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JP6462200B2 - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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JP6462200B2 JP2013012666A JP2013012666A JP6462200B2 JP 6462200 B2 JP6462200 B2 JP 6462200B2 JP 2013012666 A JP2013012666 A JP 2013012666A JP 2013012666 A JP2013012666 A JP 2013012666A JP 6462200 B2 JP6462200 B2 JP 6462200B2
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Description

本発明は、すぐれた抗老化作用及び美白作用を有し、生体安全性の高い皮膚外用組成物に関するものである。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)、ハウスダスト、排気ガス、ダニなどによる細胞・組織の損傷、又は炎症などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。皮膚の老化の外的要因である紫外線は皮膚細胞に直接傷害を及ぼすばかりではなく、細胞外マトリックス成分のコラーゲンを変性又は架橋させてシワの形成や皮膚の弾力性の低下をもたらし、さらにはメラニン色素の異常沈着を誘発してシミ、ソバカスを生じさせるなど、肌に様々なダメージを与える。さらに、ハウスダスト、排気ガス、ダニなどは、皮膚の炎症やアレルギーを惹起する抗原となり、これにより、シミ、ソバカスなどが生じる。
以上の原因により生じる皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら抗老化成分及び美白成分を配合した皮膚外用剤が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase;以下SODと略記)、カタラーゼなどの抗酸化剤;グリチルリチン酸、アラントインなどの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤がそれである。また、皮膚のシミ、ソバカス等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。
しかし、それら従来の抗老化剤及び美白剤には、皮膚に対する安全性、また、実際に皮膚に適用した際の有効性の観点で問題が存在する。また、生体安全性を考慮して、種々の天然成分由来の抗老化剤及び美白剤も提案されているが(特許文献1、2)、それらの効果は、皮膚外用剤の配合原料として見た場合に、有効性の観点で十分に満足できるものとは言い難い。
特開昭62−056410号 特開平03−188018号
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性に優れ、かつ、十分な有効性を発揮する天然物由来の新たな抗老化成分及び美白成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、(a)米のアルカリ抽出物を2種以上の蛋白分解酵素で処理して得られた酵素分解物と、(b)アブラナ科ブラシカ属の白芥の種子(白芥子)の抽出物を蛋白分解酵素で処理して得られる酵素分解物と、(c)スイレン科ハス属の植物の種子を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物と、(d)ハトムギの種子を酵母で発酵させて得られる発酵物と、(e)ラン科シラン属のシランの球根の抽出物と、を必須成分として含む皮膚外用組成物が安全性に優れ、かつ、低濃度で優れた抗老化効果及び美白効果を発揮することを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明は、(a)米のアルカリ抽出物を2種以上の蛋白分解酵素で処理して得られた酵素分解物と、(b)アブラナ科ブラシカ属の白芥の種子(白芥子)の抽出物を蛋白分解酵素で処理して得られる酵素分解物と、(c)スイレン科ハス属の植物の種子を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物と、(d)ハトムギの種子を酵母で発酵させて得られる発酵物と、(e)ラン科シラン属のシランの球根の抽出物と、を必須成分として含む皮膚外用組成物である。
また、本発明は、上記皮膚外用組成物を配合した化粧料である。
なお、本発明において、化粧料なる文言は、所謂医薬部外品を含む広義の意味で用いるものとする。
本発明は、(a)米のアルカリ抽出物を2種以上の蛋白分解酵素で処理して得られた酵素分解物と、(b)アブラナ科ブラシカ属の白芥の種子(白芥子)の抽出物を蛋白分解酵素で処理して得られる酵素分解物と、(c)スイレン科ハス属の植物の種子を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物と、(d)ハトムギの種子を酵母で発酵させて得られる発酵物と、(e)ラン科シラン属のシランの球根の抽出物と、を必須成分として含む皮膚外用組成物であって、各成分が有する、様々な作用機序(表皮細胞賦活効果、抗炎症効果[プロスタグランジン生成抑制効果]、メラニン生成抑制効果)に基づく抗老化作用及び美白作用の相乗効果により、格段に優れたシワ、タルミ、シミ及びソバカスの予防、改善効果を発揮する。さらに、本発明によれば、多面的及び複合的な作用機序に基づいて、総合的に皮膚の老化現象を予防、改善することができることから、各成分の配合量を低濃度に抑えて、臭い、使用感、安定性及び安全性に優れた皮膚外用組成物を提供することもできる。
