(第1の形態)
[0027]以下、図面を参照して本発明の第1の形態に係るゲームマシンについて説明する。図1は、本発明の第1の形態に係るゲームマシンの外観図である。この図に示すように、ゲームマシン1Aは、3台のステーションユニット2と、センターユニット3とを備えている。3台のステーションユニット2は、センターユニット3の周囲に配置されている。なお、図1では、3台のステーションユニット2が示されているが、ステーションユニット2の数は適宜に設定してよい。たとえば、ステーションユニット2の数は、1台でもよい。
[0028]ステーションユニット2では、たとえば、遊技価値としてのコインの消費と引き換えにスロットゲームが提供される。スロットゲームとは、複数のシンボルの表示が抽選結果に伴って変化するとともに、変化後における複数のシンボルの表示の組み合わせが所定の入賞配列を形成している場合に所定の特典が付与される周知のゲームを意味する。ステーションユニット2は、筐体5を有している。筐体5の前面には、ステーション表示装置としてのステーションモニタ6が設けられている。ステーションモニタ6には、スロットゲームを実行するためのゲーム画面GSが表示される。ステーションモニタ6として、たとえば、液晶ディスプレイ装置が利用される。ステーションモニタ6の下側には、コントロールパネル7が設けられている。コントロールパネル7には、コイン投入口8および、操作装置9が設けられている。操作装置9は、たとえば、ベッド操作その他の各種の操作をおこなうためのボタンスイッチといった操作部材を含んでいる。また、コントロールパネル7の下側には、コイン払い出し口10が設けられている。
[0029]一方、センターユニット3では、ステーションユニット2にて、所定の遊技条件が満たされた場合に、いわゆるルーレットゲーム(抽選の機会)が提供される。ルーレットゲームは、円形のルーレット盤と、このルーレット盤の外周に沿うように回転移動するボールと、を利用して抽選を実行する周知のゲームである。通常、ルーレット盤には、ボールを収容するための複数のポケットが外周に沿って設けられている。そして、ボールが入り込んだポケットに応じて特典が付与される。また、所定の遊技条件として、たとえば、スロットゲームにて、特定のシンボルが入賞配列を形成した場合に要件を満たす条件が採用される。なお、所定の遊技条件は、このような形態に限定されない。たとえば、入賞配列が一定数以上形成された場合に満たされる条件、特定の入賞配列が形成された場合に満たされる条件等、所定の遊技条件としてスロットゲームに関連する各種の条件が利用されてよい。あるいは、ステーションユニット2にて、スロットゲーム以外のゲームが実行される場合は、そのゲームに関連する各種の条件が所定の遊技条件として採用されてよい。
[0030]センターユニット3は、センター表示装置としてのセンターモニタ11および、物理的抽選機構としてのルーレットゲームユニットRGを備えている。ルーレットゲームユニットRGは、ルーレットリング12、ボール投入機構13および、ボール誘導路14と、を有している。ルーレットリング12は、手前側(ステーションユニット2が配置されている側)が下に、その反対側の奥側が上にそれぞれ位置して、傾斜を形成するように配置されている。また、ルーレットリング12は、奥側、つまり傾斜の上方がセンターモニタ11により隠されるように、センターモニタ11の下方に配置されている。ルーレットリング12は、リング駆動機構15(図2参照)により所定の方向に所定の速さで回転駆動される。ルーレットリング12の周囲には、複数の第1選択肢としての複数のポケット16が設けられている。各ポケット16には、所定の特典が関連付けられている。
[0031]ボール投入機構13は、物理的抽選媒体としてのボールBをボール誘導路14に投入するための機構である。つまり、ボール投入機構13によってボールBがボール誘導路14に投入される。ボール誘導路14は、ルーレットリング12の外周に沿って延びるように設けられている。ボール誘導路14の外周側、つまりルーレットリング12の反対側にはボールBの移動を制限するためのガード14gが設けられている。ガード14gは、ボールBがボール誘導路14から外れないようにボールBの移動を制限する。つまり、ボール誘導路14は、ボール投入機構13が投入するボールBの移動範囲を一定範囲に制限し、そのボールBをルーレットリング12のポケット16に誘導可能なように形成されている。各ポケット16の内部には、ボールBが入り込んだポケット16を検出可能なように、ボール検出用センサ17(図2参照)が設けられている。
[0032]一方、センターモニタ11は、3つのモニタ11l、11m、11rを含んでいる。これら3つのモニタ11l、11m、11rは、一つのセンターモニタとして機能するように使用される。これら3つのモニタ11l、11m、11rを区別しない場合には、センターモニタ11と表現する。センターモニタ11には、ルーレットリング12の隠された部分を補うような画像が表示される。具体的には、図1に示すように、センターモニタ11には、ルーレットリング12の隠された部分に対応する画像がルーレットリング12と連続性を有するように表示される。また、ルーレットリング12が回転している間は、ルーレットリング12の回転を仮想的に演出するように、センターモニタ11に表示されたルーレットリング12に対応する画像も回転する。同様に、ルーレットリング12が停止した場合には、センターモニタ11に表示されたルーレットリング12に対応する画像も停止する。このような画像の表示は、ルーレットリング12の動作、つまり回転および停止をシミュレーションすることにより実現される。
