以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電子音楽装置を適用した電子楽器の一例を示す概略図である。電子楽器1は、複数の鍵からなる鍵盤11と、ディスプレイ10及び各種設定用の複数操作子21〜29を配備した操作パネル20とを具備しており、鍵盤11の手動操作や自動演奏用データの再生等により発生した演奏情報に基づく楽音信号を生成する機能(楽音信号生成機能)を有する。生成された楽音信号に対応する演奏音は、例えば、操作パネル20に設けられたステレオスピーカ14から発音される。
電子楽器1は、ディスプレイ10に複数の音楽要素を選択肢とする音楽要素リスト(後述する「音楽要素選択画面」)を表示できるように構成されている。ディスプレイ10が「楽音信号を生成する際に使用可能な複数の音楽要素のうちから、任意の音楽要素をユーザに指定させるための音楽要素リストを表示する表示手段」である。本明細書において、「音楽要素」とは、前述の通り、音色データ、伴奏スタイルデータ、効果プログラム、機能用プログラムあるいは自動演奏曲のソングデータ等、楽音信号の生成を行う際に使用される各種データ及びプログラムを総称するものである。電子楽器1は、音楽要素選択画面で指定された音楽要素のデータ又はプログラムを使用して、該楽音信号生成機能による楽音信号の生成を行う。例えば、電子楽器1は、音楽要素選択画面で指定された音色のデータを使って、その音色の楽音信号を生成したり、或いは、音楽要素選択画面で指定された伴奏スタイルのデータを使って、その伴奏スタイルに対応する伴奏を示す演奏を自動再生したりする。後述する通り、電子楽器1は、複数の音楽要素それぞれについて、その音楽要素の使用状況に基づいて、ユーザにより使用された頻度を示す使用頻度情報を取得して、該取得された使用頻度情報に基づく順番に音楽要素が並ぶように、音楽要素選択画面の表示を制御する点に1つの特徴がある。
電子楽器1は、更に、例えばインターネット等のネットワーク4に接続するネットワーク接続機能を有しており、インターネット4上に存在するサーバ2及び3(図において「サーバA」、「サーバB」)に接続できる。サーバ2及び3は、それぞれ、音楽要素のデータ及び/又はプログラムを、ユーザに提供するサービスサイトを運営しており、ユーザに提供するための複数の音楽要素のデータ及び/又はプログラムを蓄積したデータベース、自身の提供するサービスにログインアカウントを作成したユーザ毎の登録情報(ユーザ名、クライアントID、ユーザ自身の利用している電子楽器の機種情報等を含む)を蓄積するデータベース、並びに、種々の電子楽器の機種毎の仕様や規格を蓄積したデータベースを備えている。
電子楽器1は、インターネット4を介して任意のサーバ2又は3に接続して、該サーバ2又は3の提供するサービスサイトから、任意の音楽要素のデータ又はプログラムをダウンロード購入できる。後述する通り、電子楽器1は、サーバ2又は3からダウンロード購入する音楽要素を選択する際に、サーバ2又は3がデータベースに保有する多数の音楽要素のデータ及び/又はプログラムのうち、当該電子楽器1に適合し、且つ、当該電子楽器1で現在指定中の音楽要素に関連する複数の音楽要素の一覧情報を取得して、該取得された一覧情報に基づく音楽要素選択画面をディスプレイ10に表示し、その音楽要素選択画面から任意の音楽要素を指定できる点に1つの特徴がある。
また、この実施例では、サーバ2及び3は、それぞれ、自身に接続した各ユーザにおける音楽要素の使用頻度情報を集計しており、該集計した使用頻度情報を、アクセスしたユーザに対して、他の複数ユーザにおける音楽要素の使用頻度情報(集計情報)として提供するように構成される。サーバ2、3が集計する使用頻度情報の一例は、個々の電子楽器で計測された音楽要素の使用頻度情報を集計した集計情報である。サーバ2、3が集計する使用頻度情報の別の例は、サーバ2、3のユーザ毎の音楽要素の使用状況に関する履歴、例えば購入履歴や試用履歴(例えば音色の試聴など)といったアクセス履歴を集計した集計情報である。これにより、電子楽器1は、サーバ2又は3からダウンロード購入する音楽要素を選択する際に、サーバ2又は3で集計された他の複数ユーザにおける音楽要素の使用頻度の情報(集計情報)に基づく順番に音楽要素が並ぶように、音楽要素選択画面の表示を制御できる。
本発明の電子音楽装置は、別の一例として、ネットワーク接続機能を備えない電子楽器100で構成されてよい。インターネット4のサーバ2、3から音楽要素のデータ等をダウンロード購入し利用する場合は、ネットワーク接続機能を有する端末装置110を電子楽器100に接続すればよい。電子楽器100と組み合わせる端末装置110は、例えばスマートフォンやスレートデバイスなど携帯型端末装置、或いは、パーソナルコンピュータなどである。端末装置110は、インターネット4経由でサーバ2、3と通信して、ユーザ毎の登録情報等の必要な情報を提供したり、サーバ2、3から音楽要素のデータ及び/プログラムをダウンロードしたりする。音楽要素選択画面の表示、表示された音楽要素選択画面上で任意の音楽要素を選択及び指定する操作、並びに、音楽要素のデータ及び/又はプログラムの記憶等、各種機能は、電子楽器100及び端末装置110で適宜分担して実行してよい。例えば、音楽要素選択画面の表示、音楽要素を選択及び指定する操作を、端末装置110で行い、ダウンロードされた音楽要素のデータ及び/プログラムを電子楽器100のメモリに記憶できる。
また、本発明の電子音楽装置は、別の一例として、鍵盤の操作に応じて演奏情報を発生するが、楽音信号生成機能は持たない鍵盤装置200と、パーソナルコンピュータ210の組み合わせで構成されてもよい。パーソナルコンピュータ210は、音楽機能アプリケーションソフトウェアを実装しており、音楽機能アプリケーションソフトウェアにより楽音信号生成機能を実行できる。パーソナルコンピュータ210の楽音信号生成機能は、鍵盤装置200から供給された演奏情報に基づいて、楽音信号を生成できる。生成した楽音信号に対応する演奏音は、例えばパーソナルコンピュータ210に周辺機器として接続されたモニタスピーカ220から発音される。コンピュータ210は、インターネット4経由でサーバ2、3と通信して、ユーザ毎の登録情報等の必要な情報を提供したり、サーバ2、3から音楽要素のデータ及び/プログラムをダウンロードしたりする。この場合、音楽機能アプリケーションソフトウェアの機種情報が、サーバ2、3に提供される。パーソナルコンピュータ210の有するネットワーク接続機能を利用して、サーバ2、3と通信できる。この場合も、音楽要素選択画面の表示、表示された音楽要素選択画面上で任意の音楽要素を選択及び指定する操作、並びに、音楽要素のデータ及び/又はプログラムの記憶等、各種機能は、鍵盤装置200及びパーソナルコンピュータ210で適宜分担してよい。
以下に説明する一実施形態は、本発明の電子音楽装置として、図1に示す電子楽器1を適用することを想定して、説明する。
図2は、電子楽器1の電気的ハードウェア構成例を示すブロック図である。電子楽器1は、CPU30、ROM31、RAM32、外部記憶装置(「フラッシュメモリ、HDD」)33、演奏操作子11、操作パネル20、ディスプレイ10、音源34、信号処理部(「DSP」)35、ミキサ36、デジタルアナログ変換部(「DAC」)37、サウンドシステム38及び、通信インタフェース39を備える。CPU30、ROM31、RAM32、外部記憶装置33、演奏操作子11、操作パネル20、ディスプレイ10、通信インタフェース39、音源34、DSP35、ミキサ36及びDAC37は通信バス40を介して接続され、CPU30と各部の間で各種制御信号を通信できる。
CPU30は、ROM31又はRAM32に記憶された各種のプログラムを実行して、電子楽器1の全体動作を制御する。ROM31及RAM32は、CPU30が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを不揮発に格納するほか、CPU30が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用される。外部記憶装置33は、例えばフラッシュメモリ、HDD等、1又は複数のメモリ装置も適宜組み合わせで構成してよい。
電子楽器1のメモリ(ROM31、RAM32及び外部記憶装置33の少なくとも何れか)には、複数の音楽要素のデータ及びプログラムが記憶される。ユーザは、メモリ31、32又は33に音楽要素のデータ及びプログラムを新規に追加したり、メモリ31、32又は33に保存された任意の音楽要素のデータ及びプログラムを削除したりできる。
音楽要素の一例である音色は、例えば実際の楽器等の音を録音して作成した音色波形データからなる。電子楽器1のメモリ31、32又は33には、複数種類の音色それぞれに対応する複数種類の音色のデータが記憶できる。各音色のデータは、それぞれ、その音色を構成する1又は複数の音色波形データとともに、その音色を分類するカテゴリ名、その音色の名前(「音色名」)、その音色を特定するための値(「音色番号」)、及び、その音色の使用頻度情報などを含む当該音色に関する各種情報を含む。
また、音楽要素の一例である伴奏スタイルは、例えば1小節分など所定の長さの自動伴奏を表すMIDI演奏データ(「伴奏スタイルデータ」)からなり、様々なスタイル(例えば、ジャズ、ロックなど)毎に、イントロ、エンディング、フィルイン等の自動伴奏パターンを再生するものである。電子楽器1のメモリ31、32又は33には、複数種類の伴奏スタイルそれぞれに対応する複数の伴奏スタイルデータが記憶でき、伴奏スタイルデータのそれぞれには、カテゴリ名、伴奏スタイル名、伴奏スタイル番号、伴奏スタイルの使用頻度情報などを含む各種情報が対応付けて記憶される。