図1は、本発明の皮膚外用組成物の表皮細胞賦活効果を示す図である。 図2は、本発明の皮膚外用組成物のプロスタグランジンE2(PGE2)生成抑制効果を示す図である。 図3は、本発明の皮膚外用組成物のメラニン生成抑制効果を示す図である。
本発明は、(a)米のアルカリ抽出物を2種以上の蛋白分解酵素で処理して得られた酵素分解物と、(b)アブラナ科ブラシカ属の白芥の種子(白芥子)の抽出物を蛋白分解酵素で処理して得られる酵素分解物と、(c)スイレン科ハス属の植物の種子を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物と、(d)ハトムギの種子を酵母で発酵させて得られる発酵物と、(e)ラン科シラン属のシランの球根の抽出物と、を必須成分として含む皮膚外用組成物である。
(a)米のアルカリ抽出物の酵素分解物の調製
本発明に於いて用いる米には特に制限はなく、玄米、精白米、加工米、有色素米(黒米、紫米、赤米など)などのいずれもが使用可能であるが、好適には精白米もしくは加工米が使用される。米の種類としては、粳米、もち米等のいずれを使用してもよい。また、加工米としては、抗アレルギー米、低蛋白米(例えば低グリテリン米)、強化米(例えばγ−アミノ酪酸米)などが挙げられる。又、玄米に含まれる白糠及び/又は赤糠の使用も可能である。
米のアルカリ抽出処理で用いられる溶媒としては、例えば、精製水;エタノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ヘキサン、クロロホルム、ベンゼンなどの炭化水素系溶剤などがあげられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して用いられる。これらのうち、皮膚外用剤への幅広い適用という点で、精製水または精製水とエタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールとの1種または2種以上を混合した溶媒が好ましい。これらの混合溶媒を用いる場合の容量比は、精製水とエタノールは1〜25:1、精製水とグリセリンは1〜15:1、精製水と1,3−ブチレングリコールは1〜15:1が好ましい。
アルカリ抽出処理で用いられるアルカリ調製剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カリウムなどのカリウム塩などがあげられ、これらのpHは7.5
〜14.0に設定される。これらのうち低濃度で目的のpHに設定できるため、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ抽出処理時間は用いる溶媒やアルカリ調製剤の種類、設定pH、抽出温度などによって異なるが、pH8.5 〜14.0、室温で6時間〜7日間が好ましい。
以上のようにして調製した米のアルカリ抽出物を蛋白分解酵素により加水分解する。使用する酵素としては、例えば、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメライン、微生物由来の複合蛋白分解酵素[例えば、ニューラーゼ(天野エンザイム株式会社製)]などが挙げられ、これらの酵素の2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。特に、パパイン類、ブロメライン及び/又はアクチナーゼ類を組み合わせて使用することが好ましい。
2種以上の酵素を組み合わせた処理は、用いる酵素の特性に応じて、2種以上の酵素を同時に作用させてもよく、又反応条件を変え、又は変えずして順次作用させるようにしてもよい。酵素の使用量は、米のアルカリ抽出物の固形分100重量部に対して、1種の酵素につき0.001〜50重量部の範囲とするのがよく、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。又、酵素処理の時間及び温度は、用いる酵素の種類等によっても異なるが、一般には0.5〜24時間の範囲であり、好ましくは1〜6時間の範囲である。なお、酵素処理温度は一般には約30〜50℃である。
上述のように調製した酵素分解物は、一般にはpHを4〜8に調製した上で、これをそのままの状態で皮膚外用組成物の一成分として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、酵素分解物はスプレードライ法、凍結乾燥法等の常法により乾燥物としても良い。
(b)白芥の種子(白芥子)の酵素処理分解物の調製
本発明において使用する白芥子とは、アブラナ科ブラシカ属の植物である白芥(Brassica alba)の種子をいう。
本発明においては、白芥子の抽出物を酵素により加水分解する。抽出に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の皮膚生理活性の観点、さらには次工程の蛋白分解酵素処理への移行の容易さ及び該処理の効率等の観点から、水又は水と低級アルコール類或いは多価アルコール類などの親水性溶媒との混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。水と親水性溶媒との混合溶媒を用いる場合、その混合比は、例えば水とエタノールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で100:1〜1:1、水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、100:1〜1:2、又水とグリセリンとの混合溶媒であれば、100:1〜1:4の範囲とするのがよい。
抽出に際して、抽出液のpHに特に限定はないが、一般には3.0〜9.0の範囲とすることが好ましく、かかる意味で、必要ならば前記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を添加し、目的とするpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpH、或いは被抽出物の細切度、粒度等によっても異なるが、例えば水を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は一般に1〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、又抽出時間は、室温抽出の場合で一般に0.5〜72時間の範囲、好ましくは1〜24時間の範囲である。