[0033]ルーレットゲームが開始されると、ルーレットリング12が回転を開始する。また、ボールBがボール投入機構13よりボール誘導路14に投入される。投入されたボールBは、ボール誘導路14に沿って移動する。ルーレットリング12は、手前側が下に位置するように傾斜しているため、ボール誘導路14にも同様の傾斜が形成されている。したがって、投入されたボールBは、ボール誘導路14に沿って一旦ボール投入機構13の反対側に向かって移動するが、傾斜の途中で移動方向を変え、またボール投入機構13側に戻るように移動する。このような移動を何度か繰り返した後に、ボールBの移動範囲は、ボール誘導路14の最も下方の位置、つまりルーレットリング12の最も下方の位置に収束していく。そして、そのボールBは、適宜の時期にルーレットリング12のいずれか一つのポケット16(主として、適宜の時期に最も下方に位置するポケット16)に入り込む。プレイヤには、そのボールが入ったポケット16に関連付けられた所定の特典が付与される。
[0034]次に、図2を参照して、ゲームマシン1Aの制御系の構成について説明する。図2は、ゲームマシン1Aの制御系の概略構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、ゲームマシン1Aには、センター制御ユニット20Cと、ステーション制御ユニット20Sとが設けられている。ステーション制御ユニット20Sは、ステーションユニット2を制御するコンピュータユニットとして構成されている。具体的には、ステーション制御ユニット20Sは、マイクロプロセッサとその作動に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。また、ステーション制御ユニット20Sは、ステーションユニット2の構成要素として、ステーションユニット2毎に設けられている。センター制御ユニット20Cと、各ステーション制御ユニット20Sとは、互いに情報の送受信が可能なように接続されている。
[0035]さらに、ステーション制御ユニット20Sには外部記憶装置21Sが接続されている。外部記憶装置21Sとして、たとえば、ハードディスク等の磁気記憶媒体、DVD−ROM等の光学式記憶媒体あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリといった電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用されている。
[0036]外部記憶装置21Sには、ゲームプログラム22と、ゲームデータ23とが記憶されている。ゲームプログラム22は、ステーションユニット2がスロットゲームを実行するために必要なプログラムである。ゲームデータ23は、ゲームプログラム22が実行された際に利用される各種データである。ゲームプログラム22は、ステーション制御ユニット20Sに適宜読み込まれて実行される。ゲームデータ23もステーション制御ユニット20Sに適宜読み込まれて参照される。なお、ゲームプログラム22には、ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれるが、それらの図示は省略した。同様に、ゲームデータ23には、その他にもリールデータ、効果音データ、配当データ等の各種データが含まれているが、それらの図示も省略した。
[0037]ゲームプログラム22が実行されることにより、ステーション制御ユニット20Sの内部には、スロットゲーム提供部28が設けられる。スロットゲーム提供部28は、ステーションユニット2がスロットゲームを提供するために必要な処理を実行する。一例として、スロットゲーム提供部28は、複数のシンボルの表示の変化、所定の桁数の乱数の発生、その乱数を利用した変化後に表示されるべき複数のシンボルの抽選および、変化後の複数のシンボルの組み合わせが所定の入賞配列を形成したか否かの判別といった処理を実行する。スロットゲーム提供部28は、マイクロプロセッサとソフトウェアとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、乱数の発生は、電子回路を組み合わせた物理的装置により実現されてもよい。また、ステーション制御ユニット20Sには、その他にもスロットゲームを実行するために必要な論理的装置、あるいは物理的装置が適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
[0038]また、ステーション制御ユニット20Sには、上述した操作装置9およびステーションモニタ6が接続される。操作装置9は、プレイヤの操作に応じた信号をステーション制御ユニット20Sに出力する。ステーションモニタ6は、ステーション制御ユニット20Sから出力される画像信号に応じた画像を表示する。ステーション制御ユニット20Sは、操作装置9の出力信号を参照しつつゲームプログラム22にしたがって所定の手順でゲームを実行する。これらによってステーション制御ユニット20Sは、スロットゲームの状況に応じたゲーム画面をステーションモニタ6上に表示させる。
[0039]ステーション制御ユニット20Sには、スロットゲームを実行するために必要な入力装置または出力装置として、さらに、コイン投入装置24および、払出装置25が接続される。コイン投入装置24は、コイン投入口8を通じて、ゲームをプレイする対価としてのコインの投入を受け付ける。そして、コイン投入装置24は、コインの投入量(投入額)に応じた信号をステーション制御ユニット20Sに出力する。
[0040]払出装置25は、ステーション制御ユニット20Sからの指示にしたがって、プレイヤにゲームの配当としてのコインの支払いを実行する。コインの支払いは、コイン払い出し口10を通じて実行される。なお、受け付ける対価および、プレイヤへの配当は、コインに限定されない。たとえば、代替通貨としてのメダル、トークン等が利用されてもよい。あるいは、電子通貨その他の電子的な情報の交換を介して通貨価値または遊技価値のやり取りが可能な決算方法が利用されてもよい。この場合、コイン投入口8およびコイン払い出し口10に替えて、電子的な情報を相互に交換する情報通信手段および、交換される情報を記憶する記憶媒体等が利用されてもよい。
