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JP6405391B2 - ドネペジルまたはその塩を含む経皮吸収システム - Google Patents

ドネペジルまたはその塩を含む経皮吸収システム Download PDF

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Description

本発明は、ドネペジルまたはその塩を含む経皮吸収システムに関する。さらに詳細には、本発明は、単層構造を有する薬物含有マトリックス層を含み、該薬物含有マトリックス層が、粘着剤として高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの混合物および3重量%以下の透過促進剤を含む経皮吸収システムに関する。
アルツハイマー病患者は、大脳皮質の大部分においてコリナージックニューロンレベルおよびアセチルコリン分泌レベルが著しく低下している。そのため、脳内のアセチルコリンレベルを上昇させることによって患者の認知障害を改善できることが知られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害することで脳内のアセチルコリンレベルを上昇させることから、アルツハイマー病の症状をコントロールするために用いられている。これまでに開発されたアセチルコリンエステラーゼ阻害剤としては、タクリン(1993)、ドネペジル(1996)、リバスチグミン(1999)、およびガランタミン(2001)が挙げられ、これらはアルツハイマー病の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている。例えば、ドネペジル含有錠剤であるアリセプトTM(エーザイ社製)は、1日1回就寝前に投与される経口製剤である。
一方、ドネペジル含有錠剤の経口投与は、下痢、嘔吐、食欲不振、および筋痙攣等の胃腸副作用を引き起こすことが知られている。また、アルツハイマー病患者は1日1回(就寝前)の服薬を繰り返す必要があり、これが患者のコンプライアンスを低下させ、薬理効果の持続が難しくなる。したがって、ドネペジル含有経皮吸収システムは、経口投与による胃腸管副作用を回避し、患者のコンプライアンスを改善することが期待される。経皮吸収システムは、特に、長時間にわたる薬物成分の持続的な放出を通じて、所望の薬理効果を持続的に維持することが期待される。
ドネペジルまたはその塩を含有する多様な経皮吸収システムが開示されている。ドネペジルまたはその塩を含有する経皮吸収システムは、例えば、米国特許第6,815,454号、米国特許公開第2009/0175929号、米国特許公開第2010/0080842号、米国特許公開第2012/0207816号、WO 2003/032960、韓国特許公開第10−2009−0101667号、韓国特許公開第10−2011−0030349号、韓国特許公開第10−2011−0109995号等を含む多様な先行技術に開示されている。
しかし、先行技術に開示されている経皮吸収システムの大部分は、薬物成分の皮膚透過度の低さを克服するために様々な透過促進剤を大量に使用しており、それが発疹や皮膚刺激等の有害作用を引き起こす。
また、所望するレベルの皮膚透過度を長時間(例えば7日間以上)維持することは、患者のコンプライアンスを改善するために必要であるが、これは困難である。例えば、WO2003/032960に開示された経皮吸収システムの場合、皮膚透過度が2〜2.5μg/cm/時の最高レベルに到達した後、急激に減少している。この経皮吸収システムの貼付から48時間後に、その皮膚透過度は、約1μg/cm/時まで減少しており、治療効果の持続的な維持は困難である。また、2以上の薬物含有層間に放出制御層が挿入された経皮吸収システムも開示されている(例えば、韓国特許公開第10−2011−0030349号、EP 2,399,607等)。しかし、多層構造を有する経皮吸収システムは、工業的大量生産における製造プロセスが複雑になること、また製造コストが高くつくこと等の問題を有する。
さらに、経皮吸収システムにおける薬物成分の結晶化は、粘着力の低下、皮膚透過度の変動、保管の問題等の様々な問題を引き起こすため、経皮吸収システムに高濃度の薬物成分を含有させることは困難である。米国特許公開第2010/0080842号および第2009/0175929号には、カルボン酸官能基またはヒドロキシル官能基を有するアクリル系感圧粘着剤を用いること、および特定の透過促進剤または特定の結晶形のドネペジル(結晶多形B形)または特定の結晶化阻害剤(すなわち、カルボキシ基を有する(メタ)アクリレート共重合体)を用いることによって得られた経皮吸収システムを開示している。しかし、アクリル系感圧粘着剤を経皮吸収システムのマトリックスとして用いる場合、ドネペジルとアクリル重合体との相互作用によって感圧粘着層における薬物拡散は遅くなり、それによって感圧粘着層から皮膚への薬物の移動も低減される。この問題を解決するために、韓国特許公開第10−2009−0101667号では、EVA(エチレンビニルアセテート)粘着剤および結晶化阻害剤としてロジンエステル樹脂を用いることによって得られた経皮吸収システムが開示されている。
