[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6488538B2 - 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム - Google Patents

劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6488538B2
JP6488538B2 JP2013152723A JP2013152723A JP6488538B2 JP 6488538 B2 JP6488538 B2 JP 6488538B2 JP 2013152723 A JP2013152723 A JP 2013152723A JP 2013152723 A JP2013152723 A JP 2013152723A JP 6488538 B2 JP6488538 B2 JP 6488538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage battery
time
deterioration
performance
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013152723A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015021934A (ja
Inventor
悠真 岩崎
悠真 岩崎
耕治 工藤
耕治 工藤
仁之 矢野
仁之 矢野
寿人 佐久間
寿人 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2013152723A priority Critical patent/JP6488538B2/ja
Publication of JP2015021934A publication Critical patent/JP2015021934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6488538B2 publication Critical patent/JP6488538B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

本発明は、劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラムに関し、特には、蓄電池の劣化係数を決定する劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラムに関する。
蓄電池の劣化スピードは、温度や充電状態SOC(State of Charge)等で規定される蓄電池の使用条件に応じて変化する。
特許文献1には、使用条件に応じて蓄電池の劣化状態を推定する電池劣化推定方法が記載されている。
特許文献1に記載の電池劣化推定方法では、まず、温度とSOCにて予め区分された複数の使用条件ごとに蓄電池の劣化試験が行われ、図14に示したように、各使用条件下での蓄電池の容量維持率と蓄電池の通電電流量の平方根との関係を示す点が、使用条件ごとにサイクル特性図にプロットされる。
次に、使用条件ごとに、その使用条件についてプロットされた点にて形成される線に当てはまる関数を求めるフィッティング処理が行われる。
続いて、使用条件ごとに、フィッティング処理にて求められた関数の傾きがその使用条件での劣化係数として決定され、使用条件と劣化係数との関係が、図15に示したようなテーブルにまとめられる。
ここで、フィッティング処理によって得られた曲線または直線を「劣化曲線」と称し、図15に示したようなテーブルを「劣化係数テーブル」と称する。また、ある基準となる使用条件の劣化曲線を「基準劣化曲線」と称する。なお、特許文献1では、温度25度CとSOC幅が0〜100%にて区分された使用条件が、基準劣化モードでの使用条件(基準使用条件)として用いられている。
基準劣化曲線と、使用条件に応じた劣化係数と、を使用することで、様々な使用条件下での劣化曲線を表現することができる。
このため、ある使用条件での劣化係数を求めることができれば、その使用条件での蓄電池の劣化の推移や蓄電池の残存寿命を予測することが可能になる。なお、一般的に、容量維持率が80%を下回る時点を蓄電池の寿命と定めることが多い。
また、図15に示した例では、9パターンの使用条件において蓄電池の劣化実験が行われているが、より細かく使用条件を分けて劣化試験を行えば、その分、予測精度は向上し、逆に荒く使用条件を分けて劣化試験を行えば予測精度は悪化する。
特開2011−220900号公報
特許文献1に記載の電池劣化推定方法では、劣化係数を求めるために、予め定められた使用条件下で蓄電池の劣化試験を行う必要がある。使用条件には例えば蓄電池の種類、セルの種類、使用環境があり、劣化推定の精度を上げるためには多数の劣化試験が必要となる。このため、劣化係数を求めるために使用される蓄電池として、劣化試験が実施される蓄電池以外の蓄電池も使用可能な手法が求められている。
本発明の目的は、上記課題を解決可能な劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラムを提供することである。
本発明の劣化係数決定システムは、
蓄電池の状態を予め複数の区分に分割しておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別し、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定する特定手段と、
前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定する決定手段と、
を有し、
前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
前記決定手段は、
前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定する構成である。
本発明の劣化係数決定方法は、
劣化係数決定システムが実行する劣化係数決定方法であって、
蓄電池の状態を予め複数の区分に分割しておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別し、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定する特定ステップと、
前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定する決定ステップと、
を有し、
前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
前記決定ステップは、
前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定する方法である。
本発明のプログラムは、コンピュータに、
蓄電池の状態を予め複数の区分に分割させておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別させ、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定させる特定手順と、
前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定させる決定手順と、
を実行させるためのものであり、
前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
前記決定手順にて、
前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定させるためのものである。
本発明によれば、劣化係数を求めるために使用される蓄電池として、劣化試験が実施される蓄電池以外の蓄電池も使用可能になる。
