まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、第1位置から第2位置に移動可能な可動体と、遊技盤側に設けられた複数の盤側発光体と、枠側に設けられた複数の枠側発光体と、前記盤側発光体及び前記枠側発光体の発光態様を制御可能な発光制御手段と、を備え、前記発光制御手段は、前記可動体が前記第1位置にある場合には、前記盤側発光体を第1発光態様で、前記枠側発光体を該第1発光態様とは異なる第2発光態様でそれぞれ制御し、前記可動体が前記第2位置にある場合には、前記盤側発光体と前記枠側発光体とを第3発光態様で制御可能としたことを特徴とする。
この遊技機には、複数の盤側発光体と複数の枠側発光体とがあり、発光制御手段は、盤側発光体及び枠側発光体の発光態様(発光色や点灯、点滅)を制御する。また、この遊技機には、可動体があり、可動体は、第1位置から第2位置に移動する。
可動体が第1位置にある場合には、発光制御手段は、盤側発光体を第1発光態様で、枠側発光体を第2発光態様で制御するので、互いに異なる態様の発光となる。一方、可動体が第2位置にある場合には、発光制御手段は、盤側発光体と枠側発光体とを第3発光態様で制御するので、盤側発光体と枠側発光体とは、同じ態様で発光する。これにより、可動体の移動に伴って遊技機全体で一体の演出を行い、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態の遊技機において、前記発光制御手段は、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置へ移動している際に、前記盤側発光体を前記第1発光態様で、前記枠側発光体を前記第2発光態様でそれぞれ制御可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、可動体が第1位置から前第2位置へ移動している際(移動中)には、盤側発光体と枠側発光体とは、まだ互いに異なる態様で発光している。すなわち、可動体の移動が終了したとき初めて、盤側発光体と枠側発光体の発光態様が変化する効果的な演出とすることができる。
また、本実施形態の遊技機において、遊技球の始動入賞を契機に当否の判定を行う抽選手段をさらに備え、前記第1発光態様及び前記第2発光態様は、前記抽選手段による抽選結果に依らず実行可能であり、前記第3発光態様は、前記抽選手段による抽選結果が当りである場合にのみ実行可能であることが好ましい。
この構成によれば、盤側発光体の第1発光態様と枠側発光体の第2発光態様の発光とは、抽選結果に依らず実行されるので、この場合、当りか外れかが遊技者に知得されない。一方、盤側発光体と枠側発光体との第3発光態様の発光は、抽選結果が当りである場合にのみ実行されるので、いわゆる大当り確定演出として用いることができる。
初めに、図1を参照して、本発明の実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部には、スピーカ7が2つ設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部であり、本発明の「枠側発光体」に相当する。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は、前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
上貯留皿11の表面部分には、内蔵LED(本発明の「枠側発光体」の1つ)が点灯したとき操作が有効となる操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、操作有効期間に遊技者がボタンを操作(押下げ)することにより、演出態様を変化させることができる。また、遊技画面から各種設定を行うメニュー画面に切替える際にも操作ボタン13を用いる。
操作ボタン13は、カバー内部で回転軸を中心にして、それぞれ形状が異なる3つのボタンが回転可能に設けられている。通常時には、第1態様のボタンが上を向く第1ボタン位置にセットされている。そして、演出に応じてボタンをモータで回転させて、第2態様のボタンが上を向く第2ボタン位置、第3態様のボタンが上を向く第3ボタン位置に切替わる。このため、操作ボタン13は、本発明の「可動体」に相当する。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部14が設けられている。方向キー部14は、メニュー画面から何れかの設定項目を選択するとき、又は遊技中に音量や楽曲(BGM)を選択するときに用いられる。
前扉5の右上には、枠装飾LED8に隣接する形で、空気が送風されるファン15が設けられている。ファン15は、大当りの事前予告演出として遊技者に向けて送風することができる。
図2は、パチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように、遊技盤4は略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、盤面装飾LED35が設けられている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光パターンを変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。このため、盤面装飾LED35は、本発明の「盤側発光体」に相当する。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置されている。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
また、液晶表示装置36の右側には、普通図柄用始動ゲート40が配置されている。普通図柄用始動ゲート40は、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40を通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
液晶表示装置36の上側にはキャラクタの形状をした可動体37a,37bが配置されている。可動体37a,37bは、本発明の「可動体」に相当する。可動体37a,37bは、遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。また、可動体37a,37bには、その動作時や動作の前後で発光する装飾LEDが多数設けられている。これらのLEDは、本発明の「盤側発光体」に相当する。
遊技盤4には、可動体37a,37b以外にも複数の可動体が設けられているが、通常時にはセンター飾り体34aの背面側に隠されている。
液晶表示装置36の下方には、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bが配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示が行われる。さらに、液晶表示装置36でも特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは前側に倒れる開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞可能な状態となる。この開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に所定回数、所定期間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
第1特別図柄始動口38aの右側には、大入賞装置39が配置されている。大入賞装置39には、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。詳細は後述するが、大入賞装置39は、特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りにより発生する特別遊技で所定期間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39の内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a,38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個の7セグメントLED(右)は、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40への入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球が払い出される。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a,44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a,44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243とを備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。主制御基板24は、本発明の「抽選手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、第1始動入賞口センサ38c、第2始動入賞口センサ38d、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51及び振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
主制御基板24には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a,43bに送信される。
また、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び前扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253とを備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8及び盤面装飾LED35が接続されている。演出制御基板25は、スピーカ7の効果音や各LED等の発光動作を制御し、演出効果を高めている。
また、演出制御基板25には、操作ボタン13、方向キー部14及びファン15が接続されている。演出制御基板25は、操作ボタン13の有効期間に、操作ボタン13に対して内蔵LEDを点灯させる信号を送信する。そして、有効期間に遊技者が操作ボタン13を押下することで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示された演出等が変化する。
方向キー部14は、上方向キー、右方向キー、下方向キー及び左方向キーで構成されている(図1参照)。方向キー部14についても、操作された場合に、その検知信号が演出制御基板25に送信される。