したがって、前記した問題、すなわち有害作用(例えば、発疹や皮膚への刺激)、皮膚透過度を長時間(例えば7日間以上)維持することの難しさ、付加的な放出制御層の形成に関連する製造プロセスの複雑化および生産コストの増大、ならびにマトリックス内での結晶化に起因する問題(例えば、粘着力の低下、皮膚透過度の変動、および高濃度の薬物成分を含有させることの難しさ等)等を解決することができる経皮吸収システムを開発する必要がある。特に、7日間以上という長時間にわたって用いられる経皮吸収システムの設計において、最適な粘着剤の選定は、薬物成分と粘着剤との相互作用に起因する皮膚透過度の変動の最小化および結晶化の防止のいずれのためにも非常に重要である。また、工業的大量生産に適した単層構造を有する薬物含有マトリックス層を含む経皮吸収システムであって、薬物を持続的に放出することにより1回の貼付で長時間(7日間以上)治療効果が得られ、透過促進剤の使用が少量で済み、かつ優れた物理化学的安定性を有する経皮吸収システムを開発する必要がある。また、製剤における気泡形成や皮膚への貼付後の製剤の変形といった別の問題も、薬物成分の皮膚透過度の一貫性および/または持続性を達成するためには解決しなければならない。
本発明は、ドネペジルまたはその塩を含有する経皮吸収システムであって、単層構造を有する薬物含有マトリックス層を含み、薬物含有マトリックス層に含有される透過促進剤が3重量%以下という少量であっても、長時間(少なくとも7日間以上)にわたって持続的に高い皮膚透過度を示し、皮膚刺激性が低く、かつ優れた物理化学的安定性を示す経皮吸収システムを提供する。
詳細には、本発明は、7日間以上持続的に高い皮膚透過度を示し、皮膚刺激性が低く、かつ優れた安定性を示す、ドネペジルまたはその塩を含有する経皮吸収システムの提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、支持層、薬物含有マトリックス層、および剥離層から構成される経皮吸収システムであって、前記薬物含有マトリックス層が(a)有効成分としてのドネペジルまたはその薬学的に許容される塩、(b)粘着剤としての、重量平均分子量が400,000〜3,000,000の範囲にある高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が25,000〜300,000の範囲にある低分子量ポリイソブチレンとの混合物、および(c)薬物含有マトリックス層の全重量に対して3重量%以下の透過促進剤を含むことを特徴とする経皮吸収システムが提供される。
本発明の経皮吸収システムにおいて、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して、5〜10重量%の量で存在してもよい。
前記高分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量は、800,000〜1,500,000の範囲にあってもよく、前記低分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量は、25,000〜200,000の範囲にあってもよい。一実施形態において、前記粘着剤は、重量平均分子量が1,000,000である高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が75,000である低分子量ポリイソブチレンとの混合物であってもよい。高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの重量比は、1:0.3〜1:2であってもよい。また、前記粘着剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して、40〜50重量%の量で存在してもよい。
前記透過促進剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して、0.5〜2.5重量%の量で存在してもよい。一実施形態において、前記透過促進剤は、ラウリルピロリドンである。
本発明の経皮吸収システムにおいて、前記薬物含有マトリックス層は、安定化剤、油剤、および増粘剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含んでもよい。一実施形態において、前記安定化剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンである。