本発明の一実施形態の蓄電池寿命予測システム1を示すブロック図である。 複数の条件の一例を示した図である。 蓄電池寿命予測システム1のハードウェア構成の一例を示した図である。 蓄電池寿命予測システム1の動作を説明するためのフローチャートである。 推移グラフの一例を示した図である。 推移グラフに、基準劣化曲線と、使用条件1〜nの各々の劣化曲線と、(D仮2,t1,2)と、(D仮3,t2,3)と、(D仮n,tn-1,n)とを示した図である。 劣化係数テーブルの一例を示した図である。 劣化曲線A1、Z1を使用する場合のグラフを示した図である。 蓄電池の使用履歴を示した図である。 容量維持率検出期間内で使用条件が一回変化している場合を示した図である。 使用条件の推移を示した図である。 使用条件に応じた劣化曲線を示した図である。 特定部4Aと劣化係数決定部5Aとからなる劣化係数決定システムを示した図である。 劣化試験結果を示した図である。 劣化試験結果から得られた劣化係数を示したテーブルを示した図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における蓄電池寿命予測システム1の構成例を示すブロック図である。
図1において、蓄電池寿命予測システム1は、劣化予測システムの一例であり、通信部2と、記憶部3と、特定部4と、劣化係数決定部5と、入力部6と、劣化推定部7と、出力部8と、を含む。通信部2と、記憶部3と、特定部4と、劣化係数決定部5とは、劣化係数決定システム9に含まれる。
通信部2は、情報受付手段の一例である。
通信部2は、通信ネットワーク101を介して蓄電池装置201〜20s(sは1以上の整数)と通信する。なお、通信部2は、通信ネットワーク101を介さずに蓄電池装置201〜20sと通信してもよい。
蓄電池装置201〜20sは同一構成である。このため、以下では蓄電池装置201〜20sのうち蓄電池装置201について説明する。
蓄電池装置201は、蓄電池201aと、制御部201bと、を含む。
蓄電池201aは、例えば一般家庭や企業等の需要家にて使用される蓄電池である。なお、蓄電池201aは、一般家庭や企業にて使用される蓄電池に限らない。例えば、蓄電池201aは試験用の蓄電池でもよい。
制御部201bは、内部時計を有し、蓄電池201aを制御する。例えば、制御部201bは、蓄電池201aの性能に関わる情報を時系列で検出し、その検出結果を通信部2に送信する。また、制御部201bは、蓄電池201aの充電および放電を制御する。
制御部201bは、蓄電池201aの性能に関わる情報として、蓄電池201aの性能と、蓄電池201aの性能に影響する蓄電池201aの状態(以下、単に「状態」とも称する)とを、それぞれ時系列で検出し、各検出結果を通信部2に送信する。
このため、通信部2に対しては、蓄電池201の性能を時系列で表す情報(以下「性能情報」と称する)と、蓄電池201の状態を時系列で表す情報(以下「状態情報」と称する)が、送信されることになる。なお、性能情報は、蓄電池201の性能の推移を表し、状態情報は、蓄電池201の状態の推移を表す。
制御部201bは、蓄電池201aの性能として、蓄電池201aの容量維持率を検出する。
容量維持率は、蓄電池201aの初期容量に対する蓄電池201aのある時点での容量の比である。制御部201bは、例えば以下のようにして蓄電池201aの容量維持率を検出する。制御部201bは、蓄電池201aと接続されると、蓄電池201aの容量を検出し、その検出結果を蓄電池201aの初期容量として保持する。その後、制御部201bは、蓄電池201aの容量を再検出し、その再検出結果を初期容量で除算した結果に100を乗算することによって、蓄電池201aの容量維持率を検出する。
なお、蓄電池201aの性能は、蓄電池201aの容量維持率に限らず適宜変更可能である。例えば、蓄電池201a性能として、蓄電池201aの抵抗や、蓄電池201aの満充電容量が用いられてもよい。
制御部201bは、蓄電池201aの状態として、蓄電池201aの温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateを検出する。
なお、蓄電池201aの状態は、蓄電池201aの温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateに限らず適宜変更可能である。例えば、蓄電池201aの状態として、蓄電池201aの電圧や、蓄電池201aに入出力する電流が用いられてもよい。
本実施形態では、制御部201bは、蓄電池201aの状態の検出時間間隔を、蓄電池201aの状態の検出時間間隔よりも短くしている。なお、蓄電池201aの状態の検出時間間隔が、蓄電池201aの性能の検出時間間隔と同じでもよい。
また、制御部201bは、蓄電池201aの性能(性能の検出結果)に、その性能が検出された蓄電池201aの識別情報(以下「蓄電池ID」と称する)と、その性能の検出時刻を表す検出時刻情報と、を付加し、蓄電池IDと検出時刻情報が付加された性能(以下「付加情報付き性能」と称する)を、通信部2に送信する。
また、制御部201bは、蓄電池201aの状態(状態の検出結果)に、その状態が検出された蓄電池201aの蓄電池IDと、その状態の検出時刻を表す検出時刻情報と、を付加し、蓄電池IDと検出時刻情報が付加された状態(以下「付加情報付き状態」と称する)を、通信部2に送信する。
なお、同時刻に検出された蓄電池201aの性能および状態によって、その時刻における蓄電池201aの状態(使用条件)での蓄電池201aの性能が表される。
通信部2は、蓄電池装置201〜20sから、付加情報付き性能と付加情報付き状態とを受信する。通信部2は、付加情報付き性能と付加情報付き状態とを記憶部3に記憶する。
記憶部3は、例えば不揮発性メモリなどの記録媒体であり、種々の情報を記憶する。
例えば、記憶部3は、付加情報付き性能と付加情報付き状態とを記憶する。
また、記憶部3は、基準劣化曲線を表す基準関数f(t)を記憶する。基準関数f(t)は、基準使用条件に対応するu(uは1以上の整数)個の基準定数と独立変数である蓄電池201aの使用時間tとに基づいて、使用時間tが経過した時点での蓄電池201aの性能を表す基準劣化曲線を表す。なお、基準使用条件に対応するu個の基準定数は、基準使用条件における劣化係数を意味する。
また、記憶部3は、蓄電池201aの温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateの組合せにて区分された複数の条件を記憶する。なお、複数の条件の各々には、「1」〜「p」(pは2以上の整数)までの通し番号が、条件の識別情報として割り当てられている。
図2は、複数の条件の一例を示した図である。
図2では、温度については「0度C以上10度C未満」と「10度C以上20度C未満」と「20度C以上30度C以下」という3つの区分が設定され、充電状態SOCについては「0%以上30%未満」と「30%以上70%未満」と「70%以上100%以下」という3つの区分が設定され、充放電速度C-rateについては「0C以上0.5C未満」と「0.5C以上1.0C未満」と「1.0C以上1.5C以下」という3つの区分が設定されている。図2では、温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateとの各々の3つの区分の組合せによって、27個の条件が表されている。なお、条件の数は、27個に限らず適宜変更可能である。
特定部4は、特定手段の一例である。
特定部4は、記憶部3に記憶された蓄電池201aの状態(温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateの組合せ)を、蓄電池201aの状態にて区分し、蓄電池201aの状態を包含する蓄電池201aの使用条件を特定する。
本実施形態では、特定部4は、記憶部3に記憶されている複数の条件の中から、記憶部3に記憶された蓄電池201aの状態(温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateの組合せ)のいずれかを含む該当条件を、蓄電池201aの使用条件として特定する。
劣化係数決定部5は、決定手段の一例である。
劣化係数決定部5は、記憶部3に記憶された性能を用いて、特定部4にて特定された使用条件単位で、使用条件下での劣化係数を決定する。なお、劣化係数は、使用条件下での蓄電池201aの劣化の状況(例えば、劣化の速さの程度)を表す。なお、劣化係数が表す劣化の状況は、劣化の速さの程度に限らず適宜変更可能である。劣化係数決定部5は、使用条件での劣化係数を記憶部3に記憶する。
入力部6は、条件受付手段の一例である。
