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JP6400654B2 - 硬化性組成物、硬化膜、近赤外線カットフィルタ、カメラモジュールおよびカメラモジュールの製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜、近赤外線カットフィルタ、カメラモジュールおよびカメラモジュールの製造方法 Download PDF

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JP6400654B2 JP2016207773A JP2016207773A JP6400654B2 JP 6400654 B2 JP6400654 B2 JP 6400654B2 JP 2016207773 A JP2016207773 A JP 2016207773A JP 2016207773 A JP2016207773 A JP 2016207773A JP 6400654 B2 JP6400654 B2 JP 6400654B2
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Description

本発明は、硬化性組成物、硬化膜、近赤外線カットフィルタ、カメラモジュールおよびカメラモジュールの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)やCCDなど固体撮像素子用の近赤外線カットフィルタ用として、近赤外線吸収性色素が用いられている。
近赤外線カットフィルタを形成するための組成物としては、例えば、特許文献1には、近赤外線吸収性色素を含む硬化性組成物が用いられている。また、特許文献2には、コーティング用硬化性組成物について記載されている。
特開2011−68731号公報 特開2007−246696号公報
本発明者が検討したところ、従来の近赤外線吸収性色素を含む硬化性組成物によっては、硬化膜にして溶剤に浸漬させると、近赤外線吸収性色素が溶出する場合があることがわかった。
本発明は、溶剤に浸漬させた場合でも、近赤外線吸収性色素が溶出しにくい硬化膜が得られる硬化性組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討した結果、硬化性組成物中に、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有する硬化性化合物を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは、<2>〜<27>により、上記課題は解決された。
<1>近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有する硬化性化合物(B)を含む、硬化性組成物。
<2>近赤外線吸収性色素(A)と、疎水性基を有する硬化性化合物(B)を含む、硬化性組成物。
<3>硬化性化合物(B)が、フッ素原子および/または炭素数6以上の分岐アルキル基を有する、<1>または<2>に記載の硬化性組成物。
<4>硬化性化合物(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアナート基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルコキシシリル基、メチロール基、ビニル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基およびマレイミド基から選択される1種以上の硬化性官能基を有する、<1>〜<3>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<5>硬化性化合物(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基およびオキセタニル基から選択される1種以上の硬化性官能基を有する、<4>に記載の硬化性組成物。
<6>硬化性化合物(B)が、硬化性官能基を2つ以上有する、<1>〜<5>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<7>硬化性化合物(B)が、下記式(B1)および下記式(B2)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体である、<1>〜<6>のいずれかに記載の硬化性組成物;
式(B1)
式(B2)
式(B1)および(B2)中、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表し、L1およびL2は、各々独立に、単結合または2価の連結基を表し、X1は(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基またはオキセタニル基を表し、X2はフッ素原子で置換されたアルキル基、フッ素原子で置換されたアリール基、アルキルシリル基、アリールシリル基、以下の部分構造(S)を含むもの、炭素数8以上の直鎖アルキル基、または、炭素数3以上の分岐アルキル基を表す;
部分構造(S)
*は他の原子との結合部位を表す。
<8>硬化性化合物(B)の含有量が、硬化性組成物の全固形分中1〜50質量%である、<1>〜<7>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<9>硬化性化合物(B)とは異なる硬化性化合物(C)をさらに含有する、<1>〜<8>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<10>近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長が700〜1000nmである、<1>〜<9>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<11>近赤外線吸収性色素(A)が疎水性基を有する、<1>〜<10>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<12>近赤外線吸収性色素(A)が、CLogP5.3以上の部位を有する、<1>〜<11>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<13>近赤外線吸収性色素(A)が、CLogP5.3以上の炭化水素基を有する、<1>〜<12>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<14>近赤外線吸収性色素(A)が、ピロロピロール色素である、<1>〜<13>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<15>ピロロピロール色素が、下記式で表される化合物である、<14>に記載の硬化性組成物;
式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を有する置換基を表す。R2およびR3は各々独立にシアノ基またはヘテロ環基を表す;R4は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、置換ホウ素、または金属原子を表し、R1a、R1bおよびR3の少なくとも1種と共有結合または配位結合していてもよい。
<16>重合開始剤(D)、硬化剤(E)および溶剤(F)から選択される少なくとも1種をさらに含有する、<1>〜<15>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<17>硬化性組成物中の全固形分量が5〜50質量%である、<1>〜<16>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<18><1>〜<17>のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる硬化膜。
<19>近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上をさらに含む硬化膜であって、硬化膜の一方の膜表面における上記原子または基の濃度が、膜全体における上記原子または基の濃度よりも高い、硬化膜。
<20>膜全体における近赤外線吸収性色素(A)の平均濃度が、一方の膜表面における近赤外線吸収性色素(A)の濃度よりも高い、<19>に記載の硬化膜。
<21>近赤外線吸収性色素(A)を含む硬化膜であって、硬化膜の一方の膜表面における近赤外線吸収性色素(A)の濃度よりも、膜全体における近赤外線吸収性色素(A)の平均濃度の方が高い、硬化膜。
<22>近赤外線吸収性色素(A)を含有する硬化膜であって、硬化膜を溶剤に5分間浸漬させ、下記式で示される浸漬前後の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度の維持率が95%以上である、硬化膜。
式:(浸漬後の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度/浸漬前の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度)×100
<23><1>〜<17>のいずれかに記載の硬化性組成物を層状に適用し、活性放射線を照射することおよび/または加熱することを含む、硬化膜の製造方法。
<24><1>〜<17>のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる近赤外線カットフィルタ。
<25><1>〜<17>のいずれかに記載の硬化性組成物を基板上に層状に適用する工程と、層状の硬化性組成物に対し、マスクを介して露光した後、現像してパターン像を形成する工程を有する、近赤外線カットフィルタの製造方法。
<26>固体撮像素子と、<24>に記載の近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュール。
<27>固体撮像素子と、近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子の受光側において、<1>〜<17>のいずれかに記載の硬化性組成物を塗布することにより近赤外線カットフィルタを形成する工程を含む、カメラモジュールの製造方法。
本発明によれば、溶剤に浸漬させた場合でも、近赤外線吸収性色素が溶出しにくい硬化膜が得られる硬化性組成物を提供することが可能となった。
本発明の実施形態に係る固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る固体撮像素子の概略断面図である。 カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。 カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。 カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。 本発明の硬化膜の分光透過率を示す図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。
本明細書中において、重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。例えば、本明細書において、硬化性化合物(B)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M(東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cmを、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いることによって求めることができる。
本明細書中において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基をいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。
本発明における近赤外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が700〜1000nmであるものをいう。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有する硬化性化合物(B)または疎水性基を有する硬化性化合物(B)を含む。本発明によれば、溶剤に浸漬させた場合でも、近赤外線吸収性色素が溶出しにくい硬化膜が得られる硬化性組成物を提供することができる。
このメカニズムは推定であるが、硬化性組成物中に、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有する硬化性化合物(B)または疎水性基を有する硬化性化合物(B)を配合し、かかる組成物を基板上に層状に適用すると、硬化性化合物(B)が基板から遠い側の表面側に偏在する傾向にある。このように硬化性化合物(B)が偏在した状態で本発明の組成物を硬化することで、基板から遠い側の表面に硬化性化合物(B)の硬化物の割合が多い領域が形成される。このような領域が存在すると、硬化膜を溶剤に浸漬させても、近赤外線吸収性色素(A)が膜表面から浸み出すのを抑制できると考えられる。
<<近赤外線吸収性色素(A)>>
本発明に用いられる近赤外線吸収性色素(A)は、好ましくは、極大吸収波長領域が700〜1000nmであり、より好ましくは800〜900nmの物質であることが好ましい。近赤外線吸収性物質は、1種類のみを含んでいても良いし、2種類以上を含んでいても良い。
近赤外線吸収性色素のモル吸光係数εは、特に限定されないが、好ましくは50,000〜500,000であり、より好ましくは100,000〜300,000である。
本発明では、疎水性基を有する近赤外線吸収性色素を用いることもできる。疎水性基を有する近赤外線吸収性色素を用いた場合でも、本発明の組成物中に硬化性化合物(B)を配合することにより、硬化性化合物(B)が基板から遠い側の表面側に偏在して、基板から遠い側の表面に硬化性化合物(B)の硬化物の割合が多い領域が形成されるため、疎水性基を有する近赤外線吸収性色素を用いた硬化膜を溶剤に浸漬させても、この近赤外線吸収性色素が膜表面から浸み出すのを抑制できると考えられる。
また、近赤外線吸収性色素として、偏在性を有する色素を用いる場合、本発明の効果がより効果的に発揮される。
近赤外線吸収性色素は、疎水性基として、CLogP値が5.3以上の部位(以下、置換基Rという。)を有することが好ましく、分子内の末端部に置換基Rを有することがより好ましい。
本願明細書において、CLogP値は、Chem.Drawソフト(Version 2.0)を用いて、置換基部位を水素原子に置き換えて計算した値をいう。
赤外線吸収色素の母核にも依存するが、近赤外線吸収色素がCLogP値の高い置換基を有する場合、形成される膜の表面に近赤外線吸収性色素が偏在しやすい傾向にある。そこで、本発明では、表面偏在しやすい硬化性化合物(B)を併用することで、膜中に近赤外線吸収性色素をより均一に分散させることができる。
置換基RのCLogP値は、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。置換基RのCLogP値の上限は特に限定されないが、20以下が好ましい。置換基RのCLogP値を20以下とすることにより、溶剤への溶解性が向上する傾向にあり、近赤外線吸収性色素を含む組成物を調液する際に、溶剤への近赤外線吸収性色素の溶解性を高めることができる。
置換基Rは、炭化水素基を有することが好ましく、アルキル基を有することがより好ましい。アルキル基は、直鎖状または分岐状が好ましく、分岐状がより好ましい。アルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、8以上がより好ましく、16以上がさらに好ましく、20以上が特に好ましい。アルキル基の炭素数の上限は特に限定されないが、30以下が好ましく、25以下がより好ましい。
近赤外線吸収性色素は、置換基Rを1つ以上有していることが好ましく、2つ以上有することがより好ましい。置換基Rの数の上限は特に限定されないが、4つ以下が好ましく、3つ以下がより好ましい。
近赤外線吸収性色素は、置換基Rを1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
CLogP値が上記範囲を満たす置換基Rの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
近赤外線吸収性色素としては、例えば、ピロロピロール色素、銅化合物、シアニン系色素、フタロシアニン系化合物、イモニウム系化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、スクアリリウム系色素、ナフタロシアニン系色素、クオタリレン系色素、ジチオール金属錯体系色素、クロコニウム化合物等が挙げられる。
本発明に用いられる近赤外線吸収性色素としては、ピロロピロール色素が好ましく、下記式(A1)で表される化合物がより好ましい。
式(A1)
式(A1)中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を有する置換基を表す。R2およびR3は各々独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも一方は電子吸引性基であり、R2およびR3は互いに結合して環を形成してもよい。R4は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、置換ホウ素または金属原子を表し、R1a、R1bおよびR3の少なくとも1種と共有結合または配位結合していてもよい。
