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JP6401022B2 - グロープラグおよびその製造方法 - Google Patents

グロープラグおよびその製造方法 Download PDF

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JP6401022B2
JP6401022B2 JP2014235518A JP2014235518A JP6401022B2 JP 6401022 B2 JP6401022 B2 JP 6401022B2 JP 2014235518 A JP2014235518 A JP 2014235518A JP 2014235518 A JP2014235518 A JP 2014235518A JP 6401022 B2 JP6401022 B2 JP 6401022B2
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Description

本発明は、グロープラグおよびその製造方法に関する。
グロープラグの構造としては、主体金具の軸孔に設けられる中軸に対して筒状のリングを介してヒータ素子を接続した構造が知られている(特許文献1を参照)。このようなグロープラグでは、リングの先端側にヒータ素子が圧入され、リングの後端側に中軸が圧入される。
特開2014−119193号公報
特許文献1のグロープラグでは、リングの軸に対して中軸の軸がずれる軸振れを抑制することについて十分に考慮されていないという課題があった。例えば、中軸において、リングに圧入される圧入部における後端側の隅部に、後端側に向けて径が漸増する隅Rが形成されている場合、傾いた状態でリングが隅Rに嵌まることによって軸振れが発生する虞があった。また、リングおよび中軸の各部材の部位のうち、圧入によって他方の部材に接触する接触面が十分な平面度を有していない場合にも、軸振れが発生する虞があった。リングに対する中軸の軸振れは、グロープラグとして組み付けられた状態でヒータ素子に過剰な応力を及ぼすため、ヒータ素子を損傷させる要因となる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、通電によって発熱するヒータ素子と;先端側から後端側へ軸線方向に延びた中軸と;前記ヒータ素子を前記中軸の前記先端側に連結する筒状のリングと;を備えるグロープラグが提供される。このグロープラグにおいて、前記中軸は、前記リングに圧入され、前記リングの内周面に接触する圧入部と;前記圧入部より前記後端側に位置し、前記リングの前記後端側の端面に接触する接触部とを有し、前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸を前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記圧入部と前記接触部との間を繋ぐ前記中軸の輪郭は、前記接触部より前記後端側に凹んだ凹部を有する。この形態によれば、凹部において中軸とリングとの接触が抑制されるため、リングの端面が接触部に接触するまでリングを圧入部へと円滑に圧入できる。これによって、中軸の接触部を基準としてリングを位置決めできる。したがって、リングに対する中軸の軸振れを抑制できる。その結果、ヒータ素子にかかる応力を抑制し、ひいては、ヒータ素子の損傷を抑制できる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記接触部は、前記リングの前記端面に面接触してもよい。この形態によれば、接触部によるリングとの安定した接触を実現できる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記凹部において前記圧入部より軸径が太くなる部位は、前記接触部より前記後端側に位置してもよい。この形態によれば、凹部において中軸とリングとの接触がいっそう抑制される。したがって、リングに対する中軸の軸振れをいっそう抑制できる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸および前記リングを前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記接触部の長さは前記端面の長さより短くてもよい。この形態によれば、リングの端面における平面度が接触部より低い場合であっても、接触部によるリングとの安定した接触を実現できる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記圧入部から前記凹部を介して前記接触部に至る前記中軸の部位は、鍛造加工によって成形された部位であってもよい。この形態によれば、接触部の平面度を十分に確保できる。