入力部6は、蓄電池寿命予測システム1に、データや情報、指示などを与えるための装置であり、例えばキーボードやタッチパネルである。入力部6は、劣化係数決定部5にて決定された使用条件のうちの少なくとも1つを表す使用予定条件を受け付ける。
劣化推定部7は、生成手段の一例である。
劣化推定部7は、使用予定条件に表された使用条件に対して劣化係数決定部5が決定した劣化係数を用いて、使用予定条件に表された使用条件下での蓄電池201aの劣化の推移を表す劣化曲線を生成する。なお、劣化曲線は、劣化推移線の一例である。
出力部8は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタまたはスピーカであり、種々の情報を出力する。以下では、出力部8としてディスプレイが用いられるとする。出力部8は、例えば、劣化推定部7が生成した劣化曲線を表示する。
図3は、蓄電池寿命予測システム1のハードウェア構成の一例を示した図である。なお、図3において、図1に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
表示部8Aは、出力部8の一例である。演算処理部10は、特定部4と劣化係数決定部5と劣化推定部7と同様な機能を有する。なお、演算処理部10としてコンピュータが用いられた場合、演算処理部10は、例えば記憶部3に記憶されたプログラムを読み取り実行することによって、特定部4と劣化係数決定部5と劣化推定部7と同様の機能を実現する。演算処理装置10と通信部2と記憶部3は、蓄電池寿命予測装置11に含まれる。
次に、動作を説明する。
図4は、蓄電池寿命予測システム1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1にて、通信部2は、需要家に分散設置されている多数台の蓄電池装置201〜20sから、蓄電池201aの劣化に関わる情報の時系列データを取得する。
蓄電池201aの劣化に関わる情報の時系列データとは、各蓄電池201aが使用され始めてから現在までに検出(測定)された性能および状態の時系列データであり、蓄電池装置201〜20sの各々から時系列で送信された付加情報付き性能および付加情報付き状態である。なお、上述したように、性能は蓄電池201aの容量維持率を表し、状態は蓄電池201aの温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateを表す。
通信部2は、蓄電池201aの劣化に関わる情報の時系列データを、記憶部3に記憶する。
続いて、ステップS2では、特定部4が、ステップS1で取得された蓄電池201aの劣化に関わる情報の時系列データを用いて蓄電池201aの使用条件を特定し、劣化係数決定部5が、ステップS1で取得された蓄電池201aの劣化に関わる情報の時系列データと記憶部3に記憶された基準関数にて規定される基準劣化曲線とを使用して、蓄電池201aの各使用条件での劣化係数の値の導出、およびその値の更新を行う。
ここで、ステップS2について説明する。
まず、特定部4は、記憶部3内の付加情報付き状態に付加されている蓄電池ID(以下「付加蓄電池ID」と称する)を特定する。つまり、特定部4は、状態が検出された蓄電池を特定する。
続いて、特定部4は、記憶部3に記憶されている付加情報付き状態の中から、付加蓄電池IDのうちの1つの付加蓄電池ID(以下「特定蓄電池ID」と称する)が付加されている付加情報付き状態(以下「特定状態情報」と称する)を特定する。このとき特定された特定状態情報によって、特定蓄電池IDにて特定される蓄電池(以下「特定蓄電池」と称する)から検出された温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateの推移およびそれらの検出時刻の推移が表される。
続いて、特定部4は、記憶部3に記憶された複数の条件(例えば図2に示された27個の条件)のうち、いずれかの特定状態情報が表す状態(温度、充電状態SOCおよび充放電速度C-rateの組合せ)を含む該当条件を、蓄電池201aの使用条件として特定する。
本実施形態では、特定部4は、使用条件を特定するために使用する特定状態情報を、検出時刻情報の示す検出時刻が古い順に選択していき、特定状態情報を選択するごとに、その特定状態情報が表す状態を含む該当条件を、使用条件として特定していく。この際、特定部4は、該当条件に割り当てられていた通し番号を、その該当条件である使用条件に割り当てる。以下、使用条件に割り当てられた通し番号を、その使用条件の直後に示す。
そして、特定部4は、特定された使用条件を、その使用条件を特定するために用いた特定状態情報が有する検出時刻情報と関連づけて記憶部3に記憶し、劣化係数決定部5に、特定蓄電池IDと付加蓄電池IDとを通知する。
劣化係数決定部5は、特定蓄電池IDと付加蓄電池IDとを受け付けると、記憶部3に記憶されている付加情報付き性能の中から、特定蓄電池IDが付加されている付加情報付き性能(以下「特定性能情報」と称する)を特定する。このとき特定された特定性能情報によって、特定蓄電池から検出された容量維持率の推移およびそれらの検出時刻の推移が表される。
続いて、劣化係数決定部5は、各特定性能情報が表す検出時刻情報および容量維持率と、使用条件と使用条件に関連づけられた検出時刻情報と、を用いて、特定蓄電池の容量維持率の推移および使用条件の推移を表す推移グラフを作成する。
図5は、推移グラフの一例を示した図である。
図5に示した推移グラフでは、横軸を、特定蓄電池の使用時間としている。なお、劣化係数決定部5は、特定蓄電池の使用時間を、各検出時刻情報が表す検出時刻から、複数の検出時刻情報が表す検出時刻のうちで最古の検出時刻を減算することによって算出する。
また、図5に示した推移グラフでは、説明の便宜上、使用条件が通し番号「1」から「n」(nは2以上p以下の整数)まで1ずつ増加するように変化しているが、使用条件の変化は通し番号の順に変化することに限らない。
続いて、劣化係数決定部5は、記憶部3から基準関数f(t)を読み出す。なお、基準関数f(t)は、上述したように、基準使用条件に対応するu個の基準定数(劣化係数)と独立変数である蓄電池201aの使用時間tとに基づいて、使用時間tが経過した時点での蓄電池201aの性能を表す基準劣化曲線を規定する。
ここで、使用条件1における劣化係数をa1,b1,,,u1、使用条件2における劣化係数をa2,b2,,,u2、使用条件nの劣化係数をan,bn,,,un、とすると、基準関数f(t)を用いることによって、使用条件1での劣化曲線をf1(t,a1,b1,,,u1)、使用条件2での劣化曲線をf2(t,a2,b2,,,u2,)、使用条件nでの劣化曲線をfg(t,an,bn,,,un)と表すことができる。なお、以下では、説明の簡略化を図るため、「a1,b1,,,u1」を「a1,b1,,,」と表し、「a2,b2,,,u2」を「a2,b2,,,」と表し、「an,bn,,,un」を「an,bn,,,」と表す。
また、図5において、各特定性能情報から特定される容量維持率と使用時間との関係を示したデータをそれぞれ(D実測1,t1)、(D実測n+1,tn)とする。
図6は、図5に示した推移グラフに、基準劣化曲線と、使用条件1〜nの各々の劣化曲線と、(D仮2,t1,2)と、(D仮3,t2,3)と、(D仮n,tn-1,n)とを示した図である。
なお、(D仮2,t1,2)は、使用条件1と使用条件2の変わり目のときの容量維持率と使用時間の関係を示し、(D仮3,t2,3)は、使用条件2と使用条件3の変わり目のときの容量維持率と使用時間の関係を示し、(D仮n,tn-1,n)は、使用条件n-1と使用条件nの変わり目のときの容量維持率と使用時間との関係を示す。
ただし、t1,2は、使用条件1と使用条件2の変わり目の時の使用時間である。また、D仮2、は、使用時間t1,2のときの容量維持率であるが、図5に示したように、使用時間t1,2のときに容量維持率を検出していないため、蓄電池寿命予測システム1は、使用時間t1,2での容量維持率を所持していない。そのため、ここでは、使用時間t1,2のときの容量維持率を、仮の容量維持率として定義し、D仮2と示す。
図6では、実際に検出された容量維持率のデータ点を黒丸で、実際には検出されていない仮の容量維持率のデータ点を白丸で表現している。
使用条件が、加速劣化可能範囲であり、かつ劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,が正しい値であれば、
が成り立つ。