本発明による経皮吸収システムは、単層構造を有する薬物含有マトリックス層を含み、この薬物含有マトリックス層は、粘着剤としての高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの混合物、および3重量%以下の透過促進剤を含む。本発明の経皮吸収システムは単層構造を有するため、多層構造を有する経皮吸収システムに比べて、工業的大量生産に適し、コスト効率高く製造することができる。特に、本発明の経皮吸収システムは、含有する透過促進剤が非常に少量であるため、皮膚への刺激を最小限に抑えることができる。さらに、本発明の経皮吸収システムは、高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの混合物を用いることによって、長時間(少なくとも7日間以上)にわたって持続的に高い皮膚透過度を維持することができる。また、本発明による経皮吸収システムは、長期間保管される場合も、皮膚透過度を維持しながらドネペジルの結晶化を防止することができる。したがって、本発明による経皮吸収システムは、アルツハイマー病患者のコンプライアンスを著しく改善することができる。
ヘアレスマウスの皮膚に本発明による経皮吸収システムを貼付した後、皮膚透過度(累積濃度)を測定して得た結果を示す。 低分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量による皮膚透過度(累積濃度)の変化を測定して得た結果を示す。 透過促進剤の含量による皮膚透過度(累積量)の変化を測定して得た結果を示す。 重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレンと重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレンとの混合物に濃度7.6重量%のドネペジルを加えて得た結果(外観)を示す。 アミン抵抗性シリコーン粘着剤に、濃度2重量%、5重量%、7.6重量%、および10重量%のドネペジルをそれぞれ加えて得た結果(外観)を示す。 本発明によって製造した薬物含有マトリックス層の外観を示す。 本発明によって製造した薬物含有マトリックス層をヒト皮膚に貼付した後の外観を示す。 アミン抵抗性シリコーン粘着剤に濃度2重量%のドネペジルを加えて得た薬物含有マトリックス層をヒト皮膚に貼付した後の外観を示す。 図6aの薬物含有マトリックス層をヒト皮膚に貼付した後の外観を示す。 本発明によって製造した経皮吸収システムを、室温条件(25℃、相対湿度60%)下で1ヶ月間保管した後、示差走査熱量計を用いて実施した示差走査熱量分析の結果を示す。 本発明によって製造した経皮吸収システムを、加速保管条件(40℃、相対湿度75%)下で1ヶ月間保管した後、示差走査熱量計を用いて実施した示差走査熱量分析の結果を示す。 健康なボランティアにドネペジル5mg錠剤(アリセプト5mg)を単回経口投与して得た血中濃度プロファイルを示す。 本発明による経皮吸収システムの血中濃度プロファイルとドネペジル5mg錠剤の7日間1日1回経口投与の血中濃度プロファイルシミュレーションとの比較を示す。
本発明は、支持層、薬物含有マトリックス層、および剥離層から構成される経皮吸収システムであって、前記薬物含有マトリックス層が(a)有効成分としてのドネペジルまたはその薬学的に許容される塩、(b)粘着剤としての、重量平均分子量が400,000〜3,000,000の範囲にある高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が25,000〜300,000の範囲にある低分子量ポリイソブチレンとの混合物、および(c)薬物含有マトリックス層の全重量に対して3重量%以下の透過促進剤を含むことを特徴とする経皮吸収システムを提供する。
本発明による経皮吸収システムにおいて、前記ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩は、治療上有効な血中濃度を得るに十分な量で用いられてもよい。驚くべきことに、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩が特定の含量、詳細には薬物含有マトリックス層の全重量に対して、5〜10重量%の量、好ましくは約7.6重量%の量で用いられる場合、得られる経皮吸収システムは、薬物成分の結晶化に起因する皮膚透過度の減少を回避しながら、長時間(7日間以上)にわたって高い皮膚透過度を持続的に維持できるということが明らかになった。