次に、ここに得られた抽出液を1種又は2種以上の蛋白分解酵素で処理し、抽出物に酵素分解処理を施す。この場合、抽出物溶液の調製に、水又は水と親水性溶媒との混合溶媒以外の溶媒を用いたときには、抽出物溶液から一旦抽出溶媒を除去し、ここに得られる抽出物を、水又は水と親水性溶媒との混合溶媒に再溶解した上酵素分解処理に供するようにする。
蛋白分解酵素としては、例えばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメラインなどが挙げられ、それらはいずれか1種を単独で用いても或いは2種以上を組み合わせ用いてもよい。それら酵素のうちでも、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類又はブロメラインが特に好ましい。
蛋白分解酵素処理は、白芥子の抽出物に上記の酵素の1種又は2種以上を添加し、用いた酵素の至適pH及び至適温度付近の条件下で酵素反応させることで行う。2種以上の酵素を組み合わせ用いる場合は、用いる酵素の特性に応じて、2種以上の酵素を同時に作用させてもよく、又反応条件を変えもしくは変えずして順次作用させるようにしてもよい。酵素の使用量は、白芥子の抽出物の固形分100重量部に対して、1種の酵素につき0.001〜50重量部の範囲とするのがよく、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。又、酵素処理の時間は、用いる酵素の種類等によっても異なるが、一般には0.5〜24時間の範囲であり、好ましくは1〜6時間の範囲である。なお、以上の蛋白分解酵素処理は、場合によってはその前工程である抽出処理の際それと同時に行ってもよい。
以上の蛋白分解酵素による処理が終了した後は、酵素処理液を例えば80℃以上に加熱する方法など適宜の方法を用いて酵素を失活させて、酵素分解物を得る。ここに得られる酵素分解物は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま皮膚外用組成物に配合するか、もしくは必要ならば減圧濃縮等により所定の濃度に調整した上で皮膚外用組成物に配合する。又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化してもよい。
(c)ハス種子の発酵物の調製
本発明で用いるスイレン科ハス属の植物としては、例えばハス(Nelumbo nucifera
Gaertner)或いはアメリカキバス(Nelumbo Lutea Pers.)などが挙げられるが、それらのうちでも、ハス(Nelumbo nucifera Gaertner)の使用が好ましい。
ハス種子の発酵に用いる微生物としては、乳酸菌から選ばれた1種又は2種以上を用いる。乳酸菌としては、例えばラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L.
brevis)、ラクトバシルス カゼイ(L. casei)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium
divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(Carnobacterium piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc
mesenteroides)、ロイコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌; ストレプトコッカス フェーカリス(Streptococcus
faecalis)、ストレプトコッカス ピオジェネス(Streptococcus pyogenes)等のストレプトコッカス属の乳酸菌;エンテロコッカス
カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(Enterococcus sulfreus)等のエンテロコッカス(
Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス プランタラム(Lactococcus
plantarum) ラクトコッカス ラフィノラクティス(Lactococcus rafinolactis)等のラクトコッカス属の乳酸菌;ヴェイセラ
コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドウレリ(Weissella kandleri)等のヴェイセラ属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(Atopobiumparvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus
fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus
damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌等が挙げられる。それら乳酸菌のうちでも、得られる発酵物の皮膚生理活性の観点とさらに極端な嫌気性でなく取り扱い易いという点から、ラクトバシルス
プランタラム(Lactobacillus plantarum)の使用が最も好ましい。
上記の乳酸菌を用いてハスの種子を発酵させる方法の好ましい具体例は以下の通りである。