なお、(1)式の左辺は第1時間を表し、(1)式の右辺は所定関数の一例であり第2時間を表す。
(1)式は、加速劣化が成り立っていることを意味している。ただしf-1(D,a,b,,,)は、f(t,a,b,,,)の逆関数である。
よって、劣化係数決定部5は、(1)式の左辺と右辺の差の絶対値(もしくは左辺と右辺の差の二乗や四乗など)が最小になる劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,を算出する最適化計算を行って、劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,を求める。
以下、劣化係数決定部5が実行する最適化計算について説明する。
劣化係数決定部5は、まず、特定蓄電池IDが付加されている付加情報付き性能(特定性能情報)と基準関数f(t)とを用いて、評価関数Z:
を作成する。
続いて、劣化係数決定部5は、上記と同様の手順で、他の付加蓄電池IDごとに、その付加蓄電池IDが付加されている付加情報付き性能と基準関数f(t)とを用いて、(2)式のような評価関数を作成する。
続いて、劣化係数決定部5は、作成したすべての評価関数の和が最小になる劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,を算出する。
ただし、(2)式は、(1)式の左辺と右辺の差の2乗を最小化するように定めた場合の評価関数であり、(1)式の左辺と右辺の差の絶対値を最小化する場合には、(2)式の右辺は(1)式の左辺と右辺の差の絶対値となり、(1)式の左辺と右辺の差の4乗を最小化する場合には、(2)式の右辺の次数が4になる。
(2)式の評価関数では、D仮2,D仮3,,,などの実際には検出(測定)できていない仮のパラメータが入った式であるが、これらは、「使用条件間の切り替わり時に、切り替わり前の使用条件の劣化曲線が表す容量維持率と切り替わり後の使用条件の劣化曲線が表す容量維持率が一致する」という条件(以下「接続条件」とも称する)を利用して、実際に検出された値(付加情報付き性能と付加情報付き状態)を用いて表すことができる。このため、最終的に評価関数Zは、劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,および検出可能なパラメータt1,t1,2,t2,3,,,tn-1,n,tn,D実測1,D実測nのみを用いた式で表わすことができる。なお、t1,2,t2,3,,,tn-1,nは、付加情報付き状態が有する検出時間情報を用いて特定される。
接続条件を用いて仮のパラメータを消す手法については後述する。なお、評価関数Zに仮のパラメータが存在しない場合(使用条件が切り替わらない場合)には、劣化係数決定部5は、評価関数Zを、付加情報付き性能と基準関数f(t)とを用いて作成する。
また、図5、6の場合は、説明の便宜上、使用条件が1からnまで順番に変化しているが、実運用上の使用条件の順序は任意であり、それに応じて(2)式を変形させる必要がある。
続いて、劣化係数決定部5は、算出した劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,と使用条件とを関連づけた劣化係数テーブルを作成する。なお、事前に劣化係数テーブルが作成されている場合には、劣化係数決定部5は、算出した劣化係数a1,a2,,,b1,b2,,,を用いて、劣化係数テーブルを更新する。
図7は、劣化係数テーブルの一例を示した図である。
図7において、劣化係数テーブルに示された使用条件は、図2に示した条件に対応し、使用条件ごとに、劣化係数が示されている。
なお、図7に示された劣化係数テーブルでは、使用条件は、温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateという3つのパラメータにて分類されているが、使用条件を分類するためのパラメータは、温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateの3つに限らず適宜変更可能である。なお、使用条件を分類するためのパラメータを変更する場合、その変更に合わせて、図2に示した条件を分類するためのパラメータを変更することになる。
以上でステップS2が終了する。
続いて、ステップS3にて、劣化係数決定部5は、劣化係数の関数化を行う。
ここで、ステップS3について説明する。
劣化係数決定部5は、ステップS2で作成した劣化係数テーブルに示された劣化係数の値を、各使用条件を規定する使用条件パラメータ(例えば、使用条件を規定する温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateの各値の組合せ)を引数とした任意の関数形でフィッティングを行い、a(P1,P2,,,),b(P1,P2,,,),,,を作成する。
ただし、P1、P2、は、それぞれ、使用条件パラメータ1(例えば、使用条件1に対応する温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateの各値の組合せ)、使用条件パラメータ2(例えば、使用条件2に対応する温度と充電状態SOCと充放電速度C-rateの各値の組合せ)、のことである。
また、ここで、フィッティングができない場合は、劣化係数決定部5は、各使用条件間の劣化係数を線形補完するだけでもよい。以下、ここで作成した関数化された劣化係数a(P1,P2,,,),b(P1,P2,,,),,,を、劣化係数関数と称する。
続いて、劣化係数決定部5は、劣化係数関数を記憶部3に記憶する。
以上でステップS3が終了する。
続いて、ステップS4では、入力部6が、今後の劣化予測対象蓄電池の使用予定もしくは予測を行いたい使用条件を表す使用予定条件を受け付ける。なお、使用予定条件にて表される内容(使用条件)は、使用条件パラメータP1,P2,,,で表現可能である。このため、例えば、使用予定条件としては、使用予定の使用条件に対応する使用条件パラメータや予測を行いたい使用条件に対応する使用条件パラメータを表す情報が用いられる。
また、使用予定条件にて表される使用条件は1つとは限らず、使用予定期間がそれぞれ示された2つ以上の使用条件が、使用予定条件にて表されてもよい。
また、使用予定条件は、劣化予測対象蓄電池の蓄電池IDも表す。
入力部6は、使用予定条件を劣化推定部7に出力する。
続いて、ステップS5では、劣化推定部7は、入力部6から使用予定条件を受け付けると、記憶部3から劣化係数関数を読み出し、入力部6から受け付けた使用予定条件にて特定される使用条件パラメータを用いて、劣化係数関数を用いて、使用条件パラメータにて特定される劣化係数を取得する。
続いて、劣化推定部7は、記憶部3から基準関数f(t)を読み出し、基準関数f(t)内のu個の基準定数を、取得した劣化係数に置き換えていく。
そして、劣化推定部7は、基準定数を劣化係数に置き換えるごとに、基準劣化曲線から変更された劣化曲線、つまり、置き換え後の劣化係数に対応する使用条件での劣化曲線を生成していく。
続いて、劣化推定部7は、生成した劣化曲線を、図8に示すようにグラフに描く。劣化推定部7は、そのグラフを出力部8に表示する。
図8は、使用条件Aと使用条件Zの2種類の劣化曲線A1、Z1を使用する場合のグラフであり、横軸が使用時間を表し、縦軸が容量維持率を表す。
以下では、説明の簡略化のため、使用予定条件が「使用条件Aが時間ta1使用され、その後、使用条件Zが使用されること」を示していたとする。
図8において、P1,A,P2,A,,,P1,Z,P2,Zは、それぞれ、使用条件Aの使用条件パラメータ1、使用条件Aの使用条件パラメータ2,,,使用条件Zの使用条件パラメータ1、使用条件Zの使用条件パラメータ2を表している。
続いて、ステップS6では、劣化推定部7は、ステップS5で作成した図を用いて、残存寿命の予測を行う。
ここで、ステップS6について説明する。
劣化推定部7は、まず、使用予定条件に表された劣化予測対象蓄電池の蓄電池IDを用いて、記憶部3から、劣化予測対象蓄電池の最古と最新の付加情報付き性能を読み出す。
続いて、劣化推定部7は、劣化予測対象蓄電池の最古と最新の付加情報付き性能を用いて、劣化予測対象蓄電池の現在の容量維持率と、劣化予測対象蓄電池の現在までの使用時間と、を求める。
