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JP6463374B2 - 超音波プローブ、及びそれを備えた情報取得装置 - Google Patents

超音波プローブ、及びそれを備えた情報取得装置 Download PDF

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JP6463374B2 JP2016561184A JP2016561184A JP6463374B2 JP 6463374 B2 JP6463374 B2 JP 6463374B2 JP 2016561184 A JP2016561184 A JP 2016561184A JP 2016561184 A JP2016561184 A JP 2016561184A JP 6463374 B2 JP6463374 B2 JP 6463374B2
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Description

本発明は、超音波プローブと、それを備えた情報取得装置に関する。
被検体に光を照射して、光音響効果により被検体中の測定対象から光音響波(超音波)を発生させ、発生した超音波を半球面形状の超音波プローブを用いて受信する測定システムがある。半球面形状の超音波プローブは、半球の内壁面上に配置した複数の超音波トランスデューサ素子で構成されている。
図16を用いて、説明する。図16において、10は被検体、11は光源、12は超音波プローブ、13は超音波トランスデューサ、21は光線、22は光音響波(超音波)、30は音響マッチング材である。超音波プローブ12は、半球面形状をしており、複数の超音波トランスデューサ13と、光源11を備えている。被検体10は、半球面形状の超音波プローブ12に一部囲まれるように配置され、被検体10と超音波プローブ12との間には、音響マッチング材30が充填される。光源11から被検体10に光21を照射して、被検体で発生した光音響波(超音波)22を、超音波プローブ12が有する複数の超音波トランスデューサ13で受信して、被検体の画像化を行う。
特許文献1には、以上で述べた半球面形状の超音波プローブについての開示がある。このような半球面形状の超音波プローブは、平面上の超音波プローブに比べて、ある測定点に受信面を向けられる超音波トランスデューサの数を多くすることができるため、被検体をより高い感度で測定できる。
米国特許公開2011−0306865号公報
一方、被検体から発生する光音響波(超音波)は、互いに異なる周波数成分を含んでいる。これは、被検体内にある光音響波発生源の形状や物性などにより、決まる。そのため、被検体内部を忠実に再現するためには、被検体からの光音響波(超音波)を広い周波数帯域で受信することが、必要となる。
ここで、静電容量型トランスデューサ(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers、CMUT)は広い周波数帯域の超音波を検出できる。しかし、超音波プローブの感度を高めるためには、なるべく多くの超音波トランスデューサを設ける必要がある。その上、個々の超音波トランスデューサは平面チップ状にするなどする必要があるが、そのようなチップを半球面形状の表面に設ける最適な構成が知られていなかった。
本発明に係る超音波プローブは、第1の電極を含む振動膜と、前記振動膜に対して間隙を介して設けられる、第2の電極と、を有する静電容量型トランスデューサと、前記トランスデューサが複数設けられた、曲面を有する支持部材と、を有する超音波プローブであって、前記支持部材の内壁面は複数の平面部を有し、前記平面部上に平板状の基板を介して前記トランスデューサが設けられていることを特徴とする。
本発明に係る超音波プローブによれば、広い周波数範囲の光音響波(超音波)を受信できる特性を有する静電容量型トランスデューサを、曲面を有する支持部材の内壁面の複数の平面部に設けることで、広い周波数帯域の光音響波(超音波)を、感度良く検出できる。
本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブを説明する模式図である((a)外観図(b)断面図)。 本発明の第1の実施形態におけるCMUTの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波プローブを説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波プローブの受信回路を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る超音波プローブを説明する模式図である。 本発明の第8の実施形態に係る超音波プローブの印加電圧の調整回路を示す模式図である。 本発明の第9の実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の第10の実施形態に係る超音波プローブを説明する模式図である。 本発明の第11の実施形態に係る超音波プローブを説明する模式図である。 本発明の第12の実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する模式図である。 本発明の第12の実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する模式図である。 従来の超音波プローブを説明する図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限られない。
本実施形態に係る超音波プローブは、曲面を有する支持部材の内壁面に静電容量型トランスデューサ(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers、CMUT)が複数設けられている。支持部材が有する曲面の内壁面の平面部上に、平板状の基板を介してCMUTが設けられているため、ある測定点に受信面を向けられるCMUTの数を多くすることができ、被検体をより高い感度で測定できる。また、CMUTを用いるため、広い周波数範囲の超音波を受信できる。
以下、本発明の実施形態に係る超音波プローブの具体構成について詳細に述べる。
(第1の実施形態)
(超音波プローブ)
図1は、本実施形態に係る超音波プローブを説明するための模式図である。図1(a)は超音波プローブの外観図、図1(b)は超音波プローブの断面図である。図1において、100は平板状の基板(チップ)、101は曲面を有する支持部材、102は支持部材101が有する平面部、103は光源、200はCMUTである。
ここで、支持部材101の形状は、曲面を有していること以外は特に限定されない。
例えば、半球面形状(ドーム状)であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状、かまぼこ形状であってもよい。また、半球における、球の中心と球の頂点とを結ぶ線と、球の中心と半球の淵とを結ぶ線とのなす角度xが90°(図1(b))に限定されず、90°より小さくてもよいし、90°より大きくてもよい。
