以下、図面を参照しつつ、検体の分析システムの実施の形態として、尿検体の分析システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
(システムの構成)
図1は、尿検体の分析システムの第1の実施の形態の全体構成を示す図である。第1の実施の形態に係る尿検体分析システム1は、尿定性分析装置10と、尿沈さ分析装置20と、搬送装置30と、制御装置40とを含む。
尿定性分析装置10は、尿検体中の、尿蛋白、尿糖等の分析を行なう。本明細書では、当該分析を「尿定性の分析」とも言う。
尿沈さ分析装置20は、尿検体中に含まれる赤血球、白血球、上皮細胞等の分析を行な
う。本明細書では、当該分析を「尿沈さの分析」とも言う。
尿検体分析システム1では、尿沈さ分析装置20における尿沈さの分析は、尿定性分析装置10における尿定性の分析が行なわれた結果、さらに尿沈さの分析が必要であると判断された検体について行なわれる場合がある。
尿検体分析システム1では、検体は、容器(スピッツ)に収容される。1台のサンプルラックに、複数の容器がセットされる。検体は、サンプルラックごとに尿定性分析装置10に導入される。尿定性分析装置10は、サンプルラックを導入されると、当該サンプルラックにセットされたそれぞれの検体について、尿定性の分析を行なう。なお、サンプルラックには、1個の容器のみがセットされる場合もあり得る。
図2は、サンプルラックの構成を説明するための図である。図2を参照して、サンプルラックの構成について説明する。
図2に示されるように、サンプルラック2は、直方体状の形状をしている。サンプルラック2の上面には、複数の穴3が列状に形成されている。それぞれの穴3に、試料を入れた容器4を挿入することによって、当該サンプルラックは、試料を保持することができる。図2に示された例では、サンプルラック2には、10本の容器4を挿入することができる。ただし、1つのサンプルラック2が保持する容器4の数は、これに限定されない。
また、サンプルラック2の長尺方向の側面には、貫通孔5が形成されている。また、貫通孔5は、穴3とつながっており、サンプルラック2に保持されている容器4の側面を、貫通孔5を通して、見ることができる。つまり、貫通孔5から、試料に光を照射し、透過させることが可能となる。したがって、このような構成とすることにより、貫通孔5を通過するように測定光を試料に対して照射することにより、容器4内の試料に対する光学的測定が可能である。
なお、サンプルラック2の形態は、図2に示されるものに限定されない。具体的には、容器4を保持できるものであれば、あらゆる形態のサンプルラックを用いることができる。特に、複数の容器を並列保持することが可能なラックであることが好ましい。
また、図2に示されるサンプルラック2は、その底面部に1つの凹部を備えているが、この凹部の数は1つに限られず、複数の凹部を備えていてもよい。また、底面部に凹部を全く備えないサンプルラックであってもよい。さらに、貫通孔5を備えないサンプルラックであってもよい。また、貫通孔5の形状も図2に限定されるものではなく、貫通孔5の利用形態に応じて、適宜変更することが可能である。また、穴3の形状についても、図2では、円筒状の穴であるが、容器4の形状に応じて、適宜変更することが可能である。
さらに、容器4の形態についても、特に限定されるものではなく、ガラス製容器、各種樹脂製容器、石英製容器、および金属製容器等、あらゆる材質の容器を用いることができる。これら容器の中から、収容するサンプルの種類に応じて適宜選択され得る。
図1に戻って、搬送装置30は、サンプルラック2を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へ搬送するための搬送路300を有する。図1には、搬送路300上の、サンプルラック2についての4つの位置31〜34が示されている。サンプルラック2は、位置31にセットされる。サンプルラック2上の各容器4内の少なくとも1つの検体は、サンプルラック2が位置32にあるとき、尿定性分析装置10によってサンプリングされ、また、サンプルラック2が位置33にあるとき、尿沈さ分析装置20によってサンプリングされる。搬送路300上では、サンプルラック2は、位置31、位置32、位置33、
位置34の順に、搬送される。
尿検体分析システム1では、各容器4には、容器4内の検体を識別するためのバーコードが貼付されている。尿定性分析装置10は、バーコードリーダ116を含む。尿定性分析装置10では、バーコードリーダ116で各容器4に貼付されたバーコードを読み取ることにより、各容器4内の検体と、当該検体についての分析結果とを関連付ける。
(ハードウェア構成)
図3は、尿検体分析システム1の各装置のハードウェア構成を示す図である。図3を参照して、尿検体分析システム1の各装置のハードウェア構成を説明する。
尿定性分析装置10は、制御部111と、通信部112と、吸引部113と、試験紙供給部114と、検出部115と、バーコードリーダ116とを含む。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)111Aと記憶部111Bとを有する。CPU11
1Aは、記憶部111Bに記憶されているコンピュータプログラムを実行すると共に、尿定性分析装置10の各部を制御する。また、CPU111Aは、通信部112を介して、搬送装置30の各部を制御する。記憶部111Bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶装置を備える。
通信部112は、制御部111からの信号を処理して、尿沈さ分析装置20、搬送装置30、および、制御装置40に対して出力すると共に、尿沈さ分析装置20、搬送装置30、および、制御装置40からの信号を受信し、そして、受信した信号を処理して制御部111に出力する。通信部112は、たとえばネットワークインタフェースカードによって実現される。吸引部113は、尿定性分析装置10のサンプリング位置に位置付けられている容器4内の検体を、尿定性分析装置10が備えるノズルを介して吸引する。試験紙供給部114は、測定に必要な試験紙を収容する試験紙フィーダを含み、当該試験紙フィーダから試験紙を取り出し、取り出した試験紙に吸引部113により吸引された検体を点着させる。検出部115は、検体が点着された試験紙を測定する。かかる測定により得られた測定結果は、制御部111に出力される。制御部111は、当該測定結果を所定の態様に従って解析することのより、検体ごとに、尿定性の分析の結果を導出する。
バーコードリーダ116は、容器4に貼付されたバーコードラベルからバーコード情報を読み出し、制御部111に出力する。制御部111は、バーコード情報に基づいて、尿定性分析装置10における分析対象の検体を特定する。制御部111は、バーコード情報に基づいて特定された検体ごとに、尿定性の分析の結果を導出する。そして、制御部111は、バーコード情報に基づいた検体ごとの尿定性の分析の結果を、制御装置40に出力する。
尿沈さ分析装置20は、制御部221と、通信部222と、吸引部223と、試料調製部224と、検出部225とを含む。制御部221は、CPU221Aと記憶部221Bとを有する。CPU221Aは、記憶部221Bに記憶されているコンピュータプログラムを実行すると共に、尿沈さ分析装置20の各部を制御する。記憶部221Bは、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置を備える。