(6)本発明の一形態によれば、通電によって発熱するヒータ素子と;先端側から後端側へ軸線方向に延びた中軸と;前記ヒータ素子を前記中軸の前記先端側に連結する筒状のリングと;を備えるグロープラグを製造する、グロープラグの製造方法が提供される。この製造方法において、前記リングに圧入され前記リングの内周面に接触する圧入部を、前記中軸に形成し;前記リングの前記後端側の端面に接触する接触部を、前記中軸における前記圧入部より前記後端側に形成し;前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸を前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記圧入部と前記接触部との間を繋ぐ前記中軸の輪郭が、前記接触部より前記後端側に凹んだ凹部を有するように、前記中軸を成形する。この形態によれば、凹部において中軸とリングとの接触が抑制されるため、リングの端面が接触部に接触するまでリングを圧入部へと円滑に圧入できる。これによって、中軸の接触部を基準としてリングが位置決めされる。したがって、リングに対する中軸の軸振れを抑制できる。その結果、ヒータ素子にかかる応力を抑制し、ひいては、ヒータ素子の損傷を抑制できる。
(7)上記形態におけるグロープラグの製造方法において、前記端面が前記接触部に面接触する位置まで前記圧入部に前記リングを圧入してもよい。この形態によれば、接触部によるリングとの安定した接触を実現できる。
(8)上記形態におけるグロープラグの製造方法において、前記凹部において前記圧入部より軸径が太くなる部位が、前記接触部より前記後端側に位置するように、前記中軸を成形してもよい。この形態によれば、凹部において中軸とリングとの接触がいっそう抑制される。したがって、リングに対する中軸の軸振れをいっそう抑制できる。
(9)上記形態におけるグロープラグの製造方法において、前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸および前記リングを前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記接触部の長さが前記端面の長さより短くなるように、前記中軸を成形してもよい。この形態によれば、リングの端面における平面度が接触部より低い場合であっても、接触部によるリングとの安定した接触を実現できる。
(10)上記形態におけるグロープラグの製造方法において、前記圧入部から前記凹部を介して前記接触部に至る前記中軸の部位を、鍛造加工によって成形してもよい。この形態によれば、接触部の平面度を十分に確保できる。
本発明は、グロープラグおよびその製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、上述のグロープラグを備える内燃機関、上述のグロープラグに用いられる中軸、上述のグロープラグを製造する製造装置などの形態で実現できる。
グロープラグの構成を示す説明図である。 中軸の先端側を中心にグロープラグを示す拡大断面図である。 中軸の全体を示す説明図である。 中軸における先端側をリングおよびヒータ素子と共に示す拡大図である。 接触面および圧入面における断面を示す説明図である。 グロープラグの製造方法を示す工程図である。
A.実施形態
A1.グロープラグの構成
図1は、グロープラグ10の構成を示す説明図である。グロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示しない)の始動時における着火を補助する熱源として機能する加熱装置である。
図1には、グロープラグ10の軸線ALを通る断面で切断したグロープラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
図1には、XYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、紙面手前から紙面奥に向かう正の方向であり、−X軸方向は、負の方向である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、+Y軸方向は、紙面右側から紙面左側に向かう正の方向であり、−Y軸方向は、負の方向である。本実施形態では、Z軸は、グロープラグ10の軸線ALに沿った軸である。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)のうち、+Z軸方向は、先端側から後端側に向かう正の方向であり、−Z軸方向は、後端側から先端側に向かう負の方向である。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
グロープラグ10は、端子100と、中軸200と、主体金具500と、リング600と、外筒700と、ヒータ素子800とを備える。本実施形態では、グロープラグ10の軸線ALは、端子100、中軸200、主体金具500およびヒータ素子800などの各部材の軸線でもある。