式(A1)中、R1a、R1bで表される置換基に含まれるアルキル基の炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、16以上が特に好ましい。アルキル基の炭素数の上限は30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下とすることもでき、さらには10以下とすることもできる。
1a、R1bで表される置換基に含まれるアリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、炭素数6〜12がさらに好ましい。
1a、R1bで表される置換基に含まれるヘテロアリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜12がより好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子を挙げることができる。
1a、R1bに含まれるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基のCLogP値の好ましい範囲は、上述した置換基Rと同様である。
特に、R1a、R1bで表される置換基としては、分岐アルキル基を有するアルコキシ基を有するアリール基が好ましい。分岐アルキル基におけるアルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、8以上がより好ましく、16以上がさらに好ましい。分岐アルキル基の炭素数の上限は30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下とすることもできる。
1a、R1bで表される置換基としては、例えば、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル、4−(2−メチルブチルオキシ)フェニル、4−(2−オクチルドデシルオキシ)フェニルが特に好ましい。
一般式(A1)中のR1a、R1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。
2およびR3は各々独立に水素原子または置換基Tを表し、少なくとも一方は電子吸引性基であり、R2およびR3は結合して環を形成していてもよい。特に、R2およびR3は各々独立にシアノ基またはヘテロ環基を表すことが好ましい。
置換基Tとしては例えば、以下のものを挙げることができる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30)、芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30)。
2およびR3のうち、少なくとも一方は電子吸引性基である。Hammettのσp値(シグマパラ値)が正の置換基は通常、電子吸引基として作用する。電子吸引基としては、好ましくはシアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、ヘテロ環基などが挙げられ、シアノ基がより好ましい。これらの電子吸引性基はさらに置換されていてもよい。
本発明においては、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を電子求引性基として例示することができる。σp値として好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。上限は特に制限はないが、好ましくは0.80である。
具体例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシル基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(−COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(−COOPh:0.44)、カルバモイル基(−CONH2:0.36)、アルキルカルボニル基(−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(−SO2Me:0.72)、またはアリールスルホニル基(−SO2Ph:0.68)などが挙げられる。特に好ましくは、シアノ基である。ここで、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表す。
ハメットの置換基定数σ値については、例えば、特開2011−68731号公報の段落0017〜0018を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、R2およびR3が互いに結合して環を形成する場合は、5〜7員環(好ましくは5または6員環)を形成することが好ましい。形成される環としては通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては、例えば特開2011−68731号公報の段落0019〜0021を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
3はヘテロ環であることが特に好ましい。特に、R3は、キノリン、ベンゾチアゾールまたはナフトチアゾールあることが好ましい。
式(A1)中の2つのR2は、互いに同一でも異なってもよく、また、2つのR3は、互いに同一でも異なってもよい。
4で表される基がアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であるとき、この基は、R1a、R1bで説明したものと同義であり、好ましい基も同様である。
4で表される基が置換ホウ素であるとき、その置換基は、R2およびR3について上述した置換基Tと同義であり、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基である。
また、R4で表される基が金属原子であるときは、好ましくは遷移金属、特に好ましくは、置換ホウ素である。置換ホウ素として好ましくは、ジフルオロホウ素、ジフェニルホウ素、ジブチルホウ素、ジナフチルホウ素、カテコールホウ素が挙げられる。中でもジフェニルホウ素が特に好ましい。
4は、R1a、R1bおよびR3の少なくとも1種と共有結合もしくは配位結合していてもよく、特にR4がR3と配位結合していることが好ましい。
特に、R4としては、水素原子または置換ホウ素(特にジフェニルホウ素)であることが好ましい。
式(A1)中の2つのR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
式(A1)で表される化合物については、例えば特開2011−68731号公報の段落0024〜0052(対応する米国特許出願公開第2011/0070407号明細書の[0043]〜[0074])を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
近赤外線吸収性色素としては、下記式(A2)で表される化合物がより好ましく、下記式(A3)で表される化合物がさらに好ましい。
式(A2)
式(A2)中、R10は各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、置換ホウ素または金属原子を表し、R12と共有結合または配位結合していてもよい。R11およびR12は各々独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも一方は電子吸引性基であり、R11およびR12は結合して環を形成してもよい。R13は各々独立に炭素数3〜30の分岐状のアルキル基を表す。
10は、上記式(A1)中のR4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
11およびR12は、上記(A1)中のR2およびR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
13は、互いに同じでも異なっていてもよい。R13の炭素数は、上述した式(A1)中のR1aおよびR1bで説明した分岐アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。R13のCLogP値の好ましい範囲は、上述した置換基Rと同様である。
また、R13は、例えばイソエイコサノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール2000)に由来するアルコール残基であることが好ましい。
アルコールとしては、直鎖状または分岐状であってもよく、炭素素1〜30のアルコールが好ましく、炭素数3〜25のアルコールがより好ましく、炭素数3〜25の分岐状アルコールが特に好ましい。より具体的には、メタノール、エタノール、iso―プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ヘキサデカノール、2−メチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクチルドデカノール、イソヘキサデカノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール1600)、イソオクタデカノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール180)、イソオクタデカノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール180N)、イソオクタデカノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール180T)、イソエイコサノール(日産化学株式会社製、ファインオキソコール2000)等が挙げられる。これらのアルコールは、2種以上の混合物であってもよい。
式(A3)
式(A3)中、R20は各々独立に炭素数3〜30の分岐状のアルキル基を表す。
式(A3)中、R20は、上記式(A2)中のR13と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明では、近赤外線吸収性色素(A)として、銅化合物も好ましい。
銅化合物が銅錯体である場合、銅に配位する配位子Lとしては、銅イオンと配位結合可能であれば特に限定されないが、例えば、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、リン酸エステル、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸、置換ホスフィン酸、カルボニル(エステル、ケトン)、アミン、アミド、スルホンアミド、ウレタン、ウレア、アルコール、チオールなどを有する化合物が挙げられる。これらの中でも、カルボン酸及びスルホン酸が好ましく、スルホン酸がより好ましい。
銅錯体の具体例としては、リン含有銅化合物、スルホン酸銅化合物または下記式で表される銅化合物が挙げられる。リン含有銅化合物として具体的には、例えば、WO2005/030898号公報の第5頁第27行目〜第7頁第20行目に記載された化合物を参酌することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記銅錯体としては、例えば、下記式(A4)で表される銅錯体が挙げられる。
Cu(L)n1・(X)n2 式(A4)
上記式(A4)中、Lは、銅に配位する配位子を表し、Xは、存在しないか、ハロゲン原子、H2O、NO3、ClO4、SO4、CN、SCN、BF4、PF6、BPh4(Phはフェニル基を表す)又はアルコールを表す。n1、n2は、各々独立に1〜4の整数を表す。
配位子Lは、銅に配位可能な原子としてC、N、O、Sを含む置換基を有するものであり、さらに好ましくはNやO、Sなどの孤立電子対を持つ基を有するものである。配位可能な基は分子内に1種類に限定されず、2種以上を含んでも良く、解離しても非解離でも良い。好ましい配位子Lとしては、上述した配位子Lと同義である。非解離の場合、Xは存在しない。
上記銅錯体は、中心金属の銅に配位子が配位した形態となっている。銅錯体における銅は、通常2価の銅であり、例えば銅成分に対して、配位子となる化合物またはその塩を混合・反応等させて得ることができる。
上記配位子となる化合物は、配位部位を有する化合物が好ましく、下記一般式(A5)で表される化合物が好ましい。
一般式(A5)中、X1は配位部位を表し、n3は1〜6の整数を表し、R1は単結合またはn価の基を表す。
一般式(A5)中、X1は、アニオンで配位する配位部位または非共有電子対で配位する配位部位が好ましい。アニオンは、銅成分中の銅原子に配位可能なものであればよく、酸素アニオン、窒素アニオンまたは硫黄アニオンが好ましい。
アニオンで配位する配位部位は、以下の群(AN)から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
群(AN)
群(AN)中、Xは、NまたはCRを表し、Rは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基の例としては、メチル基が挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、カルボキシル基、ヘテロ環基が挙げられる。置換基としてのヘテロ環基は、単環であっても多環であってもよく、また、芳香族であっても非芳香族であってもよい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましく1または2が好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子が好ましい。アルキル基が置換基を有している場合、さらに置換基を有していてもよい。
アルケニル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
アルキニル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
アリール基は、単環であっても多環であってもよいが単環が好ましい。アリール基の炭素数は6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子が好ましい。ヘテロアリール基の炭素数は6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
アニオンで配位する配位部位の例として、モノアニオン性配位部位も挙げられる。モノアニオン性配位部位は、1つの負電荷を有する官能基を介して銅原子と配位する部位を表す。例えば、リン原子を含有する酸基(リン酸ジエステル基、ホスホン酸モノエステル基、ホスフィン酸基等)、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
非共有電子対で配位する配位部位は、非共有電子対で配位する配位原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を含むことが好ましく、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を含むことがより好ましく、窒素原子を含むことがさらに好ましい。
非共有電子対で配位する配位部位は、非共有電子対で配位する配位原子を含む環、または、以下の群(UE)から選択される部分構造が好ましい。
非共有電子対で配位する配位原子を含む環は、単環であっても多環であってもよく、また、芳香族であっても非芳香族であってもよい。
非共有電子対で配位する配位原子を含む環は、置換基を有していてもよく、置換基としてはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ケイ素原子、アルコキシ基、アシル基、アルキルチオ基、カルボキシル基等が挙げられる。非共有電子対で配位する配位原子を含む環が置換基を有している場合、さらに置換基を有していてもよい。
群(UE)
群(UE)中、RおよびR1は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基またはアシル基を表す。
群(UE)中のR、R1およびR2が表すアルキル基は、上記群(AN)中で説明したアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR、R1およびR2が表すアルケニル基は、上記群(AN)中で説明したアルケニル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR、R1およびR2が表すアルキニル基は、上記群(AN)中で説明したアルキニル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR、R1およびR2が表すアリール基は、上記群(AN)中で説明したアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR、R1およびR2が表すヘテロアリール基は、上記群(AN)中で説明したヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR2が表すアルコキシ基の炭素数は、1〜12が好ましく、3〜9がより好ましい。
群(UE)中のR2が表すアリールオキシ基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
群(UE)中のR2が表すヘテロアリールオキシ基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリールオキシ基を構成するヘテロアリール基は、上記群(AN)中で説明したヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR2が表すアルキルチオ基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜9がより好ましい。