まず、ハスの種子(以下「発酵素材」という)を溶媒に浸漬又は懸濁させて、発酵のための懸濁液を調製する。この場合、ハス種子は生のまま用いても、又予め乾燥もしくは半乾燥した上用いてもよい。又、形状としては、採取したものをそのまま用いることもできるが、細断又は粉砕して微細化すれば発酵効率を上げることができる。また、ハス種子の子実の最外層の渋皮は、発酵効率及び得られる発酵物の色相の点から、これを予め除去することが好ましく、又子実はそのまま用いるよりも、粉砕して粉末状として用いた方が、乳酸菌による栄養成分の利用がより行われ易くなって好ましい。
発酵素材を懸濁させるための溶媒としては、水又は水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノールなど)或いはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなど)との混液等が用いられ、又それら溶媒中にはグルコース、フルクトース、シュークロースなどの糖類を添加してもよいが、乳酸菌が最もその作用を発揮しやすい点とハス種子の成分以外の資化成分の存在に基づく発酵副産物の生成を避けるという点から、水を単独で用いるのが最も好ましい。発酵素材と溶媒との混合比は、発酵素材の乾燥重量換算で一般に1:1〜1:1000、好ましくは1:5〜1:100、より好ましくは1:10〜1:50の範囲である。
この発酵素材/溶媒懸濁液は、これを発酵工程に供する前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去することが必要であるが、この雑菌の殺菌除去方法としては、発酵素材を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後無菌水等の無菌溶媒に懸濁する方法を用いてもよく、又発酵素材を溶媒に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。加熱殺菌処理としては、懸濁液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
次に、この無菌化した懸濁液を発酵タンクに入れ、これに乳酸菌を植菌して発酵を行う。乳酸菌の接種量は10〜10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は一般に5〜50℃の範囲、好ましくは乳酸菌の生育至適温度である35℃〜40℃の範囲である。発酵日数は、至適温度に於いて一般に1〜10日、好ましくは2〜5日の範囲である。発酵日数が上記の一般的範囲より短くなると発酵が十分に行われず発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を越えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上の発酵処理を行うに当たって、ハスの種子の成分が乳酸菌によってより有効に利用されるようにするため、乳酸菌の植菌前もしくは植菌と同時に、前記の懸濁液に酵素を添加して、ハスの種子に酵素による加水分解処理を施すことが好ましい。
この場合、酵素としては、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、ペクチン質分解酵素及び繊維素分解酵素から選ばれた少なくとも1種の酵素が用いられ、特にそれら4種の酵素群からそれぞれ選ばれた少なくとも1種の酵素を組み合わせ用いることによって好結果を得ることができる
ここで蛋白分解酵素としては、例えばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメラインなどを用いることができる。それら酵素のうちでも、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類又はブロメラインが特に好ましい。
澱粉分解酵素としては、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−ガラクトシダーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、グルコアミラーゼが特に好ましい。
ペクチン質分解酵素としては、例えばペクチンデポリメラーゼ、ペクチンデメトキシラーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼ、ポリガラクチュロナーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、ペクチンエステラーゼとポリガラクチュロナーゼが特に好ましい。
繊維素分解酵素としては、例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アガラーゼ、マンナーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、カラゲナーゼ、アルギナーゼ、フコイダナーゼ、イヌラーゼ、キシラナーゼ、リグニナーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びリグニナーゼが特に好ましい。
酵素の使用量は、懸濁液中のハスの種子の固形分に対して、合計で0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。pH、温度、時間などの処理条件としては、酵素処理を発酵の前に行うのであれば、使用する酵素の至適pH及び至適温度付近で1〜24時間の処理を行うのがよく、一方発酵と同時に行うのであれば、当該発酵と同条件であって差し支えない。
以上の発酵処理が終ったならば、殺菌のため、又酵素処理を併用した場合であれば酵素の失活も兼ねて、発酵物に70〜100℃で10〜120分程度の加熱殺菌処理を施した後、これをそのまま、或いは一般かつ好適にはろ過或いは遠心分離などの固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH6〜8に調整し、さらに必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上、皮膚外用組成物の配合成分として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末状とした上、皮膚外用組成物に配合してもよい。
