以下、本発明の一実施形態に係るタックラベル付き熱収縮性ラベルとそれが装着された容器について図1〜図3を参酌しつつ説明する。図1及び図2に本実施形態におけるタックラベル付き熱収縮性ラベル2が装着された容器1を示している。該容器1は、例えばペットボトルやボトル缶等の各種のものであってよい。
容器1は、容器本体とキャップ3とから構成される。図1には開封前の状態を示しており、ミシン目状の開封用切離線3aを切離することでキャップ3を取り外して開封する構成となっている。容器本体は、キャップ3が螺着されるネジ部(図示省略)を外周面に有すると共に上端に開口部(図示省略)を有する小径の口部5と、口部5よりも大径であって容器本体の大部分を占める胴部6と、口部5と胴部6との間に位置していて口部5から胴部6に向かって徐々に径が大きくなっていく肩部7と、胴部6の下側に位置する底部8とを備えている。尚、キャップ3と口部5と肩部7は、容器1において最大の周長を有する部分である胴部6よりも周長が短く、従って短周長部である。その中でも特に肩部7は、胴部6に向けて徐々に周長が拡大していくことから、周長拡大部と言うこともできる。
熱収縮性ラベル2は、筒状であって容器1に被せられて容器1に密着している。具体的には、熱収縮性ラベル2は、容器1の肩部7と胴部6とを被覆している。熱収縮性ラベル2は、容器1の肩部7についてはその上部を除く領域を被覆しており、被覆している領域は肩部7の大部分を占め、少なくとも肩部7の下側半分の領域を被覆している。従って、熱収縮性ラベル2の上端2aは肩部7の上部に位置している。また、熱収縮性ラベル2は、容器1の胴部6についてはその略全体を被覆していて、熱収縮性ラベル2の下端2bは底部8に位置している。尚、熱収縮性ラベル2の上端2aが肩部7の上部ではなく口部5に位置していてもよいし、熱収縮性ラベル2の下端2bが胴部6の中途部に位置していてもよい。尚、熱収縮性ラベル2の軸線方向は上下方向となり、容器1の軸線方向と同じである。
かかる熱収縮性ラベル2の外面の上部に非熱収縮性のタックラベル10が接着されている。詳細には、タックラベル10は全体として横長の長方形状であって、その長手方向である左右方向が熱収縮性ラベル2及び容器1の周方向となるようにして熱収縮性ラベル2に接着されている。タックラベル10はその全体が容器1の肩部7に位置しており、熱収縮性ラベル2への接着箇所も容器1の肩部7を被覆する熱収縮性ラベル2の部分である。
タックラベル10には、タックラベル10を上下二つの領域に区画するための区画部として、切り込み線11がタックラベル10の周縁から内側且つ横方向に向けて延びて形成されている。該切り込み線11は、タックラベル10の左右両端からそれぞれ内側に向けて形成されており、左右の切り込み線11は互いに上下方向の位置が同じであって、タックラベル10の左右方向(幅方向)に沿って延びていて、従って、切り込み線11は熱収縮性ラベル2の周方向に延びており、互いに一直線上にある。切り込み線11の上下方向の位置は例えば上下方向中央部であるが、上側に偏心した位置であってもよいし、逆に下側に偏心した位置であってもよい。また、左右両端から内側に向けてそれぞれ所定長さの切り込み線11が形成されているので、両切り込み線11の間には切り込み線11が形成されずに残った残部12が存在している。切り込み線11の長さと残部12の長さの比は任意であるが、上下二つの領域がそれぞれ異なった状態をとるためには、切り込み線11の長さの方が残部12の長さよりも長いことが好ましく、残部12の長さはタックラベル10の左右方向の全長の半分以下とすることが好ましい。
このように左右両端からそれぞれタックラベル10の内側に向けて横方向に延びる切り込み線11が形成されることにより、タックラベル10は上下二つの領域に区画される。切り込み線11よりも下側の領域である下部領域13は、その左右両端近傍においてのみ熱収縮性ラベル2に接着されていて左右方向中央部においては熱収縮性ラベル2に対して非接着の状態にあり、その非接着の状態にある左右方向中央部は図2に示すように熱収縮性ラベル2から容器1の外方に離間していて凸状に突出している。後述するように、タックラベル10の下部領域13の裏面のうち、左右両端近傍のみに接着部15が設けられ、両接着部15間は非接着部16となっている。図中、クロスハッチングを施している部分が裏面における接着部15である。
タックラベル10の下部領域13における凸形状は、熱収縮性ラベル2が周方向に熱収縮するのに対してタックラベル10が実質上熱収縮しないことから容器1の外方に撓むように変形して形成されたものである。尚、かかる下部領域13の左右両端近傍における接着部15によってタックラベル10は熱収縮性ラベル2に接着されている。従って、タックラベル10の下部領域13における凸形状の突出量や湾曲の程度は、熱収縮性ラベル2の熱収縮量やタックラベル10の下部領域13における左右両接着部15間の離間距離等によって異なる。