また、音楽要素の一例である効果には、例えば、エコー、リバーブ、コーラス或いはピッチシフターなどの時間制御系の効果や、グラフィックイコライザ、パラメトリックイコライザなどの周波数特性制御系の効果や、或いは、コンプレッサー、リミッターなどのレベル制御系の効果がある。これら効果は、それぞれ、DSP35の実行する信号処理プログラムにより実現される。電子楽器1のメモリ31、32又は33には、複数種類の効果それぞれに対応する複数の信号処理プログラムが記憶できる。これら効果毎のプログラムにもまた、カテゴリ名、効果名、番号、使用頻度の情報等の各種情報が対応付けて記憶される。
また、音楽要素の一例であるソングデータは、1つの楽曲(ソング)の自動演奏を行うためのMIDI演奏データである。電子楽器1のメモリ31、32又は33には、複数のソングデータが記憶でき、各ソングデータそれぞれには、カテゴリ名、ソング名、ソング番号、使用頻度の情報などを含む各種情報が対応付けて記憶される。
また、音楽要素の一例には、例えばボーカルハーモニ機能や音場効果機能などの各種機能を含み得る。これら各種機能は、それぞれ、DSP35の実行する信号処理プログラムにより実現される。電子楽器1のメモリ31、32又は33には、複数の機能それぞれに対応する複数の信号処理プログラムが記憶できる。なお、ボーカルハーモニ機能は、自動再生曲(「ソング」)のコード進行やコーラスパートをあらかじめMIDIデータとして用意しておき、その「ソング」再生に合わせたマイク入力音声等に、コード演奏やコーラスパートを自動的に付加する機能である。また、音場効果機能は、畳み込み演算処理等により楽音信号を処理することにより、スタジオ、劇場、教会等の音響空間を再現する機能である。これら機能毎のプログラムにもまた、カテゴリ名、機能名、番号等の各種情報が対応付けて記憶される。
演奏操作子11は、図1に示す鍵盤11及び関連するインタフェース回路等である。CPU30は、ユーザによる演奏操作子11の操作(鍵盤11の各鍵の押鍵及び離鍵)に応じて、1ノート音ずつ楽音信号の生成を指示する演奏情報を出力する。演奏情報は、例えばMIDI規格により定義されたMIDIイベント信号であり、発音開始を指示するキーオン信号、発音終了を指示するキーオフ信号、音高を特定するノート番号、音量を支持するベロシティ値などを含む。
ディスプレイ10は、例えば液晶ディスプレイおよび関連するインタフェース回路等であり、CPU30から与えられた表示制御信号に基づく各種情報を、各種画像や文字列等により表示する。このディスプレイ10に、後述する音楽要素選択画面が表示される。操作パネル20は、図1に示す各種ボタン21〜29、ホイール12、テンキー13等を含む各種操作子及び関連するインタフェース回路等である。CPU30は、オペレータによる操作パネル20の操作に応じた検出信号を取得して、検出信号に基づいて電子楽器1の動作を制御する。なお、ディスプレイ10がタッチパネル機能を備える構成でもよい。その場合、ディスプレイ10も操作パネル20の一部として機能する。
音源34は、通信バス40から取得した演奏情報に基づく楽音信号を形成する。音源34は、周知の通り、後述する音色選択画面で指定された音色のデータを使用して、該音色の楽音信号を形成する。例えば或るピアノ音色が指定されている場合、音源34は演奏情報に応じて、該或るピアノ音色の楽音信号を生成する。演奏情報は、演奏操作子11の操作により入力されたもの、伴奏スタイルデータや自動演奏曲(ソングデータ)の再生により発生したもの、あるいは、外部のシーケンサー(不図示)から供給されたものなどである。音源34は、複数(例えばチャンネル番号CH01〜CH32までの32個)の発音チャンネルを備えており、それら発音チャンネルごとに音色を指定できる。音源34で楽音信号を生成する際は、音色指定バッファ(後述図8)において発音チャンネル毎に記憶された現在指定中の音色CTCの値を参照して、発音チャンネル毎に指定された音色を使用して楽音信号を生成する。なお、演奏情報に発音チャンネル割り当てる方法や、発音チャンネルごとに音色を指定できることは周知技術である。
信号処理部(「DSP」)35は、ユーザにより選択された効果や機能に対応するプログラムを実行し、音源34により形成された1又は複数の楽音信号に対する効果付与処理や音量制御等の信号処理を実行する。DSP35から出力された楽音信号は、ミキサ36で2チャンネルのステレオ信号に混合され、DAC37を介してアナログオーディオ信号に変換された後、アンプを含むサウンドシステム38を介して、ステレオスピーカ14から発音される。
電子楽器1は、通信インタフェース39を介して、インターネット4等のネットワークに接続し、インターネット4を介して外部のサーバ2及び3と各種データやプログラムの通信を行うことができるように構成されている。通信インタフェース39は「通信ネットワーク上の外部サーバに接続する接続手段」である。
ユーザは、電子楽器1の操作パネル20上に設けられた各種ボタン、具体的には、「トップ10」選択ボタン21、「一覧」選択ボタン22、「外部取得」選択ボタン23、「音色」選択ボタン24、「伴奏スタイル」選択ボタン25、「効果」選択ボタン26及び「ソング」選択ボタン27の少なくとも何れか1つ、を操作して、ディスプレイ10に音楽要素選択画面を表示させる。図3は、CPU30が実行するディスプイ表示処理の一例を示すフローチャートである。CPU30は、所与の周期でこの処理を起動する。なお、本明細書において、フローチャートを参照して説明する各処理の一例は、何れも所与の周期で定期的に起動するものとする。
図3のステップS1において、CPU30は、所与の表示ルールに従って、上記各ボタン21〜27のオン・オフ状態の組み合わせに応じて音楽要素選択画面を、ディスプレイ10に表示する。ユーザは、「音色」選択ボタン24、「伴奏スタイル」選択ボタン25、「効果」選択ボタン26又は「ソング」選択ボタン27の操作により、音楽要素選択画面における選択の対象として、音色、伴奏スタイル、効果又はソング(自動演奏曲)を選択できる。以下の説明では、一例として、ユーザが「音色」選択ボタン24を押して、「音色選択画面」をディスプレイ10に表示する場合について説明する。
「トップ10」選択ボタン21、「一覧」選択ボタン22及び「外部取得」選択ボタン23は、音楽要素選択画面の種類を選択するボタンである。ユーザは、「トップ10」選択ボタン21の操作により、音楽要素選択画面において、使用頻度の高い順に、上位10位までの音楽要素を、並べて表示するように指示できる。図4は、「トップ10」選択ボタン21に関連する表示ルールの一例である。
図4に例示する表示ルールに従うと、例えば、ユーザが「音色」選択ボタン24を押したときに、「トップ10」選択ボタン21がオン且つ「一覧」選択ボタン22がオフの状態ならば、ディスプレイ10には、図5(a)に例示する「音色トップ10表示」画面が表示される。また、「トップ10」選択ボタン21がオフの状態で、ユーザが「音色」選択ボタン24を押した場合、ディスプレイ10には、図5(b)に例示するような「音色一覧表示」画面が表示される。また、ユーザが「音色」選択ボタン24を押したときに、「トップ10」選択ボタン21がオン、「一覧」選択ボタン22がオンの状態ならば、ディスプレイ10には、図5(c)に例示する「音色トップ10表示」と「音色一覧表示」を同時に表示する画面が表示される。なお、図4の表示ルールでは、「トップ10」選択ボタン21がオフの場合は、必ず「一覧」選択ボタン22がオン状態となる(「音色一覧表示」が優先的に表示される)ことにしている。
前記図5(a)〜(c)に例示する音色選択画面には、各音色それぞれに対応して、音色名等の各種情報が表示される。これら音色に関する各種情報は、電子楽器1のメモリ31、32又は33に記憶される。図6は、各音色に関する各種情報の一覧表の一例である。メモリ31、32又は33には、当該電子楽器1に搭載された全音色のそれぞれに対応して、図6に例示する各種情報が記憶される。図6に示す通り、各音色に関する各種情報は、それぞれ、音色を分類する「カテゴリ名」、各音色を特定する値(「音色番号」)、及び、各音色の名前(種類)を示す「音色名」に加えて、その音色の使用頻度情報を含む。使用頻度情報は、例えば、押鍵回数、押鍵回数での順位、演奏時間、及び、演奏時間での順位を含む。音色毎の使用頻度情報は、後述する方法により、各音色が当該電子楽器1で実際に演奏に使用された頻度を計測することにより取得できる。
図6の例では、音色を分類するカテゴリには、「ピアノ」、「エレピ」(エレクトリックピアノ)、「オルガン」、「アコーディオン」、「サックス」、「フルート」・・・「パーカッション」等、音色の種類を例えば楽器別のカテゴリと、「追加1」、「追加2」・・・といった追加音色のカテゴリとがある。追加音色以外のカテゴリに属する音色は、全て、電子楽器1のメモリ31、32又は33に予め(例えば工場出荷状態で)記憶されている“プリセット音色”である。図6の例では、プリセット音色の数が「300種類」であることを想定している。各プリセット音色には「001」〜「300」までの音色番号が連番で付与される。一方、追加音色は、ユーザが電子楽器1の外部(例えばサーバ2又は3)から取得して、メモリ31、32又は33に追加保存した取得済みの音色である。メモリ31、32又は33に追加可能な音色の数は、メモリの容量等の理由により、所与の数(又は量)に制限される。図6では、一例として、追加音色は15種類まで追加保存できる。各追加音色には「401」〜「415」までの音色番号が連番で付与される。なお、図6では、一例として、1カテゴリあたり5種類ずつ音色を分配しているが、カテゴリあたりの音色数は5種類に限らないし、また、カテゴリ毎に同一数の音色が分配されなくてもよい。また、プリセット音色の総数を減らして、追加音色数を多くしてもよい。
各音色の押鍵回数は、その音色で楽音信号を発音するためのキーオン信号が音源34に入力された回数の累計値を、1000回(「k回」)単位で表すデータである。キーオン信号は、例えば1つの鍵(演奏操作子11)の1回の押鍵操作毎に、或いは、例えば伴奏スタイルデータやソングデータの再生に基づく1ノート音の発音指示毎に、発生する。本明細書では、音源34の1つの発音チャンネルを使って生成される1楽音信号の演奏音を「1ノート音」と言い、1ノート音の発音を指示するキーオン信号の発生数を「押鍵回数」と呼ぶ。押鍵回数のデータには、その日一日分の押鍵回数の累計値CPNと、計測を続けた全期間の通算押鍵回数の累計値TPNとがある。