群(UE)中のR2が表すアリールチオ基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
群(UE)中のR2が表すヘテロアリールチオ基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリールチオ基を構成するヘテロアリール基は、上記群(AN)中で説明したヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE)中のR2が表すアシル基の炭素数は、2〜12が好ましく、2〜9がより好ましい。
1は、酸基であってもよく、スルホン酸基、カルボン酸基およびリン原子を含有する酸基から選択される少なくとも1種であることが好ましい。X1は、1種単独でも2種以上であってもよいが、2種以上であることが好ましく、スルホン酸基及びカルボン酸基を有するものが好ましい。
一般式(A5)中、n3は、1〜3が好ましく、2または3がより好ましく、3がさらに好ましい。
一般式(A5)中、n価の基は、n価の有機基、または、n価の有機基と、−O−、−SO−、−SO2−、−NRN1−、−CO−、−CS−との組み合わせからなる基が好ましい。n価の有機基は、炭化水素基、オキシアルキレン基、ヘテロ環基等が挙げられる。また、n価の基は、群(AN−1)から選択される少なくとも1種を含む基、非共有電子対で配位する配位原子を含む環、または、群(UE−1)から選択される少なくとも1種を含む基であってもよい。
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が好ましい。炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、重合性基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタン基など)、スルホン酸基、カルボン酸基、リン原子を含有する酸基、カルボン酸エステル基(例えば−CO2CH3)、水酸基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アミノ基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ハロゲン化アルキル基(例えばフルオロアルキル基、クロロアルキル基)、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。炭化水素基が置換基を有する場合、さらに置換基を有していてもよく、置換基としてはアルキル基、上記重合性基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記炭化水素基が1価の場合、アルキル基、アルケニル基またはアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。炭化水素基が2価の場合、アルキレン基、アリーレン基、オキシアルキレン基が好ましく、アリーレン基がより好ましい。炭化水素基が3価以上の場合には、上記1価の炭化水素基または2価の炭化水素基に対応するものが好ましい。
アルキル基及びアルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基及びアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。分岐状のアルキル基及びアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。環状のアルキル基及びアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキル基及びアルキレン基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
アルケニル基及びアルケニレン基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。
アリール基及びアリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
ヘテロ環基は、脂環基の中にヘテロ原子があるものまたは芳香族ヘテロ環基が挙げられる。ヘテロ環基としては、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロ環基は、単環または縮合環であり、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましい。ヘテロ環基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、上述した炭化水素基が有していてもよい置換基と同義である。
−NRN1−において、RN1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。RN1におけるアルキル基としては、鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。直鎖状または分岐状のアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましい。環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜14がより好ましい。 RN1におけるアリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基などが例示される。RN1におけるアラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、無置換の炭素数7〜15のアラルキル基がより好ましい。
群(AN−1)
群(AN−1)中、Xは、NまたはCRを表し、Rは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、上述した群(AN)中のXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
群(UE−1)
群(UE−1)中、Rは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表、上述した群(UE)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記配位子となる化合物またはその塩としては、特に限定されないが、酸基またはその塩を含有する化合物も好ましく、例えば、有機酸化合物(例えば、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物)またはその塩などが好適に挙げられる。
上記配位子となる化合物またはその塩の分子量は、80以上が好ましく、上限値は1000以下が好ましく、750以下がより好ましく、600以下がさらに好ましい。
スルホン酸銅錯体
スルホン酸銅錯体は、銅を中心金属としスルホン酸化合物を配位子とするものである。スルホン酸化合物としては、下記一般式(A6)で表される化合物が好ましい。
式(A6)中、R2は1価の有機基を表す。
一般式(A6)で表される化合物またはその塩は、銅に配位する配位子として作用する。
一般式(A6)中のR2の具体的な1価の有機基としては、炭化水素基を挙げることができ、具体的には、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基等を挙げることができる。ここで、これらの基は、2価の連結基(例えば、直鎖状または分岐状のアルキレン基、環状のアルキレン基(シクロアルキレン基)、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−C(=O)O−、−OCO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)など)を介した基であってもよい。
直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基、アルケニル基およびアリール基の炭素数は、上述した一般式(A5)中のR1における説明と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また1価の有機基は置換基を有していてもよい。1価の有機基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、重合性基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタン基など)、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボン酸エステル基(例えば、−CO2CH3など)水酸基、アミド基、ハロゲン化アルキル基(例えば、フルオロアルキル基、クロロアルキル基)などが例示される。
2価の連結基である直鎖状または分岐状のアルキレン基、環状のアルキレン基、アリーレン基としては、前述の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基から水素原子を1個除いて誘導される2価の連結基が挙げられる。
一般式(A6)で表される化合物の分子量は、80〜750が好ましく、80〜600がより好ましく、80〜450がさらに好ましい。
一般式(A6)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
スルホン酸銅錯体は、銅成分に対して、配位子となるスルホン酸化合物あるいはその塩とを反応させることにより得ることができる。
銅成分としては、銅または銅を含む化合物を用いることができる。銅を含む化合物としては、例えば、酸化銅や銅塩を用いることができる。銅塩は、1価または2価の銅が好ましく、2価の銅がより好ましい。銅塩としては、酢酸銅、塩化銅、ギ酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅、硝酸銅、硫酸銅、炭酸銅、塩素酸銅、(メタ)アクリル酸銅、過塩素酸銅がより好ましく、酢酸銅、塩化銅、硫酸銅、安息香酸銅、(メタ)アクリル酸銅がさらに好ましい。
本発明に用いることができるスルホン酸化合物は、市販のスルホン酸を用いることもできるし、公知の方法を参照して、合成することもできる。本発明で用いることができるスルホン酸化合物の塩としては、例えば金属塩が好ましく、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
本発明で用いることができる銅化合物としては、上述したもの以外に、カルボン酸を配位子とする銅化合物を用いてもよい。カルボン酸を配位子とする銅化合物に用いられるカルボン酸としては、例えば、下記一般式(A7)で表される化合物が好ましい。
一般式(A7)中、R4は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、特に限定されないが、上述した一般式(A6)中の1価の有機基R2と同義あり、その好ましい範囲も同様である。
本発明で用いられる銅化合物としては、リン酸エステルを配位子とする銅化合物(リン酸エステル銅化合物)を用いることもできる。リン酸エステル銅化合物に用いられるリン酸エステル化合物としては、特開2013−253224号公報の段落0015〜0027を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明で用いることができる銅化合物としては、酸基またはその塩を含む重合体と銅成分との反応で得られる銅化合物を用いることができる。この銅化合物は、例えば、酸基イオン部位を含む重合体および銅イオンを含むポリマータイプの銅化合物であり、好ましい態様は、重合体中の酸基イオン部位を配位子とするポリマータイプの銅化合物である。このポリマータイプの銅化合物は、通常、重合体の側鎖に酸基イオン部位を有し、酸基イオン部位が銅に結合(例えば、配位結合)し、銅を起点として、側鎖間に架橋構造を形成している。ポリマータイプの銅化合物としては、主鎖に炭素−炭素結合を有する重合体の銅錯体、主鎖に炭素−炭素結合を有する重合体の銅錯体であって、フッ素原子を含む銅錯体、主鎖に芳香族炭化水素基及び/又は芳香族ヘテロ環基を有する重合体(以下、芳香族基含有重合体という。)の銅錯体等が挙げられる。
銅成分としては、2価の銅を含む化合物が好ましい。銅成分中の銅含有量は、好ましくは2〜40質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。銅成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。銅を含む化合物としては、例えば、酸化銅や銅塩を用いることができる。銅塩は、2価の銅がより好ましい。銅塩としては、水酸化銅、酢酸銅および硫酸銅が特に好ましい。
酸基またはその塩を含む重合体が有する酸基としては、上述した銅成分と反応可能なものであれば特に限定されないが、銅成分と配位結合するものが好ましい。具体的には、酸解離定数(pKa)が12以下の酸基が挙げられ、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、イミド酸基等が好ましい。酸基は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
本発明で用いられる酸基の塩を構成する原子または原子団としては、ナトリウム等の金属原子(特にアルカリ金属原子)、テトラブチルアンモニウム等のような原子団が挙げられる。尚、酸基またはその塩を含む重合体において、酸基またはその塩は、その主鎖および側鎖の少なくとも一方に含まれていればよく、少なくとも側鎖に含まれていることが好ましい。
酸基またはその塩を含む重合体は、カルボン酸基またはその塩、および/または、スルホン酸基またはその塩を含む重合体が好ましく、スルホン酸基またはその塩を含む重合体がより好ましい。
<<<第1の酸基またはその塩を含む重合体>>>
酸基またはその塩を含む重合体の好ましい一例は、主鎖が炭素−炭素結合を有する構造であり、下記式(A8)で表される構成単位を含むことが好ましい。
式(A8)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、M1は水素原子、または、スルホン酸基と塩を構成する原子もしくは原子団を表す。
上記式(A8)中、R1は水素原子であることが好ましい。
上記式(A8)中、L1が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、特に限定されないが、例えば、2価の炭化水素基、ヘテロアリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO2−、−NX−(Xは水素原子あるいはアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、または、これらの組み合わせからなる基が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基や、アリーレン基が挙げられる。炭化水素基は、置換基を有していてもよいが、無置換であることが好ましい。
直鎖状のアルキレン基の炭素数としては、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。また、分岐状のアルキレン基の炭素数としては、3〜30が好ましく、3〜15がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。
環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキレン基の炭素数としては、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
アリーレン基の炭素数としては、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
ヘテロアリーレン基としては、特に限定されないが、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリーレン基は、単環でも縮合環であってもよく、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましい。
上記式(A8)中、M1で表されるスルホン酸基と塩を構成する原子または原子団は、上述した酸基の塩を構成する原子または原子団と同義であり、水素原子またはアルカリ金属原子であることが好ましい。
式(A8)で表される構成単位以外の他の構成単位としては、特開2010−106268号公報の段落番号0068〜0075(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の[0112]〜[0118])に開示の共重合成分の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい他の構成単位としては、下記式(A9)で表される構成単位が挙げられる。
式(A9)中、R3は水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
式(A9)中、Y2は単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては、上述した上記式(A8)の2価の連結基と同義である。特に、Y2としては、−COO−、−CO−、−NH−、直鎖状または分岐状のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基か、単結合が好ましい。
式(A9)中、X2は、−PO3H、−PO32、−OHまたはCOOHを表し、−COOHであることが好ましい。
