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JP6433126B2 - ドア - Google Patents

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JP6433126B2
JP6433126B2 JP2014012662A JP2014012662A JP6433126B2 JP 6433126 B2 JP6433126 B2 JP 6433126B2 JP 2014012662 A JP2014012662 A JP 2014012662A JP 2014012662 A JP2014012662 A JP 2014012662A JP 6433126 B2 JP6433126 B2 JP 6433126B2
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Description

本発明は、採光用等のパネルを保持するパネル保持枠を備えたドアに関する。
従来、ガラスパネル等の採光用のパネルが設けられた玄関ドア等のドアが知られている。このようなドアとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のドアは、扉体と、扉開口に設けられたパネルユニットとを備えている。パネルユニットは、ガラスパネルと、ガラスパネルを保持するパネル枠体とを備えている。パネル枠体は、アルミ形材製の室外枠部と、この室外枠部に樹脂製のブロックを介してビス止めされた室内枠部とを備えている。かかるドアでは、室内枠部を室外枠部から取り外すことによりガラスパネルの交換が可能である。
特開2009−144389号公報
ところで、特許文献1に記載のドアでは、室外枠部がアルミ形材製であるため、火災等において当該室外枠部が焼失してしまった場合、ガラスパネルが保持されなくなって落下し、室内外が連通状態となる可能性がある。従って、安定した防火性能を発揮することが困難である。
また、防火性能を担保すべく、パネル枠体の周囲に鋼製の補強材を増設すると部品点数が多くなり、ガラスパネル周りの構造が複雑となって施工工数も多くなる。
本発明の目的は、パネルの交換が可能でありながら、防火性能の安定性を向上できるドアを提供することにある。
本発明のドアは、扉体と、前記扉体を貫通する開口に取り付けられるパネル保持枠と、前記パネル保持枠に保持されるパネルとを備え、前記パネル保持枠は、前記扉体に固定される鋼製枠体と、脱落防止鋼製金属部を有する押え体とを備え、前記鋼製枠体は、その見付け方向において前記扉体および前記パネルの間に位置する枠基部と、前記枠基部の室外側端部から延出する室外片部と、前記枠基部の室内側端部から延出する室内片部とを有し、前記室外片部には、前記パネルの室外面に当接する室外側押え部材が装着され、前記室内片部の延出長さ寸法は、前記室外片部の延出長さ寸法よりも短くされ、前記押え体は、前記パネルの室内面に当接するビードを保持する室内側押え部材と前記室内側押え部材に沿った前記脱落防止鋼製金属部とを備えると共に、前記室内片部に取外し可能に取り付けられ、前記パネルは、前記パネルの室外側に位置する前記室外片部と室内側に位置する前記押え体の脱落防止鋼製金属部との間に配置されることを特徴とする。
このような本発明によれば、パネル保持枠を鋼製枠体と脱落防止鋼製金属部とで構成したので、火災時に焼失する可能性が高いアルミ形材製のパネル枠を用いた場合に比べて、パネル保持枠をパネルの端縁を囲った状態のまま残存させることができる。従って、パネルの脱落なども抑制でき、ドアの防火性能の安定性を向上できる。特に、パネル保持枠は、扉体およびパネルの間に位置する枠基部から延出した室外片部および室内片部を備えているので、パネルを室外片部および室内片部間に配置しておくことができる。このため、パネルの脱落をより抑制でき、防火性能の安定性を向上できる。
また、脱落防止鋼製金属部を有する押え体を室内片部に装着することで、パネルを室内側から押えて室外片部と協働してパネルを挟持できる一方、パネル保持枠を構成する鋼製枠体の室内側におけるパネル側への延出長さが短いため、押え体を室内片部から取り外すことで、パネル保持枠で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法を大きくできる。従って、室内側でパネルの交換を簡単に行うことができる。
なお、パネルは、例えば、ガラスパネル等の透光性を有した採光用パネルによって具体化されるが、このほかにも、模様、色彩等が施された装飾用パネルなどによって具体化されてもよい。
