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JP6430744B2 - 作業装置 - Google Patents

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JP6430744B2
JP6430744B2 JP2014156818A JP2014156818A JP6430744B2 JP 6430744 B2 JP6430744 B2 JP 6430744B2 JP 2014156818 A JP2014156818 A JP 2014156818A JP 2014156818 A JP2014156818 A JP 2014156818A JP 6430744 B2 JP6430744 B2 JP 6430744B2
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Description

ここに開示された技術は、ロボットを用いた作業装置に関するものである。
従来より、ワークに対して作業を行う複数のロボットを備えた作業装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の作業装置は、自動車の車体をコンベア装置によって所定の搬送方向に搬送しつつ、搬送方向の両側に配置された塗装用ロボットによって車体に塗装を行っている。
特開2004−305874号公報
ワークに対してロボットを用いて作業を行う構成において作業を正確に行うためには、ワークの位置を正確に特定する必要がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワークの位置を正確に特定することにある。
ここに開示された技術は、ワークを通る基準線を挟んでワークの両側に配置され、ワークに対して作業を行う少なくとも2つのロボットと、前記基準線を挟んでワークの両側に配置され、ワークを撮像する少なくとも2つのカメラと、前記カメラの撮像画像に基づいて前記ロボットを制御する制御部とを備えた作業装置であって、前記ロボットは、前記基準線を挟んで対称な位置で前記カメラの撮像画像から特定されるワークの位置に基づいてワークに対して作業を行うように構成され、前記少なくとも2つのカメラは、ワークのうち、前記基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像し、前記カメラは、前記基準線を挟んだそれぞれの側に複数設けられ、該基準線に対して千鳥状に配置され、前記制御部は、搬送中のワークを撮像するカメラを順次切り替えて、搬送中のワークの位置を追跡する。
この構成によれば、ワークは、基準線を挟んで両側からロボットにより作業が行われる。その際、ワークの位置は、カメラの撮像画像から特定される。例えば、ワークの位置を特定する方法としては、ワークに取り付けたセンサを検出する方法や、ワークが台に設置されている場合には台の位置からワークの位置を特定する方法等が考えられる。しかし、ワークに取り付けたセンサを検出する方法では、センサの取付けという工程の増加や、センサの検出精度という問題がある。一方、台の位置からワークの位置を特定する方法では、台に対するワークの位置決め精度や、様々な形状のワークへの対応が煩雑になる等の問題がある。それに対し、本構成によるカメラでワークを撮像する方法では、ワークそのものの画像を捉えることができるので、ワークの位置を正確に特定することができる。また、形状が異なるワークであっても、その形状をそのまま画像として捉えることができるので、様々な形状のワークに対応することができる。
しかしながら、カメラでワークを撮像する構成においては、ロボットの動作によっては、ロボットがカメラの死角を形成する虞がある。それに対し、前記の構成によれば、カメラは基準線を挟んでワークの両側に配置されている。このように、撮像する角度が異なる少なくとも2つのカメラを設けることによって、一方のカメラがロボットに起因する死角によりワークを適切に撮像できない場合でも、他方のカメラでワークを適切に撮像できる可能性がある。つまり、ロボットによる死角のためにカメラでワークを適切に撮像できないという事態が生じる可能性を低減することができる。
