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JP6497216B2 - 更生可否判定システムおよび更生可否判定方法 - Google Patents

更生可否判定システムおよび更生可否判定方法 Download PDF

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Description

この発明は、更生可否判定システムおよび更生可否判定方法に関し、さらに詳しくは、更生可否判定を簡易に行いつつ判定精度を確保できる更生可否判定システムおよび更生可否判定方法に関する。
近年のトラック・バス業界では、輸送費の一部となるタイヤコストの削減および3R(Reduce、Reuse、Recycle)の観点から、更生タイヤの利用件数が増加している。更生タイヤとは、摩耗により残溝量が所定値以下となった使用済みタイヤ(特に、1次寿命を終えた新品タイヤ)のトレッドゴムを新しく貼り替えて、再使用するものである。このため、更生タイヤのトレッドゴムには、新しいゴムが使用されるが、他のパーツ(特に、台タイヤのベルト部、ビード部など)は、新品走行および更生走行を経て長距離かつ長期間使用され続ける。このため、タイヤを再利用する場合には、使用済みタイヤの残存耐久性にかかる更生可否判定が必要となる。
一般に、使用済みタイヤは、車両から取り外されてタイヤ使用者(例えば、バス営業所、トラック運送会社)により倉庫に保管されている。そして、使用済みタイヤが所定本数となると、あるいは所定期間の経過毎に、使用済みタイヤの更生可否判定が行われる。
従来の更生可否判定では、数本のサンプルタイヤをタイヤ使用者から取得して、シェアログラフィ検査によりタイヤの残存物性調査(例えば、ベルト剥離力の測定試験)が行われる。そして、この調査結果に基づいて、すべての使用済みタイヤに対する更生可否の判定結果が作成される。
なお、使用済みタイヤの評価方法および装置については、特許文献1に記載される技術が知られている。
特許第4364926号公報
しかしながら、上記した従来の更生可否判定では、サンプルタイヤを取得して更生可否の判定結果を作成するまでに、膨大な時間と手間がかかるという課題がある。一方で、タイヤ使用者の安全を確保する観点から、更生可否の判定精度を確保する必要もある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、判定精度を確保しつつ簡易かつ短時間で更生可否を判定できる更生可否判定システムおよび更生可否判定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる更生可否判定システムは、使用済みタイヤの更生可否を判定する更生可否判定システムであって、前記タイヤを装着した車両の所定の走行区間における表定速度と所定の算出式とに基づいて、前記タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す使用条件TSNを算出する使用条件TSN算出部と、全使用期間における前記熱履歴量の総和を示すTTSNを算出するTTSN算出部と、前記TTSNと所定の閾値との比較結果に基づいて前記タイヤの更生可否を判定する更生可否判定部と、前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出部と、前記走行区間における前記車両の時刻表データを用いて前記所要時間を算出する所要時間算出部とを備え、且つ、前記区間距離および前記時刻表データが、既存の公開情報から取得されるを備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる更生可否判定方法は、使用済みタイヤの更生可否を判定する更生可否判定方法であって、前記タイヤを装着した車両の所定の走行区間における表定速度と所定の算出式とに基づいて、前記タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す使用条件TSNを算出する使用条件TSN算出ステップと、全使用期間における前記熱履歴量の総和を示すTTSNを算出するTTSN算出ステップと、前記TTSNと所定の閾値との比較結果に基づいて前記タイヤの更生可否を判定する更生可否判定ステップと、前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出ステップと、前記走行区間における前記車両の時刻表データを用いて前記所要時間を算出する所要時間算出ステップとを備え、且つ、前記区間距離および前記時刻表データが、既存の公開情報から取得されるを備えることを特徴とする。
この発明にかかる更生可否判定システムおよび更生可否判定方法では、制御装置が、表定速度と所定の算出式とに基づいて使用条件TSNを算出する。表定速度は、例えば、タイヤ使用者から取得したタイヤ使用条件に関する情報から簡易に算出でき、あるいは、タイヤ使用者から直接取得できる。したがって、表定速度と所定の算出式とを用いることにより、使用条件TSNを机上で簡易に算出できる。また、表定速度(あるいは走行区間の所要時間)は、一般に走行区間内での車両の駐停車を含めた数値として制定される。したがって、表定速度を用いて使用条件TSNを算出することにより、走行区間におけるタイヤの使用状態を精度良く反映できる。これらにより、更生可否判定を簡易に行いつつ、その判定精度を確保できる利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生可否判定システムを示すブロック図である。 図2は、図1に記載した更生可否判定システムの作用を示すフローチャートである。 図3は、タイヤ使用条件データを示す説明図である。 図4は、タイヤの装着輪を示す説明図である。 図5は、TSN算出マップの一例を示すグラフである。 図6は、タイヤ温度と空気透過係数との関係を示すグラフである。 図7は、TSN算出マップの作成方法を示す説明図である。 図8は、TSN算出マップの作成方法を示す説明図である。 図9は、更生可否の判定に用いられる閾値Kの一例を示す説明図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[更生可否判定システム]