本発明のドアでは、前記押え体は、前記室内片部に対し熱遮断部材を介して取り付けられることが好ましい。
このような構成によれば、室内片部と押え体とが断熱性を有した熱遮断部材によって離隔されるため、パネル保持枠が室内外間の熱橋となることを回避でき、パネル保持枠による防火性能を確保しつつ断熱性能を向上できる。
本発明のドアでは、前記押え体は、前記室内側押え部材と前記脱落防止鋼製金属部とを一体の鋼製体として備え、前記一体の鋼製体としての前記室内側押え部材および前記脱落防止鋼製金属部は、前記室内片部にネジ止めされることが好ましい。
このような構成によれば、室内片部にネジ止めされた室内側押え部材で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法を、室内側開口が室内片部で区画される場合の高さ寸法および幅寸法よりも小さくでき、室内側からパネルを確実に押えることができる。
また、火災等において当該室内側押え部材が加熱されても、一体の鋼製体としての室内側押え部材および脱落防止鋼製金属部が室内片部にネジ止めされた状態で残存するため、パネルの室内側からの脱落をより確実に防止でき、防火性能を向上できる。
本発明のドアでは、前記扉体は、室外面材と、室内面材と、前記室外面材と前記室内面材との間に設けられた中間体とを備え、前記室外側押え部材は、前記室外面材と前記室外片部との間に介在されて前記室外面材と前記室外片部との熱伝達を遮断する熱遮断部と、前記熱遮断部と一体に形成され、前記パネルの室外面に当接する押え部とを有し、前記室外片部は、前記室外面材に前記熱遮断部を介して固定されることが好ましい。
このような構成によれば、室外面材と室外片部とが断熱性を有する熱遮断部によって離隔されるため、パネル保持枠が室内外間の熱橋となることを回避でき、パネル保持枠による防火性能を確保しつつ断熱性能を向上できる。
また、例えば別体の熱遮断部材および押え部材が室外片部側に設置される場合、部品点数が多く、これらを所定位置にそれぞれ設置するために施工工数も多くなる。これに対し、本発明では、室外側押え部材の熱遮断部と押え部とが一体に形成されているため、部品点数を削減でき、一つの部材を所定位置に設置するだけでよいために施工工数をも少なくできる。
本発明のドアでは、前記室外側押え部材は、前記室外面材に当接して前記室外面材および前記室外片部間への水の浸入を防止する止水部を有することが好ましい。
このような構成によれば、熱遮断部および押え部の設置に加え、止水部の所定位置への設置をも一つの部材を設置するだけで簡単に行うことができる。
本発明のドアでは、前記室外片部で区画される室外側開口の高さ寸法および幅寸法は、前記パネルの高さ寸法および幅寸法よりも小さく、前記室内片部で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、前記パネルの高さ寸法および幅寸法よりも大きいことが好ましい。
このような構成によれば、室内側でのパネル交換をさらに簡単に行うことができ、パネル保持枠の小型化も図れる。例えばケンドン式のパネル設置の場合、パネルを一旦持ち上げ、傾動させるためのクリアランスをパネルとパネル保持枠との間に確保する必要があることから、パネル保持枠の小型化が困難である。これに対し、本発明では、パネルを持ち上げたり傾動させたりしなくとも、大きな高さ寸法および幅寸法の室内側開口からパネルをそのまま室内側に引き抜くことができる。このため、パネル交換を簡単にでき、かつ前述したパネルとパネル保持枠とのクリアランスを確保する必要がなく、パネル保持枠の小型化を図ることができる。
本発明によれば、パネルの交換が可能でありながら、防火性能の安定性を向上できるドアを提供できる。
本実施形態に係るドアの室外側からの外観を示す正面図。 前記ドアの室内側からの外観を示す正面図。 前記実施形態において、図1中III―III線での縦断面図。 前記実施形態において、図1中IV―IV線での横断面図。 前記ドアの一部を拡大して示す縦断面図。 前記ドアの一部を拡大して示す横断面図。 前記ドアの室外側押え部材を示す説明図。
[実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、玄関ドア(以下、ドア1と略称)の室外側からの外観を示す正面図である。図2は、ドア1の室内側からの外観を示す正面図である。図3は、ドア1を示す縦断面図である。図4は、ドア1を示す横断面図である。図5は、ドア1の一部を拡大して示す縦断面図である。図6は、ドア1の一部を拡大して示す横断面図である。図7は、室外側押え部材37を示す説明図である。