続いて、劣化推定部7は、劣化予測対象蓄電池の現在の容量維持率と、劣化予測対象蓄電池の現在までの使用時間と、の関係を表す点g1を、出力部8に表示されている図(図8参照)に記載する。
続いて、劣化推定部7は、使用予定条件が「使用条件Aが時間ta1使用され、その後、使用条件Zが使用されること」を示しているので、出力部8が表示している図において、点g1から、最初に使用される使用条件Aに対応する劣化曲線A1のうち、点g1が表す容量維持率と同じ容量維持率を表す点g2に向けて、矢印g3を記載する。
続いて、劣化推定部7は、劣化曲線A1のうち、点g2から時間ta1経過した時点の容量維持率を表す点g4を特定し、出力部8が表示している劣化曲線A1において、点g2を始点とし点g4を終点とする部分を示す寿命曲線g5を記載する。
続いて、劣化推定部7は、出力部8が表示している図において、点g4から、使用条件Aの次に使用される使用条件Zに対応する劣化曲線Z1のうち、点g4が表す容量維持率と同じ容量維持率を表す点g6に向けて、矢印g7を記載する。
続いて、劣化推定部7は、出力部8が表示している劣化曲線Z1において、点g6を始点とし、点g6よりも劣化曲線Z1が表す容量維持率が低下する方向に伸びる部分を示す寿命曲線g8を記載する。
そして、劣化推定部7は、出力部8が表示している寿命曲線g5またはg8において、容量維持率が閾値以下(例えば、容量維持率が80%以下)になった時点(点g9)を、劣化予測対象蓄電池の寿命と判断する。
続いて、劣化推定部7は、出力部8が表示している寿命曲線g8が示す部分を、劣化曲線Z1において点g6を始点とし点g9を終点とする部分とする。
ここで、寿命曲線g5と寿命曲線g8で示された部分にて特定される使用時間が残存寿命となる。図8の場合には、使用時間ta1+使用時間tz1が残存寿命となる。
本実施形態では、説明の便宜上、図5、6、8のように、横軸を使用時間t、縦軸を容量維持率Dのグラフを用いて説明を行った。しかし、グラフの縦軸は容量維持率D以外の、蓄電池の劣化の進行度合いを表せる指標(例えば、内部抵抗や満充電容量)でもよく、また、横軸は、使用時間t以外の劣化と何らかの相関があるパラメータ(充放電積算電力量や充放電積算電流量など)でもよい。
次に、基準劣化曲線を示す基準関数f(t)の一例を示して、蓄電池寿命予測システム1の動作の一例を説明する。
1使用条件以上の固定使用条件下の蓄電池の基準劣化曲線がルート則に従うと分かっており、この蓄電池が任意に使用されている状況下で需要家側に分散設置されて、各々の蓄電池から蓄電池の劣化に関わる情報(容量維持率(D)、温度(T)、充電状態SOC(S)、充放電速度C-rate(C)、時刻tx)が得られるとする。ルート則とは、蓄電池の容量維持率の低下が、蓄電池の使用時間もしくは蓄電池の使用サイクル数の平方根に比例するという一般的な法則である。
基準劣化曲線は
のように表せる。
(3)式において、Tは温度、Sは充電状態SOC、Cは充放電速度C-rate、a(T,S,C)は劣化係数である。(3)式は、劣化の進行が、劣化係数と使用時間の平方根との積で単純に表現できることを意味する。
また、劣化係数テーブルに関しては、使用条件を区画するためのパラメータとして、温度、充電状態SOC、充放電速度C-rateの三種類が用いられ、各々のパラメータの使用区分を3つに分ける。つまり、図7のような劣化係数テーブルが作成される。使用条件を区画するためのパラメータの種類が3種類であるため、劣化係数テーブルは、3次元テーブルとなる。表記の都合上、各充放電速度C-rateごとに計3つのテーブルを用いて、この3次元劣化係数テーブルが表されている。使用条件の数は全部で27種であり、また(3)式から、各使用条件の劣化係数の種類はaの一つだけである。
なお、新たにbという劣化係数を導入して基準劣化曲線を
としてもよいが、今回は計算を簡略化するために劣化係数としてaのみを用い、基準劣化曲線として(3)式が採用される。
まず、ステップS1にて、通信部2は、需要家に分散設置されている多数台の蓄電池装置201〜20sから、蓄電池の劣化に関わる情報(付加情報付き性能と付加情報付き状態)を時系列データとして取得する。ここでは、各蓄電池201aが使用され始めてから現在までに検出(測定)された、容量維持率、温度、充電状態SOC、充放電速度C-rate、検出時刻を表す時系列データが取得される。通信部2は、これらの時系列データを、記憶部3へ記録する。
次に、ステップS2にて、図7に示した劣化係数テーブルが完成される。
仮に、ある蓄電池の使用履歴が図9のようであった場合におけるステップS2の説明を行う。
図9は、容量維持率が使用時間t0,t1,t3,t5で検出されており、使用時間t0〜t2の期間は使用条件4、使用時間t2〜t4の期間は使用条件13、使用時間t4〜t5の期間は使用条件22で蓄電池が使用された場合を示した図である。
この場合、特定部4は、付加情報付き状態を用いて、使用条件4、使用条件13および使用条件22と、使用時間t2およびt4を特定する。
そして、劣化係数決定部5は、容量維持率の検出期間内の、使用時間t0〜t1と使用時間t1〜t3と使用時間t3〜t5の各々について(2)式の評価関数を作る。なお、劣化係数決定部5は、付加情報付き性能を用いて、使用時間t0,t1,t3およびt5を特定する。
使用時間t0〜t1での評価関数は、
となる。
なお、(5)式には仮の値が存在しない。このため、劣化係数決定部5は、(5)式に示された各値を、付加情報付き性能を用いて特定する。
使用時間t1〜t3での評価関数は、
となる。
使用時間t3〜t5での評価関数は、
となる。
なお、(6)式の右辺の上段にはD仮2が存在し、(7)式の右辺の上段にはD仮4が存在するが、これらは、使用条件間の接続条件を利用して、実際に検出された値(付加情報付き性能に示された値と付加情報付き状態に示された値)を用いて表すことができる。
ここで、D仮2やD仮4を実際に検出された値を用いて表す手法について説明する。
図10は、容量維持率検出期間内で、使用条件が一回変化している場合(使用条件h1から使用条件h2へ変化している場合)を示した図である。
図10では、使用条件h1での劣化曲線fh1と、使用条件h2での劣化曲線fh2と、容量維持率の実測値「D実測1」、「D実測2」と、容量維持率「D実測1」、「D実測2」を実測したときの使用時間「th1」、「th3」とが示されている。容量維持率「D実測1」、「D実測2」と使用時間「th1」、「th3」は、付加情報付き性能に示された値を用いて表すことができる。
なお、劣化曲線fh1は、fh1=D=f(t,ah1)=100−ah1t0.5 …(8)
劣化曲線fh2は、fh2=D=f(t,ah2)=100−ah2t0.5 …(9)
とそれぞれ表せる。
また、使用条件が使用時間th2で切り替わり、その時の仮の容量維持率をD仮とする。使用時間th2は、付加情報付き情報に示された値を用いて表すことができる。
また、劣化曲線fh1において、仮の容量維持率D仮と同じ容量維持率になる使用時間をt'h2とする。また、劣化曲線fh2において、仮の容量維持率D仮と同じ容量維持率になる使用時間をt''h2とする。また、劣化曲線fh1において、容量維持率D実測1と同じ容量維持率になる使用時間をt'h1とする。また、劣化曲線fh2において、容量維持率D実測2と同じ容量維持率になる使用時間をt'h3とする。
ここで、ah1,ah2が正しい値である場合には次が成り立つ。
(t'h2 − t'h1)+(t'h3 − t''h2) = th3 − th1
そのため、以下の(10)式の値が最小になるようにah1,ah2を決めればよい。
[(th3 − th1) - (t'h2 − t'h1) - (t'h3 − t''h2)]2 …(10)
ここで、(8)式と(9)式から、 t'h2 、t'h1、t'h3、t''h2を計算すると、
また、ah1、ah2が正しい値であれば、以下の(15)式が成り立つ。
t'h2 − t'h1 = th2 − th1 → t'h2 =th2 − th1 + t'h1 (15)
ここで、(15)式を(11)式に代入して変形すると、
D仮 = 100 − ah1(th2-th1+t'h1)0.5 (16)
となり、(12)式を(16)式に代入することによって、D仮を、実際に検出された値を用いて表すことができる。
次に、(10)式に、(11)式、(12)式、(13)式、(14)式を代入すると、
が得られる。
(17)式に(16)式を代入して変形すると、
となる。
