いてカップリング3150と駆動軸180の係合動作(カートリッジの着脱動作の一部)について説明する。図38(a1)、(b1)は係合直前の図であり、図38(a2)、(b2)は係合した状態を表した図である。
図38(a1)、図38(b1)に示すように、カップリング3150の退避位置として、その軸線L2は、予め軸線L1に対して、回転方向においてX4下流側に傾斜している(係合前角度位置)。カップリング3150が傾斜することで、軸線L1方向において、回転方向X4において下流側先端位置3150A1は駆動軸先端180b3よりもカートリッジ(現像ローラ)方向側に位置している。また、回転方向X4において上流側先端位置3150A2は駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置する。また、この時、先に説明したように、カップリング3150のつば部3150jは係止部材3159と接触する。そこで、その摩擦力により軸線L2の傾斜状態が維持される。
その後、カートリッジが回転方向X4に移動することにより、先端面180b、または、ピン182の先端がカップリング3150の駆動軸受面3150fに接触する。そして、その接触力(ロータリを公転させる力)により、軸線L2が軸線L1と平行に近づいていく。この時、つば部3150jは係止部材3159から離れて、非接触の状態となる。そして、最終的には軸線L1と軸線L2は略一直線となる。そして、カップリング3150は回転待機状態となる(回転力伝達角度位置)(図38(a2)、(b2))。
次に、実施例1と同様に、ロータリCが揺動軸を中心に揺動し、現像ローラ110は感光ドラム107に接触する。そして、モータ64の回転力が、駆動軸180を介して、カップリング3150、ピン155、現像軸153、現像ローラ110へと伝達される。回転時、軸線L2は軸線L1と略一直線上になっている。そのため、係止部材3159はカップリング3150に接触しておらず、カップリング3150の駆動に影響を与えない。
そして、画像形成が終了すると、ロータリCが反対方向に揺動し、現像ローラ110が感光ドラム107から離間する。そして、次の色の画像形成を行うために、ロータリCが公転を始める。その際、駆動軸180から、カップリング3150が離脱する。つまり、カップリング3150は、回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動する。その際の動作の詳細は実施例1(図25参照)と同様であるため、説明を省略する。
更に、ロータリCが1回転するまでに、カップリング3150は不図示の手段により、その軸線L2が回転方向X4において下流側に傾斜する。つまり、カップリング3150は離脱角度位置から回転力伝達角度位置を経由して、係合前角度位置に移動する。それにより、つば部3150jが係止部材3159に接触し、カップリングの傾斜状態が再び維持される。
以上説明したように、軸線L2の傾斜状態を支持部材3157に貼り付けられた係止部材3159で維持する。これにより、カップリングと駆動軸の係合がより確実に行なわれる。
尚、本実施例では係止部材3159を支持部材の内周面3157iの回転方向X4において最上流側に貼った。しかし、この限りではない。例えば、軸線L2が傾斜した時に、その傾斜状態が維持できる位置であればどこでも良い。
また、係止部材3159は(図38b1参照)つば部3150j(図38b1参照)と接触した。しかしながら、接触位置は被駆動部3150a(図38b1参照)でもよい。
また、本実施例で示した係止部材は別部材として扱ったが、この限りではない。例えば、支持部材3157と一体に成形(例えば2色成形)してもよいし、係止部材3159の代わりに支持部材3157を直接カップリング3150に接触させても良い。或いは、カップリングの表面を摩擦係数が高くなるように荒らしても良い。
また、係止部材3159を現像支持部材3157に貼り付けると説明したが、カートリッジBに固定されている部材であれば何でも良い。
次に、図39〜図42を用いて、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例では、軸線L1に対して、軸線L2を傾斜させる手段について述べる。
図39は支持部材に本実施例特有のカップリング加圧部材を取り付けた状態を表した斜視図である。図40はカップリング加圧部材を表した斜視図である。図41はカートリッジの駆動側要部を拡大した斜視図である。図42はカップリングの係合動作を表した斜視図と縦断面図である。
図39に示すように、支持部材(取付部材)4157の内周面4157iに、バネ支持部4157e1、4157e2を設けている。また、支持部4157e1、4157e2に、ねじりコイルバネ(カップリング付勢部材)4159のコイル部4159b、4159cを取り付けている。そして、図40に示すように、付勢部材4159の接触部4159aが、カップリング4150のつば部4150jの被駆動部4150a側に接触している。バネ4159がねじれて弾性力を発生させる。これにより、カップリング4150は軸線L2を軸線L1に対して傾斜させている(図41に示す状態、係合前角度位置)。尚、付勢部材4159のつば部4150jへの接触位置は、回転方向X4において、現像軸153の中心よりも下流側に設定している。そのため、軸線L2は、軸線L1に対して、被駆動部4150a側が回転方向X4において下流側に向くように傾斜する。
尚、本実施例では付勢部材(弾性部材)として、ねじりコイルバネを用いたが、この限りでは無い.例えば、板バネ、ゴム、スポンジ等、弾性力を発生させるものであれば良い。但し、軸線L2を傾斜させるためにある程度ストロークを必要とする。そのために、ストロークを得られる部材が望ましい。
また、支持部材4157のバネ支持部4157e1、4157e2と、コイル部4159b、4159cは実施例1で説明した(図9、図12参照)、カップリングの抜け止めリブを兼ねている。
次に、図42を用いて、カップリング4150と駆動軸180の係合動作(ロータリの回転動作の一部)について説明する。図42(a1)、(b1)は係合直前の図であり、図42(a2)、(b2)は係合した状態を表した図である。図42(a3)、(b3)は係合が解除された状態の図であり、図42(a4)、(b4)はの軸線L2が再度回転方向X4において下流側に傾斜した図である。
図42(a1)、(b1)に示す状態において、カップリング4150の退避位置として、その軸線L2は、予め軸線L1に対して、回転方向X4において下流側に傾斜している(係合前角度位置)。このようにカップリング4150は傾斜している。これにより、軸線L1方向において、回転方向X4において下流側先端位置4150A1は駆動軸先端180b3よりもカートリッジ(現像ローラ)方向側に位置している。また、回転方向X4において上流側先端位置4150A2は駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置する。つまり、先に説明したように、つば部4150jが付勢部材4159により押圧されている。そのため、その押圧力により軸線L2は軸線L1に対して傾斜している。
その後、カートリッジBが回転方向X4に移動する。これにより、先端面180b、または、ピン182の先端がカップリング4150の駆動軸受面4150fに接触する。そして、その接触力(ロータリを回転させる力)により、軸線L2が軸線L1と平行に近づいていく。
同時に、つば部4150jと付勢バネ4159が接触する。これにより、バネ4159はモーメントが高くなるように捩れる。最終的には、軸線L1と軸線L2は略一直線となり、カップリング4150は、回転待機状態となる(回転力伝達角度位置)(図42(a2)、(b2))。
次に、実施例1と同様に、モータ64から、駆動軸180を介して、カップリング4150、ピン155、現像軸153、現像ローラ110へ回転力が伝達される。回転時、カップリング4150には、付勢部材4159の押圧力が作用する。しかしながら、モータ64の駆動トルクに余裕を持たせておけば、カップリング4150は精度良く回転する。
次に、ロータリが更に公転すると、図42(a3)、(b3)に示すように、駆動軸180からカップリング4150が外れる。つまり、駆動軸180の先端球面180bがカップリングの駆動軸受面4150fを押す。これにより、軸線L2が軸線L1に対して反対方向(回転方向X4とは反対方向)に傾く(離脱角度位置)。それにより、付勢部材4159は更に捩れ、付勢力(弾性力)が更に増す。そのため、カップリング4150が駆動軸180から離脱した後、付勢部材4159の付勢力により、再び、軸線L2は軸線L1に対して回転方向X4に傾斜する(係合前角度位置)(図42(a4)、(b4)の状態)。よって、ロータリCが公転して、再度、駆動軸180とカップリング4150が連結されるまでに、軸線L2を係合前角度位置となるように傾斜させる手段を別に設けなくとも、駆動軸180とカップリング4150は連結(係合)可能となる。
以上説明したように、支持部材4157に設けられた付勢部材4159で付勢する。これにより、軸線L1に対して軸線L2を傾斜させる。これにより、確実にカップリング4150の傾斜状態が維持され、カップリング4150と駆動軸180の係合(連結)が確実に行なわれる。
尚、本実施例で述べた付勢部材の位置は、その限りではない。例えば、支持部材4157の別の部位でもよいし、支持部材以外の部材でも良い。
また、付勢部材4159の付勢方向は軸線L1方向としたが、軸線L2が所定の方向に傾斜すれば、どのような方向でも良い。
また、付勢部材4159の付勢位置は、つば部4150jとしたが、軸線L2が所定の方向に傾斜すれば、カップリングのどの位置でも良い。
次に、図43〜図46を用いて、本発明の第4の実施例について説明する。
本実施例では、軸線L1に対して、軸線L2を傾斜させる手段について述べる。
図43は、現像カートリッジの主要部材の組み付け前を図示した分解斜視図である。図44は、カートリッジの駆動側を拡大した側面図である。図45は、軸線L2が傾斜するための構成を模式的に表した縦断面図である。図46は、駆動軸とカップリングの係合動作を示す縦断面図である。