(d)ハトムギの種子の発酵物の調製
本発明で用いるハトムギは、イネ科ジュズダマ属の植物であって、薬用や食用に幅広く用いられているものである。本発明に於いては、ハトムギの種子の使用が好ましい。本発明において、ハトムギ種子は、殻付きのもの及び殻を除いたもののいずれもが使用可能であり、さらに粒のままでも、粉砕又は破砕して得た粉末、或いはハトムギ種子の粒、粉末の高温・高圧処理物等のいずれであってもよく、いずれの場合も同等でかつ元のハトムギ種子よりも強い皮膚生理活性を有する発酵物が得られるが、原料としての保存安定性や抽出・発酵効率の観点から、殻付き及び殻除去物のいずれの場合も、粉砕又は破砕して得た粉末、又はその高温・高圧処理物を用いることが好ましい。
本発明においては、ハトムギ種子の発酵に酵母を用いる。酵母として、例えば以下のものが挙げられる。
(1)サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス
アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces
bayonus)等のサッカロミセス属の酵母。
(2)トルラスポラ デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ
ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ ロゼイ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母。
(3)ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス
ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces
miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母。
(4)カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida
kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母。
本発明においては、上記酵母のいずれも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が最も好ましい。
上記の酵母を用いてハトムギ種子を発酵させる方法の好ましい具体例は以下の通りである。
まず、ハトムギ種子又はハトムギ種子を粉砕もしくは破砕して得た粉末、或いはそれらの高温・高圧処理物を発酵媒体と混合して懸濁液を調製し、これに殺菌処理を施す。ここで発酵媒体としては、水、水とエタノール、プロパノールなどの低級アルコール類との混合液、水とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどのグリコール類との混合液、水とソルビトール、グルコースなどの糖類との混合液等を用いることができるが、発酵に用いる酵母が最も作用し易いことと、ハトムギ種子に含まれる成分以外に酵母の栄養源となる成分を含まない点で、水単独の使用が最も好ましい。
ハトムギ種子と上記の発酵媒体との混合比は、重量比で一般に2:1〜1:1000の範囲であり、好ましくは1:2〜1:100、より好ましくは1:5〜1:50の範囲である。ハトムギ種子の量比が大き過ぎると液が粘性を持つため、ろ過操作等が困難となって収量が低下する傾向にあり、一方少な過ぎると、発酵物の固形分濃度、ひいては単位容積当たりの生理活性が低くなり、濃縮工程を余儀なく必要とする場合もあり、使い勝手の悪いものとなっていずれも好ましくない。
殺菌処理としては、ハトムギ種子懸濁液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。これに代えて、発酵素材のハトムギ種子それ自体を予め殺菌用エタノール等で洗浄殺菌しておき、これを無菌水等の無菌媒体に懸濁する方法を用いてもよく、また、懸濁液を調製した後に加熱殺菌しても良い。
次に、この無菌化したハトムギ種子懸濁液を発酵タンクに入れ、これに酵母を植菌して発酵を行う。酵母の接種量は10〜10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了迄に長時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は、5〜50℃の範囲であれば発酵が進行し目的の発酵物を得ることができるが、より好ましくは酵母の生育至適温度である30〜40℃の範囲である。発酵日数は、上記の至適温度で発酵を行う場合で一般に1〜10日であり、より好ましくは2〜5日である。発酵日数が1日より短いと発酵が十分に行われず、目的とする高い皮膚生理活性を有する発酵物を得ることが困難となる。一方、発酵日数が10日を越えて長くなり過ぎても、それ以上発酵は進行せず発酵物の有効性に向上が認められないだけでなく、かえって着色や発酵臭が強まるなどの不都合が生じ好ましくない。
所定の発酵日数が経過したならば、後述の酵素分解処理を発酵と併せ行った場合であれば当該酵素の失活を兼ねて、発酵物を例えば80〜90℃で60〜120分間加熱する方法などを用いて殺菌し、発酵を停止させた後、ろ過又は遠心分離などの固液分離手段を用いて不溶物を除去し、目的の発酵物を含む溶液を得る。ここに得られる発酵物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料に配合するか、もしくは必要ならば減圧濃縮等により所定の濃度に調整した上、皮膚外用組成物に配合する。又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化してもよい。