上記重合体(A8)が、他の構成単位(好ましくは上記式(A9)で表される構成単位)を含む場合、上記式(A8)で表される構成単位と上記式(A9)で表される構成単位のモル比は、95:5〜20:80であることが好ましく、90:10〜40:60であることがより好ましい。
<<<第2の酸基またはその塩を含む重合体>>>
また、本発明で用いることができる銅化合物としては、酸基またはその塩と、フッ素原子をさらに含有する重合体と、銅成分との反応で得られる銅化合物を用いてもよい。酸基またはその塩とフッ素原子を含む重合体と、銅成分とを反応させると、例えば、酸基イオン部位とフッ素原子を含む重合体および銅イオンを含むポリマータイプの銅化合物が得られる。
酸基またはその塩および銅成分については、上述した酸基またはその塩を含む重合体と銅成分との反応で得られる化合物と同義であり、好ましい範囲も同様である。
酸基またはその塩とフッ素原子を含む重合体の好ましい一例は、下記式(A10−1)、(A10−2)及び(A10−3)のうち少なくともいずれかで表される構成単位を含むことが好ましい。
式(A10−1)中、R1は脂肪族炭化水素基を表し、Y1は単結合又は2価の連結基を表し、X1は酸基又はその塩を表し、R1及びY1の少なくとも1つがフッ素原子で置換されている。
式(A10−2)中、R2は脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭化水素基を表し、Y2は単結合又は2価の連結基を表し、R2、R3及びY2の少なくとも1つがフッ素原子で置換されている。
式(A10−3)中、Ar1は芳香族炭化水素基及び/又は芳香族ヘテロ環基を表し、R4は有機基を表し、Y3は単結合又は2価の連結基を表し、X2は酸基又はその塩を表し、Ar1、R4及びY3の少なくとも1つがフッ素原子で置換されている。
式(A10−1)および式(A10−2)中、R1およびR2がそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基を表し、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数としては、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキル基の炭素数としては、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
1およびR2が置換基を有している場合、置換基としては特に限定されないが、例えば、重合性基(好ましくは、炭素−炭素二重結合を含む重合性基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、カルボン酸エステル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、エーテル基、スルホニル基、スルフィド基、アミド基、アシル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アラルキル基、−Si−(ORN223などが例示され、フッ素原子が特に好ましい。(RN22はアルキル基を表し、炭素数1〜3が好ましい。)
式(A10−1)〜式(A10−3)中、Y1〜Y3がそれぞれ独立して2価の連結基を表す場合、2価の連結基は、上述した式(A8)中の2価の連結基と同義である。
炭化水素基としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基や、アリーレン基が挙げられる。直鎖状のアルキレン基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。分岐状のアルキレン基の炭素数としては、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキレン基の炭素数としては、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
アリーレン基およびヘテロアリーレン基としては、上述した式(A6)中の2価の連結基がアリーレン基である場合と同義である。
特に、Y1が2価の連結基を表す場合、−COO−、−CO−、−O−、−NX−(Xは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜30のアルキレン基又はアリーレン基)、又は、これらの組み合わせからなる基であることが好ましい。
式(A10−1)および式(A10−3)中、X1およびX2はそれぞれ独立して酸基又はその塩を表し、上述した酸基又はその塩と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、式(A10−1)中、R1及びY1の少なくとも1つがフッ素原子で置換されている。ここで、R1及びY1のうち、Y1がフッ素原子で置換されているとは、例えば、R1を構成する水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されていることをいう。R1及びY1の少なくとも1つがパーフルオロ基であることが好ましい。R1及びY1のうち、Y1がフッ素原子で置換されていることが好ましい。
式(A10−2)中、R3は炭化水素基を表し、上記式(A10−1)中のR1で説明したアルキル基や、アリール基が挙げられる。アルキル基は、上記式(A10−1)中のR1で説明したアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がより好ましい。R3が置換基を有している場合、置換基としては、特に限定されないが、フッ素原子が好ましい。
式(A10−2)中、R2、R3及びY2の少なくとも1つがフッ素原子を有し、R2、R3及びY2の少なくとも1つがパーフルオロ基であることが好ましい。
式(A10−3)中、Ar1は芳香族炭化水素基を表すことが好ましい。芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基又はビフェニル基がより好ましい。芳香族ヘテロ環基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜30の芳香族ヘテロ環基を用いることができる。
式(A10−3)中、R4は有機基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のシクロアルキレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−NRN−(RNは水素原子又はアルキル基)、及びこれらの組み合わせが例示される。アルキレン基としてのR4は、炭素数1のアルキレン基が好ましく、中でも−C(R4A)(R4B)−を含むことが好ましい。ここで、R4A及びR4Bはそれぞれ独立してフッ素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)を表し、アルキル基はフッ素原子で置換されても良い。R4が−C(R4A)(R4B)−を含む場合、一方のR4Aと一方のR4Bとが互いに結合して環を形成してもよい。
シクロアルキレン基としてのR4は、炭素数4のシクロアルキレン基が好ましく、中でもパーフルオロシクロブチレン基が好ましい。
4の好ましい例としては、−C(R4A)(R4B)−、−O−、−CO−、−SO2−が挙げられる。
式(A10−3)中、Ar1、R4及びY3の少なくとも1つがフッ素原子を有し、Ar1、R4及びY3の少なくとも1つがパーフルオロ基であることが好ましい。
また、式(A10−3)で表される構成単位は、構成単位中にAr1及びR4をそれぞれ1つ以上有していればよく、2以上有していてもよい。
酸基またはその塩とフッ素原子を含む重合体の重量平均分子量は、2000以上が好ましく、2000〜200万がより好ましく、5000〜400,000がさらに好ましい。
<<<第3の酸基またはその塩を含む重合体>>>
本発明で用いることができる銅化合物としては、芳香族基含有重合体と、銅成分との反応で得られるポリマータイプの銅化合物を用いてもよい。芳香族基含有重合体は、主鎖に、芳香族炭化水素基及び芳香族ヘテロ環基のうち少なくとも1種を有していればよく、2種以上有していてもよい。酸基またはその塩および銅成分については、上述した酸基またはその塩を含む重合体と銅成分との反応で得られる銅化合物と同義であり、好ましい範囲も同様である。
芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。特に、フェニル基、ナフチル基又はビフェニル基が好ましい。芳香族炭化水素基は単環又は多環であってもよいが、単環が好ましい。
芳香族ヘテロ環基としては、例えば、炭素数2〜30の芳香族ヘテロ環基を用いることができる。芳香族ヘテロ環基は、5員環又は6員環が好ましい。また、芳香族ヘテロ環基は、単環又は縮合環であり、単環又は縮合数が2〜8の縮合環が例示される。ヘテロ環に含まれるヘテロ原子としては、窒素、酸素、硫黄原子が例示され、窒素または酸素が好ましい。
芳香族炭化水素基及び/又は芳香族ヘテロ環基が置換基Tを有していている場合、置換基Tとしては、例えば、アルキル基、重合性基(好ましくは、炭素−炭素二重結合を含む重合性基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボン酸エステル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、エーテル基、スルホニル基、スルフィド基、アミド基、アシル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アラルキル基などが例示され、アルキル基(特に炭素数1〜3のアルキル基)が好ましい。
特に、芳香族基含有重合体は、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルケトン系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、ポリイミド系重合体、ポリベンズイミダゾール系重合体、ポリフェニレン系重合体、フェノール樹脂系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアミド系重合体及びポリエステル系重合体から選択される少なくとも1種の重合体であることが好ましい。以下に各重合体の例を示す。
ポリエーテルスルホン系重合体:(−O−Ph−SO2−Ph−)で表される主鎖構造(Phはフェニレン基を示す、以下同じ)を有する重合体
ポリスルホン系重合体:(−O−Ph−Ph−O−Ph−SO2−Ph−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリエーテルケトン系重合体:(−O−Ph−O−Ph−C(=O)−Ph−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリフェニレンエーテル系重合体:(−Ph−O−、−Ph−S−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリフェニレン系重合体:(−Ph−)で表される主鎖構造を有する重合体
フェノール樹脂系重合体:(−Ph(OH)−CH2−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリカーボネート系重合体:(−Ph−O−C(=O)−O−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリアミド系重合体としては、例えば、(−Ph−C(=O)−NH−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリエステル系重合体としては、例えば、(−Ph−C(=O)O−)で表される主鎖構造を有する重合体
ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスルホン系重合体及びポリエーテルケトン系重合体としては、例えば、特開2006−310068号公報の段落0022及び特開2008−27890号公報の段落0028に記載の主鎖構造を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
ポリイミド系重合体としては、特開2002−367627号公報の段落0047〜0058の記載及び特開2004−35891号公報の0018〜0019に記載の主鎖構造を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
芳香族基含有重合体の一例としては、下記式(A11)で表される構成単位を含むことが好ましい。
式(A11)中、Ar1は芳香族炭化水素基及び/又は芳香族ヘテロ環基を表し、Y1は単結合又は2価の連結基を表し、X1は酸基又はその塩を表す。
式(A11)中、Ar1が芳香族炭化水素基を表す場合、上述した芳香族炭化水素基と同義であり、好ましい範囲も同様である。Ar1が芳香族ヘテロ環基を表す場合、上述した芳香族ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Ar1は、上記式(A11)中の−Y1−X1の他に置換基を有していてもよい。Ar1が置換基を有する場合、置換基としては上述した置換基Tと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(A11)中、Y1は、単結合であることが好ましい。Y1が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、例えば、炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−SO2−、−NX−(Xは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、−C(RY1)(RY2)−、又は、これらの組み合わせからなる基が挙げられる。ここで、RY1及びRY2は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。
炭化水素基としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基や、アリーレン基が挙げられる。直鎖状のアルキレン基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。分岐状のアルキレン基の炭素数としては、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキレン基の炭素数としては、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。これら直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基は、アルキレン基中の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
アリーレン基は、上述した式(A10−1)〜式(A10−3)中の2価の連結基がアリーレン基である場合と同義である。
芳香族ヘテロ環基としては、特に限定されないが、5員環または6員環が好ましい。また、芳香族ヘテロ環基は、単環でも縮合環であってもよく、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましい。
式(A11)中、X1で表される酸基又はその塩としては、上述した酸基又はその塩と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、本発明で用いることができる近赤外線吸収性化合物としては、特開2013−050593号公報の段落0019に記載の銅化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン化合物、インモニウム系化合物、シアニン系色素、スクアリリウム系色素及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落0010〜0081に開示の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。シアニン系色素は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明では、近赤外線吸収性色素(A)として、特開平07−164729号公報の段落0004〜0016に開示の化合物や、特開2002−146254号公報の段落0027〜0062に開示の化合物、特開2011−164583号公報の段落0034〜0067に開示のCuおよび/またはPを含む酸化物の結晶子からなり数平均凝集粒子径が5〜200nmである近赤外線吸収粒子を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。
その他、本発明では、「イーエクスカラーIR−10」、「イーエクスカラーIR−12」、「イーエクスカラーIR−14」、「イーエクスカラーHA−1」、「イーエクスカラーHA−14」(いずれも商品名、日本触媒社製)、「SIR−128」、「SIR−130」、「SIR−132」、「SIR−152」、「SIR−159」、「SIR−162」(いずれも商品名、三井化学社製)、「Kayasorb IRG−022」、「Kayasorb IRG−023」、「KayasorbIRG−040」(いずれも商品名、日本化薬社製)、「CIR−1081」(商品名、日本カーリット社製)、「NIR−IM1」、「NIR−AM1」(いずれも商品名、ナガセケムテックス社製)、セシウム酸化タングステン化合物(住友金属鉱山社製のYMF−02A、YMF−01A−2、YMF−10A−1)、「Lumogen IR765」、「Lumogen IR788」(BASF社製)、「ARS670T」、「IRA800」、「IRA850」、「IRA868」(Exciton社製)等を用いることができる。