図43、図45に示すように、支持部材(取付け部材)5157には、カップリング係止部材5157kを設けている。支持部材5157を軸線L1方向に組み付ける際に、係止部材5157kの係止面5157k1の一部がカップリング5150の斜面5150mと接触しながら、前記一部がつば部5150jの上面5150j1に係合する。このとき、つば部5150jは、係止面5157k1と、現像軸153の円柱部153aの間で、ガタ(遊び)(角度α49)を持った状態で取付けられている。このガタ(角度α49)を設定することにより、カップリング5150、軸受部材5157、現像軸153の寸法公差が振れた時でも、つば部5150j1が軸受部材5157の係止部5157k1に確実に係止できる。
そして、図45(a)に示すように、軸線L2は、軸線L1に対して、被駆動部5150a側が回転方向X4において下流側に向くように傾斜する。また、つば部5150jが全周に存在することで、カップリング5150の位相に関係なく取り付けることができる。さらに、実施例1で説明したように、規制部5157h1,5157h2によって、回転方向X4のみにカップリングが傾斜可能となる。また、本実施例では、係止部材5157kは、回転方向X4において最下流側に設けている。
後述するが、駆動軸180に係合した状態では、図45(b)に示すように、つば部5150jは係止部材5157kから解除される。また、カップリング5150は、係止部5157kに対してフリーな状態になっている。支持部材5157を組み付ける際に、カップリング5150を傾斜した状態に保持できなかった場合は、工具等で、カップリングの駆動部5150bを押す(図45(b)の矢印X14方向)。これによって、カップリング5150を容易に取付け状態(図45(a))に戻すことができる。
次に、図46を用いて、カップリング5150と駆動軸180の係合動作(ロータリ回転動作の一部)について説明する。図46(a)は係合直前の図であり、(b)はカップリング5150の一部が駆動軸180を通過した図である。また、(c)は駆動軸180によって、カップリング5150の傾斜が解除されている図であり、(d)は係合状態を表した図である。
図46(a)、(b)の状態において、カップリング5150の退避位置として、その軸線L2は、予め軸線L1に対して、回転方向X4に傾斜している(係合前角度位置)。カップリング5150は傾斜することで、軸線L1方向において、回転方向X4において下流側先端位置5150A1は駆動軸先端180b3よりもカートリッジB(現像ローラ)側に位置する。また、回転方向X4において上流側先端位置5150A2は、駆動軸先端180b3よりもピン182側に位置する。また、この時、先に説明したように、つば部5150jは係止部5157kの係止面5157k1に接触しており、カップリングは傾斜状態が維持されている。
その後、(c)に示すように、カートリッジBが回転方向X4に移動する。これにより、駆動軸180の先端部180bもしくはピン182に、カップリング5150のテーパ形状をしている駆動軸受面5150fもしくは被駆動突起部5150dが接触する。その力により、つば部5150jが係止面5157k1からから離れる。これによって、カップリング5150の支持部材5157に対する係止が解除される。そして、ロータリCの回転に応じて、カップリングは軸線L2が軸線L1と平行になるように傾斜していく。係止部材5157kは、つば部5150jが通過した後は、復元力により元の位置に戻る。そのとき、カップリング5150は、係止部5157kに対して、フリーな状態となる。そして、最終的には、(d)に示すように、軸線L1と軸線L2は略同一直線となり、回転待機状態となる(回転力伝達角度位置)。
そして、画像形成が終了すると、次のカートリッジBが現像位置に至る。そのために、再びロータリCは回転する。その際、駆動軸180から、カップリング5150が離脱する。つまり、カップリング5150は回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動する。その際の動作の詳細は実施例1(図25参照)と同様であるため、説明を省略する。
更に、ロータリCが1回転するまでに、カップリング5150は不図示の手段により、その軸線L2が回転方向X4において下流側に傾斜する。つまり、カップリング5150は離脱角度位置から回転力伝達角度位置を経由して、係合前角度位置に移動する。それにより、つば部5150jが係止部材3157kに接触し、カップリングの傾斜状態が再び維持される。
以上説明したように、カップリング5150の傾斜方向を支持部材5157の係止部5157kで規制する。これにより、より一層確実にカップリング5150の傾斜状態が維持される。そして、カップリング5150と駆動軸180の係合が確実に行われる。さらに、回転時に、係止部5157kがカップリング5150に接触していないことからも、より安定した回転力の伝達を行うことができる。
本実施例では、係止部5157kは、弾性部を有する構成とした。しかしながら、係止部5157kは、弾性部を有しないリブ状にして、カップリングのつば部を変形させる。これにより、同様の効果を得ることも可能である。
また、係止部5157kは、回転方向X4において最下流側に設けた。しかしながら、係止部5157kは、軸線L2が所定の方向に傾斜して維持できれば、どのような位置でも構わない。
また、係止部5157kを支持部材の一部で構成した。しかしながら、係止部5157kは、支持部材の別の部位でも良いし、支持部材以外の部材でも良い。また、係止部を別部材にしても良い。
また、本実施例と、実施例2または実施例3を同時に実施しても良く、この場合には、より確実にカップリングの駆動軸に対する係合及び離脱動作を行なうことができる。
次に、図47〜図51を用いて、本発明の第5の実施例について説明する。
本実施例では、軸線L1に対して、軸線L2を傾斜させる手段について述べる。
図47は支持部材及び、駆動側のロータリフランジについて、軸線L1方向から見た図である。図48は装置本体側の部材を軸線L1方向から見た図である。図49は図48にカップリングの軌跡を加えた図である。図50は図49において、S10−S10、S11−S11、S12−S12、S13−S13、S14−S14で切った断面図である。
まず、図47を用いて、カップリング150の傾斜方向を規制する構成について説明する。支持部材7157は、ロータリーCと一体に回転する。部材7157には、カップリング7150が一方向にのみ傾斜可能であるように、規制部7157h1、7157h2を設けた。この規制部同士の距離D6はカップリング7150の駆動部7150b側の外径(不図示)より若干大きめとし、カップリング7150の回転を妨げない。この規制部7157h1と7157h2は回転方向X4に対してα7の角度を設けた。これにより、カップリング7150は回転方向X4に対してα7傾いたX5方向に傾斜可能となる。
次に、図48を用いて、カップリング7150を傾斜させる方法について説明する。本実施例では駆動側180に固定されたリブ状の規制リブ1630Rを設けた。リブ1630Rの半径方向の内側にある面は、回転方向X4において上流部1630Raの半径R−2から、下流部1630Rbに向かって徐々に半径を小さくしてある。そして、前記面は、カップリングの中間部7150cの外周7150c1に接触し(図45参照)、更には干渉させられる半径R−1にしてある。
カップリング7150が規制リブ1630Rと接触すると、カップリング7150はロータリーCの回転中心側へ押し込まれる。このとき、カップリング7150は規制部1557h1、1557h2によって移動する方向を規制されている。そのため、カップリング7150はX5方向に傾斜させられる。
規制リブ1630Rとカップリングの干渉量を多くすると、カップリング7150の傾きも大きくなる。規制リブ1630Rの形状は、カップリング7150が駆動軸180と係合する前には、カップリング7150の傾斜角度が係合可能な角度になるまで干渉量を増やす形状にしてある。本実施例では1630Rbから1630Rcまでの区間をロータリーCの回転中心から同一半径にしてある。その半径をR−1で示してある。
図49には、ロータリーCの回転に伴って、カップリング7150がガイド1630Rに沿って駆動軸180と係合するまでの軌跡を示した。図49における、S10−S10〜S14−S14の断面図を図50(a)〜(e)に示した。
カップリング7150は規制リブ1630Rの領域にX4の方向から進入してくる。このとき、カップリングは略進行方向であるX6の方向を向いている場合と、反対向きのX7の方向を向いている場合、もしくはその中間的な向きを向いている場合がある。ここではカップリング7150がX7の方向を向いている場合を例に挙げて説明する。
カップリング7150の傾斜方向X5(図47参照)は、回転方向X4に対して角度α7の傾きを有している。そこで、カップリング7150がX7方向へ傾くと、カップリングの被駆動部7150aはロータリCの半径方向外側に傾く(図47参照)。規制部材1630Rの範囲に入ったところでは、カップリング7150と規制リブ1630Rには隙間G1を持たせてある。
ロータリーCの回転がS11−S11断面まで進んだとき、カップリング7150と規制リブ1630Rが接触する(図50b参照のこと)。規制リブ1630Rの形状は徐々に半径を小さく変化させている。そこで、カップリング7150が前進すると干渉量が大きくなっていく。
断面S12−S12位置では、規制リブ1630Rがカップリング7150を押し上げて現像軸と同軸になった状態である(図50c参照)。このとき、カップリング7150は規制リブ1630Rに動きを規制される。そこで、カップリング7150は、X8(S10−S10断面位置でのX6方向)方向にだけ傾斜可能な状態になり、X8と反対方向には傾斜できない。
断面S13−S13位置では、カップリングは規制リブ1630Rとの干渉量を増やしてある。そこで、カップリング7150はリブ1630Rに押し上げられることで、X9(断面S12−S12でのX8方向)の方向へ強制的に傾斜させられる(係合前角度位置)(図50(d)参照のこと)。
この状態で駆動軸180と同軸になるまで(S14−S14断面位置)ロータリーCを回転させる。これによって、実施例1と同様な動作でカップリング7150を駆動軸180と係合させることができる(回転力伝達角度位置)。
その後、画像形成が終了すると、カップリング7150は駆動軸180から離脱して、一連の動作は終了する(離脱動作に関しては、これまでの実施例と同様であるため説明を省略する)。そして画像形成ごとに、この動作が繰り返される。