各音色の演奏時間は、その音色で発音された1ノート音の長さ(すなわち、音源34が1つのキーオン信号を受け付けてから対応するキーオフ信号を受け付けるまでの経過時間)の累計値を、時間単位(「h」)で表すデータである。すなわち、或る音色で生成された楽音信号の累計発音時間が、その音色の使用頻度を演奏時間により表したデータとなる。演奏時間のデータには、その日一日分の演奏時間の累計値CSTと、計測を続けた全期間の通算演奏時間の累計値TSTとがある。
各音色の押鍵回数の順位は、通算押鍵回数の累計値TPNを基準にする順位の情報である。各音色の演奏時間の順位は、通算演奏時間の累計値TSTを基準にする順位の情報である。図6の例では、音色番号「001」、音色名「ライブ! グランドピアノ」が押鍵回数の順位、演奏時間の順位ともに「1位」になっている。ここで、何れの音色を使って演奏を行う場合でも平均的な1ノート音の長さは略等しくなるものと想定すれば、通常は、各音色における押鍵回数の累計値と演奏時間も累計値とは略比例するものと推測できる。例えば、押鍵回数が多ければ、通常は演奏時間も長くなるはずである。したがって、押鍵回数を基準にする順位と、演奏時間を基準にする順位とは、通常は一致するだろう。
CPU30は、前記図3のステップS1で、前記図5(a)に例示する「音色トップ10表示」を表示する場合、ディプレイ10に、前記図6に示す使用頻度の情報(通算押鍵回数TPNの順位と通算演奏時間TSTの順位)に基づいて、上位10個の音色を使用頻度の高い順に並べたリスト(「使用頻度順の音楽要素のリスト」)を表示するように制御する。音色名の表示順は、画面を表示する時点で最新の使用頻度の情報に基づく。音色名表示欄には、音色番号と音色名(例えば「001」「ライブ!グランドピアノ」など)が表示される。この音色名等の表示に対応付けて、その音色の通算押鍵回数TPNと通算演奏時間TSTとが表示される。なお、音楽要素選択画面(音楽要素リスト)において音色を特定するために表示する情報は、音色番号及び音色名に限らず、例えば音色を示すアイコンでもよい。
「音色トップ10表示」において、押鍵回数の順位及び演奏時間の順位のいずれを基準にして上位10個の音色を並べるかは、例えばユーザが任意に指定できる。例えば、前記ステップS1の表示処理で「音色トップ10表示」を行う都度、ユーザにより押鍵回数又は演奏時間の何れの順位を基準にするかの指定を受け付けてもよいし、或いは、押鍵回数又は演奏時間の何れの順位を基準にするかを予め設定しておき、その設定に従って「音色トップ10表示」を行うようにしてもよい。
画面の見出し欄(「使用頻度トップ10」)には、使用頻度の計測を継続した期間が表示される(「79days 12hours」)。一例として、使用頻度の計測を継続した期間は、使用頻度の計測開始(前回のリセット時点)から現時点までの期間を表す。別の例として、期間は、現時点から所定期間前(例えば90日前)までの期間を表す。
「音色トップ10表示」画面での音色選択方法の一例は、例えばテンキー13を使って、表示中の10個の音色から任意の音色番号、例えば「407」を入力することにより、入力した音色番号に対応する音色名を選択する、というものである。選択された音色名は他とは異なる表示形態(例えば表示色を反転するなど)で表示される。ユーザは、例えばエンターキー29を押すことで、選択中の音色を現在使用する音色として指定する(選択を確定する)ことができる。別の方法は、ホイール12の回転操作により、任意の音色名の上に選択カーソルの位置を移動して、その音色を選択するというものである。また、ディスプレイ10がタッチパネル機能を有する場合、画面へのタッチ操作により任意の音色を選択及び指定できる。
また、CPU30は、前記図3のステップS1で、前記図5(b)に例示する「音色一覧表示」画面を表示する場合、該電子楽器1のメモリ内に記憶された全音色をカテゴリ別に、網羅的に表示させる(「網羅的音楽要素リスト」を表示する)ように制御する。「音色一覧表示」画面において、音色名一覧表示欄は、例えば音色番号順など適宜の整列ルールに従って、音色番号と音色名を所与の数ずつ(例えば5ずつ)表示する。音色名一覧表示欄では、これら縦並びに表示された5つの音色名のうち中央に位置するもの(図の例では「003 グランドピアノ」)が選択状態となり、他とは異なる表示形態(例えば表示色を反転し、且つ、表示枠を大きくするなど)で表示される。カテゴリ欄は、音色名一覧表示欄で選択中の音色に対応するカテゴリ名を、欄内の略中央付近に大きく表示する。ここで、「音色一覧表示」画面に表示され得る該電子楽器1のメモリ内に記憶された全音色とは、電子楽器1のメモリ31、32又は33に予め(例えば工場出荷状態で)記憶されている“プリセット音色”(図6の音色番号「001」〜「300」まで)と、外部サーバから取得してメモリ31、32又は33に追加保存した取得済み追加音色(図6の音色番号「400」〜「415」まで)である。
「音色一覧表示」画面での音色選択方法の一例は、例えばホイール12の回転操作により、音色名一覧表示欄に表示される5つの音色名を、例えば音色番号順にスクロールし、それにより、音色名一覧表示欄の中央に位置する音色名(すなわち選択状態の音色)を変更し、任意の音色名が選択された状態で、例えばエンターキー29を押し、その選択中の音色を現在使用する音色として指定する、というものである。別の例としては、テンキー13を使って任意の音色番号を入力することで、その音色番号に対応する1つの音色を選択してもよい。また、ディスプレイ10がタッチパネル機能を有する場合、画面へのタッチ操作により任意の音色を選択及び指定できる。「音色一覧表示」画面において、選択状態の音色名が変更されると、必要に応じて、カテゴリ欄で中央に表示するカテゴリも変更される。また、この場合もカテゴリ欄で中央に表示するカテゴリをユーザ操作により変更し、該カテゴリの変更に応じて音色名一覧表示欄に表示する音色名群を変更できてもよい。
また、CPU30は、前記図3のステップS1で、図5(c)に例示する「音色トップ10表示」と「音色一覧表示」を同時に表示する画面を表示する場合、図5(a)の「音色トップ10表示」と、図5(b)の「音色一覧表示」を1画面内に同時に表示するように制御する。この場合、全ての音色を網羅的に表示する「音色一覧表示」画面を表示させつつ同時に、「音色トップ10表示」画面で全ての音色のうちで使用頻度上位10位の音色をユーザに提示できる。ユーザは、「音色トップ10表示」と「音色一覧表示」の両方を参照して、任意の音色を選択できる。この場合、「音色トップ10表示」画面から任意の音色を選択することもできるし、或いは、「音色一覧表示」画面から任意の音色を選択することもできる。電子楽器1は、図5(a)、(b)、(c)に示すように、ディスプレイ10に、「音色トップ10表示」画面及び「音色一覧表示」画面を同時又は選択的に表示させることもできる。
次に、電子楽器1において、音色毎の使用頻度情報として、押鍵回数及び演奏時間を計測するための処理例について説明する。図7は、「押鍵回数」と「演奏時間」との2種類の使用頻度を音色毎に計測するための処理の一例を示すフローチャートである。ステップS2において、CPU30は、処理対象となる発音チャンネルを示す変数CHに、1つ目の発音チャンネル(後述図8の「CH01」)を示す値(「1」)を格納する。
ステップS3において、CPU30は、処理対象の発音チャンネルで、何らかのMIDIイベント信号を受け付けたかどうか判断する。MIDIイベント信号を受け付けた場合(ステップS3の「Yes」)、CPU30は、該受け付けたMIDIイベント信号に応じた処理を実行する。
前記ステップS3で受け付けたMIDIイベント信号が、音色の変更を指示する音色変更信号の場合(ステップS4の「Yes」)、ステップS5において、CPU30は、図7の音色指定バッファ中の当該処理対象の発音チャンネルに対応する現在指定中の音色CTCの値を、音色変更信号によって指示される音色を示す値(例えば音色番号)で上書きする。図8は、メモリ31、32又は33に設けられた音色指定バッファの構成例を示す。音色指定バッファは、ディスプレイ10を含む操作パネル20上での音色選択操作及びMIDI自動演奏データの入力に対応して設けた一次バッファ50と、音源34に備わる複数の発音チャンネル「CH01」〜「CH32」の各々に対応して設けた二次バッファ51との2階層で構成されており、現在使用する音色として指定された音色CTCを示す値を格納する。図8の例では、一次バッファ50は、鍵盤操作に対して2種類の音色を指定でき(後述する「デュアル発音」機能に対応)、また、MIDI自動演奏データを構成する複数MIDIチャンネル(例えば16チャンネル)のそれぞれに音色を指定できるように構成される。音色変更信号は、ユーザが図5(a)〜(c)の音色選択画面で任意の音色を選択して、それを現在使用する音色CTCとして指定したとき(前記選択を確定したとき)に発生し、一次バッファ50に一時記憶される。その後、ユーザにより鍵盤(演奏操作子)11が演奏操作されると発音割り当て処理(周知技術)時に、該指定された音色CTCが二次バッファ51に書き込まれ、該音色CTCの情報は演奏情報とともに音源34の各発音チャンネルに送信される。また、伴奏スタイルデータやソングデータ等の再生によるMIDI自動演奏入力時には、MIDI自動演奏データに含まれる音色変更イベントが実行されるときにも、音色変更信号が発生する。発生した音色変更信号は、上記と同様に、まず一次バッファ50に一時記憶され、発音割り当て処理時に二次バッファ51書き込まれて、音源34の各発音チャンネルに送信される。これにより、音色選択画面でのユーザ操作に従い、当該処理対象の発音チャンネルで現在指定中の音色が変更される。