本発明の組成物中における近赤外線吸収性色素の含有量は、必要に応じて調節することができるが、組成物中の全固形分中0.01〜50質量%とすることが好ましく、0.1〜30質量%とすることがより好ましく、0.5〜15質量%とすることがさらに好ましい。また、近赤外線吸収性色素の含有量は、組成物中の全固形分中0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。この範囲内とすることで良好な近赤外吸収能を付与することができる。本発明の組成物が、近赤外線吸収性色素を2種以上含む場合、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
<<硬化性化合物(B)>>
本発明に用いられる硬化性化合物(B)は、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有し、フッ素原子および/または炭素数6以上の分岐アルキル基を有することが好ましい。
また、硬化性化合物(B)は、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有し、かつ、硬化性官能基を有していれば、単量体であっても、多量体であっても、重合体であってもよい。
硬化性化合物(B)がフッ素原子を含む場合、硬化性化合物(B)は、フッ素原子で置換されたアルキル基および/またはフッ素原子で置換されたアリール基を有することが好ましい。
フッ素原子で置換されたアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であることが好ましい。
フッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。また、フッ素原子で置換された環状のアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環式又は多環式のシクロアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されたアリール基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基であることが好ましい。このアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
フッ素原子で置換されたアルキル基は、末端がトリフルオロメチル基であることが好ましい。
フッ素原子で置換されたアリール基は、アリール基がフッ素原子で直接に置換されているか、トリフルオロメチル基で置換されていることが好ましい。
フッ素原子で置換されたアルキル基およびフッ素原子で置換されたアリール基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよいが、フッ素原子またはフッ素原子を有するアルキル基のみで置換されていることが好ましい。
フッ素原子で置換されたアルキル基およびフッ素原子で置換されたアリール基の例としては、例えば、特開2011−100089号公報の段落0266〜0272を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性化合物(B)が珪素原子を含む場合、アルキルシリル基、アリールシリル基または以下の部分構造(S)(*は他の原子との結合部位を表す。)を含むものが好ましい。
部分構造(S)
アルキルシリル基が有するアルキル鎖の炭素数は、合計で、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキルシリル基は、トリアルキルシリル基が好ましい。
アリールシリル基におけるアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
上記部分構造(S)を含む場合、部分構造(S)を含んで環状構造を形成していてもよい。本発明で好ましく採用される部分構造(S)としては、−Si(R)2−O−Si(R)2−(Rは炭素数1〜3のアルキル基)、アルコキシシリル基が好ましい。部分構造(S)を含む構造の例としては、例えば、特開2011−100089号公報の段落0277〜0279を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性化合物(B)が炭素数8以上の直鎖アルキル基を含む場合、炭素数は、8〜30が好ましく、12〜20がより好ましい。
硬化性化合物(B)が炭素数3以上の分岐アルキル基を含んでいる場合、分岐アルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、5〜15がより好ましい。炭素数3以上の分岐アルキル基は、末端に、−CH(CH32、−C(CH33を有することが好ましい。
硬化性化合物(B)は、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を1つ以上有していればよく、2つ以上有していてもよい。また、硬化性化合物(B)は、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上の組み合わせを有していてもよい。
硬化性化合物(B)は、通常、硬化性官能基を1つ以上有し、2つ以上の硬化性官能基を有していてもよい。硬化性官能基は、1種のみでもよく、2種以上であってもよい。硬化性官能基は、熱硬化性の官能基であっても、光硬化性の官能基であってもよい。
硬化性官能基は、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアナート基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルコキシシリル基、メチロール基、ビニル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基およびマレイミド基から選択される1種以上であることが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基およびオキセタニル基から選択される1種以上であることがより好ましい。
硬化性化合物(B)が単量体である場合、1分子中における、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上の基の数が1〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましいまた、1分子中における、硬化性官能基の数が1〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。
硬化性化合物(B)が重合体である場合、硬化性化合物(B)は、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有することが好ましく、下記式(B1)および下記式(B2)で表される繰り返し単位を少なくとも有することがより好ましい。
式(B1)
式(B2)
式(B1)および(B2)中、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表し、L1およびL2は、各々独立に、単結合または2価の連結基を表し、X1は(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基またはオキセタニル基を表し、X2はフッ素原子で置換されたアルキル基、フッ素原子で置換されたアリール基、アルキルシリル基、アリールシリル基、上記部分構造(S)を含むもの、炭素数8以上の直鎖アルキル基、または、炭素数3以上の分岐アルキル基を表す。
式(B1)および(B2)中、R1〜R6は、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。R1〜R6がアルキル基を表す場合、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R1〜R6がハロゲン原子を表す場合、フッ素原子が好ましい。
式(B1)および(B2)中、L1およびL2が2価の連結基を表す場合、炭素数2〜10のアルキレン基および炭素数6〜12のアリーレン基から選択される少なくとも1種、または、これらの基と−NR7−、−CONR7−、−CO2−、−SO2NR7−、−O−、−S−および−SO2−から選択される少なくとも1種の基との組み合わせからなる基が好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基、−CO2−、−O−、−CONR7−、または、これらの基の組み合わせからなる基がより好ましい。ここで、上記R7は、水素原子またはメチル基を表す。
式(B2)中、X2がフッ素原子で置換されたアルキル基もしくはアリール基を表す場合、上述したフッ素原子で置換されたアルキル基もしくはアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、X2がアルキルシリル基、アリールシリル基または上記部分構造(S)を含むものを表す場合、上述した硬化性化合物(B)が珪素原子を含む場合と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2が炭素数8以上の直鎖アルキル基または炭素数3以上の分岐アルキル基を表す場合、上述した炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(B1)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
また、上記式(B2)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表し、水素原子またはメチル基がより好ましい。Meはメチル基を表す。
硬化性化合物(B)が上記式(B1)および上記式(B2)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体である場合の具体例としては、以下が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量、および分散度を下記表に示す。
上記式(B1)で表される繰り返し単位は、硬化性化合物(B)中の全構成単位の30〜95モル%であることが好ましく、45〜90モル%であることがより好ましい。式(B1)で表される繰り返し単位は、硬化性化合物(B)中の全構成単位の30モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましい。
上記式(B2)で表される繰り返し単位は、硬化性化合物(B)中の全構成単位5〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。式(B2)で表される繰り返し単位は、硬化性化合物(B)中の全構成単位5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。
また、硬化性化合物(B)は、上記式(B1)および上記式(B2)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。他の繰り返し単位は、硬化性化合物(B)中の全構成単位10モル%以下であることが好ましく、1モル%以下であることがより好ましい。
硬化性化合物(B)が重合体である場合、重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)が5,000〜100,000であることが好ましく、7,000〜50,000であることがより好ましい。硬化性化合物(B)が重合体である場合、重量平均分子量は、5,000以上が好ましく、7,000以上がより好ましい。
また、硬化性化合物(B)が重合体である場合、分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.80〜3.00であることが好ましく、2.00〜2.90であることがより好ましい。硬化性化合物(B)が重合体である場合、分散度は、1.80以上が好ましく、2.00以上がより好ましい。
また、硬化性化合物(B)の市販品としては、例えば、フッ素原子を有する硬化性化合物として、DIC社製のメガファックRS−72−K、メガファックRS−75、メガファックRS−76−E、メガファックRS−76−NS、メガファックRS−77、珪素原子を有する硬化性化合物として、BYK社製のBYK−UV 3500、BYK−UV 3530、BYK−UV3570、EVONIK社製のTEGO Rad 2010、TEGO Rad 2011、TEGO Rad 2100、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250、TEGO Rad 2300、TEGO Rad 2500、TEGO Rad 2600、TEGO Rad 2650、TEGO Rad 2700、等を利用することができる。
硬化性化合物(B)の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して1〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。硬化性化合物(B)の含有量は、組成物の全固形分に対して1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
本発明の組成物は、硬化性化合物(B)を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の組成物が硬化性化合物(B)を2種以上含む場合、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
<<硬化性化合物(C)>>
本発明の組成物は、上述した硬化性化合物(B)以外の硬化性化合物(C)をさらに含んでいることが好ましい。
硬化性化合物(C)は、硬化性官能基を1種以上有し、かつ、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有していないものが例示される。
硬化性化合物(C)としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、アクリレート基等を有する化合物を用いることができる。エポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物としては、具体的には側鎖にエポキシ基を有するポリマー、及び分子内に2個以上のエポキシ基を有する重合性モノマー又はオリゴマーがあり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。また単官能又は多官能グリシジルエーテル化合物も挙げられる。
アクリレート基を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート(例えば、3〜6官能の(メタ)アクリレート)が好ましい。
その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、
特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシポリマーと(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
特に、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはNKエステルATM−35E;新中村化学社製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。
その他、市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65、(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)ある。
また、サイクロマ―P ACA 200M、同ACA 230AA、同ACA Z250、同ACA Z251、同ACA Z300、同ACA Z320(以上、ダイセル化学工業(株)製)を用いることもできる。
また、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等の多官能脂肪族グリシジルエーテル化合物が挙げられる。これらは、低塩素品であるが、低塩素品ではない、EX−212、EX−214、EX−216、EX−321、EX−850なども同様に使用できる。
その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER1031S等も挙げられる。
硬化性化合物(C)としては、例えば、特開2012−208494号公報段落0466〜495(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0571]〜[0606])を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
硬化性化合物(C)の含有量は、本発明の組成物中の全固形分量が5〜80質量%となる量が好ましく、5〜50質量%となる量がより好ましい。硬化性化合物(C)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<重合開始剤(D)>>
本発明の組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては、光、熱のいずれか或いはその双方により重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光重合性化合物であることが好ましい。光で重合を開始させる場合、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、熱で重合を開始させる場合には、150〜250℃で分解する重合開始剤が好ましい。