なお、本明細書において球面とは真球に限られず、球面と見なせる程度に表面上に凹凸があってもよいし、楕円体であってもよい。
本実施形態及び他の実施形態では支持部材が半球面形状である場合について説明する。
本実施形態に係る超音波プローブは、図1(a)で示すように、半球面形状を有する支持部材101の内壁面の平面部上に、超音波トランスデューサ200を設けた平板状の基板100が複数設けられている。また、支持部材内の被検体に光を照射する光源103が適宜設けられる。なお、光源103の位置は図1の位置に限られない。
支持部材101の半球の直径は、例えば1cm以上100cm以下に設定できる。また、平板状の基板100の大きさは、1mm角以上10cm角以下に設定できる。
支持部材101の半球の内壁面は、図1(b)で示すように、チップ100の数に対応して、窪んだ平面部102を有しており、平面部102の垂線は半球面の内部の特定の点Dに向かうように配置されている。点Dは、半球面形状の超音波プローブの内部で被検体が配置される位置に対応させて設定される。なお、複数のトランスデューサの受信面に対するそれぞれの法線がその1点で交差することが重要であり、複数の平面部に対するそれぞれの垂線は必ずしも、支持部材の内側の1点で交差していなくてもよい。
しかし、支持部材が有する複数の平面部に対するそれぞれの垂線が、支持部材の内側の1点で交差することが特に好ましい。図1(b)では半球の曲率中心の近傍に点Dが設定されているが、それに限定されるものではない。
チップ100は、図1(c)で示すように、半球面形状を有する支持部材101上に、分散して配置されている。なお、図1(c)(d)では、図1(a)(b)の200は省略している。
チップ100の厚さを均一にすることで、平面部102上のチップ100上に形成したCMUT200の受信面を、全て点Dに向けることができる。すなわち、受信面の法線を1つの点(D)に集中するように構成できる。これにより、点Dから複数のCMUT200までの距離はほぼ均一にすることができる。その結果、本実施形態に係る超音波プローブを用いて被検体の画像を取得する際、被検体の画像を形成する際の演算処理を簡素化することができる。
また、平面部102は、チップ100の大きさに合わせて、支持部材より窪んでいるため、チップ100をその窪みに落とし込むことで、容易にチップの位置を決めることができる。そのため、それぞれのCMUTの位置を支持部材101の半球に対して精度よく配置でき、またCMUT毎の位置関係を正確に決めることができる。これにより、複数のCMUT200の相互の位置関係を正確に把握することができるため、その後の画像を形成する際の処理を更に簡素化することができる。
なお、チップ100の形状は、例えば直方体、円柱、多角柱にすることが可能である。
本実施形態で用いるCMUT200は、現在広く用いられているピエゾ型の超音波トランスデューサに比べて、超音波受信時の応答性が良く、周波数の帯域が広いという特徴がある。しかし、CMUTはチップ上に形成するため、平面上に形成することは容易にできるが、曲面などに配置することが困難である。そのため、本実施形態では、受音素子単位毎に形成するチップ100を分けており、且つ半球面形状の支持部材の内壁面は、チップ100の形状に合わせた複数の平面部102を有している。その上、その平面部102にチップ100をそれぞれ配置する構成を取ることで、複数のCMUT200を曲面上、すなわち半球面形状の支持部材の内壁面に配置することが可能になっている。
つまり、本実施形態に係る超音波プローブは、CMUTを用いるため、広い周波数範囲の超音波を受信できる特性を有し、かつ、半球面の内壁面上に複数のCMUTを配置できるため、感度が高い超音波プローブを提供することができる。
例えば、超音波を受信する際の周波数範囲の例としては、0.5MHz以上6MHz以下や、1MHz以上 8MHz以下の範囲が挙げられる。
本実施形態の変形例として、図1(d)に示すように、CMUT200を配置したチップ100の上側に、CMUTを被覆するように、絶縁性フィルム104を配置する構成を取ることができる。絶縁性フィルム104と、チップ100及びCMUTとの間には、お互いを接着する接着層105が配置されている。絶縁性フィルム104としては、光音響波の透過特性に影響のない厚さであるPET(Polyethylene Terephthalate)、PI(Polyimide)などの樹脂性のフィルムを用いることができる。特に、15μm以下のPETフィルムを用いることで、超音波の音響特性に影響がより少なく、且つ絶縁信頼性をより高くすることができるので望ましい。接着層105としては、シリコーンゴムを用いることが好ましい。なぜならシリコーンゴムは、接着性が高く、超音波の透過特性が優れており、且つ、後述するCMUT200の振動膜201の振動特性に影響を与えにくいという特性を得ることができる。接着層105の厚さは、100μm以下であれば、超音波の透過特性に与える影響が少ないため、より望ましい。
また、絶縁フィルム104を設けることで、高電圧が電極に印加されるCMUT200の表面と、外部を電気的に絶縁することができるので、被検体に対する安全性を高めることができる。
(CMUT)
図2は、CMUT200を説明する模式図である。図2において、100は平板状の基板(チップ)、201はメンブレン、202は第1の電極、203は第2の電極、204は支持部、205は間隙、301は第1の配線、302は第2の配線、401は受信回路、402は直流電圧を印加する電圧印加手段である。以下では、メンブレン201と第1の電極202とを合わせて振動膜210ということがある。なお、図2では平板状の基板上に素子が3つ設けられたCMUTを示しているが、素子の数は3つより少なくても、3つより多くても良い。
メンブレン201は、支持部204によりチップ100上に支持されており、超音波を受けて振動する構成となっている。メンブレン201上には第1の電極202が配置されており、振動膜210は間隙を介して、第2の電極203と対向するように配置されている。メンブレン201と間隙205を挟んで対向した第1の電極202と第2の電極203を1組として、セルと呼ぶ。
第1の電極202は、第1の配線301を介してチップ100外部に引き出され、受信回路401に接続され、第2の電極203は、第2の配線302を介してチップ100外部に引き出され、電圧印加手段402に接続される。電圧印加手段402により、第1の電極202と第2の電極203間には、例えば1V以上1000V以下、数10Vから数100Vの電位差が発生している。メンブレン201と第1の電極202が振動することにより、第1の電極202と第2の電極203との間の距離が変化して、電極間の静電容量が変化する。電極間には電位差があるため、容量変化に対応して、微小な電流が発生する。微小電流は、第1の電極202に接続された、電流を検出する受信回路401で、電流から電圧に変換されて出力される。出力された電圧から、超音波の強度を測定できる。