[0041]センター制御ユニット20Cは、センターユニット3を制御するコンピュータユニットとして構成されている。具体的には、センター制御ユニット20Cは、マイクロプロセッサとその作動に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。センター制御ユニット20Cには、上述のセンターモニタ11、リング駆動機構15、ボール投入機構13、および、ボール検出用センサ17が接続されている。
[0042]また、センター制御ユニット20Cには、外部記憶装置21Cが接続されている。外部記憶装置21Cとして、たとえば、ハードディスク等の磁気記憶媒体、DVD−ROM等の光学式記憶媒体あるいは、EEPROM等の不揮発性半導体メモリといった電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用されている。センター制御ユニット20Cには、この他にもたとえばセンターユニット3に生じる振動(揺れ)を検出するための振動検出用センサ等の種々の装置が設けられているが、それらの図示は省略した。
[0043]外部記憶装置21Cには、センターユニット用プログラム33と、センターユニット用データ34とが記憶されている。センターユニット用プログラム33は、センターユニット3がルーレットゲームを実行するために必要なプログラムである。センターユニット用データ34は、センターユニット用プログラム33が実行された際に利用される各種データである。センターユニット用プログラム33は、センター制御ユニット20Cに適宜読み込まれて実行される。センターユニット用データ34は、センター制御ユニット20Cに適宜読み込まれて参照される。なお、センターユニット用プログラム33には、ルーレットゲームを実行するたに必要な各種のプログラムモジュールが含まれるが、それらの図示は省略した。同様に、センターユニット用データ34には、その他にも、効果音データ、配当データ、各ポケット16と所定の特典とを対応付けるためのデータといった各種データが含まれているが、それらの図示も省略した。
[0044]センターユニット用プログラム33が実行されることにより、センター制御ユニット20Cの内部には、ルーレットゲーム提供部35が設けられる。ルーレットゲーム提供部35は、センターユニット3がルーレットゲームを提供するために必要な処理を実行する。一例として、ルーレットゲーム提供部35は、たとえばボール投入機構13を制御するための処理およびリング駆動機構15を制御するための処理といった各種処理を実行する。
[0045]リング駆動機構15は、不図示の電動モータを備えている。ルーレットリング12は、この電動モータにより回転駆動される。センター制御ユニット20Cは、パルス幅変調制御(PWM制御)にて電動モータを制御する。周知のようにPWM制御では、所定の期間内において電力が供給される期間が占める割合、いわゆるデューティ比を変化させ、これにより電動モータ等を制御する。デューティ比が100%の場合に最も多く電力が電動モータに供給される。そして、デューティ比が低くなるほど電動モータに供給される電力が減少する。デューティ比が0%の場合には、電動モータへの電力供給が停止される。
[0046]センター制御ユニット20Cは、デューティ比を変更することによりルーレットリング12の回転を制御する。センター制御ユニット20Cは、上述した所定の遊技条件が成立するとデューティ比を100%に変更する。これによりルーレットリング12が回り始め、ルーレットゲームが開始される。その後、ボールBが投入されると、センター制御ユニット20Cは、所定の減速間隔DI毎にデューティ比を徐々に低下させる。これによりルーレットリング12が徐々に減速する。減速間隔DIには、たとえば2秒が設定される。そして、ボールBがいずれかのポケット16に入ると、センター制御ユニット20Cはデューティ比を0%にする。
[0047]図3は、このようなデューティ比の時間変化の一例を示している。この例では、時刻t0において所定の遊技条件が成立し、リング駆動機構15のデューティ比が100%に変更されている。そして、時刻t1にボールBが投入されると、時刻t1から減速間隔DIが経過した時刻t2にデューティ比が90%に変更されている。以降、この図に示すようにデューティ比は、減速間隔DIが経過する毎に10%ずつ減少する。この例では、時刻t5にボールBがポケット16に入る。そのため、この時刻t5にデューティ比が0%に変更されている。
[0048]また、センター制御ユニット20Cは、このようにルーレットゲームをおこなう場合に1回のゲームにかかる時間(抽選時間)が所定の目標範囲内に収まるように減速間隔DIを適宜に調整する。なお、抽選時間は、ボールBが投入されてからそのボールBがいずれかのポケット16に入るまでの期間とする。すなわち、図3の時刻t1から時刻t5までの期間が抽選時間となる。減速間隔DIは、前回までのゲームの抽選時間に応じて調整される。たとえば、前回までのゲームの抽選時間の平均値(以下、平均抽選時間と呼ぶ。)が目標範囲の上限値より大きい場合には、減速間隔DIを短くする。一方、前回までのゲームの平均抽選時間が目標範囲の下限値未満の場合には、減速間隔DIを長くする。この減速間隔DIの調整は、ルーレットゲームが始まる前に行われる。そして、ルーレットゲームが始まった後は、そのゲームが終了するまで減速間隔DIの調整が禁止される。すなわち、このゲームマシン1Aでは、ルーレットゲームが行われている最中に減速間隔DIが変更されることはない。なお、この形態では、抽選時間の目標範囲として20秒以上、30秒以下が設定される。
[0049]このように減速間隔DIを調整するため、センター制御ユニット20Cの主記憶装置には、ルーレットゲームが行われた回数(以下、抽選回数と呼ぶ。)および平均抽選時間が記憶されている。これらの値は、センター制御ユニット20Cが起動されたときに0にリセットされ、ルーレットゲームが行われる毎に更新される。