本発明に用いうる重合開始剤としては、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物などが挙げられる。
感度の観点から、オキシム化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、トリハロメチル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、および、チオール化合物が好ましい。
アセトフェノン系化合物、トリハロメチル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オキシム化合物としては、具体的には、特開2012−208494号公報段落0506〜0510(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0622〜0628])等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
光重合開始剤としては、オキシム化合物、アセトフェノン系化合物、および、アシルホスフィン化合物からなる群より選択される化合物が更に好ましい。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤、および、既述のオキシム系開始剤、更にオキシム系開始剤として、特開2001−233842号公報に記載の化合物も用いることができる。
オキシム化合物としては、市販品であるIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を用いることができる。アセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、および、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。またアシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。
重合開始剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<硬化剤(E)>>
本発明では、硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては、エポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」2003年11月19日発行、第3章に記載の硬化剤、促進剤を好適に用いることができ、例えば、多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸を用いることができる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族又は脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテート、グリセリントリストリメリテートなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
また、本発明に用いることができる多価カルボン酸には、ビニルエーテルブロックカルボン酸を用いることが好ましい。具体的にはエポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」P193〜194、特開2003−66223号公報、特開2004−339332号公報、に記載のビニルエーテルブロックカルボン酸をあげることができる。カルボン酸をビニルエーテルでブロック化することで、カルボン酸とエポキシ化合物の付加反応(エステル化反応)が室温で徐々に進行し、粘度が経時で上昇することを抑制することができる。また、各種溶剤やエポキシモノマー、エポキシ樹脂への溶解性が向上し均一な組成を作ることができる。このビニルエーテルブロックカルボン酸は後述の熱潜在性触媒と併用することが好ましい。熱潜在性触媒と併用することで加熱時に脱ブロック化反応が促進され、加熱時の膜ベリが少なく、より強度の高いカラーフィルタを形成することが出来る。
また、本発明では、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテートと脂環式ジカルボン酸無水物との混合物を用いることもできる。市販品としては、例えば、リカシッドMTA−15(以上、新日本理化(株)製)を用いることができる。
硬化剤の配合量は、本発明の組成物の全固形分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上の混合物でもよい。
<<溶剤(F)>>
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤は、特に制限はなく、本発明の組成物の各成分を均一に溶解或いは分散しうるものであれば、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、アルコール類などの水系溶剤が好適に挙げられる。また、その他、本発明で用いられる溶剤は、有機溶剤、ケトン類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、特開2012−194534号公報段落0136等に記載のものが挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。また、エステル類、ケトン類、エーテル類の具体例としては、特開2012−208494号公報段落0497(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0609])に記載のものが挙げられ、さらに、酢酸−n−アミル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、硫酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
特に、溶剤としては、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸ブチル、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルから選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
溶剤の含有量は、本発明の組成物に対し10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。また、溶剤の含有量は、本発明の組成物に対し90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。本発明の組成物中の溶剤の含有量は、本発明の組成物中の全固形分が5〜60質量%となる量が好ましく、5〜50質量%となる量がより好ましく、10〜40質量%となる量がさらに好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の組成物は、さらに重合禁止剤を含んでいてもよい。重合禁止剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。例えば、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましましい。重合禁止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上の混合物でもよい。
<<界面活性剤>>
本発明の組成物は、上述した硬化性化合物(B)以外の界面活性剤、すなわち、硬化性基を有していない界面活性剤を含んでいてもよい。例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F554、同F780、同R08(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同S−141、同S−145、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、ジェムコ(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロ脂肪族基を有する重合体も好ましい。フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有し、フルオロ脂肪族基が、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)、またはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)によって製造されたフルオロ脂肪族化合物から得られたフッ素系界面活性剤が例示される。
ここで、「テロメリゼーション法」とは、低分子量の物質を重合させて分子内に1〜2個の活性基を有する化合物の合成方法を意味する。また、「オリゴメゼーション法」とは、単量体または単量体類の混合物をオリゴマーに転化する方法を意味する。
本発明におけるフルオロ脂肪族基としては、例えば、−CF3基、−C25基、−C37基、−C49基、−C511基、−C613基、−C715基、−C817基、C919基、C1021基が挙げられ、相溶性・塗布性の点から、−C25基、−C37基、−C49基、−C511基、−C613基、−C715基、−C817基が好ましい。
本発明におけるフルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
本発明におけるフルオロ脂肪族基を有する重合体としては、本発明におけるフルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレートおよび/または(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましい。共重合体は、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、上記ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)基やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明におけるフルオロ脂肪族基を有する重合体を含む市販の界面活性剤としては、メガファックF−781、(DIC(株)製)、C613基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、などを使用することができる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報段落0553(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0679])等に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報段落0554(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0680])に記載のカチオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、特開2012−208494号公報段落0556(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0682])等に記載のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンSF8410」、「同SF8427」、「同SH8400」、「ST80PA」、「ST83PA」、「ST86PA」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−400」、「TSF−401」、「TSF−410」、「TSF−4446」信越シリコーン株式会社製「KP321」、「KP323」、「KP324」、「KP340」等も例示される。
界面活性剤物の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の組成物には、上記必須成分や上記好ましい添加剤に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じてその他の成分を適宜選択して用いてもよい。
併用可能なその他の成分としては、例えば、分散剤、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、可塑剤などを併用してもよい。これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報(対応する米国特許出願公開第2013/0034812)の段落番号0183以降、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0102、段落番号0103〜0104および段落番号0107〜0109、特開2013−195480号公報の段落番号0159〜0184等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<硬化膜>
本発明の組成物は、硬化膜として用いることができる。本発明の硬化膜は、近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上をさらに含む硬化膜であって、硬化膜の一方の膜表面における上記原子または基の濃度が、膜全体における上記原子または基の濃度よりも高いことを特徴とする。このような本発明の硬化膜によれば、上述したように、溶剤に浸漬させた場合でも、近赤外線吸収性色素の溶出を抑制することができる。特に、本発明の硬化膜は、膜全体におけるフッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上の濃度が、一方の膜表面から10%以内における上記原子または基の濃度よりも高くなっていることが好ましい。
また、本発明の硬化膜は、膜全体における上記近赤外線吸収性色素(A)の平均濃度が、上記一方の膜表面、すなわち、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基の濃度が膜全体の平均濃度よりも高い一方の膜表面における近赤外線吸収性色素(A)の濃度よりも高いことが好ましい。特に、本発明の硬化膜は、上記原子または基の濃度が高い一方の膜表面から10%以内における、近赤外線吸収性色素(A)の濃度が、膜全体における近赤外線吸収性色素(A)の濃度よりも低いことが好ましい。
本発明の硬化膜は、上記近赤外線吸収性色素を含有する硬化膜であって、硬化膜を溶剤に5分間浸漬させ、下記式で示される浸漬前後の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度の維持率が95%以上である。
式:(浸漬後の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度/浸漬前の近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度)×100
上記式で示される浸漬前後の吸光度の変化が95%以上であることは、硬化膜中の近赤外線吸収性色素が溶剤に溶出しにくいことを表す。上記式で示される浸漬前後の吸光度の変化は、97%以上が好ましく、99%以上がより好ましく、100%がさらに好ましい。溶剤は、上述した溶剤(F)で説明した溶剤と同義である。
硬化膜の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜300μmが好ましく、1〜100μmがより好ましく、1〜50μmがさらに好ましい。
本発明の硬化膜は、例えば、上述した本発明の組成物を層状に適用し、活性放射線を照射することおよび/または加熱することを含む方法によって得ることができる。
本発明の組成物を適用する方法は、塗布や印刷によって行うことができ、塗布により行うことが好ましい。
活性放射線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができる。露光量は好ましくは1〜500mj/cm2である。
加熱温度は、70℃〜250℃が好ましく、90℃〜250℃がより好ましい。
加熱時間は、1分〜180分が好ましく、2分〜120分がより好ましい。
加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
<近赤外線カットフィルタの製造方法>
本発明の組成物は、液状とすることができるため、例えば、本発明の硬化性組成物を基板上に層状に適用(好ましくは塗布や印刷、さらに好ましくはスピンコートやアプリケータ塗布)して膜を形成する工程と、層状の硬化性組成物に対し、マスクを介して露光した後、現像してパターン像を形成する工程を有する製造方法により、近赤外線カットフィルタを容易に製造できる。
本発明の近赤外線カットフィルタの製造方法は、上述した硬化性組成物を適用して赤外吸収パターンを形成する工程を含んでいてもよい。