カップリングに規制リブを干渉させる方法として、半径方向の外側から接触させてカップリングを傾斜させた。しかしながら、規制部1557h1、1557h2の角度α7(図47参照でのX5方向)を接線方向(X4方向)に対して、線対称の方向に規制する。これによって、規制リブ1630Rを半径方向の内側から接触させても同じ動作を行わせることが出来る。
規制リブ1630Rによってカップリング7150の向きが規制されることによって、カートリッジにカップリングを傾斜させる機構を設ける必要がなくなる。これによって、カートリッジのコストダウンを達成できる。
尚、本実施例に対して、バネ等でカップリングに力を加え、カップリングをリブに確実に沿わせるようにしても良い。
また、カップリングの中間部7150cを介して、ガイドリブ上を移動させている。しかしながら、カップリングの傾斜が可能であれば、中間部以外の箇所を介して、ガイドリブ上を移動させても良い。
また、本実施例と、実施例2または実施例3または実施例4を同時に実施しても良い.この場合には、より確実にカップリングの係合及び離脱動作を行なうことができる。
次に、図51〜図52を用いて、本発明の第6の実施例について説明する。
本実施例では、別のカップリングの形状について説明する。
図51は本実施例の主要な構成要素であるカップリングの説明図である。図52は、装置本体の駆動軸とカップリングの係合状態及び係合前の状態を示す縦断面図である。
まず、図51を用いて、カップリング単品の形状について説明する。図51(a)はカップリングを装置本体側から見た図であり、図51(b)カップリングを現像ローラ側から見た図であり、図51(c)は図51(a)をS4−S4で切った断面図である。
カップリング8150は概ね円筒の形状をしている。そして、カップリング8150は、図51(c)に示すように、装置本体の駆動軸から回転力を受けるための駆動軸挿入開口部8150m、現像軸挿入開口部8150pを有する。開口部8150mにはテーパ状の駆動軸受面8150fが設けられている。円筒の内周側には、リブ状の複数の被駆動突起8150d(8150d1、8150d2、8150d3、8150d4)が配置されている。また、図51(a)において、突起8150dの時計周りの方向において下流側には、回転力伝達面(回転力受け部)8150e1〜e4が設けられている。そして、伝達面8150e1〜e4に駆動軸180のピン182が接触することによりカップリング8150に回転力(駆動力)が伝達される。
開口部8150pにも同様にテーパ状の現像軸受面8150iが設けられている。また、円筒の内周側には、リブ状の突起8150g1、8150g2が配置されている。また、図50(b)の方向で、現像駆動待機開口部8150g1、8150g2の時計周り上流側には、伝達面(回転力伝達部)8150h1、8150h2が設けられている。
次に、カップリングの係合動作について図52を用いて説明する。
図52(a)は、現像軸180とカップリング8150が、回転方向X4へ移動し、駆動軸180と係合する前の状態を表した断面図である。回転方向X4において下流側先端位置8150A1が、先端部180bを通過できる角度α7まで、軸線L2は傾いている。このとき、ピン182の上流側182aおよび下流側182bは共にカップリング8150の伝達面(回転力被伝達部)8150h1、8150h2(図51c参照)と係合状態を保っている。
次に、図52(b)には、実施例1で説明したカップリング150を、図52(a)に図示したのと同じ姿勢で図示した。図52(b)から理解されるように、カップリング150は、図52(a)と同様に軸線L2を角度α7傾けられる。これによって、回転方向X4において上流側のピン155と駆動伝達面8150h1との係合が無くなっている。つまり、ピン155と伝達面150h1との間にはG7の隙間がある。これに対して、本実施例で示すカップリング8150においては、図52(a)に示すように、2箇所の回転力伝達のための接触部を有している。そのため、カップリングの姿勢をより安定できる。
以上説明したように、カップリングを円筒形状にしている。これにより、カップリングの傾斜角度(係合前角度位置)を大きくする必要がある場合であっても、2箇所の回転力を伝達するための接触部が維持される。よって、安定したカップリングの傾斜動作を行なうことができる。
尚、駆動軸180と現像軸153が同軸になって回転力を伝達する動作、および係合を解除する動作は実施例1と同様であるため説明を省略する。
次に、図53を用いて、本発明の第7の実施例について説明する。
尚、本実施例が実施例1と相違する点は、カップリングの形状である。
図53(a)は、円筒形に近似した形状のカップリングの斜視図であり、図53(b)はカップリングがカートリッジに取り付けられたときの断面図である。図53(a)、図53(b)は共に、本体からの回転力が入力されるのは図の右側であり、左側に位置する現像ローラが駆動される。
カップリング9150の入力側端面には、複数個の突起(回転力受け部)9150dが設けられている。本実施例では2箇所設けられている。また、夫々の突起9150dの間には、進入部9150kが設けられている。また、突起9150dには回転力受け面(回転力受け部)9150eが設けられている。そして、受け面9150eに、後述する駆動軸9180に設けられている回転力伝達ピン(回転力付与部)9182が接触することによりカップリング9150に回転力が伝達される。
尚、カップリングに伝達される伝達トルクをできるだけ安定させるため、複数の伝達面9150eは同一円周上に配置されていることが望ましい。このような構成によって、回転力伝達半径が一定となり、伝達されるトルクが一定となる。これによって、伝達トルクが急激に上がることを防止できる。また、複数の伝達面9150eはカップリングの受ける力の釣り合いにより、カップリング9150の位置ができるだけ安定する方が良い。そのため、伝達面9150eは180°で対向した位置に配置されている事が望ましい。また、その数はピン9182が進入部9150kに進入できる程度に空いていれば、何箇所でも良い.本実施例では2箇所とした。尚、伝達面9150eが同一円周上に配置されていなかった場合でも、或いは、180°対向した位置に配置されていなかった場合でも、回転力の伝達を行うことはできる。
また、カップリング9150の円筒面には、開口部9150gが設けられている。また、開口部9150gには、回転力伝達面(回転力伝達部)9150hが設けられておりいる。そして、伝達面9150hに現像軸9153に設けられている回転力伝達ピン(回転力被伝達部)9155(図53(b))が接触する。これにより、本体Aから現像ローラ110に回転力が伝達される。
尚、突起9150dと同様に、伝達面9150h1は同一円周上、及び、180°で対向したに配置されていることが望ましい。
次に、現像軸9153と駆動軸9180の形状について説明する(図53(b))。
実施例1では円柱の端部が球面であった。本実施例では端部の球面9153bの直径を主部9153aの直径よりも大きくしてある。この形状によって、カップリング9150の左側端部が、主部9150aと干渉せずに傾くことが出来る。
駆動軸9180の形状は現像軸9150の形状とほぼ同様である。つまり、先端部9180bを球面とし、その直径を円柱形状の主部9180aの直径よりも大きくしてある。また、球面である先端部9180bのほぼ中心を貫くピン(回転力付与部)9182を有している。ピン9182が伝達面(回転力受け部)9150eに回転力を伝達している。現像軸9150と駆動軸9180の球面は、カップリング9150の内周面9150pと嵌合しており、カップリング9150との相対位置が決められる。
尚、カップリング9150の駆動軸9180に対する係合、離脱に関する動作は、実施例1と同じであるので省略する。
以上説明したように、カップリングを円筒形状とする。これにより、カップリングが軸線方向のどこにあっても、前述各軸と嵌合さえしていれば、軸線方向に対して直交方向の位置を決めることが出来る。
カップリングの変形例をさらに説明する。
図53(c)に示したカップリング9250の形状は、円筒形状と円錐形状を組み合わせたものである。図53(d)にはこの変形例の断面図を示した。図の右側は円筒形状であり、内周面9250pで駆動軸9180の球面と嵌合する。さらに突き当て面9250qを有し、軸線方向において、カップリング9250と駆動軸9180との位置決めを行うことが出来る。図の左側は円錐形状であり、実施例1同様に、現像軸受け面9250iによって現像軸(不図示)との位置が決められる。
図53(e)に示したカップリング9350の形状は、複数の円筒形状と、円錐形状を組み合わせたものである。図53(f)にはこの変形例の断面図を示した。図の右側は円筒形状であり、その内周面9350pで駆動軸9180の球面9180cと嵌合する。径の異なる円筒部で形成される稜線9350qに、球面9180cを接触させることによって、駆動軸9180の軸線方向の位置決めを行う。
図53(g)に示したカップリング9450の形状は、球面と円筒形状と、円錐形状を組み合わせたものである。図53(h)にはこの変形例の断面図を示した。図の右側は円筒形状であり、その内周面9450pで駆動軸の球面9450qと嵌合する。球の一部である球面9450qに駆動軸の球面を接触させることによって、駆動軸の軸線方向の位置決めを行うことが出来る。
尚、9250d、9350d、9450dは、突起である。また、9250e、9350e、9450eは、回転力受面(回転力受け部)である。
次に、図54〜図56を用いて、本発明の第8の実施例について説明する。
尚、本実施例が実施例1と相違する点は、カップリングと駆動軸との係合動作に関する構成である。
図54はカップリング10150の形状を説明するための斜視図である。実施例7で説明した円筒形状と円錐形状との組み合わせに、さらにテーパー面10150rを設けてある。また、突起10150dの軸線L2方向において反対側の面には、力受け面10150sを設けてある。