通信部222は、制御部221からの信号を処理して、尿定性分析装置10と制御装置40に出力すると共に、尿定性分析装置10と制御装置40からの信号を処理して制御部221に出力する。通信部222は、たとえばネットワークインタフェースカードによって実現される。吸引部223は、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置に位置付けられている容器4内の検体を、尿沈さ分析装置20が備えるノズルを介して吸引する。試料調製部224は、吸引部223により吸引された検体と、測定に必要な試薬とを混合攪拌し
、検出部225による測定用の試料を調製する。検出部225は、試料調製部224により調製された試料を測定する。かかる測定により得られた測定結果は、制御部221に出力される。
搬送装置30は、通信部301と、搬送駆動部302と、センサ部303とを含む。通信部301は、尿定性分析装置10からの信号を処理して、搬送装置30の各部に出力すると共に、搬送装置30の各部からの信号を処理し、そして、処理後の信号を尿定性分析装置10に出力する。
搬送駆動部302は、搬送路300内でサンプルラック2を搬送するために必要な部材を駆動する。搬送駆動部302は、尿定性分析装置10のCPU111Aにより制御される。センサ部303は、各種センサからの出力信号を、通信部301を介して尿定性分析装置10に出力する。通信部301は、たとえばネットワークインタフェースカードからなる。
制御装置40は、制御部401と、通信部402とを含む。制御部401は、たとえば汎用のコンピュータによって実現され、CPU401Aと、記憶部401Bと、タイマ401Cと、ボタン401Dと、モニタ401Eとを有する。CPU401Aは、通信部402を介して、尿定性分析装置10、尿沈さ分析装置20、搬送装置30、および外部の機器と通信する。通信部402は、たとえばネットワークインタフェースカードからなる。
CPU401Aは、記憶部401Bに記憶されているコンピュータプログラムを実行する。また、CPU401Aは、外部のコンピュータからオーダの問い合わせがあると、記憶部401Bに記憶しているオーダを返す。また、CPU401Aは、尿定性分析装置10から受信した分析結果と、記憶部401Bに記憶している測定要否の基準とに基づいて、尿沈さ分析装置20のオーダを決定する。記憶部401Bは、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置を備える。
タイマ401Cは、CPU401Aによる計時動作に利用される。ボタン401Dは、外部からの操作に応じた情報をCPU401Aに入力する。ボタン401Dによって、外部からの情報の入力を受け付けるための入力手段が構成される。モニタ401Eは、たとえば液晶表示装置等の表示装置によって実現される。
尿検体分析システム1における装置間の通信は、有線であっても良いし、無線であっても良い。
(尿沈さの分析の要否の判断)
尿検体分析システム1では、尿定性分析装置10は、制御装置40に、各検体の尿定性の分析の結果を出力する。これに応じて、制御装置40のCPU401Aは、尿沈さ分析装置20に対して、各検体について、尿沈さの分析の要否を指示する。CPU401Aは、また、搬送装置30に対して、前記各検体が搭載されたサンプルラック2を、搬送路300上において、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置(位置33)へと搬送させる。尿沈さ分析装置20は、CPU401Aが尿沈さの分析を必要と指示した検体については、尿沈さの分析を行なう。
一方、尿沈さ分析装置20は、尿沈さの分析が不要と指示した検体については、尿沈さの分析を行なわない。当該検体の容器は、尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20に送られた後、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置を通過して、位置34(図2参照)まで搬送される。
尿沈さの分析の要否は、たとえば、制御装置40の操作者が決定する。より具体的には、CPU401Aは、各検体についての尿定性の分析の結果を、モニタ401Eに表示させる。当該結果の表示を視認した操作者は、各検体についての尿沈さの分析の要否を判断し、当該判断の結果をボタン401Dを介して制御装置40に入力する。制御装置40のCPU401Aは、入力された尿沈さの分析の要否の結果を、尿沈さ分析装置20および搬送装置30のそれぞれに指示する。これにより、尿沈さの分析が必要であると指示された検体については、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置まで搬送され、尿沈さ分析装置20によってサンプリングされた後、図2の位置34(搬出位置)まで搬送される。尿沈さの分析が不要であると指示された検体については、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置まで搬送され、尿沈さ分析装置20によってサンプリングされることなく、図2の位置34まで搬送される。
尿沈さの分析の結果は、予め記憶部401Bに格納された判断の基準と、制御装置40の操作者が入力した条件とに基づいて、CPU401Aが決定しても良い。予め格納された判断の基準とは、たとえば、上記した試験紙の測定の測定結果に関する数値である。操作者が入力した条件とは、たとえば、当該数値と検体から取得された測定結果との差分値と尿沈さの分析の要否との関係である。なお、上記判断の基準は、ネットワーク上の記憶装置に記憶されていても良い。さらには、当該判断の基準は、時々刻々と変化する値であっても良い。
(尿沈さの分析の要否判断のタイミング)
尿検体分析システム1では、尿定性分析装置10において尿定性の分析が行なわれた検体について、当該尿定性の分析の結果が導出されるまで、尿沈さ分析装置20は、当該検体に対するサンプリングを待機する。より具体的には、尿検体分析システム1において、制御装置40のCPU401Aは、各検体について、尿定性分析装置10に尿定性の分析のためのサンプリングをさせた後、尿定性分析装置10に当該検体の分析の結果を導出させながら、搬送装置30に当該検体を尿沈さ分析装置20へと搬送させる。尿沈さ分析装置20は、当該検体について、尿定性の分析の結果が導出されるのに相当する時間が経過するまで、当該検体のサンプリングを待機する。当該検体についての尿定性の分析の結果が導出されるのに相当する時間が経過すると、CPU401Aは、当該検体についての尿沈さの分析の要否を判断する。要否の判断は、たとえば、上記した「要否の決定」の取得である。そして、尿沈さの分析が必要であると判断すると、CPU401Aは、尿沈さ分析装置20に、当該検体の尿沈さの分析を行なわせる。
一方、CPU401Aは、尿沈さの分析が不要と判断した検体については、尿沈さ分析装置20に、尿沈さの分析を行なせわない。CPU401Aは、搬送装置30に、当該検体の容器を、尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へと搬送させた後、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置を通過させて、位置34(図2参照)へと搬送させる。
図4は、尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。図4に示された例では、1つの検体について、尿定性分析装置10においてサンプリングが行なわれてから尿定性の分析が終了するまでの時間として、1分間が想定されている。図4では、時刻T11〜T12が示されている。時刻T11は、尿定性分析装置10において、ある検体のサンプリングが開始された時刻を示す。時刻T12は、尿定性分析装置10において、当該検体についての尿定性の分析について、その結果の導出の完了が予測される時刻を示す。時刻T12以降、尿定性分析装置10は、当該検体についての尿定性の分析の結果を導出するための処理を実行する。時刻T12が到来する前であっても(たとえば、検体のサンプリングの終了後すぐに)、当該検体を収容する容器4は、尿沈さ分析装置20へと搬送されても良い。