一方、切り込み線11よりも上側の領域である上部領域14は、その全体が熱収縮性ラベル2に対して非接着の状態にあって、図2に示すように熱収縮性ラベル2から容器1の外方に離間した状態にある。タックラベル10の上部領域14の形状は、代表的には図2に示すように左右方向に一直線状となった平坦状であるが、外側凸に湾曲していたり逆に外側凹に湾曲していてもよい。何れにしても、左右に翼を広げたような展開状態にある。上部領域14と下部領域13は、両切り込み線11が形成されずに残った中央の残部12において上下につながっているため、凸状となった下部領域13の左右方向中央部の上に上部領域14が載ったような状態となる。換言すれば、凸状となった下部領域13の左右方向中央部が上部領域14を支持するための支持ベース部となって、上部領域14をその左右方向中央部において下側から支えている。また、上部領域14の左右方向中央部における熱収縮性ラベル2からの離間距離は、下部領域13の凸形状の突出量と略等しくなっている。容器1の肩部7の断面形状が円形であるため、上部領域14の熱収縮性ラベル2からの離間距離は、左右方向中央部において最も小さく、そこから左右両端近傍に向けて徐々に大きくなっていく。それに対して、下部領域13は、左右両端近傍においては接着部15により熱収縮性ラベル2に接着された状態にあるため離間距離は0であり、そこから左右方向中央部に向けて徐々に離間距離が大きくなっていって左右方向中央部において最大となっている。このように下部領域13が外側凸に変形した状態にある一方、上部領域14は略フラットあるいはそれに近い横に広がった展開形状となっていて、上部領域14と下部領域13は互いの形状が異なっており、左右両端近傍における熱収縮性ラベル2からの離間距離も互いに異なるものとなっている。
容器1に装着される前の未収縮状態のタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を図3に示している。熱収縮性ラベル2は筒状のものであるが扁平状に折り畳まれた状態にあり、両側縁がそれぞれ折り目となる。尚、図3において容器1の肩部7と胴部8との間の境界線4に対応した箇所を二点鎖線で示している。後述の図4や図5、図8においても同様である。
ここで、熱収縮性ラベル2は、いわゆるシュリンクラベルであって、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムを使用できるが、軸線方向にも収縮する二軸延伸フィルムを使用してもよい。尚、一軸延伸フィルムとは、実質的に一軸延伸されているフィルムをいい、周方向(いわゆるTD方向)と軸線方向(いわゆるMD方向)との収縮率が大きく異なるフィルムのことを意味し、何れかの方向に全く収縮しない(いわゆる収縮率がゼロである)フィルムのみを意味するものではない。具体的には、例えば、90℃、10秒(温水処理)における周方向の熱収縮率が20〜80%、軸線方向の熱収縮率が−5〜10%のフィルムが挙げられる。例えば、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムである場合、周方向が主延伸方向である。
熱収縮性ラベル2を構成する樹脂フィルムの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、ポリ乳酸系(PLA)、ポリアミド系、及び、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリ塩化ビニル等のビニル系の樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂を二種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもでき、二種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、及び、ポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルム、及び、ポリスチレンが特に好ましい。また、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムが好ましい。
熱収縮性ラベル2の厚みは特には限定されないが、8〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、特に好ましくは15〜60μmである。また、着色された樹脂フィルムや、商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることも好ましい。
かかる熱収縮性ラベル2の外面の上部にタックラベル10が接着されている。タックラベル10は横長の長方形状であって、上部領域14の左右方向の寸法と下部領域13の左右方向の寸法は同じであり、上部領域14と下部領域13は何れも左右方向に長い帯状である。タックラベル10は、その幅方向(左右方向)が熱収縮性ラベル2の左右方向(周方向)と略一致するように接着されている。タックラベル10の左右方向の寸法は任意であるが、図3のように筒状の熱収縮性ラベル2を扁平状に折り畳んだ状態において、その扁平状態の熱収縮性ラベル2の左右方向の寸法よりも短くなるようにする。また、上部領域14の左右方向の寸法と下部領域13の左右方向の寸法を異ならせてもよい。例えば、上部領域14の左右方向と上下方向の寸法を略同一にすれば上部領域14は略正方形となるため、上部領域14が短周長部7から離間した状態となったときにラベル付き容器の表現にバリエーションをもたせることが可能となる。
図3に二点鎖線で示した位置は容器1の胴部6と肩部7との間の境界線であり、符号4で示している。従って、その二点鎖線よりも上側の部分が容器1の肩部7を被覆する部分であるが、その部分にタックラベル10が接着されている。また、タックラベル10が熱収縮性ラベル2の上端2aから上方にはみ出さないように、タックラベル10はその上端が熱収縮性ラベル2の上端2aから僅かに下側に位置するように接着されており、タックラベル10の上端と熱収縮性ラベル2の上端2aとの間の距離は少なくとも3〜10mm程度確保される。
タックラベル10の裏面には接着部15と非接着部16とが設けられている。図中、接着部15はクロスハッチングを施している部分であり、非接着部16はそれを施していない部分であり、接着部15は下部領域13の左右両端近傍のみに形成され、それ以外の部分は全て非接着部16となっている。
ここで、タックラベル10は、ラベル基材と該ラベル基材の裏面に積層された接着剤層とを有する。ラベル基材は、柔軟なシートであればその材質等は特には限定されず、種々の公知のものを用いることができる。ラベル基材としては、例えば、紙、不織布、合成紙、プラスチックフィルム等が挙げられ、単層構造であってもよいし、二層以上の多層構造であってもよい。特に、機械的強度に優れていて柔軟性も併せ持つことから、合成紙若しくはプラスチックフィルムの単層、又は合成紙若しくはプラスチックフィルムを含む積層体が好ましい。また、プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸などのエステル系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を含む延伸フィルム等を用いることができ、その中でも機械的強度に優れることから、これらの二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。ポリプロピレンフィルムを使用することも好ましい。ラベル基材の厚さは特に限定されないが、合成紙又はプラスチックフィルムの単層からなる場合、例えば25μm〜120μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することも好ましく、その場合、厚さは35〜75μmとすることが好ましい。
タックラベル10のラベル基材は、透明であってもよいし不透明であってもよいが、透明のものが好ましい。合成紙は、通常乳白色の不透明であるため、ラベル基材が合成紙を含む場合には不透明なものとなる。また、プラスチックフィルムは、通常透明であるため、白色ベタ印刷や銀色ベタ印刷を透明なプラスチックフィルムに施すことによって、不透明なラベル基材とすることができる。また、プラスチックフィルムに金属蒸着膜のような不透明な層を積層することによって不透明のラベル基材としてもよい。
タックラベル10のラベル基材は非熱収縮性である。即ち、ラベル基材は、熱収縮性ラベル2の収縮温度で実質的に熱収縮しないものが用いられる。熱収縮性ラベル2の収縮温度とは、熱収縮性ラベル2が容器1の形状に沿って密着する程度まで熱収縮させ得る温度をいう。該収縮温度は、通常、熱収縮性ラベル2の外面温度が60℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃となる温度をいう。また、実質的に熱収縮しないとは、上記収縮温度において全く収縮しない場合の他、何れかの方向に熱収縮率±5%以下(但し、マイナスは、伸張を意味する。)で熱収縮する場合を含む。
タックラベル10のラベル基材には、視野選択フィルム又は拡大表示フィルムを使用してもよい。視野選択フィルムとは、同フィルムを通してその向こう側の像を見たときに、見る角度によって向こう側の像が見える場合と見えない場合が生じて、更に、見る角度によっては向こう側の像が二重に見え得るフィルムである。具体例としては、例えば、透明性の高分子樹脂フィルムに、該高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に縞状のクレイズ領域が設けられたものを例示できる。また、拡大表示フィルムとは、同フィルムを通してその向こう側の像を見たときに、その像が実際よりも大きく見え得る、拡大鏡の如き機能を有するフィルムである。このような拡大表示フィルムの具体例としては、透明な樹脂フィルムの片面に微細なピッチでマイクロレンズ部が多数条形成されると共に、該樹脂フィルムの片面に透明で且つ屈折率の高い保護層が積層されたものを例示できる。
ラベル基材の表面又は裏面には必要に応じて所望の表示部(印刷層)を印刷により形成する。尚、主として上部領域14に各種の広告用の印刷層を形成することが好ましい。また、ラベル基材に透明のものを使用すると共に下部領域13には印刷層を形成せずに、透明なラベル基材を介して熱収縮性ラベル2の印刷を外部から視認できるようにすることも好ましい。また、不透明なラベル基材を用いる場合にはその表面に表示部を設けることになる。不透明なタックラベル10を熱収縮性ラベル2に接着すると、熱収縮性ラベル2のデザインの一部がタックラベル10によって隠れて見えなくなる場合がある。従って、不透明なラベル基材の表面に表示部を設ける場合には、隠れて見えなくなる熱収縮性ラベル2のデザインを補うための表示部としてもよい。
接着剤層は各種の粘着剤により構成され、例えばアクリル系、ゴム系等の感圧型粘着剤を用いることができる。また、感熱性粘着剤を用いてもよい。粘着剤層の厚さは、例えば10〜30μmである。接着剤層はラベル基材の裏面の全体に形成されており、該接着剤層の裏面全体のうちの一部にいわゆる「糊殺し」や「糊抑え」とも称されるマスキング層が形成されることによって、タックラベル10の裏面が接着部15と非接着部16とに区画される。即ち、マスキング層が形成された部分は、マスキング層が形成されずに残った部分に比して接着力が小さくなる。従って、接着剤層の裏面のうちマスキング層が形成された部分が非接着部16となり、接着剤層の裏面のうちマスキング層が形成されずに残った部分が接着部15となる。マスキング層は、マスキング剤を用いて公知の印刷手法によって形成できる。マスキング剤としては、非粘着性であって紫外線により硬化する層を接着剤層の上に形成できるものが好ましく、紫外線硬化型インキ等が使用できる。但し、ラベル基材の裏面全体に接着剤層を形成するのではなく、接着部15に対応するラベル基材の裏面のみに接着剤層を形成し、非接着部16に対応するラベル基材の裏面には接着剤層を形成しないようにして、接着部15と非接着部16とを区画形成してもよい。
以上のように構成されたタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を容器1に被せ、シュリンクトンネル等によって熱収縮性ラベル2を加熱して熱収縮させて容器1に密着させるのであるが、その際、タックラベル10は非熱収縮性であるので実質上熱収縮しない。特に、容器1の肩部7においては熱収縮性ラベル2の収縮量が大きく、従って、タックラベル10の下部領域13においては、両接着部15同士が接近すると共に両接着部15間の非接着部16が容器1の外方に突出するように撓んで凸状に変形して図2に示したような形状となる。その一方、タックラベル10の上部領域14はその裏面全体が非接着部16であって熱収縮性ラベル2には接着されていないため、全体が容器1の外方に浮き上がるように離間して図1及び図2に示すように略平坦な状態となる。
このように、タックラベル10付き熱収縮性ラベル2が容器1に装着された状態においては、切り込み線11によってタックラベル10が上下に区画されていてその上部領域14と下部領域13が互いに異なった状態となっているので、タックラベル10に立体感が生じることになる。従って、従来のように単にタックラベル10の全体が熱収縮性ラベル2に貼着されている形態に比して、タックラベル10が目立ちやすくなって宣伝広告効果が向上する。
特に、タックラベル10の上部領域14の全体が熱収縮性ラベル2から容器1の外方に離間した状態となっているので、タックラベル10の上部領域14が特に目立つことになって高い宣伝効果が得られる。更に、タックラベル10の下部領域13が容器1の外方に凸状に変形した状態になっていてそれ自体が目立つうえに、更にその上側には下部領域13の形状とは異なる形状の上部領域14が存在しているので、上部領域14と下部領域13の双方の形状が組み合わさって複雑な立体形状となっており、タックラベル10が際立って目立つことになる。また、タックラベル10の下部領域13が容器1の外方に凸状に変形していることで、上部領域14の熱収縮性ラベル2からの離間距離も下部領域13の突出量の分だけ更に大きくなり、上部領域14がより一層目立つことになる。
また、タックラベル10は容器1への装着前の状態では立体形状ではなく平坦状であって、熱収縮性ラベル2が熱収縮することによって自動的に上述したような立体形状に変化するので、予め立体形状としたタックラベル10を容器1や容器1に装着した熱収縮性ラベル2に取り付けるという作業も不要であり、製造も容易である。
更に、タックラベル10は容器1の肩部7に位置していて容器1の胴部6のサイズ内に収まっていて容器1側方には突出していないため、容器1を複数並べたりしても、タックラベル10が隣の容器1やタックラベル10に接触して折れ曲がったり破損したりすることもなく、梱包時や陳列時においても所望の立体形状が維持される。
尚、本実施形態では、タックラベル10の下部領域13のうち左右両端近傍のみに接着部15を設けたが、それに限られず、例えば図4のように下部領域13の裏面全体に接着部15を設けてもよい。また、熱収縮性ラベル2への接着位置も任意に変更可能であって、容器1の肩部7と胴部6との間の境界線4を上下に跨ぐように接着してもよく、図4(a)のように、下部領域13を容器1の胴部6に位置させ上部領域14を容器1の肩部7に位置させるようにしてもよい。尚、このように下部領域13の全体を熱収縮性ラベル2に接着する構成とした場合には、下部領域13は上述したような凸形状にはならず熱収縮性ラベル2から容器1の外方にも離間しない。
また、図3に示したタックラベル10を上下反転させて図5のように熱収縮性ラベル2に接着してもよい。この場合、タックラベル10の上部領域14の左右両端近傍にそれぞれ接着部15が設けられて凸形状となり、下部領域13はその全体が非接着の状態となって翼を左右に広げた状態となる。
また更に、図6〜図8に示しているようにタックラベル10の上部領域14と下部領域13のそれぞれの左右両端近傍に接着部15を設けてもよい。即ち、タックラベル10の四隅にポイント状に接着部15を設けてもよい。尚、接着部15の面積は小さいことが好ましい。この場合、小面積の接着でも十分に接着するように強い接着力を発現する接着剤が好ましい。このように下部領域13のみならず上部領域14にもその左右両端近傍に接着部15を設けて熱収縮性ラベル2に接着した態様とすると、図7にも示しているように熱収縮性ラベル2の熱収縮に伴って上部領域14も下部領域13と同様に容器1の外方に向けて凸状に湾曲変形することになる。但し、この実施形態では、タックラベル10の上部領域14が容器1の肩部7に位置する一方、その下部領域13の大部分は容器1の胴部6に位置しているため、上部領域14の方が下部領域13よりも容器1の外方に大きく突出することになる。このように切り込み線11によって上部領域14と下部領域13に区画されているため、上部領域14と下部領域13とが異なる突出量で容器1の外方に突出することができ、両者の形状の相違によって立体感が増してタックラベル10が目立つことになる。従って、例えば、下部領域13の全体に接着部15を設けて、上部領域14の左右両端近傍に接着部15を設けるようにしてもよく、上部領域14のみが凸状に変形して下部領域13とは異なる形状になるため、立体感が生まれてタックラベル10が目立つことになる。反対に下部領域13ではなく上部領域14の全体に接着部15を設けても同様である。但し、上部領域14と下部領域13の何れも凸状に変形すると共に、熱収縮性ラベル2の熱収縮量の違いを利用して両者の凸形状が異なるようにすることにより、より一層タックラベル10が目立つことになって広告宣伝効果が増す。
尚、上記実施形態においては、熱収縮性ラベル2が容器1の肩部7と胴部6とを被覆し、熱収縮性ラベル2の上端2aが肩部7の上部に位置していたが、上述したように熱収縮性ラベル2が容器1を被覆する範囲については任意であって、熱収縮性ラベル2の上端2aが口部5に位置していてもよいし、図9のようにフルシュリンクと称されるように熱収縮性ラベル2が容器1の略全長を被覆する構成であってもよい。図9に示す実施形態においては、容器1のキャップ3まで被覆するように熱収縮性ラベル2が装着されており、熱収縮性ラベル2の上端2aはキャップ3の天面あるいは天面近傍に位置している。タックラベル10のサイズは上記実施形態と同程度であってもよいが、この実施形態においては、フルシュリンク化に伴ってタックラベル10も上下にサイズアップしている。図10にタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を示している。タックラベル10の上部領域14は肩部7を越えてキャップ3まで達しており、上部領域14の接着部15は、キャップ3を被覆する熱収縮性ラベル2の部分に位置している。従って、タックラベル10の上部領域14の左右両端近傍は、キャップ3を被覆する熱収縮性ラベル2の部分に接着されている。
また、上記実施形態では区画部として切り込み線11を形成する場合について説明したが、図11及び図12のように区画部として切り欠き部21を形成するようにしてもよい。この実施形態においては、タックラベル10の周縁10aは図12において点線で囲んだ矩形を意味し、左右対称形状となるように切り欠き部21がタックラベル10の左右両端から内側に向けてそれぞれ延びて形成されている。切り欠き部21の形状も任意であるが、例えば、図11及び図12ではU字状としている。その他の構成は図9及び図10で示したものと同様である。このように切り欠き部21によってタックラベル10を切り欠き部21よりも上側の上部領域14と下側の下部領域13という二つの領域に区画してもよい。尚、切り込み線11や切り欠き部21の長さ、大きさを左右で異なるようにしてもよく、また、左右の一方を切り込み線11とし他方を切り欠き部21としてもよい。
尚、上記実施形態では、タックラベル10の裏面のうち接着部15を除く他の部分を非接着部16としたが、非接着部16ではなく接着部15に比して接着力の小さい弱接着部としてもよい。上述したようにマスキング層を形成した場合であっても若干の接着力が残る場合もある。また、接着剤層の上にマスキング層を形成する場合であっても、マスキング層に小孔を形成してその小孔から接着剤層が部分的に露出するようにすることで、マスキング層を形成した部分にも弱い接着力が残るようにして弱接着部としてもよい。更に、マスキング層の形成工程を工夫することによって接着部15と弱接着部を形成するようにしてもよい。例えば、接着剤層を裏面全体に形成したうえで、マスキング層を印刷手法によって形成する場合、マスキング層をベタ印刷(100%)して非接着部16とすることができ、また、マスキング層を各種パーセントの網点で形成することによって弱接着部を形成することができる。そのようにすれば弱接着部の接着力をマスキング層の網点のサイズによって容易に調整することができる。また、弱接着部の接着力を弱接着部の領域内で大小変化させることも容易であり、例えば、左右両端近傍に接着部15を形成し、その間を弱接着部とする場合において、左右方向中央部に向けて徐々にマスキング層の網点面積率を大きくしていくことにより徐々に接着力を小さくするようにしてもよい。このように網点面積率を調整することによって弱接着部の接着力を任意に調整することができる。
また、このように接着部15以外の部分を弱接着部としておくと、容器1への装着前において接着部15以外の部分が熱収縮性ラベル2から浮き上がりにくくなって、とりわけタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2が連続した長尺体であってそれを扁平状に折り畳んでロール状に巻回して製造や保管、管理する場合、接着部15よりも外側に位置するタックラベル10の角部が捲れてしまうということを防止することが容易になる。そして、熱収縮性ラベル2が周方向に熱収縮することでタックラベル10の弱接着部に歪み応力を生じるが、弱接着の程度を適宜調整することで、最終的にその歪み応力を開放するべく自動的に熱収縮性ラベル2から剥離させることができる。
更に、容器1の肩部7や口部5、あるいはキャップ3にタックラベル10の少なくとも一部が位置するような形態について説明したが、例えば容器1の胴部6の上下方向中央部が括れて小径となっていて胴部6が瓢箪形状となっている場合においては、上側に向けて径が徐々に大きくなっていく括れ部のテーパ状の上部や、径が下側に向けて徐々に大きくなっていく括れ部のテーパ状の下部にタックラベル10を位置させるようにしてもよい。
また更に、容器1の断面形状も上述したような円形のみならず矩形等の多角形であってもよく、多角形の場合には、タックラベル10を容器1の平面部分に接着してもよいし角部を左右に跨ぐように接着してもよい。
尚、図3等に示したようなタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2は通常以下のようにして製造される。即ち、所定幅の長尺状のシュリンクフィルムの両側縁部同士を貼り合わせて筒状に形成し、該筒状のラベル長尺体を扁平状に折り畳んでロール状に巻回して保管、輸送される。従って、扁平状態のラベル長尺体の両側縁にはそれぞれ折り目が形成される。尚、タックラベル10は、例えば、扁平状に折り畳まれたラベル長尺体に所定間隔毎に接着される。そして、ロールから繰り出されたラベル長尺体を所定長さ毎に切断してタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を形成するのであるが、容器1に被せやすくするために走行経路の途中においてラベル長尺体を折り返す折り返し処理を行う場合がある。該折り返し処理は、扁平状態のラベル長尺体を一旦開口して、扁平状態における両側縁同士を近づけて重ね合わせるようにして新たに扁平状態に折り畳む処理である。この折り返し処理によってラベル長尺体には新たに二つの折り目が形成され、元の二つの折り目と合わせて合計四つの折り目が軸線方向に沿って形成されることになる。このように折り返し処理を行うとタックラベル10にも折り目が入ることになる。そこで、タックラベル10に折り目が入りにくくするために、タックラベル10の裏面における折り目形成位置に発泡層を形成するようにしてもよい。また、タックラベル10自体を折り目の付きにくい合成紙としてもよい。
尚、一枚のタックラベル10に切り込み線11等の区画部を形成してタックラベル10を上下二つの領域に区画した構成について説明したが、二枚のラベル片を上下に連結して一つのタックラベル10を構成するようにしてもよい。連結手段は一方を他方に部分的に重ね合わせて接着する構成であってもよいし、別途連結片を用いる構成としてもよい。何れにしても、上下のラベル片間にスリット等の隙間を形成することによりその隙間を区画部とすることができる。
また、図13のように、横方向の切り込み線11の内側の端から更に下部領域13に向けて切り込み線30を延長してもよい。図13はタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2の要部を示しており、図3に示したのと同様に、容器1の肩部7を被覆する熱収縮性ラベル2の部分にタックラベル10の全体が位置している。このように横方向の切り込み線11の内側の端から下部領域13に向けて切り込み線30を延設すると、上部領域14が下方に部分的に拡大されることになる。即ち、上部領域14は、上部領域14の大部分を占める主部14aと、該主部14aの下端中央から下方に突出する支持脚部14bとを有して、全体として略T字状に形成されている。延長の切り込み線30を左右一対形成することによりその間に支持脚部14bが形成され、左右一対の延長の切り込み線30は、横方向の切り込み線11の内側の端から下側に向けて互いに接近するように傾斜して延びる形状となっている。即ち、左右一対の延長の切り込み線30同士の間隔は下側ほど狭くなっており、従って、上部領域14の支持脚部14bは、下側に向けて徐々に幅狭となっている。
かかるタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を容器1に装着した状態を図14及び図15に示している。容器1に装着する際、熱収縮性ラベル2は容器1の肩部7において大きく収縮するので、タックラベル10の下部領域13の左右の接着部15は互いに接近し、その接近に伴って、下部領域13における両接着部15間の非接着部16が容器1の外方に突出するように湾曲して凸状に変形する。尚、上側ほど熱収縮性ラベル2の収縮量が大きいため、タックラベル10の下部領域13の左右両端(左右両側縁部)は上側ほど互いに接近してハの字状に傾斜した状態となる。
一方、タックラベル10の上部領域14は、その裏面全体が非接着部16であって熱収縮性ラベル2には接着されていないので、容器1の外方に浮き上がるように離間する。タックラベル10の上部領域14と下部領域13との間には横方向の切り込み線11が形成されていてその横方向の切り込み線11がタックラベル10の左右両端から内側に向けて延びているので、タックラベル10の上部領域14が下部領域13とは異なる姿勢になりやすい。しかも、延長の切り込み線30も形成されていてタックラベル10の上部領域14の下端に支持脚部14bが下方に向けて突設されているので、タックラベル10の上部領域14が下部領域13の湾曲凸形状の影響をほとんど受けることなく略平坦な姿勢で上方に起立した状態になり、上部領域14の平坦性が確保されやすくなる。更に、左右一対の延長の切り込み線30が、互いの離間距離が下側ほど小さくなるように逆ハの字状に傾斜しているので、上部領域14に与える下部領域13の湾曲形状の影響が最小限で済む。
また、延長の切り込み線30が形成されているので、下部領域13の両接着部15同士がスムーズに接近できる。確かに、延長の切り込み線30を形成しなくても横方向の切り込み線11が形成されているので、タックラベル10の下部領域13は熱収縮性ラベル2が収縮することよって外側凸に湾曲変形できる。しかしながら、熱の当たり具合によっては熱収縮性ラベル2が全周に亘って均等に収縮しないこともあり、熱収縮性ラベル2が均等に収縮しない場合にはタックラベル10の下部領域13が左右均等ではなく左右何れかに偏った状態で外側凸に変形する場合がある。その結果、タックラベル10の上部領域14も下部領域13に合わせて左右に傾いた姿勢や捻れた姿勢になりやすい。それに対して延長の切り込み線30を形成すると、熱収縮性ラベル2がタックラベル10を中心として左右均等に収縮しない場合であっても、タックラベル10の下部領域13がスムーズに且つ左右バランス良く外側凸に湾曲しやすく、タックラベル10の上部領域14も左右に傾いたりしにくくなって真っ直ぐな起立姿勢が得られやすい。特に、左右一対の延長の切り込み線30が逆ハの字状に形成されているので、タックラベル10の上部領域14が左右に傾いたり捻れたりすることをより一層抑制でき、タックラベル10の上部領域14がより一層真っ直ぐに起立しやすくなる。尚、延長の切り込み線30の長さや角度は、タックラベル10の貼着位置や容器1の形状、あるいは、左右両接着部15間の離間距離等に応じて適宜設定すればよい。また、タックラベル10の上部領域14の容器1からの離間量(浮き上がりの程度)は、タックラベル10の下部領域13における両接着部15間の離間距離を増減することによって調整できる。
尚、左右一対の延長の切り込み線30は、互いの離間距離が下側ほど小さくなるように逆ハの字状に傾斜したものの他、図16(a)のように、互いの離間距離が下側ほど大きくなるようにハの字状に傾斜するものであってもよい。また、図16(b)のように、延長の切り込み線30が縦方向(上下方向)に延びるものであってもよい。即ち、左右一対の延長の切り込み線30が互いに平行であってもよい。
また、タックラベル10の上部領域14はタックラベル10のメインとなる領域であって、そこに表示部を設けることによりPOP効果を発揮するPOP部あるいはラベル本体部となる領域である。それに対してタックラベル10の下部領域13は上部領域14を容器1から浮き上がらせつつ下側から支えるベース部となる領域である。従って、図13〜図16のように、タックラベル10の上部領域14を下部領域13よりも大型とすることが好ましく、また幅広に形成することが好ましい。
また、区画部はタックラベル10を上下に区画する構成には限られず、左右に区画する構成であってもよい。例えば、タックラベル10を左右三つの領域に区画するための切り込み線31,32をタックラベル10の周縁から内側に向けて形成してもよい。具体例を挙げると、例えば、図17のようにタックラベル10を左右三つの領域に区画するように、タックラベル10の上端と下端からそれぞれタックラベル10の内側に向けて縦方向に延びる切り込み線31,32を二本ずつ形成してもよい。タックラベル10の上端における縦方向の切り込み線31と下端における縦方向の切り込み線32は、互いに幅方向の同一箇所に形成されていて一直線状にある。また、タックラベル10の上端から延びる二本の縦方向の切り込み線31は互いに平行であって、タックラベル10の下端から延びる二本の縦方向の切り込み線32も互い平行である。尚、この実施形態では、上端から延びる縦方向の切り込み線31が下端から延びる縦方向の切り込み線32よりも長くなっているが、これは同じであってもよいし、逆に下端の方が長くてもよい。