本発明による経皮吸収システムにおいて、前期薬物含有マトリックス層は単層構造を有しており、これは、粘着剤として2種のポリイソブチレン、すなわち重量平均分子量が400,000〜3,000,000の範囲にある高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が25,000〜300,000の範囲にある低分子量ポリイソブチレンとの混合物を用いることによって達成される。このような粘着剤の特定の組合せの使用により、薬物成分の結晶化に起因する皮膚透過度の減少を回避しながら長時間(7日間以上)にわたって高い皮膚透過度を持続的に維持するために必要な量(すなわち、薬物含有マトリックス層の全重量に対して5〜10重量%、好ましくは約7.6重量%)のドネペジルまたはその塩を含有する薬物含有マトリックス層の製造が可能となる。また、このような粘着剤の特定の組合せの使用により、製剤における気泡形成および皮膚への貼付後の製剤の変形(すなわち押出)といった問題を効果的に解決することができる。
粘着剤として高分子量ポリイソブチレンのみを用いると、粘着力が強くなり過ぎ、工業的大量生産に適さず、得られた経皮吸収システムから剥離紙を除去することに問題が生じる。前記高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの混合物は、薬物含有マトリックス層においてマトリックスを形成する。すなわち、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩は、高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの混合物中に均一に分散され、薬物含有マトリックス層を形成する。したがって、本発明の経皮吸収システムは、多層構造を有する経皮吸収システムに比べて、単純なプロセスによって製造することができ、容易なスケールアップおよび製造コストの減少につながる。また、本発明の経皮吸収システムは、ヒト皮膚に安定的に貼付された状態で、長時間(7日間以上)持続的に皮膚透過度を維持することができる。
前記高分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量は、400,000〜3,000,000の範囲、好ましくは、800,000〜1,500,000の範囲、さらに好ましくは、約1,000,000のであってもよい。必要に応じて、市販されている高分子量ポリイソブチレン(例えば、OppanolTM B 100、BASF社製、ドイツ)を用いてもよい。前記低分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量は、25,000〜300,000の範囲、好ましくは、25,000〜200,000の範囲、さらに好ましくは、約75,000であってもよい。必要に応じて、市販されている低分子量ポリイソブチレン(例えば、OppanolTM B 10、OppanolTM B S15F、OppanolTM B 30等、BASF社製、ドイツ)を用いてもよい。一実施形態において、前記粘着剤は、重量平均分子量が約1,000,000である高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が約75,000の低分子量ポリイソブチレンとの混合物であってもよい。高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの重量比は1:0.3〜1:2であってもよく、好ましくは約1:1であってもよいが、これらに限定されない。前記粘着剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して40〜50重量%の量で存在してもよい。
前記透過促進剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して3重量%以下、好ましくは0.5〜2.5重量%の量で存在する。本発明の経皮吸収システムは、含有する透過促進剤が少量であるため、皮膚への刺激が最小限に抑えられる。特に、本発明の経皮吸収システムは、含有する透過促進剤が少量であっても、長時間(7日間以上)にわたって高い皮膚透過度を持続的に維持することができる。前記透過促進剤としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、ラウリルピロリドン、ラウリルアルコール等が挙げられ、ラウリルピロリドンが好ましい。
前記薬物含有マトリックス層は、経皮吸収システムの分野で通常使用される安定化剤、油剤、および増粘剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含んでもよい。安定化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンを用いることにより、製剤の安定性を効果的に維持できることが、本発明によって見出された。したがって、安定化剤として、ブチル化ヒドロキシトルエンを好ましく用いてもよい。前記安定化剤を適切な量で用いてもよい。例えば、前期安定化剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して0.1〜2重量%、好ましくは約0.3重量%の量で用いてもよい。前記油剤としては、例えば、鉱油(例えば、SamchunTM M7319等)が挙げられる。