ここで、上記(6)式は、(18)式において、th2→t2、th3→t3、th1→t1、D実測2→D実測3、ah2→a13、ah1→a4の場合と等価である。
また、上記(7)式は、(18)式において、th2→t4、th3→t5、th1→t3、D実測2→D実測5、ah2→a22、ah1→a13の場合と等価である。
以上が、D仮2やD仮4を実際に検出された値を用いて表す手法についての説明である。
劣化係数決定部5は、上記と同様の手順で、蓄電池IDごとに、その蓄電池IDが付加されている付加情報付き状態および付加情報付き性能を用いて評価関数を作成する。
劣化係数決定部5は、作成したすべての評価関数の和が最小になる劣化係数a1,a2,,,a27を求めることにより、図7に示した劣化係数テーブルを作成する。なお、容量維持率の検出期間内で使用条件が変更しない場合には、劣化係数決定部5は、仮の値を用いずに劣化係数を算出する。
続いて、ステップS3では、劣化係数決定部5は、劣化係数の関数化を行う。
まず、劣化係数決定部5は、ステップS2で作成した劣化係数テーブルの値を、T,S,Cを引数とした任意の関数形でフィッティングを行い、a(T,S,C)を作成する。
今回、劣化速度が、温度Tに関してはアレニウス則(ある温度下での化学反応の速度を表現する式)に従い、充電状態SOCと充放電時間C-rateに対しては指数関数的に増加するという仮定を導入して作成した以下の(19)式を用いて、劣化係数決定部5はフィッティングを行う。
続いて、劣化係数決定部5は、(19)式のα、β、γを図7の劣化係数テーブルの値を用いて導出する。
ただし、(19)式は、前記仮定をもとに作成した式であり、より物性的に明らかになっている依存性がある場合はそちらの式を導入することが望ましい。また、ここでのフィッティングができない場合には、劣化係数決定部5は、単純に劣化係数テーブルの各使用条件間の劣化係数の値を線形補完するだけでもよい。
続いて、ステップS4では、入力部6が使用予定条件を受け付ける。
今回は、使用予定条件は、以下の内容を表すとする。
まず、T=23度Cで、S=60%からC=0.1で1.5時間放電(以下「使用予定E1」と称する)、
続いて、T=26度Cで、S=45%で 3時間保存(以下「使用予定E2」と称する)、
続いて、T=22度Cで、S=45%からC=0.2 で1時間充電(以下「使用予定E3」と称する)、
以後、ずっとT=28℃で、S=65%で保存(以下「使用予定E4」と称する)。
この場合の使用条件を、グラフに書くと図11のようになる。
続いて、ステップS5では、劣化推定部7は、ステップS4で受け付けた使用予定条件から特定される使用条件(図11参照)をもとに、各使用条件の劣化曲線を作り、各劣化曲線を図12のようにグラフに描き、そのグラフを出力部8に表示する。
今回の場合、使用予定E1〜E4の使用条件を表現するために、劣化推定部7は、以下の5種類の劣化関数を使用する。ただし、今回は説明の便宜上、Tは1度C刻み(T=,,,21度C,22度C,23度C,24度C,,,)、Sは20%(S=10%,30%,50%,70%,90%)刻み、Cは0.1C刻み(C=0.0.1,0.2,,,)としている。このため、例えばS=41%〜60%の場合は、S=50%の使用条件に丸め込まれる。
使用条件F1(使用予定E1に対応):
使用条件F2(使用予定E2に対応):
使用条件F3(使用予定E3に対応):
使用条件F3´(使用予定E3に対応):
使用条件F4(使用予定E4に対応):
劣化推定部7は、これら5つの劣化関数に示される劣化曲線を図12のようにグラフに描き、そのグラフを出力部8に表示する。
続いて、ステップS6では、劣化推定部7は、ステップS5で作成した図を用いて、残存寿命の予測を行う。
まず、劣化推定部7は、劣化予測の対象となる蓄電池の現在の容量維持率を取得し、その取得結果j1をグラフに記載する。
続いて、劣化推定部7は、取得結果j1を図12の矢印j2のように使用条件F1の劣化曲線に射影し、その後、蓄電池が、矢印j3のように、その使用条件下で劣化していくことを想定する。
今回の場合は、劣化推定部7は、劣化予測の対象となる蓄電池が、今後、使用条件F1で1.5時間、使用条件F2で3時間、使用条件F3と使用条件F3´で1時間使用され、その後、使用条件F4で使い続けられた場合の残存寿命を予測する。
使用条件F4で容量維持率が80%を下回った時点を寿命であるとしてt´を計算することができるため、劣化推定部7は、残存寿命を、使用条件F1で使用する時間と、使用条件F2で使用する時間と、使用条件F3および使用条件F3´で使用する時間と、使用条件F4で使用するt´の和で表す。つまり、劣化推定部7は、残存寿命=1.5+3+1+t´を算出する。劣化推定部7は、その残存寿命を出力部8に表示する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、特定部4は、状態情報を蓄電池の状態にて区分し、状態情報に含まれる蓄電池の状態を包含する蓄電池の使用条件を特定する。劣化係数決定部5は、性能情報を用いて、使用条件下での劣化係数を決定する。
このため、劣化試験が実施されない蓄電池についての性能情報および状態情報を用いて、使用条件下での劣化係数を求めることも可能になる。よって、劣化係数を求めるために使用される蓄電池として、劣化試験が実施される蓄電池以外の蓄電池も使用可能になる。また、劣化試験をなくすことができるため、劣化試験に要する費用コストおよび時間コストを削減することが可能になる。
なお、上記効果は、状態情報を蓄電池の状態にて区分し、状態情報に含まれる蓄電池の状態を包含する蓄電池の使用条件を特定する特定部4Aと、性能情報を用いて、使用条件下での劣化係数を決定する劣化係数決定部5Aとからなる劣化係数決定システムでも奏する。
図13は、特定部4Aと劣化係数決定部5Aとからなる劣化係数決定システムを示した図である。
また、本実施形態では、劣化係数決定部5は、性能の検出時刻の推移を用いて蓄電池201aの使用時間帯の長さを表す第1時間(例えば、(1)式の左辺)を特定する。また、劣化係数決定部5は、蓄電池201aの使用時間帯内の時刻に検出された状態を用いて特定された使用条件(例えば、図5の使用条件1〜n)である特定使用条件における蓄電池201aの性能を、性能情報または性能情報と状態情報を用いて特定する。また、劣化係数決定部5は、特定使用条件における蓄電池の性能と特定使用条件の劣化係数とに基づいて蓄電池201aが特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数(例えば、(1)式の右辺)を用いて、その使用時間を表す第2時間を特定する。そして、劣化係数決定部5は、第1時間と第2時間との差の絶対値が最小となる劣化係数を決定する。このため、高い精度で劣化係数を決定することが可能になる。
また、本実施形態では、特定部4は、蓄電池の状態にて予め区分された複数の条件のうち、状態情報が表す状態のいずれかを含む該当条件を、使用条件として特定する。このため、該当条件に対応する劣化係数を求めることが可能になる。
また、本実施形態では、入力部6は、特定部4にて特定された使用条件のうちの少なくとも1つを表す使用予定条件を受け付ける。劣化推定部7は、使用予定条件に表された使用条件に対して劣化係数決定部5が決定した劣化係数を用いて、使用予定条件に表された使用条件下での蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線を生成する。このため、劣化曲線にて、使用予定条件に表された使用条件下での蓄電池の劣化の推移予測を表すことが可能になる。
また、本実施形態では、劣化推定部7は、使用予定条件が複数の使用条件を表す場合、複数の使用条件の各々について劣化曲線を生成し、複数の劣化曲線を用いて使用予定条件に応じた劣化の推移を表す。このため、複数の使用条件が用いられる場合にも、蓄電池の劣化の推移予測を表すことが可能になる。
また、本実施形態では、蓄電池装置201〜20sから受け付けた蓄電池の劣化に関わる情報の量が増やすことによって、劣化係数の精度を高くすることが可能になる。
本実施形態において、蓄電池としては、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池、またはニッケル水素電池が用いられてもよいが、蓄電池は、これらに限らず適宜変更可能である。また、本実施形態は、二次電池の劣化推定に限られず燃料電池の劣化推定に用いることも可能である。その場合には、温度を状態情報、発電効率を性能情報として用いることができる。