図2のように、チップ100上には、上記セル(201、202、203、205、)が複数配置されている。図2では代表して1つのセルに番号を付しているが、それ以外のセルについても同じ形状のものには同じ番号が付される。
チップ100上の第1の電極202同士はお互いに電気的に接続されており、チップ100上の第2の電極203同士はお互いに電気的に接続されている。チップ100上の第1の電極202は、チップ毎に異なる受信回路401に接続されている。本実施形態に係る超音波プローブでは、受信回路401をチップ100と同じ数だけ備えており、複数のCMUT200は配置しているチップ100ごとに独立した受音素子(受音素子の単位をエレメントと呼ぶ)として、機能している。受音素子の大きさは、例えば100μm以上10mm以下と設定でき、受音素子は、特に限定されないが100以上10000個以下、設けることができる。
上記では、第1の電極202はメンブレン201上に、第2の電極203は基板100上に配置された構成について説明した。しかし、本実施形態はこの構成に限られず、第1の電極202が受信回路401と接続され、第2の電極203が電圧印加手段402に接続された構成でもよい。また、本実施形態におけるCMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて、シリコンのチップ上に作製することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態とは、チップ100上のCMUT200と、受信回路401との間の接続方法のみ異なる。ここでは、第1の実施形態と異なる点について述べ、共通する事項については説明を省略する。
図3(a)は、本実施形態に係る超音波プローブの断面の模式図である。本実施形態では、支持部材101を貫通する配線(貫通配線121)が設けられ、支持部材101の平面部102側(内壁面側)から外壁面側まで電気的に接続することができる。貫通配線121は、チップ100毎に2本設けられている。支持部材101の外壁面上には、コネクタ411が配置されており、貫通配線121とコネクタ411を接続する配線(不図示)が配置されている。コネクタ411には、回路基板400が接続されている。回路基板400上には、複数の受信回路401が配置されており、それぞれのチップ100上に設けられたCMUT200(不図示)と、コネクタ411及び貫通配線121を介して接続されている。なお、チップ100と受信回路401を接続する配線について、コネクタ411と貫通配線121以外は不図示である。受信回路401からの出力は、ケーブル500を介して外部に出力される(受信回路401からケーブル500までの配線は、不図示)。
回路基板400上に複数の受信回路401を配置し、回路基板400とコネクタ411、コネクタ411と複数のCMUTとを接続する構成とすることで、コネクタ411の数を、CMUTの数と同じだけ備える必要がないため、部品点数や設置面積を削減できる。そのため、CMUTの数が多い構成でも、製造しやすい。
また、1枚の回路基板400が備える受信回路401からの出力信号と、電圧印加手段402に接続される配線は、束ねられ1本のケーブルとして、外部と接続される。そのため、超音波プローブ全体のケーブルの数を減らすことができるので、超音波プローブ内での配線をコンパクトにすることができる。
図3(a)の、CMUT周辺の拡大図である図3(b)を用いて、チップ100と貫通配線121とを接続する構成の詳細を説明する。チップ100の表面の第1の電極202、第2の電極203に接続された配線301、302は、チップ100を貫通する配線(貫通配線311)を介して、チップの裏面に引き出されている。チップ100の裏面と、支持部材101の平面部102との間は、バンプ111を介して接続されている。バンプ111は、半田バンプや金バンプなどを用いて容易に設けることができる。バンプ111を用いることで、電気的に接続性が優れた接続を行うことができる。
配線301、302は、更に支持部材101が有する貫通配線121を介して、支持部材101の有する半球面の外壁面側の表面に引き出されている。チップ100が貫通配線311を有しており、裏面をバンプで接続していることで、配線の引き出し部を小さくすることができ、チップの大きさをCMUT200の素子サイズに近づけることができる。そのため、CMUT200をより近接して配置することができ、素子の数を増やすことができ、あるいは同じ素子数であればより小さな径の半球を実現することができる。
また、支持部材101の平面部102と、チップ100との間は、アンダーフィル材131により、充填される構成にすることができる。これにより、バンプ111部の電気接続性の信頼性を向上させることができる。
図3(c)は、超音波プローブを測定対象側(図3(a)のAの方向)から見た模式図である。回路基板400は、半球の中心から放物線上に配置されている。
本実施形態では、それぞれの素子に接続した受信回路401を備える回路基板400を、複数に分割して(図3(c)では8分割)配置している。そのため、回路基板400を全く分割しない場合に比べて、CMUT200から受信回路401までの配線長を短くすることができる。CMUT200は、静電容量の変化を検出して、超音波の受信動作を行うため、配線長が長くなると受信特性が劣化する。
そのため、本実施形態に係る超音波プローブは、CMUT200から受信回路401間の配線の寄生容量の影響による受信特性の劣化が少ない。
超音波を受信する際、超音波プローブと被検体の間に、気体の層が介在して音響的な不整合が発生しないように、液体の媒質(音響マッチング材)を配置して、使用する。本実施形態に係る超音波プローブは、支持部材101内の電気接続には貫通配線121を用いるため、配線を介して信号のやり取りはできるが、支持部材101の内壁面側から外壁面側には、液体が侵入しない構造とする。そのような構成とすることで、回路基板400側に液体が侵入して、回路や配線の特性を劣化させることがなく、信頼性の高い超音波プローブを提供することができる。
次に、受信回路401の回路の詳細を、図4を用いて説明する。図4(a)は抵抗とFETを用いたトランスインピーダンス回路であり、図4(b)はオペアンプを用いたトランスインピーダンス回路である。図4(a)において、403、404は抵抗、405はFET、図4(b)において、406、407は抵抗、408、409はコンデンサ、410はオペアンプ、VCC、V+、V-は電源端子、VOUTは出力端子である。
図4(a)では、GND(基準電位)に対して配置された抵抗403において電圧を電流に変換し、FET405で電圧増幅とインピーダンス変換をして、電圧を出力する機能を有している。このような簡単な回路構成で、電圧電流変換を行うことができるので、小型な受信回路401を実現することができ、回路基板400の大きさを小さくすることができ、超音波プローブ自体を小型化することができる。