また、前記ステップS3で受け付けたMIDIイベント信号が、1ノート音の発音開始を指示するキーオン信号の場合(ステップS6の「Yes」)、CPU30は、現在指定中の音色CTCに関する押鍵回数を計測する処理(ステップS7〜S10)を行う。キーオン信号は、鍵盤(演奏操作子)11の演奏操作に応じて発生する。また、MIDI自動演奏入力時には、そこに含まれるキーオンイベントが実行されるときにキーオン信号が発生する。
CPU30は、ステップS7において、1回の押鍵に対して2種類の音色を使って楽音を生成する「デュアル発音」機能が指定されているかどうかを調べる。「デュアル発音」機能が指定されていない場合(ステップS7のNo)、ステップS9において、CPU30は、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの今日一日分の押鍵回数CPNの値を「1」増やす。一方、「デュアル発音」機能が指定されている場合(ステップS7のYes)、CPU30は、ステップS8において、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの今日一日分の押鍵回数CPNの値を「0.5」増やす。すなわち、この例では、「デュアル発音」機能指定中は、1回の押鍵毎に、該当する2つの音色それぞれの押鍵回数を0.5ずつカウントするようになっている。別の実施形態は、「デュアル発音」機能の指定有無を区別せず(前記ステップS7、S8の処理をなくして)に、キーオン信号毎に押鍵回数CPNの値を1ずつカウントするように構成してもよい。
ステップS10において、CPU30は、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの通算押鍵回数TPNの値を更新する。「デュアル発音」機能が指定されていない場合、現在指定中の音色CTCの通算押鍵回数TPNの値を「1」増やす一方、「デュアル発音」機能が指定されている場合は、現在指定中の音色CTCの通算押鍵回数TPNの値を「0.5」増やす。使用頻度の計測を継続している全期間は、例えば、前述の通り、前回リセット時点から現時点まで、又は、現時点から所定期間前(例えば90日前)までの期間である。
前記ステップS3で受け付けたMIDIイベント信号が、1ノート音の発音終了を指示するキーオフ信号の場合(ステップS11の「Yes」)、CPU30は、当該処理対象の発音チャンネルで現在指定中の音色CTCに関する演奏時間を計測する処理(ステップS12〜S16)を行う。
CPU30は、ステップS12において、前記受け付けたキーオフ信号に対応するキーオン信号を受け付けてから、該キーオフ信号を受け付けるまでの経過時間MTを計測し、メモリ31、32又は33に記憶する。これにより、当該キーオン信号及びキーオフ信号に応じて生成された1ノート音分の楽音信号の演奏時間を得る。例えば、CPU30は、キーオン信号を受け付けた時点からタイマを起動して経過時間MTを計測できる。あるいは、CPU30は、キーオン信号を受け付けた時刻とキーオフ信号を受け付け時刻とを記録し、該記録した2つの時刻間の経過時間MTを計算してもよい。
CPU30は、ステップS13において、「デュアル発音」機能が指定されているかどうかを調べ、指定されていない場合(ステップS13のNo)は、ステップS15において、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの今日一日分の演奏時間CSTの値に、前記ステップS12で計測した経過時間MTを加算する。一方、「デュアル発音」機能が指定されている場合(ステップS13のYes)、ステップS14において、CPU30は、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの今日一日分の演奏時間CSTの値に、前記前記ステップS12で計測した経過時間MTに「0.5」を乗算した値(経過時間MTの0.5倍の時間)を、加算する。なお、「デュアル発音」機能の指定有無を区別せず(前記ステップS13、S14の処理を無くして)に、1回のキーオフ信号毎に、その音色の演奏時間CSTの値に経過時間MTを加算するように構成してもよい。
ステップS16において、CPU30は、メモリ31、32又は33に記憶された、現在指定中の音色CTCの通算演奏時間TSTの値を更新する。「デュアル発音」機能が指定されていない場合は、現在指定中の音色CTCの通算演奏時間TSTの値に経過時間MTを加算する一方、「デュアル発音」機能が指定されている場合は、現在指定中の音色CTCの通算演奏時間TSTの値に、「経過時間MT×0.5」を加算する。
前記ステップS6〜S10の処理又は前記ステップS11〜S16の処理を行った後、若しくは、受け付けたMIDIイベントが音色変更信号、キーオン信号又はキーオフ信号のいずれでもない場合(ステップS4のNo、ステップS6のNo又はステップS11のNo)、若しくは、処理対象の発音チャンネルで何らMIDIイベントを受け付けていない場合(ステップS3のNo)、CPU30は、ステップS17において、変数CHの値を1つ増加して、処理対象の発音チャンネルを変更する。例えば、現在の変数CHの値が「1」の場合、変数CHの値を「2」に変更して、「CH02」を新たな処理対象の発音チャンネルにする。
そして、ステップS18において、CH01〜CH32までの全ての発音チャンネルを処理対象として前記ステップS3以降の処理を終えるまで(ステップS18のNo)、CPU30は、前記ステップS3以降の処理をループする。これにより、全ての発音チャンネルに現在指定中の音色のそれぞれについて、押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、演奏時間CST及び通算演奏時間TSTを計測できる。CPU30は、ステップS7〜S10及びステップS12〜S16により計測した音色毎の使用頻度情報(押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、演奏時間CST及び通算演奏時間TST)を、メモリ31、32又は33に記憶された音色の各種情報(図6参照)に上書きする。
CH01〜CH32までの全ての発音チャンネルについて、前記ステップS3以降の処理を終えた後(ステップS18のYes)、CPU30は、当該電子楽器1がサーバ2又は3に接続中の場合、前記ステップS7〜S10及び前記ステップS12〜S16により計測した使用頻度情報(押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、演奏時間CST及び通算演奏時間TST)を、該接続中のサーバ2又は3に送信する(ステップS19)。サーバ2及び3は、電子楽器1から受信した使用頻度情報を、データベースに蓄積する。サーバ2、3は、データベースに蓄積された複数ユーザからの使用頻度情報を音色毎に集計することにより、該集計結果を複数ユーザにおける音色毎の使用頻度情報の集計情報を得ることができる。このステップS19が、「前記接続手段を介して、前記使用頻度取得手段により取得された当該電子音楽装置における前記使用可能な複数の音楽要素それぞれの使用頻度情報を、前記外部サーバに提供する提供手段」である。
なお、前記ステップS7〜S10及び前記ステップS12〜S16による処理は、(1)演奏操作子11の演奏操作に応じたキーオン信号及びキーオフ信号に応じて、使用頻度情報を計測してもよいし、(2)伴奏スタイルデータやソングデータなどMIDI演奏データの自動再生により発生したキーオン信号及びキーオフ信号に応じて、使用頻度情報を計測してもよい。(1)、(2)両方により使用頻度情報を計測してもよいし、或いは、(1)又は(2)の何れか一方を基準に使用頻度情報を計測してもよい。使用頻度情報を計測する基準として(1)又は(2)の何れか又は両方を用いるか、ユーザが指定できるようにすると、使用頻度情報の計測にユーザの意図が反映されて好ましい。なお、(2)の場合、MIDI演奏データは通常複数MIDIチャンネル(例えば16チャンネル)からなり、MIDIチャンネル毎に音色を指定できる。したがって、MIDIチャンネル毎に使用頻度情報を計測する。すなわち、MIDI演奏データのMIDIチャンネル毎に現在指定中の音色について、キーオン信号の発生毎に押鍵回数CPN、TPNをカウントし、1ノート音毎(キーオン信号からキーオフ信号まで)の演奏時間CST,TSTをカウントする。
なお、前記図7に示す音色の使用頻度計測処理において、更に、鍵盤11を複数エリアに分けて各エリアで異なる音色を指定できるスプリット機能が指定されているか否かを判定し、スプリット機能が指定されている場合、押鍵回数及び演奏時間の計測値を、音色毎にエリア数分の1倍して加算カウントしてもよい。例えば鍵盤11が2エリアに分割されている場合は、1回のキーオン信号毎に0.5ずつ加算、演奏時間の0.5倍値を加算する。鍵盤11が4エリアに分割されている場合は、1回のキーオン信号毎に0.25ずつ加算、演奏時間の0.25倍値を加算する。
電子楽器1は、上述したステップS7〜S10により計測した音色毎の押鍵回数の累計値と、上述したステップS12〜S16により計測した音色毎の演奏時間の累計値とを、音色毎の使用頻度情報として、取得できる。前記のステップS7〜S10及びステップS12〜S16が、「前記使用可能な複数の音楽要素それぞれについて、その音楽要素の使用状況に基づいて、ユーザにより使用された頻度を示す使用頻度情報を取得する使用頻度取得手段」である。音色毎の押鍵回数及び演奏時間を計測しているので、この使用頻度情報は、現在指定中の音色CTCが当該電子楽器1のユーザによって実際にどれだけ演奏に使用されたかを正確に反映したものとなる。図5(a)等の「音色トップ10」表示は、かかる計測結果として得た使用頻度のデータに基づく順番で表示するので、ユーザが実際に演奏に使用する頻度を正確に反映した順位で音色の選択肢を表示できる。従って、ユーザは、「音色トップ10」表示から、自身が頻繁に使用する音色を簡単に見つけ出すことができる。また、ユーザが頻繁に使う音色ほど上位に表示されるので、ユーザが電子楽器1を使い込むほど、自身が頻繁に使う音色が選び易く表示されるようになる。すなわち、ユーザは、自身の音色使用傾向に応じて音色選択画面(「音色トップ10」表示)をカスタマイズできる。すなわち、前記ステップS1により図5(a)等の「音色トップ10」表示を行うことが、「前記使用頻度取得手段により取得された使用頻度情報に基づいて、前記複数の音楽要素のうち少なくとも一部を、該使用頻度に応じた順番に並べて表示するように、前記表示手段における前記音楽要素リストの表示を制御する表示制御手段」である。
