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JP6486705B2 - 抵抗器及びその製造方法 - Google Patents

抵抗器及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗器及びその製造方法に関する。
電流検出用に用いられる小型の抵抗器の製造方法については、例えば、下記特許文献1に記載されている。特許文献1の図6(e)では、長尺の抵抗材を所定間隔で切断する製法が開示されており、図6(g)では、抵抗材を個片に切断した後にレーザーで抵抗値調整をすることが開示されている。
特許文献2には、長尺の金属材の片側にプレスで切欠きを設けて、他方側は連結しておき、個々の抵抗体の抵抗値調整をする技術が開示されている。
特開2001−116771号公報 特開平11−3804号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、抵抗器を小型化していくと、抵抗値調整時の位置決めが困難となり、精度の高い抵抗値調整が難しくなるという問題がある。長尺の抵抗材の切断幅を調整することで抵抗値調整をすることが可能であるが、抵抗値の微調整は難しく、また、抵抗値が抵抗器のサイズに影響するという問題がある。
また、特許文献2の場合には、抵抗器の幅サイズは一定であり、したがって抵抗値も略一定となるが、後の抵抗値微調整工程の効率化が困難である。また、個片化前の抵抗器の片側が基部と連結されていることから、抵抗器の端子形状加工の自由度が低いという問題もある。
本発明は、抵抗値の調整と両電極端子の形状加工とを行いやすい、抵抗器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、第1側辺と第2側辺とを備えた長尺の抵抗器素材を準備し、前記第1側辺と前記第2側辺とから前記抵抗器素材に第1の切込み部を形成することで、前記第1の切込み部間の個片化領域を連結する連結部を形成し、次いで、前記連結部を切断する抵抗器の製造方法が提供される。前記抵抗器素材は、所定の抵抗金属材と、前記抵抗金属材よりも高導電性の電極材とからなり、前記抵抗金属材の両側部に電極材が接合されていることが好ましい。
前記連結部は、前記抵抗金属材により構成されていることが好ましい。
さらに、前記第1の切込み部間に、前記第1側辺と前記第2側辺とから前記電極材に第2の切込み部を形成することで4端子測定用の電流端子と電圧端子とを画定(形成)するようにしても良い。
また、本発明は、抵抗体と、前記抵抗体の両端に設けられた第1及び第2の電極部と、からなり、前記抵抗体と前記第1及び第2の電極部とは、端部同士が突き合わされている抵抗器であって、前記抵抗体の少なくとも一方の側部に前記第1及び第2の電極部の側部よりも突出した突出部を備えたことを特徴とする抵抗器である。
前記端部同士が突き合わされている位置と前記突出部との間において、前記抵抗体の側部と前記第1及び第2の電極部の側部とが面一の側面を有することが好ましい。
また、本発明は、第1側辺と第2側辺とを備えた長尺の抵抗器素材であって、前記抵抗器素材は、所定の抵抗金属材と、前記抵抗金属材よりも高導電性の電極材とからなり、前記抵抗金属材の両側部に電極材が接合されており、前記第1側辺と前記第2側辺とから前記抵抗器素材に第1の切込み部を形成することで、前記第1の切込み部間の個片化領域を連結する連結部が形成され、隣の前記個片化領域間で前記電極材が分離している抵抗器素材である。
本発明によれば、抵抗値の調整と両電極端子の形状加工とを行いやすいという利点がある。
本発明の一実施の形態による抵抗器の製造方法の一例として図3に示す抵抗器を製造する工程の概要を1図面で示す図であり、T1からT5までに示す図は、異なる工程後の構造を示している。合わせて断面構造の概略図も示している。 図2(a)から(e)までは、本実施の形態による抵抗器を製造する工程を示す図であり、図1のT1からT5までの各工程における抵抗器素材の加工の様子を示す図である。 本実施の形態における抵抗器の一構成例を示す斜視図である。 図3とは異なる端子構造を有する抵抗器の一構成例を示す斜視図である。 図3に示す抵抗器を例にした抵抗調整の様子を示す図である。 図3に示す抵抗器の第1変形例を示す平面図である。 図3に示す抵抗器の第2変形例を示す平面図である。 