[0050]図4は、センター制御ユニット20CがこのようにルーレットゲームユニットRGを制御するために実行するルーレット制御ルーチンを示している。この制御ルーチンは、上述した所定の遊技条件が成立した場合に実行される。
[0051]この制御ルーチンにおいて、センター制御ユニット20Cは、まずステップS11でパラメータ設定処理を実行する。このパラメータ設定処理では、図5に示すパラメータ設定ルーチンが実行される。
[0052]図5のルーチンにおいてセンター制御ユニット20Cは、まずステップS31で抽選回数が10回より大きいか否か判定する。抽選回数が10回以下と判定した場合は今回のルーチンを終了する。一方、抽選回数が10回より大きいと判定した場合はステップS32に進み、センター制御ユニット20Cは平均抽選時間が20秒未満か否か判定する。平均抽選時間が20秒未満と判定した場合はステップS33に進み、センター制御ユニット20Cは減速間隔増加処理を実行する。この処理では、減速間隔DIに所定の補正値が加えられる。補正値には、たとえば0.1秒が設定される。なお、補正値は0.1秒に限定されず、適宜の値を設定してよい。
[0053]一方、平均抽選時間が20秒以上と判定した場合はステップS34に進み、センター制御ユニット20Cは平均抽選時間が30秒より長いか否か判定する。平均抽選時間が30秒以下と判定した場合は、今回のルーチンを終了する。一方、平均抽選時間が30秒より長いと判定した場合はステップS35に進み、センター制御ユニット20Cは減速間隔低減処理を実行する。この処理では、減速間隔DIから所定の補正値が引かれる。補正値には、たとえば0.1秒が設定される。なお、補正値は0.1秒に限定されず、適宜の値を設定してよい。
[0054]ステップS33またはステップS35で減速間隔DIを変更した後はステップS36に進み、センター制御ユニット20Cは抽選回数を0にする。次のステップS37においてセンター制御ユニット20Cは、平均抽選時間を0にする。その後、今回のルーチンを終了する。
[0055]図4に戻ってルーレット制御ルーチンを続ける。次のステップS12においてセンター制御ユニット20Cはルーレットリング12を回転させる。具体的には、上述したようにリング駆動機構15のデューティ比が100%に変更される。これにより、ルーレットリング12が所定の抽選開始速度まで加速される。続くステップS13においてセンター制御ユニット20Cは、ボールBを投入する。その後、ステップS14においてセンター制御ユニット20Cは、減速タイマをリセットし、続いてその減速タイマのカウントを開始する。なお、減速タイマには少なくとも0.1秒間隔で計時可能なタイマが用いられる。
[0056]次のステップS15においてセンター制御ユニット20Cは、ルーレットゲームにおいて抽選が決定したか否か、すなわちボールBがいずれかのポケット16に入ったか否か判定する。この判定は、ボール検出用センサ17の出力信号に基づいて行えばよい。抽選が未決定と判定した場合はステップS16に進み、センター制御ユニット20Cは減速タイマの値が減速間隔DIより大きいか否か判定する。減速タイマの値が減速間隔DI未満と判定した場合はステップS15に戻る。一方、減速タイマの値が減速間隔DIより大きいと判定した場合はステップS17に進み、センター制御ユニット20Cはリング減速処理を実行する。このリング減速処理では、上述したようにデューティ比を所定値、たとえば10%低下させる。なお、既にデューティ比が0%の場合にはその値が維持される。続くステップS18においてセンター制御ユニット20Cは、減速タイマをリセットし、続いてその減速タイマのカウントを開始する。その後、ステップS15に戻る。
[0057]一方、ルーレットゲームにおいて抽選が決定したと判定した場合にはステップS19に進み、センター制御ユニット20Cはリング停止処理を実行する。このリング停止処理では、デューティ比を0%にする。続くステップS20において、センター制御ユニット20Cは抽選回数を1回増やす。次のステップS21において、センター制御ユニット20Cは今回のゲームの抽選時間に基づいて平均抽選時間を更新する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。なお、更新後の抽選回数および平均抽選時間は上述したようにセンター制御ユニット20Cの主記憶装置に記憶され、この制御ルーチンが次回実行されたときに参照される。
[0058]周知のように物理的抽選機構では、経年変化等によりルーレットリング12の動き等に変化が生じる。そして、これにより抽選時間のバラツキが大きくなるおそれがある。この第1の形態によれば、平均抽選時間に応じて減速間隔DIが変更されるので、この抽選時間のバラツキを小さくできる。また、減速間隔DIの変更は、少なくとも直近10回の抽選の抽選時間の平均に基づいて行われる。言い換えると、少なくとも直近10回の抽選の抽選時間をフィードバックすることにより減速間隔DIが変更される。そのため、減速間隔DIを適切に変更できる。
[0059]さらに、ルーレットリング12の回転速度が一定であり、ルーレットリング12の回転とボールBを弾く動きとの周期が一致する場合には、ボールBがポケット16に入り難くなる可能性がある。この場合、抽選時間が長くなる。上記第1の形態では、減速間隔DI毎にルーレットリング12の回転速度を減速させるので、このような周期の一致を防止できる。そのため、抽選時間が長くなることを防止できる。
[0060]そして、減速間隔DIは、たとえば、少なくとも直近10回の抽選の抽選時間の平均に基づいて変更されるので、抽選時間は著しくは変わらない。そのため、プレイヤに知られることなく、抽選時間を、最適な抽選時間に変更することができる。その上、ルーレットリング12の回転速度が段階的に減速されるので、ボールBがポケット16に進入しやすくなったことがプレイヤに知らされ、プレイヤの興味をかき立てることできる。特にこのような状況では、高配当のポケット16が最も低い部分を通過するときに、プレイヤの興味をよりかき立てることができる。
