JP6480241B2 - 防水板ロック装置 - Google Patents
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しかも、現在では一年を通して突然集中豪雨となるゲリラ豪雨がいつ襲来するかわからないため、また旅行などで長期間不在になる場合を考慮したり、前もって雨が降ることを想定して、常時、建物の出入口の防水板装置に防水板を設置して浸水による被害を防ぐようにしている。しかしながら、防水板装置に防水板を設置したままにしておくと、防水板が盗難の被害にあうことがあった。
また、特許文献2に記載されたものでは、防水板を支持する両側の縦枠の上端部に基礎台座を固定し、この基礎台座に上端の防水板を押圧する圧迫装置を連結している。これによって、縦枠に挿入された防水板の水密性を高めている。そして、圧迫装置の調整スクリューのネジ体上部に設けたリング部材とナット前側の螺合部とに設けた孔に施錠具を取り付けて施錠することで、防水板の取り外しと盗難を防いでいる。
本発明による防水板ロック装置は、対向する縦枠のガイド溝に防水板を挿入して取り付け、その後に縦枠内に設置されたロック部材を施錠することでストッパーをガイド溝に進出させ、防水板を縦枠のガイド溝から取り外そうとしてもストッパーによって阻止して防水板の取り外しを防止できる。しかも、ロック部材は縦枠内に設置したため、外部からの破錠等による防水板の取り外しが困難である。
なお、縦枠はガイド溝を備えたガイド部と建物の壁面に固定した基部とを有しており、錠前は基部内に固定してもよいし、ガイド溝内に固定してストッパーをガイド溝内に進退させるようにしてもよい。
本発明による防水板ロック装置は、縦枠のガイド溝にロック部材を装着し、ロック部材からストッパーを進出させて、縦枠のガイド溝を仕切る面に形成した係合部に係合させることで、ロック部材をガイド溝内に固定できるため、縦枠のガイド溝内に取り付けた防水板はロック部材によって取り外しを阻止される。しかも、ロック装置は、ストッパーと縦枠のガイド溝に形成した係合部とが係合してガイド溝内に固定されているために、係合部が外部に露出することがほとんどなくロック部材の外部からの取り外しが困難である。
ロック部材はガイド溝に装着した錠前であり、錠前に対して鍵の操作によってストッパーを突出させて、縦枠のガイド溝を仕切る面に設けた係合溝と係合させることでガイド溝に固定される。そのため、縦枠のガイド溝に取り付けた防水板はロック部材によってガイド溝からの取り外しを阻止でき、ストッパーをガイド溝の係合溝から後退させることで防水板を縦枠のガイド溝から取り外すことができる。
また、本発明による防水板ロック装置は、縦枠のガイド溝にロック部材を装着し、ロック部材から突出したストッパーを縦枠のガイド溝を仕切る面に形成した係合部に係合させることでロック部材をガイド溝内に固定できるため、防水板をガイド溝から取り外すことを阻止する。しかも、ロック部材はガイド溝内に固定してストッパーを縦枠の係合部に係合させたため外部に露出せず、外部からの取り外しが困難である。
図1から図5は本発明の第一実施形態による防水板ロック装置1を示すものである。図1において、建物の出入り口2の開口に防水板ロック装置1が設置されている。防水板ロック装置1は建物の出入り口2の両側の壁面2aの屋外側に連結された一対の縦枠3と防水板4とを備えている。
防水板4は例えば長方形板状でアルミ合金からなっており、各ガイド溝6aに沿って昇降可能であり、必要に応じて装着と取り外しが行える。なお、各防水板4のガイド溝6aに挿入される側端面には図示しない排水口や弾性保護材等が設けられている。図1に示す例では、防水板4は上下方向に三層に積層された状態で一対の縦枠3のガイド溝6aに挿入されて水密に保持されている。
図4及び図5に示す縦枠3の基部7における水平断面において、基部7はガイド溝6aの深さ方向において内外両側に二つの枠部11、12が形成され、その中間部13は蓋部13aで閉鎖している。錠前10はガイド溝6aの内面側に露出する内側端部14に対して筒状の錠前本体15が内側枠部11と中間部13に亘って回転可能に装着され、錠前本体15の内側端部14が締め付けナット16によって内側枠部11の内壁に固定されている。錠前本体15の内側端部14には鍵穴18が外部に露出して設けられている。