図3に示す抵抗器の第3変形例を示す平面図である。 図1に示す抵抗器素材の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態による抵抗器の製造方法について、抵抗体と電極との端面同士を突き合せた突き合わせ構造の抵抗器の製造方法を例にして、図面を参照しながら詳細に説明する。この製造方法を、抵抗体と電極とが表面で接続されている構造に適用することも可能である。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態による抵抗器の製造方法について説明する。
図1は、本実施の形態による抵抗器の製造方法の一例として抵抗器を製造する工程の概要を1図面で示す図であり、T1からT5までに示す図は、異なる工程における平面構造を示している。一方、図2は、製造工程順に構造を示す図である。
長尺の抵抗器素材、例えば板状(帯状)の抵抗器素材1としては、図1、図2(a)に示すように、長尺の抵抗材3の両側に同じく長尺の電極用材料が接合された構造を用いることができる。この構造は以下のように製造することができる。この抵抗器素材1を長尺方向(第1の方向)と垂直な方向(第2の方向)に個片化(分割)できるようにすることで、突合せ構造の抵抗器を形成することができる。
例えば、長尺の平板状等の抵抗材3(幅W)と、抵抗材3よりも高電導度の電極材からなり、抵抗材3と同様の長尺の平板状の第1の電極材5(幅W)、第2の電極材7(幅W、但し、第1の電極材5と同じ幅でなくても良い。)を準備する。そして、抵抗材3の両端面と第1の電極材5、第2の電極材7の端面とが接触し接合部を形成するように配置し、例えば電子ビームやレーザービームなどで両方の接合部を溶接して1枚の平板とする。接合位置により、抵抗値や形状に関する種々の調整を行うことも可能である(図1のT1、図2(a)参照)。抵抗材3には、例えば、抵抗器素材1を送るための送り孔(パイロット孔)11が、後に個片化領域となる箇所を挟むように複数形成されている。
抵抗材3用の材料としては、Cu、Cu−Ni系、Cu−Mn系などの金属の板材を用いることができる。第1及び第2の電極材5、7用の材料としてはCuなどを用いることができる。
ここで、第1の電極材5側の側辺を第1側辺、第2の電極材7側の側辺を第2側辺と称する。
次いで、図1のT2、図2(b)に示すように、抵抗器素材1の第1側辺と第2側辺から第1の方向と垂直な第2の方向に向けて幅Lの第1の切込み部15、15を形成する。ここで、第1の切込み部15、15は、第1の電極材5、第2の電極材7を全て切除し、例えば抵抗材3まで一部入り込んだ状態であることが好ましい。すなわち、第1の切込み部15、15の長さは、W+α(2α<W)であることが好ましい。第1の切込み部15、15により、電極材5、7及び抵抗材3の一部の幅が、Lに規定される。
すると、T2で示すように、分割すると抵抗器となる幅Lの個片化領域が形成される。第1の切込み部15、15間には、個片化領域を連結する連結部8が形成されている。ここでは、連結部8内に送り孔11が形成されている例を示している。
この構造では、連結部8により、分割前の抵抗器構造が抵抗材3のみによりつながっているため、電極材が連結部8に残っておらず、抵抗器の特性のばらつきを低減することができる。また、個片化(分割)工程T5よりも前に電極領域を画定することができるため、それぞれの抵抗器の端子サイズを一定に保つことができる。また、個片化工程T5より前に電極幅が画定されているため、個片化のためのカット位置により抵抗値を任意に微調整することができる。
尚、後述するように、連結部8で個片化領域を切断する際に、それぞれにおいて同じ程度の送り孔11の領域を含むように、切断することで、送り孔11の存在による抵抗値のばらつきの影響を抑制することができる。T2の平面図に示すように、抵抗材3の両側に電極21a、25aが形成された構造となる。
尚、各図面には第2の切込み部17、17が記載されているが、第2の切込み部17、17については、第2の実施の形態において説明する。
次いで、図1のT3、図2(c)及び断面図に示すように、抵抗材3の両側の電極21a、25aを加工1に示すように、プレス加工などを用いて平面図における下側に折り曲げることで、断面図に示すように電極21c、25cを形成する。さらに、図1のT4、図2(d)及び断面図に示すように、抵抗材3の両側の電極22d、26dのように、加工1の折り曲げ位置よりもさらに内側の位置で折り曲げる加工2を行うことで、T4の断面図に示すように、端子部を内側に折り曲げた内曲げ構造(Cの字構造)を形成する。