図1,2に示すように、本実施形態に係るドア1は、外壁開口部に固定される枠体2と、この枠体2に開閉自在に支持される扉3とを備えて構成されている。枠体2は、上枠2A、下枠2Bおよび左右の縦枠2C,2Dを有する一般的なドア枠である。なお、図1の右側が吊元側とされて丁番4が取り付けられ、図1の左側が戸先側とされている。
扉3は、扉体10と、採光用パネルとしてのガラスパネル20と、パネル保持枠30と、アルミ押出し形材製の外額縁51,52および内額縁53とを備えている。扉体10を貫通する開口にはパネル保持枠30が取り付けられ、ガラスパネル20はパネル保持枠30に保持されている。
扉体10は、図3,4に示すように、枠体11と、枠体11の室外側に固定された室外面材12と、枠体11の室内側に固定された室内面材13と、室外面材12と室内面材13との間に設けられた中間体14とを備えている。
中間体14にはEPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)の断熱材が使用されている。なお、中間体14には、前述した材質に限られず、例えば、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
また、扉体10の戸先側には、枠体2の戸先側の縦枠2Dに当接する気密材が装着された横方向外側への延出部を有した当接部材15と、図示しない操作ハンドルや施錠装置とが設けられている。
枠体11は、戸先側の縦骨と、吊元側(丁番側)の縦骨と、上骨と、下骨とを矩形状に組んで構成された一般的な扉用の枠材である。これらの各骨材は、図3,4にも示すように、断面コ字状のチャンネル材で構成され、各骨材間の空間に中間体14が嵌め込まれている。
室外面材12の外縁部は、中間体14の外周側よりも外側で室内側に折り曲げられ、室内面材13の外縁部は、中間体14の外周側よりも外側で室外側に折り曲げられ、これら外縁部の折り曲げられた部分に枠体11がリベット止めされている。
室外面材12の内縁部は、中間体14よりもガラスパネル20側に延出しており、この内縁部にパネル保持枠30がネジ止めされる。
室内面材13の内縁部は、中間体14よりもガラスパネル20側に延出しておらず、この内縁部の先端は、中間体14の内側端縁と同位置に配置されている。
ガラスパネル20は、2枚の矩形状のガラスがスペーサを挟んで重ね合わされた複層ガラスとして構成されている。ガラスパネル20の上下左右の端縁は、中間体14から所定間隔離れて配置されている。ガラスパネル20は中間体14よりも肉薄であり、室内外方向において室外面材12よりも室内側かつ室内面材13よりも室外側に配置されている。
パネル保持枠30は、図3〜6に示すように、断面形状が同一の四つの鋼製枠体31を四周枠組みし、これらの鋼製枠体31の室内側に押え体35を装着して構成されている。ここで鋼は、鋼板、ステンレス鋼板を含む。また、パネル保持枠30は、鋼製枠体31と押え体35との熱伝達を遮断する熱遮断部材36と、鋼製枠体31と室外面材12との熱伝達を遮断するとともに、ガラスパネル20を室外側から押える室外側押え部材37とを備えている。さらに、パネル保持枠30は、適宜に設置されたシート状の熱膨張黒鉛38、樹脂製ブロック39を備えている。
左右の鋼製枠体31の縦方向(高さ方向)長さは互いに同じであり、上下の鋼製枠体31の横方向(幅方向)長さは互いに同じである。
下側に位置する横長の鋼製枠体31は、図5に示すように、枠基部32と、室外片部33と、室内片部34とを有している。
枠基部32、室外片部33および室内片部34は折り曲げ加工によって一体に形成されている。
枠基部32は、幅方向に延びた板状部材によって構成されている。
室外片部33は、枠基部32の室外側端部からガラスパネル20と平行にその端縁を越えて縦方向内側にガラスパネル20と幅方向に重なるように延出して形成されている。室外片部33の先端部33Aは、ガラスパネル20の室外面に向かって折り曲げられ、室内外方向内側に延びている。枠基部32の室外側端部と先端部33Aとの中間部33Bは、室外面材12に沿って縦方向に延びている。
室内片部34は、枠基部32の室内側端部からガラスパネル20側に向かってガラスパネル20と幅方向に重ならないよう縦方向内側に延出して形成されている。室内片部34の縦方向の延出長さは、室外片部33の縦方向の延出長さよりも短い。かかる枠基部32、室外片部33および室内片部34によって鋼製枠体31は形成されている。