赤外吸収パターンは、例えば、レジスト液を基板上に塗布し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型またはポジ型の赤外吸収パターンを形成することができる。このような赤外吸収パターンを形成する方法については、例えば、特開2011−68731号公報段落0140〜0145(対応する米国特許出願公開第2011/0070407号明細書の[0204]〜[0216])を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、赤外吸収パターンは、上述した硬化性組成物を用いた硬化膜を形成し、硬化膜状にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターン状に除去してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチングによりエッチングし、エッチング後に残存するレジストパターンを除去することによっても形成することができる。このような赤外吸収パターンを形成する方法については、例えば、特開2008−241744号公報を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物を用いて得られる近赤外線カットフィルタは、光透過率が以下の(1)〜(9)のうちの少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、(1)〜(9)の全ての条件を満たすことがより好ましい。
(1)波長400nmでの光透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
(2)波長450nmでの光透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
(3)波長500nmでの光透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
(4)波長550nmでの光透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(5)波長700nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
(6)波長750nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
(7)波長800nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
(8)波長850nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
(9)波長900nmでの光透過率は50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、20%以下が特に好ましい。
近赤外線カットフィルタの膜厚は、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。
近赤外線カットフィルタは、膜厚20μm以下で、波長400〜550nmの全ての範囲での可視光透過率が75%以上であることが好ましい。本発明によれば、高透過率の可視光領域を広く確保でき、高い近赤外線遮蔽性を有する近赤外線カットフィルタを提供できる。
上記近赤外線カットフィルタは、近赤外線を吸収・カットする機能を有するレンズ(デジタルカメラや携帯電話や車載カメラ等のカメラ用レンズ、f−θレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ)及び半導体受光素子用の光学フィルター、省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用コーティング剤、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用や写真用近赤外線フィルター、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルム、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着、などに用いられる。またCCDカメラ用ノイズカットフィルター、CMOSイメージセンサ用フィルターとしても有用である。
また、本発明は、本発明の硬化性組成物を基板上に層状に適用する工程、乾燥する工程を有する、近赤外線カットフィルタの製造方法にも関する。膜厚、積層構造などについては、目的に応じて適宜選択することができる。
基板は、ガラスなどからなる透明基板であっても、固体撮像素子であっても、固体撮像素子の受光側に設けられた別の基板(例えば後述のガラス基板30)であっても、固体撮像素子の受光側に設けられた平坦化層等の層であっても良い。
近赤外線カットフィルタを形成する方法は、例えば、滴下法(ドロップキャスト)、スピンコーター、スリットスピンコーター、スリットコーター、スクリーン印刷、アプリケータ塗布等を用いることにより実施できる。滴下法(ドロップキャスト)の場合、所定の膜厚で、均一な膜が得られるように、ガラス基板上にフォトレジストを隔壁とする組成物の滴下領域を形成することが好ましい。なお、膜厚は、組成物の滴下量および固形分濃度、滴下領域の面積を調整できる。
また、塗膜の乾燥条件としては、各成分、溶剤の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜200℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明の硬化性組成物を用いて近赤外線カットフィルタを形成する方法は、その他の工程を含んでいても良い。その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、前加熱工程(プリベーク工程)、硬化処理工程、後加熱工程(ポストベーク工程)などが挙げられる。
<前加熱工程・後加熱工程>
前加熱工程および後加熱工程における加熱温度は、通常、80℃〜200℃であり、90℃〜180℃であることが好ましい。
前加熱工程および後加熱工程における加熱時間は、通常、30秒〜400秒であり、60秒〜300秒であることが好ましい。
<硬化処理工程>
硬化処理工程は、必要に応じ、形成された上記膜に対して硬化処理を行う工程であり、この処理を行うことにより、近赤外線カットフィルタの機械的強度が向上する。
上記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。ここで、本発明において「露光」とは、各種波長の光のみならず、電子線、X線などの放射線照射をも包含する意味で用いられる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、電子線、KrF、ArF、g線、h線、i線等の紫外線や可視光が好ましく用いられる。好ましくは、KrF、g線、h線、i線が好ましい。
露光方式としては。ステッパー露光、アライナー露光、高圧水銀灯による露光などが挙げられる。
露光量は5〜3000mJ/cm2が好ましく10〜2000mJ/cm2がより好ましく、100〜1000mJ/cm2が特に好ましい。
全面露光処理の方法としては、例えば、形成された上記膜の全面を露光する方法が挙げられる。硬化性組成物が重合性化合物を含む場合、全面露光により、上記組成物より形成される膜中の重合成分の硬化が促進され、上記膜の硬化が更に進行し、機械的強度、耐久性が改良される。
上記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
また、全面加熱処理の方法としては、形成された上記膜の全面を加熱する方法が挙げられる。全面加熱により、パターンの膜強度が高められる。
全面加熱における加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。上記加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、上記膜中の成分の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
全面加熱における加熱時間は、3分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましい。
全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
また、本発明は、固体撮像素子と、近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールにも関する。このカメラモジュールは、近赤外線カットフィルタが、上述した近赤外線カットフィルタである。
また、本発明は、固体撮像素子と、固体撮像素子の受光側に配置された近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子の受光側において、上記本発明の硬化性組成物を塗布することにより近赤外線カットフィルタを形成する工程を含むカメラモジュールの製造方法にも関する。本実施形態に係るカメラモジュールにおいては、例えば、平坦化層の上に、本発明の硬化性組成物を塗布することにより膜を形成して、近赤外線カットフィルタを形成できる。近赤外線カットフィルタを形成する方法は上記した通りである。
以下、本発明の実施形態に係るカメラモジュールを、図1および図2を参照しながら説明するが、本発明は以下の具体例によって限定されることはない。
なお、図1および図2にわたり、共通する部分には共通する符号を付す。
また、説明に際し、「上」、「上方」および「上側」は、シリコン基板10から見て遠い側を指し、「下」、「下方」および「下側」は、はシリコン基板10に近い側を指す。
図1は、固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。
図1に示すカメラモジュール200は、実装基板である回路基板70に接続部材であるハンダボール60を介して接続されている。
詳細には、カメラモジュール200は、シリコン基板の第1の主面に撮像素子部(撮像素子)12を備えた固体撮像素子(固体撮像素子基板)100と、固体撮像素子100の第1の主面側(受光側)に設けられた平坦化層(図1には不図示)と、平坦化層の上に設けられた近赤外線カットフィルタ42と、近赤外線カットフィルタ42の上方に配置され内部空間に撮像レンズ40を有するレンズホルダー50と、固体撮像素子100およびガラス基板30の周囲を囲うように配置された遮光兼電磁シールド44と、を備えて構成されている。なお、平坦化層の上には、ガラス基板30(光透過性基板)を設けてもよい。各部材は、接着剤45により接着されている。
本発明は、固体撮像素子100と、上記固体撮像素子の受光側に配置された近赤外線カットフィルタ42とを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子の受光側において、上記本発明の硬化性組成物を適用することにより膜42を形成する工程にも関する。本実施形態に係るカメラモジュールにおいては、例えば、平坦化層の上に、本発明の硬化性組成物を塗布することにより膜を形成して、近赤外線カットフィルタ42を形成できる。近赤外線カットフィルタを塗布する方法は上記した通りである。
カメラモジュール200では、外部からの入射光hνが、撮像レンズ40、近赤外線カットフィルタ42、ガラス基板30、平坦化層を順次透過した後、固体撮像素子100の撮像素子部12に到達するようになっている。
カメラモジュール200は、平坦化層上に直接近赤外線カットフィルタを設けているが、平坦化層を省略しマイクロレンズ上に直接近赤外線カットフィルタを設けるようにしてもよいし、ガラス基板30上に近赤外線カットフィルタを設けたり、近赤外線カットフィルタを設けたガラス基板30を貼り合せてもよい。
図2は、図1中の固体撮像素子100を拡大した断面図である。
固体撮像素子100は、基体であるシリコン基板10の第1の主面に、撮像素子部12、層間絶縁膜13、ベース層14、カラーフィルタ15、オーバーコート16、マイクロレンズ17をこの順に備えている。撮像素子12に対応するように、赤色のカラーフィルタ15R、緑色のカラーフィルタ15G、青色のカラーフィルタ15B(以下、これらをまとめて「カラーフィルタ15」ということがある)やマイクロレンズ17は、それぞれ配置されている。シリコン基板10の第1の主面と反対側の第2の主面には、遮光膜18、絶縁膜22、金属電極23、ソルダレジスト層24、内部電極26、および素子面電極27を備えている。各部材は、接着剤20により接着されている。
マイクロレンズ17上には、平坦化層46、近赤外線カットフィルタ42を備えている。平坦化層46の上に近赤外線カットフィルタ42が設けられる代わりに、マイクロレンズ17の上、ベース層14とカラーフィルタ15との間、または、カラーフィルタ15とオーバーコート16との間に、近赤外線カットフィルタが設けられる形態であってもよい。特に、マイクロレンズ17表面から2mm以内(より好ましくは1mm以内)の位置に設けられることが好ましい。この位置に設けると、近赤外線カットフィルタを形成する工程が簡略化でき、マイクロレンズへの不要な近赤外線を十分にカットすることができるので、近赤外線遮断性をより高めることができる。
固体撮像素子100については、特開2012−068418号公報段落0245(対応する米国特許出願公開第2012/068292号明細書の[0407])以降の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の近赤外線カットフィルタは、半田リフロー工程に供することができる。半田リフロー工程によりカメラモジュールを製造することによって、半田付けを行うことが必要な電子部品実装基板等の自動実装化が可能となり、半田リフロー工程を用いない場合と比較して、生産性を格段に向上することができる。更に、自動で行うことができるため、低コスト化を図ることもできる。半田リフロー工程に供される場合、250〜270℃程度の温度にさらされることとなるため、赤外線カットフィルタは、半田リフロー工程に耐え得る耐熱性(以下、「耐半田リフロー性」ともいう。)を有することが好ましい。
本願明細書中で、「耐半田リフロー性を有する」とは、200℃で10分間の加熱を行う前後で赤外線カットフィルタとしての特性を保持することをいう。より好ましくは、230℃で10分間の加熱を行う前後で特性を保持することである。更に好ましくは、250℃で3分間の加熱を行う前後で特性を保持することである。耐半田リフロー性を有しない場合には、上記条件で保持した場合に、近赤外線カットフィルタの近赤外線吸収能が低下したり、膜としての機能が不十分となる場合がある。
また本発明は、リフロー処理する工程を含む、カメラモジュールの製造方法にも関する。本発明の近赤外線カットフィルタは、リフロー工程があっても、近赤外線吸収能が維持されるので、小型軽量・高性能化されたカメラモジュールの特性を損なうことがない。
図3〜5は、カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。
図3に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子100と、平坦化層46と、紫外・赤外光反射膜80と、透明基材81と、近赤外線吸収層82と、反射防止層83とをこの順に有していてもよい。
紫外・赤外光反射膜80は、近赤外線カットフィルタの機能を付与または高める効果を有し、例えば、特開2013−68688号公報の段落0033〜0039を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
透明基材81は、可視領域の波長の光を透過するものであり、例えば、特開2013−68688号公報の段落0026〜0032を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
近赤外線吸収層82は、上述した本発明の近赤外線吸収性組成物を塗布して形成される層である。
反射防止層83は、近赤外線カットフィルタに入射する光の反射を防止することにより透過率を向上させ、効率よく入射光を利用する機能を有するものであり、例えば、特開2013−68688号公報の段落0040を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
図4に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子100と、近赤外線吸収層82と、反射防止層83と、平坦化層46と、反射防止層83と、透明基材81と、紫外・赤外光反射膜80とをこの順に有していてもよい。
図5に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子100と、近赤外線吸収層82と、紫外・赤外光反射膜80と、平坦化層46と、反射防止層83と、透明基材81と、反射防止層83とをこの順に有していてもよい。
以上、カメラモジュールの一実施形態について図1〜図5を参照して説明したが、図1〜図5の形態に限られるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において単に「部」または「%」というとき、特に断らない限り、質量基準である。
<近赤外線吸収性色素(A)の合成例>
<<例示化合物(A−154)の合成>>
下記スキームに従って、例示化合物(A−154)を合成した。
イソエイコサノール(ファインオキソコール2000、日産化学工業(株)社製)20.0質量部、トリエチルアミン8.13質量部を酢酸エチル40質量部中で攪拌し、−10℃下で、メタンスルホニルクロリド8.44質量部を滴下した。滴下終了後、30℃で2時間反応させた。分液操作により有機層を取り出し、溶媒を減圧留去することで、淡黄色液体(A−154A0体)25.5質量部を得た。
4−シアノフェノール7.82質量部、炭酸カリウム10.1質量部をジメチルアセトアミド25質量部中で攪拌し、上記で合成したD−154A0体を25.5質量部加えて、100℃で6時間反応させた。分液操作により有機層を取り出し、有機層を水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去することで、淡黄色液体(A−154A体)25.8質量部を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ0.55−0.96(m,18H),0.96−2.10(m,21H),3.88(m,2H),6.93(d,2H),7.56(d,2H)