図55を用いて、カップリング周辺の構成について説明する。カップリング10150は、その内周面10150pと現像軸10153の球面10153bとで嵌合している。先に説明した付勢力受け面10150sと、現像フランジ10151の底面10151bとの間に、付勢部材10634を挟み込んでいる。これにより、ロータリCが所定の位置で停止した際に、カップリング10150は駆動軸180の設けられている側へ付勢されるようにしている。また、これまでの実施例と同様に、軸線L1方向において、つば部10150jの駆動軸180側に近接して、抜け止めリブ(不図示)を設ける。これにより、カートリッジBからカップリング10150が外れないようにしている。カップリング10150は、内周面10150pが円筒状である。そのため、カップリング10150は、軸線L2方向に移動可能にカートリッジBに取り付けられる。
図56を用いて、、カップリングと駆動軸が係合するときのカップリングの姿勢(角度位置)について説明する。図56(a)は、実施例1で用いたカップリング150の断面図である。図56(c)は、本実施例のカップリング10150の断面図である。また、図56(b)は、図55(c)に至る前の断面図を示した。一点鎖線L5は、駆動軸180の先端位置から回転方向X4と略平行に引かれた線である。
各カップリングが駆動軸180と係合するには、回転方向X4において下流側先端位置10150A1が駆動軸180の先端部180b3を通り過ぎる必要がある。実施例1の場合には、軸線L2が角度α104以上に傾斜するようにしている。これによって、回転方向X4において下流側先端位置150A1が駆動軸180と干渉しない位置までカップリング150を移動させている(図56a)(係合前角度位置)。
これに対して、本実施例のカップリング10150は、まず、駆動軸180が係合していない状態では、付勢部材(弾性部材)10634の弾性力(復元力)によって、カップリング10150は最も駆動軸180側に寄っている。この状態で、カートリッジBを回転方向X4に移動させると、カップリング10150のテーパ面10150rが駆動軸180に接触する(図56(b))。この時、テーパ面10150rにはX4方向に圧力がかかる。そのため、その分力によって、カップリング10150はX11方向に後退する。そして、現像軸10153の先端部10153bが、カップリング10150の突き当て部10150tに突き当たる。更に、現像軸10153の先端部10153bの中心P1を中心にして、カップリング10150が時計周りに回転する。そして、回転方向X4において下流側先端位置10150A1が先端180bを通り抜ける(図56(c))。駆動軸180に対して、現像軸10153が略同軸となった時、付勢バネ10634の弾性力により、先端部180bにカップリング10150の受面10150fが接触する。そして、カップリング10150は回転待機の状態となる(図55)。
カップリング10150が後退する量を考慮すると、軸線L2が角度α106程度まで傾斜する量を小さくすることができる(図56(c))。
更に、画像形成が終了して、再びロータリCが一方向へ回転する時には、ロータリCが回転する力によって、先端部180bが、カップリング10150の円錐形状をした受け面10150fを押し付ける。この反力によって、カップリング10150は軸線L2方向(X11とは反対方向)へ後退しつつ、軸線L2が傾斜する。そして、カップリング10150は駆動軸180との係合(連結)を解かれる。
次に、図57、図58、図59を用いて実施例9について説明する。
尚、本実施例は、回転力を入力する位置(カップリングの位置)および、カップリングから現像ローラ、及び、現像剤供給ローラへ回転力を伝達する構成が実施例1とは相違する。
図57は、カートリッジBの斜視図である。また、図58は、側板を取り外した状態のカートリッジBの駆動部を示した斜視図である。図59(a)は、駆動入力ギアを駆動側から見た斜視図である。図59(b)は、駆動入力ギアを非駆動側から見た斜視図である。
現像ギア145は現像ローラ110の長手方向一端に設けられている。また、現像剤供給ローラギア146は、現像剤供給ローラ115(図1参照)の長手方向一端に設けられている。両ギアは、各々のローラ軸に固定されている。これによって、装置本体Aからカップリング150が受けた回転力を、ピン(回転力被伝達部)155、ギア147に伝達する。また、ギア147が受けた回転力をギア145、及びギア146を介して現像ローラ110及び現像剤供給ローラ115に伝達している。尚、現像剤攪拌部材等に回転力を伝達しても良い。また、回転力を伝達する部材としては、ギアでなくても歯付きベルト等であっても良い。ギア或いは歯付きベルト等の駆動力伝達部材であれば、適宜用いることができる。
次に、図59を用いて、カップリング150を揺動可能に取付けている駆動入力ギア147について説明する。ギア軸11153は、ギアの内側に圧入、接着等で固定されている。その端部11153bは、軸線L2が傾斜する際に滑らかに傾斜するできる様に球面形状である。本実施例においては、ギア軸11153は金属製であるが、ギア147と一体の樹脂製でも構わない。また、ギア軸11153の先端側には、カップリング150から回転力を受けるために、回転力伝達ピン(回転力被伝達部)155がギア軸11153の軸線に対して交差する方向に設けられている。
ピン155は、金属製であり、ギア軸11153に対して圧入、接着等の方法で固定されている。ピン155設けられている位置は、回転力が伝達される位置であれば、どこでも良い。好ましくは、ギア軸11153の先端部11153bの球面中心を通る様に配置することが望ましい。なぜなら、ギア軸11153と軸線L2に偏角がついた場合でっても、常に回転力伝達半径が一定となるためである。これによって、一定した回転力を伝達することができる。また、回転力伝達ポイントは何箇所でも良く、適宜選択する事ができる。しかしながら、本実施例では、駆動トルクを確実に伝達するできるようにするため、及び、組立性の観点から、ピン155を1本とした。そして、ピン155を先端球面11153bの中心を通るように貫通させた。これにより、ピン155がギア軸11153の周面から対向して突出する。つまり、回転力は2箇所で伝達する。ここで、本実施例においては、ピン155を金属製としたが、ギア軸11153とギア147と一体の樹脂製でも構わない。尚、ギア145、146、147ははす歯ギアである。
また、カップリング150の取付け方法に関しては、実施例1と同様のため、説明は省略する。
ギア147は、カップリング150が揺動(移動、傾動)したときに、ギア147と干渉しないように、カップリング150が部分的に内包される空間147aを設けている。空間147aは、ギア147の中央に設けられている。これによって、カップリング150の長手位置を短くすることが可能となる。さらに、ギア147の取付け方法については、穴部147b(図59(b))が現像軸受11151(図58)の支持軸(不図示)に回転可能に取り付けられる。また、円筒部147cが支持部材11157の内周面11157iに回転可能に取り付けられる。
尚、ロータリーCの回転動作によるカップリングの係合、駆動、離脱に関する説明は、実施例1と同様のため、説明を省略する。
尚、カップリングが駆動軸に係合する直前に、軸線L2を係合前角度位置に傾斜させる手段として、これまで述べた実施例2から実施例5のいずれかの方法を採用する。
本実施例で説明したように、カップリング150は現像ローラ110と同軸線の端部に配置しなくとも良い。即ち、前述した実施例によれば、カップリング150は、現像ローラ110の軸線L1と直交する方向において、現像ローラ110の軸線L1とは離れた位置に設けられている。そして、回転軸線L2方向において、回転力伝達面(回転力伝達部、カートリッジ側回転力伝達部)150hを回転力受け面(回転力受け部)150eとは反対側に設けている。そして、回転力伝達面150hが受けた前記回転力を伝達ピン155(回転力被伝達部)、及び、ギア145、147(駆動力伝達部材)を介して現像ローラ110に伝達している。これによって、現像ローラ110はカップリング150が本体Aから受けた回転力で回転する。
本実施例によれば、装置本体A及びカートリッジBの設計の自由度が向上する。なぜならば、カートリッジBにおいてカップリングの設置位置を、現像ローラ110の設置位置にかかわらずに適宜選択できるからである。
また、装置本体Aにおいて駆動軸180の設置位置を、カートリッジBをロータリーCに取付けた状態で、現像ローラ110の存在位置にかかわらずに適宜選択できるからである。
これは、実際の製品を開発する上において、有効である。
次に、図60〜図69を用いて、本発明の第10の実施例について説明する。
図60に本実施例のカップリング12150を用いたカートリッジの斜視図を示した。駆動側に配された現像支持部材12157はその外側端部の外周がカートリジガイド140L1、140L2を兼ねている。
これらカートリジガイド140L1、140L2、及び、非駆動側に配設されたカートリッジガイド(不図示)により、現像カートリッジはロータリーCに取り外し可能に取付けられる。
本実施例では、現像軸端部部材と一体的に扱うことができるカップリングの例について述べる。ここで、現像軸端部部材とは、現像ローラの端部に取付けられているものであってカートリッジB内の他の部材に回転力を伝達するための部材である。
図61(a)はカップリングを駆動側から見た斜視図である。図61(b)カップリングを現像ローラ側から見た斜視図である。図61(c)は軸線L2方向と直交する方向から見た側面図である。また、図61(d)はカップリングを駆動側から見た側面図である。図61(e)は現像ローラ側から見た図である。また、図61(f)は図61(d)をS21−S21で切った断面図である。
本実施例のカップリング12150は、カップリング150と同様に駆動軸180と係合して現像ローラを回転させる回転力を受ける。また、駆動軸180から離脱する。
尚、本実施例のカップリング側被駆動部12150aは150aと同様の機能、構成を有し、カップリング側駆動部12150bは150b同様の機能、構成を有する。尚、本実施例においては、駆動部12150bは、現像ローラ110の回転位相がどこであっても、前記3つの角度位置間を移動することができるように球状の駆動軸受面12150iを有する(図61(a)(b)(c)(f))。
また、中間部12150cは150cと同様の機能、構成を有する。また、材質等も同様である。
また、開口部12150mは150mと同様の機能、及び、構成を有する(図61(f))。
また、突起12150d(12150d1〜d4)は150dと同様の機能、及び、構成を有する(図61(a)(b)(c)(d))。
進入部12150k(12150k1〜k4)は150kと同様の機能、及び、構成を有する(図61(a)(b)(c)(d))。