さらに、演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266とを備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機1の大当り種別と、特別遊技(大当り遊技)の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば「1」〜「9」の装飾図柄のうち、確変図柄(例えば、「3」と「7」の装飾図柄)による大当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「7」以外の装飾図柄)による大当りの2種類がある。各図柄は3列(左列、中央列、右列)で変動表示され、3列で同じ図柄が揃う(例えば、「777」)と大当りとなる。変動表示する3列の図柄は、左列、右列、中央列の順で停止し、左右列が同じ図柄で揃って停止し、中央列の図柄が変動表示している状態がリーチ変動となる。
パチンコ遊技機1では、通常遊技状態、時短状態及び確率変動状態の何れかの遊技状態で遊技が行われる。通常遊技状態は、低確率(例えば、大当り確率が1/330)で大当り抽選(当否判定)が行われる。
時短状態は、通常遊技状態と大当り確率が同じであるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態であり、通常遊技状態より普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有りの状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、確率変動状態は、通常遊技状態及び時短状態よりも高確率(例えば、大当り確率が1/33.1)の大当り抽選が行われ、電チューサポート有りの状態である。
確変図柄当りによる特別遊技は、全16ラウンドで構成され、非確変図柄当りによる特別遊技は、これより少ない全10ラウンドで構成される。確変図柄当りの場合、特別遊技の終了後に遊技状態が確率変動状態に移行する。確率変動状態は、100回の遊技が行われると終了する。
次に、非確変図柄当りについて、確変図柄当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄当りによる特別遊技は全10ラウンドで構成され、その終了後には、遊技状態が時短状態となる。時短状態は、50回の遊技が行われると終了する。
次に、確変図柄当り、非確変図柄当りの何れの特別遊技の終了後にも設定される各種フラグについて説明する。図5に示すように、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ及び特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
確変図柄当りの場合は、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、非確変図柄当りの場合は、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
なお、非確変図柄当りの場合でも、電チューサポート有り状態となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、確変図柄、非確変図柄に関わらず、「5AH」がセットされる。
また、確変図柄当りの場合は、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「100」がセットされ、非確変図柄当りの場合は、特図時短回数カウンタに「50」がセットされ、特図確率変動回数カウンタに「0」がセットされる。ここで、「100」、「50」とは、それぞれ100回、50回の遊技を意味し、「0」は、特図確率変動での遊技が0回、すなわち、行われないことを意味する。
特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、確変図柄当りの場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「75」をセットすると、特別遊技の終了後、75回の確率変動状態に移行する。
次に、図6〜図8を参照して、パチンコ遊技機1に備えられたLEDと可動体の演出時のタイムチャートについて説明する。
パチンコ遊技機1は、枠装飾LED8、操作ボタン13の内蔵LED、多数の盤面装飾LED35、複数の可動体に設けられた装飾LEDを備えている。また、液晶表示装置36の画面を特定のパターンで光らせる2種類のイルミネーションパネル(ここでは、「イルミパネル」と呼ぶ)を備え、これらも本発明の「盤側発光体」の1つである。
また、パチンコ遊技機1は、可動体37a,37b(ここでは、「フィギュア」と呼ぶ)、後述するピストルの形状の可動体37c,37d、操作ボタン13(ここでは、「ボタン」と呼ぶ)を備えている。操作ボタン13は、その内部が回転して第1〜第3態様のボタン切替わる点で可動体に属する。
上述の各LEDと各可動体は、液晶表示装置36で行われる演出に応じて、それぞれ発光パターン、動作パターンが変化する。液晶表示装置36で行われる演出は主に動画であるので、以下、動画のフレーム数に応じた発光パターン、動作パターンについて説明する。
図6に示すように、動画の開始(0フレーム)からフィギュアが待機位置(本発明の「第1位置」)から落下を開始して、10フレームのときフィギュアが最下点の演出位置(本発明の「第2位置」)に到達する。なお、この期間において、ボタンは回転状態である。
動画の0〜10フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは「白フラッシュ(X斬りラインのみ)」、枠(ボタン)のLEDは「レインボーフラッシュ」の発光をする(本発明の「第2発光態様」)。「X斬りライン」のフラッシュとは、遊技盤4を斜めに2本斬る発光のラインである。
また、動画の0〜10フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)のLEDは消灯状態で、盤面(フィギュア)のLEDは「白点滅」の発光をする(本発明の「第1発光態様」)。このように、フィギュアの落下直前及び落下中には、枠のLEDと盤面のLEDは、異なる態様で発光する。なお、液晶表示装置36のイルミパネルA及びイルミパネルBは、共に消灯状態である。
次に、動画の10〜93フレームの期間を説明する。この期間において、フィギュアは最下点に到達しているが、小刻みに振動を繰り返した後に停止する。この期間においても、ボタンは回転状態である。また、液晶表示装置36の前面には可動体37a,37bが位置しているが、可動体37a,37bが存在しない部分は、遊技者が視認可能となっている。
動画の10〜93フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは、「白点滅」から「レインボー点滅」に変化した後、消灯状態となる。また、枠(操作ボタン)のLEDは、「レインボーフラッシュ」から「レインボー点滅」に変化した後、さらに「レインボーグラデーション」に変化する。
動画の10〜93フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)と盤面(フィギュア)のLEDは、「白点滅」から「レインボー点滅」に変化した後、消灯状態となる。特に、動画の45〜78フレームの期間では、枠のLEDと盤面のLEDとが一体となって、大当り確定時の「レインボー点滅」の発光をする(本発明の「第3発光態様」)。
動画の10〜93フレームの期間において、イルミパネルAは、消灯状態から「イルミランプ仕様パターン3」に変化した後、再び消灯状態となる。また、イルミパネルBは、「イルミランプ仕様パターン3」の発光から消灯状態となる。なお、「イルミランプ仕様パターン3」は、「白点滅」や「レインボー点滅」に応じた発光パターンである。
次に、動画の93〜180フレームの期間を説明する。この期間において、フィギュアは、キメのポーズ後に停止する。この期間においても、ボタンは回転状態である。
動画の93〜180フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは、消灯状態から「下から上へのレインボーグラデーション」に変化した後、さらに「レインボー超高速フラッシュ」に変化する。また、枠(ボタン)のLEDは、「レインボーグラデーション」から「レインボー超高速フラッシュ」に変化する。
動画の93〜180フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)は、「高輝度点滅(500ms以上)」から「下から上へのレインボーグラデーション」に変化し、さらに「レインボー超高速フラッシュ」に変化する。また、盤面(フィギュア)のLEDは、消灯状態から「白グラデーション」に変化し、さらに「レインボー超高速フラッシュ」に変化する。特に、動画の138〜180フレームの期間では、枠のLEDと盤面のLEDとが一体となって、大当り確定時の「レインボー超高速フラッシュ」の発光をする(本発明の「第3発光態様」)。
動画の93〜180フレームの期間において、イルミパネルAは、消灯状態から「下から上へのレインボーグラデーション」に変化し、さらに「イルミランプ仕様パターン2」に変化する。また、イルミパネルBは、消灯状態のままである。ここで、「イルミランプ仕様パターン2」は、「レインボー超高速フラッシュ」に応じた発光パターンである。
最後に、動画の180〜290フレームの期間を説明する。この期間において、フィギュアは、演出位置から上昇を開始して元の待機位置に戻る。この期間では、ボタンは停止状態となる。
動画の180〜290フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは、「白点滅」から「ピンク点滅」に変化し、さらに「レインボー高速点滅」に変化する。また、枠(ボタン)のLEDは、「レインボー高速点滅後グラデーション」の発光をする(本発明の「第2発光態様」)。
動画の180〜290フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)と盤面(フィギュア)のLEDは、「白点滅」から「ピンク点滅」に変化し、さらに「レインボー高速点滅」に変化する(本発明の「第1発光態様」)。
動画の180〜290フレームの期間において、イルミパネルAは消灯状態のままであり、イルミパネルBは「レインボー高速点滅後グラデーション」の発光をする。このように、パチンコ遊技機1は、可動体37a,37bや操作ボタン13の動作に関連付けながら、枠のLED、盤面のLED、そしてイルミネーションパネルを用いて独特の発光演出を実行することができる。なお、可動体37a,37bの動作に関連付けながら、所定の音声を出力してもよい。
これまで説明してきた図6は、大当り確定演出としての発光演出であったが、これと類似の演出は、抽選での外れを含む予告演出としても実行される。以下、図7を参照して、通常予告演出としての発光演出について説明する。
動画の開始(0フレーム)からフィギュアが待機位置から落下を開始して、10フレームのときフィギュアが最下点の演出位置に到達する。なお、この期間において、ボタンは回転状態である。この後も、フィギュア及びボタンの動作は、図6の場合と同じである。
動画の0〜10フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは「白フラッシュ(X斬りラインのみ)」、枠(ボタン)のLEDは「ピンクフラッシュ」の発光をする(本発明の「第2発光態様」)。ここで、図6の「レインボーフラッシュ」は、大当り確定演出であって、ここでは用いることができないので、「ピンクフラッシュ」に変更している。ピンクの代わりにブルーやグリーンを用いてもよいし、色彩によって大当り期待度を変更してもよい。