図9は、電子楽器1のメモリ31、32又は33に記憶された使用頻度情報(一日分の押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、一日分の演奏時間CST及び通算演奏時間TST)をリセットする処理の一例を示すフローチャートである。前記図5(a)又は(c)のように「音色トップ10」がディスプレイ10に表示された状態で、リセットボタン28が押された場合(ステップS20のYes)、CPU30は、ステップS21において、メモリ31、32又は33に記憶された全音色の使用頻度情報(一日分の押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、一日分の演奏時間CST及び通算演奏時間TST)をゼロにリセットする。以後、電子楽器1は、各音色の使用頻度のデータを新たに計測開始できる。
前記ステップS10及び前記ステップS16において通算の使用頻度情報の計測する期間が現時点から所定期間前までである場合、該所定期間(例えば90日前まで)はプリセットしておいてもよいが、ユーザにより任意に変更できるようにしてもよい。また、現時点から所定期間までの使用頻度情報を計測する場合は、日付変更に応じて、使用頻度情報(一日分の押鍵回数CPN、通算押鍵回数TPN、一日分の演奏時間CST及び通算演奏時間TST)を更新する必要がある。図10は、所定期間の変更処理と日付変更時のデータ更新処理の一例を示すフローチャートである。図10において、ユーザによる所定期間の変更指示を受け付けた場合(ステップS22のYes)、CPU30は、該所定期間を入力された値に変更するとともに、新たな所定期間に合わせて、通算押鍵回数TPNと通算演奏時間TSTを再計算するとともに、再計算結果に従い各音色の順位を更新する(ステップS23)。また、日付が変わった場合(ステップS24のYes)、CPU30は、ステップS25において、所定期間の範囲(例えば現時点から90日前)から外れた1日分の押鍵回数CPNと演奏時間CSTを除外して、通算押鍵回数TPNと通算演奏時間TSTを更新する。また、CPU30は、日付変更後の新しい一日分の押鍵回数CPNと演奏時間CSTをゼロにリセットするとともに、過ぎた一日分の押鍵回数CPNと演奏時間CSTの値は、日付変更時(すなわち一日分の計測を終了した後に)、過去の1日分の押鍵回数及び演奏時間として、計測された日付情報に対応付けてメモリ31、32又は33に保存する。
次に、電子楽器1のCPU30が、前記図3のステップS1において、外部サーバ(図1の「サーバA」2及び「サーバB」3)の提供する複数音色を選択肢とする音色選択画面を、ディスプレイ10に表示する場合について説明する。この場合、電子楽器1は、前述した図5(a)等に示すような、電子楽器1自身のメモリ31、32又は33に記憶された音色群を表示する音色選択画面とは異なり、外部サーバから提供可能な音色群を選択肢として表示する「外部取得音色」画面を、ディスプレイ10に表示する。
図11は、電子楽器1において「外部取得音色」画面を表示して、該画面で選択された音色を取得する処理の一例を示すフローチャートであって、電子楽器1において実行される処理と、サーバ側の処理とを並行して描いている。電子楽器1のCPU30は、ステップS26において、「外部取得」選択ボタン23がオン状態であるか調べる。「外部取得」選択ボタン23がオフ状態の場合(ステップS26のNo)、電子楽器1のCPU30は、処理を終了する。
「外部取得」選択ボタン23がオン状態(ステップS26のYes)であるが、当該電子楽器1がインターネット上のいずれのサーバ2又は3にもログイン中でない場合は、CPU30は、ステップS27において、接続可能な外部サーバをディスプレイ10に一覧表示して、ユーザによるログインサーバの選択を受け付ける。電子楽器1は、ユーザにより選択されたサーバ(以下の説明では、一例として符号2の「サーバA」)に接続し、該接続したサーバ2にログインする。ユーザは、サーバ2にログインするためのクライアントID等を入力する。ステップS28において、サーバ2は、入力されたクライアントIDに基づいて自身のデータベースを参照して、該データベースにユーザ毎に記憶した電子楽器の機種情報のうち、今回ログインした電子楽器1の機種情報を特定する。
電子楽器1のCPU30は、ステップS29において、前記一次バッファ50又は二次バッファ51を参照して、現在指定中の音色CTCを示す情報、又は、現在指定中の音色CTCのカテゴリを示す情報を、ログイン中のサーバ2に送信することにより、該指定した音色又はカテゴリに対応する音色の一覧情報をサーバ2に要求する。なお、「デュアル発音」機能が指定されている場合、CPU30は、指定された2種類の音色CTCのうち何れか一方の優先される音色を示す情報、又は、該優先される音色のカテゴリを示す情報を、サーバ2に送信する。
ステップS30において、サーバ2は、前記ステップS28で特定した電子楽器1の電子楽器1の機種情報と、前記ステップS29により該電子楽器1から受信した現在指定中の音色、又は、そのカテゴリを示す情報とに基づいて、当該サーバで提供可能な複数の音色に関する情報のデータベースを参照して、電子楽器1に提供可能な音色の一覧情報を作成し、作成した一覧情報を電子楽器1に送信する。一覧情報は、自身で提供可能な複数の音色の中から、電子楽器1の機種情報に適合し、且つ、電子楽器1で現在指定中の音色又は音色のカテゴリに該当する音色群を検索することにより作成される。一覧情報は、電子楽器1において、「外部音色取得」画面を表示するためのリスト表示用データである。
図12(a)は、「サーバA」2のデータベースに記憶された、当該サーバで提供可能な複数の音色に関する各種情報の一覧表の例示である。「サーバA」2のデータベースには、音色毎の情報として、「カテゴリ名」、「音色番号」、「音色名」、その音色を構成する音色波形データの個数、音色波形データのサイズ(ビット数)、販売価格(図においては日本円単位で表示)、機種毎の対応情報(図では「DMI01」、「DMI02」、及び「DMI03」の3種類の機種の対応情報)、及び、アクセス履歴の集計情報(「累計購入数」)が、記憶される。
図12(a)の例では「ピアノY社」、「ピアノB社」・・・「パーカッション」など楽器別のカテゴリ毎に、5種類ずつ音色が用意されている。機種毎の対応情報(「DMI01」、「DMI02」及び「DMI03」)は、当該音色がその機種に対応していることを示す値「1」、又は、当該音色がその機種に対応していないことを示す値「0」を持つ。例えば、「ピアノY社」の音色「01 グランドP CFX」は、1つの機種「DMI01」にのみ対応し、その他の機種「DMI02」及び「DMI03」には非対応である。サーバ2は、前記ステップS30において、機種毎の対応情報の値を参照して、電子楽器1の機種に対応する音色を検索できる。音色を構成する音色波形データの個数及び音色波形データのサイズ(ビット数)の情報は、その音色の品質の高低を判断する指標の1つとして利用できるだろう。
また、アクセス履歴の集計情報は、当該音色が現時点までにどれだけユーザたちからアクセスされたかというアクセス履歴を集計した集計情報であり、例えば、その音色が現時点までにダウンロード購入(取得)された回数を示す値(「累計購入数PN」)である。サーバ2は、その音色が購入される度に購入数PNの値を1つずつ加算する。この購入数PNにより、例えばサーバ2のサービスを利用している全ユーザにより頻繁に購入されている音色の順位や、或いは、特定機種の電子楽器のユーザグループ、或いは、或る音色を過去に購入したユーザグループ(すなわち一部ユーザ)が、その他にどのような音色を多く購入しているかを特定できる。なお、アクセス履歴の集計情報は、購入数PNに限らず、例えば音色が試聴された回数の集計値(試聴数)など、購入数PN以外の音色使用行動(音色へのアクセス行動)を基準にした情報でもよい。
また、前記図12(a)には不図示だが、サーバ2のデータベースには、音色毎の情報として、更に、前記図7のステップS19により各電子楽器から提供された音色毎の使用頻度情報(少なくとも通算押鍵回数TPN又は通算演奏時間TST)を集計した集計情報(以下の説明では、一例として押鍵回数の集計値GTPN)が、記憶され得る。この集計値GTPNにより、電子楽器1は、例えばサーバ2のサービスを利用している他の全てのユーザにおける音色毎の使用頻度の順位、或いは、特定機種の電子楽器のユーザグループ、或いは、或る音色を過去に購入したユーザグループ(すなわち一部ユーザ)における音色毎の使用頻度の順位を得ることができる。
図11に戻ると、ステップS31において、電子楽器1のCPU30は、前記ステップS30によりサーバ2から提供された一覧情報を受信し、ステップS32において、該受信された一覧情報に基づき、外部取得音色選択画面を表示して、ユーザによる音色の選択を受け付ける。ここで、受信された一覧情報は、電子楽器1の機種情報に適合し、且つ、電子楽器1で現在指定中の音色又は音色のカテゴリに該当する音色群を示す情報であり、それら音色群それぞれについて、前記図12(a)に例示した各種関連する情報、すなわち、「カテゴリ名」、「音色番号」、「音色名」、その音色を構成する音色波形データの個数、音色波形データのサイズ、販売価格、機種毎の対応情報、及び、サーバ側で集計した使用頻度の集計情報(すなわち、アクセス履歴の集計情報及び/又は他のユーザにおける使用頻度の集計情報)を含む。銭ステップS31で一覧情報を受信することが、サーバ側で集計した使用頻度の集計情報(すなわち、アクセス履歴の集計情報及び/又は他のユーザにおける使用頻度の集計情報)を、外部サーバから取得することに相当する。