この工程T3、T4によれば、両電極21c、25cの先端領域がフリーになっているため、内曲げ構造などの電極21c、25cの加工が行いやすいという利点がある。
次いで、抵抗器素材1を連結部8で、第2の方向に沿って切断して個片化することで、図1のT5、図2(e)に示すように、分割された個々の抵抗器Aを形成することができる。
この際、個片化時の切断の位置を微調整することで、抵抗器Aにおける抵抗値の調整が可能である。
個片化により、抵抗体3xと、その両端の電極22d、26dが端面で接合されている、突合せ構造の抵抗器Aが完成する。抵抗器Aの幅はLであり、切断された連結部8側には、後述する突出部が残っている。
図3は、図1、図2に示した工程により製造した本実施の形態における抵抗器の一構成例を示す斜視図である。
図3に示すように、本実施の形態による抵抗器Aは、抵抗体3xと電極22d、26dとの端面同志が突合せ構造となっており、端子部を構成する電極22d、26dが、内側に曲げられた内曲げ構造となっている。
電極端子部を構成する電極22d、26dと直交する方向の抵抗体3xの側部には、図1にも示すように、抵抗体3xの幅Lよりも大きな幅Lをもつことにより、両側で合計(L−L)だけ抵抗体3xの第1の方向に沿った幅が大きくなるように第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dが形成されている。
尚、この例では、第1の突出部3a、3b間に送り孔の一部11aが、第2の突出部3c、3d間に、送り孔の一部11bが残っている。このように、第1の切込み部15が抵抗体3xまで入り込むようにしたことで、余分な電極材が残らず、電極材の残り具合に起因する抵抗器Aの抵抗値特性のバラツキを低減する。
また、工程T5における個片化時のカットの位置(第1の方向)を微調整することで、Lの長さを調整することができるため、抵抗値の調整を行うことが可能である。
尚、連結部8の切断による分割を行う前に、加工1(T3)、加工2(T4)で、抵抗体3xの両側の電極(端子)を外側に曲げることで、図4に示すような外曲げ端子構造を有する抵抗器を作ることも可能である。
また、上記の実施の形態では、抵抗器素材1としては、図1、図2(a)に示すように、長尺の抵抗用材料の両側に同じく長尺の電極用材料が接合された構造を用いた例を説明したが、抵抗器素材1としては、長尺の抵抗用材料のみを有する構造を用い、後の任意の工程で電極を形成するようにしても良い。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態による抵抗器の製造方法について、図1、図2等を参照して説明する。
本実施の形態では、前述したように、図1のT2、図2(b)に示すように、抵抗器素材1の第1側辺と第2側辺から第1の方向と垂直な第2の方向に向けて所定の幅の第2の切込み部17、17を形成する。第2の切込み部17、17は、第1の切込み部15により画定された両端の電極領域を第1の電極端子21a、23aと、第2の電極端子25a、27aと、にそれぞれ分割する。尚、第1の電極端子21a、23aのそれぞれと、第2の電極端子25a、27aのそれぞれは、電極材の抵抗材側の領域で接続されている。すなわち、第2の切込み部17、17の長さは、W−β(β>0)である。第2の切込み部17、17の幅は任意であるが、第1の電極端子21a、23aのぞれぞれと、第2の電極端子25a、27aのそれぞれの幅を所望の幅とするように位置と幅を調整すればよい。ここでは、T3に示すように、第1の電極端子21a、25aの幅をW12とし、第2の電極端子23a、27aの幅をW11とする。
T3後の工程は、第1の実施の形態と同様である。
尚、図1に示すように、第1の切込み部15により抵抗材3のみで連結される構造とし、第2の切込み部17によりW11、W12を決めてから、連結部8を構成T5で切断して分割するため、分割のための切断位置に関してより大きなマージンを持たせることができる。
第2の切込み部17、17の形成タイミングは、第1の切込み部15、15の形成タイミングと同じでも良く、前後のタイミングでも良いが、端子の折り曲げ工程より前であることが好ましい。