動画の0〜10フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)のLEDは消灯状態であり、盤面(フィギュア)のLEDは「白点滅」の発光をする(本発明の「第1発光態様」)。このように、フィギュアの落下直前及び落下中には、枠のLEDと盤面のLEDとは、異なる態様で発光する。なお、液晶表示装置36のイルミパネルA及びイルミパネルBは、共に消灯状態である。
次に、動画の10フレーム以降の期間を簡単に説明する。動画の45〜78フレームの期間は、枠のLEDと盤面のLEDとが一体となって、「ピンク点滅」の発光をする(本発明の「第3発光態様」)。また、この期間において、イルミパネルAは、「イルミランプ仕様パターン1」で発光する。ここで、「イルミランプ仕様パターン1」は、「白点滅」や「ピンク点滅」に応じた発光パターンである。
これ以降も、パチンコ遊技機1は、各可動体の動作に関連付けながら、枠のLED、盤面のLED、そしてイルミネーションパネルを用いて、「レインボー」を除く様々な態様の点灯、点滅、グラデーション又は消灯を実行する。
次に、図8に、可動体として可動体37c,37dを用いた演出予告演出のタイムチャートを示す。可動体37c,37d(ここでは、「ガバメント」と呼ぶ)は、通常時にはセンター飾り体34aの背面側の待機位置に隠されている。
図示するように、動画の開始(0フレーム)から右ガバメント(可動体37d)が駆動を開始し、30フレームのとき右ガバメントが液晶表示装置36の前面の演出位置に出現し、駆動が停止する。また、27フレームからは、左ガバメント(可動体37c)も駆動を開始する。
動画の0〜30フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは、(1)X斬りライン「単色高速点滅」、(2)ファン15「赤紫高速点滅」の発光をする。その後、上述の(1),(2)に加えて、汎用部「赤紫高速点滅」の発光をする。また、盤面(イルミ・ガバメント以外)のLEDは、消灯状態から「赤紫高速点滅」に変化する。
動画の0〜30フレームの期間において、左ガバメントのLEDは、「赤紫点灯」から「赤紫高速点滅」に変化する。また、右ガバメントのLEDは、「赤紫高速点滅」の状態である。なお、この期間において、イルミパネルBは、0%→100%→0%→100%→・・・の高速明滅を繰り返し行う。
次に、動画の30〜111フレームの期間を説明する。この期間において、左ガバメントは、駆動状態から液晶表示装置36の前面の演出位置に出現して停止し、その後、待機位置に格納される。また、右ガバメントは、停止状態から駆動して、待機位置に格納される。動画の45〜66フレームの期間は、液晶表示装置36の前面には可動体37c,37dが位置しているが、可動体37c,37dが存在しない部分は、遊技者が視認可能となっている。
動画の30〜111フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDは、上述の(1),(2)に加えた汎用部「赤紫高速点滅」から「下から上への赤紫グラデーション」に変化する。また、盤面(イルミ・ガバメント以外)のLEDは、「赤紫高速点滅」から「下から上への赤紫グラデーション」に変化する。
動画の30〜111フレームの期間において、左ガバメントのLEDは、「赤紫高速点滅」から「単色点灯」に変化し、さらに「ワンアクション点滅後点灯」に変化する。また、右ガバメントのLEDは「単色点灯」から「ワンアクション点滅後点灯」に変化する。なお、この期間において、イルミパネルBは、上述の高速明滅の繰り返しから、高速点滅→点灯のセットを繰り返しに変化する。
次に、動画の111〜201フレームの期間を説明する。この期間において、右ガバメントは再び駆動を開始して、演出位置にて発砲動作を行う。その後、右ガバメントは、演出位置から待機位置に格納される。ここでは、左ガバメントは駆動しない。
動画の111〜201フレームの期間において、枠(ボタン以外)のLEDと盤面(イルミ・ガバメント以外)のLEDとは、「下から上への赤紫グラデーション」から「白フラッシュ後、下から上への赤紫グラデーション」に変化する。
動画の111〜201フレームの期間において、左ガバメントのLEDは、「ワンアクション点滅後点灯」の状態のままである。また、右ガバメントのLEDは、「ワンアクション点滅後点灯」から「発砲アクション後点灯」に変化し、さらに「ワンアクション点滅後点灯」に変化する。なお、この期間において、イルミパネルBは、高速点滅→点灯のセットを繰り返しから消灯状態に変化する。
このように、可動体37c,37dの動作に関連付けながら、枠のLED、盤面のLED、そしてイルミネーションパネルを用いて独特の発光演出を実行することができる。なお、可動体37d(右ガバメント)の発砲動作に関連付けて、発砲音を出力してもよい。
次に、図9を参照して、上述の図6に対応した大当り確定演出と、上述の図7に対応した通常予告演出の詳細を説明する。
図9(a)は、可動体37a,37bが落下する直前(動画の0〜5フレーム)のパチンコ遊技機1の様子を示している。図示するように、枠装飾LED8はLED領域8a〜8hで構成され、盤面装飾LED35はLED領域35a〜35iで構成されている。また、可動体37a,37bの装飾LEDは、LED領域37a’,37b’と、後述するLED領域37s〜37vで構成されている。
図6に対応した大当り確定演出の場合、動画の0〜5フレームの期間では、枠(ボタン以外)の発光態様は「白フラッシュ(X斬りラインのみ)」であるから、四隅のLED領域8a,8c,8e,8gは白色で発光する。また、枠(ボタン)の発光態様は「レインボーフラッシュ」であるから、LED領域8fは、7色で発光する。
動画の0〜5フレームの期間において、盤面(イルミ・フィギュア以外)は消灯状態であるから、LED領域35a〜35iは発光しない。また、盤面(フィギュア)は「白点滅」であるから、LED領域37a’,37b’は、白色で点滅する。
また、この期間では、イルミパネルAとイルミパネルBは共に消灯状態であるから、液晶表示装置36の表示領域は、特に発光しない。
次に、図9(b)は、可動体37a,37bが落下して、演出位置に到達した後(動画の45〜78フレーム)のパチンコ遊技機1の様子を示している。図示するように、ここでは、可動体37a,37bのLED領域37s〜37vが遊技者に視認可能となる。
動画の45〜78フレームの期間において、枠のLEDと盤面のLEDの発光態様は「レインボー点滅」であるから、LED領域8a〜8h、LED領域35a〜35iは、7色で点滅する。例えば、LED領域8a〜8hのうち、ボタンのLED領域8fは単独で7色点滅し、残りの7つのLED領域8a〜8e,8g,8hは、7色が順番に入替わりながら点滅する。
また、この期間では、可動体37a,37bのLED領域37a’,37b’,37s〜37vも7色発光する。そして、可動体37a,37bと同じような意匠のイルミパネルAは、「イルミランプ仕様パターン3」で発光する(図示省略)。すなわち、枠のLEDと盤面のLEDとが一体となって7色で発光するので、見た目が美しく、インパクトのある演出とすることができる。
図7に対応した通常予告演出の場合、各LEDは、上述の「レインボーフラッシュ」や「レインボー点滅」の代わりに、「ピンクフラッシュ」や「ピンク点滅」で発光する。例えば、動画の45〜78フレームの期間では、枠のLEDと盤面のLEDの発光態様は「ピンク点滅」であるから、LED領域8a〜8h、LED領域35a〜35iは、ピンク色で点滅する。
次に、図10を参照して、上述の図8に対応した通常予告演出の詳細を説明する。
図10(a)は、可動体37d(右ガバメント)が駆動を開始した直後(動画の0〜15フレーム)のパチンコ遊技機1の様子を示している。この期間において、枠(ボタン以外)の発光態様は「X斬り単色高速点滅」と「ファン部高速赤紫点滅」であるから、四隅のLED領域8a,8e,8gは何れかの色で高速点滅し、LED領域8cは赤紫色で高速点滅する。また、盤面(イルミ・ガバメント以外)は消灯状態であるから、LED領域35a〜35iは発光しない。
動画の0〜15フレームの期間において、左ガバメントは「赤紫点滅」であるから、収納位置のLED群37c’は赤紫色で点滅する。また、右ガバメントは「赤紫高速点滅」であるから、駆動中のLED群37d’は赤紫色で高速点滅する。イルミパネルBは、0%、100%、0%、100%の順で高速明滅する。液晶表示装置36の画面に表示された画像パターンIPBは、イルミパネルBの例である。
次に、図10(b)は、可動体37c,37dが液晶表示装置36の前側で停止した後(動画の45〜66フレーム)のパチンコ遊技機1の様子を示している。
動画の45〜66フレームの期間において、枠(ボタン以外)の発光態様は「X斬り単色高速点滅」と「ファン部高速赤紫点滅」に加え、「汎用部を赤紫高速点滅」であるから、四隅のLED領域8a,8c,8e,8gが高速点滅し、LED領域8b,8d,8hが赤紫色で高速点滅する。また、盤面(イルミ・ガバメント以外)は「赤紫高速点滅」であるから、LED領域35a〜35iも赤紫色で高速点滅する。
また、この期間では、左ガバメント及び右ガバメントは共に「単色点滅」であるから、LED群37c’,37d’が何れかの色で高速点滅する。なお、イルミパネルBは、0%、100%、0%、100%の順で高速明滅するが、可動体37c,37dが演出位置に移動しているため、画像パターンIPBは、その一部しか遊技者に視認されない。
このように、可動体37c,37dが駆動する通常予告演出においても、可動体37c,37dの動作に関連付けながら、枠のLED、盤面のLED、そして液晶表示(イルミネーションパネル)の発光を組み合せて、見た目が美しく、インパクトのある演出を実行することができる。
次に、図11を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御基板24は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御基板24は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御基板24は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1、第2特別図柄始動口38a,38bや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御基板24は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40を通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40の内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、普通図柄の乱数値を取得する。この抽選した乱数値は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記乱数値の当否抽選を行う。