[0061]上述したように減速間隔DIは、ルーレットゲームが始まる前に変更され、ルーレットゲームの最中には変更されない。そのため、ルーレットリング12の回転速度が不自然に変化することを防止できる。
[0062]減速間隔DIは、抽選回数が10回より大きくなるまで変更されない。そのため、減速間隔DIが無駄に変更されることを防止できる。
[0063]なお、上述した第1の形態では、リング駆動機構15のデューティ比を変更してルーレットリング12を減速させたが、ルーレットリング12を減速させる方法はこの方法に限定されない。たとえば、電動モータまたはルーレットリング12を制動可能なブレーキを設け、このブレーキを減速間隔DI毎に作動させてルーレットリング12を減速させてもよい。
(第2の形態)
[0064]図6〜図11を参照して本発明の第2の形態に係るゲームマシンについて説明する。なお、この形態において第1の形態と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図6は、第2の形態に係るゲームマシン1Bのセンターユニット3の一部を拡大して示している。この図に示すようにルーレットリング12の外周には、線Lで囲んだ中央スロープ41、左スロープ42、および右スロープ43が設けられている。そして、これら3つのスロープ41、42、43にてボール誘導路14が形成されている。この図に示したように中央スロープ41は、ボール誘導路14において最も低い位置に配置されている。左スロープ42の周方向の一端は中央スロープ41に取り付けられ、他端はセンターユニット3のベース部(不図示)に固定されている。右スロープ43も同様に、周方向の一端が中央スロープ41に取り付けられ、他端がセンターユニット3のベース部に固定されている。左スロープ42および右スロープ43は、ボール誘導路14に段差が生じないように中央スロープ41に取り付けられている。
[0065]図7は、中央スロープ41を拡大して示す斜視図である。図8は、中央スロープ41を図7の矢印VIII方向から見た図である。図9は、中央スロープ41を図8の矢印IX方向から見た図である。
[0066]なお、以下では便宜上、ボール誘導路14の内側、すなわちルーレットリング12側を内周側と呼び、ボール誘導路14の外側、すなわちルーレットリング12の反対側を外周側と呼ぶことがある。
[0067]図7〜9に示すように中央スロープ41は、スロープ部44と、スロープ部44の下方に配置された傾斜角変更機構45とを備えている。図8および図9に示すようにスロープ部44は、固定部材46と、可動部47とを備えている。固定部材46は、センターユニット3のベース部に固定される。図9に示すように固定部材46は、可動部47よりもルーレットリング12に近い位置に設けられる。固定部材46の外周側の端部には、支軸48が設けられている。支軸48は、可動部47に設けられた貫通孔47aに挿入される。貫通孔47aは図8の左右方向に延びている。貫通孔47aは可動部47の内周側の端部に設けられている。また、図8に示すように貫通孔47aは可動部47の周方向の一端に設けられている。可動部47は、支軸48を中心に図9の矢印U方向および矢印D方向に揺動可能なように固定部材46に支持されている。なお、この可動部47には可動範囲が設定されている。可動範囲としては、図9に示した基準位置から矢印U方向および矢印D方向にそれぞれ4°づつ、すなわち基準位置±4°の範囲が設定されている。
[0068]可動部47は、走路部材49と、走路部材49を支持する支持部材50とを備えている。図6から明らかなようにボールBは、走路部材49の上面49aを転がる。この図に示すように上面49aの周方向の長さには、ポケット16三個分に対応する長さが設定されている。図7に示すように上面49aは、中央部分が最も低く、その中央部分から左右に行くにつれて徐々に高くなるように形成されている。支持部材50は、走路部材49の下側に取り付けられている。上述した貫通孔47aは支持部材50に設けられている。図9に示すように支持部材50の外周側の端部には、ガード14gが取り付けられるガード取付部50aが設けられている。以降では、走路部材49の上面49aを、ボール走行面と称することがある。
[0069]図8に示すように傾斜角変更機構45は、スロープ部44の中央部分の下方に配置されている。傾斜角変更機構45は、支軸48を中心に可動部47を揺動させることにより水平面に対するボール走行面の角度(以下、傾斜角と称する。)を変更する。そして、これによりルーレットリング12の上面12aとボール走行面との間の角度を変更する。そのため、傾斜角変更機構45が本発明の角度変更機構に相当する。
[0070]図9に示すように傾斜角変更機構45は、ベース部材51と、電動モータ52と、リンク機構53とを備えている。ベース部材51は、センターユニット3のベース部に固定されている。電動モータ52は、ベース部材51に固定されている。電動モータ52としては、たとえば出力軸の回転角度を高精度に調整可能なステッピングモータが用いられる。電動モータ52の出力軸(不図示)には、回転ディスク54が同軸になるように取り付けられている。リンク機構53は、電動モータ52の回転運動を可動部47の揺動運動に変換するために設けられている。
[0071]リンク機構53は、第1リンク部材55と、第2リンク部材56とを備えている。第1リンク部材55の一端と第2リンク部材56の一端とはピン57を介して相互に回転自在に連結されている。第2リンク部材56の他端は、ピン58を介して可動部47と相互に回転自在に連結されている。図9に示すように第2リンク部材56は、可動部47の外周側の端部に連結されている。第1リンク部材55の他端部には、長孔55aが設けられている。長孔55aにはボルト59が挿入されている。第1リンク部材55の他端部は、このボルト59により回転ディスク54に取り付けられている。ボルト59は、第1リンク部材55に対して相対移動可能なように長孔55aに挿入されている。そのため、ボルト59は、長孔55a内をスライド移動できる。一方、ボルト59は回転ディスク54に固定されている。そのため、ボルト59は回転ディスク54と一緒に回転する。ベース部材51には、支軸60が設けられている。図8に示すように支軸60は、電動モータ52の出力軸が延びている方向、すなわち図8の左右方向に延びている。第1リンク部材55は、支軸60に回転自在に支持されている。支軸60は、一端と長孔55aとの間の中間部分を支持している。