しかも、ガイド溝6a内に突出した係止片17は、防水板4を縦枠3のガイド溝6a内に例えば3枚積層した状態で、最も上側の防水板4の上部に位置することで防水板4の取り外しを阻止できる。本実施形態では、ガイド溝6a内に進出した係止片17と最上位の防水板4との間に若干の間隙が設けられているにすぎない。そのため、防水板4を傾けたとしてもガイド溝6aから外れることを防止できる。
防水板ロック装置1において、一対の縦枠3のガイド溝6a内に防水板4を装着するには、各縦枠3の基部7の内面側に設けた錠前10の鍵穴18に鍵を差し込んで図3及び図4において反時計回りに回転させ、図4で二点鎖線で示すように係止片17をガイド溝6aから基部7の中間部13内に退避させる。この状態で、各縦枠3のガイド溝6a内に防水板4を挿入して例えば図1に示すように三枚の積層状態に積み上げる。そのため、三層の防水板4は水密状態に保持される。
しかも、錠前10は鍵穴18を備えた内側端部14が縦枠3の内面側に露出するだけであり、錠前10を縦枠3内に固定する締め付けナット16は錠前本体15と共に基部7内に保持した内蔵構造であるため、縦枠3の外部に突出する部分がほとんどなく、第三者が錠前10を縦枠3から取り外したりボルトクリッパー等で破壊したりすることはできない。
また、一対の縦枠3のガイド溝6a間に防水板4を積層してその上に錠前10の係止片17を設置したため、防水板4の盗難を防ぐと共に強風が吹いた場合でも防水板4の浮き上がりや離脱を防止できる。また、縦枠3間または建物の壁面2a間の有効開口幅を錠前10によって狭めることがない。
本第二実施形態による防水板ロック装置1Aは、ガイド部6のガイド溝6aの上端部に拡径された拡径凹部22が形成され、拡径凹部22の基部7側の内壁19とこれに対向するガイド溝6aの外壁23にはそれぞれ係合溝19b、23aが係合部として形成されている。これらの係合溝19b、23aは貫通孔でもよいし、貫通しない袋穴でもよい。
この状態で、錠前25はガイド溝6aの拡径凹部22に係合して固定保持される。しかも、錠前25がガイド溝6aの両端部の上側に重なって覆うために、一対のガイド溝6aに挿入された防水板4の取り外しを阻止できる。
また、一対の縦枠3のガイド溝6a内に防水板4を積層してその上に錠前25を固定したため、防水板4の盗難を防ぐと共に強風等による防水板4の浮き上がりや離脱を防止できる。また、縦枠3間または建物の壁面2a間の有効開口幅を錠前25によって狭めることがない。
本第三実施形態による防水板ロック装置1Bは、図9及び図11に示すように、ガイド溝6a内の最奥部をなす内奥壁6bの上部に錠前31が固定されている。この錠前31は、図10に示すように略四角形筒形状の錠前本体32を有しており、その一の側面32aには開口が形成されていて開口から係止爪33が進退可能とされている。
係止爪33は例えば側面視扇形形状を有しており、錠前本体32から突出した状態でガイド溝6aに挿入された防水板4を取り出すことを阻止できる。なお、係止爪33の形状は側面視扇形形状に限定されるものではなく、防水板4の取り出しを阻止できれば側面視三角形等、適宜の形状を採用できる。
なお、ガイド溝6a内に錠前本体32の下面を着座させる段部を形成してもよい。この場合、係止爪33が錠前本体32内に退避した状態で、防水板4は錠前本体32に干渉することなく段部にガイドされてガイド溝6aに沿って出し入れできる。
一方、錠前31の鍵穴34に鍵を挿入して回転させて係止爪33を突出させると、一対の縦枠3のガイド溝6aに収納された防水板4の両端部がそれぞれ係止爪33に当接するため、取り出しを阻止できる。
しかも、錠前31は鍵穴34を備えた上面がガイド溝6aから突出するだけであり、錠前31の取り付けフック32bでガイド溝6aの内奥壁6b上端に係止されている一方で、錠前31の下端のねじ固定部32cはガイド溝6a内で錠前本体32の下側に位置していて外部から見えない。そのため、第三者が錠前31を縦枠3から取り外したりボルトクリッパー等で破錠したりすることはできない。