また、主制御基板24は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御基板24は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御基板24は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御基板24は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御基板24は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS50では、主制御基板24は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38c,38dが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38c,38dは、球検出信号を主制御基板24に送信し、主制御基板24は、球検出信号を受けて、例えば、600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得し(特別図柄の抽選)、この取得した乱数値に対する演出態様を決定する。
主制御基板24は、特別図柄表示装置43aに演出コマンドを送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により大入賞装置39(以下、特別電動役物とも称する)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図12を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図11:ステップS50)では、主制御基板24は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中及び確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞の有無を判断する。第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞があった場合には、主制御基板側CPU241は、第1始動入賞口センサ38cから送られる球検出信号に基づいて、600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得する。
ROM242には、演出情報テーブルが格納されている。主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブルから読み込む。また、主制御基板側CPU241は、乱数値に基づいて大当り判定フラグを取得して、ワークエリアへ格納する処理も行う。
特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞すると、主制御基板側CPU241は、乱数値(抽選結果)、演出態様を含む演出コマンドを、RAM243の保留記憶エリアに記憶する。また、主制御基板側CPU241は、演出制御基板25を介して液晶制御基板26の液晶制御CPU261に演出コマンドを送る。液晶制御CPU261は、この演出コマンドを、保留情報として液晶制御RAM263に記憶する。液晶制御RAM263に記憶される保留情報は、例えば最大4個である。
ステップS52では、主制御基板24は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判断し、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
次に、主制御基板24は、条件装置作動フラグがONであるか否かを判定する(ステップS53)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置であり、条件装置作動フラグがオンしたか否かの判定となる。条件装置作動フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS58に進む。
一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54〜S57は、大当りが発生していない通常遊技状態の場合の処理となる。
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS55に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理について説明する。
まず、図13A、図13Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理(ステップS55)について説明する。
まず、図13Aにおいて、主制御基板側CPU241は、特図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(図13B参照)。
ステップS72では、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判定する。ステップS72の判定が「YES」である場合には、乱数値を取得し、ステップS79に進む。
ステップS72の判定が「NO」である場合には、主制御基板24は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS74では、主制御基板24は、客待ちデモコマンドを送信する。「客待ちデモコマンド」は、特図の保留球数が0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御基板24は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報や始動口入賞が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS71の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図の保留球数を1減算する(図13B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて保留減算コマンドを送信する。これにより、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御基板24は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御基板側CPU241は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、取得した乱数値に基づいた特図の当り判定処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。
本実施形態では、通常遊技状態及び時短状態と、確率変動状態とで大当り確率が異なるため、「大当り」となる乱数値の数が異なる。なお、乱数値の数や、「大当り」、「リーチ」となる乱数値等は、適宜変更可能である。
ステップS80では、主制御基板24は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御基板24は、特図の変動中フラグをONにセットする。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブルから読み込み、乱数値及び演出態様を含む演出コマンドを特別図柄表示装置43aに送り、演出コマンド又は演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。主制御基板側CPU241は、保留情報が記憶されていない場合には演出コマンドを、保留情報が記憶されている場合には演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。その後、ステップS83に進む。
最後に、主制御基板24は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS83)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(図12:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図12に戻り、その後、後述するステップS58に進む。
次に、特別図柄の変動表示処理、演出画像の表示処理について説明する。特別図柄表示装置43aは、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドの演出態様に基づいて、特別図柄の変動表示を行う。また、演出画像には、変動表示する装飾図柄も含まれる。
演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドに基づいてスピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御して演出を行い、保留情報が記憶され、演出実行コマンドを受信した場合には、液晶制御RAM263に記憶された保留情報(演出コマンド)に基づいて演出を行う。また、演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、演出コマンドを液晶制御基板26に送り、保留情報が記憶されている場合には、演出実行コマンドを液晶制御基板26に送る。
液晶制御基板26の映像表示プロセッサVDP264は、演出コマンドを受信した場合には受信した演出コマンドの演出態様に基づいて、演出実行コマンドを受信した場合には液晶制御RAM263に記憶された保留情報の演出態様に基づいて、液晶表示装置36に表示する演出の画像データの画像処理を行う。
液晶制御CPU261は、画像処理された画像データを液晶表示装置36に表示することで、主制御基板側CPU241で決定された演出態様での演出を行う。液晶制御CPU261は、保留情報による演出を開始するのに合わせて、その保留情報を消去する。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(ステップS56)について簡単に説明する。主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御基板24は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。
次に、図14A、図14Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理(ステップS57)について説明する。
まず、図14Aにおいて、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS111)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する(図14B参照)。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS112)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図12:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS113に進む。
次に、主制御基板24は、大当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS113)。大当りフラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS114に進む。一方、大当りフラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS115に進む。