ジケトピロロピロール化合物(A−154B体)を、上記で合成したA−154A体13.1質量部を原料にして、米国特許第5,969,154号明細書に記載された方法に従って合成し、橙色固体(A−154B体)7.33質量部を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ0.55−0.96(m,36H),0.96−2.10(m,42H),3.95(m,4H),7.06(d,4H),8.30(d,4H),8.99(brs,2H)
A−154B体7.2質量部、2−(2−ベンゾチアゾリル)アセトニトリル3.42質量部をトルエン30質量部中で攪拌し、オキシ塩化リン10.0質量部を加えて5時間加熱還流した。分液操作により有機層を取り出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去した。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)で精製し、さらにクロロホルム/アセトニトリル溶媒を用いて再結晶することで、緑色固体(A−154D体)5.73質量部を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ0.55−1.00(m,36H),1.00−2.10(m,42H),3.97(m,4H),7.11(d,4H),7.28(t,2H),7.43(t,2H),7.67−7.75(m,6H),7.80(d,2H),13.16(s,2H)
ジフェニルボリン酸2−アミノエチルエステル2.53質量部、トルエン70質量部を40℃で攪拌し、塩化チタン3.56質量部を添加して30分間反応させた。A−154D体5.60質量部を添加し、外接温度130℃で1時間加熱還流させた。室温まで冷やし、メタノール80質量部を添加して結晶を析出させ、これをろ別した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)で精製した後、さらにトルエン/メタノール溶媒を用いて再結晶することで、目的化合物である緑色結晶(A−154)を3.87質量部得た。
A−154のλmaxは、クロロホルム中で780nmであった。モル吸収係数は、クロロホルム中、2.21×105dm3/mol・cmであった。
1H−NMR(CDCl3):δ0.55−1.01(m,36H),1.01−2.10(m,42H),3.82(m,4H),6.46(s,8H),6.90−7.05(m,6H),7.07−7.19(m,12H),7.21−7.29(m,8H), 7.32(d,2H)
<硬化性化合物(B)の合成例>
<<例示化合物(B−1)の合成>>
シクロヘキサノン33.26質量部を窒素気流下、85℃に加熱した。この液を攪拌しながら、グリシジルメタクリレート22.36質量部、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート12.38質量部、シクロヘキサノン33.26質量部、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕1.45質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で更に2時間、90℃で更に2時間攪拌することで、樹脂(B−1)を得た。得られた樹脂のGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、Mw=13300、分散度はMw/Mn=2.26であった。
以下、同様にして、樹脂B−2〜B−14を合成した。ここで、樹脂B−1〜B−14は、上述した硬化性化合物(B)で説明した例示化合物B−1〜B−14に対応する。
<硬化性組成物の調製>
<<実施例1の硬化性組成物>>
下記の成分を混合して、下記表に記載の実施例1の硬化性組成物を調製した。
・近赤外線吸収性色素(A):A−154 2.40質量部
・硬化性化合物(B):重合体B−1 6.80質量部
・硬化性化合物(C):EHPE3150(ダイセル化学工業(株)製)14.5質量部
・硬化剤(E):ピロメリット酸無水物 3.50質量部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.10質量部
・溶剤:シクロヘキサノン 72.65質量部
・MEGAFAC F−781−F 0.05質量部
<<実施例2〜15の硬化性組成物>>
実施例1と同様にして、実施例2〜15の硬化性組成物を調製した。
<<実施例16の硬化性組成物>>
下記の成分を混合して、下記表に記載の実施例16の硬化性組成物を調製した。
・近赤外線吸収性色素(A):A−154 1.32質量部
・硬化性化合物(B):メガファックRS−72−K (DIC社製)
10.4質量部
・硬化性化合物(C):サイクロマーP(ACA)230AA(ダイセル化学工業(株)製)
6.78質量部
・硬化性化合物(C):KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
2.54質量部
・硬化性化合物(C):EHPE3150(ダイセル化学工業(株)製)
2.54質量部
・開始剤(D):IRGACURE OXE01(BASF社製) 1.46質量部
・硬化剤(E):ピロメリット酸無水物 72質量部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.10質量部
・溶剤:シクロヘキサノン 74.2質量部
<<実施例17〜35および比較例の硬化性組成物>>
実施例16と同様にして、実施例17〜35および比較例の硬化性組成物を調製した。
下記表中の記号は以下の通りである。
C−1:EHPE3150(ダイセル化学工業(株)製)
C−2:JER157S65(三菱化学(株)製)
C−3:下記構造の重合体(Mw:13200、Mw/Mn:1.69)
C−4:下記構造の重合体(Mw:23900、Mw/Mn:2.16)
B−1〜B−14:上記表の重合体
B−15:メガファックRS−72−K(DIC社製)
B−16:BYK−UV 3500(BYK社製)
B−17:TEGO Rad 2010(EVONIK社製)
C−5:サイクロマーP(ACA)230AA(ダイセル化学工業(株)製)
C−6:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
D−1:IRGACURE OXE01(BASF社製)
E−1:ピロメリット酸無水物(東京化成(株)製)
E−2:リカシッドMTA−15(新日本理化(株)製)
F−1:シクロヘキサノン
F−2 PGMEA
F−3 N−メチル−2−ピロリドン
F−4 酢酸ブチル
F−5 乳酸エチル
F−6 プロピレングリコールモノメチルエーテル
例示化合物1:特開平7−164729号公報に記載の下記化合物
例示化合物2:特開平7−164729号公報に記載の下記化合物
例示化合物3:特開2002−146254号公報に記載の下記化合物
<硬化膜の作製>
実施例1〜15の硬化性組成物の各々を、ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で100℃で2分間、230℃で5分間硬化処理を行い、約2.0μmの硬化膜を得た。
実施例16〜22及び比較例の硬化性組成物の各々を、ガラス基板上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で100℃で2分間加熱をすることで赤外吸収硬化性組成物塗布層を得た。得られた塗布層を、i線ステッパーあるいはアライナーを用い、100mJ/cm2〜1000mJ/cm2の露光量にて露光し、露光後の塗布層に対し、さらにホットプレート上にて230℃5分間硬化処理を行い、約2.0μmの硬化膜を得た。
<近赤外線遮蔽性評価>
上記で作製した実施例1の硬化膜の分光透過率を分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。得られた分光スペクトルを図6に示す。また、実施例2〜35の硬化膜についても、実施例1と同様に分光透過率を測定した。
<耐溶剤性評価>
上記で作製した硬化膜を表3に記載の溶剤に5分間浸漬させ、浸漬前後の分光を比較することで下記式より耐溶剤性を評価した。分光は、日立ハイテクノロジー製分光器UV4100により865nmにおける入射角度0°で吸光度を測定した。
式:(浸漬後の吸光度/浸漬前の吸光度)×100
A:上記式の値が95%以上
B:上記式の値が80%以上
C:上記式の値が80%未満
上記表から明らかなように、本発明によれば、溶剤に浸漬させた場合でも、近赤外線吸収性色素が溶出しにくい硬化膜が得られることがわかった。また、本発明によれば、硬化性組成物を硬化膜としたときに高い近赤外線遮蔽性を維持できることがわかった。さらに、実施例の硬化性組成物を用いた硬化膜は、波長450〜550nmの範囲での光透過率を85%以上とし、波長800〜830nmの範囲での光透過率を20%以下にすることができる。
実施例1で調製した硬化性組成物において、硬化性化合物(C)を、等量のKAYARAD D−330、D−320、D−310、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120(以上、日本化薬株式会社製)、M−305、M−510、M−520、M−460(東亜合成製)、A−TMMT(新中村化学製)、SR−494(サートマー社製)、デナコールEX−212L(ナガセケムテックス(株)製)、JER−157S65(三菱化学(株)製)に変更したこと以外は、それらと同様にして硬化膜(好ましくは近赤外線カットフィルタ)を得ることができる。これらの場合でも、実施例1と同様に優れた効果が得られる。
また実施例1〜35の硬化性組成物において、組成物の全固形分に対する近赤外線吸収性色素の含有量の合計を15質量%、20質量%、30質量%または40質量%とした場合でも、それらと同様に優れた近赤外線遮蔽能が得られる。
また実施例1〜35の硬化性組成物において、溶剤の含有量を10質量%、20質量%、30質量%または40質量%とした場合でも、それらと同様に優れた塗布性が得られる。
10 シリコン基板、12 撮像素子、13 層間絶縁膜、14 ベース層、15 カラーフィルタ、16 オーバーコート、17 マイクロレンズ、18 遮光膜、
20 接着剤、22 絶縁膜、23 金属電極、24 ソルダレジスト層、26 内部電極、27 素子面電極、
30 ガラス基板、40 撮像レンズ、42 近赤外線カットフィルタ、44 遮光兼電磁シールド、45 接着剤、46 平坦化層、
50 レンズホルダー、60 ハンダボール、70 回路基板、80 紫外・赤外光反射膜、81 透明基材、82 近赤外線吸収層、83 反射防止層、100 固体撮像素子、200 カメラモジュール

Claims (17)

  1. 疎水性基を有する近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子を有する硬化性化合物(B)を含み、
    前記疎水性基は、CLogP値が5.3以上20以下である炭素数3〜30の分岐状のアルキル基であり、
    前記近赤外線吸収性色素(A)が、下記式(A2)で表される化合物であり、
    前記硬化性化合物(B)が、下記式(B1)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体である、硬化性組成物。
    式(A2)
    (式(A2)中、R 10 は各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ジフェニルホウ素、ジブチルホウ素、ジナフチルホウ素、カテコールホウ素または金属原子を表し、R 10 はR 12 と共有結合または配位結合していてもよい。R 11 はシアノ基を表し、R 12 はヘテロ環基を表す。R 13 は各々独立に、CLogP値が5.3以上20以下である炭素数3〜30の分岐状のアルキル基を表す。)
    式(B1)
    式(B1)中、R1〜R3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表し、L1は、単結合または2価の連結基を表し、X1は(メタ)アクリロイルオキシ基表す。
  2. 前記硬化性化合物(B)が、下記式(B1)および下記式(B2)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    式(B1)
    式(B2)
    式(B1)および(B2)中、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表し、L1およびL2は、各々独立に、単結合または2価の連結基を表し、X1は(メタ)アクリロイルオキシ基表し、X2はフッ素原子で置換されたアルキル基またはフッ素原子で置換されたアリール基を表す。
  3. 前記硬化性化合物(B)の含有量が、硬化性組成物の全固形分中1〜50質量%である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記硬化性化合物(B)の重量平均分子量が5000〜50000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記硬化性化合物(B)とは異なる硬化性化合物(C)をさらに含有し、
    前記硬化性化合物(C)は、硬化性官能基を1種以上有し、かつ、フッ素原子、珪素原子、炭素数8以上の直鎖アルキル基および炭素数3以上の分岐アルキル基から選択される1種以上を有していない化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長が700〜1000nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 重合開始剤(D)、硬化剤(E)および溶剤(F)から選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記硬化性組成物中の全固形分量が5〜50質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いてなる硬化膜。
  10. 疎水性基を有する近赤外線吸収性色素(A)と、フッ素原子を有する硬化性化合物(B)の硬化物とを含む硬化膜であって、
    前記疎水性基は、CLogP値が5.3以上20以下である炭素数3〜30の分岐状のアルキル基であり、
    前記近赤外線吸収性色素(A)が、下記式(A2)で表される化合物であり、
    前記硬化性化合物(B)が、下記式(B1)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体であり、
    前記硬化膜の一方の膜表面におけるフッ素原子の濃度が、膜全体におけるフッ素原子の濃度よりも高い、硬化膜。
    式(A2)
    (式(A2)中、R 10 は各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ジフェニルホウ素、ジブチルホウ素、ジナフチルホウ素、カテコールホウ素または金属原子を表し、R 10 はR 12 と共有結合または配位結合していてもよい。R 11 はシアノ基を表し、R 12 はヘテロ環基を表す。R 13 は各々独立に、CLogP値が5.3以上20以下である炭素数3〜30の分岐状のアルキル基を表す。)
    式(B1)
    式(B1)中、R1〜R3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表し、L1は、単結合または2価の連結基を表し、X1は(メタ)アクリロイルオキシ基表す。
  11. 膜全体における前記近赤外線吸収性色素(A)の平均濃度が、前記一方の膜表面における近赤外線吸収性色素(A)の濃度よりも高い、請求項10に記載の硬化膜。
  12. 前記硬化膜を溶剤に5分間浸漬させ、下記式で示される浸漬前後の前記近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度の維持率が95%以上である、請求項10または11に記載の硬化膜。
    式:(浸漬後の前記近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度/浸漬前の前記近赤外線吸収性色素(A)の極大吸収波長における吸光度)×100
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を層状に適用し、活性放射線を照射することおよび/または加熱することを含む、硬化膜の製造方法。
  14. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いてなる近赤外線カットフィルタ。
  15. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を基板上に層状に適用する工程と、前記層状の硬化性組成物に対し、マスクを介して露光した後、現像してパターン像を形成する工程を有する、近赤外線カットフィルタの製造方法。
  16. 固体撮像素子と、請求項14に記載の近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュール。
  17. 固体撮像素子と、近赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子の受光側において、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を塗布することにより前記近赤外線カットフィルタを形成する工程を含む、カメラモジュールの製造方法。
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