また、上述した他の実施形態と同様に、一対の縦枠3のガイド溝6a内の防水板4の上側に錠前31を固定したため、防水板4の盗難を防ぐと共に強風等による防水板4の浮き上がりや離脱を防止できる。また、縦枠3間または建物の壁面2a間の有効開口幅を錠前31によって狭めない。
そして、一方の縦枠3と中柱40の一方の側面40aの各ガイド溝6a、41内に防水板4が収納されて積層され、他方の縦枠3と中柱40の他方の側面40aの各ガイド溝6a、41内にも防水板4が収納されて積層されている。
また、第一実施形態による錠前10に代えて第二実施形態、第三実施形態による錠前25、31を設置してもよいことはいうまでもない。
また、各錠前10、25、31は必ずしも防水板4を収納する両側に縦枠3のガイド溝6aや中柱40のガイド溝41に設置しなくてもよく、片側のガイド溝6a、41に設置するだけでもよい。この場合、防水板4の取り外しを防ぐために、最上位の防水板4に当接または極近接させて係止片17や係止爪27a、33を設けることが好ましい。
本変形例では、防水板ロック装置1Aは、ガイド部6のガイド溝6aの上端部にロック部材として錠前42が設置されている。この錠前42は鍵穴28を備えた錠前頭部43と、対向する側面の一方にヒンジ部45の一端を固定すると共に他方に係止爪27aを進退可能に設けた錠前本体44とを有している。しかも錠前本体44はガイド部6のガイド溝6a内に着脱可能としている。
そして、錠前本体44に固定したヒンジ部45の他端はガイド溝6aの一方の内壁19に連結され、錠前42をガイド溝6aに対して開閉可能にした。錠前本体44の係止爪27aは突出位置でガイド溝6aの外壁23に形成した係合溝23aに係合される。
防水板4を挿入して積層した状態でロックするには、錠前42をヒンジ部45回りに回動させてガイド溝6aの上端内に錠前本体44を嵌合させる。そして、錠前頭部43の鍵穴28に鍵を差し込んで回転等することで、錠前本体44の側面から係止爪27aを突出させてガイド溝6aを仕切る外壁23の係合溝23a内に係合する。この状態で、錠前42はガイド溝6aの上部を閉鎖してロックされ、ガイド溝6aに挿入された防水板4の取り外しを阻止できる。
なお、錠前42は防水板4を縦枠3に取り付けない場合でもガイド溝6aの上端を蓋をすることができる。本変形例では錠前42の係止爪27aとガイド部6の係合溝23aを1カ所に設けたが、複数カ所に設けてもよい。
3 縦枠
4 防水板
6 ガイド部
6a、41 ガイド溝
7 基部
10、25、31、42 錠前
15、27、32 錠前本体
17 係止片
18、28、34 鍵穴
19 内壁
19b、23a 係合溝
22 拡径凹部
23 外壁
27a、33 係止爪
32b 取り付けフック
32c ねじ固定部
35 ねじ
40 中柱
Claims (3)
- ガイド溝を備えた縦枠と、
前記ガイド溝に沿って着脱可能に取り付けた防水板と、
前記縦枠内に設置されていて前記ガイド溝に進退可能なストッパーを設けたロック部材と、を備え、
前記ロック部材はストッパーを設けた錠前であって鍵穴部分を除いて縦枠内に設置され、鍵の操作によって前記錠前のストッパーを前記ガイド溝に進出させることで前記ガイド溝に取り付けた前記防水板の取り外しを阻止するようにしたことを特徴とする防水板ロック装置。 - ガイド溝を備えていて該ガイド溝を仕切る面に係合部を形成した縦枠と、
前記ガイド溝に沿って着脱可能に取り付けた防水板と、
前記縦枠のガイド溝に着脱可能または回動可能に装着して前記縦枠の係合部に進退可能なストッパーを設けたロック部材と、を備え、
前記ロック部材はストッパーを設けた錠前であって鍵穴部分を除いて前記縦枠のガイド溝内に設置され、鍵の操作によって前記錠前のストッパーを前記縦枠の係合部に進出させて係合させることで前記縦枠に取り付けた前記防水板の取り外しを阻止するようにしたことを特徴とする防水板ロック装置。 - 前記縦枠のガイド溝に前記係合部として係合溝を設け、鍵の操作によって前記ロック部材のストッパーを進退させて、前記係合溝に対して係脱させるようにした請求項2に記載された防水板ロック装置。
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