ステップS113の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS114)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH(ON)」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS113の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS115)。特図時短回数カウンタは、時短状態の回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常遊技状態では、0が設定されている。
特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS116に進む。
ステップS115の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS116)。以下のステップS116〜S118は、時短回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS117)。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS118に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。
ステップS117の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS118)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS119に進む(図14B参照)。
次に、図14Bにおいて、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS119)。本実施形態の確率変動状態は、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動状態の残り回数がカウントされる。
特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS120に進む。
ステップS119の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS120)。以下のステップS120〜S122は、確変回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS121)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS122)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。特別図柄確認時間中処理の終了後には、図12のステップS58に進む。
最後に、主制御基板24は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図15を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図11:ステップS60)において、主制御基板24は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、条件装置作動フラグがONであるか否かを判定する(ステップS61)。条件装置作動フラグがONの場合には、「YES」の判定となり、ステップS62に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS62以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS61の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS62)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS63に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS64に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS65に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS66に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS67に進む。
ステップS63〜S67の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理(ステップS63)について説明する。
まず、主制御基板24は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS131)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをオンとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図19参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS132に進む。
ステップS132では、主制御基板24は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号をRAM243に、大当り開始インターバル時間を特別図柄役物作動タイマに、それぞれ格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS133に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS133)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り開始インターバルコマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図17を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理(ステップS64)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS142)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、主制御基板24は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄当りに当選した場合には、16の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、主制御基板24は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動中処理(図15:ステップS65)に進むようになる。その後、ステップS145に進む。
最後に、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS145)。この大入賞口開閉動作設定処理では、主制御基板24は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する。ここでいうソレノイドは、大入賞装置39の開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図18を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理(ステップS65)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS151)。大入賞口の大入賞口センサ39cにより入賞が検出される。大入賞口への入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、入賞数を1加算する(ステップS152)。すなわち、大入賞口センサ39cが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS153に進む。
次に、主制御基板24は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS153)。最大入賞数に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。なお、最大入賞数を大当り種別により異ならせてもよい。
ステップS153の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS154)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(ステップS156/YES)。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS156に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS156)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS157に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS156の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS157)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動継続判定処理(図15:ステップS66)に進むようになる。主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS159)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
次に、図19を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理(ステップS66)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS161)。大入賞口入賞数チェック処理の詳細は、図18のステップS151〜S154で説明した処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS163に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS163)。ここでは、残存球排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS163の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS164)。本実施形態では、最大の第16ラウンド(確変図柄当り)又は第10ラウンド(非確変図柄当り)に達した場合に「YES」の判定となり、ステップS168に進む。一方、第15ラウンド(確変図柄当り)又は第9ラウンド(非確変図柄当り)までは、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。
ステップS164の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS165)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS166に進む。