グロープラグ10の端子100は、グロープラグ10に電力を供給するケーブル(図示しない)と接続可能に構成された導体である。本実施形態では、端子100は、金属製(例えば、炭素鋼)である。本実施形態では、端子100の表面には、めっき(例えば、錫(Sn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)など)が施されている。
グロープラグ10の中軸200は、先端側(−Z軸方向)から後端側(+Z軸方向)へ軸線方向に延びた棒状を成す導体である。本実施形態では、中軸200は、金属製(例えば、ステンレス鋼など)である。中軸200の後端側は、端子100に挿入されている。中軸200の先端側は、リング600に圧入されている。中軸200の詳細については後述する。
グロープラグ10の主体金具500は、軸線ALを中心に延びた筒状を成す導体である。本実施形態では、主体金具500は、金属製(例えば、炭素鋼など)である。本実施形態では、主体金具500の表面には、めっき(例えば、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、亜鉛−ニッケル合金など)が施されている。主体金具500は、軸孔510と、工具係合部520と、雄ねじ部540とを有する。
主体金具500の軸孔510は、軸線ALを中心に延びた貫通孔である。軸孔510の内径は、中軸200の外形よりも大きい。軸孔510の内側には、中軸200が軸線AL上に保持される。軸孔510と中軸200との間には、軸孔510と中軸200とを電気的に絶縁する空隙が形成される。本実施形態では、軸孔510の後端側には、中軸200の後端側が挿入された端子100が、円筒状を成す絶縁部材300と、環状を成す絶縁部材400とを介して保持されている。主体金具500の工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)と係合可能に構成されている。主体金具500の雄ねじ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ねじに固定可能に構成されている。本実施形態では、雄ねじ部540は、工具係合部520より先端側に位置する。
グロープラグ10のリング600は、環状を成す導体である。本実施形態では、リング600は、金属製(例えば、ステンレス鋼)である。リング600の後端側には、中軸200が圧入されている。リング600の先端側には、ヒータ素子800が圧入されている。
グロープラグ10の外筒700は、軸線ALを中心に延びた筒状を成す。外筒700には、外筒700の先端側および後端側からヒータ素子800が突出する状態で、ヒータ素子800が圧入されている。外筒700の後端側は、主体金具500の先端側に溶接されている。
グロープラグ10のヒータ素子800は、通電によって発熱する発熱素子(発熱装置)である。本実施形態では、ヒータ素子800は、セラミック組成物から成るセラミックヒータである。本実施形態では、ヒータ素子800は、絶縁性セラミック材料から成る基体810と、導電性セラミック材料から成る発熱抵抗体830とを有する。基体810には、発熱抵抗体830が埋め込まれている。基体810の側面に露出した発熱抵抗体830の一端は、リング600に接触し、リング600、中軸200および端子100を介してグロープラグ10の外部へと電気的に接続される。基体810の側面に露出した発熱抵抗体830の他端は、外筒700に接触し、外筒700および主体金具500を介してグロープラグ10の外部へと電気的に接続される。
図2は、中軸200の先端側を中心にグロープラグ10を示す拡大断面図である。図3は、中軸200の全体を示す説明図である。図4は、中軸200における先端側をリング600およびヒータ素子800と共に示す拡大図である。グロープラグ10の中軸200は、先端側に、軸部250と、突出部260と、先端部270とを有する。
中軸200の軸部250は、軸部240の先端側に位置する柱状の部位である。本実施形態では、軸部250は、突出部260に接続する面258を有し、面258は、突出部260に向かうに従って径が漸増する隅Rを構成する。本実施形態では、軸部250は、面258を除き、中軸200の元となる素材に由来する形状を成す。
中軸200の突出部260は、軸部250の先端側に位置し、軸部250より径方向外側に突出した部位である。本実施形態では、突出部260は、中軸200の元となる素材に対する鍛造加工によって形成された部位である。突出部260は、接触面265と、外周面267とを有する。
突出部260の接触面265は、先端部270より後端側に位置し、先端側を向いた面である。接触面265は、リング600の後端側の端面611に接触する接触部である。本実施形態では、接触面265は、リング600の端面611に面接触する。本実施形態では、接触面265は、突出部260の周方向全域に形成された面である。他の実施形態では、接触面265は、突出部260の周方向にわたって2箇所以上の部位に形成された面であってもよい。