一方、図4(b)では、オペアンプ410の負帰還部に抵抗406とコンデンサ408がパラレルに配置されており、帰還部で入力された電流が電圧に変換される。オペアンプの帰還特性があるため、広帯域なオペアンプを用いることで、入力の配線にある寄生容量が、電流電圧の変換効率に及ぼす影響を小さくできる。そのため、素子200の直近に受信回路401を配置する場合(配線の寄生容量が極めて小さい場合)に比べて、電流電圧変換の劣化が少なく、優れた超音波の受信特性を得られる。
本実施形態の別の形態として、コネクタ411にエッジコネクタソケットを用いてもよい。回路基板400は、基板を直接コネクタに挿入して電気的接続を取ることができる形状を有した基板(カードエッジコネクタ)である。回路基板400を、コネクタ411に直接挿入して固定することができるので、支持部材101と回路基板400との位置関係を固定することができる。そのため、超音波プローブ内部の構造を簡易化することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1、第2の実施形態とは、チップ100上のCMUT200と、受信回路401との間の接続方法が異なる。以下、第1、第2の実施形態と異なる事項のみ説明し、共通事項は説明を省略する。
本実施形態に係る超音波プローブの断面図である図5を用いて、具体的な説明を行う。図5(b)は図5(a)のうち、支持部材101、平面部102、光源103、貫通孔141のみを示した図であり、図5(c)は図5(a)の拡大図である。
図5(a)、(b)において、132は封止剤、133は接着剤、141は貫通孔、151はフレキシブルプリント基板(フレキ)、412はフレキシブルプリント基板用コネクタである。
本実施形態では、チップ100上のCMUT200と、受信回路401とを、フレキシブルプリント基板151を介して接続している。図5(b)で示すように、支持部材101は、平面部102毎に貫通孔141を備えている。図5(c)で示すように、チップ100は、支持部材101が備える平面102上に接着剤133により、接着されている。CMUT200を構成する第1の電極202と接続された配線112は、フレキシブルプリント基板151と電気的に接続されている。配線112とフレキシブルプリント基板151との接続部113は、異方性導電樹脂や、導電性ペーストなどを用いることで容易に設けることができる。
特に、異方性導電樹脂を用いることで、電気的な接続と、チップ100とフレキシブルプリント基板151の物理的な接着の機能を持たすことができるため、構成が簡素化され、小型化ができるため望ましい。チップ100上の配線202、203に接続されたフレキシブルプリント基板151は、支持部材101が有する貫通孔141を通り、支持部材101の半球面の外壁面側に引き出されている。貫通孔141内は、封止剤132が充填されており、支持部材101の半球の内壁面側から外壁面側に液体が侵入しないようになっている。
本実施形態において異方性導電樹脂とは、微小な数マイクロメートル程度(1μm以上10μm以下)の導電性金属粒子を含有している絶縁性の熱硬化性樹脂であり、例えば、異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電性ペースト(ACP)などが挙げられる。
また、本実施形態において導電性ペーストとは導電粉を樹脂などの中に混入したものであり、例えば銀や、ハンダ粒子などを熱硬化樹脂中に分散した形態が挙げられる。
本実施形板において回路基板400は、回路基板400が有する受信回路401と同じ数だけ、フレキシブルプリント基板用コネクタ412を備えている。貫通孔141を通り支持部材101の半球の外壁面側に引き出された、フレキシブルプリント基板151は、フレキシブルプリント基板用コネクタ412に接続され、回路基板400上の受信回路401に繋がっている。
本実施形態では、第2の実施形態の図3の接続方法に比べて、素子200と受信回路401との間をより直線的に短距離で接続できるので、配線上の寄生容量をより小さくできる。そのため、受信特性が更に優れた超音波トランスデューサを提供できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態とは、チップ100上のCMUT200と、受信回路401との間の接続方法が異なる。第3の実施形態と異なる事項について説明する。
図6(a)は本実施形態に係る超音波プローブの断面図である。本実施形態では、チップ100が貫通配線311を有しており、チップ100とフレキシブルプリント基板151との間が、チップ100の裏面の電気接続部113により接続されている。電気接続部113は、半田バンプ、金バンプ、導電ペーストなどを用いて容易に実現することができる。チップ100の裏面と、フレキシブルプリント基板151との間は、絶縁性樹脂である封止剤132により充填されている。また、チップ100と一体化したフレキシブルプリント基板151は、支持部材101が有する平面部102に接着剤133により固定されている。
本実施形態では、実施形態3とは異なり、チップ100上にフレキシブルプリント基板151と接続するための接続部113を配置する領域を設ける必要がないため、チップの大きさをCMUT200の素子サイズに近づけることができる。そのため、CMUT同士の間隔を近くすることができ、素子の数を増やすことができ、あるいは同じ数のCMUTを設ける場合であればより小さな径の半球面形状の支持部材を用いることができる。
本実施形態の変形例として、図6(c)のように、チップ100とフレキシブルプリント基板151との間に異方性導電樹脂114を設ける構成とすることができる。異方性導電樹脂(ACF)114は、微細な導電性金属粒子を含有している絶縁性の熱硬化性樹脂である。電極で挟み圧力を加えて電極間のギャップを導電性金属粒子の径以下にして硬化することで、上下に配置した電極間を電気的に接続することができる。一方、同じ平面に配置された電極間は、微細な導電性金属粒子より十分広い距離を取っているので、絶縁性の熱硬化性樹脂内に微細な導電性金属粒子が分散して配置された状態で、絶縁が保たれている。このように、異方性導電樹脂114は、チップ100とフレキシブルプリント基板151間の電気的な接続と、チップ100とフレキシブルプリント基板151との間の固定との、2つの機能をもつ。そのため、電気的接続と接着を一度の工程で行うことができ、実装工程を簡略化することができ、構成要素が少なくなるため、歩留まりを高めることができる。また、チップ裏面での電気接続部を、外部から電気的に絶縁することができるため、信頼性を高めることができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第1、第2の実施形態とは回路基板400の配置が異なる。以下、第1、第2の実施形態と異なる事項についてのみ説明する。図7は本実施形態に係る超音波プローブの断面図である。