それに加えて、基準線の両側に配置された少なくとも2つのカメラは、ワークのうち、基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像する。つまり、ワークにおいて、2つのカメラが撮像する部分の位置は、基準線に対して非対称となっている。これにより、基準線に対して対称な位置で2つのロボットが作業を行う場合であっても、2つのカメラに同時に死角が生じることを防止することができる。仮に、2つのカメラがワークのうち基準線に沿う方向の位置が同じ部分をそれぞれ撮像するような構成においては、一方のロボットがそれと同じ側のカメラの死角を形成すると同時に、他方のロボットがそれと同じ側のカメラの死角を形成する事態が起こり得る。特に、2つのカメラが基準線に対して実質的に対称な動作で作業を行う、即ち、両方のロボットが実質的に同じ動作を行う場合には、2つのカメラに同時に死角が形成される事態が生じ易くなる。それに対し、2つのカメラが、ワークのうち、基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像することによって、2つのロボットが実質的に対称な動作を行う際に一方のカメラにロボットによる死角が生じたとしても、他方のカメラにもロボットにより同様の死角が生じる可能性を低減することができる。
別の観点から見れば、2つのカメラが、ワークのうち、基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像することによって、ワークの位置を適切に特定しつつ、2つのロボットに基準線の両側において実質的に対称な位置で且つ実質的に対称な動作でワークに作業を行うことができる。その結果、ロボットのレイアウトをコンパクトにでき、且つ、ロボットのティーチングを容易にすることができる。
さらに、前記の構成によれば、カメラは基準線に対して千鳥状に配置される。このような配置とすることによって、基準線を挟んだ一方側のカメラと他方側のカメラとで、ワークのうち、基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像しやすくなる。
また、前記作業装置は、ワークを前記基準線に沿う搬送方向に搬送する搬送部をさらに備え、前記ロボットは、前記搬送部により搬送中のワークに対して作業を行うものであってもよい。
この構成によれば、ロボットによる作業中にワークが移動しているので、ワークの位置の特定精度がより重要になる。つまり、基準線の両側のカメラを前述の構成とすることによって、搬送中のワークであっても、該ワークの位置を的確に特定して、該ワークに対して正確に作業を行うことができる。
さらに、前記ロボットは、前記搬送部により搬送されるワークに追従して移動するように構成されていてもよい。
この構成によれば、ロボット自体もワークに追従して移動するので、ワークの位置の特定精度の重要性がより増加する。
た、前記制御部は、予めワークの特徴点を複数設定し、前記カメラに複数の特徴点を順次撮像させるようにしてもよい。
また、例えば、前記ロボットが行う作業は、塗装であってもよい。また、ワークは、自動車の車体であってもよい。
前記作業装置によれば、ワークの位置を正確に特定することができる。
塗装装置の概略的な平面図である。 塗装装置の概略的な正面図である。 図2におけるカメラ周辺の拡大図である。 制御装置のブロック図である。 車体の特徴点を示す斜視図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、塗装装置100の概略構成を示す。塗装装置100は、ワークとしての自動車の車体1に対して塗装を行う塗装ラインに設けられている。車体1の各パネルには、下塗り(電着)塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜が形成される。上塗り塗膜は、ベース塗膜と、ベース塗膜上のクリア塗膜とを有する。この塗装装置100では、車体1の内板に対するクリア塗装が行われる。塗装装置100は、作業装置の一例である。
塗装装置100は、車体1を搬送するチェーンコンベア2と、車体1を塗装するための塗装ロボット3,3と、車体1のドアを開閉するための開閉ロボット4,4と、車体1の位置を特定するためのカメラ5,5,…と、車体1を照らす照明6,6と、チェーンコンベア2、塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4を収容するブース7と、塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4を制御する制御装置10(図4参照)とを備えている。
塗装ブース7は、図2に示すように、天井71と、床72と、側壁73,73とによって画成されている。天井71の上方には、下降気流を発生させるためのファン74,74,…が設けられている。天井71は、フィルタ75で構成されている。ファン74,74,…による下降気流は、フィルタ75を通過して塗装ブース7内に流入していく。床72は、金網で形成されており、金網の下には余剰塗料を排出するための排出溝が形成された塗料受け部75が設けられている。塗料受け部75には、水が流れている。塗装ブース7内で飛散する塗料は、ファン74,74,…の下降気流によって下方に流れていき、床72の金網を通過して、塗料受け部75に落下する。そして、塗料受け部75に落下した塗料は、排出溝を介して排出される。