本実施形態では、中軸200は、接触面265においてリング600と溶接されている。本実施形態では、中軸200は、接触面265の一部においてリング600と溶接されている。他の実施形態では、中軸200は、接触面265の全域にわたってリング600と溶接されていてもよい。他の実施形態では、中軸200は、リング600に溶接されていなくてもよい。
突出部260の外周面267は、接触面265より後端側に位置し、径方向外側を向いた面である。本実施形態では、外周面267は、軸線方向の中央を中心に径方向外側に膨張した形状を成す。
中軸200の先端部270は、突出部260の先端側に位置し、突出部260より小さな直径を有する柱状の部位である。本実施形態では、先端部270は、突出部260と共に、中軸200の元となる素材に対する鍛造加工によって形成された部位である。先端部270は、端面271と、傾斜面273と、圧入面275とを有する。
先端部270の端面271は、中軸200における先端側の端面を構成する。端面271は、先端側を向いた面である。
先端部270の傾斜面273は、端面271より後端側に位置し、軸線ALに対して傾斜した面である。傾斜面273は、端面271から圧入面275に向かうに従って径が増加するテーパ部(傾斜部)を構成する。
先端部270の圧入面275は、傾斜面273より後端側に位置し、軸線ALに沿った面である。圧入面275は、リング600に圧入され、リング600の内周面613に接触する接触部である。
図5は、接触面265および圧入面275における断面を示す説明図である。図5の断面は、接触面265および圧入面275を通る位置で中軸200を軸線方向に切断した場合に現れる断面である。
図5の断面において、接触面265と圧入面275との間を繋ぐ中軸200の輪郭は、接触面265より後端側に凹んだ凹部280を有する。本実施形態では、凹部280は、鍛造加工によって成形された部位である。本実施形態では、凹部280は、中軸200の周方向全域に形成されている。他の実施形態では、リング600の端面611に凹凸がある場合、凹部280は、端面611における凸部に対応する位置に部分的に形成されていてもよい。
図5の基点PAは、接触面265と凹部280との接続点を示す。凹部280は、基点PAより径方向内側に位置する。図5の断面において、中軸200における接触面265の長さLaは、リング600における端面611の長さLbより短い。他の実施形態では、長さLaは、長さLb以下であってもよい。
図5の基点PBは、圧入面275と凹部280との接続点を示す。凹部280は、基点PBより後端側に位置する。本実施形態では、凹部280は、基点PBから後端側に向けて圧入面275より軸径が太くなる。本実施形態では、凹部280において圧入面275より軸径が太くなる部位は、接触面265より後端側に位置する。他の実施形態では、凹部280において圧入面275より軸径が太くなる部位は、接触面265より先端側に位置してもよい。
本実施形態では、図3に示すように、中軸200は、軸部250、突出部260および先端部270に加え、後端軸部210と、軸部220と、軸部230と、軸部240とを有する。
中軸200の後端軸部210は、端面211を後端側に有する柱状を成す部位である。端面211は、後端側を向いた面である。
中軸200の軸部220は、後端軸部210の先端側に隣接する柱状の部位である。本実施形態では、軸部220の表面には、転造加工によってローレットが形成されている。他の実施形態では、軸部220の表面には、切削加工によってローレットが形成されていてもよい。他の実施形態では、ローレットが形成された軸部220の後端側に、後端軸部210が形成されることなく、端面211が形成されていてもよい。
中軸200の軸部230は、軸部220の先端側に隣接する柱状の部位である。本実施形態では、軸部230は、中軸200の元となる素材に由来する形状を成す。
中軸200の軸部240は、軸部230と軸部250との間に形成された柱状の部位である。軸部240は、後端側から先端側へと交互に形成された複数の縮径部242および複数の大径部247を有する。軸部240の縮径部242は、中軸200の元となる素材を転造加工によって縮径した部位である。軸部240の大径部247は、中軸200の元となる素材に由来する形状を成す部位である。大径部247の直径は、縮径部242より大きい。軸部240に複数の縮径部242を形成することによって、中軸200の軸振れが矯正される。他の実施形態では、軸部240は、縮径部242および大径部247を有さずに、一定の断面形状を有する柱状の部位であってもよい。