図13は、「外部取得」選択ボタン23に関連する表示ルールの一例である。CPU30は、前記ステップS32において外部取得音色選択画面を表示する際、該図13に例示する表示ルールに従って、外部取得先の音色選択画面を決定できる。なお、この説明においても、「音色」選択ボタン24がオン状態(選択の対象となる音楽要素が音色である)ことを想定している。例えば、「音色」選択ボタン24がオン且つ「外部取得」選択ボタン23がオン状態である一方「トップ10」選択ボタン21がオフ状態の場合、CPU30は、前記ステップS32において、図14(a)に例示する「外部取得音色」画面(「外部取得音楽要素リスト」)をディスプレイ10に表示する。「外部取得音色」画面には、電子楽器1の機種情報に適合し、且つ、電子楽器1で現在指定中の音色又は音色のカテゴリに該当する音色群が選択肢として表示される。且つ、CPU30は、前記ステップS32において、「外部取得音色」画面に表示される選択肢を、前記取得された一覧情報に含まれる購入数PNに基づく順番に並べて表示するように制御する。図14(a)の例では、現在指定中の音色のカテゴリが「ピアノ」であることを想定し、電子楽器1の機種に適合するピアノカテゴリの音色(「ピアノY社」の5つの音色と「ピアノB社」の5つの音色)を、選択肢として表示する。音色毎に試聴ボタンが設けられており、ユーザはデータ購入前に音色を試聴できる。また、前記ステップS31で受信された一覧情報に他のユーザにおける使用頻度の集計情報GTPNが含まれる場合、CPU30は、前記ステップS32において、「外部取得音色」画面に表示される選択肢を、使用頻度の集計情報GTPNに基づく順番に並べて表示するように制御する。このステップS32の表示制御が、「表示制御手段において、前記外部サーバから取得された前記使用頻度の集計情報又は前記アクセス履歴の集計情報に基づいて、前記複数の音楽要素のうち少なくとも一部を、該集計情報に応じた順番に並べて表示するように、前記表示手段における音楽要素リストの表示を制御すること」に相当する。
「外部取得音色」画面での音色選択方法は、前記図5等を参照して説明した方法と同様に、例えばテンキー13を使って音色番号を入力して、エンターキー29により、選択を確定すること、或いは、ホイール12の回転操作により選択カーソルの位置を移動して音色を選択すること、或いは、ディスプレイ10がタッチパネル機能を有する場合、所望の音色名をタッチすることなどである。「外部取得音色」画面で音色を選択し、その選択を確定することで、ユーザは、選択した音色の購入指示を入力できる。
また、「音色」選択ボタン24、「外部取得」選択ボタン23、及び、「トップ10」選択ボタン21がオン状態である場合、CPU30は、前記ステップS32において、ディスプレイ10に、図14(b)に例示するような、前記「外部取得音色」画面と「音色トップ10」画面とを同時に表示する画面を表示するように制御する。ここで「音色トップ10」は、図5(a)を参照して説明したものと同様である。ユーザは、「外部取得音色」画面と「音色トップ10」画面の何れからでも音色を選択し、選択した音色を使用する音色として指定(選択を確定)できる。
また、図13の表示ルールに不図示だが、「音色」選択ボタン24、「外部取得」選択ボタン23、「トップ10」選択ボタン21、及び、「一覧」選択ボタン22がオン状態の場合、CPU30は、前記ステップS32において、ディスプレイ10に、図14(c)に例示するような、「音色一覧表示」画面、「外部取得音色」画面及び「トップ10」画面を同時に表示する画面を表示するように制御する。ここで「音色一覧表示」は、図5(b)を参照して説明したものと同様である。ユーザは、「外部取得音色」画面、「音色トップ10」画面及び「音色一覧表示」画面の何れからでも音色を選択し、選択した音色を使用する音色として指定(選択を確定)できる。また、「音色」選択ボタン24、「外部取得」選択ボタン23と、「一覧」選択ボタン22とがオン状態の場合、CPU30は、前記ステップS32において、ディスプレイ10に、図示を省略した、「外部取得音色」画面と「音色一覧表示」画面とを同時に表示する画面を表示するように制御する。
電子楽器1のCPU30は、ステップS33において、「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面の表示上で音色の選択の変更があったかどうか調べる。図14(b)、(c)のように、「外部取得音色」画面と同時に「音色トップ10」画面又は「音色一覧表示」画面の少なくとも一方を表示する場合、「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面で、音色の選択状態を変更した場合又は音色を変更する指示をした場合、同時に表示中の「外部取得音色」画面に表示される音色群が変更される場合がある。例えば、「音色トップ10」画面で選択中の音色が「003 グランドピアノ」から「025 スイート!クラリネット」に変更された場合、同時に表示中の「外部取得音色」画面に表示される音色群は、例えば管楽器系の音色群に変わる。「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面の表示上で音色の選択の変更があった場合(ステップS33のYes)、前記のステップS29に戻り、新たなに指定された音色に関して、前述したステップS29以下の処理を行う。これにより、現在指定中の音色の変更に応じて動的に、「外部取得音色」の表示内容を変更できる。なお、CPU30は、「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面で音色の選択状態が変更されただけ(未だ選択の確定、すなわち指定はされていない、仮指定の状態)で、ステップS33をYesに分岐してもよいし、或いは、「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面で音色が指定された状態(選択が確定して音色CTCの変更が指示された状態)、ステップS33をYesに分岐してもよい。
「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面の表示上で音色の選択又指定がない場合(ステップS33のYes)、若しくは、「外部取得音色」画面と同時に「音色トップ10」画面や「音色一覧表示」画面が表示されていない場合、CPU30は、ステップS34において、「外部取得音色」画面で音色の購入指示が入力されたかどうか判断する。「外部取得音色」画面で音色の購入指示がない場合(ステップS34のNo)、CPU30は、前記のステップS29に戻り、ステップS29以下の処理をループする。なお、その間に「外部取得」選択ボタン23がオフされた場合、CPU30は処理を終了する。
「外部取得音色」画面で音色の購入指示が入力された場合(ステップS34のYes)、CPU30は、ステップS35において、該購入指示された音色を特定する情報をサーバ2に送信するとともに、ディスプレイ10に購入取得画面(不図示)を表示して、購入手続を進行する。ユーザは、購入するコンテンツや支払い方法の確認等を含む購入手続を行う。
ステップS36において、サーバ2は、前記ステップS35において電子楽器1から受信した情報に基づいて、今回購入指示された音色を特定し、必要に応じて課金処理を行った後、購入指示された音色のデータ(1又は複数の音色波形データを含むデータファイル)を、電子楽器1に送信する。
電子楽器1のCPU30は、ステップS37において、音色のデータをサーバ2から受信する。このとき、必要に応じて、受信した音色に対して判別可能なユニークなファイル名を付け直してもよい。電子楽器1のCPU30は、ステップS38において、前記受信された音色のデータを、メモリ31、32又は33(例えばフラッシュメモリ33)に、外部から取得済みの追加音色データ(「追加」カテゴリの音色。図6参照)として、新規に記憶する。前記ステップS37が「外部から前記音楽要素を新たに取得する外部音楽要素取得手段」である。この取得済みの追加音色の新規保存処理の詳細は後述する。外部から取得済みの追加音色データは、当該電子楽器1のメモリ31、32又は33に記憶されることにより、該電子楽器1に既存の音色の1つとして、例えば「音色トップ10」画面や「音色一覧」画面に表示したり、楽音信号の生成に使用したりできる。そして、外部から取得された追加音色データが使用された場合、CPU30は、外部から取得した追加音色データについても、前記ステップS7〜S10及び前記ステップS12〜S16により使用頻度情報を計測し、その計測結果を記憶できる。したがって、CPU30は、図5(a)等の「音色トップ10」画面をディスプレイ10に表示するとき(前記ステップS1)は、取得済みの追加音色データも含めて、使用頻度情報に応じた順番に並べて表示できる。この前記ステップS7〜S10及び前記ステップS12〜S16の使用頻度情報の計測が、「前記使用頻度取得手段は、更に、前記外部取得手段により外部から取得された音楽要素についても、その音楽要素の使用状況に基づく使用頻度情報を取得」に相当し、また、前記ステップS1の処理が「前記表示制御手段は、前記外部取得手段により外部から取得された音楽要素も含めて、前記使用頻度に応じた順番に並べて表示するように、前記表示手段における音楽要素リストの表示を制御すること」に相当する。
電子楽器1のCPU30は、「外部取得」選択ボタン23がオフ状態になるまで(ステップS39のNo)、ステップS27以下の処理をループする一方、「外部取得」選択ボタン23がオフ状態になった場合(ステップS39のYes)、処理を終了する。サーバ2は、電子楽器1の接続が終了するまで(ステップS40のNo)、ステップS28以下の処理をループし、接続が終了した場合(ステップS40のYes)、処理を終了する。