第1の実施の形態では、CPU401Aは、時刻T12まで、時刻T11で尿定性分析装置10がサンプリングを開始した検体についての尿沈さの分析の要否判断を行なわない。これにより、尿検体分析システム1では、尿沈さ分析装置20は、少なくとも時刻T12まで、当該検体についてのサンプリングを待機する。これにより、各検体について、十分に尿沈さの分析の要否の判断のための時間が経過するまで、尿沈さの分析は行なわれない。これにより、尿検体分析システム1は、尿沈さ分析装置20が尿沈さの分析が不要な検体について当該分析を実行することを回避できる。
図4を参照して説明された例では、各検体について、尿沈さ分析装置20におけるサンプリングの待機を解除するタイミング(尿沈さ分析の要否を判断するタイミング)を決定するために利用される時間として、尿定性分析装置10においてサンプリングが開始されてから尿定性の分析が終了するまでに要すると想定される時間(図4では「1分間」と例示)が利用された。なお、尿検体分析システム1は、尿定性分析装置10が、各検体の尿定性の分析を終了させた時点で、制御装置40に対して、当該分析の終了を通知するように構成されても良い。そして、CPU401Aは、上記「想定される時間」を利用して上記待機を解除するタイミングを決定する代わりに、上記通知を受けたことを条件として、上記待機を解除させても良い。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成と同様とすることができる。したがって、本明細書では、重複する説明は行なわない。
第2の実施の形態の尿検体分析システム1では、サンプルラックの単位で、当該サンプルラック2にセットされた各検体についての尿沈さの分析の要否が判断される。図5は、第2の実施の形態において尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。図5は、サンプルラック2に10個の容器4がセットされた例を示す。
図5では、時刻T20〜T22が示されている。時刻T20は、尿定性分析装置10において、あるサンプルラック2にセットされた10個の容器4の中の、1個目の容器4の検体のサンプリングが開始された時刻を示す。第2の実施の形態の尿検体分析システム1では、当該サンプルラック2にセットされた次の容器4の検体のサンプリングは、その前の検体のサンプリングが開始されてから、当該検体についての尿定性の分析が終了することが想定される時間の経過後、すぐに開始される。つまり、2本目の容器4の検体のサンプリングは、時刻T20から1分経過後に、開始される。そして、図5に示されるように、時刻T20の9分後である時刻T21は、10本目の容器4の検体のサンプリングが開始された時刻を示す。
図5において、時刻T22は、10本目の容器4の検体の尿定性の分析が終了した時刻を示す。
時刻T22の到来前であっても(たとえば、10本目の検体のサンプリング終了後すぐに)、当該サンプルラック2は、尿沈さ分析装置20へと搬送されても良い。この場合、当該サンプルラック2が尿沈さ分析装置20へと搬送されても、尿沈さ分析装置20は、当該サンプルラック2にセットされたすべての容器4の検体についての尿沈さの分析(検体のサンプリング)を、時刻T22まで待機する。ただし、10本目の検体のサンプリング終了の時点で、すでに尿定性分析が終了している検体がある場合は、上記にかかわらず、尿沈さの分析の要否判断を待機しない設定にすることもできる。
時刻T22になると、CPU401Aは、当該サンプルラック2の各検体について、尿沈さの分析の要否を判断する。各検体についての尿沈さの分析の要否の判断の方法は、第1の実施の形態において説明された方法と同様である。
そして、CPU401Aは、各検体についての尿沈さの分析の要否の判断結果に従って、搬送装置30に対して動作の指示を出力する。これにより、搬送装置30は、当該サンプルラック2にセットされた各検体の中で、尿沈さの分析を必要と指示された検体については、サンプリングを含む、尿沈さの分析のための処理を実行する。不要と指示された検体については、尿沈さの分析のための処理を実行しない。
第2の実施の形態では、サンプルラック2ごとに一括したタイミングで、当該サンプルラック2にセットされた検体のそれぞれについての尿沈さの分析の要否が判断される。なお、第2の実施の形態では、1つのサンプルラック2に10本の容器4がセットされていたが、サンプルラック2にセットされる容器4の数は限定されない。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成と同様とすることができる。したがって、本明細書では、重複する説明は行なわない。
第3の実施の形態の尿検体分析システム1では、検体の尿定性の分析の結果が導出された後、さらに一定の時間が経過するまで、尿沈さ分析装置20は、当該検体についての尿沈さの分析を待機する。図6は、第3の実施の形態において尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。
図6には、時刻T31〜T33が示されている。時刻T31は、尿定性分析装置10において、検体のサンプリングが開始された時刻を示す。時刻T32は、当該検体について、尿定性分析装置10における尿定性の分析が終了した時刻を示す。時刻T33は、当該検体について、尿沈さの分析の要否の判断が開始される時刻を示す。
図6の時刻T31〜T32のそれぞれは、図4の時刻T11〜T12のそれぞれに対応する。ただし、図4の時刻T12は、検体の尿定性の分析の終了、および、当該検体の尿沈さの分析の要否の判断の開始に対応する。一方、図6の時刻T32は、検体の尿定性の分析の終了のみに対応する。第3の実施の形態では、当該検体の尿沈さの分析の要否の判断は、時刻T32からさらに一定の時間(図6に示された例では、3分間)が経過した後、つまり、時刻T33に開始される。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、各検体についての尿沈さの分析の要否を決定するために、より長い時間が確保される。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成と同様とすることができる。したがって、本明細書では、重複する説明は行なわない。
第4の実施の形態の尿検体分析システム1では、第2の実施の形態と同様に、尿定性の分析の要否の判断のタイミングがサンプルラック単位で設定される。ただし、第4の実施の形態では、あるサンプルラックについての最後の検体の尿定性の分析の結果が導出された後、さらに一定の時間が経過するまで、尿沈さ分析装置20は、当該サンプルラックに
セットされたすべての検体についての尿沈さの分析を待機する。図7は、第4の実施の形態において尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。
図7では、時刻T40〜T43が示されている。時刻T40は、尿定性分析装置10において、あるサンプルラック2にセットされた10個の容器4の中の、1個目の容器4の検体のサンプリングが開始された時刻を示す。尿検体分析システム1では、当該サンプルラック2にセットされた次の容器4の検体のサンプリングは、その前の検体のサンプリングが開始されてから、当該検体についての尿定性の分析の結果が導出されることが想定される時刻の経過後、すぐに開始される。つまり、2本目の容器4の検体のサンプリングは、時刻T40から1分経過後に、開始される。そして、図7に示されるように、時刻T40の9分後である時刻T41は、10本目の容器4の検体のサンプリングが開始された時刻を示す。