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生可否判定システムを示すブロック図である。ここでは、複数本の使用済みタイヤの更生可否判定を行う場合について、説明する。
更生可否判定システム1は、制御装置2と、記憶装置3と、モニタなどの表示装置(図示省略)およびキーボードやマウスなどの入力装置(図示省略)とを備える。制御装置2は、更生可否判定システム1の動作を統括的に制御する装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などを備えたPC(Personal Computer)により構成される。また、制御装置2は、後述する表定速度算出部21、使用条件TSN算出部22、TTSN算出部23、更生可否判定部24、更生結果生成部25などを有する。具体的には、制御装置2のCPUが、各種のプログラムを読み込んで実行することにより、これらの機能が実現される。記憶装置3は、制御装置2での処理に用いられる各種のプログラムやデータを格納する装置であり、例えば、PCに内蔵あるいは外付けされた不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置により構成される。
図2は、図1に記載した更生可否判定システムの作用を示すフローチャートである。
ステップST1では、制御装置2が、判定対象である使用済みタイヤのタイヤ使用条件データを取得する。具体的には、記憶装置3が、タイヤ使用条件データを記憶しており、制御装置2が、このタイヤ使用条件データを記憶装置3から読み込んで取得する。このステップST1の後に、ステップST2に進む。
図3は、タイヤ使用条件データを示す説明図である。図4は、タイヤの装着輪を示す説明図である。これらの図において、図3は、複数本の使用済みタイヤにかかるタイヤ使用条件データの一例を示している。
タイヤ使用条件データは、タイヤ新品時から現在に至るまでの各タイヤの使用条件に関するデータである。例えば、タイヤ使用者(例えば、バス会社、運送会社、これらの営業所など)により個別に管理されているタイヤの使用条件にかかる情報が、オペレータによる入力操作によりコンピュータ読み取り可能な電子データに変換されて、記憶装置3に記憶される。
また、図3の構成では、タイヤ使用条件データが、走行区間、所要時間、区間距離、走行回数、使用期間および装着位置に関するタイヤの使用条件と、各タイヤに付された識別用のタイヤIDとから構成されている。
走行区間は、判定対象であるタイヤを装着した車両の走行区間であり、例えば、路線バスにおける路線あるいは運行区間、運送トラックにおける運搬ルートなどが該当する。所要時間は、車両が上記走行区間の走行に要する時間であり、例えば、路線バスにおける1つの路線の始点から終点までの所要時間、運送トラックにおける出発地から目的地までの所要時間などが該当する。図3では、1つの走行区間を走行したときの1回あたりの所要時間(分/回)が示されている。区間距離は、上記走行区間の距離であり、例えば、路線バスにおける路線の道のり、運送トラックにおける運搬ルートの道のりが該当する。図3では、1つの走行区間を走行したときの1回あたりの区間距離(km/回)が示されている。
走行回数は、車両が上記走行区間を走行した回数であり、例えば、路線バスにおける所定期間の運行本数が該当し、運送トラックにおける所定期間の運送回数が該当する。図3では、平日および土日を含めた1週間あたりの走行回数(回/週)が示されている。使用期間は、車両に対するタイヤの装着期間である。図3では、使用期間が、使用開始年月と使用終了年月とにより示されている。装着位置は、車両に対するタイヤの装着位置である。例えば、図4の説明図では、車両100が左右一対の前輪FR、FLと、左右一対の外側後輪RRo、RLoおよび左右一対の内側後輪RRi、RLiとを備えている。
なお、タイヤ使用条件の単位は、図3のものに限定されず、適宜変更できる。例えば、走行区間、所要時間および区間距離が1日あたりの数値として設定されても良いし、走行回数が、1日、1月あるいは1年あたりの数値として設定されても良い。
また、タイヤサイズや偏平率などの一般的な情報が、タイヤ使用条件データと共にタイヤIDに関連付けられて記憶装置3に記憶されても良い。
タイヤ使用条件データにおけるいくつかの項目は、例えば、(a)インターネットや刊行物に公開された公開情報、(b)タイヤ使用者により記録された車両の運行記録、(c)車両に搭載されたタコグラフ(運行記録用計器)のデータなどを利用して補完できる。すなわち、タイヤ使用条件データのうちの一部の項目を特定できれば、公開情報などを利用することにより、残りの項目を一義的に取得あるいは算出できる。これにより、タイヤ使用条件データの記録および入力にかかるタイヤ使用者の負担を軽減できる。