前記油剤は、薬物含有マトリックス層の形成において、可塑剤として機能する。前記油剤を適切な量で用いてもよい。例えば、前記油剤は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して15〜20重量%、好ましくは約18重量%の量で用いてもよい。また、前記増粘剤としては、例えば、炭化水素樹脂(例えば、KristalexTM F85、PiccotacTM 1020、1095、EscorezTM 5000、KoresinTM等)等の通常の増粘剤が挙げられる。増粘剤の量は、増粘剤の種類に依存するが、薬物含有マトリックス層の全重量に対して20〜40重量%、好ましくは約25〜28重量%の量で用いてもよい。
本発明の一実施形態において、支持層、薬物含有マトリックス層、および剥離層から構成される経皮吸収システムが提供され、該経皮吸収システムにおいて、前期薬物含有マトリックス層は、薬物含有マトリックス層の全重量に対して、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩7.6重量%、重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレン22.7重量%、重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレン22.7重量%、ラウリルピロリドン1.5重量%、ブチル化ヒドロキシトルエン0.3重量%、鉱油18.0重量%、および炭化水素樹脂27.2重量%から構成される。
本発明の経皮吸収システムは、剥離層の上に薬物含有マトリックス層を形成した後、その上に支持層を形成することによって製造されてもよい。剥離層としては、経皮吸収システムの技術分野で用いられる通常の剥離紙またはその積層物を用いてもよい。例えば、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂でコーティングされたポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等で作られたフィルム、紙、またはそれらの積層物を用いてもよい。また、経皮吸収システムの分野で通常使用される薬物非吸収性および柔軟性を有する物質を支持層(支持膜とも称する)として用いてもよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエーテル、多層エチレンビニルアセテートフィルム、ポリエステル、ポリウレタン等を用いてもよい。本発明の経皮吸収システムは、例えば、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩、高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン、安定化剤、油剤、および増粘剤を、例えばローラーミキサーを用いて均一に混合し、得られた混合物を、例えばシリコーンがコーティングされた剥離紙上に塗布した後乾燥し、その後支持層を積層することによって製造してもよい。
以下、実施例および実験例により本発明についてさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例および実験例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
表1に示した成分および含量にしたがって、経皮吸収システムを製造した。表1の含量はいずれも、各経皮吸収システムにおける薬物含有マトリックス層の全重量に対する重量%である。詳細には、ドネペジル遊離塩基、重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレン(OppanolTM B 100、BASF社製、ドイツ)と重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレン(OppanolTM B S15F、BASF社製、ドイツ)、ラウリルピロリドン(SurfadoneTM LP−300、ISP社製、米国)、ブチル化ヒドロキシトルエン、鉱油、および炭化水素樹脂(KristalexTM F85、Hercules社製、USA)をローラーミキサーを用いて均一に混合した。得られたそれぞれの混合物を1時間放置して気泡を除き、シリコーンがコーティングされた剥離紙上に塗布した後、70℃で90分間乾燥させた。得られた層の上にポリエチレンフィルムを積層して支持層を形成し、各ドネペジル含有経皮吸収システムを製造した。