各側壁73は、段差形状をしており、2つの側壁73,73の間の間隔は、上部において狭く、下部において広くなっている。詳しくは、側壁73は、鉛直方向に延びる上部壁73aと、上部壁73aよりも下方において鉛直方向に延びる下部壁73cと、水平方向に延び、上部壁73aと下部壁73cとを連結する中間壁73bとを有している。上部壁73a,73a同士の間隔は、下部壁73c,73c同士の間隔よりも狭くなっている。
チェーンコンベア2は、図1に示すように、基準線Xに沿って延びており、車体1を基準線Xに沿った方向に搬送する。チェーンコンベア2は、搬送部の一例である。以下、基準線XをX軸と称することもある。X軸に直交する方向にY軸を規定し、X軸及びY軸の両方に直交する方向にZ軸を規定する。X軸及びY軸は、水平に延びており、Z軸は、上下方向に延びている。また、基準線Xに沿った方向を搬送方向と、Y軸方向を幅方向と称することもある。
塗装ロボット3は、基準線Xを挟んでチェーンコンベア2の両側に1台ずつ配置されている。塗装ロボット3は、移動装置31と、移動装置31に連結されたベース32と、ベース32に連結された第1アーム33と、第1アーム33に連結された第2アーム34と、第2アーム34に連結された塗装機35と、ベース32と第1アーム33とを連結する第1ジョイント36と、第1アーム33と第2アーム34とを連結する第2ジョイント37と、第2アーム34と塗装機35とを連結する第3ジョイント38とを有している。
移動装置31は、基準線Xと平行に延びるレール31aと、レール31aに沿って並進可能な架台31bとを有している。架台31bがレール31aに沿って移動することによって、塗装ロボット3が基準線Xと平行に移動する。
ベース32は、架台31bに対してZ軸と平行な軸周りに回転可能に取り付けられている。第1アーム33の一端部は、第1ジョイント36を介してベース32に対して水平な軸周りに回転可能に取り付けられている。第1アーム33の他端部には、第2アーム34の一端部が第2ジョイント37を介して水平な軸周りに回転可能に取り付けられている。第2アーム34の他端部には、塗装機35が第3ジョイント38を介して直交3軸周りに回転可能に取り付けられている。塗装機35は、静電塗装機であり、回転ベル型塗装ガンを有している。
開閉ロボット4の基本的な構成は、塗装ロボット3と同様であるが、塗装機35の代わりに、車体1のドアを開閉するためのハンド部が設けられている。開閉ロボット4は、移動装置31のレール31aを共用しており、レール31aに沿って並進可能に構成されている。
カメラ5,5,…は、基準線Xを挟んでチェーンコンベア2の両側に8台ずつ配置されている。基準線Xの各側の8台のカメラ5,5,…は、等間隔に基準線Xと平行に配列されている。基準線Xを挟んでチェーンコンベア2の両側に8台ずつのカメラ5,5,…を配置することによって、搬送中の車体1を何れかのカメラ5で撮像することができる。
より詳しくは、カメラ5,5,…は、基準線Xに対して千鳥状に配置されている。つまり、基準線Xを挟んだ一方側のカメラ5,5,…と他方側のカメラ5,5,…とで、X軸方向位置が異なっている。それに加えて、カメラ5,5,…は、その光学系の光軸AがYZ平面と平行に延びるように配置されている。その結果、基準線Xを挟んで配置されたカメラ5,5,…は、車体1のうちX軸方向位置が異なる部分をそれぞれ撮像するように配置されている。すなわち、各カメラ5の視野の中心のX軸方向位置が異なっている。
また、カメラ5は、図2に示すように、塗装ブース7の上部壁73aと中間壁73bとで形成される隅部、即ち、塗装ブース7の外側に配置されている。より詳しくは、図3に示すように上部壁73aと中間壁73bとの隅部には、水平方向に対して傾斜した傾斜壁73dが設けられている。傾斜壁73dには、透光性を有する(具体的には、透明な)防汚板73eが設けられている。例えば、防汚板73eは、ガラス板又はアクリル板で形成されている。カメラ5のレンズ面51は、防汚板73eと対向し、カメラ5の光学系の光軸Aは、防汚板73eと直交している。カメラ5は、防汚板73eを介して、車体1を撮像する。つまり、防汚板73eは、カメラ5が車体1を撮像するための窓を構成しており、塗装ブース7内を飛散する塗料の噴霧からカメラ5を保護している。尚、塗料が有機溶剤系塗料の場合には、防汚板73eは、防爆の機能も有する。
この位置は、図2に示すように、Y軸方向において、塗装ロボット3と概ね同じ位置か、塗装ロボット3よりも幅方向外側(チェーンコンベア2から離れる側)の位置であり、Z軸方向については、Z軸方向に延びた状態(図2に示す状態)の第1アーム33の上端よりも高い位置であって且つ、塗装ブース7の天井71よりは低い位置に配置されている。その位置において、カメラ5,5,…は、光軸AがYZ平面内において斜め下方を向くように配置されている。つまり、カメラ5は、車体1を斜め上方から撮像する。尚、天井71には、ファン74,74,…及びフィルタ75が設けられており、カメラ5を配置することが困難であるため、カメラ5は、このように天井71より低い位置であって車体1を斜め上方から撮像する位置に配置されている。また、車体1をカメラ5により斜め上方から撮像することによって、1台のカメラ5で車体1の上面と側面との両方を撮像することができる。詳しくは後述するが、車体1には、車体1の位置を特定するための特徴点が複数設定されている。車体1を斜め上方から撮像することによって、車体1の上面と側面との両方の特徴点を1台のカメラ5で捉えることができる。
また、図3に示すように、傾斜壁73dの、塗装ブース7の内側の面には、パージボックス76が設けられている。パージボックス76は、箱状に形成されており、カメラ5の光軸Aが通過する開口76aを有している。開口76aは、カメラ5の視野を遮らない程度の大きさを有している。パージボック76には、空気が供給されるエアホース76bが接続されている。パージボックス76内には、エアホース76bを介して空気が供給され、該空気は、開口76aを介してパージボックス76から流出していく。つまり、パージボックス76は、カメラ5のレンズ面51から離れる方向への気流を発生させている。パージボックス76は、第2気流装置の一例である。
照明6,6は、図1に示すように、基準線Xを挟んでチェーンコンベア2の両側に配置されている。照明6は、複数のLEDライト61,61,…を含んでいる。照明6は、図2に示すように、塗装ブース7の側壁73に設けられている。側壁73の下部壁73cには、幅方向に凹んだ凹部73fが設けられており、照明6は、凹部73f内に配置されている。照明6の光軸は、YZ平面内で斜め上方を向いている。つまり、照明6は、塗装ブース7の天井71を照射している。照明6から天井71に向かって出射された光は、天井71で反射し、車体1を間接的に照射する。ここで、天井71は、フィルタ75が設けられているので、天井71で反射する光はフィルタ75によって散乱する。そのため、車体1にはぼやけた反射光が照射している。
また、凹部73fを区画する底壁は、遮光板73gで形成されている。遮光板73gは、幅方向内側ほど上側に位置するように傾斜している。つまり、遮光板73gは、照明6が車体1を直接照らさないように、照明6の光を遮っている。
さらに、上部壁73aのうち天井71よりも下方の部分、中間壁73b、及び下部壁73cのうち凹部73fよりも上方の部分の色は、白色となっている。つまり、照明6から斜め上方に出射した光は、上部壁73a、中間壁73b及び下部壁73cにおいても反射し、車体1を間接的に照らす。これにより、間接照明で車体1を照らす構成であっても、暗くなり過ぎることを防止している。
こうして、車体1をぼやけた反射光で照射することによって、車体1に照明が映り込むことを抑制し、仮に照明が映り込んだとしてもその明度を抑制することができる。
制御装置10は、図4に示すように、カメラ5,5,…の撮像画像に基づいてワークの位置を特定する位置特定部101と、塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4を制御するロボットコントローラ102とを有している。位置特定部101及びロボットコントローラ102は、それぞれプロセッサ及びメモリ等を有し、演算処理や制御プログラム等を実行する。制御装置10は、制御部の一例である。尚、位置特定部101及びロボットコントローラ102は、個別の装置として構成されてもよいし、1台の装置として構成されてもよい。
位置特定部101は、所定の時間間隔でカメラ5に撮像を行わせ、カメラ5からの撮像画像を受け取る。そして、位置特定部101は、撮像画像に画像処理を施した後、ワークの特徴点を抽出し、該特徴点のカメラ座標系における座標(カメラ座標)を特定する。ワークには、予め複数の特徴点が設定されている。例えば、車体1の場合、図5に示すような、ルーフ11の境界線と、リアピラー12の境界線と、リフトゲート13の境界線との交点Pが特徴点の1つとして設定されている。このように、パネルとその境界線とではコントラストが大きくことなるため、境界線上に特徴点を設定することにより、撮影画像から特徴点を抽出しやすくなる。車体1には、左右に5個ずつ合計10個の特徴点が設定されている。何れか1つの特徴点の位置がわかれば、車体1の位置を特定することができる。位置特定部101には、塗装ブース7に搬送されてくる車体1の情報が作業員から、又は上位のPCから入力される。位置特定部101は、車体1ごとの特徴点を記憶しており、車体1の情報に基づいて特徴点を読み出し、撮像画像から特徴点を抽出する。位置特定部101は、特徴点のカメラ座標をロボットコントローラ102へ出力する。