また、路線バスに装着された使用済みタイヤについて、走行区間(例えば、バス路線)が判明すれば、当該走行区間における所要時間および区間距離、ならびに所定期間の走行回数を、バス会社のホームページに公開された情報から直接的に取得できる。このとき、制御装置2が、インターネットに公開された特定の情報を自動取得するプログラムを用いることにより、必要な情報を自動取得できる。
例えば、走行区間の所要時間は、走行区間にあるバス停の時刻表データを利用し、始点の出発時刻と終点の到着時刻との差を算出する所要時間算出プログラムを使用することにより、容易に取得できる。また、走行区間の区間距離は、例えば、カーナビゲーションシステムに用いられる既存の電子地図に含まれる情報に基づいて走行経路の道のりを算出する区間距離算出プログラムを使用することにより、容易に取得できる。また、所定期間の走行回数は、走行区間にあるバス停の時刻表から一日の運行本数をカウントする走行回数カウントプログラムを使用することにより、容易に取得できる。
また、上記のタイヤ使用条件データの補完は、(a)上記のようにコンピュータ上で動作するプログラムにより行われても良いし、(b)オペレータによる手作業により行われても良い。
なお、図3において、タイヤID001A〜003Aのタイヤは、営業所Aに所属する同一の車両の異なる装着位置に装着され、3年(2012年4月から2015年3月まで)の全使用期間に渡って同一の走行区間Aで使用された。また、全使用期間に渡って、タイヤのローテーションが行われておらず、当初の装着位置のままである。
タイヤID004B〜006Bのタイヤは、営業所Bに所属する同一の車両の異なる装着位置に装着され、3年の使用期間のうちの前2年では走行区間B1で使用され、後1年では走行区間B2で使用された。また、全使用期間に渡って、タイヤのローテーションが行われていない。
タイヤID007C〜009Cのタイヤは、営業所Cに所属する同一の車両の異なる装着位置に装着され、3年の使用期間のうちの前2年では走行区間C1で使用され、後1年では走行区間C2で使用された。また、前2年の終了時に、前輪、内側後輪および外側後輪(図4参照)の間でタイヤのローテーションが行われた。
タイヤID010D〜012Dのタイヤは、営業所Dに所属する同一の車両の異なる装着位置に装着され、3年の使用期間のうちの前1年半では走行区間D1で使用され、後1年半では走行区間D2で使用された。このため、前1年半では、春から夏にかけて多く使用され、後1年半では、秋から冬にかけて多く使用された。また、全使用期間に渡って、タイヤのローテーションが行われていない。
ステップST2では、制御装置2が、車両の表定速度を算出する。具体的には、制御装置2の表定速度算出部21が、ステップST1にて取得されたタイヤ使用条件データに基づいて、各タイヤIDのタイヤにかかる表定速度を算出する。このステップST2の後に、ステップST3に進む。
表定速度は、所定の走行区間の区間距離を所要時間で割った数値(区間距離/所要時間)として定義される。例えば、路線バスなどの時刻表に沿って運行する車両では、上記表定速度が運転時刻表制定速度に相当する。この表定速度(あるいは走行区間の所要時間)は、所定の走行区間における車両の走行速度の平均値に相当し、一般に、走行区間内での車両の駐停車を含めた数値として制定される。走行区間内にて車両が停止している状態としては、例えば、乗客や荷物の積み卸しのための駐停車、渋滞や信号待ちなどの一時停止が含まれる。また、表定速度は、その算出精度が高いほど好ましい。
例えば、図3におけるタイヤID001A〜003Aのタイヤでは、走行区間Aにおける表定速度が、(区間距離7.06km)/(所要時間26分)×60=16.3km/hとなる。また、タイヤID004B〜006Bのタイヤでは、走行区間B1における表定速度が(区間距離13.92km)/(所要時間47分)×60=17.8km/hとなり、走行区間B2における表定速度が(区間距離4.37km)/(所要時間15分)×60=17.5km/hとなる。このように、表定速度は、走行区間により相異する。例えば、路線バスであれば、路線における停留所の数や乗降者数、信号や交差点などの配置密度、渋滞や旅行速度などの道路交通状況等との関係により、各走行区間の表定速度が変化する。また、高速バスのように、走行区間に高速道路が含まれる場合には、表定速度が大きく増加する。したがって、表定速度には、これらの要件による影響が反映されている。
ステップST3では、制御装置2が、使用条件TSNを算出する。具体的には、制御装置2の使用条件TSN算出部22が、ステップST2にて算出された表定速度と、表定速度および使用条件TSNの関係を示す所定のTSN算出マップとに基づいて、各タイヤIDのタイヤにかかる使用条件TSNを算出する。このステップST3の後に、ステップST4に進む。
図5は、TSN算出マップの一例を示すグラフである。同図は、タイヤの各装着位置における表定速度と使用条件TSNとの関係を示している。また、図6は、タイヤ温度と空気透過係数との関係を示すグラフである。
使用条件TSN(Temperature Severity Number)は、タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す指標であり、その数値が大きいほどタイヤの酸化劣化が進行し易い使用状況にあるといえる。これは、図6に示すように、タイヤ温度が増加するとタイヤを構成するゴム部材の空気透過係数も増加することに起因する。また、タイヤ温度Tiは、特に車両走行時におけるタイヤ自身の発熱により大きく変動する。