[0072]この傾斜角変更機構45では、図9に示した位置から回転ディスク54が矢印R1方向、すなわち時計回りに回転すると、第1リンク部材55が支軸60を中心に矢印L2方向、すなわち反時計回りに回転する。これにより第2リンク部材56が上方に押し上げられ、可動部47が支軸48を中心に矢印U方向に揺動する。この場合、可動部47の外周側が上がるので、ボール走行面の傾斜角が大きくなる。一方、回転ディスク54が図9に示した位置から矢印L1方向、すなわち反時計回りに回転すると、第1リンク部材55が支軸60を中心に矢印R2方向、すなわち時計回りに回転する。これにより第2リンク部材56が下方に引き下げられ、可動部47が支軸48を中心に矢印D方向に揺動する。この場合、可動部47の外周側が下がるので、ボール走行面の傾斜角が小さくなる。このように回転ディスク54、第1リンク部材55、第2リンク部材56、および可動部47は連動する。また、この傾斜角変更機構45は、傾斜角を0.1°単位で変更可能なように構成されている。
[0073]上述したように左スロープ42および右スロープ43のそれぞれの一端は中央スロープ41に取り付けられている。そのため、このように可動部47が動かされた場合、左スロープ42および右スロープ43は可動部47の移動とともに適宜に撓む。すなわち、可動部47が揺動した場合にはボール誘導路14の全体が撓むように変形する。したがって、ボール誘導路14に段差が生じることはない。
[0074]傾斜角変更機構45には、回転検知センサ61と、基準位置検知センサ62とが設けられている。図9に示すように回転ディスク54の外周部分には、複数の検出孔54aが設けられている。複数の検出孔54aは、一定の間隔で全周に亘って設けられている。回転検知センサ61は、回転ディスク54が回転したときに複数の検出孔54aが回転検知センサ61の前を通過するようにベース部材51に取り付けられている。回転検知センサ61は、検出孔54aが前と通過する毎に信号を出力する。回転検知センサ61には、たとえば周知のロータリエンコーダを用いればよい。そのため、詳細な説明は省略する。
[0075]基準位置検知センサ62は、可動部47が基準位置にあるか否か検出するためのセンサである。回転ディスク54には、基準位置検知センサ62の検出部(不図示)が設けられている。基準位置検知センサ62は、可動部47が基準位置にあるときにこの検出部を検出するようにベース部材51に取り付けられている。基準位置検知センサ62は、検出部を検出したときに信号を出力する、一方、検出部を検出できないときには信号を出力しない。そのため、この出力信号の有無に基づいて可動部47が基準位置にあるか否か判定できる。
[0076]図10は、ゲームマシン1Bの制御系の概略構成を示している。この図に示したように電動モータ52、回転検知センサ61、および基準位置検知センサ62は、センター制御ユニット20Cに接続されている。センター制御ユニット20Cは、回転検知センサ61の出力信号および基準位置検知センサ62の出力信号に基づいて電動モータ52を制御する。また、この形態では、センター制御ユニット20Cは、ルーレットゲームの抽選時間が所定の目標範囲内に収まるようにボール走行面の傾斜角を適宜に調整する。可動部47が図9の矢印U方向に揺動した場合は、ボール走行面の傾斜角が大きくなる。図6から明らかなようにこの場合にはボールBが内周側、すなわちルーレットリング12側に行く易くなるので、ボールBがポケット16に入り易くなる。そのため、抽選時間が短くなる。一方、可動部47が矢印D方向に揺動した場合には、ボール走行面の傾斜角が小さくなる。この場合にはボールBが内周側に行き難くなるので、ボールBがポケット16に入り難くなる。そのため、抽選時間が長くなる。なお、この傾斜角の調整は、ルーレットゲームが始まる前に行われる。そして、ルーレットゲームが始まった後は、そのゲームが終了するまで傾斜角の調整が禁止される。すなわち、このゲームマシン1Bでは、ルーレットゲームが行われている最中に傾斜角が変更されることはない。
[0077]この形態でも、センター制御ユニット20Cは第1の形態と同様に図4のルーレット制御ルーチンを実行する。ただし、この形態ではステップS11において図11に示すパラメータ設定ルーチンが実行される。図11のルーチンについて説明する。なお、図11において図5と共通の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
[0078]このルーチンにおいてセンター制御ユニット20Cは、ステップS32まで図5と同様に処理を進める。ステップS32において平均抽選時間が20秒未満と判定した場合はステップS41に進み、センター制御ユニット20Cは傾斜角低減処理を実行する。この処理では、ボール走行面の傾斜角が現在の値よりも所定角度小さくなるように電動モータ52が制御される。所定角度としては、たとえば0.1°が設定される。なお、所定角度は0.1°に限定されず、適宜の値を設定してよい。その後、ステップS36に進み、以降は図5と同様に処理が進められる。
[0079]一方、平均抽選時間が20秒以上と判定した場合はステップS34に進み、センター制御ユニット20Cは平均抽選時間が30秒より長いか否か判定する。平均抽選時間が30秒以下と判定した場合は、今回のルーチンを終了する。一方、平均抽選時間が30秒より長いと判定した場合はステップS42に進み、センター制御ユニット20Cは傾斜角増加処理を実行する。この処理では、ボール走行面の傾斜角が現在の値よりも所定角度大きくなるように電動モータ52が制御される。所定角度としては、たとえば0.1°が設定される。なお、所定角度は0.1°に限定されず、適宜の値を設定してよい。その後、ステップS36に進み、以降は図5と同様に処理が進められる。