なお、以上の発酵処理を行うに際して、発酵前及び/又は発酵と並行して、ハトムギ種子懸濁液に酵素による加水分解処理を施すようにしてもよく、これによってハトムギ種子の成分がより有効に酵母によって利用され発酵効率が上がるだけでなく、発酵物の流動特性や保存安定性も一段と良好なものとなることから好ましい。
酵素加水分解処理を行う場合、酵素としては、蛋白分解酵素、糖質分解酵素の2種の酵素群のそれぞれから少なくとも1種以上の酵素を選び、それらを組み合わせ用いるようにするのが好ましい。
ここで蛋白分解酵素としては、例えばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメラインなどを用いることができる。
それら酵素のうちでも、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類或いはブロメラインが特に好ましい。
糖質分解酵素としては、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、β−グルカナーゼ、β−キシラナーゼ、デキストラナーゼ、ポリガラクチュロナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ペクチンデメトキシラーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、グルコアミラーゼ、ペクチンエステラーゼとポリガラクチュロナーゼが特に好ましい。
酵素の使用量は、ハトムギ種子懸濁液中の固形分に対して、合計量で0.01〜10重量%の範囲とするのがよく、より好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。pH、温度、時間などの処理条件は、発酵と同条件であって差し支えないが、発酵前に酵素加水分解処理を行う場合には、用いる酵素の至適pH、至適温度付近で1〜24時間処理を行うようにすることが好ましい。
(e)シラン球根の抽出物の調製
本発明に用いるシランとは、ラン科シラン属の植物であるシラン[Bletilla striata(THUNB.)REICHB.fil]をいう。本発明においては、このシランの球根、即ち漢方生薬の白及(ビャッキュウ)の使用が好ましい。
シラン球根の抽出物の調製は、この球根を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切又は粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触させることによって行われる。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。それら抽出溶媒のうちでも、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた1種の単独溶媒又は2種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜15:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜15:1の範囲とすることが好ましい。
本発明の抽出物の調製に際して、抽出液のpHは5〜9の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
被抽出物に対する抽出溶媒の量比は、浸漬法の場合で一般に1:1〜1:50(重量比)の範囲、好ましくは1:5〜1:20の範囲である。
又、抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、植物の抽出部位・細切度等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に5〜100℃、好ましくは40〜90℃の範囲であり、又抽出時間は、0.5〜96時間程度、特に2〜24時間程度が好適である。
ここに得られる抽出液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま、もしくは希釈或いは減圧濃縮等により適宜の濃度に調整してもよく、又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化してもよい。
本発明の皮膚外用組成物は、上記5つの植物由来成分を組み合わせて配合してなるものである。各成分の配合量は限定されるものではないが、例えば、好ましくは0.0001〜50重量%、より好ましくは、0.001〜30重量%、さらに好ましくは0.01〜10重量%である。
また、本発明の皮膚外用組成物は、当該組成物の有効性を失わない範囲で、通常の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、美白剤、色素、香料等を必要に応じて適宜併用することができる。また、本発明の皮膚外用組成物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて皮膚外用剤に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセルアスコルビン酸等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物、サンゴ草抽出物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物、コンブ、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物などの生薬抽出エキス、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
本発明の組成物を含む皮膚外用剤の適用部位としては、頭皮を含む皮膚全般が挙げられ、特に制限はない。従って、剤形としては、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、軟膏、パック、ハップ剤、皮膚洗浄剤(石鹸類など)、洗顔料、シャンプー、リンス、トリートメント、各種メークアップ化粧料、浴剤など、多様なものとすることができる。また、本発明の皮膚外用組成物は、化粧品に限定されず、医薬部外品や医薬品にも用いることができる。