ステップS166では、主制御基板24は、ラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理に戻った場合、その処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS167に進む。
ステップS167では、主制御基板24は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS164の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、終了時の各種設定を行う(ステップS168)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り終了処理(図15:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS169進む。
ステップS169では、主制御基板24は、終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(図20参照)。その後、ステップS170に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS170)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り終了インターバルコマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図20を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理(ステップS67)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS171)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS171の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS172)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全てクリアする。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定2を行う。設定の詳細は、図5で説明した通りである。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り開始処理(図15:ステップS63)に進むようになる。その後、ステップS175進む。
最後に、主制御基板24は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS175)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御基板24が行う処理について説明した。
以下では、図21を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、演出制御基板25は、初期化処理を行う(ステップS181)。これは、主に、演出制御基板25の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS182に進む。
次に、演出制御基板25は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS182)。メインループとは、後述するステップS184〜S189までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS182に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合、演出制御基板25は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS183)。その後、更新周期となるまでステップS182、S183の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図22参照)が実行されるが、演出制御基板25は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS182の判定が「YES」である場合、演出制御基板25は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS184)。上述の通り、ステップS184〜S189はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、演出制御基板25は、受信コマンド解析処理を行う。これは、演出制御基板25が受信、記憶した制御コマンド(演出コマンド、キャラクタコマンド等)の種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理(図16参照)の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」を受信した場合には、演出制御基板25は、開始インターバルを設定する。その後、ステップS186に進む。
ステップS186では、演出制御基板25は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS187に進む。
ステップS187では、演出制御基板25は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS188に進む。
ステップS188では、演出制御基板25は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS189に進む。
最後に、演出制御基板25は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS189)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS182に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図22を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(図21参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
まず、演出制御基板25は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS191)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、演出制御基板25は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、演出制御基板25は、操作ボタン入力状態更新処理を行う。演出制御基板25は、操作ボタン13の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、演出制御基板25は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS195に進む。
ステップS195では、演出制御基板25は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS196に進む。
ステップS196では、演出制御基板25は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS197に進む。
ステップS197では、演出制御基板25は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS198に進む。
最後に、演出制御基板25は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS198)。これは、メインループ処理(図21:ステップS184〜S189)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、第1実施形態のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
本実施形態の遊技機において、演出制御基板25は、可動体(可動体37a,37b又は可動体37c,37d)が待機位置に収納されている場合には、盤面発光体(盤面装飾LED35、可動体の装飾LED)と、枠側発光体(枠装飾LED8)とが異なる態様の発光となるように制御する。また、可動体が演出位置にある場合には、盤面発光体と枠側発光体とがレインボー等の同じ態様の発光となるように制御する。これにより、遊技機全体を用いて効果的な演出を行うことができる。
次に、図23を参照して、パチンコ遊技機1のもう1つの遊技盤4’について説明する。なお、図3に示した遊技盤4と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
遊技盤4’の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36’の表示画面が配置されている。液晶表示装置36’は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
液晶表示装置36は、手前側に配置された第1表示部36aと、背面側に配置された第2表示部36bとで構成される。
第1表示部36aと第2表示部36bとは、それぞれ異なる画像を表示することもできるし、両表示部を用いて1つの画像を表示することもできる。詳細は後述するが、所定のタイミングで第1表示部36aと第2表示部36bとの位置を入替えたり、両表示部が重なった状態で画像を表示したりすることもできる。
液晶表示装置36’の左側には、盤面装飾LED35が設けられている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光パターンを変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
また、液晶表示装置36’の右側には可動体55が配置されている。可動体55は、遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。遊技盤4’には、可動体55以外にも複数の可動体が設けられているが、通常時にはセンター飾り体34aの背面側に隠されている。
次に、図24A、図24Bを参照して、液晶表示装置36の詳細について説明する。
図24Aに示すように、第1表示部36aは、手前側(遊技者に近い側)にある液晶表示部であり、定位置では上方に位置している。なお、上述の図23では、第1表示部36aは定位置にある。
また、第2表示部36bは、第1表示部36aの背面側(遊技者から遠い側)にある液晶表示部であり、定位置では下方に位置している。定位置において、第2表示部36bの上端は、その一部が第1表示部36aと重なり、遊技者から視認できないようになっている。
図24Bは、第1表示部36aと第2表示部36bの位置関係による5つの状態を示している。
状態1は、第1表示部36aが上方にある定位置の状態である。このとき、第1表示部36aの表示内容が「A画像」であり、画面のサイズ、画面の実表示サイズは、共に800×600ピクセルである。
一方、第2表示部36bの表示内容は、「B画像」である。第2表示部36bの画面サイズは800×600ピクセルであるが、第2表示部36bを下詰したとき、上端の一部が第1表示部36aの背面側に位置するため、画面の実表示サイズは、800×438ピクセルである。