各経皮吸収システムをヘアレスマウスの皮膚に貼付し、皮膚透過度を測定した。詳細には、ヘアレスマウス(6〜8週齢)の皮膚を実験の直前に切除し、この皮膚に各経皮吸収システムを貼付した。これらの皮膚はそれぞれフロースルー拡散セルにクランプで固定した。そのレセプターに等張リン酸塩緩衝溶液(pH6.0)を加えた。拡散セルを32.5℃に維持しながら、マグネチックスターラーによる600rpmの撹拌下、0時間後、6時間後、12時間後、24時間後、36時間後、48時間後、60時間後、および72時間後にサンプルを採取した。得られたサンプルは、下記の条件下、紫外分光光度計を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析に供した。
<分析条件>
カラム:Capcellpak C18、4.6×150mm、5μm
移動相:デカスルホン酸ナトリウム(2.5g)を水(650mL)に完全に溶解させた後、70%過塩素酸溶液(1mL)およびアセトニトリル(350mL)を加えた。得られた溶液を濾過し、10分間超音波処理して気泡を除去した後、移動相として用いた。
温度:40℃
注入量:5μL
紫外分光光度計:271nm
滞留時間:18.5分
また、各経皮吸収システムをナイフで切ることにより物理的損傷を与えた後、25℃、相対湿度60%の条件下で6ヶ月間保管した。各経皮吸収システムにおける結晶形成の有無を顕微鏡で観察した。
上記したように測定した累積透過量(すなわち、累積濃度)を図1に示す。それから算出した皮膚透過度(フラックス)を下記表1に示す。さらに、結晶形成の観察結果も下記表1に示す。
表1の結果から、本発明によって製造した経皮吸収システムは、含有する透過促進剤が少量(すなわち約1.5%)であっても、長時間にわたってドネペジルの結晶化を効果的に防止し、高い皮膚透過度を維持することが分かる。中でも、高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの重量比が1:1である経皮吸収システムが最も優れた皮膚透過度を示した。
実施例2
重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレンの代わりに、重量平均分子量が25,000であるポリイソブチレン(OppanolTM B 10、BASF社製、ドイツ)[実施例2−1]または重量平均分子量が200,000であるポリイソブチレン(OppanolTM B 30、BASF社製、ドイツ)[実施例2−2]を用いたこと以外は実施例1と同一の手順で経皮吸収システムを製造した。各経皮吸収システムをヒト死体皮膚に貼付し、皮膚透過度を測定した。詳細には、各経皮吸収システムをヒト死体皮膚に貼付した。これらの皮膚はそれぞれフロースルー拡散セルにクランプで固定した。そのレセプターに等張リン酸塩緩衝溶液(pH6.0)を加えた。拡散セルを32.5℃に維持しながら、マグネチックスターラーによる600rpmの撹拌下、0時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、60時間後、および72時間後にサンプルを採取した。得られたサンプルを実施例1と同一の条件下、紫外分光光度計を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析に供した。このようにして測定した累積透過量(すなわち累積濃度)を図2に示す。
図2の結果が示すように、皮膚透過度は、高分子量ポリイソブチレンと共に用いる低分子量ポリイソブチレンの分子量が大きいほど高くなった。したがって、高分子量ポリイソブチレンと共に用いる低分子量ポリイソブチレンの好ましい分子量の範囲は、25,000〜200,000であることが分かる。
実施例3
表2に示した成分および含量にしたがって、実施例1と同一の手順で経皮吸収システムを製造した。発明者らは、透過促進剤の含量が経皮吸収システムの皮膚透過度に与える影響を評価した。皮膚透過度は実施例2と同一の手順で測定した。結果を図3に示す。
図3の結果から、累積濃度は、透過促進剤の含量が多いほど高くなることが分かる。
実施例4
表3に示した成分および含量にしたがって、実施例1と同一の手順で経皮吸収システムを製造した。発明者らは、安定化剤の種類が経皮吸収システムの安定性に与える影響を評価した。安定化剤としては、互いに類似した構造を有するブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)を用いた。加速条件(すなわち、40℃、相対湿度75%)下、安定性評価を行った。結果を下記表4に示す。
表4の結果から、安定化剤としてブチルヒドロキシアニソールを用いた場合、1.5ヶ月の間に有効成分の含量が約6.9〜14.7%減少したことが分かる。しかし、安定化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンを用いた場合、有効成分の含量の減少は、1.5ヶ月間にわずか3.3〜5%、6ヶ月間でもわずか6.1〜9.8%であった。また、ブチル化ヒドロキシトルエンの含量が異なっても、有効成分の含量の有意な差は見られなかった。したがって、安定化剤としてはブチル化ヒドロキシトルエンが好ましいことが分かる。
実験例1:ドネペジルの含量が異なる薬物含有マトリックス層の製造における加工性の評価