また、本実施形態において、蓄電池寿命予測システム1や劣化係数決定システム9は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、このコンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、蓄電池寿命予測システム1や劣化係数決定システム9が有する機能を実行する。なお、記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータに配信され、この配信を受けたコンピュータがこのプログラムを実行してもよい。
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1 蓄電池寿命予測システム
2 通信部
3 記憶部
4、4A 特定部
5、5A 劣化係数決定部
6 入力部
7 劣化推定部
8 出力部
8A 表示部
9 劣化係数決定システム
10 演算処理部
11 蓄電池寿命予測装置
101 通信ネットワーク
201〜20s 蓄電池装置
201a 蓄電池
201b 制御部

Claims (5)

  1. 蓄電池の状態を予め複数の区分に分割しておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別し、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定する特定手段と、
    前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定する決定手段と、
    を有し、
    前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記決定手段は、
    前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
    前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
    前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
    前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定する、劣化係数決定システム。
  2. 請求項1に記載の劣化係数決定システムと、
    前記特定手段にて特定された使用条件のうちの少なくとも1つを表す使用予定条件を受け付ける条件受付手段と、
    前記使用予定条件に表された使用条件に対して前記決定手段が決定した劣化係数を用いて、前記使用予定条件に表された使用条件下での前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化推移線を生成する生成手段と、を含む劣化予測システム。
  3. 請求項2に記載の劣化予測システムにおいて、
    前記生成手段は、前記使用予定条件が複数の前記使用条件を表す場合、前記複数の使用条件の各々について前記劣化推移線を生成し、前記複数の劣化推移線を用いて前記複数の使用条件下での前記劣化の推移を表す、劣化予測システム。
  4. 劣化係数決定システムが実行する劣化係数決定方法であって、
    蓄電池の状態を予め複数の区分に分割しておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別し、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定する特定ステップと、
    前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定する決定ステップと、
    を有し、
    前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記決定ステップは、
    前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
    前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
    前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
    前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定する、劣化係数決定方法。
  5. コンピュータに、
    蓄電池の状態を予め複数の区分に分割させておき、前記蓄電池から検出された該蓄電池の各時刻における状態が前記複数の区分のうちのいずれの区分に含まれるかをそれぞれ判別させ、判別した時刻毎の区分を前記蓄電池の各時刻における使用条件として特定させる特定手順と、
    前記蓄電池の性能の推移を表す性能情報及び前記蓄電池の前記状態の推移を表す状態情報を用いて、前記使用条件毎の前記蓄電池の劣化の推移を表す劣化曲線に含まれる係数である劣化係数の値を前記使用条件毎にそれぞれ決定させる決定手順と、
    を実行させるためのものであり、
    前記性能は、前記蓄電池の容量維持率、抵抗、満充電容量の少なくとも一つを含み、かつ、前記性能情報は、前記性能と前記性能の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記状態は、前記蓄電池の温度、充電状態SOC、充放電速度C−rate、電圧、電流の少なくとも一つを含み、かつ、前記状態情報は、前記状態と前記状態の検出時刻との推移を表すものであり、
    前記決定手順にて、
    前記性能の検出時刻の推移を用いて前記蓄電池の使用時間帯の長さを示す第1時間を特定し、
    前記蓄電池の使用時間帯内の時刻に検出された前記状態を用いて特定された特定使用条件における前記蓄電池の性能を、前記性能情報、または、前記性能情報と前記状態情報を用いて特定し、
    前記特定使用条件における前記蓄電池の性能と変数で示される劣化係数とを含む、前記蓄電池が前記特定使用条件下で使用された使用時間を表す所定関数を用いて、前記使用時間帯の長さを示す第2時間を数式として求め、
    前記第1時間と前記第2時間との差の絶対値、または、前記第1時間と前記第2時間との差の2n乗(nは自然数)が最小となる前記劣化係数の値を決定させるための、プログラム。
JP2013152723A 2013-07-23 2013-07-23 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム Expired - Fee Related JP6488538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013152723A JP6488538B2 (ja) 2013-07-23 2013-07-23 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013152723A JP6488538B2 (ja) 2013-07-23 2013-07-23 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015021934A JP2015021934A (ja) 2015-02-02
JP6488538B2 true JP6488538B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=52486491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013152723A Expired - Fee Related JP6488538B2 (ja) 2013-07-23 2013-07-23 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6488538B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016162900A1 (ja) * 2015-04-07 2017-12-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 蓄電池管理装置