状態2は、第2表示部36bが上方にある逆転位置の状態である。このときも、第1表示部36aの表示内容が「A画像」、第2表示部36bの表示内容が「B画像」である。第1表示部36aの画面のサイズ、画面の実表示サイズは、共に800×600ピクセルである。一方、第2表示部36bの画面サイズは800×600ピクセルであるが、第2表示部36bを上詰したとき、下端の一部が第1表示部36aの背面側に位置するため、画面の実表示サイズは、800×438ピクセルである。
状態3は、第1表示部36aが上方にある状態(定位置)である。状態1との相違点は、表示内容が第1表示部36aと第2表示部36bとに跨って一体的に表示された「C画像」となることである。各表示部が移動した場合、その位置に応じて「C画像」の表示位置を変更するように制御するので、「C画像」を崩さず、保持することができる。
このとき、画面のサイズが800×1200ピクセル、画面の実表示サイズが800×1038ピクセルと、状態1、状態2と比較して縦方向に大きくなる。これにより、より迫力のある演出を実行することができる。
状態4は、第2表示部36bが上方にある状態(逆転位置)である。この場合にも、第1表示部36aと第2表示部36bとの2画面を使用した「C画像」を表示することができる。なお、「C画像」の制御や画面サイズ、実表示サイズは、状態3と同じである。
状態5は、第1表示部36aと第2表示部36bとが同一位置にある場合である。第1表示部36aと第2表示部36bとは、移動範囲の略中央部で前後方向に完全に重なるが、第1表示部36aの方が手前側にあるため、表示内容は、基本的に「A画像」である。
このとき、画面のサイズ、画面の実表示サイズは、共に800×600ピクセルである。なお、状態3や状態4から状態5に移行した場合には、そのまま「C画像」が縮小されて表示されたり、「C画像」の一部のみが表示されたりする場合もある。
次に、図25、図26A、図26Bを参照して、上述の状態1〜5で行われる演出表示の例を説明する。
まず、図25に、第1表示部36aと第2表示部36bとが、それぞれ移動して位置が入替わる移動演出の例を示す。図25(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部が下方(下詰)に位置しているので、図24Bの「状態1」である。
このとき、第1表示部36aの表示内容が「A画像」である。「A画像」は、ウィンドウ60a内に表示された「激」の文字と、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字から構成される。
また、第2表示部36bの表示内容が「B画像」である。「B画像」は、ウィンドウ60b内に表示された「熱」の文字と、ウィンドウ62内に表示された装飾図柄(「3」のリーチ状態)から構成される。なお、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとは、比較的近い位置に配置されているため、遊技者が「激熱」と読むことができ、今回のリーチ変動が大当り期待度の高い予告演出であると認識する。
図25(b)は、第1表示部36aと第2表示部36bの移動中の状態を示している。この状態では、ウィンドウ60a,60b,61,62は、全て表示領域内での位置が変更されず、元の位置のままとなっている。そして、各表示部の移動が完了すると、図25(c)のようになる。
図25(c)は、第1表示部36aが下方、第2表示部36bが上方(上詰)に位置しているので、図24Bの「状態2」である。第1表示部36aの表示内容が「A画像」であるが、ウィンドウ60a内に表示されていた「激」の文字は「熱」に変化し、その位置も第1表示部36aの表示領域内の上方に移動している。
詳細は後述するが、第1表示部36a、第2表示部36bの高さ方向の辺には、接触により各表示部の位置を検出可能な複数のスイッチが設けられている。そして、移動により第1表示部36aと第2表示部36bとの位置が入替わり、各表示部が端部まで移動したことがスイッチにより検出されたとき、上述の表示の変更が実行される。
一方、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字は、これまで通り、第1表示部36aの表示領域内の上方のまま移動しない。このように、遊技に関する情報表示は、表示位置が変更されると遊技者に分かり難いため、各表示部の移動の前後及び移動中に表示位置を変更しない。
また、第2表示部36bの表示内容が「B画像」であるが、ウィンドウ60b内に表示されていた「熱」の文字は「激」に変化し、その位置も第2表示部36bの表示領域内の下方に移動する。図25(c)においても、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとは比較的近い位置に配置されているため、遊技者が「激熱」の予告表示を認識することができる。
一方、ウィンドウ62内に表示された装飾図柄(「3」のリーチ状態)は、これまで通り、第2表示部36bの表示領域内の上方のまま移動しない。装飾図柄の変動も遊技に関する情報表示といえるためである。なお、装飾図柄を表示するウィンドウ62は第2表示部36bに表示されていたが、遊技に関する情報表示は、移動演出の際に第1表示部36aの背面側に隠れないように、第1表示部36aに表示することが好ましい。
このように、パチンコ遊技機1では、演出制御基板25が第1表示部36aと第2表示部36bの移動に応じて、一部のウィンドウの座標を制御する。図25(c)の状態から再び図25(a)の状態に戻る場合にも、各表示部が端部まで移動したことがスイッチにより検出されたとき、表示の変更が実行される。
次に、図26Aに、第1表示部36aと第2表示部36bとの2画面を使用した1つの画像が表示されている状態で行われる移動演出の例を示す。
図26A(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部が下方に位置し、両表示部を用いて1つの画像が表示されているので、図24Bの「状態3」である。
第1表示部36aと第2表示部36bとの表示内容が「C画像」である。「C画像」は、キャラクタ(女の子)と背景(花)の画像の他、第2表示部36bのウィンドウ62内に表示された装飾図柄(「6」の当り態様)から構成される。
その後、移動演出が行われ、完了すると、図26A(b)のようになる。図26A(b)は、第1表示部36aが下方、第2表示部36bが上方に位置し、両表示部を用いて1つの画像が表示されているので、図24Bの「状態4」である。
このとき、第1表示部36aと第2表示部36bの位置は入替わるが、「C画像」のキャラクタ及び背景は、同じ状態で保持される。一方、ウィンドウ62の位置は、第2表示部36bの表示領域内の上方のまま移動しないが、装飾図柄は、第2表示部36bが第1表示部36aの背面側を通過した際に、「6」の当り態様から「7」の当り態様に変化する。このように、移動演出は、キャラクタや背景を保持しつつ、装飾図柄のみが変化する当り図柄の再抽選演出に用いることができる。
移動演出の演出期間は一瞬であるが、この期間に他の画像を表示してもよいし、各表示部を特定の色彩で光らせる予告演出を行ってもよい。また、手前側にある第1表示部36aに「C画像」の縮小画像や一部を表示するようにしてもよい。
次に、図26Bに、第1表示部36aと第2表示部36bとの2画面を使用した1つの画像が表示されている状態で行われる移動演出の別の例を示す。
図26B(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部が下方に位置し、両表示部を用いて1つの画像が表示されているので、図24Bの「状態3」である。
第1表示部36aと第2表示部36bとの表示内容が「C画像」である。「C画像」は、キャラクタ(女の子)と背景(花)の画像の他、第1表示部36aのウィンドウ63内に表示された装飾図柄(「3」のリーチ態様)から構成される。
その後、移動演出が行われ、完了すると、図26B(b)のようになる。図26B(b)は、移動範囲の略中央で第1表示部36aと第2表示部とが完全に重なった状態であるので、図24Bの「状態5」である。
ここでは、第1表示部36aの表示領域において、「C画像」のキャラクタ(女の子)と背景(花)の画像(一部)の前面側に、大当り期待度が高い予告演出である猫群が表示されている。なお、ウィンドウ63内に表示された装飾図柄(「3」のリーチ態様)は、第1表示部36aの表示領域内の上方のまま移動しない
このように、キャラクタや背景の一部を保持したまま、予告演出を追加実行することで、移動演出を大当り期待度の高いアクションとして、遊技者に認識させることができる。その後は、各表示部を元の定位置(状態3)に戻してもよいし、図26A(b)のように、両表示部を逆転位置(状態4)に移動させてもよい。
次に、図27A、図27Bを参照して、移動演出の際に行われる指定座標位置の変換について説明する。
まず、図27Aに、画像種類と指定座標位置の関係を示す。背景画像、予告画像、演出表示の1つであるエフェクト画像等は、第1表示部36a又は第2表示部36bに表示されている場合に移動演出が行われたときは、指定座標位置を各表示部の移動に合わせて変更する。
一方、音量・光量等の遊技設定表示、右打ち等の遊技指示、図柄、ミニリール、保留表示、エラー表示、遊技設定表示、遊技回数表示、獲得球数、演出ボタンマーク等は、第1表示部36a又は第2表示部36bに表示されている場合に移動演出が行われたときは、指定座標位置を各表示部の移動に合わせて変更しない。これにより、遊技者が遊技に関する情報であって、重要なものを認識し易くなる。
次に、図27Bに、指定座標位置を変更するために必要なスイッチのオン、オフの関係を示す。なお、次の図28で説明する移動演出の例には、スイッチが図示されているので、適宜参照する。
第1表示部36a及び第2表示部36bの高さ方向の辺には、定位置の第1表示部36aの上端付近にSW1、定位置の第1表示部36aの下端より下側にSW2、定位置の第2表示部36bの下端付近にSW3が配設されている(図28(a)参照)。SW1〜SW3は、第1表示部36aの側端部とは接触してオンするが、第1表示部36aより僅かに小さい第2表示部36bとは接触しないように配設されている。
まず、「状態α」は、第1表示部36aが上方、第2表示部36bが下方(下詰)となる定位置である(図24Bの「状態1」)。このとき、第1表示部36aの側端はSW1と接触してオンとなるが、SW2及びSW3はオフとなる(図28(a)参照)。
次に、「状態β」は、第1表示部36aが上端から離れて少し移動した位置である。このとき、SW1はオフ、SW2はオン、SW3はオフとなる(図28(b)参照)。そして、この状態は、第1表示部36aが下端に移動するまで継続する。
次に、「状態γ」は、第1表示部36aが下端に到達して、第1表示部36aと第2表示部36bとの位置が入替わった逆転位置である(図24Bの「状態2」)。このとき、SW1はオフ、SW2及びSW3はオンとなる(図28(c)参照)。
上述の図25の演出では、「状態α」から「状態γ」となったとき、指定座標位置を変更して、予告表示である「激」と「熱」の文字を入替えたが、「状態β」の期間に、第1表示部36aと第2表示部36bとの移動速度に応じて、指定座標位置を変更するようにしてもよい。
次に、図28を参照して、「状態β」の期間に指定座標位置を変更していく移動演出の例を説明する。