ここで、車体1の移動に応じて、車体1の特徴点を撮像するカメラ5が順次切り替えられる。カメラ5,5,…を切り替える順番は、車体1の形状に応じて予め決められている。位置特定部101は、設定された順番に従って、対応するカメラ5に車体1を撮像させる。このとき、特徴点は車体1の左右片側につき複数個(具体的には5個)設けられているので、車体1の移動により1つの特徴点がカメラ5の視野からフレームアウトしたとしても、別の特徴点が視野中に存在することは十分にあり得る。そのため、該対応するカメラ5の視野に特徴点が存在する場合には、該対応するカメラ5で撮像を継続する。すなわち、位置特定部101は、該対応するカメラ5に複数の特徴点を順次撮像させる。該対応するカメラ5の視野に特徴点が含まれないようになったり、該対応するカメラ5が何らかのエラーにより撮像画像を適切に取得できなくなったりした場合には、位置特定部101は、位置の特定に用いるカメラ5を別のカメラ5に瞬時に切り替える。こうして、車体1の特徴点を撮像するカメラ5を順次切り替えていくことによって、位置特定部101は、搬送されていく車体1の位置を常に特定していく。
ロボットコントローラ102は、特徴点のカメラ座標をロボット座標系の座標(ロボット座標)に変換する。ロボットコントローラ102は、ティーチング情報及び特徴点のロボット座標に基づいて塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4へ指令を出力する。塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4は、ロボットコントローラ102の指令に基づいて動作する。例えば、車体1が塗装ブース100内に搬送されてくると、開閉ロボット4,4が車体1のドアを開く。その後、塗装ロボット3,3が車体1の内板部分に対し、予め設定された軌跡を描いて塗装作業を行う。
このとき、塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4は、搬送される車体1に追従してレール31aに沿って移動しながら作業を行う。そのとき、一対の塗装ロボット3,3はそれぞれ、基準線Xを挟んで対称な位置に位置し、且つ、基準線Xを挟んで対称な動作を行う。同様に、一対の開閉ロボット4,4はそれぞれ、基準線Xを挟んで対称な位置に位置し、且つ、基準線Xを挟んで対称な動作を行う。
このように塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4に基準線Xを挟んで対称な位置で対称な動作を行わせることによって、ロボットへのティーチングの容易化を図ると共に、基準線Xの両側で同時に作業を行うため、レイアウトのコンパクト化及びサイクルタイムの延長の防止を図っている。
しかし、塗装ロボット3,3及び開閉ロボット4,4に、基準線Xを挟んで対称な位置で対称な動作を行わせる構成においては、カメラ5,5,…も同様に基準線Xに対して対称な位置に配置すると、基準線Xを挟んだ両側のカメラ5,5で同時に死角が生じる虞がある。以下、この点について詳しく説明する。尚、塗装ロボット3と開閉ロボット4とで同様の事態が起こり得るので、以下では塗装ロボット3についてのみ説明する。
詳しくは、塗装ロボット3は作業を行う際に車体1とカメラ5との間に位置するので、カメラ5から見て塗装ロボット3と車体1の特徴点とが重なった場合には、カメラ5は該特徴点を撮像することができない。カメラ5は基準線Xを挟んで両側に設けられているので、一方のカメラ5が塗装ロボット3の死角により車体1の特徴点を撮像できなくても、他方のカメラ5が車体1の別の特徴点を撮像できれば、車体1の位置を特定することができる。しかし、一対のカメラ5,5が基準線Xを挟んで対称な位置に配置され且つ、塗装ロボット3,3も基準線Xに対して対称な位置で対称な動作を行う場合には、一方のカメラ5に塗装ロボット3による死角が生じたときには、他方のカメラ5にも塗装ロボット3による死角が生じてしまう。
それに対し、基準線Xを挟んで配置されたカメラ5,5は、車体1のうち、基準線Xに沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像するように配置されている。例えば、車体1の右側に設けられたカメラ5が車体1のフロントドア周辺を撮像するときに、車体1の左側に設けられたカメラ5が車体1のリフトゲート周辺を撮像するように、カメラ5,5が配置されている。より詳しくは、カメラ5,5,…は、基準線Xに対して千鳥状に(即ち、基準線Xを挟んだカメラ5,5同士で搬送方向の位置が一致しないように)配置されている。このとき、各カメラ5は、その光学系の光軸AがYZ平面と略平行となるように配置されている。