図7において、時刻T42は、10本目の容器4の検体の尿定性の分析が終了した時刻を示す。
図7の時刻T40〜T42のそれぞれは、図5の時刻T20〜T22のそれぞれに対応する。ただし、図5の時刻T22は、10本目の検体の尿定性の分析の終了、および、上記サンプルラック2にセットされた各検体の尿沈さの分析の要否の判断の開始に対応する。一方、図7の時刻T42は、10本目の検体の尿定性の分析の終了のみに対応する。第4の実施の形態では、サンプルラック2にセットされたすべての検体の尿沈さの分析の要否の判断は、時刻T42からさらに一定の時間(図7に示された例では、3分間)が経過した後、つまり、時刻T43に、開始される。ただし、10本目の検体のサンプリング終了の時点で、すでに尿定性分析が終了している検体があり、かつ、1本目の検体の尿定性分析終了から、前記「さらに一定の時間」が経過している場合は、上記にかかわらず、尿沈さの分析の要否判断を待機しない設定にすることもできる。
第4の実施の形態では、第4の実施の形態と比較して、サンプルラック2にセットされた複数の検体についての尿沈さの分析の要否を決定するために、より長い時間が確保される。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態の尿検体分析システム1では、上記した第2および第4の実施の形態のように1台のサンプルラック2に複数の検体がセットされた場合を対象とする。より具体的には、第2および第4の実施の形態では、1台のサンプルラック2に複数の検体がセットされているときに、尿定性分析装置10は、前の検体の尿定性の分析が終了した後で、次の検体のサンプリングを開始した。具体的には、尿定性分析装置10は、2本目の検体のサンプリングを、1本目の検体のサンプリングだけでなく、当該1本目の検体の尿定性の分析が終了した後に、開始した。第5の実施の形態では、2本目の検体のサンプリングは、1本目の検体のサンプリングの終了後、1本目の検体の尿定性の分析の終了を待つことなく、開始される。1本目の検体の尿定性の分析は、2本目の検体のサンプリングと並行して、実行される。
図8は、第2の実施の形態におけるサンプリングの開始態様が第5の実施の形態に従って変更された場合の、尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。図9は、第4の実施の形態におけるサンプリングの開始態様が第5の実施の形態に従って変更された場合の、尿沈さの分析の要否の判断が行なわれるタイミングの一例を説明するための図である。
図8および図9では、各検体の尿定性分析装置10におけるサンプリングの時間が「Ts」で示されている。また、各検体の尿定性分析装置10におけるサンプリング終了から尿定性の分析の終了までの時間が、「Ta」で示されている。
図8に示された例では、尿定性分析装置10は、10本目の検体のサンプリングを、1本目の検体のサンプリングを開始した時刻(時刻T20)から、時間Tsの9倍の時間の経過後(時刻T21)に開始する。10本目の検体のサンプリングは、さらに時間Tsの経過後(時刻T21s)に終了する。10本目の検体の尿定性の分析は、さらに時間Taの経過後(時刻T22s)に終了する。尿沈さ分析装置20は、当該サンプルラック2にセットされたすべての容器4の検体についての尿沈さの分析(検体のサンプリング)を、時刻T22sまで待機する。ただし、10本目の検体のサンプリング終了の時点で、すでに尿定性分析が終了している検体がある場合は、上記にかかわらず、尿沈さ分析要否判断を待機しない設定にすることもできる。
図9に示された例では、尿定性分析装置10は、10本目の検体のサンプリングを、1本目の検体のサンプリングを開始した時刻(時刻T40)から、時間Tsの9倍の時間の経過後(時刻T41)に開始する。10本目の検体のサンプリングは、さらに時間Tsの経過後(時刻T41s)に終了する。10本目の検体の尿定性の分析は、さらに時間Taの経過後(時刻T42s)に終了する。尿沈さ分析装置20は、当該サンプルラック2にセットされたのすべての容器4の検体についての尿沈さの分析(検体のサンプリング)を、時刻T42sから一定の時間(図9の例では時間Tx)の経過後である時刻T43まで待機する。ただし、10本目の検体のサンプリング終了の時点で、すでに尿定性分析が終了している検体があり、かつ、1本目の検体の尿定性分析終了から、前記「さらに一定の時間」が経過している場合は、上記にかかわらず、尿沈さの分析の要否判断を待機しない設定にすることもできる。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態の尿検体分析システム1では、検体の尿沈さ分析は、「当該検体の尿定性分析の分析結果の導出」というイベントの発生の後で、開始される。第6の実施の形態の尿検体分析システム1において検体の分析のために実行される処理を、フローチャートに従って説明する。図10は、当該処理のフローチャートである。なお、第6の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態と同様にすることができる。なお、図10に示された処理は、たとえば制御装置40に対して検体の分析を開始するための指示が入力されたことに応じて、開始される。
図10を参照して、まずステップS10で、制御装置40のCPU401Aは、検体(の容器)を尿定性分析装置10へ搬送する。より具体的には、ステップS10において、CPU401Aは、搬送装置30に、検体を、尿定性分析装置10のサンプリング位置(図2の位置32)まで搬送させる。また、CPU401Aは、尿定性分析装置10に対して、検体の分析の実行を指示する。そして、制御はステップS20へ進められる。
ステップS20で、尿定性分析装置10のCPU111Aは、尿定性分析装置10に搬送されてきた検体を特定する。より具体的には、CPU111Aは、尿定性分析装置10のバーコードリーダ116から、尿定性分析装置10に搬送されてきた検体の容器のバーコード情報を取得する。また、CPU111Aは、当該バーコード情報に含まれる、検体を特定するための情報(検体のID等)を取得する。そして、CPU111Aは、取得された情報に基づいて、当該検体を特定する。そして、制御はステップS30へ進められる。
ステップS30で、CPU111Aは、当該検体のサンプリングを実行する。なお、CPU111Aは、検体のサンプリングの完了を制御装置40のCPU401Aに通知する。そして、制御はステップS40へ進められる。
ステップS40で、CPU401Aは、ステップS30においてサンプリングされた試料に基づいて、当該検体の尿定性分析を実行する。そして、制御はステップS50へ進められる。
CPU111Aからサンプリングの完了が通知されると、CPU111Aは、ステップS50で、搬送装置30に、検体を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へ搬送させる。ステップS50では、検体は、たとえば尿沈さ分析装置20のサンプリング位置(図2の位置33)へと搬送される。そして、制御はステップS60へ進められる。
ステップS60で、CPU401Aは、尿定性分析装置10において、ステップS40で開始された尿定性分析の結果が導出されたかどうかを判断する。CPU111Aは、検体の尿定性分析の結果を導出すると、当該結果を制御装置40に送信する。CPU401Aは、尿定性分析装置10から尿定性分析の結果を受信すると尿定性分析の結果が導出されたと判断する。CPU111Aは、尿定性分析の結果を、ステップS20で取得された検体のID等の情報とともに、制御装置40に送信する場合がある。一方、CPU401Aは、尿定性分析装置10から尿定性分析の結果をまだ受信していないと尿定性分析の結果がまだ導出されていないと判断する。