EP3316387A4 (en) * 2015-06-25 2018-12-19 Hitachi, Ltd. Energy storage system
CN107179505B (zh) * 2016-03-09 2020-07-07 华为技术有限公司 电池健康状态检测装置及方法
JP6807014B2 (ja) * 2016-04-01 2021-01-06 株式会社Gsユアサ 推定装置、推定方法
JP6791702B2 (ja) * 2016-09-30 2020-11-25 ビークルエナジージャパン株式会社 二次電池モジュール
JP7119882B2 (ja) * 2018-10-15 2022-08-17 富士通株式会社 劣化予測プログラム、劣化予測方法、および劣化予測装置
JP6722955B1 (ja) * 2019-04-02 2020-07-15 東洋システム株式会社 バッテリー残存価値表示装置
JP6722954B1 (ja) * 2019-04-02 2020-07-15 東洋システム株式会社 バッテリー残存価値決定システム
KR102259852B1 (ko) * 2019-05-14 2021-06-03 한국자동차연구원 에너지 저장 시스템에서의 모듈라 관리 장치 및 방법
US20230286415A1 (en) 2020-07-29 2023-09-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Computing system, battery deterioration predicting method, and battery deterioration predicting program
JP7563046B2 (ja) * 2020-08-26 2024-10-08 株式会社Gsユアサ 蓄電装置、寿命判断方法
JP7490882B2 (ja) 2021-02-26 2024-05-27 株式会社日立製作所 遠隔監視システム、蓄電池システムおよび遠隔監視システムの制御方法
WO2022239617A1 (ja) * 2021-05-10 2022-11-17 古河電気工業株式会社 鉛蓄電池システム、鉛蓄電池の劣化推定方法及び再最適化プログラム
WO2024201974A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 三菱電機株式会社 劣化診断装置、劣化診断システム、および劣化診断方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4042917B1 (ja) * 2007-04-23 2008-02-06 株式会社パワーシステム キャパシタ電源の異常判別方法及び異常判別装置
JP2009193919A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Panasonic Corp 残寿命推定回路、及び残寿命推定方法
JP5310003B2 (ja) * 2009-01-07 2013-10-09 新神戸電機株式会社 風力発電用鉛蓄電池制御システム
US8519674B2 (en) * 2009-11-12 2013-08-27 GM Global Technology Operations LLC Method for estimating battery degradation in a vehicle battery pack
JP5466564B2 (ja) * 2010-04-12 2014-04-09 本田技研工業株式会社 電池劣化推定方法、電池容量推定方法、電池容量均等化方法、および電池劣化推定装置
KR101329826B1 (ko) * 2010-04-26 2013-11-14 도요타지도샤가부시키가이샤 축전 소자의 열화 추정 장치 및 열화 추정 방법
JP2014081238A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Sony Corp 電池劣化寿命推定方法、電池劣化寿命推定装置、電動車両および電力供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015021934A (ja) 2015-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6488538B2 (ja) 劣化係数決定システム、劣化予測システム、劣化係数決定方法およびプログラム
JP5852399B2 (ja) バッテリの状態予測システム、方法及びプログラム
JP7200762B2 (ja) 予測モデル生成装置、方法、プログラム、電池寿命予測装置、方法及びプログラム
EP3249774B1 (en) Battery selection device, battery selection method, program, and recording medium
JP5875037B2 (ja) バッテリの状態予測システム、方法及びプログラム
JP6441188B2 (ja) 電池管理装置、電池システムおよびハイブリッド車両制御システム
JP7299274B2 (ja) 電池モデル構築方法及び電池劣化予測装置
JP7497432B2 (ja) バッテリー性能予測
WO2015041093A1 (ja) 蓄電池性能評価装置およびその方法
EP2188642A2 (en) System and method for estimating long term characteristics of battery
EP2206191A2 (en) System and method for estimating long term characteristics of battery
AU2016416626B2 (en) Method and device for the use of an electrochemical energy storage device so as to optimize the service life
WO2021044132A1 (en) Method and system for optimising battery usage
JP2016163532A (ja) 電池管理装置、電池システムおよびハイブリッド車両制御システム
JP2014025739A (ja) 電池状態推定装置
EP3249775A1 (en) Excess/deficiency determination device, control method for same, control program, and recording medium
WO2020002880A1 (en) Vehicle power management system and method
EP4300109A1 (en) Device and method for predicting low voltage failure of secondary battery, and battery control system comprising same device
US10605868B2 (en) Performance tracking of an electrical energy storage system
CN113875067A (zh) 生成装置、预测系统、生成方法以及计算机程序
CN116774084A (zh) 电池退化的估计方法
CN116306214A (zh) 提供确定储能器的老化状态的老化状态模型的方法和设备
CN110337594B (zh) 对运行中的电化学装置的未来功能运行预后的改良性表征
GB2578369A (en) Information processing device, method therefor and computer program
JP7459161B2 (ja) モデル評価装置、フィルタ生成装置、モデル評価方法、フィルタ生成方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6488538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees