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JP6477047B2 - インク組成物及びインクセット - Google Patents

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Description

本発明は、インク組成物及びインクセットに関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、記録物の画質等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、高濃度プリント部におけるレッド方向及びマゼンタ方向の色再現範囲を縮小させず、かつインクセットを構成するインク数を最小限に抑えつつ、マゼンタ色を含む低濃度プリント部における粒状感を低減させること、レッド方向について色再現範囲を拡大し、鮮明性を向上させることを目的とし、必要に応じて、高濃度プリント部におけるブルー方向、グリーン方向及びシアン方向の色再現範囲を縮小させず、かつインクセットを構成するインク数を最小限に抑えつつ、シアン色を含む低濃度プリント部における粒状感を低減させ、ブルー方向やグリーン方向の色再現範囲を拡大することを目的として、マゼンタインクとレッドインクとを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、マゼンタインクが、L***表色系による明度指数(L*)がL*≧50のライトマゼンタインクであるインクジェット記録用水性インクセットが開示されている。
特開2006−176605号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクセットでは、なお色再現性が不足するという問題がある。
また、インク組成物は、カートリッジ、パック、大容量タンク等の様々なインク収容体に充填されて用いられるが、このようなインクの使用用途の拡大に伴い、上記のような色再現性に加えて、さらに高信頼性(初期充填性)にも優れるインク組成物が望まれる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、色再現性及び初期充填性に優れるインク組成物及び該インク組成物を備えるインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の染料を所定量用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
下記式で表される染料(M−2)と、下記式で表される染料(Y−1)と、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含み、
前記染料(M−2)と前記染料(Y−1)の含有量比率A(前記染料(M−2):前記染料(Y−1))が、質量基準で、1.25:1〜4.75:1である、
インク組成物。
Figure 0006477047
(上記式(M−2)中、AM2は、5員複素環基を表し、
M21及びBM22は、各々−CRM21=、−CRM22=を表すか、あるいはいずれか一方が
窒素原子,他方が−CRM21=又は−CRM22=を表し、
M23,RM24は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、RM23,RM24は、更に置換基を有していてもよく、
M2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表し、GM2、RM21、RM22は、更に置換されていてもよく、
M21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
Figure 0006477047
(式(Y−1)中、R4は置換基を表し、R5は−OR6又は−NHR7を表し、R6及びR7は水素原子又は置換基を表し、X3は2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Ar3は2価のヘテロ環基を表し、Ar4はアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
〔2〕
シリコンウェーハに対する動的接触角が、滴下後100msecで24°以下であり、かつ、滴下後5100msecで9°以下である、前項〔1〕に記載のインク組成物。
〔3〕
トリエチレングリコールアルキルエーテルを含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインク組成物。
〔4〕
下記式(3)で表される前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対する前記トリエチレングリコールアルキルエーテルの質量比が2以上である、前項〔3〕に記載のインク組成物。
6O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH・・・(3)
(上記式(3)中、R6は、炭素数1〜20のアルキル基をす。また、wは1〜20の値であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の値である。さらに、w、x、y、及びzは、5≦w+x+y+z≦30をたす。)
〔5〕
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が、1.0質量%〜5.0質量%である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔6〕
前記トリエチレングリコールアルキルエーテルの含有量が、3.0質量%〜15質量%である、前項〔3〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔7〕
前記トリエチレングリコールアルキルエーテルが、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、前項〔3〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔8〕
前記染料(M−2)及び前記染料(Y−1)の合計含有量が、2.0〜10.0質量%である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔9〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインク組成物と、
イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を備える、
インクセット。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔インク組成物〕
本実施形態のインク組成物は、下記式で表される染料(M−2)と、下記式で表される染料(Y−1)と、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含み、前記染料(M−2)と前記染料(Y−1)の含有量比率A(前記染料(M−2):前記染料(Y−1))が、1.25:1〜4.75:1である。
Figure 0006477047
(上記式(M−2)中、AM2は、5員複素環基を表し、
M21及びBM22は、各々−CRM21=、−CRM22=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CRM21=又は−CRM22=を表し、
M23,RM24は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、RM23,RM24は、更に置換基を有していてもよく、
M2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表し、GM2、RM21、RM22は、更に置換されていてもよく、
M21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
Figure 0006477047
(式(Y−1)中、R4は置換基を表し、R5は−OR6又は−NHR7を表し、R6及びR7は水素原子又は置換基を表し、X3は2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Ar3は2価のヘテロ環基を表し、Ar4はアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
(置換基群A)
まず、置換基群A、イオン性親水性基について定義する。
置換基群Aとしては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、スルホンアミド基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
イオン性親水性基としては、特に限定されないが、例えば、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
〔式(M−2)で表される染料(M−2)〕
以下、下記式で表される染料(M−2)について詳細に説明する。式(M−2)で表される染料(M−2)は、塩を形成していてもよい。
Figure 0006477047
(上記式(M−2)中、AM2は、5員複素環基を表し、
M21及びBM22は、各々−CRM21=、−CRM22=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CRM21=又は−CRM22=を表し、
M23,RM24は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、RM23,RM24は、更に置換基を有していてもよく、
M2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表し、GM2、RM21、RM22は、更に置換されていてもよく、
M21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
式(M−2)中、5員複素環基としては、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げることができ、各複素環基は更に置換基を有していてもよい。また、複素環のなかでも、ピラゾール環が好ましい。
式(M−2)中、RM21において、水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(M−2)中、RM22において、脂肪族基が好ましく、メチル基、エチル基、分岐していてもよいプロピル基、又は分岐していてもよいブチル基がより好ましい。
式(M−2)中、RM23,RM24は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わす。RM23,RM24は、更に置換基を有していてもよい。
式(M−2)中、RM23において、芳香族基が好ましく、具体的には、ベンゼン環基又はナフタレン環基が挙げられる。上記のRM24において、複素環基が好ましく、具体的には、ベンゾチアゾール環基が挙げられる。
式(M−2)中、GM2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表す。RM23,RM24は、更に置換されていてもよい。また、RM21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。
式(M−2)で表される色材の中でも、下記式(M−21)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006477047
(式(M−21)中、RM25、RM26、RM27、RM28、RM29は、水素原子、アルキル基、スルホ基又はその塩を表す。式(M−21)において、RM25,RM29は,共にアルキル基であるときは、該アルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらに置換基を有していてもよい。XM2は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表し、YM2及びZM2は各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。また、RM25〜RM29にスルホ基が含まれる場合には−SO3Mの形となっている。その場合、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、より好ましくはLi及びNaの少なくとも1種である。)
式(M−21)中、XM2において、特に芳香族基、脂環式基、複素環基が好ましく、具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環及びチアン環等が挙げられる。これらの中でも、複素環がより好ましい。
式(M−21)中、YM2及びZM2の好ましい具体例は、染料(M−2)におけるRM23及びRM24の好ましい具体例と同様である。
式(M−21)で表される化合物の中でも、優れた発色性と耐オゾン性を有していることから、下記式(M−22)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006477047
(式(M−22)中、RM25、RM26、RM27、RM28、RM29、RM210、RM211、RM212、RM213、RM214は、水素原子、アルキル基、スルホ基又はその塩を表し、MM2は、水素原子又はアルカリ金属原子を表す。また、RM25及びRM29が共にアルキル基である場合には、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換基を有してもよく、RM210及びRM214が共にアルキル基である場合には、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換基を有してもよい。)
染料(M−2)の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.5質量%〜7.5質量%であり、より好ましくは2.5〜6.5質量%であり、さらに好ましくは3.0〜6.0質量%である。染料(M−2)の含有量が上記範囲内であることにより、色再現性により優れる画像が得られ、初期充填性にも優れる傾向にある。
染料(M−2)と、染料(Y−1)との含有量比率A(染料(M−2):染料(Y−1))は、1.25:1〜4.75:1であり、より好ましくは1.5:1〜4.5:1であり、さらに好ましくは1.75:1〜4.25:1である。含有量比率Aが上記範囲内であることにより、色再現性により優れる画像が得られ、初期充填性にも優れる傾向にある。
染料(M−2)及び染料(Y−1)の合計含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは2.0〜10.0質量%であり、より好ましくは3.0〜9.0質量%であり、さらに好ましくは4.0〜8.0質量%である。染料(M−2)及び染料(Y−1)の合計含有量が上記範囲内であることにより、色再現性により優れる画像が得られ、初期充填性にも優れる傾向にある。
インク組成物は、色調などの調整のため、耐光性をはじめとする各特性を大きく損ねない範囲で、上記以外のマゼンタ系染料を含有してもよい。
〔式(Y−1)で表される染料(Y−1)〕
以下、下記式(Y−1)で表される染料(Y−1)について説明する。
Figure 0006477047
(式(Y−1)中、R4は置換基を表し、R5は−OR6又は−NHR7を表し、R6及びR7は水素原子又は置換基を表し、X3は2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Ar3は2価のヘテロ環基を表し、Ar4はアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
式(Y−1)中、Ar3で表される2価のヘテロ環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であってもよい。Ar3で表される2価のヘテロ環基としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。チアジアゾールが最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、前述の置換基群Aと同じである。
式(Y−1)中、R4、R6及びR7で表される置換基は、前記置換基群Aより選択される。
式(Y−1)中、R4はアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましく、ターシャリーブチル基であることが更に好ましい。
式(Y−1)中、R5は置換又は無置換のアミノ基であることが好ましく、R5は無置換のアミノ基であることがより好ましい。
また、式(Y−1)中、Ar4は置換又は無置換のアリール基であることが好ましく、置換又は無置換のフェニル基であることが更に好ましい。
式(Y−1)中、R4、R5、Ar4がさらに置換基を有する場合の置換基としては前記置換基群Aが挙げられ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が更に好ましい。
式(Y−1)中、X3で表される二価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NRA−(RAは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO2−、−SO−又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
式(Y−1)中、X3で表されるアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、RAで表されるアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前記置換基と同じである。RAで表されるアルキル基及びアリール基は、置換若しくは無置換の、アルキル基又はアリール基が含まれる。置換若しくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましく、置換若しくは無置換のアリール基としては、炭素数6から30のアリール基が好ましい。
式(Y−1)中、X3で表される二価の連結基において、更に好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、二価のヘテロ環基、−O―、−S−又はこれらの組み合わせであり、アルキレン基、もしくは−S−、又はこれらの組み合わせであることが、更に好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
式(Y−1)中、Ar4で表されるアリール基又はアリーレン基は、前述のRAで表されるアリール基又はアリーレン基と同義であり好ましいものも同様である。また、Ar4で表されるトリアジン基は1価の置換基を有していてもよい(1価の置換基は前述の置換基群Aと同義であり好ましいものも同様である。)。
式(Y−1)で表される色材としては、特に限定されないが、例えば、下記式(Y−1−1)で表される化合物が好ましく、下記式(Y−1−2)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006477047
(式(Y−1−1)中、R4は置換基を表し、R5は−OR6又は−NHR7を表し、R6及びR7は水素原子又は置換基を表し、X3は2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Ar3は2価のヘテロ環基を表し、A1はイオン性親水性基を表し、n1は0〜2を表す。)
式(Y−1−1)中、R4、R5、Ar3、n0及びX3は、式(Y−1)におけるR4、R5、Ar3、n0及びX3と同義であり好ましいものも同様である。
式(Y−1−1)中、A1で表されるイオン性親水性基は、−SO3M又は−CO2Mが好ましく、−SO3Mがより好ましく、−CO2Kが特に好ましい。Mは、各々独立して、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、カリウム塩又はカリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、カリウム塩が最も好ましい。
式(Y−1−2):
Figure 0006477047
(式(Y−1−2)中、R20はアルキレン基、−S−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を表し、R21はイオン性親水性基を表し、R11はアルキル基を表し、R12はアミノ基を表す。)
式(Y−1−2)中、R20は、式(Y−1)のX3で表される二価の連結基におけるアルキレン基と同義であり好ましいものも同様である。
式(Y−1−2)中、R21はカルボキシル基(−CO2M)を表し、Mは各々独立して、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、カリウム塩又はカリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、カリウム塩が最も好ましい。
式(Y−1−2)中、R11で表されるアルキル基及びR12で表されるアミノ基は、それぞれ、前記式(Y−1)のR4、R5におけるアルキル基及びアミノ基と同義であり好ましいものも同様である。
式(Y−1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本実施形態に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。なお、具体例中、Etはエチルを、Phはフェニルを、それぞれ意味する。
Figure 0006477047
Figure 0006477047
式(Y−1)で表される化合物は、一般的な合成法で合成することが可能であり、例えば特開2004−083903公報中に記載のジアゾ成分及びカップリング成分を変更、種々組み合わせることで合成することができる。
染料(Y−1)の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.75〜2.5質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%であり、さらに好ましくは1.25〜1.75質量%である。染料(Y−1)の含有量が上記範囲内であることにより、色再現性により優れる画像が得られ、初期充填性にも優れる傾向にある。
インク組成物は、色調などの調整のため、耐光性をはじめとする各特性を大きく損ねない範囲で、上記以外のイエロー系染料を含有してもよい。
〔染料以外の成分〕
以下、インク組成物に含まれうる染料以外の成分について説明する。
〔主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物、及び、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコール〕
本実施形態のインク組成物は、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、を含む。アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、を含むことにより、初期充填性がより向上する。
〔主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物〕
主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物(以下、「アセチレングリコールA」ともいう。)は、後述する主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールとともに、アセチレングリコール系界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)に含まれるものである。ノニオン系界面活性剤は、被記録媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。そのため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いてインクジェット記録を行った場合、滲みの少ない比較的高精細な画像が得られる。なお、本明細書における「主鎖」とは、IUPAC命名法に基づく主鎖を意味する。
特に、アセチレングリコールAは、主鎖の炭素数が12以上であることにより、インク流路を構成するゴムやプラスチック等の高分子部材及びインクにおける気泡発生の一因となり得る異物に対する濡れ性に優れる。そのため、アセチレングリコールAを用いることにより、インクタンクからヘッドまでの高分子部材の流路面に、発生した気泡が残留することを抑制することができる。また、これにより、初期充填性が優れるとともに、残留した気泡の成長、及び流路面に付着していた気泡の離脱に起因するドット抜けを共に防止できることから、連続印刷安定性が良好となる。さらに、アセチレングリコールAは、アルキレンオキサイド付加物であることによりインク中における溶解性が優れたものとなる。
アセチレングリコールAのHLB(Hydrophile - Lipophile Balance)値は、上記の濡れ性が一層優れたものとなるため、好ましくは8〜15である。なお、ここでHLB値は、グリフィン法で定義されるHLB値とする。
アセチレングリコールAとしては、以下に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006477047
(上記式(1)中、R1、R1'、R2、及びR2'は互いに独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、主鎖の炭素数は12以上であり、−OR3は−OH又は−O(C24O)mHを表し、−OR3'は−OH又は−O(C24O)nHを表す。その際、m及びnは互いに独立して0.5〜25の小数を含む値であり、m+nは1〜40の小数を含む値である(ただし、−OR3及び−OR3'が共に−OHである場合を除く。)。)
アセチレングリコールAの具体例としては、特に限定されないが、例えば、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物及び5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物が挙げられる。上記アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物の中でもアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物及びアセチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物が好ましく、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
アセチレングリコール中のアルキレンオキサイド単位の付加モル数は、R3及びR3'それぞれにおいて、好ましくは1〜20モルである。また、当該付加モル数の総数(R3及びR3'の合計)は、好ましくは2〜40モルである。アルキレンオキサイドの付加モル数の総数が40モル以下であると、静的及び動的表面張力を小さくすることができ、インクの吸収性能が良好となる。
アセチレングリコールAの市販品としては、以下に限定されないが、例えば、オルフィンEXP4300(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名、炭素数12、エチレンオキサイド付加物)が挙げられる。
アセチレングリコールAは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アセチレングリコールAの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.25〜1.75質量%であり、より好ましくは0.50〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.75〜1.25質量%である。アセチレングリコールAの含有量が0.25質量%以上であることにより、疎水面への濡れ性が上がり充填性がより向上する傾向にある。また、アセチレングリコールAの含有量が1.75質量%以下であることにより、溶解安定性がより向上する傾向にある。
〔主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコール〕
主鎖の炭素数が10以上のアセチレングリコール(以下、「アセチレングリコールB」ともいう。)は、インク中に発生した気泡を効果的に消泡させることができる。これにより、初期充填性及び連続印刷安定性が優れたものとなる。
アセチレングリコールBのHLB値は、消泡性に優れるため、7以下が好ましく、3〜5がより好ましい。
アセチレングリコールBとしては、特に限定されないが、例えば、下記式(2)で表されるアセチレングリコールが挙げられる。
Figure 0006477047
(上記式(2)中、R1、R1'、R2、及びR2'は互いに独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、主鎖の炭素数は10以上である。なお、当該式(2)中のR1、R1'、R2、及びR2'は、上述した式(1)中のR1、R1'、R2、及びR2'と関係のないものである。)
アセチレングリコールBの具体例としては、以下に限定されないが、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールが好ましく挙げられる。
アセチレングリコールBの市販品としては、以下に限定されないが、例えば、サーフィノール104PG50(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)、サーフィノールDF110D(2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール)(以上、エアプロダクツ社製商品名)が挙げられる。
アセチレングリコールBは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アセチレングリコールBの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜1.0質量%であり、より好ましくは0.25〜0.75質量%であり、さらに好ましくは0.40〜0.60質量%である。アセチレングリコールBの含有量が0.10質量%以上であることにより、抑泡性が上がり、充填性がより向上する傾向にある。また、アセチレングリコールBの含有量が1.0質量%以下であることにより、溶解安定性がより向上する傾向にある。
アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBの総含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.75〜2.25質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%であり、さらに好ましくは1.25〜1.75質量%である。アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBの総含有量が前記範囲内にあることにより、インクに対する溶解性が良好となり、これらのアセチレングリコールを配合した際に凝集物が発生するのを効果的に防止できる。
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
本実施形態のインク組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含んでもよい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことにより、アセチレングリコールAとアセチレングリコールBの溶解性、分散性がより向上する傾向にある。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、アセチレングリコールAとアセチレングリコールBの有する低い動的表面張力に影響を及ぼしにくい。
ところで、インク連続供給システム(CISS)は、疎水性の材料からなるインク流路やインクタンクが使用されることが多いため、インク連続供給システムに用いるインクセットにおいては、各インクが比較的疎水性の界面活性剤を使用することが効果的である。この観点から、アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBを併用することが有効であるが、アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBの効果を得つつ、さらに、溶解安定性、初期充填性、連続印刷安定性を向上させる観点から、特に、本実施形態のインクセットを、インク連続供給システム(CISS)を備える記録装置に対して用いる場合には、インクがポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことが好ましい。
ここで、「インク供給システム」とは、空気導入口を有するインク収容容器(インクタンク)と、インク収容容器内の上記液体を吐出するノズルを有するプリントヘッドと、上記インク収容容器及び上記プリントヘッドを接続し、上記インク収容容器から上記プリントヘッドへ上記液体を供給するインク供給路と、を備えるものをいう。
また、「インク流路」とは、インクジェット記録装置において、インクを流通させるための流路をいう。インク流路としては、例えば、インクを貯留するインク収容容器からインクジェット式記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給路や、インクジェット式記録ヘッド内においてインクをノズル開口部まで流通させるための流路が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値は、好ましくは11〜16であり、より好ましくは12〜15である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値が上記範囲内であることにより、初期充填性及び連続印刷安定性がより向上する傾向にある。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、以下に限定されないが、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。このようなポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いることにより、保存安定性及び連続印刷安定性がより向上する傾向にある。
6O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH・・・(3)
(上記式(3)中、R6は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数5〜15のアルキル基を表し、より好ましくは炭素数10〜15のアルキル基を表す。また、wは1〜20の値であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の値である。さらに、w、x、y、及びzは、5≦w+x+y+z≦30を満たし、好ましくは5≦w+x+y+z≦25を満たす。)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、具体的には、
1225O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1327O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1225O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1327O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1225O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1327O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1225O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
1327O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
1429O(C24O)14(C36O)2H、
1123O(C24O)8H、
1021O(C24O)11H、及び
1225O(C24O)15Hが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、特に限定されないが、具体的には、
ニューコール1006(C817O(CH2CH2O)nH、HLB値14.6、日本乳化剤株式会社製)
ノイゲンDL−0415(R6O(C24O)W(C36O)x(C24O)y(C36O)zH、「R6」:炭素数12,13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB値15.0)、
ノイゲンET−116B(R6O(C24O)7(C36O)4.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値12.0)、
ノイゲンET−106A(R6O(C24O)5(C36O)3.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値10.9)、
ノイゲンDH−0300(R6O(C24O)2H、「R6」:炭素数14のアルキル、HLB値4.0)、
ノイゲンYX−400(R6O(C24O)40H、「R6」:炭素数12のアルキル、HLB値18.1)、
ノイゲンEA−160(C91964O(C24O)16.8H、HLB値15.4)(以上、第一工業製薬社製)、及び
エマルゲン1108(花王社製商品名、R6O(C24O)8H、「R6」:炭素数11のアルキル、HLB値13.4)が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.50〜5.50質量%であり、より好ましくは1.0〜5.0質量%であり、さらに好ましくは1.50〜4.50質量%である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲であることにより、初期充填性、保存安定性及び連続印刷安定性がより向上する傾向にある。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、アセチレングリコールAの含有量1質量部に対して、好ましくは1.0〜5.0質量部であり、より好ましくは1.5〜4.5質量部である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、アセチレングリコールAが十分に可溶化し、水溶性が良好となる傾向にある。そのため、配合した際に凝集物が発生したりインクの吸収性にバラツキが発生したりすることを抑制できる傾向にある。
さらに、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBの総含有量1質量部に対して、好ましくは1.0〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5質量部である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲内にあることにより、アセチレングリコールA及びアセチレングリコールBが十分に可溶化して水溶性が良好となる。そのため、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びアセチレングリコールA及びアセチレングリコールBを配合する際に凝集物が発生したり、インクの吸収性にバラツキが発生したりすることを抑制できる傾向にある。
〔上記以外の界面活性剤〕
本実施形態のインク組成物は、上記以外の界面活性剤を含んでもよい。当該界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。インクがこれらの界面活性剤を含むことにより、布帛に付着したインクの乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、インクへの溶解度が大きくなりインク中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
〔溶剤〕
インク組成物は、溶剤をさらに含んでもよい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、有機溶剤又は水を用いることができる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
有機溶剤の中でも、揮発性の水溶性有機溶剤がより好ましい。有機溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。
溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定することができる。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとの相溶性を向上するという観点では、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のトリエチレングリコールアルキルテールが好ましい。
トリエチレングリコールアルキルエーテルの含有量は、好ましくは3.0質量%〜15質量%であり、より好ましくは3.0質量%〜12.5質量%であり、さらに好ましくは3.0質量%〜10質量%である。リエチレングリコールアルキルエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、インクジェットヘッドノズルにおける、界面活性剤の分離による吐出不良がより抑制される傾向にある。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対するトリエチレングリコールアルキルエーテルの質量比は、好ましくは1.5以上であり、好ましくは1.75以上であり、好ましくは2以上である。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対するトリエチレングリコールアルキルエーテルの質量比の上限は、特に限定されないが、10以下が好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対するトリエチレングリコールアルキルエーテルの質量比が上記範囲内であることにより、インクジェットヘッドノズルにおける、界面活性剤の分離による吐出不良がより抑制される傾向にある。
〔pH調整剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤は、インクのpH値の調整を容易にすることができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いるインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
〔動的接触角〕
本実施形態のインク組成物のシリコンウェーハに対する動的接触角は、滴下後100msecにおいて、好ましくは24°以下であり、より好ましくは22°以下であり、さらに好ましくは20°以下である。また、本実施形態のインク組成物のシリコンウェーハに対する接触角は、滴下後5100msecにおいて、好ましくは9°以下であり、より好ましくは7°以下であり、さらに好ましくは5°以下である。シリコンウェーハに対する動的接触角が上記範囲内であることにより、インクジェットプリンターの充填性がより向上する。動的接触角は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔色相〕
インク組成物の色相は、好ましくは32.5〜42.5°であり、より好ましくは35〜40°である。インク組成物の色相が上記範囲内であることにより、本実施形態のインク組成物はいわゆるレッドインクとなり、他色インク組成物と組み合わせた際に得られる記録物の色再現性がより向上する傾向にある。
〔インクセット〕
本実施形態のインクセットは、上記レッドインク組成物と、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を備える。このようなインクセットであれば、得られる記録物の色再現性がより向上する傾向にある。イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物としては、従来公知のイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、及びブラック顔料を含む各組成物であれば、特に限定されない。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[レッドインク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したレッドインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
染料(M−2) :下記参照
染料(M−1) :下記参照
染料(Y−1) :下記参照
染料(Y−2−1) :C.I.ダイレクトイエロー86
Figure 0006477047

Figure 0006477047

Figure 0006477047

Figure 0006477047

Figure 0006477047

Figure 0006477047

〔界面活性剤〕
オルフィンE1010:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加モル数10、HLB13〜14、日信化学工業社製
サーフィノール104PG50:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加なし、HLB4、エアプロダクツ社製
ニューコール1006、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、日本乳化剤社製
〔溶剤〕
トリエチレングリコールモノブチルエーテル
グリセリン
トリエチレングリコール
〔pH調整剤〕
トリエタノールアミン
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインク組成物〕
下記に示す色材を用い、表1の組成をレッドインクと同様にして各インク組成を調整した。
(イエローインクの色材)
Y−1(上記)
Figure 0006477047

(マゼンタインクの色材)
M−1(上記)
M−2(上記)
M−3:リアクティブレッド141
(シアンインクの色材)
Figure 0006477047

Figure 0006477047

(ブラックインクの色材)
Figure 0006477047

Figure 0006477047
Figure 0006477047
なお、上記の界面活性剤は以下のとおりである。
SAA1:オルフィンEXP4300:主鎖の炭素数12、エチレンオキサイドの付加あり、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールエトキシレート(日信化学工業社)
SAA3:サーフィノール104PG50:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加なし、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(エアプロダクツ社製商品名)
POAAE1:ノイゲンDL−0415(第一工業製薬社製);ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
〔色相〕
インクジェットプリンター(EP−805A〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクタンクに調製した各インク組成物を充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン株式会社製)にDuty100%の記録物を作成した。得られた記録物の色相(L*、a*、b*)を、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて測定した。その際の条件は、光源D50、視野角2°とした。白色標準に関しては、測定器付属のもの(DIN5033)を使用した。L*値50付近のパッチの測定データを表1に示す。
〔動的接触角〕
シリコンウェーハ上にインク組成物を0.5μL滴下し、シリコンウェーハにインク組成物が付着した時点から100ms後と、5100ms後のインク組成物の接触角を、協和界面科学製PCA−1を用いて測定した。測定は、25℃、湿度50%の条件下で行った。なお、インクの測定と同じ動的表面張力の測定条件にて、イオン交換水を測定したところ、当該シリコンウェーハの値は、100msecで77°、5100msecで75°であった。
Figure 0006477047
〔色再現性(Gamut体積)〕
調製した各レッドインク組成物と、上記に記載のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物と、を備えるインクセットA、並びに、レッドインク組成物を備えないインクセットBを作製した。インクジェットプリンター(EP−805A〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクタンクにインクセットを充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン株式会社製)にカラーチャート画像を印刷した。得られた基準カラーチャート画像を測色器(商品名「Xrite i1」、Xrite社製)を用いて、L*値、a*値、b*値を測定した。これらの値から、L*a*b*色再現範囲体積の値(ガマット値)を算出した。
A : インクセットBにより得られた記録物の色再現範囲(Gamut体積)に対して、インクセットAにより得られた記録物の色再現範囲が10%以上広くなる。
B : インクセットBにより得られた記録物の色再現範囲(Gamut体積)に対して、インクセットAにより得られた記録物の色再現範囲が5%以上10%未満広くなる。
C : インクセットBにより得られた記録物の色再現範囲(Gamut体積)に対して、インクセットAにより得られた記録物の色再現範囲が5%未満広くなる。
〔初期充填性〕
調製した各インク組成物を、インクジェットプリンター(EP−805A〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填した。EP−805Aの定める初期充填シーケンスに従い、ヘッドへの初期充填動作を行った。この後、ヘッドの全ノズルからインクが吐出できるかどうかを確認するため、ノズルチェックを実施した。インクが吐出できないノズルがある場合には、ヘッドのクリーニング(ノズル内のインクの吸引)を行い、その後再度ノズルチェックを実施した。全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニングの回数に基づき、以下の評価基準により初期充填性を評価した。
(評価基準)
A : 初期充填シーケンスのみで全ノズルから吐出する。
B : 全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が1回である。
C : 全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が2回以上である。

Claims (9)

  1. 下記式で表される染料(M−2)と、下記式で表される染料(Y−1)と、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含み、
    前記染料(M−2)と前記染料(Y−1)の含有量比率A(前記染料(M−2):前記染料(Y−1))が、質量基準で、1.25:1〜4.75:1である、
    インク組成物。
    Figure 0006477047
    (上記式(M−2)中、AM2は、5員複素環基を表し、
    M21及びBM22は、各々−CRM21=、−CRM22=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CRM21=又は−CRM22=を表し、
    M23,RM24は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表わし、RM23,RM24は、
    更に置換基を有していてもよく、
    M2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表し、GM2、RM21、RM22は、更に置換されていてもよく、
    M21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
    Figure 0006477047
    (式(Y−1)中、R4は置換基を表し、R5は−OR6又は−NHR7を表し、R6及びR7は水素原子又は置換基を表し、X3は2価の連結基を表し、n0は0又は1であり、Ar3は2価のヘテロ環基を表し、Ar4はアルキル基、アリール基又はトリアジン基を表す。)
  2. シリコンウェーハに対する動的接触角が、滴下後100msecで24°以下であり、かつ、滴下後5100msecで9°以下である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. トリエチレングリコールアルキルエーテルを含む、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 下記式(3)で表される前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対する前記トリエチレングリコールアルキルエーテルの質量比が2以上である、請求項3に記載のインク組成物。
    6O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH・・・(3)
    (上記式(3)中、R6は、炭素数1〜20のアルキル基をす。また、wは1〜20の値であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の値である。さらに、w、x、y、及びzは、5≦w+x+y+z≦30をたす。)
  5. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が、1.0質量%〜5.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記トリエチレングリコールアルキルエーテルの含有量が、3.0質量%〜15質量%である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記トリエチレングリコールアルキルエーテルが、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項3〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記染料(M−2)及び前記染料(Y−1)の合計含有量が、2.0〜10.0質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物と、
    イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を備える、
    インクセット。
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