CPU401Aは、尿定性分析の結果がまだ導出されていないと判断すると(ステップS60でNO)、ステップS60の制御に留まる。そして、CPU401Aは、尿定性分析の結果が導出されたと判断すると(ステップS60でYES)、ステップS70へ制御を進める。
ステップS70で、CPU401Aは、上記検体に対して、尿沈さ分析が必要か否かを判断する。CPU401Aは、たとえば、尿定性分析が行なわれた検体について、尿定性分析において導出された結果に基づいて、尿沈さ分析の要否を判断する。CPU401Aは、たとえば、検体の尿定性分析において導出された少なくとも1つの値が予め定められた閾値よりも高い(または低い)場合に、当該検体の尿沈さ分析が必要であると判断する。
なお、尿沈さ分析の要否は、制御装置40の操作者によって判断されてもよい。より具体的には、たとえば、CPU401Aは、モニタ401Eに、尿定性分析装置10から受信した尿定性分析の結果を表示する。操作者は、当該結果に基づいて、尿沈さ分析の要否を判断し、その結果をボタン401D等を介して制御装置40に入力する。CPU401Aは、入力された結果に従って、ステップS70の判断を実行する。
CPU401Aは、尿沈さ分析が必要であると判断すると(ステップS70でYES)、ステップS80へ制御を進める。一方、CPU401Aは、尿沈さ分析が不要であると判断すると(ステップS70でNO)、ステップS100へ制御を進める。なお、CPU401Aは、検体の尿沈さ分析が必要であると判断した場合には、尿沈さ分析装置20に対して、当該検体の尿沈さ分析の実行を指示する。
ステップS80で、尿沈さ分析装置20のCPU221Aは、ステップS50でサンプリング位置まで搬送された検体のサンプリングを実行する。そして、制御はステップS90へ進められる。
ステップS90で、CPU221Aは、ステップS80でサンプリングした試料に基づいて、検体の尿沈さ分析を実行する。なお、CPU221Aは、サンプリングの完了を制御装置40へ通知する。そして、制御はステップS100へ進められる。なお、CPU221Aは、尿沈さ分析の結果を導出すると、当該結果を制御装置40送信する。
サンプリングの完了を受信すると、ステップS100で、CPU401Aは、搬送装置30に、検体を搬出位置(図2の位置34)へと搬送させる。これにより、図10の処理は終了する。
第6の実施の形態では、制御装置40のCPU401Aは、尿定性分析装置10から受信した尿定性分析の結果および/または尿沈さ分析装置20から受信した尿沈さ分析の結果を、記憶部401Bに格納する。なお、尿定性分析装置10のCPU111Aが、尿定性分析の結果を、ステップS20で取得した情報(検体のID等)とともに制御装置40に送信した場合、制御装置40のCPU401Aは、当該結果と当該情報とを関連付けて記憶部401Bに格納してもよい。また、CPU401Aは、さらに、尿沈さ分析装置20のCPU221Aから送信された尿沈さ分析の結果を、尿定性分析装置10から受信した情報(検体のID等)に関連付けて、記憶部401Bに格納してもよい。
また、CPU401Aは、尿定性分析装置10から受信した尿定性分析の結果および/または尿沈さ分析装置20から受信した尿沈さ分析の結果を、モニタ401Eに表示する場合がある。
また、CPU401Aは、ステップS70の制御、つまり、検体に対する尿沈さ分析の要否の判断を省略する場合がある。なお、ステップS70の当該要否の判断が省略された場合でも、制御装置40の操作者がある検体の尿沈さ分析を不要であることを示す情報を入力した場合には、尿沈さ分析装置20における当該検体のサンプリングおよび尿沈さ分析は省略され得る。
以上説明された第6の実施の形態の尿検体分析システム1では、検体の尿定性分析の結果が導出されたことに応じて、当該検体の尿沈さ分析を実行する。なお、尿沈さ分析は、当該検体についての尿沈さ分析の実行が必要であると判断されたことを条件として実行される。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態の尿検体分析システム1では、検体の尿沈さ分析は、「当該検体の尿定性分析の結果の導出からの予め定められた時間の経過」というイベントの発生の後で、実行される。
第7の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態と同様とすることができる。そして、第7の実施の形態の尿検体分析システム1では、尿沈さ分析は、尿定性分析の結果が導出されてから予め定められた時間が経過したことを条件として実行される。図11は、第7の実施の形態の尿検体分析システム1において実行される処理のフローチャートである。
図11に示された処理は、図10に示された処理(第6の実施の形態)と比較して、ステップS60(図10)の代わりに、ステップS62を含む。
ステップS62では、制御装置40のCPU401Aは、尿定性分析装置10による尿定性分析の結果が導出されてから予め定められた時間(たとえば、3分)が経過したかどうかを判断する。そして、CPU401Aは、当該結果の導出からまだ予め定められた時間が経過していないと判断すると(ステップS62でNO)、ステップS62の制御に留まる。そして、CPU401Aは、当該結果の導出から予め定められた時間が経過したと判断すると(ステップS62でYES)、ステップS70へ制御を進める。
ステップS70で、制御装置40のCPU401Aは、検体の尿沈さ分析の要否を判断する。なお、第7の実施の形態では、CPU401Aが尿定性分析の結果を閾値と比較して尿沈さ分析の要否を決定する場合に、制御装置40の操作者は、CPU401Aによる決定に対して修正を加えることができる。より具体的には、CPU401Aが尿定性分析の結果に基づいて導出した尿沈さ分析の要否がモニタ401Eに表示される。操作者は、表示された要否に対して修正を入力することができる。
なお、CPU401Aは、ステップS70の制御、つまり、検体に対する尿沈さ分析の要否の判断を省略する場合がある。なお、ステップS70の当該要否の判断が省略された場合でも、制御装置40の操作者がある検体の尿沈さ分析を不要であることを示す情報を入力した場合には、尿沈さ分析装置20における当該検体のサンプリングおよび尿沈さ分析は省略され得る。
CPU401Aは、操作者が修正を入力した場合には、当該修正の内容に基づいてステップS70の判断を実行する。たとえば、CPU401Aが尿定性分析の結果に基づいて尿沈さ分析が必要であることを決定した場合でも、操作者が尿沈さ分析を不要であるという修正を入力した場合には、ステップS70で、CPU401Aは、尿沈さ分析を不要であると判断する。
一方、モニタ401Eに尿沈さ分析の要否が表示されてから特定の時間(たとえば3分間)が経過するまでに操作者が修正を入力しない場合、または、操作者が修正を入力しないことを示す情報を制御装置40に入力した場合、ステップS70で、CPU401Aは、当該CPU401Aが尿定性分析の結果に基づいて決定した結果に基づいて、ステップSう70の判断を実行する。
図11に示された処理によれば、たとえば、操作者は、制御装置40による一次的な尿沈さ分析の要否の判断結果に基づいて、最終的な尿沈さ分析の要否を判断できる。