また、駆動部12150bは、現像ローラ110のカートリッジB5内での回転位相がどこであっても、軸線L1に対して、回転力伝達角度位置と、係合前角度位置(または、離脱角度位置)の間を移動できるように球面である。図示例では、駆動部12150bは、軸線L2を軸線とする球状の抜け止め部12150iを有するそして、駆動部12150bの中心を通る位置に伝達ピン12155を通す固定穴12150gが設けてある。
この実施例では、カップリング12150は被駆動部12150a、中間部12150cと駆動部12150bとに分割されている。尚、これらの結合方法については、後述するドラムフランジ組み立て工程で説明する。
次に、図62を用いて、カップリング12150を取り付ける(支持する)現像軸端部部材12151の一例について説明する。図62(a)は駆動軸側からみ見た図であり、図62(b)は図62(a)のS22−S22で切った断面図である。
図62(a)に示した開口部12151g1、12151g2は現像軸端部部材12151の回転軸方向に設けられた溝になっている。カップリング12150を取り付ける際、回転力伝達ピン(回転力伝達部)12155がこの開口部12151g1、12151g2に進入する。
開口部12151g1、12151g2の中で伝達ピン12155が移動する。これによって、カートリッジB5内で現像ローラ110の回転位相がどこであっても、カップリング12150が前記3つの角度位置の間を移動可能となる。
また、図62(a)において、開口部12151g1、12151g2の時計周り方向上流側には、回転力受け面(回転力被伝達部)12151h(12151h1、12151h2)が設けられている。そして、伝達面12151hに、カップリング12150の伝達ピン12155の側面が接触する。これにより、現像ローラ110に回転力が伝達される。つまり、伝達面12151h1〜12151h2は、端部部材12151の回転方向と交差した面である。これによって、伝達面12151hは、伝達ピン12155の側面に押されて軸線L1(図62b参照)を中心に回転する。
図62(b)に示したように、端部部材12151にはカップリング12150の駆動伝達部12150bを収納するカップリング収納部12151jが設けられている。
図62(c)は、カップリング12150を組み付ける工程を示す断面図を示した。
カップリングの被駆動部12150a及び中間部12150cは、抜け止め部材12156を中間部12150cに挿入する。そして、被駆動部12150a及び中間部12150cは、抜け止め部12150iを有する位置決め部材12150q(駆動部12150b)が矢印X32方向から被せられる。ピン12155は、位置決め部材12150qの固定穴12150gと中間部12150cの固定穴12150rとを貫通する。そして、ピン12155は、位置決め部材12150qを中間部12150cに固定する。
図62(d)は、カップリング12150を端部部材12151に固定する工程を示す断面図である。
カップリング12150をX33方向に移動させ、伝達部12150bを収納部12151jに挿入する。次に、抜け止め部材12156を矢印X33方向から挿入して、端部部材12151に固定する。尚、抜け止め部材12156は、位置決め部材12150qとガタ(遊び)を有して固定している。これによって、カップリング12150が向きを変えることが出来るようにしてある。これにより、カップリングと端部部材12151が一体となったカップリングユニットとなる。
抜け止め部12156iは、カップリング12150を、回転力伝達角度位置と係合前角度位置、及び離脱角度位置の間を移動(傾動)可能に取付けている。また、抜け止め部12156iは、カップリング12150が軸線L2方向に移動するのを規制する。つまり、開口12156jは、抜け止め部12150iの直径よりも小さな直径φD15である。
尚、突起12150dと同様に、回転力伝達面(回転力伝達部)12150h1、12150h2は同一円周上に180°対向して配置されていることが望ましい。
以上のような構成をとることにより、カップリングと端部部材は一体的に扱うことができる。これによって、組立て時の取り扱いが容易になり、組立性の向上が実現できる。
次に、図63、図64を用いて、カートリッジBの組み付けについて説明する。図63(a)はカートリッジの要部を駆動側から見た斜視図であり、図63(b)は非駆動側から見た斜視図である。また、図64は図63(a)のS23−S23で切った断面図である。現像ローラ110は、現像枠体119に対して、回転可能に取付けられる。
前述した説明で、カップリングユニットには、カップリング12150と端部部材12151を組み付けた。そして、ユニットU10を、伝達部12150aが露出するように、現像ローラ110の一端側の現像軸12153に取り付けている。そして、伝達部12150aを、支持部材12157の内空間12157bに通過させて組み付ける。そして、伝達部12150aがカートリッジから露出した状態にさせる。
図64に示すように、支持部材12157には現像ローラ12110の位置決め部12157eを設けている。これによってり、端部部材12151が抜け出てこないようにしてある。
ここで、図66に示すように、カップリング12150はその軸線L2が軸線L1に対して、どのような方向にも傾斜できるように取り付けられている。図66(a1)〜(a5)は駆動軸180の方向から見た図であり、図66(b1)〜(b5)はその斜視図である。図66(a1)(b1)において、軸線L2は軸線L1と同軸線上にある。図65(a2)(b2)には、この状態から、カップリング12150を上向きに傾斜させたときの状態を示した。カップリングが、開口部12151gが設けられた方向へ傾斜しているとき、伝達ピン12155は開口部12151gに沿って移動する(図66(a2)(b2))。その結果、カップリング12150は、開口部12151gと直交する軸線AXを中心に傾斜する。
図66(a3)(b3)においては、カップリング12150を右向きに傾斜させた状態を示している。このようにカップリングが、開口部12151gの直交方向へ傾斜しているとき、ピン12155は開口部12151gの中で回転する。回転する際の軸線は、伝達ピン12155の中心軸線AYである。
カップリング12150を下向きに傾けた状態および左向きに傾けた状態を、図66(a4)(b4)および図66(a5)(b5)に示した。カップリング12150は各々、回転軸線AX、AYを中心に傾斜する。
ここで説明した傾斜方向と異なる方向、及び、中間位置では、軸線AX回りの回転と、AY回りの回転とが合わさって傾斜する。尚、前記傾斜方向と異なる方向とは、例えば、図66(a2)と(a3)、(a3)と(a4)、(a4)と(a5)、(a5)と(a2)である。このように、軸線L1に対して、軸線L2はどのような方向にも傾斜することができる。
尚、軸線L2は軸線L1に対してどのような方向にも傾斜可能であると説明した。しかしながら、軸線L2は軸線L1に対して、必ずしも360°いずれの方向にも所定の角度まで直線的に傾斜可能である必要はない。その場合、例えば、開口12151gを円周方向に広めに設定しておけば良い。このように設定しておけば、軸線L2が軸線L1に対して傾斜する際、直線的に所定の角度傾斜できない場合であっても、カップリング12150が軸線L2まわりに少し回転する。これにより、軸線L2は軸線L1に対して、所定の角度まで傾斜することができる。つまり、開口150gの回転方向のガタは必要に応じて、適宜選択できる。
先に説明したように(図64参照)、球面12150iが抜け止め部12156iに接触している。そのため、カップリング12150は球面12150iの球中心P2を回動中心にして取付けられている。つまり、端部部材12151の位相に関わらず、軸線L2は傾斜可能に取り付けられている。また、後述するが、カップリング12150が駆動軸180と係合するためには、係合直前において、軸線L2は軸線L1に対して、回転方向X4において下流側に傾斜している必要がある。つまり、図67に示すように、軸線L1に対して、被駆動部12150aが回転方向X4において下流側となるように、軸線L2が傾斜している。
図60は軸線L2が軸線L1に対して傾斜した状態を示している。また、図65は、図60をS24−S24で切った断面図を示している。
これまで説明した構成により、図65に示す軸線L2が傾斜した状態から、軸線L2が軸線L1と略平行な状態になることも自在である。また、軸線L1と軸線L2の最大傾斜可能角度α4(図65)は、被駆動部12150a及び中間部12150cが端部部材12151や支持部材12157に接触するまでである。そして、角度α4は、装置本体へ着脱する際に必要な値にすることができる。
ここで、最大傾斜可能角度α4は、本実施例の場合20°〜80°である。
次に、実施例1で説明したように、カートリッジB(B5)は、装置本体Aの所定の位置に決まる直前もしくは所定の位置に決まると略同時に、カップリング12150と駆動軸180が係合する。即ち、ロータリーC−が停止する直前もしくは停止するとと略同時に、カップリング12150と駆動軸180が係合する。
図67を用いて、このカップリング12150の係合動作について説明する。図67は装置本体Aの下方から見た縦断面図である。
ロータリーCによって移動されるカートリッジB7の移動過程において、カップリング12150は、係合前角度位置として、軸線L2が、予め軸線L1に対して回転方向X4に傾斜している(図67(a))。カップリング12150が傾斜することで、軸線L1方向において、回転方向X4において下流側先端位置12150A1は、駆動軸先端180b3よりも現像ローラ12110方向側に位置する。また、回転方向X4において上流側先端位置12150A2は、駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置する(図67(a))。