また、使用条件TSNの算出式は、表定速度と、所定の温度促進係数Kt(Ti)とを用いて定義される。温度促進係数Kt(Ti)は、タイヤ部材の状態変化に関する係数であり、タイヤ温度Tiの実測値に基づいて設定された定数である。図5に示すように、表定速度が大きいほどタイヤの発熱が大きくなり、使用条件TSNが増加する。このように、表定速度に基づいて使用条件TSNを算出することにより、タイヤの熱履歴量を適切に評価できる。
図7および図8は、TSN算出マップの作成方法を示す説明図である。図5のTSN算出マップは、例えば、以下のように作成される。
まず、試験車両の前輪、外側後輪および内側後輪のタイヤに温度センサをそれぞれ取り付けて所定の走行区間を走行し、朝8時30分から夕方17時30分までの間のタイヤ温度を10分毎に計測する。そして、測定結果を0℃から90℃の間で2℃毎の温度区間に分類して、各温度区間における測定値の検出頻度[%]を取得する(図7参照)。図7に示すように、車両の前輪および外側後輪ではタイヤ温度が低く、内側後輪ではタイヤ温度が高い傾向にある。これは、内側後輪では、車体からの放熱によりタイヤが加熱され易く、また、車体および外側車輪に囲まれるため、タイヤの放熱効率が低いことに起因する。このように、タイヤ温度は、車両に対するタイヤの装着位置により大きく変化する。
次に、区間TSおよび実測TSNが、次の数式(1)、(2)により算出される。ここでは、前輪および外側後輪のタイヤ温度が同様の傾向を有することから、前輪および外側後輪にかかる実測TSNと、内側後輪にかかる実測TSNとの2種類が算出される。
区間TSN=Ti×ni×Kt(Ti) …(1)
実測TSN=Σ(Ti×ni×Kt(Ti)/N)×β …(2)
数式(1)、(2)において、区間TSNは、各温度区間におけるTSNを示し、実測TSNは、全温度区間にかかる区間TSNの総和である。また、Tiは温度、niは各温度区間における検出頻度、Kt(Ti)は温度促進係数、Nは検出総数、βは温度とは無関係な定数、iは検出順番を表す自然数である。また、検出頻度は該当温度区間における検出数を総検出数で除算した値である。したがって、時間経過に伴って検出頻度の値は変化する。また、温度促進係数Kt(Ti)は、温度Tiをパラメータとしたタイヤ部材の状態変化に関する寄与係数であり、例えば、周知のアレニウスの反応速度式に基づいて、exp(α・Ti)に比例するものと考えられる。図8では、温度Tiが10℃上昇するとタイヤの劣化が2倍進むとの仮定に基づき、α=0.069に設定されている。また、定数βは、1/100〜100の間の0以外の数値を適宜設定できる。ここでは、定数βが1/10である。また、温度Tiは、ここでは各温度区間における最高温度であるが、これに限らず、例えば、各温度区間における平均温度であっても良い。
そして、上記試験車両の走行区間における表定速度が算出されて、当該表定速度における実測TSNの数値が取得される。また、図5に示すように、複数種類の表定速度にかかる実測TSNの数値が試験結果として取得されて、一次回帰式が算出される。上記一次回帰式により、表定速度に基づく使用条件TSNの算出式が定義される。また、図5では、前輪および外側後輪にかかる使用条件TSNの一次回帰式(3)と、内側後輪にかかる使用条件TSNの一次回帰式(4)とが、それぞれ算出される。A1、A2、B1およびB2は、定数である。
使用条件TSN=A1×表定速度V+B1 …(3)
使用条件TSN=A2×表定速度V+B2 …(4)
例えば、図3の各タイヤIDのタイヤでは、使用条件TSNが次のように算出される。すなわち、タイヤID001A、0002Aのタイヤは、装着位置が前輪および外側後輪であるため、図5の実線のグラフが用いられて、使用条件TSNがそれぞれ算出される。また、タイヤID003Aのタイヤは、装着位置が内側後輪であるため、図5の破線のグラフが用いられて、使用条件TSNが算出される。これにより、使用条件TSNがタイヤ装着位置に応じて算出されるので、タイヤの熱履歴量が精度良く推定される。また、タイヤID004B〜006Bのタイヤでは、途中で走行区間が変更されたため、各走行区間B1、B2の表定速度が異なる。このため、使用条件TSNが各走行区間B1、B2についてそれぞれ算出される。また、タイヤID007C〜009Cのタイヤでは、途中でタイヤのローテーションが行われたため、走行区間C1におけるタイヤ装着位置と走行区間C2におけるタイヤ装着位置とが異なる。このため、使用条件TSNが各走行区間C1、C2についてそれぞれ算出される。
ステップST4では、制御装置2が、TTSNを算出する。具体的には、制御装置2のTTSN算出部23が、ステップST3にて算出された使用条件TSNとタイヤ使用条件データとに基づいて、TTSNを算出する。このステップST3の後に、ステップST4に進む。
TTSN(Total Temperature Severity Number)は、全使用期間におけるタイヤの熱履歴量の総和を示す指標であり、タイヤ新品時から現在までの全使用期間における使用条件TSNの総和として算出される。TTSNが大きいほど、タイヤの酸化劣化が進行している傾向にある。