次に、製造例、実施例、試験例及び処方例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.米抽出物の加水分解物
精白米1000gに0.025mol/L水酸化ナトリウム溶液1250gを加え室温で、21時間攪拌した。ろ過によって固形物を除去し、抽出液をpH7.5に調製した。この抽出液にパパイン0.02%及びアクチナーゼ0.02%を加えて40℃で2時間加水分解を行った。酵素を加熱失活した後、この液をろ過して米抽出物加水分解液590gを得た(固形分濃度1.6%)。
製造例2.白芥子の酵素分解物
白芥の種子(白芥子)の粉砕物50gに精製水1000gを混合し、40℃で1時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物溶液820g(固形分濃度:1.2重量%)を得た。次に、ここに得られた抽出物溶液500gに、アクチナーゼAS(科研ファルマ株式会社製)を0.05g添加し、40℃で2時間加水分解した。その後、85℃で1時間加熱して酵素を失活させた後ろ過し、淡黄色透明の白芥子抽出物の加水分解物溶液450g(固形分濃度1.1重量%)を得た。
製造例3.ハスの種子の発酵物
ハスの種子(渋皮を除去したもの)100gを粉砕し、精製水1900gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にグルコアミラーゼ1g、パパイン1g及びセルラーゼ0.5gを加えた後、乳酸菌(ラクトバチルス
プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、ハス種子の乳酸菌発酵物溶液1450g(固形分濃度2.7%)を得た。
製造例4.ハトムギ種子の発酵物
殻を除いたハトムギ種子50gを粉砕し、精製水950gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌をした。この懸濁液にグルコアミラーゼ0.5g、パパイン0.5gを加えた後、酵母(サッカロミセス セレビシエ)を10個/mL接種し、30℃で3日間静置培養した。培養終了後、加熱殺菌し、室温まで冷却後、ろ過してハトムギ種子発酵物溶液520gを得た(固形分濃度1.4%)。
製造例5.シラン球根の抽出物
シラン球根の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色透明の抽出物溶液510gを得た(固形分濃度2.3%)。
以上の製造例により得られた酵素分解物、発酵物及び抽出物を混合して、本発明の皮膚外用組成物とする。例えば、下記表1のように、各成分を、組成物全量に対して、それぞれ溶液としての最終濃度が0.2%、又は1.0%となるように配合して、本発明の皮膚外用組成物とする。
[表1]
試験例1.表皮細胞賦活効果試験
実施例1,2に係る皮膚外用組成物の表皮細胞賦活効果を以下の方法により評価した。
[試験方法]
正常表皮角化細胞(NHEK(F))を4×10個/wellで96ウェルプレートに播種後、HuMedia-KG2培地(倉敷紡績(株))を用いて、37℃で24時間培養した。24時間培養後、実施例1,2の皮膚外用組成物を試料溶液として上記培地に添加し、さらに、48時間培養した。ここで、試料溶液は、製造例1,2の酵素分解物、製造例3,4の発酵物、及び製造例5の抽出物を、それぞれ上記培地の全量に対して溶液としての最終濃度がそれぞれ0.2%(すなわち、混合溶液として1.0%)となるように、又は1.0%(すなわち、混合溶液として5.0%)となるように添加した。培養終了後、細胞の呼吸活性(MTT活性)をMTT還元法(H.Tada et.al.,J.Immunol.Methods 93, 157, 1986)によって評価した。すなわち、ウェルプレートから培地を除去した後、0.03%のMTT試薬(3-(4,5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazoliumbromide)を添加して37℃、1時間反応させ、生成したホルマザンをイソプロパノールで溶解させた後、570nmに於ける吸光度を測定し、細胞残渣による濁度(吸光度:630nm)を差し引いた値をMTT活性とした。なお、コントロールとして、上記試料溶液に代えてPBS(−)を培地に添加した場合のMTT活性も測定した。さらに、陽性対照として、上記試料溶液に代えて、100mMのグルコースを培地に添加した場合のMTT活性も測定した。本発明の実施例1,2に係る試料溶液のMTT活性は、コントロールのMTT活性値を100とした場合の相対値で表した。
試験例1の結果を図1に示す。図1に示すように、本発明の実施例1,2に係る皮膚外用組成物は、濃度依存的に格段に優れた表皮細胞賦活効果を奏することが明らかになった。なお、陽性対照であるグルコースも同様に、表皮細胞賦活効果を示したことから、本試験系が正常に行われたことも明らかである。
試験例2.プロスタグランジンE2(PGE2)生成抑制効果試験
実施例1,2に係る皮膚外用組成物の抗炎症効果をプロスタグランジンE2(以下「PGE2」という)生成抑制試験により、評価した。PGE2は、皮膚の炎症を惹起する炎症性のケミカルメディエーターであって、紫外線等の外的要因によりダメージを受けた皮膚細胞内で分泌される物質である。よって、このPGE2の生成抑制効果試験により、抗炎症効果を評価する。
[試験方法]