[0080]以上に説明したように、第2の形態のゲームマシン1Bによれば、平均抽選時間に応じてボール走行面の傾斜角、すなわちルーレットリング12の上面12aとボール走行面との間の角度が変更されるので、抽選時間のバラツキを小さくできる。また、傾斜角の変更は、少なくとも直近10回の抽選の抽選時間の平均に基づいて行われるので、傾斜角を適切に変更できる。
[0081]この形態では、中央スロープ41の周方向の長さに、ポケット16の三個分に対応する長さが設定されている。そのため、たとえばポケット一個分に対応する長さが設定されている場合と比較して、ボールBが入り易くなる区間を大きくすることができる。また、このようにポケット16の三個分に対応する長さの区間の傾斜角が変更されることにより、不自然さを緩和できる。なお、この形態において中央スロープ41の周方向の長さは、ポケット16の三個分に対応する長さに限定されない。この中央スロープ41の長さには、1個のポケット16の長さよりも長く、たとえばポケット16の三個半分に対応する長さやポケット16の四個分以上に対応する長さが設定されてもよい。
[0082]ボール走行面の傾斜角は、ルーレットゲームが始まる前に変更され、ルーレットゲームの最中には変更されない。そのため、ボールBの動きがルーレットゲーム中に不自然に変化することを防止できる。また、傾斜角は、抽選回数が10回より大きくなるまで変更されない。そのため、傾斜角が無駄に変更されることを防止できる。
(第3の形態)
[0083]図12〜図16を参照して本発明の第3の形態に係るゲームマシンについて説明する。なお、この形態において上述した形態と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図12は、第3の形態に係るゲームマシン1Cの中央スロープ41を拡大して示している。この形態では、第2の形態と異なり中央スロープ41はセンターユニット3のベース部に固定されている。すなわち、この形態では中央スロープ41が揺動しない。そして、中央スロープ41の中央部分の下方には振動手段としての振動装置70が設けられている。この振動装置70は、中央スロープ41を振動させるために設けられている。この振動装置70には、たとえば出力軸に重心を偏らせた重りが取り付けられた周知の振動モータが用いられる。なお、振動装置70は振動モータに限定されない。振動装置70には、中央スロープ41を振動させることが可能な種々の装置を用いてよい。なお、これら以外の部分は上述した第2の形態と同じである。そのため、他の部分の図示および説明は省略する。
[0084]図13は、ゲームマシン1Cの制御系の概略構成を示している。この図に示したように振動装置70はセンター制御ユニット20Cに接続されている。センター制御ユニット20Cは、ボールBが投入されてから経過した時間に基づいて振動装置70を制御する。振動装置70により中央スロープ41が振動すると、その振動により中央スロープ41上を移動しているボールBの速度が低下する。これによりボールBがポケット16に入り易くなる。センター制御ユニット20Cは、ボールBが投入されてから経過した時間が所定の判定時間より大きくなった場合に振動装置70を作動させる。そして、これにより抽選時間が長くなることを抑制する。判定時間の初期値としては、たとえば30秒が設定される。なお、判定時間の初期値は、30秒に限定されず、ルーレットゲームの抽選時間が過度に長くならないように適宜に設定すればよい。
[0085]次に図14〜図16を参照してこの形態のルーレット制御ルーチンおよびパラメータ設定ルーチンを説明する。なお、図14および図15がルーレット制御ルーチンを示し、図16がパラメータ設定ルーチンを示している。これらのルーチンにおいて図4または図5と共通の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
[0086]図14の制御ルーチンにおいてセンター制御ユニット20Cは、まずステップS11でパラメータ設定処理を実行する。このパラメータ設定処理では、図16のルーチンが実行される。このルーチンにおいてセンター制御ユニット20Cは、ステップS32まで図5と同様に処理を進める。ステップS32において平均抽選時間が20秒未満と判定した場合はステップS60に進み、センター制御ユニット20Cは判定時間増加処理を実行する。この処理では、判定時間に所定の補正値が加えられる。補正値には、たとえば0.5秒が設定される。なお、補正値は0.5秒に限定されず、適宜の値を設定してよい。その後、ステップS36に進み、以降は図5と同様に処理が進められる。
[0087]一方、平均抽選時間が20秒以上と判定した場合はステップS34に進み、センター制御ユニット20Cは平均抽選時間が30秒より長いか否か判定する。平均抽選時間が30秒以下と判定した場合は、今回のルーチンを終了する。一方、平均抽選時間が30秒より長いと判定した場合はステップS61に進み、センター制御ユニット20Cは判定時間低減処理を実行する。この処理では、判定時間から所定の補正値が引かれる。補正値には、たとえば0.5秒が設定される。なお、補正値は0.5秒に限定されず、適宜の値を設定してよい。その後、ステップS36に進み、以降は図5と同様に処理が進められる。
[0088]図14に戻ってルーレット制御ルーチンの説明を続ける。パラメータ設定処理の実行後はステップS12に進み、センター制御ユニット20Cはルーレットリング12を回転させ、続くステップS13でボールBを投入する。次のステップS51においてセンター制御ユニット20Cは、ボールBが投入されてから経過した時間を計測するための振動タイマをリセットし、続けてその振動タイマのカウントを開始する。なお、振動タイマには少なくとも0.1秒間隔で計時可能なタイマが用いられる。続くステップS14においてセンター制御ユニット20Cは減速タイマのカウントを開始する。