本実施形態におけるコネクタ411は、図7で示すように、半球の深さ方向(図7のA’方向)に垂直な方向(図7のA’’方向)に配置されている。回路基板400の向きも、半球の深さ方向に垂直な方向(図7のA’’方向)に配置されている。このような構成とすることにより、半球の深さ方向を半球の深さとほぼ同じにすることができる。そのため、本実施形態に係る超音波プローブの、回路基板400があることによる、A’方向の配置の制約が少なくなる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、第5の実施形態とは、コネクタ413及び回路基板400を配置する向きが異なる。以下、第5の実施形態と異なる事項についてのみ説明する。図8は本実施形態に係る超音波プローブの断面図である。 本実施形態でのコネクタ413は、支持部材101の半球の深さ方向(図8のA’方向)に向かって配置されていることが特徴である。回路基板400の向きも、半球の深さ方向(図8のA’方向)に沿って配置されている。
本実施形態に係る超音波プローブは、回路基板400が半球の深さ方向と平行な方向に向かって配置されているので、超音波プローブの外形回路基板を被検体側から見た半球面形状の領域内に収めることができる。そのため、本実施形態に係る超音波プローブの、回路基板400があることによる、A’’方向の配置の制約が少なくなる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、第1から第6の実施形態とは、半球面形状のプローブが、複数の分割されたプローブユニットを組み合わせて構成される点が異なる。以下、第1から6の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図9(a)に、本実施形態に係る超音波プローブの模式図を示す。図9(a)では、12個の超音波プローブユニットを組み合わせて、1つの超音波プローブを構成している。なお、図9(a)では、CMUT200や基板100は図示していないが、図1(a)と同様に配置されている。図9(b)に、超音波プローブユニット600を示す。超音波プローブユニット600は、それぞれに回路基板400(不図示)とケーブル500を有しており、筺体内に収められている。複数の超音波プローブユニット間を接着、またはお互いを固定することで、容易に超音波プローブを構成することができる。
本実施形態に係る超音波プローブは、複数のプローブユニットを組み合わせて構成するので、一体型で超音波プローブを作製する場合に比べて、歩留まりを向上させることができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、 第1から第7の実施形態とは、第2の電極203に直流電圧を印加する回路構成が異なる。以下、第1から7の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図10(a)において、451は印加電圧の調整手段である。本実施形態では、直流電圧を印加する電圧印加手段401と第2の配線302との間に、印加電圧の調整手段451を備えていることが特徴である。印加電圧の調整手段451は、電圧印加手段401から出力された電位Vbを、第2の配線302に接続される第2の電極203に印加する端子では、Vbとは異なるVoに調整する機能を有している。
CMUTは、メンブレン201の厚さばらつきや、間隙205のばらつきにより、セルや複数のセルを有するエレメント毎に印加する直流電圧の最適値が異なる。本実施形態に係る超音波プローブでは、CMUTのセルやエレメント毎に、最適な直流電圧Voを印加する機能を有している。図10(a)を用いて、印加電圧の調整手段451の回路構成を説明する。
印加電圧の調整手段451は、3つの分圧抵抗により構成される。電圧印加手段401と第2の電極203との間には、第1の分圧抵抗461が挿入されている。さらに第2の分圧抵抗462と、第3の分圧抵抗463が直列に接続され、第2の電極203に接続される配線302と、GND端子間に配置されている。ここで、第1の分圧抵抗461の抵抗値をR1、第2の分圧抵抗462の抵抗値をR2、第3の分圧抵抗463の抵抗値をR3とする。このとき、第2の電極203側の配線302に印加される電圧値Voは、Vo=(R2+R3)/(R1+R2+R3)×Vb とでき、素子毎に異なる最適な電圧をCMUTに印加することができる。
本実施形態では、R2の値をR3の値より小さくしていることが特徴である。それにより、第2の分圧抵抗462での降下電圧は、第3の分圧抵抗463での電圧降下より小さくなる。そのため、第1の分圧抵抗461と、第3の分圧抵抗463は、高い耐圧(数十ボルトから数百ボルト)である必要があるが、第2の分圧抵抗462は、それに比べて低い耐圧を用いることができる。第1の分圧抵抗461と、第3の分圧抵抗463は、高い耐圧の抵抗であるため大きな部品となってしまうが、第2の分圧抵抗462は小型な部品を用いることができる。
第2の分圧抵抗があることで、第1の分圧抵抗461と第3の分圧抵抗463の抵抗値を固定していても、第2の分圧抵抗462の抵抗値を変更するだけで、印加電圧を変更できる。第2の分圧抵抗462は、素子毎に対応した印加電圧になるような抵抗値に設定すればよく、第2の分圧抵抗462は、小型な部品であるため交換が容易である。
また、第1の高圧コンデンサ464、第2の高耐圧コンデンサ465は、各端子の電圧の変動や、外部からのノイズの混入を抑える目的で、配置されている。
本実施形態に係る超音波プローブでは、素子毎に最適な直流電圧を印加することができるので、CMUTの特性を均一にすることができ、高精度なデータの取得を行うことができる。そのため、本実施形態に係る超音波プローブを用いると、高画質な画像を取得することができる。
本実施形態の別の形態として、図10(b)で示すように、コネクタ411(または412)により第2の電極203寄りに、第2の分圧抵抗462を配置させる構成にすることができる。第1の分圧抵抗461と第3の分圧抵抗463は、回路基板400に配置している。第2の分圧抵抗462は、素子毎に対応した印加電圧になるような抵抗値に設定されており、素子毎に異なる値が用いられている。そのため、コネクタに挿す素子(エレメント)を取り変えても、回路基板400に実装する抵抗の値を変えることなく、素子毎に最適な印加電圧に設定できる。また、第2の分圧抵抗462は、耐圧が小さく、小型の部品であるので、支持部材101(または、フレキシブルプリント基板151)上に、素子の数だけ配置することができる。
コネクタで回路基板400と接続する配線は、第1の電極202と接続する第1の配線301と、第2の電極203に接続する第2の配線303に加えて、第2の分圧抵抗462に接続された第3の配線303を有している。これにより、コネクタより第1の電極202寄りに第2の分圧抵抗462を配置しても、CMUTに印加する電圧Voを調整することができる。