ウサギ角膜由来細胞(SIRC)を、10%FBS含有イーグル最少必須培地(日水製薬株式会社)に懸濁して96ウェルプレートに5×10個/wellとなるよう播種し、37℃で3日間培養した。3日間培養後、実施例1,2の皮膚外用組成物を試料溶液として上記培地に添加し、さらに、24時間培養した。ここで、試料溶液は、製造例1,2の酵素分解物、製造例3,4の発酵物、及び製造例5の抽出物を、それぞれ上記培地の全量に対して溶液としての最終濃度がそれぞれ0.2%(すなわち、混合溶液として1.0%)となるように、又は1.0%(すなわち、混合溶液として5.0%)となるように添加した。なお、上記試料溶液に代えてPBS(−)を添加した培地にて同様に上記細胞を24時間培養したものをコントロールとした。次に培養器の底面から100mJ/cmの紫外線B波を照射し、さらに2日間培養後、培養上清に分泌されたPGE2の量を、PGE2測定キット(カイマンケイミカル社製)を用いて測定した。また、上記試料溶液に代えて陽性対照としてインドメタシン10μMを用いた場合のPGE2量も同様にして求めた。また、コントロールと同様にPBS(−)を添加し24時間培養後、紫外線を照射しない対照区も設けた。
試験例2の結果を図2に示す。図2に示すように、本発明の実施例1,2に係る皮膚外用組成物は、濃度依存的に格段に優れたPGE2抑制効果を奏することが明らかになった。なお、陽性対照であるインドメタシンも同様にPGE2抑制効果を示したことから、本試験系が正常に行われたことも明らかである。
試験例3.メラニン生成抑制効果試験
実施例1,2に係る皮膚外用組成物のメラニン生成抑制効果を以下の方法により評価した。
[試験方法]
B16細胞(B16−F10)を6×10個を培養シャーレに播種後、10%FBS含有RPMI−1640培地(シグマアルドリッチ)を用いて24時間培養した。24時間培養後、実施例1,2の皮膚外用組成物を試料溶液として上記培地に添加し、さらに、B16細胞がコンフルエントになるまで培養した。ここで、試料溶液は、製造例1,2の酵素分解物、製造例3,4の発酵物、及び製造例5の抽出物を、それぞれ上記培地の全量に対して溶液としての最終濃度がそれぞれ0.2%(すなわち、混合溶液として1.0%)となるように、又は1.0%(すなわち、混合溶液として5.0%)となるように添加した。培養終了後、上記細胞をPBS(−)溶液で洗浄し、その後、0.5g/LのTrypsin/0.53mmol/L EDTA solution(ナカライテスク株式会社)を添加し、37℃で5分間静置することで、シャーレから細胞を剥離した細胞懸濁液を得た。細胞懸濁液を遠心分離(10000rpm、4℃)し、上清を除去後、10%
DMSO含有1N NaOH水溶液を加え、沸騰水浴中で5分間煮沸し、これを細胞溶解液とした。この細胞溶解液のメラニン量を吸光度(490nm)にて測定した。また、試料溶液の細胞に対する刺激性、増殖抑制などの影響を考慮して、細胞溶解液中のタンパク質量をBradford法にて測定し、タンパク質当たりのメラニン量を算出した。
なお、コントロールとして、上記試料溶液に代えてPBS(−)を培地に添加した場合のメラニン/タンパク量も測定した。さらに、陽性対照として、上記試料溶液に代えて、2mMのコウジ酸を培地に添加した場合のメラニン/タンパク量も測定した。なお、本発明の実施例1,2に係る試料溶液のメラニン生成抑制率を、コントロールのメラニン/タンパク量の値を100とした場合の相対値で表した。
試験例3の結果を図3に示す。図3に示すように、本発明の実施例1,2に係る皮膚外用組成物は、濃度依存的に格段に優れたメラニン生成抑制効果を奏すことが明らかになった。なお、陽性対照であるコウジ酸も同様にメラニン生成抑制効果を示したことから、本試験系が正常に行われたことも明らかである。
以上のように、本発明に係る皮膚外用組成物は、表皮細胞賦活効果、PGE2生成抑制効果(抗炎症効果)、及びメラニン生成抑制効果を併せ持つことから、これらの作用機序に基づいて、様々な要因により生じる皮膚老化現象(シワ、タルミ、シミ、ソバカス等)を多面的かつ総合的に予防、改善することができる。
<処方例1> 化粧水
下記表に示す配合割合で原料を配合し、常法に従って、化粧水を製造した。
(原料)
(重量%)
製造例1の酵素分解物 0.2
製造例2の酵素分解物 0.2
製造例3の発酵物 0.2
製造例4の発酵物 0.2
製造例5の抽出物 0.2
アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
ポリプロピレングリコール 2.0
オキシベンゾン 3.0
パラオキシ安息香酸エステル 0.5
クエン酸 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0
<処方例2> 化粧用クリーム
下記表に示す配合割合で原料を配合し、常法に従って、化粧用クリームを製造した。
(原料) (重量%)
製造例1の酵素分解物 1.0
製造例2の酵素分解物 1.0
製造例3の発酵物 1.0
製造例4の発酵物 1.0
製造例5の抽出物 1.0
アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
システイン 1.0
ステアリルアルコール 5.0
ステアリン酸 8.0
スクワラン 10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
プロピレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.3
香料 適量
防腐剤 適量
精製水 残部
合計 100.0

Claims (1)

  1. 以下の(a)乃至(e)を必須成分として含む皮膚外用組成物であって、当該皮膚外用組成物全量に対する(a)乃至(e)の各成分の配合量が0.0001〜50重量%であることを特徴とする皮膚外用組成物。
    (a)米のアルカリ抽出物2種以上の蛋白分解酵素処理物;
    (b)アブラナ科ブラシカ属の白芥(Brassica alba)の種子(白芥子)の抽出物蛋白分解酵素処理物;
    (c)スイレン科(Nympaeaceae)ハス属(Nelumbo)の植物の種子乳酸菌発酵物
    (d)ハトムギの種子母発酵物;
    (e)ラン科シラン属植物のシラン(Bletilla striata(THUNB.) REICHB.fil.)の球根の抽出物
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