このようにタックラベル10の上端と下端からそれぞれ縦方向の切り込み線31,32が二本ずつ形成されることにより、タックラベル10は左側領域40と中央領域41と右側領域42に区画されることになる。また、中央領域41の左右両端からそれぞれ左側領域40と右側領域42に支持脚部41bを突設すべく、縦方向の切り込み線31,32の内側の端から更に左側領域40と右側領域42に向けて横方向に延びる延長の切り込み線33が形成されている。即ち、左側領域40に向けて上下二本の延長の切り込み線33が形成されることにより中央領域41には左側の支持脚部41bが突設され、同様に、右側領域42に向けて上下二本の延長の切り込み線33が形成されることにより中央領域41には右側の支持脚部41bが突設されている。尚、左右一対の支持脚部41bは互いに同一線上に位置している。このように中央領域41は主部41aと左右一対の支持脚部41bとから構成されている。
また、接着部15は、左側領域40と右側領域42の略全体に形成されている。詳細には、縦方向の切り込み線31,32と延長の切り込み線33の近傍を除いて、左側領域40と右側領域42の略全体に接着部15が形成されており、中央領域41は、左右の支持脚部41bを含めてその全体が非接着部16となっている。尚、中央領域41がメインの領域であってラベル本体部を構成し、左側領域40と右側領域42はラベル本体部を容器1から浮き上がらせつつ支持するためのベース部を構成する。
図17に示すタックラベル10付きの熱収縮性ラベル2を容器1に装着すると、図18及び図19に示すような状態となる。即ち、容器1の肩部7を被覆する熱収縮性ラベル2の部分が収縮することにより、左側領域40と右側領域42が互いに接近する。特に、肩部7においては上側ほど収縮量が大きくなるので、左側領域40と右側領域42は上側ほど接近することになり、図18のように正面視においてハの字状となる。一方、中央領域41は、左側領域40と右側領域42が互いに接近することで図19のように容器1から離れて浮き上がる。特に、左右に支持脚部41bが突設されているので、中央領域41の主部41aは両支持脚部41bによって左右両側から支え上げられて容器1から浮き上がる。
また、タックラベル10の上端のみに縦方向の切り込み線31を区画部として形成するようにしてもよい。例えば、図20のように、タックラベル10の上端から内側(下側)に延びる縦方向の切り込み線31を左右方向に間隔をあけて二本形成して、タックラベル10を左側領域40と中央領域41と右側領域42に区画するようにしてもよい。接着部15は左側領域40と右側領域42にそれぞれ設けて、中央領域41はその全体を非接着部16とする。尚、タックラベル10の下端は全幅に亘って非接着部16となっており、図21及び図22のように容器1への装着状態では、タックラベル10の下端が容器1の外方に向けて凸状に湾曲する。この場合においても図22のように中央領域41が容器1から浮き上がって目立つことになる。
また更に、区画部としてタックラベル10の周縁から内側に向けて斜め方向に延びる切り込み線34を形成してタックラベル10を複数の領域に区画するようにしてもよい。例えば、図23のように、タックラベル10を横方向に延びる下部領域13と縦方向に延びる上部領域14とから全体として略逆T字状に形成する。この場合、上部領域14がラベル本体部を構成し、下部領域13がベース部を構成する。そして、上部領域14の下端を下部領域13の中央部に食い込むように突出させて支持脚部14bを形成すべく、上部領域14の左右両端の下端からそれぞれ内側且つ下側に向けて斜めに傾斜した切り込み線34を形成する。即ち、上部領域14を主部14aと支持脚部14bとから構成する。また、下部領域13の左右両端近傍にそれぞれ接着部15を形成し、それ以外の部分は非接着部16とする。図24のように容器1に装着すると、下部領域13の左右の接着部15が互いに接近することで、下部領域13の左右方向中央部は容器1の外方に向けて凸状に湾曲し、上部領域14は図25にも示しているように容器1から浮き上がって下部領域13の中央部から上方に起立した状態となる。また、左右一対の切り込み線34が下側ほど互いの離間距離を狭くするように斜めに形成されているので、下部領域13が外側凸に湾曲しても、その湾曲の影響が上部領域14の主部14aに及びにくくなり、上部領域14の平坦性が確保されやすい。
この場合、タックラベル10の上部領域14はタックラベル10のメインとなる領域であって、そこに表示部を設けることによりPOP効果を発揮するPOP部あるいはラベル本体部となる領域である。それに対してタックラベル10の下部領域13は上部領域14を容器1から浮き上がらせつつ下側から支えるベース部となる領域である。従って、タックラベル10の上部領域14を縦長に形成することが好ましく、下部領域13は横方向に延びる帯状とすることが好ましい。