本実施形態の別の形態に係る超音波プローブでは、異なるCMUTに交換する場合でも、コネクタを差し替えるだけで、それぞれの素子に最適な直流電圧を印加することができる。そのため、交換が容易であり、CMUTの特性が均一な超音波プローブを提供することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第1から第8の実施形態とは、超音波を受信するCMUT200だけでなく、超音波の送信を行うCMUT199を備えていることが異なる。以下、第1から第8の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態に係る超音波プローブは、平板状の基板上に複数の前記トランスデューサが設けられ、そのうちの少なくとも1つが超音波を受信可能なトランスデューサであり、そのうちの少なくとも1つは、超音波を送信可能なトランスデューサである。
図11で、199は超音波の送信を行うCMUT、411は直流電圧を印加する第2の電圧印加手段、412は駆動手段である。図11は、1つのチップ100上に配置されたCMUT199、200を模式図である。チップ100上には、CMUT199とCMUT200が1素子(エレメント)ずつ配置されている。CMUT199は、超音波の送信に適した特性を有している。第2の電圧印加手段411は、超音波の送信効率が最も適したものになる印加電圧に設定されている。また、駆動手段412は、第2の電極に高電圧のパルスを印加することができる。CMUT199の第1の電極202は、チップ100毎に駆動手段412と電気的に接続されている。これにより、駆動手段412により、第1の電極202と第2の電極203との間に発生する静電引力が変化して、それによりメンブレン201が振動し、超音波が送信される。
一方、CMUT200は、超音波に加えて、超音波の受信に適した構成となっており、光音響波(超音波)を受けて、メンブレン201が振動し、検出回路401で振動を検出することができる。
本実施形態では、超音波イメージングデータ像の形成時には、CMUT199から超音波を被検体に向けて送信し、被検体で反射した超音波をCMUT200により受信する。一方、超音波イメージング像の取得時には、光源103により被検体で発生した超音波をCMUT200により受信する。
本実施形態に係る超音波プローブを用いれば、超音波の受信と、超音波の送受信を1つのプローブで行うことができる。そのため、検出したデータを元に光音響イメージング像、超音波イメージング像を形成することができる。また、超音波の送信に適したCMUT199と、光音響波(超音波)の受信に適したCMUT200を分けている。そのため、優れた超音波の送信特性と、優れた受信特性を両立させることができるため、高画質な画像を取得することができる。更に、超音波の送受信と超音波の受信に用いるCMUT199、200を同じチップ100上に形成しているため、光音響イメージング像、超音波イメージング像の位置ズレが少ない画像を得ることができる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態は、第1から第8までの実施形態とは、CMUTが超音波の送受信を行う機能も有していることが異なる。以下、第1から第8の実施形態と異なる点について説明する。
図12(a)(b)において、421は駆動検出回路、431はオペアンプ、432は帰還抵抗、433は帰還容量、434、435は高耐圧スイッチ、436、437はダイオード、438は高耐圧ダイオードである。図12(a)は、1つのチップ100上に配置されたCMUT198の模式図である。1つのチップ上には、CMUT198が1素子(エレメント)配置されており、CMUT198の第1の電極202は、駆動検出回路421と接続されている。駆動検出回路421は、装置側から超音波の送信に用いる高電圧パルスをCMUT198に印加し、CMUT198からの微小電流を検出信号とし装置側に出力する機能を有している。
図12(b)は、駆動検出回路421の詳細を説明するための回路図である。オペアンプ431の負帰還部に、帰還抵抗432と帰還容量433が並列に配置されており、電流電圧変換を行う機能を有している。オペアンプの入力と出力端子には、高耐圧スイッチ434、435と、ダイオード436、437がそれぞれ接続されている。高耐圧ダイオード438は、端子間に所定の電圧(1ボルト弱)以下の場合は、端子間の配線接続が切断される。また、高耐圧スイッチ434、435は、所定の電圧(数ボルト程度)より高い電圧が印加されると、スイッチの入出力端子間の配線が切断される。
送信のための高電圧パルスが印加されていない時、高耐圧ダイオード438は、端子間にはほとんど電位差がないため、高耐圧ダイオード438では入出力端子での配線は切断されている状態になっている。一方、高耐圧スイッチ434、435は、外部から高い電圧が印加されていないので、スイッチ間の配線が接続されている。そのため、トランスデューサからの微小電流をオペアンプで電流電圧変換して、外部に接続した装置(不図示)に検出信号を出力することができる。
一方、送信のための高電圧パルスが装置(不図示)側から印加されると、高耐圧ダイオード438内部の配線は接続され、高耐圧スイッチ434、435には、所定の電圧(数ボルト程度)より高い電圧が印加される。そのため、高耐圧スイッチ434、435は、スイッチ内部の配線を切断する。そのため、オペアンプへ高電圧が印加されてオペアンプが破損することを防ぐことができる。オペアンプからの信号出力は、高耐圧スイッチ435でカットされるために、送信のために印加した高電圧パルスに影響を与えることがない。そのため、トランスデューサの第1の電極に、超音波を送信するための高電圧パルスを印加することができる。
本実施形態に係る超音波プローブによると、超音波の受信と、超音波の送受信を1つのプローブで行うことができる。そのため、検出したデータを元に光音響イメージング像、超音波イメージング像を形成することができる。また、超音波の送信と、光音響波や超音波の受信に用いるCMUT198を1つで行うことができるため、チップ100のサイズを小さくすることができる。そのため、CMUT198間をより近接して配置することができ、素子の数を増やすことができ、あるいは同じ素子数であればより小さな径の半球を実現することができる。また、CMUT198を兼用しているので、光音響イメージング像、超音波イメージング像の位置ズレをより少ない画像を得ることができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態は、第9の実施形態とは、超音波の送信に用いるセル数と、超音波の受信に用いるセル数を変えることが異なる以下、第9の実施形態と異なる点について説明する。
図13において、197は第1のCMUT、196は第2のCMUTである。
本実施形態では、超音波の受信に、第2のCMUT196を用いて、超音波の送受信には第1のCMUT197のみを用いることが特徴である。図13(a)は、本実施形態の第1のCMUT197と、第2のCMUT196の断面図である。第1のCMUT197と、第2のCMUT196は、1つのチップ100上に配置されている。