例えば、図3の各タイヤIDのタイヤでは、TTSNが次のように算出される。すなわち、タイヤID001A〜003Aのタイヤでは、走行区間Aが一定であり、また、タイヤのローテーションも行われていないため、全使用期間における使用条件TSNが一定である。このため、TTSNが、全使用期間における使用条件TSNと走行回数の総和との積として算出される。また、タイヤID004B〜006Bのタイヤでは、途中で走行区間が変更されたため、使用条件TSNが各走行区間B1、B2で異なる。このため、TTSNが、走行区間B1での使用期間における使用条件TSNと走行回数の総和との積と、走行区間B2での使用期間における使用条件TSNと走行回数の総和との積との和として、算出される。同様に、タイヤID007C〜009Cのタイヤでは、途中で走行区間およびタイヤ装着位置が変更されたため、使用条件TSNが各走行区間C1、C2で異なる。このため、TTSNが、走行区間C1での使用期間における使用条件TSNと走行回数の総和との積と、走行区間C2での使用期間における使用条件TSNと走行回数の総和との積との和として、算出される。
ステップST5〜ST7では、制御装置2が、更生可否の判定を行う。具体的には、ステップST5にて、制御装置2の更生可否判定部24が、ステップST4にて算出されたTTSNと所定の閾値Kと比較する。そして、ステップST5にて肯定判定(TTSN≧閾値K)が行われた場合には、ステップST6に進み、更生OKの判定となる。また、ステップST5にて、否定判定(TTSN<閾値K)が行われた場合には、ステップST7に進み、更生NGの判定となる。
図9は、更生可否の判定に用いられる閾値Kの一例を示す説明図である。
更生可否の判定に用いられる閾値Kは、TTSNとタイヤを構成するパーツの残存物性(例えば、ベルト耐久性、ビード耐久性など)との関係にて適宜設定され得る。例えば、図9の構成では、閾値Kが、TTSNに対する台タイヤの残存ベルトの耐久性(例えば、ベルト剥離力)との関係で設定される。残存ベルトの剥離力は、使用済みタイヤから一対の交差ベルトを取り出して、これらの交差ベルトを相互に引き剥がしたときの剥離力[N/inch]として測定される。そして、更生タイヤの市場実績に基づいて安全性を確保できる剥離力が、閾値Kとして設定される。また、TTSNが閾値以上であれば、タイヤ強度が十分に残存しているため更生OKと判断され、閾値未満であれば、更生NGと判断される。なお、閾値Kは、上記した残存ベルト剥離力に限らず、例えば、ベルトコードゴムやビードフィラーゴムの劣化状態解析(例えば、破断物性)、空気漏れ率などの他のタイヤ強度の指標との関係で適宜設定できる。
ステップST8では、制御装置2が、判定結果データを生成して表示装置(図示省略)に表示する。具体的には、制御装置2の更生結果生成部25が、このステップST5〜ステップST6の判定結果に応じて、タイヤID(図3参照)と更生可否の判定結果とを関連付けた判定結果データを生成して表示装置に表示する。このステップST8の後に、ステップST1に戻る。
上記の構成では、制御装置2が、表定速度と所定の算出式(図5参照)とに基づいて使用条件TSNを算出する(図2参照)。表定速度は、例えば、タイヤ使用者から取得したタイヤ使用条件に関する情報から簡易に算出でき、あるいは、タイヤ使用者から直接取得できる。したがって、表定速度と所定の算出式とを用いることにより、使用条件TSNを机上で簡易かつ短時間で算出できる。また、表定速度(あるいは走行区間の所要時間)は、一般に走行区間内での車両の駐停車を含めた数値として制定される。したがって、表定速度を用いて使用条件TSNを算出することにより、走行区間におけるタイヤの使用状態を精度良く反映できる。これらにより、更生可否の判定を簡易かつ短時間で行いつつ、その判定精度を確保できる。
[変形例]
なお、図2のステップST2では、上記のように、制御装置2の表定速度算出部21が、走行区間の区間距離および所要時間に基づいて、各タイヤ使用条件における表定速度をそれぞれ算出している。かかる構成では、表定速度に関する情報をタイヤ使用者から取得することなく他のタイヤ使用条件から算出するので、タイヤ使用者の負担を軽減できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、例えば、各走行区間における表定速度のデータをタイヤ使用条件として、タイヤ使用者から直接取得しても良い。また、記憶装置3が、前記直接取得した表定速度のデータあるいは過去の表定速度の算出結果のデータを記憶装置3に記憶しており、必要に応じて前記データを読み込んで使用しても良い。これにより、表定速度の算出ステップST2を省略できる。
また、上記した走行区間の区間距離および所要時間に基づいて算出された表定速度と、車両の走行速度の実測値とは、若干相異する。これは、表定速度の算出に用いられる所要時間には、バス停や信号での一時停止が含まれることに起因する。したがって、制御装置2が表定速度補正部を備え、表定速度と車両の走行速度の実測値との乖離を埋めるために、表定速度を補正しても良い。具体的には、表定速度が走行速度の実測値よりも小さいので、表定速度の算出結果を増加させる補正を行い得る。これにより、表定速度を精度良く算出できる。