まず、カップリング12150の回転方向X4において上流側先端位置12150A1が、駆動軸先端180b3を通過する。そして、通過した後、カートリッジ側接触部であるカップリングの一部分(受面12150fもしくは/及び突起部12150d)が、本体側係合部(駆動軸180もしくは/及びピン182)に接触する。そして、ロータリCの回転に応じて、軸線L2が軸線L1と平行になるようにカップリングは傾斜していく(図67(c))。そして、最終的に装置本体A内で現像カートリッジB7が所定位置(現像位置)で停止する(ロータリーの回転が停止する)と、駆動軸180と現像ローラ12110が略同一直線上に位置する。そして、カップリング12150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L1と略同一となるように前記係合前角度位置から移動する。そして、カップリング12150と駆動軸180は係合される(図67(d))。カップリングの凹部12150zは先端部180bにかぶさる。
以上説明したように、カップリング12150が、軸線L1に対して傾斜可能に取り付けらている。即ち、ロータリCの回転動作に応じて、駆動軸180と干渉せずにカップリング12150が傾斜する。これによって、カップリング12150は、駆動軸180に対して係合することができる。
また、実施例1と同様に、上述したカップリング12150の係合動作は、駆動軸180とカップリング12150の位相に関係なく行うことができる。
このように、本実施例では、カップリング12150は現像ローラ110に対して、実質的に旋回可能にカートリッジB7に取り付けられている。
次に、図68を用いて、現像ローラ110を回転する際の回転力伝達動作について説明する。モータ64(駆動源)から受けた回転力によって駆動軸180は、図中X8の方向に、ギア(はす歯ギア)181とともに回転する。そして、駆動軸180と一体の伝達ピン182がカップリング12150の回転力受け面150e(4箇所)のいずれか2ヵ所に接触して、カップリング12150を回転させる。さらに、先に述べたようにカップリング12150は現像ローラ110と駆動伝達可能に連結されている。そのため、カップリング12150が回転することで、端部部材12151を介して現像ローラ110を回転させる。
また仮に、軸線L3と軸線L1が多少同一直線からずれていたとしても、カップリング12150が少し傾斜することで、現像ローラ、及び、駆動軸に大きな負荷をかけずにカップリングは回転することができる。
これは、本発明を適用したカップリングの実施例の顕著な効果の一つである。
次に、図69を用いて、カートリッジB(B7)がロータリーCの回転によって別のステーションへ移動する際の、カップリング12150の動作について説明する。図69は装置本体Aの下方から見た縦断面図である。まず、実施例1と同様に、カートリッジBが感光体ドラムと対向する位置(現像位置)から移動する際には、ピン182は必ず、進入部12150k1〜12150k4(図61参照)のいずれか2箇所に位置する。
ロータリーCが現像位置で停止した状態では、カップリング12150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L1に対して、略同軸線上に位置している。現像終了後、ロータリーCが更に一方向へ回転を開始すると、カートリッジB(現像ローラ110)が回転方向X4に移動するのに応じて、カップリング12150の、回転方向X4において上流側の受面12150fもしくは/及び突起12150dが、駆動軸180(先端部180b)もしくは/及びピン182に接触する(図69a)。そして、軸線L2が回転方向X4において上流側に傾斜を開始する(図69b)。この方向は、カートリッジBが現像位置まで移動してきたときのカップリングの傾斜方向(係合前角度位置)とは軸線L1に対して略反対方向である。このロータリCの回転動作により、回転方向X4において上流側先端部12150A2が駆動軸180(先端部180b)に接触しながら移動する。そして、カップリング12150はその軸線L2が離脱角度位置として、上流側先端部150A2が駆動軸先端180b3に至るまで傾斜する(図69c)。そして、この状態でカップリング12150は駆動軸先端180b3に当接しながら通過する(図69d)。その後、ロータリCの回転動作により、カートリッジBは現像位置から完全に退避する。
以上説明したように、カップリング12150は、軸線L1に対して傾斜可能にカートリッジBに取り付けらている。そして、ロータリCの回転移動に応じて、にカップリング12150は駆動軸と干渉せずに傾斜する。これによって、駆動軸180よりカップリング12150を離脱することができる。
以上のような構成にすることにより、カップリング12150を端部部材(ギア等)と一体的に扱うことが可能である。そのため、組立作業性が向上する。
尚、カップリングが駆動軸に係合する直前に、カップリングの軸線L2を係合前角度位置に傾斜させる構成としては、例えば実施例2から実施例5のいずれかの構成を採用すれば良い。
次に、図70、図71、図72を用いて実施例11について説明する。
尚、本実施例は実施例10とは、駆動を入力する位置(カップリングの位置)および、カップリングから現像ローラ、現像剤供給ローラへ回転力を伝達する構成が相違する。
図70は、カートリッジの斜視図である。図71は、カートリッジの駆動部を示した斜視図である。図72(a)は、駆動入力ギアを駆動側から見た斜視図である。図72(b)は、駆動入力ギアを非駆動側から見た斜視図である。
現像ギア145、及び、供給ローラギア146は、各々、現像ローラ110、供給ローラ115(図1)の駆動側端部に配置されている。そして、ギア145、146は軸に対して固定されている。装置本体Aよりカップリング13150が受けた回転力をカートリッジB(B6)の他の回転部材(現像ローラ110、現像剤供給ローラ115、トナー攪拌(不図示)等)にギアを介して伝達する。
次に、カップリング13150を支持する駆動入力ギア13147について説明する。
図71に示すように、ギア13147は現像ギア145、供給ローラギア146と噛み合う位置で回転可能に取付けられている。ギア13147は、実施例10で説明した端部部材12151と同様のカップリング収納部13147jを有する(図72(a)参照のこと)。カップリング13150は抜け止め部材13156によってギア13147に傾斜可能に保持されている。
更にカートリッジBには、支持部材13157と傾斜規制部材13157iを取り付けている(図70)。
支持部材13157には穴が設けられており、その内周面13157iがギア13147と嵌合する。尚、ロータリーの回転動作によるカップリングの係合、駆動、離脱に関する説明は、実施例10と同様のため、説明を省略する。
また、カップリングが駆動軸に係合する直前に、カップリングの軸線L2を係合前角度位置に傾斜させる構成は、実施例2から実施例5のいずれかの構成方法を採用すれば良い。
以上説明したように、カップリングは現像ローラと同軸線上の端部に配置しなくとも良い。本実施例によれば、画像形成装置本体及びカートリッジの設計自由度を向上させることができる。本実施例によれば、実施例9と同様の効果が得られる。
図73、74を用いて実施例12について説明する。
これまでの実施例では、現像装置(カートリッジB)の移動部材として、回転選択機構(ロータリ)を用いた場合について説明した。本実施例では、他の移動部材について説明する。
図73は4つのカートリジB(14B1〜B4)を支持したカートリッジ支持部材を示した断面図である。図74はカップリングが駆動軸に対して係合、離脱する過程を示した斜視図及び側面図である。
図73に示すように、各カートリッジB(14B1〜B4)がカートリッジ支持部材14190に横に並んで、かつ、支持部材14190に取り外し可能に取付けられている。図73(a)は、第1色のカートリッジ14B1が感光体ドラム107の対向部に位置し、感光体ドラム107に対して現像可能の状態を示した図である。カートリッジ14B1が現像を終えると、支持部材14190がX20方向に移動し、隣の像カートリッジ14B2が感光ドラム107の対向部(現像位置)に位置決めされる。尚、感光ドラム107に形成された現像剤像は、転写ベルト104a上に転写される。それらの動作を各色繰り返す。そして、最終的に、図73(b)に示すように、カートリッジ14B4が感光体ドラム107の対向部に移動し、転写ベルト上に4色の現像剤像が転写される。、そして、現像剤像が転写ベルトから、記録媒体Sに転写され定着される。
尚、各カートリッジ14は、支持部材14190の一方向への移動に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。
これによって、記録媒体Sにカラー画像が形成される。
そして、一連のカラー画像の形成が終了すると、支持部材14190がX21方向に移動し、初期位置(図73(a)の状態)に戻る。
次に、図74を用いて、支持部材が移動するのに応じて、カップリングが駆動軸に対して連結、解除する工程について説明する。尚、代表的に、カートリッジ14B3のカップリング14150Cの連結、解除について述べる。図74(a)はカップリング14150cが駆動軸180に連結する直前の状態を示した斜視図、図74(b)はその側面図である。図74(c)はカップリングと駆動軸が連結し、駆動伝達可能となっている状態を示す斜視図である。図74(d)はカップリングが駆動軸から離脱した状態を示す斜視図であり、図74(e)はその側面図である。
本実施例では軸線L2を傾斜させる手段として、実施例5で説明した構成を用いる。すなわち、装置本体に設けられた規制リブ14191を、カップリング14150Cが通過する直線L20の下側に沿って、かつ、駆動軸180に対して移動方向X20上流側に、配置している。また、実施例6と同様に、規制リブの天面14191aとカップリング14150が通過する直線L20の距離は駆動軸180に近づくにつれ、短くなるように設定している。更に、図74bに示すように、軸線Lの傾斜方向は、直線L20に対して、被駆動部14150Caが上側を向くように規制されている(傾斜方向を直線L30として示した)。
ここで、カートリッジ14B2の現像が終了すると、支持部材が一方向へ平行移動する。これにより、カートリッジ14B3が所定の位置に向かう。その過程において、中間部14150Ccが天面14191aに接触する。すると、実施例6で説明したように、被駆動部14150Caが駆動軸180の方向を向く(係合前角度位置)(図74(a)の状態)。その後、これまでの説明と同様に、カップリング14150Cは駆動軸180と係合する(回転力伝達角度位置)(図74(c)の状態)。更に、カートリッジ14B3の画像形成が終了すると、支持部材により、カートリッジ14B3はX20方向に移動する。そして、カップリング14150Cは駆動軸180から離脱する(離脱角度位置)(図74(d)の状態)。詳細はこれまでの実施例と同様であるため省略する。