個片化(分割)工程T5よりも前に第1の電極端子21a、23aと、第2の電極端子25a、27aと、を画定するため、それぞれの抵抗器において、第1の電極端子21a、23aと、第2の電極端子25a、27aと、の端子サイズ(W11、W12を含む。)を一定に保つことができる。
上記の工程により、図3に示すように、内曲げ端子構造を有する突合せ構造の抵抗器を製造することができる。ここで、図1のT2における第1の電極端子21a、23aと、第2の電極端子25a、27aに対応する第1の電極端子21d、23d(22d)と、第2の電極端子25d、27d(26d)は、それぞれ、電極端子21d、25dは4端子測定における電流用端子に、電極端子23d、27dは4端子測定における電圧用端子として用いることができる。
図3に示すように、本実施の形態による抵抗器Aは、電圧測定用の電圧端子23d、27d、電流測定用の電流端子21d、25dにより4端子測定による電流検出を行うことができるようになっている。
工程T3において、両電極部分がフリーになっているため、4端子構造を形成するための第2の切込み部17、17の加工が行いやすいという利点がある。
また、個片化前に第2の切込み部17、17の加工を行うため、個々の抵抗器Aにおいて、端子(電流用端子や電圧検出用端子)のサイズを一定にすることができるため、4端子測定を行う実装時におけるサイズのばらつきの影響が少ないという利点がある。
第1の切込み部15、15と、第2の切込み部17、17とを同じタイミングで形成すれば、同じ工程で個片化領域の画定と4端子構造の画定とを行うことができる。
後述するように、図4に示す構造においても、電圧測定用の電圧端子33d、37d、電流測定用の電流端子31d、35dにより4端子測定による電流検出を行うことができるようになっている。
図3及び図4を参照しながら、本発明の第1及び第2の実施の形態による製造方法で製造した抵抗器の、より詳細な構造について説明を行う。
図3に示すように、内曲げ端子(C字型端子)構造を有する抵抗器Aは、抵抗体3xにおいて、電圧測定用の電圧端子23d、27dの側面と、電極と抵抗体との突合せ接合部51、52を越えて面一の側面を有する第1の側面領域53、54と、電流測定用の電流端子21d、25dの側面と、電極と抵抗体の突合せ接合部51、52を越えて面一の側面を有する第2の側面領域55、56と、を有している。
さらに、第1の側面領域53、54、第2の側面領域55、56に続く抵抗体3xの側面には、第1の側面領域53、54、第2の側面領域55、56より側方に突出している第1の突出部3a、3b及び第2の突出部3c、3dを有している。突出部間には、送り孔11に対応する凹部11a、11bが形成されている。第1の突出部3aは、第2の方向に側面63、64を有している。第2の突出部3c、3dは、第2の方向に側面65、66を有している。
尚、これらの突出部の突出量は、図1の工程T5の切断位置により調整することができる。
また、図4に示すように、外曲げ端子(台形型端子)構造を有する抵抗器Bは、抵抗体3xにおいて、電圧測定用の電圧端子33d、37dの側面と、電極と抵抗体の突合せ接合部51、52を越えて面一の側面を有する第1の側面領域53、54と、電流測定用の電流端子31d、35dの側面と、電極と抵抗体の突合せ接合部51、52を越えて面一の側面を有する第2の側面領域55、56と、を有している。
さらに、第1の側面領域53、54、第2の側面領域55、56に続く抵抗体3xの側面には、第1の側面領域53、54、第2の側面領域55、56より突出している第1の突出部3a、3b及び第2の突出部3c、3dを有している。第1の突出部3a、3b及び第2の突出部3c、3d間には、それぞれ送り孔11に対応する凹部11a、11bが形成されている。第1の突出部3aは、第2の方向に側面63、64を有している。第2の突出部3c、3dは、第2の方向に側面65、66を有している。
以下、突出部を設けることによる利点について、図3に対応する図5の構造を参照して説明する。