前記ステップS32でディスプレイ10に表示される「外部取得音色」画面の別の実施例として、CPU30は、ディスプレイ10に、図15(a)に例示する、サーバAに記憶された音色群をカテゴリ別に網羅表示す外部音色一覧画面を表示するように制御してもよい。この場合、外部音色一覧画面には、電子楽器1の機種や、現在指定中の音色とは無関係に、サーバAに記憶された音色群をカテゴリ別に網羅表示される。ユーザは、この画面から任意の音色を選択してもよい。
前記ステップS32でディスプレイ10に表示される「外部取得音色」画面の更に別の実施例として、CPU30は、ディスプレイ10に、図15(b)に例示するような、「お薦め音色」画面を表示するように制御してもよい。「お薦め音色」画面は、サーバ2又は3の提供する音色等の購入可能コンテンツのうち、当該電子楽器1で現在指定中の音色CTCに関連する音色を購入した他の複数のユーザの購入数PN、或いは、該他の複数のユーザにおける音色の使用頻度の集計値GTPNの高い順に、音色等(「お薦め音色」)を表示する。
図15(b)は、一例として、「サーバB」3に関する「お薦め音色」表示画面を示す。「サーバB」3は、「サーバA」2と同様な音色のデータの販売に加えて、音色と他の楽音要素(例えば伴奏スタイル等)を組み合わせた「Premium Pack」を、購入可能コンテンツとして販売している。図12(b)は、「サーバB」3で提供可能な複数の音色等の購入可能コンテンツに関する各種情報の一覧表の例示である。図12(b)に示す通り、サーバ3のデータベースには、音色毎の各種情報として「カテゴリ名」、「音色番号」、「音色名」、音色波形データの個数、データサイズ(ビット数)、販売価格、機種毎の対応情報、及び、累計購入数を記憶するとともに、複数の「Premium Pack」それぞれについても、カテゴリ名、固有番号、パック名、サイズ(ビット数)、販売価格、機種毎の対応情報、及び、累計購入数を含む各種情報を記憶している。
「サーバB」3は、接続した電子楽器1に対して、図12(b)に例示する各種情報を参照して一覧情報を作成し、送信する(前記ステップS30)。電子楽器1は、サーバ3から一覧情報を受信し(前記ステップS31)、該受信された一覧情報に基づき、ディスプレイ10に図15(b)の「お薦め音色」画面を表示する(前記ステップS32)。「お薦め音色」画面には、電子楽器1の機種に適合し、且つ、現在指定中の音色CTC(例えば「グランドピアノ」)に関連するピアノ系の複数の音色のうち、該現在指定中のグランドピアノ音色を購入した他のユーザにおける購入数上位5つの音色が、人気順(購入数の多い順)に並べて表示されるとともに、該現在指定中のグランドピアノ音色を購入した他のユーザにおける購入数上位5つの「Premium Pack」が、人気順(購入数の多い順)に並べて表示される。ユーザは、この画面から任意の音色又は任意の「Premium Pack」を選択及び購入できる。
なお、「お薦め音色」画面の変形例として、品質を基準にして音色等の購入可能コンテンツを表示するようにしてもよい。その場合、例えば、電子楽器1の機種に適合し、且つ、現在指定中の音色CTC(例えば「グランドピアノ」)に関連するピアノ系の複数の音色及び「Premium Pack」のそれぞれ、品質の高いもの(例えば1音色を構成する音色波形データ数の多いもの)上位5つが「お薦め音色」画面に表示される。
図16は、前記ステップS38の新規保存処理の一例を示すフローチャートである。ステップS41において、電子楽器1のCPU30は、追加音色を新規保存又は上書き保存が要求されているかどうかを判断する。前述のように外部サーバから追加音色のデータを購入した場合は、購入した追加音色の新規保存が要求される。また、メモリ31、32又は33に既存の音色のデータを編集した場合、編集した音色のデータの上書き保存が要求される。例えば、メモリ31、32又は33に既存の追加音色のデータを編集した場合、その編集後の音色のデータは上書き保存されるか、若しくは、別の追加音色として名前を付け直して新規保存される。なお、プリセット音色を編集した場合、その編集後のデータは、新たな追加音色として名前を付け直し、新規保存される。音色の新規保存又は上書き保存の何れの要求もない場合(ステップS41のNo)、CPU30は処理を終了する。
音色の新規保存又は上書き保存が要求された場合(ステップS41のYes)、CPU30は、ステップS42において、当該音色の新規保存又は上書き保存を行った場合に、メモリ31、32又は33に設けられた追加音色用メモリ領域の所定容量を超えるかどうか調べる。追加音色用メモリ領域は、追加音色のデータ(図6の追加1、追加2、追加3のカテゴリに分類されるデータ)を記憶する領域である。メモリ31、32又は33に設けられたプリセット音色用メモリ領域はデータ書き込み不可であるから、調べない。
追加音色用メモリ領域の所定容量を超えてしまう場合(ステップS42のYes)、CPU30は、ステップS43において、追加音色用メモリ領域に既存の追加音色のデータの使用頻度情報を参照して、使用頻度が一番低い追加音色のデータを削除する。参照する使用頻度の情報は、押鍵回数又は演奏時間のいずれでもよいし、両方でもよい。例えば前記ステップS1で「音色トップ10」画面を表示する際等に追加音色の削除を行う場合に押鍵回数又は演奏時間の何れを基準にするかをユーザが指定してもよいし、或いは、何れを基準にするかを予め設定しておいてもよい。図6の例では、「追加3」カテゴリの番号「414」、音色名「マリンバ+1」が使用頻度の順位が一番低い追加音色であるから、これを削除することになる。
前記ステップS43において1つ追加音色を削除しても、依然として追加音色用メモリ領域の所定容量を超えてしまう場合(ステップS44のYes)、CPU30は前記ステップS43を繰り返し、更にもう1つ追加音色を削除する。そして、追加音色用メモリ領域の所定容量に空きができた後(ステップS44のNo)、CPU30は、ステップS45において、追加音色用メモリ領域に音色の新規保存又は上書き保存を行い、そして処理を終える。これにより、追加音色を新規保存又は上書き保存する際に追加音色用メモリ領域に空きがない場合、既存の追加音色のうち使用頻度の低いものから順に削除できる。
追加音色の新規保存又は上書き保存を行っても追加音色用メモリ領域の所定容量を超えない場合(ステップS42のNo)、CPU30は、前記ステップS45において、追加音色用メモリ領域に追加音色の新規保存又は上書き保存を行い、そして処理を終える。
なお、例えば外部サーバの音色提供サービスの規定により、1つの電子楽器1で同時に保存し使用できる追加音色の数やデータ容量が所定値までに制御されている場合、前記ステップS42において、CPU30は、更に、該外部サーバの音色提供サービスの規定による制限範囲を超えているか否かを判断する。また、前記ステップS42〜S44による使用頻度の順位が一番低い追加音色を削除する処理は、電子楽器1のメモリ31、32又は33にデータを保存するスペースが無い場合、すなわち、楽音信号の生成時等、追加音色を使用する際に、外部のサーバ2,3から所望の追加音色をリアルタイムで取得する場合にも適用できる。前記ステップS42〜S44が「前記外部音楽要素取得手段により新たな前記音楽要素が取得された場合に、前記使用頻度取得手段により取得された使用頻度情報に基づいて、使用頻度の低い1又は複数の音楽要素を、前記使用可能な複数の音楽要素のうちから削除する削除手段」である。
別の実施形態において、図5(a)等に示す「音色トップ10」画面を表示する場合、ユーザが複数の使用頻度の情報のうちから順位付け基準に使うものを任意に選択できるようにして、CPU30は、ユーザにより選択された使用頻度の情報を基準に、「音色トップ10」画面における音色の表示順を制御してもよい。
図17は、順位付け基準をユーザに選択させて「音色トップ10」画面の表示を行う処理の一例を示すフローチャートである。ステップS46において、CPU30は、「音色トップ10」表示における順位付けの基準として、下記の(1)〜(6)の何れかを、ユーザに選択させる。
(1)の使用頻度順位付け基準は、当該電子楽器1で計測した通算押鍵回数TPNに基づき音色の順位付けをする、というものである(ステップS47)。
(2)の使用頻度順位付け基準は、CPU30は、当該電子楽器1で計測した通算演奏時間TSTに基づき音色の順位付けをする、というものである(ステップS48)。
(3)の使用頻度順位付け基準は、アクセス先のサーバ2又は3で集計した、当該電子楽器1と同じ機種を使っている他の複数ユーザから提供された音色毎の使用頻度(例えば押鍵回数)の集計値GTPNに基づいて音色の順位付けをする、というものである(ステップS49)。他の複数ユーザは、当該電子楽器1と同じ機種を使っているので、該他の複数ユーザから提供された音色毎の使用頻度(例えば押鍵回数)の集計値GTPNは、当該電子楽器1で使用可能な音色に関するものとなる。
(4)の使用頻度順位付け基準は、アクセス先のサーバ2又は3のデータベースで集計した、当該電子楽器1と同じ機種を使っている他の複数ユーザにおける音色毎のアクセス履歴の集計情報(「購入数PN」)に基づいて、音色の順位付けをする、というものである(ステップS50)。この場合も他の複数ユーザにおける音色毎のアクセス履歴は、いずれも当該電子楽器1で使用可能な音色に関するものとなる。
(5)の使用頻度順位付け基準は、(1)の電子楽器1で計測した「通算押鍵回数TPN」と(3)のサーバ2、3で集計した「集計値GTPN」とを所定比率で重み付けして、音色の順位付けをする、というものである(ステップS51)。例えば、「通算押鍵回数TPN」+「集計値GTPN」/1000という計算の結果に基づき、音色の順位付けをする。
(6)の使用頻度順位付け基準は、(1)の電子楽器1で計測した「通算押鍵回数TPN」と(4)のサーバ2、3で集計した「購入数PN」を所定比率で重み付けして、音色の順位付けをする、というものである(ステップS52)。例えば、「通算押鍵回数TPN」+「購入数PN」×1000という計算の結果に基づき、音色の順位付けをする。