これにより、例えば、基準線Xを挟んだ一方のカメラ5に塗装ロボット3による死角が生じたとしても、他方のカメラ5には、同様の位置には塗装ロボット3による死角が生じない。つまり、基準線Xを挟んだカメラ5,5のうち何れかのカメラ5で車体1を適切に撮像することができ、塗装ロボット3,3の作業の如何にかかわらず車体1の位置を特定することができる。
観点を変えれば、カメラ5,5を前述のような配置にすることによって、車体1の位置を適切に特定しつつ、塗装ロボット3,3に基準線Xを挟んで対称な位置で対称な動作を行わせることができる。これにより、ティーチングを容易にすることができ、レイアウトのコンパクト化を図ることができ、サイクルタイムの延長化も防止できる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、クリア塗装を行う塗装作業を行うロボットについて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、塗装ロボット3は、クリア塗装以外の塗装を行ってもよい。また、塗装に限らず、様々な作業に本技術を適用することができる。例えば、ワークに加工を施すロボットについても本技術を適用できる。また、搬送中のワークに対する作業に限られず、静止したワークに対して作業する場合にも本技術を適用できる。
また、カメラ5及び照明6の構成は一例にすぎず、異なる構成であってもよい。例えば、カメラ5は、天井71に配置できる場合には、天井71に配置してもよい。また、カメラ5は、塗装ブース7内に配置されてもよい。その場合、噴霧からのカメラ5の汚損を防止するために、カメラ5をケース等で覆うことが好ましい。また、パージボックス76を省略してもよい。
また、カメラ5は、その光軸AがYZ平面に対して平行となるように配置されているが、これに限られるものではない。基準線Xを挟んだカメラ5,5が、ワークのうち基準線Xに沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像する限りは、光軸Aは任意の方向を向いていてもよい。また、複数のカメラ5,5,…の光軸A,A,…は、それぞれ平行となっているが、互いに平行でなくてもよい。さらに、基準線Xの各片側において、複数のカメラ5,5,…が等間隔に配置されているが、これに限られるものではなく、間隔が等しくなくてもよい。さらにまた、カメラ5の個数は、任意に設定することができる。ただし、基準線Xを挟んで少なくとも2つのカメラ5,5を設ける必要がある。尚、カメラ5,5,…を千鳥状に配置するためには、少なくとも3つのカメラ5,5,5が必要となる。
以上説明したように、ここに開示された技術は、ロボットを用いた作業装置について有用である。
100 塗装装置(作業装置)
1 車体(ワーク)
2 チェーンコンベア(搬送部)
3 塗装ロボット(ロボット)
4 開閉ロボット(ロボット)
5 カメラ
51 レンズ面
7 塗装ブース
10 制御装置(制御部)
P 特徴点
X 基準線

Claims (6)

  1. ワークを通る基準線を挟んでワークの両側に配置され、ワークに対して作業を行う少なくとも2つのロボットと、
    前記基準線を挟んでワークの両側に配置され、ワークを撮像する少なくとも2つのカメラと、
    前記カメラの撮像画像に基づいて前記ロボットを制御する制御部とを備えた作業装置であって、
    前記ロボットは、前記基準線を挟んで対称な位置で前記カメラの撮像画像から特定されるワークの位置に基づいてワークに対して作業を行うように構成され、
    前記少なくとも2つのカメラは、ワークのうち、前記基準線に沿う方向の位置が異なる部分をそれぞれ撮像し、
    前記カメラは、前記基準線を挟んだそれぞれの側に複数設けられ、該基準線に対して千鳥状に配置され、
    前記制御部は、搬送中のワークを撮像するカメラを順次切り替えて、搬送中のワークの位置を追跡する作業装置。
  2. 請求項1に記載の作業装置において、
    ワークを前記基準線に沿う搬送方向に搬送する搬送部をさらに備え、
    前記ロボットは、前記搬送部により搬送中のワークに対して作業を行う作業装置。
  3. 請求項2に記載の作業装置において、
    前記ロボットは、前記搬送部により搬送されるワークに追従して移動するように構成されている作業装置。
  4. 請求項1乃至の何れか1つに記載の作業装置において、
    前記制御部は、予めワークの特徴点を複数設定し、前記カメラに複数の特徴点を順次撮像させる作業装置。
  5. 請求項1乃至の何れか1つに記載の作業装置において、
    前記ロボットが行う作業は、塗装である作業装置。
  6. 請求項1乃至の何れか1つに記載の作業装置において、
    ワークは、自動車の車体である作業装置。
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