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態の尿検体分析システム1では、検体の尿沈さ分析は、「当該検体の尿定性分析でのサンプリングの開始からの一定の時間の経過」というイベントの発生の後で、実行される。なお、第8の実施の形態における一定の時間は、尿定性分析でのサンプリングの開始から当該尿定性分析の分析結果の導出の完了までに要すると予測される時間以上の時間である。当該予測は、たとえば、尿定性分析装置10において、予め所定数の検体についてのサンプリングから分析結果の導出までに要する時間が計測されたときの計測の結果に基づく。当該計測の結果に基づいた「一定の時間」の設定は、尿検体分析システム1の操作者によって手動で行なわれても良いし、制御装置40のCPU401Aがによって自動で行なわれてもよい。CPU401Aは、たとえば、所定数の検体についての計測値の平均値を、「一定の時間」として設定する。
第8の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、第1の実施の形態と同様とすることができる。そして、第8の実施の形態の尿検体分析システム1では、尿沈さ分析は、尿定性分析装置10において検体のサンプリングが開始されてから「一定の時間」(たとえば、3分間)が経過していることを条件として、実行される。図12は、第8の実施の形態の尿検体分析システム1において実行される処理のフローチャートである。
図12に示された処理は、図10に示された処理(第6の実施の形態)と比較して、ステップS60(図10)の代わりに、ステップS64を含む。
ステップS64では、制御装置40のCPU401Aは、ステップS30で検体のサンプリングが開始されてから一定の時間(たとえば、上記した3分間)が経過したかどうかを判断する。第8の実施の形態では、たとえば、ステップS20でバーコードにより検体が特定されてすぐに、ステップS30で当該検体のサンプリングが開始される。このことから、第8の実施の形態では、ステップS20でバーコードによって検体が特定されたタイミングが、当該検体のサンプリングの開始のタイミングとして利用される。
そして、CPU401Aは、サンプリングの開始からまだ一定の時間が経過していないと判断すると(ステップS64でNO)、ステップS64の制御に留まる。そして、CPU401Aは、サンプリングの開始から一定の時間が経過したと判断すると(ステップS64でYES)、ステップS70へ制御を進める。
なお、第8の実施の形態において、CPU401Aは、ステップS70の制御、つまり、検体に対する尿沈さ分析の要否の判断を省略する場合がある。なお、ステップS70の当該要否の判断が省略された場合でも、制御装置40の操作者がある検体の尿沈さ分析を不要であることを示す情報を入力した場合には、尿沈さ分析装置20における当該検体のサンプリングおよび尿沈さ分析は省略され得る。
図12に示された処理によれば、たとえば、尿定性分析装置10におけるトラブルにより尿定性分析の結果が制御装置40に入力されない場合であっても、尿定性分析装置10におけるサンプリングから一定の経過すれば尿沈さ分析装置20における尿沈さ分析を開始することができる。これにより、一部の装置の不具合によって尿検体分析システム1全体の処理が遅延すること回避できる。
なお、第8の実施の形態の尿検体分析システム1では、尿定性分析装置10における検体のサンプリングの開始から特定の時間(たとえば、3分間)が経過しても制御装置40に当該検体の尿定性分析の結果が入力されない場合、制御装置40のCPU401Aは、そのことを報知してもよい。当該報知は、たとえば、モニタ401Eにおけるメッセージの表示や、制御装置40におけるアラーム音の出力によって実現される。
[第9の実施の形態]
第9の実施の形態の尿検体分析システム1では、尿定性分析装置10だけでなく、尿沈さ分析装置20も、バーコードリーダを備える。これにより、尿沈さ分析装置20においても検体の容器を識別できる。
図13は、第9の実施の形態の尿検体分析システム1の全体構成を示す図である。図13に示されるように、第9の実施の形態では、尿沈さ分析装置20は、バーコードリーダ226を備える。バーコードリーダ226は、たとえば尿沈さ分析装置20のサンプリング位置(図2の位置33)まで搬送された検体の容器のバーコードを読み取る位置に配置されている。
図14は、第9の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成を示す図である。図14に示されるように、第9の実施の形態の尿沈さ分析装置20では、バーコードリーダ226は、検体の容器4に貼付されたバーコードラベルからバーコード情報を読み出し、制御部221に出力する。
第9の実施の形態の尿検体分析システム1では、尿定性分析装置10と尿沈さ分析装置20の双方がバーコードリーダを備えることにより、双方で、分析対象の検体を特定することができる。つまり、尿定性分析装置10だけでなく尿沈さ分析装置20においても、サンプリングを実行する前に、サンプリングの対象となる検体を特定することができる。より具体的には、第9の実施の形態では、第6〜第8の実施の形態において実行された処理のフローチャート(つまり、図10〜図12)のそれぞれは、図15〜図17のそれぞれへと変更され得る。
たとえば、図15に示された処理は、図10に示された処理と比較して、ステップS52をさらに含む。図15に示された処理では、ステップS50で制御装置40のCPU401Aが搬送装置30に検体を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へと搬送させた後、ステップS52に制御が進められる。
ステップS52では、尿沈さ分析装置20のCPU221Aが、バーコードリーダ226から、搬送されてきた検体の容器のバーコード情報を取得する。また、CPU221Aは、当該バーコード情報に含まれる、検体を特定するための情報(検体のID等)を取得する。そして、CPU221Aは、取得された情報に基づいて、当該検体を特定する。そして、制御はステップS60へ進められる。
なお、図15に示された処理では、CPU221Aは、ステップS90による尿沈さ分析の結果を制御装置40へ送信する。CPU221Aは、当該尿沈さ分析の結果を、ステップS52で取得した情報(検体のID等)とともに、制御装置40に送信する場合がある。
第9の実施の形態では、制御装置40のCPU401Aは、尿定性分析装置10から受信した尿定性分析の結果および/または尿沈さ分析装置20から受信した尿沈さ分析の結果を、記憶部401Bに格納する。なお、尿定性分析装置10のCPU111Aが、尿定性分析の結果を、ステップS20で取得した情報(検体のID等)とともに制御装置40に送信した場合、制御装置40のCPU401Aは、当該結果と当該情報とを関連付けて記憶部401Bに格納してもよい。また、CPU401Aは、さらに、尿沈さ分析装置20のCPU221Aから送信された尿沈さ分析の結果を、尿定性分析装置10から受信した情報(検体のID等)に関連付けて、記憶部401Bに格納してもよい。
なお、尿沈さ分析装置20のCPU221Aが、制御装置40に対して、ステップS52で取得した情報(検体のID等)とともに尿沈さ分析の結果を送信した場合、制御装置40のCPU401Aは、当該結果と当該情報とを関連付けて記憶部401Bに格納してもよい。また、CPU401Aは、検体のID等が共通する尿定性分析の結果と尿沈さ分析の結果とを、互いに関連付けて記憶部401Bに格納してもよい。
また、図16に示された処理は、図11に示された処理と比較して、ステップS52をさらに含む。図16に示された処理では、ステップS50で制御装置40のCPU401Aが搬送装置30に検体を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へと搬送させた後、ステップS52に制御が進められる。
図16のステップS52の制御は、図15のステップS52の制御と同様である。つまり、尿沈さ分析装置20のCPU221Aが、バーコードリーダ226から、搬送されてきた検体の容器のバーコード情報を取得する。また、CPU221Aは、当該バーコード情報に含まれる、検体を特定するための情報(検体のID等)を取得する。そして、CPU221Aは、取得された情報に基づいて、当該検体を特定する。そして、制御はステップS62へ進められる。