図5に簡略化して示すように、本発明の実施の形態による抵抗器Aは、抵抗体3xの側面に、第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dを有している。それぞれの第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dは形状としての特徴を有しており、例えばそれぞれの角部の位置PからPまでは、位置的な目印として利用することができる。図5に示すように、第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dの角部分の位置PからPを基準とすれば、抵抗体Aの位置を正確に識別することができる。個々の抵抗器Aの抵抗値調整の際には、これらの突出部を基準として抵抗値調整を行うことが可能である。
また、第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dまでの形成されている領域や、側面63、64、側面65、66、角部の位置PからPまでを基準として、電流端子側61、電圧端子側62のいずれか一方、あるいは両方の抵抗体において、抵抗値調整のためのトリミング処理を行うことが簡単にできる。尚、抵抗体3xの調整方法は、プレス、エンドミル、グラインダ、砥石などの周知の方法を用いて行うことができる。
例えば、抵抗値調整のための抵抗体のトリミングの位置ずれによる抵抗値調整不良や、端子部分(特に、内曲げ構造の端子部分21d、23d、25d、27dなど)を傷つける等の不具合を防止することが可能である。
また、抵抗器Aの小型化あるいは低抵抗値化のため、抵抗体3xの幅(端子間距離)を短くする必要がある場合(例えば2mm程度など)において、これらの目印が特に有用である。
(第3の実施の形態)
次に、上記第1の実施の形態又は第2の実施の形態において説明した製造方法により製造した抵抗器の抵抗値の調整技術について、第3の実施の形態として説明する。
図6から図8までは、本実施の形態による抵抗器の製造方法により製造した抵抗器のうち、上記第2の実施の形態で説明したように抵抗体3xの側面に第1の突出部3a、3b、第2の突出部3c、3dを有している構造が示されている。これらの構造においては、突出部間には、送り孔11に対応する凹部11a、11bが形成されている。
図1のT1の初期状態において、送り孔11の寸法(直径)をある程度調整することができる。図6から図8までは、送り孔11の直径を予め調整しておき、その後に、図1のT2からT5までの工程を行って抵抗器を完成させた際の、抵抗体3xの平面形状に注目した図である。符号L11、L12は、図1のT2の工程における切断面の位置を示す。すなわち、図6から図8までは、電極22d、電極26dの側部を画定するL11、L12の位置と、送り孔11による凹部(11a、11b)との位置関係を示す図である。
図6では、送り孔による凹部11a、11bが、電極22d、電極26dの側部を画定するL11、L12の位置と同じ位置であり、送り孔による凹部11a、11bが電極幅又は有効抵抗体幅(L11とL12の間における抵抗体部分)に入り込まない例を示している。図8では、送り孔による凹部11e、11fが、電極22d、電極26dの側部を画定するL11、L12の位置まで到達しておらず、送り孔による凹部11e、11fが電極幅又は有効抵抗体幅に入り込まない例を示している。
一方、図7は、送り孔による凹部11c、11dが、電極22d、電極26dの側部を画定するL11、L12の位置を越えており、送り孔による凹部11a、11bが電極幅又は有効抵抗体幅に入り込んでいる例を示している。
図6に示す構造では、送り孔による凹部11a、11bをトリミングなどにより削ることで、個片化工程後に抵抗器の抵抗値を微調整することができる。この際も、図5で説明したように突出部の角部の位置PからPまでを目安にして微調整を行うことができる。
図7に示すように、T1前の工程における送り孔の形成位置を抵抗体3xの幅が2W41だけ狭くなるようにしておくことで、個片化処理T5後の抵抗値の初期抵抗を、図6等の場合よりも予め高くするように設計することができる。
例えば、ロット間で送り孔の位置を所望の初期抵抗値になるように変更することで、ロット毎に個片化処理後の抵抗器の初期抵抗値を予め調整しておくことができる。従って、同じロットにおいて個片化処理後の微調整の量を少なめにすることが可能となる。