先に説明したように、全てのカートリッジの現像が終了すると、支持部材14190が初期位置に戻る(図73(b)の状態)。その過程の動作を説明する。すなわち、各カートリッジのカップリングは、駆動軸180を通過する必要がある。そのため、カップリングは、現像時と同様に、係合前角度位置→回転力伝達角度位置→離脱角度位置を移動する。そのために、軸線L2を傾斜させるための構成が必要となる。図74(d)に示すように、実施例6で説明したものと同様の規制リブ14192を、カップリング14150Cが通過する直線L20の上側に沿って配置している。かつ、リブ14192を駆動軸180に対して移動方向X21において上流側に配置している。また、天面14192aとカップリングの通過する直線L20の距離も、規制リブ14192と同様に設定する。つまり、規制リブ14191と規制リブ14192は駆動軸180中心に対して、点対称となるように設定している。尚、図74eに示すように、カップリング14150Cの規制方向も変わらない。そのため、画像形成時(現像時)(X20方向移動時)と同様な動作で、初期化時(X21方向)も、14150Cは係合前角度位置→回転力伝達角度位置→離脱角度位置を移動する。この際にして、カップリングは、駆動軸180を通過する。そして、初期位置に戻る。
尚、本実施例では、カートリッジは画像形成装置に対して着脱自在に支持されている。カートリッジ交換の際には、図74aに示すように、支点P10を中心に、支持部材14190をX30方向に回動させる。各カートリッジ14B1〜、14B4は、上記回動動作により、ユーザが交換可能となる位置まで移動する。
尚、本実施例では像カートリッジの移動方向を斜め上としたが、反対方向にしても良いし、他の方向に移動可能となるように配置しても良い。
また、これまでの説明では、カートリッジが一方向に移動する際に画像形成(現像)を行い、カートリッジが他方向に移動する際には画像形成を行っていない。しかしながら、その限りでは無い。例えば、カートリッジが他方向に移動する際に画像形成を行なっても良い。
図75を用いて実施例13について説明する。
これまでの実施例では、装置本体Aに着脱自在のカートリッジについて述べてきた。本実施例では、現像装置としての現像器が装置本体に据え付けられており、現像剤を逐次補給して、画像形成を行う装置について述べる。即ち、本実施例で説明する現像器は、使用者が装置本体Aに対して取り付け、取り外しを行わない。本実施例で説明する現像器は、本体Aに取り付けられて据え付けられて用いられる据え付けタイプである。メンテナンスは、サービスマンによって行われる。
図75は装置本体の断面図である。
図75に示すように、ロータリC2はロータリ内に据え付けらた4色の現像器15A、15B、15C、15Dを有している。そして、各現像器に現像剤を供給するための現像剤ボトル16A、16B、16C、16Dを備えている。ボトル16A、16B、16C、16Dは、図中の紙面に対して垂直な方向に取り外し可能に本体Aに取付けられている。そして、ボトル内に現像剤が無くなった時に、ボトルは使用者によって交換される。
そして、ロータリCの回転に応じて、各現像器15A,15B、15C、15Dは順次、感光体ドラム107の対向部(現像位置)に移動し、感光体ドラム107に形成された潜像を現像する。この際、各現像器が感光体ドラム107の対向部に移動するのに応じて、現像器に設けられたカップリング部材(不図示)が、装置本体(不図示)に設けられた駆動軸と係合する。その後、画像形成が終了したら、カップリング(不図示)は駆動軸から離脱する。この動作は実施例1等と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、装置本体に括り付けられた現像器の駆動切替であっても、これまで説明した実施例と同様に動作することができる。
次に、図76、図77、図78を用いて実施例14について説明する。
尚、本実施例は実施例11と相違する構成は、カップリングの形状、及び、カップリングを係合前角度位置に維持するために弾性部材を設けたことである。
図76(a)は、カートリッジBの一部を図示した斜視図である。図76(b)は、図76(a)は、駆動入力ギアの中心を通りカップリングの軸線の傾斜方向で切った断面図である(但し、駆動入力ギアを取付けている部材も図示している)。図77(a)はカップリング単体の側面図である。図77(b)はその斜視図である。図78(a)は、カップリング(カートリッジ)が係合前角度位置に位置した状態を図示した断面図である。図78(b)は、カップリング(カートリッジ)が回転力伝達角度位置に位置した状態を図示した断面図である。図78(c)は、カップリング(カートリッジ)が離脱角度位置に位置した状態を図示した断面図である。図78(a)(b)(c)は、カップリング15150と駆動軸180との位置関係も図示している。
図76に示すように、現像ギア145は、現像ローラ110の一端に配置されている。そして、ギア145は現像ローラ110の軸155に固定されている。
次に、カップリング15150を取り付けている駆動入力ギア15147について説明する。
図76に示すように、ギア15147は現像ギア145と噛合うギア部15147a、供給ローラギア146(図58)と噛み合うギア部15147bを有している。そして、ギア15147は、支持部材15170、及び、支持部材15157によって、カートリッジBに回転自在に取り付けられている。尚、支持部材15170は現像ローラ110の軸受部材も兼ねている。
これによって、装置本体Aよりカップリング15150が受けた回転力を、ピン15155(回転力伝達部)、回転力伝達面(回転力被伝達部)12151h(図62(a)(b))、ギア147、ギア145を介して現像ローラ110に伝達している。
カップリング15150は、抜け止め部15147mによってギア15147に傾斜可能(前記3つの角度位置を移動可能)に取り付けられている。更に、カップリング15150は、係合前角度位置を維持するために、付勢バネ(弾性部材)15159によって付勢されている。尚、本実施例では、バネ15159はねじりコイルバネである。バネ15159は、その支持部15159aをカートリッジBに設けた取付け部(不図示)に係止されている。そして、その腕部15159bが、カップリングの中間部15150cを弾性的に付勢している。これにより、カップリング15150の軸線L2を係合前角度位置(図78(a))に維持している。尚、本実施例ではバネ15159のバネ力(弾性力)を5g〜100gとした。5g以下の場合、カップリングが摩擦力等により、正常に傾斜しない場合がある。また、100g以上だと、カップリングの回転時に、バネの当接部が削れる場合があった。但し、バネの線径、材質、カップリングの形状、材質等の条件により、この範囲以外のバネ力を採用しても良い。また、ねじりコイルバネに限定されるものでもない。
即ち、バネ15159(弾性部材)は、カップリング15150を前記係合前角度位置に維持するために、カップリングが前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置(図78(b))に移動するのを許容する及び前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置(図78(c))に移動するのを許容する弾性力でもって、カップリング15150を弾性的に付勢している。
尚、前記実施例3等の実施例で説明したバネ(弾性部材)4159も同様である。
更にカートリッジBには、カップリングの傾斜方向を規制する傾斜規制部を有する。この構成は実施例11と同一であるため、説明を省略する。
図77に示すように、カップリング15150は実施例10で説明したカップリング12150とは、被駆動部15150aの形状が異なる。
即ち、被駆動部15150aの有する開口部15150mは、凹部15150zと平担部15150yとを有する。凹部15150zは駆動軸180の先端部180bと接触する(図78(b)参照)。図78に示すように、カップリング15150が係合前角度位置(図78(a))を経て、回転力伝達角度位置(図78(b))に至ると、駆動軸180の回転力がピン182を介してカップリング15150に伝達される。本実施例では、凹部15150zよりも駆動軸180側を平担部15150yとした。これにより、ピン182の外周部182d(図78(a)(b)(c))とカップリングの平担部15150yとを近づけることができる(図78(b))。
これによって、カートリッジB、及び、装置本体の軸線L1、L3方向を短縮することができる。よって、カートリッジB、及び、装置本体を小型化することができる。
ここで、本実施で用いたカップリングの平担部15150yの内径はZ1=φ約5mmである。また、その外径はZ2=φ約11mmである。また、平担部の深さはZ3=約0.6mmである。また、円錐形状の凹部15150zの深さは、円錐の頂点で約1.5mm、その直径は約5mmである。また、カップリング15150の重さは、約1.5gである。尚、本実施例では、カップリングの材質はポリアセタールを採用した。但し、サイズ、重さは、前記数値に限定されるものではなく、適宜選択すれば良い。
また、本実施例ではカップリングの突起15150d(15150d1、d2)、は2箇所に配置した。これによって、進入部150k(150k1、k2)の円周に沿った幅を大きくすることができる。よって、進入部150kへピン182が進入するのを円滑にできる。但し、突起の数は適宜選択できるが複数個が望ましい。この理由は、回転力を精度良く伝達するためである。
尚、これ以外のカップリングの形状、ロータリーの回転動作によるカップリングの係合、駆動、離脱に関する説明は、実施例10と同様のため、説明を省略する。
また、カップリングの軸線を係合前角度位置に傾斜させる構成は、実施例2から実施例5のいずれかの構成方法を採用しても良い。
また、本実施例では、カップリング15150は、軸線L1と直交する方向において、軸線L1とは離れた位置に設けられている(図76(b))。
尚、本実施例では、カップリングを前記位置に配置した。そのため、装置本体及びカートリッジの設計自由度を向上させることができた。これは、カップリングを軸線L1と同軸線上に配置すると、カップリングの設置位置は感光体ドラムと近づく。そのため、カップリングの配置に制約を受けるが、本実施例では感光体ドラムの制約を軽減できる。