ステップS53において、CPU30は、前記(1)〜(6)のうちユーザにより選択された基準に基づいて音色毎の使用頻度の順位を算出して、上位のいくつかの音色(例えば上位10個の音色)を選択肢とする「音色トップ10」画面をディスプレイ10に表示し、ユーザによる所望の音色の選択を受け付ける。
図18は、前記ステップS53により表示される画面の一例であって、前記(5)の基準:(1)の「通算押鍵回数TPN」と(3)の「集計値GTPN」の組み合わせに基づいて、音色の使用頻度の順位付けをした「音色トップ10」画面の一例を示す。この場合、「音色トップ10」画面には、音色毎に、当該電子楽器1で計測した「通算押鍵回数TPN」、サーバで集計した他の複数ユーザ(「外部ユーザ」)における使用頻度の集計値GTPN、及び、押鍵回数TPNと使用頻度集計値GTPNの組み合わせた「総合使用頻度」での順位とが表示される。ユーザは、この画面から任意の音色を選択し、現在使用する音色として指定することもできる。
なお、前記図5(a)〜(c)、図14(a)〜(c)、図14(a)及び(b)に示す音色選択画面に表示する1又は複数のリスト画面(「音色トップ10」、「音色一覧表示」、「外部取得音色」、「お薦め音色」等)の組み合わせは、ユーザが任意に指定できるものであり、上述の例に限定されない。ユーザは、任意の1又は複数種類のリスト画面を、1つの音色選択画面内に同時に又は選択的に、表示させることができる。
ここまでの説明では、一例として、音楽要素が「音色」である場合を想定して説明をした。音楽要素は、音色に限らず、伴奏スタイル、効果、機能、ソングデータ等、何れであってもよい。例えば、ユーザが「伴奏スタイル」選択ボタン25を押したときに、「トップ10」選択ボタン21がオン且つ「一覧」選択ボタン22がオフの状態ならば、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、図19(a)に例示する「伴奏スタイルトップ10表示」画面を表示するように制御する。また、「トップ10」選択ボタン21がオフの状態で、ユーザが「伴奏スタイル」選択ボタン25を押した場合、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、図19(b)に例示するような「伴奏スタイル一覧表示」画面を表示するように制御する。また、ユーザが「伴奏スタイル」選択ボタン25を押したときに、「トップ10」選択ボタン21がオン、「一覧」選択ボタン22がオンの状態ならば、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、図19(c)に例示する「伴奏スタイルトップ10表示」と「伴奏スタイル一覧表示」を同時に表示する画面を表示するように制御する。
図20は、電子楽器1のメモリに記憶された全ての伴奏スタイルに関する各種情報の一覧表の一例である。図20に示す通り、各伴奏スタイルに関する各種情報は、それぞれ、「カテゴリ名」、「伴奏スタイル番号」及び「伴奏スタイル名」に加えて、その伴奏スタイルの使用頻度情報を含む。使用頻度の情報は、押鍵回数、押鍵回数での順位、演奏時間、及び、演奏時間での順位を含む。電子楽器1のCPU30は、図20の各種情報を参照して、図19(a)〜(c)に例示するような伴奏スタイル選択画面をディスプレイ10に表示できる。
伴奏スタイルに関する使用頻度の情報の計測処理、使用頻度の計測結果リセット処理、累計期間の変更等処理、外部サーバからの取得処理、及び、メモリへの新規保存処理は、前述した図7、図9、図10、図11、図16及び図17に例示するフローチャートの処理を、図中の文言「音色」を「伴奏スタイル」と読み替えて、適用できる。例えば、伴奏スタイルの使用頻度計測処理において、CPU30は、当該伴奏スタイルの再生時に発生するキーオン信号毎に押鍵回数を計測し(前記ステップS7〜S10)、また、1ノート音毎に演奏時間(前記ステップS12〜S16)を計測する。
また、例えば、ユーザが「効果」選択ボタン26を押した場合、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、効果を選択するための「トップ10表示」画面、「一覧」画面及び/又は「外部取得」画面(何れも不図示)を、ボタン21〜23のオフ・オフ状態の組み合わせに応じて表示するように制御する。効果に関しても、前述した図7、図9、図10、図11、図16及び図17に例示するフローチャートの処理を、図中の文言「音色」を「効果」と読み替えて、適用できる。
また、例えば、ユーザが「ソング」選択ボタン27を押した場合、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、ソングデータを選択するための「トップ10表示」画面、「一覧」画面及び/又は「外部取得」画面(何れも不図示)を、ボタン21〜23のオフ・オフ状態の組み合わせに応じて表示するように制御する。ソングデータに関しても、前述した図7、図9、図10、図11、図16及び図17に例示するフローチャートの処理を、図中の文言「音色」を「ソング」と読み替えて、適用できる。
また、ユーザが図示しない「機能」選択ボタンを押した場合、CPU30は、前記図3のステップS1において、ディスプレイ10に、各機能に各種効果を選択するための「トップ10表示」画面、「一覧」画面及び/又は「外部取得」画面(何れも不図示)を、ボタン21〜23のオフ・オフ状態の組み合わせに応じて表示するように制御する。機能に関しても、前述した図7、図9、図10、図11、図16及び図17に例示するフローチャートの処理を、図中の文言「音色」を「機能」と読み替えて、適用できる。
なお、前記図7に示す音色の使用頻度計測処理においてキーオン信号毎に押鍵回数を計測(前記ステップS7〜S10)し、また、1ノート音毎に演奏時間(前記ステップS12〜S16)を計測して、使用頻度の情報を取得する処理構成例を説明した。変形例として、CPU30は、例えば伴奏スタイルデータやソングデータなど、自動的にデータの再生開始から停止までの「再生時間」を計測し、再生時間の長さを使用頻度の情報として取得してもよい。この場合、データ毎の累積再生時間の長さにより順位付けを行うことができる。例えば、伴奏スタイルデータの場合、伴奏スタイルの種類毎に、イントロ、メイン、フィルイン、エンディング等の自動伴奏パターンを再生することになるので、それら種類毎の自動伴奏パターンの再生時間を加算して、伴奏スタイルの種類毎の使用頻度の情報を得る。この使用頻度情報計測の方法は、伴奏スタイルデータやソングデータの使用頻度の情報を得る場合に有効であるのみならず、音色、効果、機能等それ自体は自動再生されないデータ等の使用頻度の情報の計測にも適用できる。例えば、或る音色を使って伴奏スタイルデータやソングデータが自動再生する場合、計測した再生時間は、その音色の使用頻度の情報になり得る。演奏音に或る効果を付与した状態で伴奏スタイルデータやソングデータが自動再生する場合、計測した再生時間は、その効果の使用頻度の情報になり得る。
また、前記図7に示す使用頻度計測処理の変形例として、前記図7のステップS5において、現在指定中の音色CTC等、現在指定中の音楽要素が変更されたとき、CPU30は、変更された日付をメモリ31、32又は33に記憶しておき、当該音楽要素が前回指定された日付から今回の変更までの日数に応じて、前記ステップS7〜S10及び前記ステップS12〜S16による計測結果をそのまま直接使用頻度の情報として適用したり、或いは、重み付け計算により前記計測結果を変更した結果を、該日数の長短を考慮した間接的な使用頻度の情報として適用したりしてもよい。また、別の例としては、過去の複数の期間で計測した使用頻度の情報の平均又は重み付け平均を、使用頻度の情報として適用してもよい。
また、前記図7に示す使用頻度計測処理では、発音チャンネル毎に現在指定されている音色CTCに対して押鍵回数(前記ステップS7〜S10)と、演奏時間(前記ステップS12〜S16)を計測する処理構成例、すなわち図8の二次バッファ51の値を参照する処理例を説明したが、この処理は、一次バッファ50の値を現在指定されている音色CTCとして参照するように構成してもよい。
上記の実施例では音楽要素として、音色、伴奏スタイル、効果、機能、ソングデータを例示したが、音楽要素の例はこれらに限らず、電子楽器が楽音信号を生成する際に使用する各種データ及びプログラムでさえあればよい。例えば、数小節分のドラム演奏やベース演奏、歌声、効果音、物音などを録音した波形データ(いわゆる「ループ素材」等)は、音楽要素の別の例である。
本発明の電子音楽装置は、ネットワーク接続機能を有していない電子楽器でも適用できる。例えば、図1において、ネットワーク接続機能を有さない電子楽器100のディスプレイに「トップ10表示」画面等の音楽要素選択画面を表示し、ユーザの選択を受け付けることも可能である。また、本発明の電子音楽装置は、楽音信号生成機能を具備しない装置にも適用できる。例えば、図1において、楽音信号生成機能を有していない鍵盤装置200のディスプレイに「トップ10表示」画面等の音楽要素選択画面を表示し、ユーザの選択を受け付けることも可能である。
なお、電子音楽装置が追加音色等、追加音楽要素のデータ及び/又はプログラムを取得する先は、必ずしもサーバ2、3のような購入可能コンテンツ提供サイトを運営するネットワーク4上のサーバコンピュータに限らない。例えば、電子音楽装置の周辺機器として接続された端末装置(不図示)や外部記憶装置(不図示)から、追加音色等の追加音楽要素のデータ及び/又はプログラムを取得してもよい。この場合も、周辺機器の実行する前記ステップS30と当該電子音楽装置の実行するステップS31、S32により、一覧情報に基づき、当該電子音楽装置に適合しており、且つ、現在指定中の音楽要素に関連する音楽要素を表示する音楽要素選択画面(音楽要素リスト)を表示できる。
本発明は、音楽要素選択画面をディスプレイに表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムの発明として構成及び実施することもできる。