また、図2のステップST3では、上記のように、制御装置2が、ステップST2にて算出された表定速度と所定のTSN算出マップとに基づいて、各タイヤIDの使用条件TSNを算出する。ここで、図5のTSN算出マップでは、タイヤ装着位置に応じて使用条件TSNの算出式が補正されている。すなわち、タイヤ温度が車両に対するタイヤの装着位置により大きく変化するため、内側後輪のタイヤでは、前輪および外側後輪のタイヤと比較して単位時間あたりの熱履歴、すなわち使用条件TSNが大きくなる。このため、タイヤ装着位置に応じて異なる算出式が用いられて、使用条件TSNが算出されている。かかる構成では、使用条件TSNを精度良く算出できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、制御装置2が、タイヤの使用地域に応じて、使用条件TSNの算出式を補正(あるいは切り替え)しても良い。すなわち、タイヤ温度は、タイヤの使用地域の気温や湿度などの環境により影響を受ける。例えば、寒冷地方での使用条件下では、熱によるタイヤの劣化が小さく、使用条件TSNが小さい傾向にある。一方で、温暖地方での使用条件下では、熱によるタイヤの劣化が大きく、使用条件TSNが大きい傾向にある。そこで、タイヤの使用地域に応じて異なる算出式が用いられて、使用条件TSNが算出されることが好ましい。例えば、バス営業所の営業地域毎に、使用条件TSNの算出式を補正できる。また、例えば、日本国内で使用されるタイヤと、気候が異なる海外で使用されるタイヤとで、相互に異なる使用条件TSNの算出式を用い得る。これにより、使用条件TSNを精度良く算出できる。
また、制御装置2が、タイヤの使用時期に応じて、使用条件TSNの算出式を補正(あるいは切り替え)しても良い。すなわち、タイヤ温度は、タイヤの使用時期により影響を受ける。例えば、冬期の使用条件下では、熱によるタイヤの劣化が小さく、使用条件TSNが小さい傾向にある。一方で、夏期の使用条件下では、熱によるタイヤの劣化が大きく、使用条件TSNが大きい傾向にある。そこで、タイヤの使用時期に応じて異なる算出式が用いられて、使用条件TSNが算出されることが好ましい。例えば、1年を夏期および冬期を含む2つ以上の季節に分けて、あるいは、1月から12月の月ごとに分けて、各使用時期に応じて使用条件TSNの算出式を補正できる。具体的には、図3のタイヤID010D〜012Dのタイヤは、走行区間D1にて夏期(4月〜9月)に多く使用され、走行区間D2にて冬期(10月〜3月)に多く使用されている。このように、タイヤの使用時期が走行区間D1、D2で異なる場合には、使用条件TSNの算出式が補正されることが好ましい。これにより、使用条件TSNを精度良く算出できる。
また、制御装置2が、タイヤの荷重や稼働率に応じて、使用条件TSNの算出式を補正(あるいは切り替え)しても良い。すなわち、タイヤ温度は、例えば、乗車人数の平均値や車両重量などの荷重や、車両の稼働率により影響を受ける。具体的には、車両走行時には、タイヤ自身が発熱するため、上記の荷重や稼働率が大きいと、タイヤの劣化が大きくなり、使用条件TSNが増加する。そこで、タイヤの荷重や稼働率に応じて異なる算出式が用いられて、使用条件TSNが算出されることが好ましい。これにより、使用条件TSNを精度良く算出できる。
なお、上記補正後の使用条件TSNの算出式としては、上記したTSN算出マップの作成方法(図7および図8参照)にて説明したように、試験車両を用いた実測値に基づいて算出された使用条件TSNの算出式が用いられることが好ましい。
図2の構成では、図3に記載したタイヤID001A〜012Dのタイヤについて、表定速度がタイヤ使用条件毎にそれぞれ算出され、各表定速度を用いて使用条件TSNがそれぞれ算出されている(ステップST2およびST3)。すなわち、1つのタイヤ使用条件(例えば、タイヤID001Aにおける、走行区間、所要時間、区間距離、走行回数、使用期間および装着位置)について、1つの表定速度および使用条件TSNが算出される。また、タイヤ使用条件の一部が変更された場合には、各使用条件について表定速度および使用条件TSNが算出される。そして、これらの使用条件TSNが積算されて、TTSNが算出される(ステップST4)。かかる構成では、TTSNを精度良く算出できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、制御装置2が、同一のセクションに属する複数のタイヤ使用条件について代表的な表定速度を算出し、この代表的な表定速度に基づいて代表的な使用条件TSNおよびTTSNを算出しても良い。上記セクションとしては、例えば、バス営業所毎、運送会社毎などの区分けにより定義される。上記代表的な表定速度は、上記セクションにおける表定速度の平均値、最大値などにより定義できる。例えば、表定速度の平均値は、複数種類のタイヤ使用条件における区間距離の総和を所要時間の総和で割った数値(Σ区間距離/Σ所要時間)として定義できる。
適用例としては、例えば、(1)1つの路線バスの営業所において、1つの車両が複数種類の路線を同一の使用期間内に巡回する場合や、1つの運送会社において、1つの車両が複数種類の運送ルートを同一の使用期間内に巡回する場合などが想定される。この場合には、1つのタイヤIDが、同一使用期間内にて複数あるいは複雑なタイヤ使用条件を有することとなる。そこで、上記営業所の代表的な表定速度を用いることにより、上記営業所における平均的なタイヤ使用条件を把握できる。例えば、図3の営業所BにおけるタイヤID004B〜006Bのタイヤが走行区間B1、B2の路線をランダムに巡回する場合に、営業所Bの全体における平均的な表定速度が、(区間距離の総和13.92+4.37km)/(所要時間の総和47+15分)×60=17.7km/hとして算出される。
また、例えば、(2)1つの路線バスの営業所に属する多数の使用済みタイヤについて更生判定を行う場合に、一部のタイヤについてタイヤ使用条件を得られない場合が想定される。かかる場合にも、上記営業所の代表的な表定速度を用いることにより、上記営業所における平均的なタイヤ使用条件を把握できる。
[効果]
