JP6422007B2 - 非接触温度センサ - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、赤外線透過性フィルムの裏面にガラス溶封されたサーミスタ素子が固定された非接触温度センサが記載されている。この非接触温度センサでは、赤外線透過性フィルムの端部又は周縁部が固定用フランジを有するベースに固定されている。また、サーミスタ素子はリード線を介して電気的に接続されている。
すなわち、従来の技術では、感温素子が実装されたフレキシブルプリント基板やフィルムがその周縁部分や端部で筐体やベースに固定されているため、赤外線を受けて生じた熱がフィルムを介して周囲の筐体やベースに逃げてしまい、温度の検出精度が低くなってしまうという問題があった。また、感温素子の熱容量が大きいと共に配線による熱コンダクタンスが大きく、応答性も悪くなってしまうという問題があった。
さらに、フレキシブルプリント基板やフィルムがその周縁部分や端部で筐体やベースに固定されているため、複写機等の加熱ローラの温度を測定する際に、ローラとセンサとの間に紙が詰まった場合に筐体やベースが曲がる又は折れる等の問題があった。このため、紙を取り除いた後にローラとセンサとの距離が変わってしまい、原状を回復できない不都合があった。また、このような破損の問題があるため、従来はセンサを支障のない距離までローラから離して配置しており、検出精度が落ちてしまう問題があった。
すなわち、この非接触温度センサでは、基端側が絶縁性フィルムの電極形成領域の裏面側に接着され、先端側がサーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレームを備えているので、表面側のリードフレームに加えて裏面側フレームによってもサーミスタ形成領域が機械的に保護され、より高い剛性を有して補強される。また、電極形成領域をリードフレームと裏面側フレームとで挟んで支持することができ、リードフレームとパッド電極との接合強度を維持して信頼性の向上を図ることができる。
すなわち、この非接触温度センサでは、サーミスタ形成領域の裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルムを備えているので、保護フィルムが裏面側で輻射熱を遮蔽して、外気等の影響や測定対象物以外からの熱の干渉を抑制することができる。
すなわち、この非接触温度センサでは、配線部が、膜厚100〜300nmの薄膜で絶縁性フィルムの表面にパターン形成されたパターン配線部であるので、通常のプリント基板等で配線として用いられている厚さ100μm程度の金属箔に比べてナノレベルの薄膜化によって大幅に熱コンダクタンスが小さくなって、さらに高い応答性を得ることができる。なお、膜厚が100nm未満の場合は、絶縁性フィルムが曲がった際に断線することがあり、膜厚が300nmを超える場合は、従来の金属箔の配線と同様に熱コンダクタンスが大きくなってしまうため、上記膜厚範囲とすることが好ましい。
すなわち、この非接触温度センサでは、配線形成領域が、サーミスタ形成領域及び電極形成領域よりも幅狭に形成されているので、配線形成領域を介して熱が逃げ難くなり、より高い応答性を得ることができる。
すなわち、本発明に係る非接触温度センサによれば、一対のリードフレームの先端側が、サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、一対のリードフレームが、弾性を有し、サーミスタ形成領域が、一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出しているので、サーミスタ部が周囲のリードフレームで機械的に保護されると共に、熱がリードフレームに逃げ難く、高い応答性かつ高い検出精度を得ることができ、さらに熱容量が小さいことで、高い応答性を得ることができる。また、複写機のローラ等を測定対象とした場合、紙詰まりでローラとの距離が変わっても、リードフレームのバネ性により原状を回復することができる。したがって、従来よりもローラに近づけて設置することも可能になり、高い検出精度を得ることが可能になる。
したがって、本発明の非接触温度センサによれば、サーミスタ部が保護されていると共に、高い応答性で正確に温度を非接触で測定することができ、複写機やプリンタ等の加熱ローラの温度測定用として好適である。
また、上記センサ部Sは、パッド電極5が配された領域を除いて絶縁性フィルム2の表面に形成された保護膜8を備えている。
なお、リードフレーム7は、はんだ付けでパッド電極5に接合して接着しても構わない。
上記絶縁性フィルム2は、例えばポリイミド樹脂シートで形成されている。なお、絶縁性フィルム2としては、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも作製できるが、加熱ローラの温度測定用としては、最高使用温度が230℃と高いためポリイミドフィルムが望ましい。