図28(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部36bが下方に位置しているので、図27Bの「状態α」である。第1表示部36aの表示内容の「A画像」は、ウィンドウ60a内に表示された「激」の文字と、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字から構成される。このとき、第1表示部36aの左端はSW1と接触してオンとなるが、SW2とSW3とは接触せず、オフとなる。
また、第2表示部36bの表示内容の「B画像」は、ウィンドウ60b内に表示された「熱」の文字から構成される。なお、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとは、比較的近い位置に配置されているため、遊技者が「激熱」と読むことができ、大当り期待度が高いことを示す予告演出であると認識する。
図28(b)は、第1表示部36aと第2表示部36bの移動中の状態を示しており、図27Bの「状態β」である。この状態では、第1表示部36aのウィンドウ60aとウィンドウ61とは、表示領域内での位置が変更されず、元の位置のままとなっている。
しかしながら、第2表示部36bのウィンドウ60bは、移動速度に応じて指定座標位置が変更され、表示領域内の下方に移動している。これにより、遊技者は、「状態β」の期間に、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとによる「激熱」の文字を認識することができる。
この後、第1表示部36aと第2表示部36bとがさらに重なることになるので、「激熱」の文字は、一時的に第1表示部36aの表示領域内に表示される。そして、第1表示部36aの上側から第2表示部36bが突出したときには、第2表示部36bのウィンドウ60bには、「激」の文字の一部のみが表示される。すなわち、「状態β」において、常に「激熱」の文字が遊技者に認識されるように指定座標位置が変更される。
このとき、第1表示部36aの左端はSW1と接触せずオフとなっているが、SW2とは接触し、オンとなる。また、第1表示部36aの左端はSW3とは接触せず、オフとなる。そして、各表示部の移動が完了すると、図28(c)のようになる。
図28(c)は、第1表示部36aが下方、第2表示部36bが上方に位置しているので、図27Bの「状態γ」である。第1表示部36aの表示内容が「A画像」であるが、ウィンドウ60a内に表示されていた「激」の文字は「熱」に変化しているので、やはり、遊技者が「激熱」の文字を認識することができる。
このとき、第1表示部36aの左端はSW1と接触せずオフとなるが、SW2とSW3とは接触し、オンとなる。このように、パチンコ遊技機1では、SW3がオンとなったとき、第1表示部36aと第2表示部とが入替わり、逆転位置となったことが分かるようになっている。
今回の移動演出においても、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字は、第1表示部36aの表示領域内の上方のまま移動しない。しかしながら、移動演出を通して、「激熱」の文字は、常に遊技者が認識可能であるが、表示領域の上下方向に揺れてしまう難点がある。
そこで、この点を解決するため、以下の図29Aに示す移動演出のように、指定座標位置を変更することもできる。
図29A(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部36bが下方に位置しているので、図27Bの「状態α」である。第1表示部36aの表示内容の「A画像」は、ウィンドウ60a内に表示された「激」の文字と、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字から構成される。
また、第2表示部36bの表示内容の「B画像」は、ウィンドウ60b内に表示された「熱」の文字から構成される。なお、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとは、比較的近い位置に配置されているため、遊技者が「激熱」と読むことができ、大当り期待度が高いことを示す予告演出であると認識する。
図29A(b)は、第1表示部36aと第2表示部36bの移動中の状態を示しており、図27Bの「状態β」である。この状態では、第1表示部36aのウィンドウ60aに、「激」の文字の下半分と、「熱」の文字が表示されている。また、ウィンドウ61は、表示領域内での位置が変更されず、元の位置のままとなっている。
第2表示部36bのウィンドウ60bは、移動速度に応じて指定座標位置が僅かに変更されるが、「激」の文字の上半分が表示されている。第1表示部36aのフレームにより「激」の文字の一部が隠れてしまうが、遊技者は、「状態β」の期間に、ウィンドウ60aとウィンドウ60bによる「激熱」の文字を認識することができる。また、今回の移動演出においては、「激熱」の文字の上下方向に揺れを抑えることができる。
次に、図29Bを参照して、上述の図29Aの移動演出の表示制御について説明する。
図29B(a)は、図29Aの移動演出の「状態α」における第1表示部36aの描画領域R1と指定描画位置S1を示している。ここで、描画領域とは、「激熱」の文字が含まれる、実際は図示したものより広範囲の領域であり、指定描画領域とは、各表示部に描画される描画領域である。
図29B(a)では、描画領域R1から「激」の文字だけが含まれるように、指定描画位置S1を定めている。また、「右打ち⇒⇒⇒」の文字を指定描画位置S1の右上に配置することで、「状態α」の第1表示部36aと対応する表示を生成することができる。
また、図29B(b)では、描画領域R2から「激」の文字の下側の一部と、「熱」の文字が含まれるように、指定描画位置S2を定めている。これにより、「状態α」の第2表示部36bと対応する表示を生成することができる。なお、実際には、第2表示部36bの上端部は第1表示部36aと重なるため、遊技者は、「激」の文字の下側を視認することはできない。
図29B(c)では、描画領域R1から「激」の文字の下側一部と、「熱」の文字が含まれるように、指定描画位置S1を定めている。また、「右打ち⇒⇒⇒」の文字を指定描画位置S1の右上に配置することで、「状態β」の第1表示部36aと対応する表示を生成することができる。
また、図29B(d)では、描画領域R2から「激」の文字と「熱」の文字の両方が含まれるように、指定描画位置S2を定めている。これにより、「状態β」の第2表示部36bと対応する表示を生成することができる。なお、実際には、第2表示部36bの下半分は第1表示部36aと重なっているため、遊技者は、「激」の文字の上側一部しか視認することができない。
以上のように、図29Aの移動演出では、移動速度に応じて指定座標位置を変更することで、遊技者に分かり易い、効果的な予告演出を行うことができる。図29Bでは、第1表示部36a用の描画領域R1と、第2表示部36b用の描画領域R2とを区別していたが、共通の全描画領域Rから、それぞれ第1表示部36a用の指定描画位置S1と、第2表示部36b用の指定描画位置S2とを定めてもよい。
最後に、図30を参照して、その他の移動演出の例を説明する。
図30(a)は、第1表示部36aが上方、第2表示部36bが下方に位置しているので、図27Bの「状態α」である。第1表示部36aの表示内容の「A画像」は、ウィンドウ60a内に表示された「熱?」の文字と、ウィンドウ61内に表示された「右打ち⇒⇒⇒」の文字から構成される。
また、第2表示部36bの表示内容の「B画像」は、ウィンドウ60b内に表示された「激」の文字から構成される。なお、ウィンドウ60aとウィンドウ60bとは離れており、上から読んでも意味不明であるが、遊技者は、何らかの予告演出であると認識することができる。
図30(b)は、第1表示部36aと第2表示部36bとが移動して、一時停止した状態を示しており、図27Bの「状態β」である。また、第1表示部36aのウィンドウ60aとウィンドウ61とは、表示領域内での位置が変更されず、元の位置のままとなっている。
第2表示部36bのウィンドウ60bも、表示領域内での位置が変更されていない。また、各表示部の移動により、第2表示部36bは半分以上が第1表示部36aの背面側に隠れてしまうため、ウィンドウ60bの文字は、ほとんど読むことができない。その後、各表示部がさらに移動して、図30(c)又は図30(d)のようになる。
図30(c)の状態に移行した場合、第1表示部36aが下方、第2表示部36bが上方に位置しているので、図27Bの「状態γ」である。第1表示部36aの表示内容が「A画像」であるが、ウィンドウ60a内に表示されていた「熱?」の文字は「熱!!」に変化している。
また、第2表示部36bの表示内容が「B画像」であるが、ウィンドウ60b内に表示されていた「激」の文字は、特に変化していない。しかし、遊技者は、ここで初めて、上から「激熱!!」と読めることに気づき、大当り期待度が高いことを示す予告演出(成功演出)であったと認識する。
図30(d)の状態に移行した場合、第1表示部36aが上方、第2表示部36bが下方に位置しているので、図30の「状態α」に戻ったことになる。このとき、やはり、上から読んでも意味不明であるので、遊技者は、今回の移動演出が、いわゆるガセ演出(失敗演出)であったと認識する。
図30の移動演出では、図30(a)、図30(b)、図30(c)の順に進む成功演出において、「?」の記号が「!!」の記号に変更されたが、ウィンドウ60a,60b,61の表示領域内での位置は変更されない。また、図30(a)、図30(b)、図30(d)の順に進む失敗演出では、文字や記号が変更されず、ウィンドウ60a,60b,61の表示領域内での位置も変更されない。
図30の移動演出の変更例として、図30(b)の移動演出の一時停止の状態で、第1表示部36aと第2表示部36bとの少なくとも一方が、ガタガタと振動するアクションを行うようにしてもよい。このような演出により、遊技者は、この後、図30(c)の逆転位置になるのか、図30(d)の定位置に戻るのかを楽しむことができる。なお、この振動演出においても、ウィンドウ60a,60b,61の表示領域内での位置は変更されない。
遊技盤4’の遊技機では、第1表示部36aと第2表示部36bとの少なくとも一方が移動する移動演出が実行される場合、第1表示部36aに第1画像(A画像)、第2表示部36bに第2画像(B画像)が表示されているときは、各画像の位置を指定する画像指定座標を変更せず、第1表示部36aと第2表示部36bとに特別画像(C画像)が表示されているときは、画像指定座標を変更する。これにより、移動する表示手段の位置に応じて、最適な表示が行われるように制御することができる。
可動体37a,37bは、待機位置から垂直方向に落下して演出位置に出現する動作であったが、可動体37c,37dのように回転しながら演出位置に出現する可動体や、扉のように水平方向に動作する可動体であってもよい。
本実施形態では、第1表示部36aと第2表示部36bの移動方向は垂直方向であったが、移動方向は、水平方向でも斜め方向であってもよい。予告演出として、「激熱」の文字を例示したが、所定の形状やキャラクタであってもよい。
以上、実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機に限らず、回胴式遊技機、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機等の演出にも適用可能である。