以上説明したように、この更生可否判定システム1は、使用済みタイヤの更生可否を判定する。また、更生可否判定システム1は、タイヤを装着した車両の所定の走行区間における表定速度と所定の算出式(図5参照)とに基づいて、タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す使用条件TSNを算出(図2のステップST3)する使用条件TSN算出部22(図1参照)と、全使用期間における熱履歴量の総和を示すTTSNを算出(図2のステップST4)するTTSN算出部23と、TTSNと所定の閾値K(図9参照)との比較結果に基づいてタイヤの更生可否を判定(図2のステップST5〜ST7)する更生可否判定部24とを備える。
かかる構成では、制御装置2が、表定速度と所定の算出式(図5参照)とに基づいて使用条件TSNを算出する(図2参照)。表定速度は、例えば、タイヤ使用者から取得したタイヤ使用条件に関する情報から簡易に算出でき、あるいは、タイヤ使用者から直接取得できる。したがって、表定速度と所定の算出式とを用いることにより、使用条件TSNを机上で簡易に算出できる。また、表定速度(あるいは走行区間の所要時間)は、一般に走行区間内での車両の駐停車を含めた数値として制定される。したがって、表定速度を用いて使用条件TSNを算出することにより、走行区間におけるタイヤの使用状態を精度良く反映できる。これらにより、更生可否判定を簡易に行いつつ、その判定精度を確保できる利点がある。
また、かかる構成では、数本のサンプルタイヤをタイヤ使用者から取得して残存物性調査を実施する構成や、タイヤ温度の実測値を用いて更生可否判定を行う構成と比較して、非常に簡易かつ短時間で更生可否判定を行い得る利点がある。
また、この更生可否判定システム1は、走行区間における区間距離を所要時間で割った数値として表定速度を算出する表定速度算出部21(図1参照)と、走行区間における車両の時刻表データを用いて所要時間を算出する所要時間算出部(図示省略)とを備える。走行区間の時刻表データは、インターネットや刊行物などから容易に取得できるので、時刻表データを用いることにより表定速度を容易に算出できる。これにより、タイヤ使用者から取得するタイヤ使用条件の項目を低減できるので、タイヤ使用者の負担を軽減できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1は、走行区間における区間距離を所要時間で割った数値として表定速度を算出する表定速度算出部21(図1参照)と、走行区間における車両の運行記録、タコグラフ、その他の実測データを用いて所要時間を算出する所要時間算出部(図示省略)とを備える。かかる構成としても、表定速度を簡易に算出できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1は、走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより表定速度を算出する表定速度算出部21(図1参照)と、走行区間における車両の経路情報に基づいて区間距離を算出する区間距離算出部(図示省略)とを備える。走行区間の区間距離は、既存の電子地図に含まれる道路情報から容易に算出できる。これにより、タイヤ使用者から取得するタイヤ使用条件の項目を低減できるので、タイヤ使用者の負担を軽減できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1は、走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより表定速度を算出する表定速度算出部21(図1参照)と、表定速度と車両の走行速度の実測値との乖離を埋めるために表定速度を補正する表定速度補正部(図示省略)とを備える。これにより、表定速度を精度良く算出できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1は、複数のタイヤ使用条件にかかる代表的な表定速度を算出する表定速度算出部21を備え、且つ、前記代表的な表定速度に基づいて代表的な使用条件TSNおよび代表的なTTSNが算出される。かかる構成では、例えば、1つの使用済みタイヤが複数のタイヤ使用条件を有する等により、タイヤ使用条件が複雑な場合にも、代表的な表定速度を用いることにより、使用条件TSNおよびTTSNを簡易に算出できる利点がある。また、例えば、1つのセクション(例えば、バス営業所や運送会社)に属する複数の使用済みタイヤの更生可否判定を行うときに、一部のタイヤのタイヤ使用条件を得られない場合であっても、上記セクションの代表的な表定速度を用いることにより、上記セクションごとに使用条件TSNおよびTTSNを簡易に算出できる。
また、この更生可否判定システム1では、使用条件TSNの算出式(図5参照)が、表定速度と、タイヤ部材の状態変化に関する温度促進係数とを用いて定義される。これにより、使用条件TSNが精度良く算出される利点がある。
また、この更生可否判定システム1では、使用条件TSNの算出式が、前記表定速度をパラメータとする一次回帰式として定義される(図5参照)。これにより、使用条件TSNが精度良く算出される利点がある。
また、この更生可否判定システム1では、使用条件TSNの算出式が、タイヤの装着位置に応じて補正される(図5参照)。タイヤ温度は、車両に対するタイヤの装着位置により大きな影響を受ける。したがって、タイヤの装着位置に応じて使用条件TSNの算出式を補正する(あるいは切り替える)ことにより、使用条件TSNを精度良く算出できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1では、使用条件TSNの算出式が、タイヤの使用地域に応じて補正される。タイヤ温度は、タイヤの使用地域の気温や湿度などにより大きな影響を受ける。したがって、タイヤの使用地域に応じて使用条件TSNの算出式を補正する(あるいは切り替える)ことにより、使用条件TSNを精度良く算出できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1では、使用条件TSNの算出式が、タイヤの使用時期に応じて補正される。タイヤ温度は、タイヤの使用時期(例えば、冬期と夏期との温暖差)などにより大きな影響を受ける。したがって、タイヤの使用時期に応じて使用条件TSNの算出式を補正する(あるいは切り替える)ことにより、使用条件TSNを精度良く算出できる利点がある。