図8に示す構造では、T1前の工程における送り孔の形成位置を抵抗体3xの幅が2W51だけ広くなるようにしておくことで、個片化処理T5後の抵抗値の初期抵抗を、図6等の場合よりも予め低くするように設計することができる。例えば、ロット間で送り孔の位置を所望の初期抵抗値になるように変更することで、ロット毎に個片化処理後の抵抗器の初期抵抗値を予め調整しておくことができる。従って、同じロットにおいて個片化処理後の微調整の量を少なめにすることが、送り孔の位置・形状の変更のみで可能となる。
図9は、送り孔に関する図1の抵抗器素材の変形例を示す図である。図9に示す構造では、第2の方向に第1の送り孔111と第2の送り孔112の2つの送り孔を形成している。
これを個片化することで、抵抗体3xの2側面に、それぞれ、第1の凹部111a、112a、第2の凹部111b、112bを形成し、それぞれの側面に3つの突出部を形成する。尚、この構成では、円形の送り孔を2つ並べた構成としたが、送り孔の数、形状は任意であり、限定されるものではない。
予め、ロット間で送り孔の数を変更することで、ロット間における設計抵抗値を変更することも可能である。
以上に説明したように、板状(帯状)の抵抗器素材の抵抗体の部分に、所定の送り孔を形成しておくことで、ロット間における抵抗値の調整を効率良く行うことができる。
また、上記の各構造において、送り孔による凹部内の側部をトリミングすることで、効率良く、抵抗体の幅を調整し、抵抗値の微調整を行うことができる。また、トリミングする箇所を凹部内の側部に限定することで、突出部などを誤って削ってしまう防止することができる。
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
本発明は、抵抗器の製造方法として利用可能である。
A…抵抗器、1…抵抗器素材、3…抵抗材、3a、3b…第1の突出部、3c、3d…第2の突出部、3x…抵抗体、5…第1の電極材、7…第2の電極材、8…連結部、11…送り孔(パイロット孔)、15…第1の切込み部、17…第2の切込み部、23d、27d…電圧測定用の電圧端子、21d、25d…電流測定用の電流端子。

Claims (6)

  1. 第1側辺と第2側辺とを備えた長尺の抵抗器素材であって、所定の抵抗金属材と、前記抵抗金属材よりも高導電性の電極材とからなり、前記抵抗金属材の両側部に電極材が接合されている抵抗器素材を準備し、
    前記第1側辺と前記第2側辺とから前記抵抗器素材に第1の切込み部を形成することで、前記第1の切込み部間の個片化領域を連結し前記抵抗金属材のみにより構成されている連結部を形成し、前記第1の切込み部は、隣の前記個片化領域間で前記電極材が分離するように形成され、
    次いで、前記連結部を切断する抵抗器の製造方法。
  2. 前記連結部には、前記抵抗器素材を送るための送り孔が形成されている請求項1記載の抵抗器の製造方法。
  3. さらに、前記第1の切込み部間に、前記第1側辺と前記第2側辺とから前記電極材に第2の切込み部を形成することで4端子測定用の電流端子と電圧端子とを画定する請求項1又は2に記載の抵抗器の製造方法。
  4. 第1側辺と第2側辺とを備えた長尺の抵抗器素材であって、所定の抵抗金属材と、前記抵抗金属材よりも高導電性の電極材とからなり、前記抵抗金属材の両側部に電極材が接合されている抵抗器素材を準備し、
    前記第1側辺と前記第2側辺とから前記抵抗器素材に第1の切込み部を形成することで、前記第1の切込み部間の個片化領域を連結する連結部を形成し、
    次いで、前記連結部を切断し、
    さらに、前記第1の切込み部間に、前記第1側辺と前記第2側辺とから前記電極材に第2の切込み部を形成することで4端子測定用の電流端子と電圧端子とを画定する抗器の製造方法。
  5. 抵抗体と、
    前記抵抗体の両端に設けられた第1及び第2の電極部と、からなり、前記抵抗体と前記第1及び第2の電極部とは、端部同士が突き合わされている抵抗器であって、
    前記抵抗体は、前記第1及び第2の電極部の側部よりも突出した第1および第2の突出部を前記抵抗体の両側部に備えており、
    前記第1および第2の突出部には、それぞれ凹部が形成されていることを特徴とする抵抗器。
  6. 前記端部同士が突き合わされている位置と前記突出部との間において、前記抵抗体の側部と前記第1及び第2の電極部の側部とが面一の側面を有することを特徴とする請求項に記載の抵抗器。
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