粘着剤(すなわち、重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレンと重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレンとの混合物)を用いて、ドネペジルの含量が異なる薬物含有マトリックス層について、製造時の加工性を評価した。比較粘着剤として、アミン抵抗性医療用シリコーン粘着剤を用いた。ドネペジルの含量を変え、各粘着剤中のドネペジル結晶の沈殿の有無を観察することによって、薬物含有マトリックス層の製造における加工性の評価を行った。表5に、それぞれの粘着剤をドネペジルと混合した後、乾燥させずに24時間ホモジナイズして得た結果を示す。
また、図4aは、重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレンと重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレンの組合せにドネペジルを7.6重量%の濃度で加えて得た結果(外観)を示し、図4bは、アミン抵抗性シリコーン粘着剤にドネペジルをそれぞれ2重量%、5重量%、7.6重量%、および10重量%の濃度で加えて得た結果(外観)を示す。
表5および図4に示すように、本発明にしたがって粘着剤の特定の組合せを用いた場合、得られた混合物は、ドネペジル含量7.6重量%において透明な溶液であった。しかし、シリコーン系粘着剤を用いた場合、得られた混合物は、ドネペジル含量2重量%においてのみ透明な溶液であった。すなわち、シリコーン系粘着剤を用いた場合、ドネペジル含量が5重量%以上の場合、混合物中に固体結晶が観察された。この結果から、シリコーン系粘着剤を用いる場合、高含量のドネペジルを有する薬物含有マトリックス層の形成は不可能であることが分かる。
実験例2:ヒト皮膚に貼付する前後の薬物含有マトリックス層の外観の評価
図5aおよび図5bは、実施例1−1で製造した薬物含有マトリックス層の外観およびヒト皮膚に貼付した後の外観をそれぞれ示す。また、図6aおよび図6bは、比較薬物含有マトリックス層(2重量%の濃度でドネペジルを使用し、粘着剤としてアミン抵抗性シリコーン粘着剤を使用したこと以外は実施例1と同一の方法で製造)の外観およびヒト皮膚に貼付した後の外観をそれぞれ示す。
図5aおよび図6aに示すように、本発明にしたがって製造した薬物含有マトリックス層が気泡のない均一な状態を示したのに対し、比較薬物含有マトリックス層には様々な大きさの気泡が見られた。また、図5bおよび図6bに示すように、本発明にしたがって製造した薬物含有マトリックス層は、貼付されている間、変形することなく(すなわち、皮膚への貼付後にマトリックス層の粘着剤が押出されることなく)初期形状を維持した。しかし、比較薬物含有マトリックス層を貼付した場合、皮膚への貼付後、マトリックス層の粘着剤が押出された(すなわち、変形が観察された)。
実験例3:安定性試験
経皮吸収システムにおける高分子の変性や物理化学的性質の変化を測定するために、実施例1−1で製造した経皮吸収システムを室温条件(25℃、相対湿度60%)または加速条件(40℃、相対湿度75%)下で1ヶ月間保管した後、示差走査熱量計(DSC)を用いて示差走査熱量分析を行った。結果を図7aおよび図7bに示す。図7aは、実施例1−1で製造した経皮吸収システムを室温条件下で1ヶ月間保管した後に得た示差走査熱量分析の結果を示す。図7bは、実施例1−1で製造した経皮吸収システムを加速保管条件下で1ヶ月間保管した後に得た示差走査熱量分析の結果を示す。図7aおよび図7bに示すように、本発明による経皮吸収システムは、室温条件下においても加速保管条件下においても、1ヶ月間の保管による有意な変化は見られなかった。
実験例4:皮膚刺激の評価
実施例3−1〜3−4で得た経皮吸収システムを健康なボランティアの皮膚に貼付した後、7日間にわたって皮膚刺激の評価を行った。皮膚刺激の程度は0〜5で表し、「皮膚刺激無し」を0、「皮膚刺激最大」を5とした。結果を表6に示す。
表6の結果から、薬物含有マトリックス層の全重量に対して3重量%を越える含量で透過促進剤を用いた場合(実施例3−3および3−4)、皮膚刺激が著しく増加したことが分かる。しかし、薬物含有マトリックス層の全重量に対して3重量%以下の含量で透過促進剤を用いた場合(実施例3−1および3−2)、皮膚への刺激はほとんどなかった。
実験例5:薬物動態評価
本発明によって製造した経皮吸収システムおよび比較製剤(すなわちドネペジル含有経口錠剤)について、薬物動態評価を行った。詳細には、実施例1−1で製造した経皮吸収システムを試験群として使用し、ドネペジル含有経口錠剤(アリセプト5mg、エーザイ社製)を対照群として使用した。実施例1−1で製造した経皮吸収システムを試験群の健康なボランティア(n=7)の皮膚に貼付し、アリセプト5mg錠剤を対照群の別の健康なボランティア(n=7)に経口投与した。