一対の櫛型電極4は、互いに対向状態に配されて交互に櫛部4aが並んだ櫛型パターンとされている。
上記保護フィルム10は、絶縁性樹脂フィルム等であり、例えばポリイミドフィルムが採用される。
なお、膜の表面に対して垂直方向(膜厚方向)にa軸配向(100)が強いかc軸配向(002)が強いかの判断は、X線回折(XRD)を用いて結晶軸の配向性を調べることで、(100)(a軸配向を示すミラー指数)と(002)(c軸配向を示すミラー指数)とのピーク強度比から、「(100)のピーク強度」/「(002)のピーク強度」が1未満であることで決定する。
本実施形態の非接触温度センサ1の製造方法は、絶縁性フィルム2上に薄膜サーミスタ部3をパターン形成する薄膜サーミスタ部形成工程と、互いに対向した一対の櫛型電極4を薄膜サーミスタ部3上に配して絶縁性フィルム2上に一対のパターン配線部6をパターン形成する電極形成工程と、絶縁性フィルム2の表面に保護膜8を形成する保護膜形成工程と、パッド電極5にリードフレーム7を溶接するリードフレーム接着工程と、絶縁性フィルム2に裏面側フレーム9を接着する裏面側フレーム接着工程と、保護フィルム10を裏面側フレーム9に接着する保護フィルム接着工程とを有している。
次に、成膜した電極層の上にレジスト液をバーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントの順番でウェットエッチングを行い、図2及び図3の(c)に示すように、レジスト剥離にて所望のパターン配線部6及び櫛型電極4を形成する。
次に、センサ部Sの一対のパッド電極5に、図4に示すように、一対のリードフレーム7をその基端側で溶接する。このとき、一対のリードフレーム7を、その先端側でサーミスタ形成領域2aを囲むように配置する。
そして、図6に示すように、一対の裏面側フレーム9上にポリイミドフィルムの保護フィルム10を接着剤等で貼り付け、一対の裏面側フレーム9間の上部開口部分を塞ぐことで、非接触温度センサ1が作製される。
また、パターン配線部6が、膜厚100〜300nmの薄膜で形成されているので、通常のプリント基板等で配線として用いられている厚さ100μm程度の金属箔に比べてナノレベルの薄膜化によって大幅に熱コンダクタンスが小さくなって、さらに高い応答性を得ることができる。
また、配線形成領域2cが、サーミスタ形成領域2a及び電極形成領域2bよりも幅狭に形成されているので、配線形成領域2cを介して熱が逃げ難くなり、より高い応答性を得ることができる。
また、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向に延在している柱状結晶であるので、膜の結晶性が高く、高い耐熱性が得られる。
さらに、この金属窒化物材料では、膜の表面に対して垂直方向にa軸よりc軸を強く配向させることで、a軸配向が強い場合に比べて高いB定数が得られる。
また、上記実施形態では、裏面フレームと保護フィルムとを別体として接着しているが、これらを樹脂等でケース状に一体化して絶縁性フィルムの裏面に接着しても構わない。
Claims (3)
- 絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの表面に設けられたサーミスタ部と、
前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパッド電極と、
前記絶縁性フィルムの表面側で前記一対のパッド電極に接着された一対のリードフレームとを備え、
前記サーミスタ部が前記絶縁性フィルムの先端側に配されたサーミスタ形成領域に設けられ、
前記パッド電極が前記絶縁性フィルムの基端側に配された電極形成領域に形成され、
前記一対のリードフレームの先端側が、前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配され、
前記一対のリードフレームが、弾性を有し、
前記サーミスタ形成領域が、前記一対のリードフレームの先端側に囲まれた領域の中空に前記一対のリードフレームの先端側に接触しない状態で突出していることを特徴とする非接触温度センサ。 - 請求項1に記載の非接触温度センサにおいて、
基端側が前記絶縁性フィルムの前記電極形成領域の裏面側に接着され、先端側が前記サーミスタ形成領域の周囲を非接触で囲んで配されている一対の裏面側フレームを備えていることを特徴とする非接触温度センサ。 - 請求項1又は2に記載の非接触温度センサにおいて、
前記サーミスタ形成領域の裏面側を非接触で覆って設けられた絶縁性の保護フィルムを備えていることを特徴とする非接触温度センサ。
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