[0089]次の図15のステップS15にセンター制御ユニット20Cは、ルーレットゲームにおいて抽選が決定したか否か判定する。抽選が未決定と判定した場合はステップS52に進み、センター制御ユニット20Cは振動タイマの値が判定時間より大きいか否か判定する。判定時間はルーレットゲームの抽選時間が過度に長くならないように適宜に設定される。判定時間には、たとえば30秒が設定される。振動タイマの値が判定時間以下と判定した場合にはステップS53をスキップしてステップS16に進む。一方、振動タイマの値が判定時間より大きいと判定した場合はステップS53に進み、センター制御ユニット20Cは振動装置70を起動する。その後ステップS16に進み、以降は抽選が決定するまで図4と同様に処理を進める。
[0090]一方、ルーレットゲームにおいて抽選が決定したと判定した場合はステップS54に進み、センター制御ユニット20Cは振動装置70を停止する。続くステップS19においてセンター制御ユニット20Cはリング停止処理を実行する。次のステップS20において、センター制御ユニット20Cは抽選回数を1回増やす。その後、センター制御ユニット20CはステップS21において今回のゲームの抽選時間に基づいて平均抽選時間を更新する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
[0091]以上に説明したように、第3の形態のゲームマシン1Cによれば、ボールBが投入されてから経過した時間が判定時間より大きくなると振動装置70が作動するので、ボールBがポケット16に入り易くなる。そのため、抽選時間が長くなることを抑制できる。そして、判定時間は平均抽選時間に応じて変更されるので、抽選時間のバラツキを小さくできる。また、判定時間の変更は、少なくとも直近10回の抽選の抽選時間の平均に基づいて行われるので、判定時間を適切に変更できる。
[0092]判定時間は、抽選回数が10回より大きくなるまで変更されない。そのため、判定時間が無駄に変更されることを防止できる。また、判定時間は、ルーレットゲームが始まる前に変更され、ルーレットゲームの最中には変更されない。
[0093]この形態において、振動装置70を作動させる場合には、振動が間欠的に発生するように作動させてもよいし、振動が連続的に発生するように作動させてもよい。
[0094]なお、センター制御ユニット20Cは、図15のステップS52、S53を実行することにより本発明の制御手段として機能する。
(第4の形態)
[0095]次の図17を参照して本発明の第4の形態に係るゲームマシンについて説明する。なお、この形態のゲームマシンの構成は第3の形態と同じである。そのため、ゲームマシンの構成に関する説明は省略する。図17は、この形態においてセンター制御ユニット20Cが実行するルーレット制御ルーチンを示している。なお、図17において上述した図4、図14または図15のルーチンと同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。図17の制御ルーチンにて用いられる判定時間には、たとえば30秒が設定される。なお、この判定時間は、30秒に限定されず、ルーレットゲームの抽選時間が過度に長くならないように適宜に設定すればよい。
[0096]この制御ルーチンにおいて、センター制御ユニット20Cは、まずステップS12でルーレットリング12を回転させる。以降はステップS15でルーレットゲームにおいて抽選が決定したと判定されるまで図14および図15のルーチンと同様に処理が進められる。ステップS15において抽選が決定したと判定された場合にはステップS54に進み、センター制御ユニット20Cは振動装置70を停止する。続くステップS19においてセンター制御ユニット20Cはリング停止処理を実行する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
[0097]以上に説明したように、この第4の形態によれば、ボールBが投入されてから経過した時間が判定時間より大きくなった場合には振動装置70を作動させるので、抽選時間が長くなることを抑制できる。そのため、抽選時間のバラツキを小さくすることができる。
[0098]なお、この形態においても第3の形態と同様に、振動装置70を作動させる場合には、振動が間欠的に発生するように作動させてもよいし、振動が連続的に発生するように作動させてもよい。
[0099]本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。たとえば、上述した各形態は、互いに干渉しない範囲において適宜に組み合わせてよい。たとえば、減速間隔とボール走行面の傾斜角の両方を変更して抽選時間を調整してもよい。この場合、各パラメータに優先順位を付し、その優先順位にしたがってパラメータを変更すればよい。
[0100]抽選時間のバラツキを小さくするために値を変更するパラメータは、上述した各形態で示したパラメータに限定されない。本発明において値を変更するパラメータには、抽選時間に影響を与える種々のパラメータを用いてよい。
[0101]上述した形態では、抽選回数が10回より大きい場合に平均抽選時間が目標範囲内か否か判定したが、この判定に用いる回数は10回に限定されない。パラメータの値が無駄に変更されないように適宜の回数を設定すればよい。また、上述した形態では、パラメータの値を変更した場合に、抽選回数および平均抽選時間をそれぞれリセットしたが、このリセットは実施しなくてもよい。
[0102]上述した各形態では、抽選時間はボールBが投入されてからそのボールBがいずれかのポケット16に入るまでの期間としたが、抽選時間はこの期間に限定されない。たとえば、ルーレットリング12を回し始めた時点を抽選時間の始まりとしてもよい。また、ルーレットリング12が完全に停止した時点を抽選時間の終わりとしてもよい。