図6は、グロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際、製造者は、鍛造加工によって中軸200を成形する(工程P112)。本実施形態では、製造者は、中軸200の元となる素材に対して鍛造加工を行うことによって、突出部260、先端部270および凹部280の各部を成形する。本実施形態では、中軸200の元となる素材は、コイル材である。鍛造加工によって中軸200を成形した後(工程P112)、製造者は、転造加工によって中軸200を成形する(工程P114)。本実施形態では、製造者は、中軸200の各部を転造加工によって成形する。他の実施形態では、中軸200の各部を成形する順序は、入れ替わってもよい。
鍛造加工(工程P114)を経て中軸200が完成した後、製造者は、ヒータ素子800の後端側をリング600の先端側に圧入する(工程P172)。本実施形態では、製造者は、ヒータ素子800の先端側をリング600に向けた状態で、ヒータ素子800をリング600の後端側から挿入し、ヒータ素子800の後端側がリング600の先端側に圧入されるまで、リング600に対するヒータ素子800の挿入を続ける。ヒータ素子800をリング600に圧入した後(工程P172)、製造者は、ヒータ素子800の先端側を外筒700の後端側から挿入することによって、ヒータ素子800を外筒700に圧入する(工程P174)。
ヒータ素子800を外筒700に圧入した後(工程P174)、製造者は、ヒータ素子800が圧入されたリング600の後端側に中軸200の先端部270を圧入する(工程P176)。本実施形態では、製造者は、リング600の端面611が中軸200の接触面265に面接触する位置まで、圧入面275にリング600を圧入する。本実施形態では、製造者は、中軸200の接触面265とリング600の端面611とを溶接する(工程P178)。他の実施形態では、製造者は、中軸200の接触面265とリング600の端面611とを溶接しなくてもよい。
中軸200の先端側にリング600を介してヒータ素子800を連結した後(工程P178)、製造者は、中軸200の後端側を主体金具500の先端側から挿入する(工程P182)。その後、製造者は、主体金具500に外筒700を溶接する(工程P184)。
主体金具500に外筒700を溶接した後(工程P184)、製造者は、中軸200を端子100に挿入する(工程P186)。本実施形態では、製造者は、端子100の先端側に絶縁部材300および絶縁部材400を装着した後、主体金具500における軸孔510の後端側から突出している中軸200の後端側を、端子100に挿入しながら、絶縁部材300および絶縁部材400とともに端子100の先端側を、主体金具500の軸孔510に挿入する。
中軸200を端子100に挿入した後(工程P186)、製造者は、端子100を中軸200に固定するためにかしめ固定を行う(工程P188)。かしめ固定(工程P188)において、製造者は、端子100を外側から内側に圧縮することによって、端子100を中軸200に固定する。他の実施形態では、製造者は、溶接によって端子100を中軸200に固定してもよい。これらの工程を経て、グロープラグ10が完成する。
以上説明した実施形態によれば、凹部280において中軸200とリング600との接触が抑制されるため、リング600の端面611が接触面265に接触するまでリング600を圧入面275へと円滑に圧入できる。これによって、中軸200の接触面265を基準としてリングを位置決めできる。したがって、リング600に対する中軸200の軸振れを抑制できる。その結果、ヒータ素子800にかかる応力を抑制し、ひいては、ヒータ素子800の損傷を抑制できる。
また、接触面265は、リング600の端面611に面接触するため、接触面265によるリング600との安定した接触を実現できる。
また、凹部280において圧入面275より軸径が太くなる部位は、接触面265より後端側に位置するため、凹部280において中軸200とリング600との接触がいっそう抑制される。したがって、リング600に対する中軸200の軸振れをいっそう抑制できる。
また、接触面265の長さLaは、端面611の長さLbより短いため、リング600の端面611における平面度が接触面265より低い場合であっても、接触面265によるリング600との安定した接触を実現できる。
また、圧入面275から凹部280を介して接触面265に至る中軸200の部位は、鍛造加工によって成形された部位であるため、接触面265の平面度を十分に確保できる。
B.他の実施形態
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本発明は、絶縁性セラミック材料から成る基体810に導電性セラミック材料から成る発熱抵抗体830が埋め込まれたヒータ素子(いわゆるセラミックヒータ)を備えるグロープラグ(いわゆるセラミックグロープラグ)に限らず、他のヒータ素子を備えるグロープラグに適用できる。例えば、本発明は、導電材料で形成された発熱コイルがシース管の内側に配置されたヒータ素子(いわゆるシースヒータ)を備えるグロープラグ(いわゆるメタルグロープラグ)に適用できる。