また、図17に示された処理は、図12に示された処理と比較して、ステップS52をさらに含む。図17に示された処理では、ステップS50で制御装置40のCPU401Aが搬送装置30に検体を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へと搬送させた後、ステップS52に制御が進められる。
図17のステップS52の制御は、図15のステップS52と同様である。そして、図17の処理では、ステップS52の後、制御はステップS64へ進められる。
なお、図15〜図17に示された各処理において、CPU401Aは、ステップS70の制御、つまり、検体に対する尿沈さ分析の要否の判断を省略する場合がある。なお、ステップS70の当該要否の判断が省略された場合でも、制御装置40の操作者がある検体の尿沈さ分析を不要であることを示す情報を入力した場合には、尿沈さ分析装置20における当該検体のサンプリングおよび尿沈さ分析は省略され得る。
[第10の実施の形態]
第10の実施の形態の尿検体分析システム1では、1つのサンプルラック2が複数の検体を搬送し、そして、当該1つのサンプルラック2内の複数の検体についての分析の開始のタイミングが、当該サンプルラック2内の少なくとも1つの検体についての尿定性分析のタイミングを考慮して決定される。より具体的には、1つのサンプルラック2にセットされた複数の検体についての尿沈さ分析は、「当該サンプルラック2内の最初の検体についての尿定性分析のサンプリングからの一定の時間の経過」というイベントの発生の後、実行される。
第10の実施の形態の尿検体分析システム1のハードウェア構成は、たとえば第1の実施の形態と同様とすることができる。そして、第10の実施の形態の尿検体分析システム1では、1つのサンプルラック2によって搬送される複数の検体についての分析の開始のタイミングが、当該サンプルラック2内の少なくとも1つの検体についての尿定性分析のタイミングを考慮して決定される。
図18は、第10の実施の形態の尿検体分析システム1において実行される処理のフローチャートである。なお、図18に示された処理は、たとえば制御装置40に対して検体の分析を開始するための指示が入力されたことに応じて、開始される。
図18を参照して、ステップSA10で、制御装置40のCPU401Aは、搬送装置30に、サンプルラック2を尿定性分析装置10へと搬送させる。そして、制御はステップSA20に進められる。なお、ステップSA10では、サンプルラック2は、尿定性分析装置10のサンプリング位置(図2の位置32)に搬送される。サンプリング位置では、バーコードリーダ116(図1参照)は、サンプルラック2にセットされた各検体の容器のバーコード情報を読み取ることができる。また、サンプルラック2がサンプリング位置に配置されると、CPU401Aは、尿定性分析装置10に、サンプルラック2内の各検体の尿定性分析を指示する。
ステップSA20では、尿定性分析装置10のCPU111Aは、ステップSA10でサンプリング位置に配置されたサンプルラック2内の各検体の特定とサンプリングとを行なう。より具体的には、CPU111Aは、サンプルラック2において検体が配置され得る位置のそれぞれで、バーコードリーダ116でバーコード情報を読み取る。また、CPU111Aは、読み取られた各バーコード情報を各検体に関連付ける。そして、CPU111Aは、各検体のサンプリングを実行する。そして、制御はステップSA30へ進められる。なお、CPU111Aは、現在のサンプルラック2内のすべての検体のサンプリングが完了すると、当該完了を制御装置40のCPU401Aに通知する。
ステップSA30で、CPU111Aは、サンプルラック2においてサンプリングが実行された検体の数を表わす値Mを記憶部111Bに格納する。そして、制御はステップSA40へ進められる。なお、値Mは、ステップSA20においてバーコード情報が取得された検体(容器)の数であってもよい。
ステップSA40で、CPU111Aは、ステップSA20でサンプリングを実行した各検体の尿定性分析を実行する。そして、制御はステップSA50へ進められる。なお、CPU111Aは、各検体の尿定性分析の結果を、バーコード情報から取得された各検体を特定する情報とともに、制御装置40へ送信する。制御装置40のCPU401Aは、各検体の尿定性分析の結果を記憶部401Bに格納する。
ステップSA50で、制御装置40のCPU401Aは、搬送装置30に、サンプルラック2を尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へ搬送させる。そして、制御はステップSA60へ進められる。なお、ステップSA50では、サンプルラック2は、尿沈さ分析装置20のサンプリング位置(図2の位置33)へと搬送される。
ステップSA60で、CPU401Aは、ステップSA20においてサンプルラック2における1本目の検体のサンプリングが開始されてから一定の時間(たとえば、3分間)が経過しているかどうかを判断する。CPU401Aは、当該一定の時間が経過していないと判断すると(ステップSA60でNO)、ステップSA60の制御に留まる。そして、CPU401Aは、当該一定の時間が経過していると判断すると(ステップSA60でYES)、ステップSA70へ制御を進める。また、CPU401Aは、当該一定の時間が経過したと判断したときに、尿沈さ分析装置20に、サンプルラック2にセットされた検体の尿沈さ分析を指示する。
なお、サンプルラック2における1本目の検体のサンプリングの開始のタイミングは、たとえば、バーコードリーダ116において当該検体のバーコード情報が読み取られたタイミングによって特定されてもよい。つまり、尿定性分析装置10では、サンプルラック2における1本目の検体のサンプリングは、バーコードリーダ116において当該検体のバーコード情報が読み取られるのとほぼ同時に開始され得る。CPU401Aは、CPU111Aから、バーコードリーダ116が1本目の検体のバーコード情報を読み取ったタイミングを特定する情報を取得し、当該情報に基づいて、ステップSA60における判断を実行し得る。検体のバーコード情報の読み取りは、当該検体を特定する情報の取得の一例である。
ステップSA60における一定の時間の一例は、検体のサンプリングの開始から当該検体の尿定性分析の結果の導出の完了までに要することが予測される時間である。ステップSA60における一定の時間の他の例は、検体のサンプリングの開始から当該検体の尿定性分析の結果の導出の完了までに要することが予測される時間と、予め定められた時間との和(検体のサンプリングが開始されてから当該検体の尿定性分析の結果の導出が完了し、さらに予め定められた時間が経過することが予測される時間)である。
ステップSA70で、尿沈さ分析装置20のCPU221Aは、図18の処理で使用される変数Nの値を1に初期化する。そして、制御はステップSA80へ進められる。
ステップSA80で、CPU221Aは、サンプルラック2のN本目の検体(図18の検体(N))の尿沈さ分析が必要かどうかを判断する。各検体の尿沈さ分析の要否は、たとえば制御装置40のCPU401Aによって決定される。より具体的には、CPU401Aは、各検体の尿定性分析の結果に基づいて、各検体の尿沈さ分析の要否を決定する。ステップSA80で、CPU221Aは、CPU401Aに各検体の尿沈さ分析の要否を問い合わせる。
CPU221Aは、N本目の検体の尿沈さ分析が必要であると判断すると(ステップSA80でYES)、ステップSA90へ制御を進める。一方、CPU221Aは、N本目の検体の尿沈さ分析が不要であると判断すると(ステップSA80でNO)、ステップSA100へ制御を進める。