第1のCMUT197の第1の電極202は、駆動検出回路422の第1の端子441と接続されている。第2のCMUT196の第2の電極203は、駆動検出回路422の第2の端子442と接続されている。駆動検出回路422は、第10の実施形態で説明した回路に、更にオペアンプを用いた電流電圧変換回路(トランスインピーダンス回路)と加算器439が追加された構成となっている。以下、第10の実施形態と異なる点のみを説明する。
図13(b)は、本実施形態に係る超音波プローブの駆動検出回路422を説明する回路図である。超音波を受信する際には、高耐圧ダイオード438はOFFとしており、オペアンプの前後の配線はONとしているので、第1のCMUT197からの電流は電圧に変換される。第1のCMUT197の電圧信号と、第2のCMUT196から電流を電圧変換した受信信号を、加算回路439で合算した信号501を、受信信号として用いる。これにより、第1のCMUT197と第2のCMUT196全体で超音波を受信することができる。
一方、超音波の送受信を行う際は、超音波の駆動信号を531として、駆動検出回路422に入力する。高電圧が印加された際は、オペアンプは高電圧から保護され、高耐圧ダイオード438はONとされるので、配線321に接続された第1のCMUT197のみに、駆動電圧が印加され、振動膜から超音波が送信される。被検体(測定対象)で反射した超音波により、振動膜が振動した際には、超音波の送信(駆動)信号531は印加されていない。そのため、高耐圧ダイオード438はOFFとしており、オペアンプの前後の配線はONとしているので、電流電圧変換を行い、超音波の受信信号531として出力される。
本実施形態に係る超音波プローブは、超音波の受信に用いるCMUTの大きさと、超音波の送受信に用いるCMUTの大きさとが異なっていてもよい。そのため、それぞれの信号取得に適した大きさの素子で、超音波の受信と超音波の送受信を行うことができるので、高画質な光音響イメージング像、超音波イメージング像を生成するために必要なデータを取得することができる。
また、本実施形態では、超音波の送受信に用いるCMUT(197)より、超音波の受信に用いるCMUT(197+196)の方が大きい。超音波の受信では、CMUTの大きさが大きいため、同じ周波数で使用する場合、受信する超音波の指向性を高くすることができる。一方、超音波の送受信では、小さな径のCMUTを用いても、CMUTの送信時の指向性と、CMUTの受信時の指向性の掛け合わせとなる。そのため、受信だけを行う同じ径のCMUTに比べて、送受信後の指向性を高くすることができる。そのため、本実施形態に係る超音波プローブを用いると、光音響イメージング像と超音波イメージング像の解像度がより近い画像を得ることができる。
本実施形態の別の形態として、図13(c)で示す駆動検出回路422を用いることができる。本実施形態の駆動検出回路422は、第2のCMUT196に接続されたオペアンプ431と、加算器439の間に、スイッチ440を有していることが特徴である。スイッチ440は、スイッチの制御信号540によりON、OFFが制御される。具体的には、超音波の送受信時にOFF、超音波の受信時にONするように制御信号540が入力される。このスイッチ440は、低電圧のアナログスイッチを用いることで、容易に実現することができる。
本実施形態では、超音波の送受信信号531と超音波の出力信号501を、1本の配線で兼用することができ、プローブのケーブル内の配線数を削減することができる。なお、スイッチの制御信号540は、必ずしも外部の装置から入力される必要はない。超音波プローブ内に駆動信号である高電圧パルスが印加されたことを検出して、一定期間の間 スイッチのOFF信号を生成する手段を有することで、外部からの信号入力を無くすことができる。
本実施形態の他の例として、図13(d)で示すように、超音波の受信に第1のCMUT197のみを用いて、超音波の送受信には第1のCMUT197と第2のCMUT196を用いる構成としてもよい。
これにより、送受信に用いる素子サイズが大きく、より大きな超音波を送信することができ、また受信感度も高くすることができるので、高精度な送受信信号を取得することができる。本実施形態では、送受信に用いる超音波の中心周波数を、超音波の受信信号の中心周波数より高く設定して使用する。これにより、光音響イメージング像と超音波イメージング像の解像度がより近く、超音波イメージング像がより高精度である画像を得ることができる。
(第12の実施形態)
第1から第8の何れかの実施形態に記載の超音波プローブは、光音響効果を利用した光音響波(超音波)の受信に用いることができ、それを備えた被検体情報取得装置に適用することができる。
図14を用いて、本実施形態の被検体情報取得装置の動作を具体的に説明する。まず、発光指示信号701に基づいて、光源103から光702(パルス光)を発生させることにより、測定対象物800に光702を照射する。測定対象物800では光702の照射により光音響波(超音波)703が発生し、この超音波703を超音波プローブが有する複数のCMUT802で受信する。受信信号の大きさや形状、時間の情報が超音波受信信号704として情報処理部803に送られる。一方、光源103で発生させた光703の大きさや形状、時間の情報(発光情報)が、光音響信号の情報処理部803に記憶される。光音響信号の情報処理部803では、超音波受信信号704と発光情報を基に測定対象物800の画像信号を生成して、光音響信号による被検体の画像情報705として出力する。画像表示部804では、光音響信号による被検体の画像情報705を基に、被検体800を画像として表示する。
本実施形態に係る超音波プローブは、広い周波数範囲の超音波を受信できる特性を有しているため、超音波から多くの情報を取得できるため、高画質な画像を生成することができる。
(第13の実施形態)
本実施形態は、第9から第11実施形態の何れかの超音波探触子を、第12の実施形態の被検体情報取得装置に用いたものである。
図15に、本実施形態に係わる画像形成装置の模式図を示す。図15において、706は超音波の送受信信号、707は送信した超音波、708は反射した超音波、709は超音波の送受信による被検体の画像情報である。
本実施形態の画像形成装置は、超音波の受信に加えて、パルスエコー(超音波の送受信)を行い、画像を形成する。超音波の受信については、第12の実施形態と同じであるため、ここではパルスエコー(超音波の送受信)について説明する。超音波は光音響波と言い換えることもできるため、被検体情報取得装置は、光音響装置と言い換えることもできる。
超音波の送信号706を元にして、複数のCMUT802から、測定対象物800に向かって超音波706が出力(送信)される。測定対象物800の内部において、内在する物体の固有音響インピーダンスの差により、超音波が反射する。反射した超音波708は、複数のCMUT802で受信され、受信信号の大きさや形状、時間の情報が超音波受信信号706として画像情報生成装置803に送られる。一方、送信超音波の大きさや形状、時間の情報は超音波送信情報として、情報処理部803で記憶される。情報処理部803では、超音波受信信号706と超音波送信情報を基に被検体800の画像信号を生成して、超音波送受信の被検体の画像情報709として出力する。
画像表示部804では、光音響信号による被検体の画像情報705と、超音波送受信による再現画像情報708の2つの情報を基に、被検体800を画像として表示する。
本実施形態によると、広い周波数範囲の超音波を受信できる特性を超音波プローブ用いて、異なる測定方法の受信情報を取得して画像を形成するため、より情報量の多い画像を取得、表示することができる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の思想及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。
100 平板状の基板(チップ)
101 支持部材
102 平面部
200 静電容量型トランスデューサ(CMUT)
202 第1の電極
203 第2の電極
205 空隙
210 振動膜

Claims (23)

  1. 第1の電極を含む振動膜と、
    前記振動膜に対して間隙を介して設けられる、第2の電極と、
    を有する静電容量型トランスデューサと、
    前記トランスデューサが複数設けられた支持部材と、
    を有する超音波プローブであって、
    前記支持部材の内壁面は曲面を有し、
    前記曲面に、窪んだ平面部が複数設けられ、前記平面部上に平板状の基板を介して前記トランスデューサが設けられていることを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記複数の平面部に対するそれぞれの垂線が、前記支持部材の内側の1点で交差していることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記複数のトランスデューサの受信面に対するそれぞれの法線は、前記支持部材の内側の1点で交差していることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記複数の平面部上に設けられている前記トランスデューサの数が100個以上10000以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  5. 前記基板は直方体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  6. 前記支持部材の内壁面側に、前記トランスデューサを被覆する、絶縁性フィルムが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  7. 前記絶縁性フィルムがポリエチレンテレフタラート又はポリイミドを含むことを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
  8. 前記絶縁性フィルムの厚さが15μm以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の超音波プローブ。
  9. 前記第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量の変化によって出力される電流を受信する受信回路を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の超音波プローブ。
  10. 前記受信回路が、前記支持部材の外壁面側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の超音波プローブ。
  11. 前記支持部材を貫通する配線が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の超音波プローブ。
  12. 前記貫通する配線と前記支持部材の内壁面に配置した配線とが、前記平板状の基板の裏面に配置したバンプで接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波プローブ。
  13. 前記トランスデューサと、前記受信回路とは、フレキシブルプリント基板を介して接続していることを特徴とする請求項9または10に記載の超音波プローブ。
  14. 前記トランスデューサと前記フレキシブルプリント基板との間とが、異方性導電樹脂を介して接続されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波プローブ。
  15. 前記トランスデューサと前記フレキシブルプリント基板とは、前記平板状の基板を貫通する配線を介して接続されていることを特徴とする請求項13または14に記載の超音波プローブ。
  16. 前記受信回路が回路基板の上に設けられ、前記回路基板は、前記支持部材の半球の深さ方向に垂直な方向に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波プローブ。
  17. 前記回路基板は、前記支持部材の半球の深さ方向に平行な方向に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波プローブ。
  18. 複数の超音波プローブユニットを組み合わせて、半球面形状の超音波プローブを構成することを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の超音波プローブ。
  19. 分圧抵抗を介して前記第1の電極または前記第2の電極に印加する直流電圧を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の超音波プローブ。
  20. 前記第2の電極と前記受信回路とが、コネクタによって接続されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波プローブ。
  21. 前記第2の電極と、前記コネクタとの間に、分圧抵抗を備えていることを特徴とする請求項20に記載の超音波プローブ。
  22. 前記平板状の基板上には、複数の前記トランスデューサが設けられ、そのうちの少なくとも1つが超音波を受信可能なトランスデューサであり、そのうちの少なくとも1つは、超音波を送信可能なトランスデューサであることを特徴とする請求項1乃至21の何れか1項に記載の超音波プローブ。
  23. 請求項1乃至22の何れか1項に記載の超音波プローブと、被検体に光を照射する光源とを有し、前記光源によって前記被検体に照射され光音響効果により発生した前記被検体からの超音波を、前記超音波プローブを用いて受信することを特徴とする情報取得装置。
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