本発明による経皮吸収システムの薬物動態プロフィルとドネペジル含有経口錠剤の薬物動態プロフィルとを比較するために、発明者らは、単回経口投与から得た薬物動態パラメータを用いたシミュレーションによる、7日間多回投与薬物動態プロフィルを用いた。7日間経口投与を繰り返す臨床試験における困難を回避するために、7日間にわたる多回投与を行うことの代わりに、シミュレーションによる薬物動態プロフィルを使用した。健康なボランティアにドネペジル5mg錠剤(アリセプト5mg)を単回経口投与した後、所定の間隔で血液サンプルを採取した後分析し、ドネペジル濃度を求めた。図8に、分析から得た血中濃度プロファイルを示す。また、表7に、図8の結果から得た薬物動態パラメータを示す。
7日間にわたる1日1回経口投与の薬物動態プロフィルを、シミュレーションソフトウェア(Pharsight’s Phoenix WinNonlin)および上記単回経口投与から得た薬物動態パラメータを使用したシミュレーションによって得た。表8および図9に、本発明によって製造した経皮吸収システム(実施例1−1の経皮吸収システム)を貼付して得た薬物動態パラメータおよび7日間にわたる1日1回経口投与をシミュレートして得た薬物動態プロフィルから得た薬物動態パラメータを示す。
表8および図9の結果から、2つの製剤の薬物動態パラメータが非常によく類似していること、また、本発明によって得た経皮吸収システムの薬物動態プロフィルが、7日間にわたる多回経口投与の薬物動態プロフィルと非常によく類似していることが分かる。

Claims (10)

  1. 支持層、薬物含有マトリックス層、および剥離層から構成される経皮吸収システムであって、前記薬物含有マトリックス層が(a)有効成分としてのドネペジルまたはその薬学的に許容される塩、(b)粘着剤としての、重量平均分子量が400,000〜3,000,000の範囲にある高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が25,000〜300,000の範囲にある低分子量ポリイソブチレンとの混合物、および(c)薬物含有マトリックス層の全重量に対して0.5〜2.5重量%の透過促進剤としてのラウリルピロリドンを含むことを特徴とする経皮吸収システム。
  2. 前記ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩が、薬物含有マトリックス層の全重量に対して5〜10重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  3. 前記高分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量が800,000〜1,500,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  4. 前記低分子量ポリイソブチレンの重量平均分子量が25,000〜200,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  5. 前記粘着剤が、重量平均分子量が1,000,000である高分子量ポリイソブチレンと重量平均分子量が75,000である低分子量ポリイソブチレンとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  6. 前記高分子量ポリイソブチレンと低分子量ポリイソブチレンとの重量比が1:0.3〜1:2であることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  7. 前記粘着剤が、薬物含有マトリックス層の全重量に対して40〜50重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収システム。
  8. 前記薬物含有マトリックス層が、安定化剤、油剤、および増粘剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の経皮吸収システム。
  9. 前記安定化剤がブチル化ヒドロキシトルエンであることを特徴とする請求項に記載の経皮吸収システム。
  10. 前記薬物含有マトリックス層が、薬物含有マトリックス層の全重量に対して、ドネペジルまたはその薬学的に許容される塩7.6重量%、重量平均分子量が1,000,000であるポリイソブチレン22.7重量%、重量平均分子量が75,000であるポリイソブチレン22.7重量%、ラウリルピロリドン1.5重量%、ブチル化ヒドロキシトルエン0.3重量%、鉱油18.0重量%、および炭化水素樹脂27.2重量%から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の経皮吸収システム。
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