ステップSA90で、CPU221Aは、N本目の検体のサンプリングおよび尿沈さ分析を実行する。そして、制御はステップSA100へ進められる。
ステップSA100で、CPU221Aは、変数Nの値を1加算更新する。そして、制御は、ステップSA110へ進められる。
ステップSA110で、CPU221Aは、現在の変数Nの値が、ステップSA30で格納された値Mを超えているかどうかを判断する。たとえば、尿定性分析装置10のCPU111Aは、ステップSA30で取得した値Mを制御装置40に送信する。制御装置40のCPU401Aは、値Mを記憶部401Bに格納する。そして、CPU221Aは、記憶部401Bに格納された値Mを読み込むことにより、ステップSA110における判断を実行する。
CPU221Aは、変数Nがまだ値Mを超えていないと判断すると(ステップSA110でNO)、制御をステップSA80に戻す。これにより、ステップSA100で更新された変数NについてのN本目の尿沈さ分析が開始される。一方、CPU221Aは、変数Nがまだ値Mを超えていると判断すると(ステップSA110でYES)、制御をステップSA120へ進める。なお、CPU221Aは、制御がステップSA120へ進められることを制御装置40へ通知する。
ステップSA120で、制御装置40のCPU401Aは、搬送装置30に、サンプルラック2を搬出位置(図2の位置34)へと搬送させる。これにより、図18の処理は終了する。
図19および図20は、第10の実施の形態の尿検体分析システム1における、サンプルラック2にセットされた各検体の分析のタイミングを説明するための図である。
図19には、サンプルラック2に10本の検体がセットされている例が示されている。10本の検体のそれぞれは、図19ではサンプルNo.1〜10として示されている。また、図19の下部には、「0min.」「1min.」等として、1本目の検体のサンプリング開始からの経過時間が示されている。「1min.」は、1分を示す。
図19では、尿検体分析システム1における処理内容の種類がハッチングの種類で区別される。処理内容は、尿定性分析装置10におけるサンプリング、尿定性分析装置10における待機、(サンプルラック2の)搬送、尿沈さ分析装置20におけるサンプリング、および尿沈さ分析装置20における待機を含む。
図19の上部には、サンプルラック2にセットされた検体の分析についての主なイベント(尿定性分析での1本目の検体のサンプリング開始、尿定性分析での1本目の検体のサンプリング開始3分後、および搬送完了・尿沈さ分析開始)が示されている。
また、図19では、「制御装置への分析結果の出力」として、丸付きの数字1〜10が示されている。丸付きの数字は、尿定性分析装置10から制御装置40への尿定性分析の結果の送信を示す。たとえば、丸付きの数字1は、1本目の検体の尿定性分析の結果が尿定性分析装置10から制御装置40へ送信されるタイミングを示す。
図19に示された例では、各検体のサンプリングに要する時間は15秒である。サンプルNo.1の検体は、最初の15秒間でサンプリングを実行され、その後、サンプリングの開始から2分30秒が経過するまで、残りの9本分のサンプリングのために尿定性分析装置10で待機する。その後、1分間(サンプルNo.1のサンプリングの開始から3分30秒後まで)、サンプルラック2の搬送により、サンプルNo.1の検体は尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へと搬送される。尿沈さ分析装置20へと搬送されると、サンプルNo.1の検体は、尿沈さ分析装置20でサンプリングされる(尿定性分析装置10におけるサンプリングの開始後3分30秒から、15秒間)。
つまり、1本目の検体のサンプリングが開始されると、最初の1分間でサンプルNo.1〜4の4本の検体のサンプリングが実行される。次の1分間でサンプルNo.5〜8の4本の検体のサンプリングが実行される。次の30秒間でサンプルNo.9〜10の2本の検体のサンプリングが実行される。10本の検体のサンプリングが完了すると、サンプルラック2は、尿沈さ分析装置20へと搬送される。
第10の実施の形態では、サンプルラック2にセットされた1本目の検体の尿沈さ分析のためのサンプリングは、当該サンプルラック2が尿沈さ分析装置20に搬送された後であって、当該1本目の検体の尿定性分析装置10におけるサンプリングの開始後3分が経過したことを条件として、開始される。
図19に示された例では、サンプルラック2の尿沈さ分析装置20への搬送は、1本目の検体の尿定性分析でのサンプリング開始から3分30秒後に完了する。つまり、サンプルラック2の搬送が完了した時点で、すでに1本目の検体の尿定性分析でのサンプリング開始から3分以上が経過している。したがって、図19に示された例では、サンプルラック2の尿沈さ分析装置20への搬送が完了すると、尿沈さ分析装置20において、1本目の検体のサンプリングが開始される。
図20には、サンプルラック2に6本の検体がセットされている例が示されている。10本の検体のそれぞれは、図20ではサンプルNo.1〜6として示されている。
図20に示された例では、尿定性分析装置10においてサンプルラック2にセットされたすべての検体のサンプリングが終了するのは、1本目の検体のサンプリングが開始されてから1分30秒後である。6本目の検体のサンプリングが終了すると、サンプルラック2は尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20へ搬送される。当該搬送が完了するのは、尿定性分析装置10における1本目のサンプリングの開始から2分30秒後である。
図20に示された例では、サンプルラック2の尿定性分析装置10から尿沈さ分析装置20への搬送が完了した時点では、尿定性分析装置10における1本目の検体のサンプリングの開始から3分が経過していない。このため、この例では、尿定性分析装置10における1本目の検体のサンプリングの開始から3分が経過した時点で、つまり、サンプルラック2が尿沈さ分析装置20へ搬送されてからさらに30秒が経過した時点で、尿沈さ分析装置20における1本目の検体のサンプリングが開始される。
以上、図18〜図20を参照して説明された第10の実施の形態では、サンプルラック2に1本以上の検体がセットされた場合、尿沈さ分析装置20における1本目の検体の尿沈さ分析(のサンプリング)は、尿定性分析装置10において1本目の検体のサンプリングが開始されてから一定の時間が経過したことを条件として開始される。尿沈さ分析装置20では、1本目の検体のサンプリングが完了すると、それに続いて2本目以降の検体のサンプリングが実行される。
なお、図18に示された処理において、CPU221Aは、ステップSA80の制御、つまり、検体に対する尿沈さ分析の要否の判断を省略する場合がある。なお、ステップSA80の当該要否の判断が省略された場合でも、制御装置40または尿沈さ分析装置20の操作者がある検体の尿沈さ分析を不要であることを示す情報を入力した場合には、尿沈さ分析装置20における当該検体のサンプリングおよび尿沈さ分析は省略され得る。
今回開示された各実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示の各実施の形態では、第1の分析装置の一例として尿定性分析装置が採用され、また、第2の分析装置の一例として尿沈さ分析装置が採用された。ただし、これらの装置は、第1の分析装置および第2の分析装置の単なる一例である。本開示に示された技術的思想は、いかなる分析装置の組み合わせにも適用され得る。また、組み合わされる2つの分析装置は、必ずしも異なる種類の装置でなくても良い。本開示は、同種の2つの分析装置の組み合わせにも適用され得る。