枠基部32は、ガラスパネル20と中間体14との間に位置し、ガラスパネル20に対し所定間隔離れて配置されている。室外片部33は、ガラスパネル20よりも室外側に位置している。室内片部34は、ガラスパネル20よりも室内側に位置し、室内片部34の先端は、ガラスパネル20の下側の端縁に対しガラスパネル20と幅方向に重ならないよう縦方向外側に位置している。
かかる下側の鋼製枠体31は、中間部33Bで室外面材12にリベット止めされ、室内片部34に押え体35がネジ止めされることで、室外片部33と押え体35とによってガラスパネル20を保持可能となる。ただし、ガラスパネル20に実際に当接する部材は、後述する室外側押え部材37の押え部37Bおよび室内側押え部材351に装着されたビード353である。
上側の鋼製枠体31および左右の鋼製枠体31も、前述した下側の鋼製枠体31と概略同様に形成されているので、図面に適宜同符号を付してこれらの詳細な説明を省略する。ただし、左右の鋼製枠体31では、枠基部32が縦方向に延びた板状部材によって構成され、室外片部33および室内片部34は、ガラスパネル20側に向かってガラスパネル20と平行に横方向内側に延出して形成されている。
上下左右に位置する室外片部33によって区画される室外側開口の高さ寸法および幅寸法は、ガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法よりも小さい。ここで、上下左右の室外片部33によって区画される室外側開口の高さ寸法は、上側の室外片部33の先端から下側の室外片部33の先端までの高さ寸法を意味し、また、上下左右の室外片部33によって区画される室外側開口の幅寸法は、右側の室外片部33の先端から左側の室外片部33の先端までの幅寸法を意味する。
上下左右に位置する室内片部34によって区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、上下左右に位置する室外片部33によって区画される室外側開口の高さ寸法および幅寸法よりも大きく、ガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法よりも大きい。ここで、上下左右の室内片部34によって区画される室内側開口の高さ寸法は、上側の室内片部34の先端から下側の室内片部34の先端までの高さ寸法を意味し、また、上下左右の室内片部34によって区画される室内側開口の幅寸法は、右側の室内片部34の先端から左側の室内片部34の先端までの幅寸法を意味する。
押え体35は四本設けられており、上下左右の鋼製枠体31にそれぞれネジ止めされている。四本の押え体35は互いに同様に構成されているため、図面に同符号を付して説明する。なお、図5は下側の鋼製枠体31に装着された押え体35を示し、図6は図4の戸先側の鋼製枠体31に装着された押え体35を示す。
押え体35は、ガラスパネル20の室内面に当接するビード353が装着されたアルミ押出し形材製の室内側押え部材351と、ガラスパネル20の室内面と対向する脱落防止鋼製金属部352とを備えている。また、室内側押え部材351も鋼製とし、脱落防止鋼製金属部352と一体に形成してもよい。
室内側押え部材351は、図5,6に示すように、取付部351Aと、連結部351Bと、押え部351Cとを有して一体に形成されている。
取付部351Aは、室内片部34に沿って延びて形成され、その室内面材13側の端部に凹溝部が設けられている。
連結部351Bは、取付部351Aのガラスパネル20側の端部から室外側に向かって室内外方向に延びて形成されている。
押え部351Cは、連結部351Bの室外側端部からガラスパネル20の室内面に沿って延びて形成され、その先端部に溝形部が形成されている。押え部351Cの溝形部にはビード353が装着されている。
取付部351Aは、ネジ40が挿通されて室内片部34に装着されている。取付部351Aの凹溝部は、室内面材13に当接し、内額縁53に係合している。連結部351Bは、室内片部34および熱遮断部材36よりもガラスパネル20側に位置している。押え部351Cは、室内片部34から所定間隔離れて位置している。押え部351Cの溝形部は内額縁53に係合している。
室内側押え部材351によって区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、ガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法よりも小さい。
脱落防止鋼製金属部352は、図5,6に示すように、取付部352Aと、連結部352Bと、延出部352Cとを有している。
取付部352Aと、連結部352Bと、延出部352Cとは折り曲げ加工によって一体に形成された鋼板金具である。
取付部352Aは、室内片部34に沿って延びて形成されている。
連結部352Bは、取付部352Aのガラスパネル20側の端部から室外側に向かって室内外方向に延びて形成されている。
延出部352Cは、連結部352Bの室外側端部からガラスパネル20の室内面に沿って延出して形成されている。
取付部352Aは、室外側で熱遮断部材36と重ね合わされ、室内側で取付部351Aと重ね合わされ、ネジ40が挿通している。連結部352Bは、室内片部34および熱遮断部材36よりもガラスパネル20側に位置し、上側で連結部351Bに重ね合わされている。延出部352Cは、室内片部34から所定間隔離れて位置し、室内側で押え部351Cに重ね合わされている。かかる延出部352Cは、室内片部34からガラスパネル20と幅方向に重なるように延出してガラスパネル20の端縁よりも内側に向かって延出した部分を構成している。なお、押え部351Cの溝形部は、延出部352Cよりもガラスパネル20と幅方向に更に多く重なるように延出して位置している。
かかる押え体35は、ビード353をガラスパネル20の室内面に当接させ、室内片部34にネジ止めすることで、ガラスパネル20を室内側から押えるように構成されている。
なお、室内側押え部材351には、脱落防止鋼製金属部352が貼りつけられており、施工性の向上が図れている。
熱遮断部材36は、四本の鋼製枠体31と四つの押え体35との間にそれぞれ介在されている。熱遮断部材36は、室内片部34に沿って延びた断熱性を有する硬質樹脂製の板状部材によって構成されている。熱遮断部材36は室内片部34と脱落防止鋼製金属部352との間に配置され、ネジ40が挿通されて室内片部34に装着されている。かかる熱遮断部材36は、室内片部34と脱落防止鋼製金属部352との熱伝達を遮断可能に設置されている。
室外側押え部材37は、四本の鋼製枠体31と室外面材12との間にそれぞれ介在されている。室外側押え部材37は、室外片部33に沿って延びており、図7に示すように、熱遮断部37Aと、押え部37Bと、止水部37Cとを有している。熱遮断部37A、押え部37Bおよび止水部37Cは一体に形成されている。
熱遮断部37Aは、断熱性を有する硬質樹脂製の板状部材によって構成されている。熱遮断部37Aのガラスパネル20側の端部には押え部37Bが接続されており、当該端部に隣接した室外側部分には傾斜面371が形成されている。熱遮断部37Aには、リベット41が挿通されて室外面材12と室外片部33とに固定されている。
押え部37Bは、軟質樹脂製であり、断面L字状の基部372と、基部372の室内側端部に形成された溝形部373とを有している。
基部372の熱遮断部37Aと同方向に延びる部分は、熱遮断部37Aよりも肉薄に形成され、当該部分の室内側の面は、熱遮断部37Aの室内側の面と面一とされている。
溝形部373は、基部372よりも肉厚に形成されている。溝形部373はガラスパネル20の室外面に当接している。
止水部37Cは、押え部37Bと同様に軟質樹脂製であり、基部372の折曲部372Aから室外側に傾斜して熱遮断部37Aに向かって延びて形成されている。止水部37Cは、基部372側に向かってA方向に弾性変形可能である。従って、止水部37Cは、室外側押え部材37が室外面材12と室外片部33との間に設置された際には、図5,6に示すように弾性変形された状態で基部372に沿った状態とされる。この状態では、止水部37Cは、室外面材12に当接して室外面材12および室外片部33間への水の浸入を防止する。他方、止水部37Cは、室外側押え部材37が室外面材12と室外片部33との間から取り外された際には、図7に実線で示すように傾斜した状態に復元する。
かかる室外側押え部材37では、熱遮断部37Aと基部372の熱遮断部37Aと同方向に延びる部分とが室外片部33の中間部33Bに当接する、また、基部372の室内外方向に延びた部分が室外片部33の先端部33Aに当接する。さらに、溝形部373が先端部33Aを覆う。このように室外側押え部材37は室外片部33に装着される。
熱膨張黒鉛38は、図3,4に示すように、室外片部33の室外側の面であって室外側押え部材37よりも中間体14側の部分と、枠基部32のガラスパネル20側の面と、脱落防止鋼製金属部352の連結部352Bの熱遮断部材36側の面と、溝形部の室内面材13側の面とにそれぞれ設置されている。
樹脂製ブロック39は、図3,4に示すように、下側の鋼製枠体31の枠基部32と、左右の鋼製枠体31の枠基部32とにそれぞれ設置されている。下側の鋼製枠体31の枠基部32に設置された樹脂製ブロック39は、左右の鋼製枠体31の枠基部32に設置された樹脂製ブロック39よりも肉厚に形成され、ガラスパネル20を支持するセッティングブロックとして構成されている。
下側の鋼製枠体31の枠基部32に設置された熱膨張黒鉛38は樹脂製ブロック39を避けて貼り付けされている。また、左右の鋼製枠体31の枠基部32に設置された熱膨張黒鉛38は樹脂製ブロック39を避けて貼り付けされている。
外額縁51は、図1に示すように左右の外額縁52間に配置され、図3に示すようにガラスパネル20の上下側において室外面材12およびパネル保持枠30を室外側から覆って設置されている。
外額縁52は、図1に示すように縦方向(高さ方向)に延びた左右の通し材として構成され、図4に示すように、扉体10に設けられた係合具16に係合し、パネル保持枠30を室外側から覆って設置されている。
内額縁53は、図3,4に示すように、上下左右に四本設けられ、互いに断面形状が同一の形材によって構成されている。内額縁53は、室内側押え部材351に係合し、パネル保持枠30を室内側から覆って設置されている。
かかる外額縁51,52および内額縁53は、鋼製枠体31に対して非接触状態とされ、これらと鋼製枠体31との熱伝達が遮断されている。
[実施形態の施工手順]
以下、本実施形態におけるパネル保持枠30の施工手順の一例について説明する。
先ず、鋼製枠体31の室外片部33に室外側押え部材37を装着し、これを扉体10の開口の所定位置に配置し、リベット41により室外片部33および室外側押え部材37を室外面材12に固定する。
次に、ガラスパネル20を室内側から扉体10の開口に嵌め込む。この際、室内片部34に囲まれる室内側開口は、ガラスパネル20の高さ寸法、幅寸法よりも大きいため、ガラスパネル20を傾動等させる必要なしに簡単に開口に配置可能である。
次に、室内片部34、熱遮断部材36、押え体35をそれぞれ重ね合わせ、ネジ40により押え体35および熱遮断部材36を室内片部34にネジ止めする。このネジ止めにより、押え体35に装着されたビード353がガラスパネル20の室内面に当接して押える一方、室外側押え部材37の押え部37Bがガラスパネル20の室外面に当接して押える。このため、ガラスパネル20は室外片部33と押え体35とによって挟持される。
このようにして、パネル保持枠30を施工し、ガラスパネル20を保持する。
なお、パネル保持枠30の施工後、外額縁51,52、内額縁53が適宜設置される。
また、本実施形態におけるガラスパネル20を交換する場合の手順は以下の通りである。
先ず、内額縁53を室内側押え部材351から取り外す。次にネジ40を外し、押え体35を室内片部34から取り外す。この取り外しにより、室内側開口が室内片部34で区画されることとなって当該室内側開口の高さ寸法および幅寸法が大きくなるため、ガラスパネル20の室内側への引き抜きが簡単な状態となる。この状態でガラスパネル20を室内側に引き抜いて扉体10の開口から取り去る。
その後、新たなガラスパネル20を設置する手順は、前述したパネル保持枠30の施工手順と同様であるため説明を省略する。
[実施形態による効果]
(1)パネル保持枠30を鋼製枠体31で構成したので、火災等において熱遮断部材36、室外側押え部材37、樹脂製ブロック39などの各樹脂部品や外額縁51,52、内額縁53などの各アルミ部品が焼失しても、パネル保持枠30をガラスパネル20の端縁を囲った状態のまま残存させることができる。つまり、パネル保持枠30は、室外片部33および室内片部34を備えており、室内片部34には脱落防止鋼製金属部352を有する押え体35を取り付けてガラスパネル20を挟持しているので、ガラスパネル20を室外片部33および室内片部34間に配置しておくことができる。このため、ガラスパネル20の脱落などを抑制でき、ドア1の防火性能の安定性を向上できる。また、火災等においてアルミ押出し形材製の室内側押え部材351が焼失してしまっても、脱落防止鋼製金属部352が室内片部34にネジ止めされた状態で残存する。このため、ガラスパネル20の室内側からの脱落をより確実に防止でき、防火性能を向上できる。
また、延出長さが短い室内片部34に押え体35を装着してあるので、押え体35を室内片部34から取り外すことで室内側開口の高さ寸法および幅寸法を大きくすることができる。このため、室内側からガラスパネル20を簡単に取り外せる。従って、例えば破損したガラスパネル20を新たなガラスパネル20に簡単に交換できる。
さらに、室外片部33は押え体35と協働してガラスパネル20を挟持可能となる程度に長く形成されているため、室外側からガラスパネル20を取り外すことはできない構成となり、防犯性の向上をも図れる。
(2)押え体35と室内片部34との熱伝達は熱遮断部材36によって遮断されるため、パネル保持枠30が室内外間の熱橋となることを回避でき、パネル保持枠30による防火性能を確保しつつ断熱性能を向上できる。
(3)室内側押え部材351によって区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、押え体35が取り外された際に室内片部34によって区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法よりも小さいため、押え体35により、室内側からガラスパネル20を確実に押えることができる。
(4)室外側の室外面材12と室外片部33との熱伝達は熱遮断部37Aによって遮断されるため、パネル保持枠30が室内外間の熱橋となることを回避でき、パネル保持枠30による防火性能を確保しつつ断熱性能を向上できる。
また、熱遮断部37Aと押え部37Bと一体に形成することで部品点数を削減でき、一つの室外側押え部材37を所定位置に設置するだけでよいために施工工数をも少なくできる。
(5)熱遮断部37A、押え部37Bおよび止水部37Cが一体に形成されているため、一つの室外側押え部材37を設置するだけで、熱遮断部37Aおよび押え部37Bの設置に加え、止水部37Cの所定位置への設置をも簡単に行うことができる。
(6)室内片部34で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法がガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法よりも大きいため、ケンドン式のパネル設置のようにガラスパネル20を持ち上げたり傾動させたりする必要がなく、ガラスパネル20をそのまま室内側に簡単に引き抜くことができる。このため、例えばケンドン式のパネル設置のようにパネルを持ち上げ傾動させるためのガラスパネル20とパネル枠とのクリアランスを確保する必要をなくすことができ、パネル保持枠30の小型化を図ることができる。
[変形例]
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、パネル保持枠30は、熱遮断部材36および室外側押え部材37の双方を備えているが、これに限定されず、熱遮断部材36および室外側押え部材37のうちのいずれか一方または双方を省いてもよい。かかる場合でも、ガラスパネル20の交換が可能である上、鋼製枠体31による防火性能の安定性の向上を図れる。
前記実施形態では、押え体35は、アルミ押出し形材製の室内側押え部材351を備えているが、これに限定されず、例えば、鋼製の室内側押え部材351を備えていてもよい。この場合、押え体35は、脱落防止鋼製金属部352の構成を兼ねて一体に構成されてもよい。
前記実施形態では、押え体35は、熱遮断部材36を介して室内片部34にネジ止めされているが、これに限定されず、例えばネジ止めとは異なる他の手段によって着脱可能に装着されていてもよい。
前記実施形態では、熱遮断部37Aと押え部37Bとが一体に形成された室外側押え部材37を備えているが、これに限定されず、例えば、室外側押え部材37に代えて、別体の熱遮断部材を室外面材12と室外片部33との間に介在させ、押え部材を室外片部33に装着してガラスパネル20の室外面に当接させてもよい。
前記実施形態では、室外側押え部材37は、止水部37Cを有しているが、これに限定されず、例えば、この止水部37Cの構成が省かれ、熱遮断部37Aと押え部37Bとによって構成されていてもよい。
前記実施形態では、室外片部33は室外側押え部材37を介して室外面材12にリベット止めされているが、これに限定されず、例えばネジ止めされていてもよく、また、他の手段により固定されていてもよい。
前記実施形態では、室内片部34で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、ガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法よりも大きいが、これに限定されない。例えば、室内片部34で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、ガラスパネル20の高さ寸法および幅寸法と同等であってもよい。また、室内片部34で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法のうちのいずれか一方の寸法は、ガラスパネルの高さ寸法および幅寸法のうちのいずれか一方よりも小さくてもよい。この場合、室内側でのガラスパネル20の保持性が向上し、火災等において樹脂部品やアルミ部品が焼失しても室内片部34によりガラスパネル20の室内側からの脱落をより確実に防止できる。