本発明を適用可能な実施形態は、図5に示すように、リング600の後端側に、端面611と外周面とを繋ぐ傾斜面(テーパ部)、並びに、端面611と内周面とを繋ぐ傾斜面(テーパ部)が、形成されている実施形態に限られない。他の実施形態では、外周面側のみに傾斜面が形成されていてもよいし、内周面側のみに傾斜面が形成されていてもよいし、外周面側および内周面側のいずれにも傾斜面が形成されていなくてもよい。内周面側に傾斜面が形成されていない実施形態では、基点PBが接触面265より後端側に位置することが望ましい。
10…グロープラグ
100…端子
200…中軸
210…後端軸部
211…端面
220…軸部
230…軸部
240…軸部
242…縮径部
247…大径部
250…軸部
258…面
260…突出部
265…接触面(接触部)
267…外周面
270…先端部
271…端面
273…傾斜面
275…圧入面(圧入部)
280…凹部
300…絶縁部材
400…絶縁部材
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ねじ部
600…リング
611…端面
613…内周面
700…外筒
800…ヒータ素子
810…基体
830…発熱抵抗体

Claims (8)

  1. 通電によって発熱するヒータ素子と、
    先端側から後端側へ軸線方向に延びた中軸と、
    前記ヒータ素子を前記中軸の前記先端側に連結する筒状のリングと、を備えるグロープラグであって、
    前記中軸は、
    前記リングに圧入され、前記リングの内周面に接触する圧入部と、
    前記圧入部より前記後端側に位置し、前記リングの前記後端側の端面に接触する接触部と
    を有し、
    前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸を前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記圧入部と前記接触部との間を繋ぐ前記中軸の輪郭は、前記接触部より前記後端側に凹んだ凹部を有し、
    前記凹部において前記圧入部より軸径が太くなる部位は、前記接触部より前記後端側に位置することを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記接触部は、前記リングの前記端面に面接触する、請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸および前記リングを前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記接触部の長さは前記端面の長さより短い、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 前記圧入部から前記凹部を介して前記接触部に至る前記中軸の部位は、鍛造加工によって成形された部位である、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  5. 通電によって発熱するヒータ素子と、
    先端側から後端側へ軸線方向に延びた中軸と、
    前記ヒータ素子を前記中軸の前記先端側に連結する筒状のリングと、を備えるグロープラグを製造する、グロープラグの製造方法であって、
    前記リングに圧入され前記リングの内周面に接触する圧入部を、前記中軸に形成し、
    前記リングの前記後端側の端面に接触する接触部を、前記中軸における前記圧入部より前記後端側に形成し、
    前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸を前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記圧入部と前記接触部との間を繋ぐ前記中軸の輪郭が、前記接触部より前記後端側に凹んだ凹部を有し、かつ
    前記凹部において前記圧入部より軸径が太くなる部位が、前記接触部より前記後端側に位置するように、
    前記中軸を成形することを特徴とするグロープラグの製造方法。
  6. 前記端面が前記接触部に面接触する位置まで前記圧入部に前記リングを圧入する、請求項5に記載のグロープラグの製造方法。
  7. 前記圧入部および前記接触部を通る位置で前記中軸および前記リングを前記軸線方向に切断した場合に現れる断面において、前記接触部の長さが前記端面の長さより短くなるように、前記中軸を成形する、請求項5または請求項6に記載のグロープラグの製造方法。
  8. 前記圧入部から前記凹部を介して前記接触部に至る前記中軸の部位を、鍛造加工によって成形する、請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載のグロープラグの製造方法。
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