また、この更生可否判定システム1では、更生可否判定部24が、TTSNとタイヤを構成するパーツの残存物性にかかる閾値K(図9参照)との比較結果に基づいてタイヤの更生可否を判定する。これにより、タイヤの更生可否を適切に判定できる利点がある。
1:更生可否判定システム、2:制御装置、21:表定速度算出部、22:使用条件TSN算出部、23:TTSN算出部、24:更生可否判定部、25:更生結果生成部、3:記憶装置、100:車両、FR、FL:前輪、RRi、RLi:内側後輪、RRo、RLi:外側後輪

Claims (11)

  1. 使用済みタイヤの更生可否を判定する更生可否判定システムであって、
    前記タイヤを装着した車両の所定の走行区間における表定速度と所定の算出式とに基づいて、前記タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す使用条件TSNを算出する使用条件TSN算出部と、
    全使用期間における前記熱履歴量の総和を示すTTSNを算出するTTSN算出部と、
    前記TTSNと所定の閾値との比較結果に基づいて前記タイヤの更生可否を判定する更生可否判定部と、
    前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出部と、
    前記走行区間における前記車両の時刻表データを用いて前記所要時間を算出する所要時間算出部とを備え、且つ、
    前記区間距離および前記時刻表データが、既存の公開情報から取得されることを特徴とする更生可否判定システム。
  2. 前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出部と、
    前記走行区間における前記車両の経路情報に基づいて前記区間距離を算出する区間距離算出部とを備える請求項1に記載の更生可否判定システム。
  3. 前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出部と、
    前記表定速度と前記車両の走行速度の実測値との乖離を埋めるために前記表定速度を補正する表定速度補正部とを備える請求項1または2に記載の更生可否判定システム。
  4. 同一のセクションに属する複数の前記タイヤ使用条件について代表的な前記表定速度を算出する表定速度算出部を備え、且つ、
    前記代表的な表定速度に基づいて代表的な前記使用条件TSNおよび代表的な前記TTSNが算出される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  5. 前記使用条件TSNの算出式が、前記表定速度と、タイヤ部材の状態変化に関する温度促進係数とを用いて定義される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  6. 前記使用条件TSNの算出式が、前記表定速度をパラメータとする一次回帰式として定義される請求項に記載の更生可否判定システム。
  7. 前記使用条件TSNの算出式が、前記タイヤの装着位置に応じて補正される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  8. 前記使用条件TSNの算出式が、前記タイヤの使用地域に応じて補正される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  9. 前記使用条件TSNの算出式が、前記タイヤの使用時期に応じて補正される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  10. 前記更生可否判定部が、前記TTSNと前記タイヤを構成するパーツの残存物性にかかる前記閾値との比較結果に基づいて前記タイヤの更生可否を判定する請求項1〜のいずれか一つに記載の更生可否判定システム。
  11. 使用済みタイヤの更生可否を判定する更生可否判定方法であって、
    前記タイヤを装着した車両の所定の走行区間における表定速度と所定の算出式とに基づいて、前記タイヤの使用条件下における単位時間あたりの熱履歴量を示す使用条件TSNを算出する使用条件TSN算出ステップと、
    全使用期間における前記熱履歴量の総和を示すTTSNを算出するTTSN算出ステップと、
    前記TTSNと所定の閾値との比較結果に基づいて前記タイヤの更生可否を判定する更生可否判定ステップと、
    前記走行区間における区間距離を所要時間で割ることにより前記表定速度を算出する表定速度算出ステップと、
    前記走行区間における前記車両の時刻表データを用いて前記所要時間を算出する所要時間算出ステップとを備え、且つ、
    前記区間距離および前記時刻表データが、既存の公開情報から取得されることを特徴とする更生可否判定方法。
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