前記実施形態では、室内片部34および押え体35は室内面材13に固定されていないが、これに限定されない。例えば、室内面材13が中間体14よりもガラスパネル20側に延出して形成された場合、室内片部34および押え体35は当該室内面材13にネジ止め等により取外し可能に取り付けされていてもよい。この場合、室内片部34と室内面材13との間には熱遮断部材36が介在されていてもよく、さらに、押え体35と室内面材13との間にも他の熱遮断部材36が介在されていてもよい。
前記実施形態では、室外片部33の先端部33Aはガラスパネル20側に折り曲げられているが、これに限定されず、例えば、室外片部33は、折り曲げられた部分を有さず、枠基部32の室外側端部から先端部までガラスパネル20側に延出して形成されていてもよい。この場合、室外側押え部材37の押え部37Bは、当該室外片部33の先端部に対応した形状とされる。
1…ドア、2,11…枠体、3…扉、10…扉体、12…室外面材、13…室内面材、14…中間体、20…ガラスパネル、30…パネル保持枠、31…鋼製枠体、32…枠基部、33…室外片部、34…室内片部、35…押え体、351…室内側押え部材、352…脱落防止鋼製金属部、36…熱遮断部材、37…室外側押え部材、37A…熱遮断部、37B…押え部、37C…止水部、38…熱膨張黒鉛、39…樹脂製ブロック、51,52…外額縁、53…内額縁。

Claims (6)

  1. 扉体と、前記扉体を貫通する開口に取り付けられるパネル保持枠と、前記パネル保持枠に保持されるパネルとを備え、
    前記パネル保持枠は、前記扉体に固定される鋼製枠体と、脱落防止鋼製金属部を有する押え体とを備え、
    前記鋼製枠体は、その見付け方向において前記扉体および前記パネルの間に位置する枠基部と、前記枠基部の室外側端部から延出する室外片部と、前記枠基部の室内側端部から延出する室内片部とを有し、
    前記室外片部には、前記パネルの室外面に当接する室外側押え部材が装着され、
    前記室内片部の延出長さ寸法は、前記室外片部の延出長さ寸法よりも短くされ、
    前記押え体は、前記パネルの室内面に当接するビードを保持する室内側押え部材と前記室内側押え部材に沿った前記脱落防止鋼製金属部とを備えると共に、前記室内片部に取外し可能に取り付けられ、
    前記パネルは、前記パネルの室外側に位置する前記室外片部と室内側に位置する前記押え体の脱落防止鋼製金属部との間に配置される
    ことを特徴とするドア。
  2. 請求項1に記載のドアにおいて、
    前記押え体は、前記室内片部に対し熱遮断部材を介して取り付けられる
    ことを特徴とするドア。
  3. 請求項1または請求項2に記載のドアにおいて、
    前記押え体は、前記室内側押え部材と前記脱落防止鋼製金属部とを一体の鋼製体として備え、
    前記一体の鋼製体としての前記室内側押え部材および前記脱落防止鋼製金属部は、前記室内片部にネジ止めされる
    ことを特徴とするドア。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のドアにおいて、
    前記扉体は、室外面材と、室内面材と、前記室外面材と前記室内面材との間に設けられた中間体とを備え、
    前記室外側押え部材は、
    前記室外面材と前記室外片部との間に介在されて前記室外面材と前記室外片部との熱伝達を遮断する熱遮断部と、
    前記熱遮断部と一体に形成され、前記パネルの室外面に当接する押え部とを有し、
    前記室外片部は、前記室外面材に前記熱遮断部を介して固定される
    ことを特徴とするドア。
  5. 請求項4に記載のドアにおいて、
    前記室外側押え部材は、前記室外面材に当接して前記室外面材および前記室外片部間への水の浸入を防止する止水部を有する
    ことを特徴とするドア。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のドアにおいて、
    前記室外片部で区画される室外側開口の高さ寸法および幅寸法は、前記パネルの高さ寸法および幅寸法よりも小さく、
    前記室内片部で区画される室内側開口の高さ寸法および幅寸法は、前記パネルの高さ寸法および幅寸法よりも大きい
    ことを特徴とするドア。
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