前述した通り、本実施例は、カップリング15150は先端側に円形の平坦部15150yを有している。平坦部15150y(円形)の中心Oに凹部15150zが配置されている。凹部15150zはその先端側に向かうにしたがって広がった円錐形状である。また、突起(回転力受け部)突起15150dが、カップリングの回転軸線L2方向へ突出して、かつ、中心Oを挟んで対向して前記円形の平坦部15150yの縁に2箇所配置されている。また、ピン(回転力付与部)182は軸線L3と直交する方向へ突出して、かつ、対向して2箇所に配置されている。回転力受面(回転力受け部)15150eの何れか一つがピン182の一つと係合する。及び、回転力受面15150eの他の一つがピン182の他の一つと係合する。これによって、カップリング15150は駆動軸180から回転力を受けて回転する。
ここで、本発明を適用した前述した各実施例によれば、カートリッジB(現像ローラ110)が、ロータリC(支持部材14190)の一方向への移動に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する構成であっても、カップリング150(例えば、1350、3150、4150、5150、7150、8150、9150、10150、12150、13150、15150等)が、駆動軸180に連結し(係合し)及び駆動軸180から離脱することができる。これは、前述したように、本発明を適用した実施例の前記各カップリングが、装置本体Aから回転力を現像ローラ110に伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリングが回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリングが前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るからである。
ここで、前記回転力伝達角度位置とは、現像ローラ110を回転させるための回転力を、現像ローラ110に伝達するための、前記カップリングの角度位置である。
また、前記係合前角度位置とは、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が回転力付与部と係合する前の前記カップリングの角度位置である。
また、離脱角度位置とは、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリングが駆動軸180から離脱する前記カップリングの角度位置である。
ここで前記「実質的に直交」の意味について説明する。
カートリッジBとカートリッジ収容部130Aとの間には、カートリッジBをスムーズに着脱する為に、両者の間には若干の隙間を持たせてある。具体的に言えば、例えば、ガイド140R1、R2とガイド130R1との前記長手方向の間、ガイド140L1、L2とガイド130とガイド130L1との前記間に若干の隙間を持たせてある。従ってカートリッジBを収容部130Aに取り付けた際に、カートリッジB全体がその隙間の範囲内で若干斜めになることもあり得る。また、ロータリC(移動部材)と駆動軸180との位置関係においても、若干位置がずれている事も有りえる。従って、厳密に直交方向からの移動ではないこともある。しかしそういった場合でも、本発明の作用効果は達成可能である。従ってカートリッジB(現像装置)が若干斜めになった場合も含めて、「実質的に直交」と称している。
また、前述した各実施例では、カップリングが前記3つの角度位置の間を移動する(傾動する、揺動する)と説明した。ここで、前記移動(傾動、揺動)には、カップリングが旋回することも含まれる。旋回とは、カップリングの軸線L2の周りにカップリング自身が回転するのではなくて、傾斜した軸線L2が現像ローラ110の軸線L1の周りに回転することである。但し、遊び或いは積極的に設けた間隙の範囲で、軸線L2の周りにカップリング自身が回転することを排除しない。
また、前述した通り、各カップリングは、現像ローラ110に回転力を伝達するためのものである。
そして、各カップリングは、ピン(回転力付与部)182(1182、9182)と係合して駆動軸180(1180、1280、9180)からの回転力を受ける回転力受面(回転力受け部)150e(8150e、9150e、9250e、9350e、9450e、15150e等)を有する。また、回転力受け部150eを介して受けた回転力を現像ローラ110に伝達する回転力伝達面(回転力伝達部)150h(1550h、1450h、8150h、9150h、12150h、12151h等)を有する。尚、回転力伝達面150hが受けた回転力は、ピン(回転力被伝達部)155(1155、1355、12155)を介して現像ローラ110に伝達される。
そして、ロータリーC(支持部材141190)(移動部材)が一方向へ回転(移動)する際に、カートリッジBが移動するのに応じて、前記カップリングが前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する。これによって、前記カップリングが前記駆動軸と対向する。及び、前記カップリングが前記駆動軸と対向する位置から前記ロータリーCが更に前記一方向へ回転(移動)する際には、カートリッジBが移動するのに応じて、前記カップリングが前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによって、前記カップリングが前記駆動軸から離脱する。
前記カップリングは回転軸線L2上に凹部150z(1450z、1550z、4150z、515z0、15150z、15150z等)を有している。そして、ロータリーCが前記一方向へ回転することによって、カートリッジBが現像ローラ110の軸線L1と実質的に直交する方向に移動するのに応じて、ロータリーCの回転方向において、下流側に位置している前記カップリングの一部分(下流側先端位置150A1、1850A1、4150A1、5150A1、8150A1、12150A1等)が前記駆動軸を迂回することを許容するように、前記各カップリングは前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する。これによって、前記凹部が前記駆動軸の先端にかぶさる。そして、前記回転力受け部が、前記駆動軸の先端側において前記駆動軸の軸線と直交する方向へ突出して設けられている前記回転力付与部と、前記カップリングの回転方向において係合する。これによって、前記カップリングは前記駆動軸から回転力を受けて回転する。そして、前記ロータリーCが前記一方向へ更に移動する。これによって、カートリッジBが軸線L1と実質的に直交する方向に移動するのに応じて、前記回転方向において、前記駆動軸の上流側に位置している前記カップリング部材の一部分(上流側先端位置150A2、1750A2、4150A2、5150A2、12150A2等)が前記駆動軸を迂回することを許容するように、前記カップリングは前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによって、前記カップリングが前記駆動軸から離脱する。
前記回転力受け部(150e、15150e等)は、前記各カップリングの回転軸線L1上に中心Oを有する仮想円C1上に、中心Oを挟んで対向して位置するように複数個配置されている。この配置によって、各カップリングの受ける力は偶力となる。そのため、各カップリングは偶力を与えるだけで回転運動を続けることができる。そこで、回転軸線の位置を決めなくとも、各カップリングは回転することができる。
尚、図面に符号が記載されており、明細書にその部材名が記載されていない場合には次のとおりである。即ち、各実施例におけるカップリング、及び、本体の符号において、同じアルファベットを用いている場合には、同じ部材名である。
(その他の実施例)
本実施例では、ロータリが図面(例えば図17)上、時計周りに回転する場合を述べたが、反対方向に回転する場合も同様である。
また、画像形成位置(現像位置)は、別の位置でも適用できる。
また、本実施例のロータリは4色の現像カートリッジを搭載していたが、ブラック用の現像カートリッジは固定式とし、その他3色をロータリに搭載したものでも良い。
また、本実施では、現像ローラは接触式現像で採用されている、弾性ローラであったが、ジャンピング現像で採用されているマグネットローラを内包した金属性のパイプでも良い。
また前述した、現像装置としての現像カートリッジ及び現像器とは、少なくとも現像ローラ(または、現像ローラを含む現像手段)を備えたものである。従って、その現像カートリッジ(現像器)の態様としては、前述した実施形態のもの以外にも、例えば、現像ローラ(または、現像ローラを含む現像手段)とクリーニング手段とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの。更には現像ローラ(または、現像ローラを含む現像手段)と、帯電手段を一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの等が含まれる。
更にまた、本実施例では、画像形成装置としてレーザービームプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば電子写真複写機、ファクシミリ装置、或いはワードプロセッサ等の他の画像形成装置に使用することができる。前述した各実施例によれば、移動部材(例えば、ロータリ、カートリッジ支持部材、引出し等)の一方向の移動により、電子写真画像形成装置の本体に設けられた駆動軸に対して、前記駆動軸の軸線と実質的に直交する方向からカップリングを係合する及び離脱することができた。
以上説明した通り、本発明は、カップリングの軸線が、異なった角度位置を取り得る構成である。即ち、カップリングの軸線が、係合前角度位置、回転力伝達角度位置、及び、離脱角度位置を取り得る構成である。この構成によって、本発明は、カップリングを、本体に設けられた駆動軸の軸線と実質的に直交する方向から、駆動軸と係合させることができる。また、カップリングを、前記駆動軸の軸線と実質的に直交する方向から、駆動軸と離脱させることができる。本発明は、現像装置、カップリング部材、および、電子写真画像形成装置に適用できる。